説明

毛羽立ち度測定装置

【課題】炭素繊維糸条に種々の加工を加える際に、炭素繊維糸条の表面に発生する毛羽立ちの程度を、実際の加工工程における毛羽立ちの程度に近い実用上有効な精度で測定できる炭素繊維糸条の毛羽立ち度測定装置を提供する。
【解決手段】走行中に擦動を加えられた炭素繊維糸条の毛羽立ち度を測定する装置であって、炭素繊維糸条の繰出しボビン(A)と、走行する炭素繊維糸条の張力測定装置(B)と、炭素繊維糸条がその走行軸を中心として螺旋運動するように、その内側面が炭素繊維糸条に擦動を加えながら該走行軸に垂直な面内を走行軸を中心として円運動する擦動リング(C)と、炭素繊維糸条を所定速度で引取る可変速度ローラー(D)と、炭素繊維糸条の毛羽立ち度を計測する毛羽立ち度計測装置(E)を備えた毛羽立ち度測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維糸条の毛羽立ち度測定装置に関する。更に詳述すれば、本発明は、炭素繊維糸条に種々の加工を加える際に、炭素繊維糸条の表面に発生する毛羽立ちの程度を、実際の加工工程における毛羽立ちの程度に近い実用上有効な精度で測定できる炭素繊維糸条の毛羽立ち度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ピッチ系やポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維は、チョップドストランドの形態で、或は織物に加工された形態で繊維強化樹脂の補強材として使用されている。また、炭素繊維フェルト状に加工された形態のものを更に所定の形状に切断して電極材や発熱体に使用されている。
【0003】
これらの炭素繊維は、通常複数の単繊維を束ねた炭素繊維糸条として取り扱われる。炭素繊維糸条を織物に加工する工程、フェルト状に加工する工程、或は切断等の加工を行う工程で、炭素繊維同士の接触や炭素繊維糸条と加工装置との接触により繊維の一部が切断される。その結果、炭素繊維糸条の表面に切断された繊維に基因する毛羽が発生する。この毛羽立ちは、例えば加工工程における操業の不安定性の原因となる。更には得られる加工品を電極材や発熱体に使用する際に、性能低下の原因となる。従って、炭素繊維糸条を加工する際の毛羽立ちの程度を正確に知っておくことが、毛羽立ち度の少ない炭素繊維糸条を用いる加工品を製造する為に重要である。
【0004】
従来、糸条パッケージの表面の毛羽検査装置として、糸条パッケージの表面の検査箇所の毛羽を直立させる帯電手段、検査箇所の糸条パッケージ表面から所定範囲の空間を照射する光照射手段、この検査箇所及び近傍空間を側方から撮像し、その出力信号から毛羽を検出する手段を具備した毛羽検査装置が知られている(特許文献1)。
【0005】
仮撚加工機の加工中の解撚張力の特定パターンのパルス状変動を毛羽として原糸の毛羽を検出する毛羽検出装置も知られている(特許文献2)。
【0006】
しかしながら、これらの従来技術を炭素繊維糸条の毛羽立ち度測定に適用すると、下記(1)〜(3)の問題が生じる。このため、従来の毛羽検出では、炭素繊維糸条の毛羽立ち度を実用的に有効な精度では測定できない。
【0007】
(1)炭素繊維糸条表面の毛羽は剛直であるため、帯電手段では直立させることができない。
【0008】
(2)炭素繊維糸条表面の毛羽は靭性に乏しいため、仮撚加工することができない。
【0009】
(3)炭素繊維糸条に各種加工を施した場合に生じる毛羽立ちを、実用上有効な精度で再現できない。
【0010】
ボビンから糸条を自由落下させる際の、単位時間当たりの糸条落下量を計測し、糸条の解舒テンションを測定する方法が知られている(図6参照)。この方法は、糸条の解舒テンションと糸条落下量との相関を利用したものである。しかしながら、タック力の強い炭素繊維糸条の場合は、糸条が自由落下しない。
【0011】
上記を改良する方法として、ボビンから糸条に錘を付けて落下させた際の、単位時間当たりの落下量や、糸条がボビンから繰り出される際の負荷量を計測し、糸条の解舒テンションを測定する方法が考えられる(図7参照)。しかしながら、落下速度が殆ど錘の質量に依存してしまい、正確な解舒テンションは測定できない。
