説明

水中油型メイクアップ化粧料

【課題】べたつかず心地良い使用感が得られ、且つずるつきがなくなめらかに塗布できる水中油型メイクアップ化粧料を提供する。
【解決手段】(A)2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステル、並びにN,N−ジメチルアクリルアミドを構成単位として含むクロスポリマーを水相中に、(B)疎水性粉体を油相中に、それぞれ含有することを特徴とする水中油型メイクアップ化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型メイクアップ化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乳化型のメイクアップ化粧料としては、化粧効果を長時間維持すべくラスティング効果の優れた油分を主成分とする油中水型乳化化粧料が用いられてきた。油中水型乳化化粧料は顔料分散性に優れ、高いラスティング効果を有する反面、顔料の白浮き、ヨレ、油分によるべたつき感を生じ、高使用感を得るのが困難であるという欠点を有していた。
【0003】
そこで高使用感を得ることを目的として、水中油型の系での処方が検討されてきたが、水中油型の系では外相に顔料を分散することが難しく、また経時で顔料が皮脂などに濡れて化粧持ちに劣るという欠点を有していた。
【0004】
一方、近年、粉体の肌への密着性向上、あるいは耐水性付与等の目的で、疎水化処理粉体が使用されている。しかし、疎水化処理粉体を配合した水中油型乳化化粧料は、製品として十分な安定性を得ることが一つの課題となっている。そこで、経時や温度変化等に起因する乳化粒子の合一や粉体微粒子の凝集、沈降を防止する研究が進められている(特許文献1、2参照)。しかし、その安定性にはさらに改良の余地があった。
【0005】
水中油型乳化基剤の安定性を確保するためには、増粘剤による連続相の増粘が非常に重要である。カルボキシビニルポリマー等の静電反発による増粘方法は増粘効果が高く、使用感もべたつかず良好であるが、イオン溶出の影響が無視できない疎水化処理粉体を配合した場合には、減粘もしくはゲル化するという問題を生じることがある。そこで、疎水化処理粉体等を配合する場合には、耐塩性に優れる多糖類などを用いた増粘方法が好ましいとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平7−94366号公報
【特許文献2】特開平8−310940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、多糖類は、前記カルボキシビニルポリマー等と比較して、増粘性が若干弱く、増粘効果を発揮させるためには、比較的多量に配合する必要があり、べたつきが生じることがあった。さらに、多糖類を配合した水中油型乳化化粧料は、皮膚に塗布後、乾き際によれが生じることがあった。特に疎水化処理粉体を含む場合、多糖類と疎水化処理粉体との相互作用により、よれが増長される。したがって、顔料の分散安定性が良く、よれ、べたつきのない高使用感の水中油型乳化化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで本発明者は、疎水性粉体を安定に含有する水中油型乳化化粧料を開発すべく検討した結果、疎水性粉体を含有する油性成分を、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステル、並びにN,N−ジメチルアクリルアミドを構成単位として含むクロスポリマーを含有する水性ジェル組成物で乳化させることで、安定性の高い、高使用感の水中油型メイクアップ化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、次の成分(A)及び(B)を含み、(A)成分は水相に、(B)成分は油相に含まれることを特徴とする水中油型メイクアップ化粧料である。
(A)2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステル、並びにN,N−ジメチルアクリルアミドを構成単位として含むクロスポリマー
(B)疎水性粉体
【発明の効果】
【0010】
本発明の水中油型メイクアップ化粧料は、べたつかず心地良い使用感が得られ、且つ乾き際によれが起こらないものであり、また粉体の安定性にも優れたものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に用いられる水溶性増粘剤は、(A)2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステル誘導体、並びにN,N−ジメチルアクリルアミドを構成単位として含むクロスポリマーである。ここで(メタ)アクリル酸のエステルとしては、アルキル(メタ)アクリレート、アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートとしては、C6-20アルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート等が好ましく、ラウリル(メタ)アクリレートがより好ましい。また、アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレートとしては、C6-20アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレートが挙げられ、ラウリルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ミリスチルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、パルミチルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート等が好ましく、ラウリルテトラオキシエチレン(メタ)アクリレートがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸のエステルは、2種以上が含まれていてもよい。また、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩としてはアンモニウム塩が好ましい。
【0012】
より好ましいクロスポリマーの例としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩と、C6-20アルキル(メタ)アクリレート及び/又はC6-20アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレートと、N,N−ジメチルアクリルアミドとの共重合体が挙げられる。
具体的なクロスポリマーとしては、(2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸アンモニウム/N,N−ジメチルアクリルアミド/ラウリルテトラオキシエチレン(メタ)アクリレート)クロスポリマー、(2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸アンモニウム/N,N−ジメチルアクリルアミド/ラウリル(メタ)アクリレート/ラウリルテトラオキシエチレン(メタ)アクリレート)クロスポリマー等が挙げられる。市販品の例としては、SEPPIC社製のSepiMAX ZENを挙げることができる。
【0013】
これらの水溶性増粘剤は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩と、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルと、N,N−ジメチルアクリルアミドを共重合させることにより得ることができる。
【0014】
本発明の水中油型メイクアップ化粧料における(A)水溶性増粘剤の含有量は、メイクアップ化粧料の総量を基準として0.1〜5質量%が好ましく、0.15〜3質量%がより好ましく、0.5〜2質量%がさらに好ましい。(A)水溶性増粘剤をこの範囲とすることにより、安定性が良好で、べたつきが抑制される。
【0015】
本発明に用いられる(B)疎水性粉体は、水との相互作用が小さく、水との親和性が小さい粉体であり、通常は、親油性の粉体である。疎水性粉体は、本質的に疎水性の素材の粉体、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸亜鉛等の金属石鹸末;ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー等の樹脂粉末であってもよい。また、この疎水性の粉体を基素材として、さらに疎水化処理を施した粉体であってもよい。
【0016】
本発明において、疎水化処理される基粉体としては、化粧品一般に使用される粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず用いることができる。具体的には、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類;オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類;ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース等の有機粉体類;シリカ、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類;微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0017】
前記粉体を疎水化処理する処理剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高粘度シリコーン、架橋型シリコーン、フッ素変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、シリコーン樹脂等のシリコーン化合物;アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤等の界面活性剤;N−アシルグルタミン酸、N−アシルアスパラギン酸、N−アシルリジン等のアミノ酸;レシチン;金属石鹸;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルシラン;ポリイソブチレン、ワックス、油脂等の油剤;パーフルオロアルキルリン酸、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸等のフッ素化合物;PVP−ヘキサデセンのコポリマー等のPVP変性ポリマー;トリイソステアリン酸イソプロピルチタン等の有機チタネート等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。前記処理剤を粉体に処理する方法は通常公知の方法が用いられ、例えば、溶媒を使用する湿式法、気相法、メカノケミカル法等が挙げられる。
【0018】
これらの疎水性粉体のうち、疎水化処理粉体を用いるのが分散安定性の点で好ましく、さらに疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化亜鉛を含有するのがより好ましい。さらにまた、分散安定性の点から、シリコーン化合物、アミノ酸、アルキルシラン、有機チタネート、フッ素化合物等で疎水化処理した酸化チタン又は酸化亜鉛を用いるのが好ましい。
【0019】