【0012】
このように、炭素繊維糸条に種々の加工を加える際に、炭素繊維糸条の表面に発生する毛羽立ちの程度を、予め実用上有効な精度で測定できる毛羽立ち度測定装置は未だ開発されていない。
【特許文献1】特開平7−267498号(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開2002−88600号(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者らは、上記問題を解決するために種々検討した結果、所定の張力で走行中に特定の擦動を加えられた炭素繊維糸条の毛羽立ち度が、炭素繊維糸条に種々の加工を加えた際に発生する毛羽立ちの程度と良好な相関があることを知見した。
【0014】
本発明は上記発見に基づき完成されるに至ったもので、その目的とするところは、炭素繊維糸条に種々の加工を加えた際に、炭素繊維糸条の表面に発生する毛羽立ちの程度を、実用上有効な精度で測定できる炭素繊維糸条の毛羽立ち度測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載のものである。
【0016】
〔1〕 走行中に擦動を加えられた炭素繊維糸条の毛羽立ち度を測定する装置であって、炭素繊維糸条の繰出しボビン(A)と、前記繰出しボビン(A)から繰出されて走行する炭素繊維糸条の張力測定装置(B)と、前記張力を測定された炭素繊維糸条がその走行軸を中心として螺旋運動するように、その内側面が炭素繊維糸条に擦動を加えながら該走行軸に垂直な面内を走行軸を円心として円運動する擦動リング(C)と、前記擦動リング(C)を通過した炭素繊維糸条を所定速度で引取る可変速度ローラー(D)と、可変速度ローラー(D)を通過した炭素繊維糸条の毛羽立ち度を計測する毛羽立ち度計測装置(E)を備えた毛羽立ち度測定装置。
【0017】
〔2〕 炭素繊維糸条の走行方向に沿って、擦動リング(C)の前に前部ガイドリング(F)、後に後部ガイドリング(G)を設けた〔1〕に記載の毛羽立ち度測定装置。
【発明の効果】
【0018】
炭素繊維糸条に種々の加工を加える際に、炭素繊維糸条の表面に発生する毛羽立ちの程度を、実用上有効な精度で測定できる。
【0019】
炭素繊維糸条に加える擦動の程度を、炭素繊維糸条の張力等により定量的に調節できるので、炭素繊維糸条を用いて織物等を製造する工程等で炭素繊維糸条に加える種々の加工工程に対応した条件での毛羽立ち度を測定できる。
【0020】
炭素繊維糸条に加える擦動の程度を、炭素繊維糸条の張力等により定量的に把握できるので、発生する毛羽立ち度の測定再現性が良い。
【0021】
毛羽立ち度測定結果を、毛羽立ち度の少ない炭素繊維糸条を製造する技術に反映できる。特に、炭素繊維織物を製織する際に、毛羽立ち度が多いと織機のガイド等に毛羽溜りが生じ、製織作業の障害になる。本発明の毛羽立ち度測定装置は、上記障害の無い、作業性の良い炭素繊維糸条を開発するのに有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の毛羽立ち度測定装置の一例を示す概略図である。図1中、1は毛羽立ち度測定装置で、Aは炭素繊維糸条10の繰出しボビンである。炭素繊維糸条10は、後述する可変速度ローラーDの駆動力により、前記ボビンAの周方向に沿って繰出されて、矢印12方向に走行して炭素繊維糸条10の張力測定装置Bに送られ、ここでボビンAから炭素繊維糸条10が繰出される際の解舒テンションが測定される。
【0024】
なお、50は炭素繊維糸条10の走行軸である。
【0025】
張力測定装置Bで解舒テンションが測定された炭素繊維糸条10は、次いで擦動リングCに送られる。擦動リングCは、その中央に円孔を穿設した円盤状で、いわゆるドーナツ状のリングである。この擦動リングCは、前記炭素繊維糸条10の走行軸50に垂直な面内を糸条10の走行軸50を円心として円運動する手段を有する。
【0026】
前記炭素繊維糸条10は、擦動リングCの中央円孔を通過する際に、円運動する擦動リングCの動きにより、走行する炭素繊維糸条がその走行軸50を中心として螺旋運動をするとともに、その内側面により炭素繊維糸条が擦られる。なお、30は擦動リングの円運動の軌跡をしめす。
【0027】
擦動リングCの円孔内を通過してらせん運動をして走行する炭素繊維糸条10は、次いで、炭素繊維糸条を所定速度で引取る可変速度ローラーDを通過する。
【0028】
可変速度ローラーDを通過した炭素繊維糸条10は毛羽立ち度計測装置Eに送られ、前記擦動リングCにより擦動を加えられた炭素繊維糸条の毛羽立ち度が計測される。
【0029】
図2は、本発明の毛羽立ち度測定装置の他の例を示す概略図である。図2中、1は毛羽立ち度測定装置、Aは炭素繊維糸条の繰出しボビン、14は繰出しボビンから繰り出された炭素繊維糸条を誘導するガイドリング、16は炭素繊維糸条の走行方向を変えるガイドロール、10は走行する炭素繊維糸条、12は炭素繊維糸条の走行方向、Bは走行する炭素繊維糸条の張力測定装置(ガイドロール22、26と張力測定ロール24と張力計測器28とで構成されている)、32、34は炭素繊維糸条の走行方向を変えるガイドロール、Cは走行する炭素繊維糸条がその走行軸50を中心として螺旋運動するように、その内側面が炭素繊維糸条に擦動を加えながら該走行軸に垂直な面を円運動するドーナツ形状の擦動リング、30は擦動リングの円運動の軌跡、F及びGはその中央に形成された中央円孔内を炭素繊維糸条が通過するよう配置されたドーナツ形状の前部ガイドリング及び後部ガイドリング、Dは炭素繊維糸条を所定速度で引取る可変速度ローラー、Eは擦動を加えられた炭素繊維糸条の毛羽立ち度を計測する毛羽立ち度計測装置である。本発明の毛羽立ち度測定装置は、前記A、B、C、D及びEに加えて上記F、Gを手段として備えることが好ましい。
【0030】
本発明における各構成について、更に説明する。
【0031】
〔繰出しボビン(A)〕
繰出しボビン(A)は、測定対象の炭素繊維糸条を円筒状の芯に予め巻きつけたものである。このボビンは巻出し形式により回転が固定されていても良く、自由回転が可能な状態で設置されていても良い。
【0032】
〔張力測定装置(B)〕
張力測定装置(B)は、炭素繊維糸条の張力を測定する装置であり、公知のものを使用できる。例えば、図2に示す2組のガイドロール22、26、張力測定ロール24と張力計測器28とで構成されているものを用いることができる。炭素繊維糸条の張力は、可変速度ローラー(D)により炭素繊維糸条の走行速度を変更することにより調節できる。この張力を調整することで、走行する炭素繊維糸条の擦動の強さを調節できる。従って、炭素繊維糸条に種々の加工を加える際の炭素繊維糸条に対する負荷量に合せた擦動強さを再現できる。
【0033】
尚、張力測定装置(B)により測定される張力は、繰出しボビン(A)から炭素繊維糸条が巻出される時の解舒テンションと相関がある。この解舒テンションは、炭素繊維糸条の毛羽立ち度に関連しているので、張力測定結果を毛羽立ち度の測定に補助的に利用できる。例えば、解舒テンションは、炭素繊維織物を製織する際の作業性とある程度関連がある。しかしながら、解舒テンションの測定だけでは、上記の作業性を正確に定量することができない。
【0034】
図3は、張力測定装置(B)を構成するロール群の寸法などを示す。図3において、aはガイドロール22とガイドロール26の水平方向中心間距離、bはガイドロール22、26と張力測定ロール24との垂直方向中心間距離である。張力測定ロール24は、垂直方向に上下動が可能であり、張力が測定可能なように、ロール24の回転軸が張力計測器28に連結されている。ガイドロール22と26間の距離aは解舒テンションが大きい場合には大きくすることが好ましい。
【0035】
〔擦動リング(C)〕
擦動リング(C)は、走行する炭素繊維糸条がその走行軸を中心として螺旋運動するように、その内側面が炭素繊維糸条に擦動を加えながら該走行軸に垂直な面内を円運動するドーナツ形状のリングである。このリングの中央円孔内を炭素繊維糸条が走行する。擦動リング(C)は、炭素繊維糸条の走行軸に垂直な面を等速で円運動するので、炭素繊維糸条はこのリングの内側面により走行方向を絶えず変えられ、その走行軸を中心とした螺旋運動を行う。この時に、炭素繊維糸条と擦動リング(C)の内側面との間に強制摩擦(擦動)がおきる。擦動リング(C)の円運動は、右方向の旋回、左方向の旋回のどちらでも良い。