本発明においては、前記の(A)水溶性増粘剤は水相に、疎水性粉体は油相に含まれていることが必要である。疎水性粉体を油相に配合することで、乳化粒子が緻密で、長期安定性も優れるものとなる。疎水性粉体が水相に含まれている場合には、粉体分散が困難であり、外観の均一性が損なわれる。
【0020】
疎水性粉体は、実際に水中油型乳化物に適用した場合も水や汗に強く、化粧くずれが起きにくい。なお撥水処理をしない無処理の粉体を使用した場合は、粉体表面の親水性が強いため、水や汗による化粧くずれが非常に起きやすい。
【0021】
本発明の水中油型メイクアップ化粧料における(B)疎水性粉体の含有量は、メイクアップ化粧料の総量を基準として0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましい。疎水性粉体の含有量をこの範囲とすることにより、発色が良好であり、メイクアップ化粧料としては十分な化粧効果を得ることができ、化粧持続性も良好になるとともに、内油相中に十分に粉体を分散することができ、乳化安定性も良好である。本発明のメイクアップ化粧料は、粉体分散性に優れるため粉体を高配合することが可能であり、ベースメイクアップ化粧料として使用する場合には、カバー力を考慮し、(B)疎水性粉体をメイクアップ化粧料の総量を基準として、10〜30質量%含有することができる。
【0022】
本発明にかかる水中油型メイクアップ化粧料において、疎水性粉体を分散させる油相としては、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、セチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸グリセリン、オリーブ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、ラノリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ビースワックス、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、鎖状又は環状のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の油剤が挙げられる。これら油剤のうち、ラスティングと顔料分散性に優れたシリコーン油を配合することが好適である。本発明の水中油型メイクアップ化粧料においては、油相中にシリコーン油を1〜40質量%、2〜35質量%、さらに5〜30質量%含有するのが、ラスティングと顔料分散性の点で好ましい。
【0023】
本発明にかかる水中油型メイクアップ化粧料においては、上記した必須構成成分の他にこれらの所望する形態や剤型に応じて通常公知の基剤成分等を、その配合により本発明の所期の効果を損なわない範囲で広く配合して用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ラウロイルジエタノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリエーテル変性シリコーン等の界面活性剤;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、ビタミンEアセテート、ビタミンH、センブリ抽出物、グリチルレチン酸、パントテニルエチルエーテル等の薬効成分;パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、〔4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−メチルブチル〕−3,4,5,−トリメトキシケイ皮酸エステル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤;アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム等の金属イオン封鎖剤;安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等の防腐剤;アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等の酸化防止剤;乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等のpH調整剤;保湿剤、皮膜剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、皮膚栄養剤、香料、色剤、水等を適宜本発明組成物中に配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することができる。
【0024】
本発明の水中油型メイクアップ化粧料の形態としては、ファンデーション、メイクアップベース、化粧下地等のベースメイクアップ化粧料、アイシャドウ、ハイライト、チーク、マスカラ等のポイントメイクアップ化粧料、BBクリーム等のスキンケア化粧料にベースメイクの機能を付与したものが挙げられる。
【実施例】
【0025】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、配合量はすべて質量%である。
【0026】
下記表1記載の水中油型メイクアップ化粧料を調製し、べたつき、ずるつき(よれ)、粉体凝集性及び化粧もちを下記の評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
【0027】
(1)使用特性(べたつき、ずるつき、化粧持ち)の評価基準
女性パネル20名に、実施例、比較例の各試料を塗布してもらい、「べたつかない」、「ずるつかない」、「2時間以上くずれない」と回答した人数に従って使用特性を評価した。評価基準は下記の通りである。