【0036】
擦動リング(C)は、中央に円形の貫通孔を有するいわゆるドーナツ形状が好ましい。リング(C)の材質は、金属製(例えば、ステンレス製)のものや、樹脂製(例えば、ポリアミド樹脂)、セラミック製等、炭素繊維糸条の用途により適宜選択することができる。リング(C)の表面は、加工工程における炭素繊維糸条の接触面の粗度に応じて一定の粗度に仕上げられたものを用いることができる。
【0037】
〔前部ガイドリング(F)及び後部ガイドリング(G)〕
前部ガイドリング(F)及び後部ガイドリング(G)は、いずれもドーナツ形状であり、円断面を有するドーナツ形状であることが好ましい。炭素繊維糸条はこれらリングの中央円孔内を走行する。これらリングは、炭素繊維糸条の走行方向に対し、前部ガイドリング(F)、擦動リング(C)、後部ガイドリング(G)の順に各々中央円孔の中心軸を糸条の走行方向に平行にして配置される。この配置により走行軸に沿って走行してきた炭素繊維糸条は、前部ガイドリング(F)を通過後、擦動リング(C)に引っ張られて走行軸を中心とした螺旋運動を開始する。螺旋運動しながら走行する炭素繊維糸条は、後部ガイドリング(G)により走行軸に沿った走行に戻る。これらガイドリングを、擦動リング(C)の前後に配置することにより、炭素繊維糸条に加えられる擦動の程度が安定する。従って、毛羽立ち度の測定精度が増す。尚、ガイドリング(F)、(G)の寸法や形状は前記擦動リング(C)と同様なものが好ましい。
【0038】
図4は、擦動リング(C)の円運動にともなって、螺旋運動をする炭素繊維糸条36の状態を示す概略図である。図4で、32、34は炭素繊維糸条の走行方向を変えるガイドロール、Cは擦動リング、30は擦動リングの円運動の軌跡、36は走行軸50を中心として螺旋運動する炭素繊維糸条、Fは前部ガイドリング、Gは後部ガイドリング、hはガイドリングFGの設置間隔、rは擦動リングの円運動軌跡の回転半径である。上記h、rの好ましい寸法を以下に示す。
【0039】
h:200〜500mm
r:15〜100mm
尚、リング(C)の回転速度は、目的により異なるが、10〜1000rpmが好ましい。
【0040】
〔可変速度ローラー(D)〕
可変速度ローラー(D)は、繰出しボビン(A)から繰り出された炭素繊維糸条を一定走行速度で走行させる機能を有する。このローラーにより、炭素繊維糸条の走行速度及び解舒テンションを決めることができる。炭素繊維糸条の走行速度は、目的により異なるが、1〜30m/分が好ましい。
【0041】
〔毛羽立ち度計測装置(E)〕
毛羽立ち度計測装置(E)は、擦動が加えられた炭素繊維糸条の毛羽立ち度を測定する装置であり、公知のものを使用できる。毛羽を回収し、その質量を測定する装置が好ましい。
【実施例】
【0042】
[実施例1]
以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0043】
図2に示した毛羽立ち度測定装置と同様の装置を用いて炭素繊維糸条の毛羽立ち度を測定した。直径250mmの繰出しボビン(A)には、炭素繊維糸条として、東邦テナックス株式会社製 べスファイト(登録商標)(総単繊維数:12000本、単繊維0.11dtexを4000mを巻きつけたもの)を用いた。ボビンは図2のように繰出し方向にボビン軸を一致させた状態で設置した。
【0044】
張力測定装置(B)には、図3における、ガイドロール22とガイドロール26の水平方向中心間距離aが100mm、ガイドロール22、26と張力測定ロール24との垂直方向中心間距離bが10mmであった。
【0045】
擦動リング(C)、前部ガイドリング(F)及び後部ガイドリング(G)及びガイドリング(14)の表面粗度はRa=0.05μm(Rmax=0.90μm)であった。擦動リング(C)円運動軌跡の回転半径rは300mm、回転速度は750rpm、ガイドリングFGの設置間隔hは500mmとした。
【0046】
炭素繊維糸条を一定走行速度は、可変速度ローラー(D)により10m/分とした。走行させた炭素繊維糸条の張力は、張力測定装置(B)により190cNであると計測された。上記の条件で擦動を加えた炭素繊維糸条の毛羽立ち度を毛羽立ち度測定装置(E)により測定した。測定の結果、毛羽立ち度は39.4μg/m(12μg/ft)であった。
【0047】
尚、毛羽立ち度計測装置(E)には、ウレタン材にて走行する炭素繊維糸条を挟み込み、ウレタン材に付着した炭素繊維(毛羽)の質量を測定する方式のものを使用した。上記のテンションは、従来の測定方法では測定できない高テンションである。
【0048】
[実施例2]
図5に示すように、ボビン捲芯を回転用軸(図示していない)に挿入し自由回転が可能な状態で巻出し方向をボビンの軸方向と直角に設置し、測定条件を下記の通り変更した以外は実施例1と同様に炭素繊維糸条の毛羽立ち度を測定した。測定の結果、毛羽立ち度は32.8μg/m(10μg/ft)であった。
【0049】
張力測定装置(B)には、図3における、ガイドロール22とガイドロール26の水平方向中心間距離aが150mm、ガイドロール22、26と張力測定ロール24との垂直方向中心間距離bが20mmのものを用いた。
【0050】
炭素繊維糸条の一定走行速度は、20m/分とした。走行させた炭素繊維糸条の張力は、30cNであると計測された。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の毛羽立ち度測定装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の毛羽立ち度測定装置の他の例を示す概略図である。
【図3】本発明に用いる張力測定装置(B)の一例を示す概略図である。
【図4】擦動リング(C)の円運動にともなって、螺旋運動をする炭素繊維糸条36の状態を示す概略図である。
【図5】本発明の実施例に用いた毛羽立ち度測定装置の一例を示す概略図である。
【図6】糸条の解舒テンションを測定する方法の例を示す概略図である。
【図7】糸条の解舒テンションを測定する方法の例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0052】
A 繰出しボビン
B 張力測定装置
C 擦動リング
D 可変速度ローラー
E 毛羽立ち度計測装置
F 前部ガイドリング
G 後部ガイドリング
1 毛羽立ち度測定装置
10 走行する炭素繊維糸条
12 炭素繊維糸条の走行方向
14 ガイドリング
16 ガイドロール
22 ガイドロール
24 張力測定ロール
26 ガイドロール
28 張力計測器
30 擦動リングの円運動の軌跡
32 ガイドロール
34 ガイドロール
50 炭素繊維糸条の走行軸
a ガイドロール22とガイドロール26の水平方向中心間距離
b ガイドロール22、26と張力測定ロール24との垂直方向中心間距離
h ガイドリングFGの設置間隔
r 擦動リングの円運動軌跡の回転半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行中に擦動を加えられた炭素繊維糸条の毛羽立ち度を測定する装置であって、炭素繊維糸条の繰出しボビン(A)と、前記繰出しボビン(A)から繰出されて走行する炭素繊維糸条の張力測定装置(B)と、前記張力を測定された炭素繊維糸条がその走行軸を中心として螺旋運動するように、その内側面が炭素繊維糸条に擦動を加えながら該走行軸に垂直な面内を走行軸を円心として円運動する擦動リング(C)と、前記擦動リング(C)を通過した炭素繊維糸条を所定速度で引取る可変速度ローラー(D)と、可変速度ローラー(D)を通過した炭素繊維糸条の毛羽立ち度を計測する毛羽立ち度計測装置(E)を備えた毛羽立ち度測定装置。
【請求項2】
炭素繊維糸条の走行方向に沿って、擦動リング(C)の前に前部ガイドリング(F)、後に後部ガイドリング(G)を設けた請求項1に記載の毛羽立ち度測定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−63070(P2008−63070A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−241803(P2006−241803)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(000003090)東邦テナックス株式会社 (246)
【Fターム(参考)】