【0028】
○:15人以上
△:7〜14人
×:6人以下
【0029】
(2)粉体凝集の評価基準
各試料をアクリル板上に伸ばし、状態を観察し凝集の度合いを評価する。
粉体が凝集している場合は、凝集物が観察される。
○:凝集した粉体は認められない。
△:わずかに白い凝集物が認められる。
×:白い凝集物が多数認められる。
【0030】
【表1】

【0031】
表1に示す結果から明らかなように、(A)水溶性増粘剤を使用しない場合、べたつき、ずるつきといった感触の面で問題があり、さらに疎水化されていない粉末成分を配合した場合、顔料分散が悪く、化粧持ちの面で問題があり、本発明の効果を得ることができなかった(比較例1,2)。
【0032】
以下に、さらに本発明の処方例を示す。
【0033】
実施例3
(メイクアップベース)
(質量%)
1. ジメチコン*5 5.0
2. ミリスチン酸イソセチル 6.0
3. パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル 5.0
4. 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 0.6
5. モノイソステアリン酸ソルビタン 0.6
6. セタノール 2.3
7. フィトステロール 0.6
8. ステアリン酸 0.4
9. SepiMAX ZEN*3 0.3
10.グリセリン 5.0
11.メチルパラベン 0.3
12.精製水 残 量
13.オクチルトリエトキシシラン処理酸化亜鉛 3.0
14.ポリメチルシルセスキオキサン*6 0.5
*5 2−1184 Fluid:東レ・ダウコーニング社製
*6 TOSPEARL 145A:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ ジャパン社製
【0034】
実施例4
(ファンデーション)
(質量%)
1. 自己乳化型モノイソステアリン酸グリセリン 1.0
2. モノイソステアリン酸ソルビタン 1.0
3. ステアリルアルコール 1.0
4. メトキシケイヒ酸オクチル 7.5
5. ジメチコン*7 0.5
6. α−オレフィンオリゴマー 4.0
7. ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)*8 2.0
8. SepiMAX ZEN*3 1.0
9. グリセリン 4.0
10.エデト酸二ナトリウム 0.1
11.メチルパラベン 0.25
12.デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
13.フェノキシエタノール 0.4
14.シルクパウダー 0.1
15.アスコルビン酸硫酸二ナトリウム 0.01
16.精製水 残 量
17.アミノ酸/アルキルチタネート処理酸化チタン*9 7.5
18.アミノ酸/アルキルチタネート処理酸化鉄*9 1.0
19.アミノ酸/アルキルチタネート処理タルク*9 1.0
20.アミノ酸/アルキルチタネート処理マイカ*9 0.5
*7 KF−96A−20CS:信越化学工業社製
*8 Plandool−H:日本精化社製
*9 ASIシリーズ:大東化成工業社製
【0035】
実施例5
(BBクリーム)
(質量%)
1. ステアリン酸 0.5
2. モノステアリン酸グリセリル 1.5
3. ベヘニルアルコール 0.5
4. α−オレフィンオリゴマー 14.0
5. ジメチコン*10 1.0
6. SepiMAX ZEN*3 1.0
7. ベントナイト*11 0.1
8. ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.3
9. グリセリン 10.0
10.メチルパラベン 0.2
11.ソルビン酸 0.05
12.ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
13.フェノキシエタノール 0.4
14.精製水 残 量
15.アミノ酸処理酸化チタン*12 5.0
16.アミノ酸処理酸化鉄*12 0.8
17.アミノ酸処理タルク*12 1.2
18.アクリレーツコポリマー*13 1.0
19.ナイロン*14 0.5
20.ラウロイルリシン*15 0.5
*10 SH200−2CS:東レ・ダウコーニング社製
*11 クニピアG4:クニミネ工業社製
*12 LLシリーズ:大東化成工業社製
*13 マイクロスフェアーS−102:松本油脂製薬社製
*14 ナイロンSP−500:東洋レーヨン社製
*15 アミホープLL:味の素社製
【0036】
実施例6
(メイクアップベース)
(質量%)
1. モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 0.3
2. ポリオキシエチレン(60)硬化ひまし油 0.8
3. メトキシケイヒ酸オクチル 5.5
4. ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸エチルヘキシル 0.5
5. ブチルメトキシベンゾイルメタン 1.5
6. ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0
7. フェニルトリメチコン*1 2.0
8. ジメチコン*16 1.0
9. (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー*17 0.1
10.イソノナン酸イソノニル 1.0
11.エタノール 8.0
12.ブチレングリコール 2.0
13.PVA 0.5
14.SepiMAX ZEN*3 1.0
15.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体*18 0.3
16.水酸化カリウム 0.2
17.アスコルビン酸硫酸二ナトリウム 0.01
18.オトギリソウエキス 0.1
19.オリーブ葉エキス 0.1
20.精製水 残 量
21.シリコーン処理酸化チタン 1.0
22.シリコーン処理酸化亜鉛 3.0
22.シリコーン処理酸化鉄 0.3
23.シリコーン処理雲母チタン 1.0
*16 KF−96A−6CS:信越化学工業社製
*17 KSG−16:信越化学工業社製
*18 PEMULEN TR−1、Lubrizol Advanced Mate rials,Inc.社製
【0037】
実施例7
(メイクアップベース)
(質量%)
1. メトキシケイヒ酸オクチル 7.0
2. ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸エチルヘキシル 0.5
3. ミリスチン酸イソセチル 5.0
4. シクロメチコン*19 3.0
5. メチルトリメチコン*20 1.0
6. ジメチコン*10 0.5
7. エタノール 10.0
8. SepiMAX ZEN*3 1.0
9. (アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー*21
2.0
10.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー*22 0.5
11.グリセリン 2.0
12.エデト酸二ナトリウム 0.02
13.精製水 残 量
14.シリコーン処理酸化亜鉛 5.0
15.ポリメチルシルセスキオキサン*6 1.0
16.シリコーン処理シリカ 0.5
*19 KF−995:信越化学工業社製
*20 TMF−1.5:信越化学工業社製
*21 SIMULGEL EG:SEPPIC社製
*22 PF−2001 Powder in Fluid Emulsion:東レ ・ダウコーニング社製
【0038】
実施例8
(メイクアップベース)
(質量%)
1. ジメチコン*5 5.0
2. 流動パラフィン 6.0
3. ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 2.5
4. パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル 5.0
5. 自己乳化型ステアリン酸プロピレングリコール 1.0
6. モノイソステアリン酸ソルビタン 1.0
7. ステアリルアルコール 1.5
8. フィトステロール 0.6
9. ステアリン酸 0.5
10.SepiMAX ZEN*3 0.3
11.ジプロピレングリコール 6.0
12.グリセリン 2.0
13.メチルパラベン 0.3
14.精製水 残 量
15.シリコーン処理酸化チタン 3.0
16.シリコーン処理酸化鉄 0.1
17.シリコーン処理タルク 1.0
18.シリコーン処理雲母チタン 1.0
19.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー*23 0.5
*23 トレフィルE508:東レ・ダウコーニング社製
【0039】
実施例9
(ファンデーション)
(質量%)
1. SepiMAX ZEN*3 0.5
2. フェニルトリメチコン*1 10.0
3. イソノナン酸イソノニル 16.5
4. シクロペンタシロキサン*19 1.0
5. ジメチコン*5 1.0
6. パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル 3.0
7. 自己乳化型ステアリン酸グリセリン 0.5
8. ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル 1.0
9. セトステアリルアルコール 0.5
10.ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル 1.5
11.フィトステロール 0.5
12.ステアリン酸 1.0
13.ジプロピレングリコール 3.0
14.グリセリン 1.0
15.メチルパラベン 0.2
16.フェノキシエタノール 0.3
17.精製水 46.5
18.オクチルシリル化酸化チタン 1.0
19.シリコーン/アミノ酸処理酸化チタン*4 8.0
20.シリコーン/アミノ酸処理酸化鉄*4 1.5
21.シリコーン/アミノ酸処理マイカ*4 1.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B)を含み、(A)成分は水相に、(B)成分は油相に含まれることを特徴とする水中油型メイクアップ化粧料。
(A)2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステル、並びにN,N−ジメチルアクリルアミドを構成単位として含むクロスポリマー
(B)疎水性粉体
【請求項2】
さらに(C)シリコーン油を含有する請求項1記載の水中油型メイクアップ化粧料。
【請求項3】
(B)疎水性粉体が疎水化処理粉体である請求項1又は2に記載の水中油型メイクアップ化粧料。
【請求項4】
(B)疎水性粉体が、疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化亜鉛である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型メイクアップ化粧料。

【公開番号】特開2012−241004(P2012−241004A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116297(P2011−116297)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】