説明

水中油型乳化化粧料

【課題】皮膚に対して有効な高濃度で化粧料中に、結晶を析出させることなく安定的に配合することを可能にし、保存安定性が高く肌荒れ改善効果に優れた水中油型乳化化粧料を提供する。
【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
(A)バイオサーファクタント
(B)HLB8以下のポリグリセリン脂肪酸エステル
(C)水溶性高分子
(D)グリセリン及び/又はジグリセリン

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中油型乳化化粧料、更に詳しくは、結晶を析出させることなく安定に配合して、肌荒れ改善効果に優れた、特に化粧料として有用な水中油型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、肌にうるおいを与え、肌を柔軟にするには、角質層の水分が重要であることが知られている。そして、当該水分の保持は、角質層に含まれている水溶性成分、すなわち遊離アミノ酸、有機酸、尿素又は無機イオンによるものであるとされ、これらの物質は単独であるいは組み合わせて薬用水中油型乳化化粧料あるいは水中油型乳化化粧料に配合して、肌あれの改善又は予防の目的で使用されている。
【0003】
また、これとは別に水と親和性が高い多くの保湿性物質が開発され、同様の目的で使用されている。
【0004】
更に、近年では、角質細胞間に存在する脂質が高い保湿能を有することが見出され、当該角質細胞間脂質成分の類似構造物質で構成される人工細胞間脂質によって、肌にうるおいを与え、柔軟化させることが行われ、比較的高い効果が得られている。
【0005】
ところで、近年、様々な分野で両親媒性物質が利用されている。両親媒性物質とは親水性と親油性との二つの異なる性質を併せ持つ物質のことであって、このような性質を有する物質は界面活性物質と呼ばれている。例えば、糖脂質は、糖の性質に由来する親水性と脂質の性質に由来する親油性との二つの性質を併せ持ったものであり、界面活性物質の一例である。
【0006】
石油化学工業の発展によって合成界面活性剤が開発され、生体成分由来の界面活性物質に比べて合成界面活性剤の生産量は飛躍的に増加し、今や日常生活には無くてはならない物質となった。
【0007】
しかしながら、合成界面活性剤は生分解性が低いので、合成界面活性剤の使用量の拡大に伴って環境汚染が深刻な問題になりつつある。そこで、環境に対する負荷を低減するために、安全性が高いとともに生分解性が高いバイオサーファクタントが再び見直されており、様々な種類のバイオサーファクタントの開発が望まれるようになった。
【0008】
上記バイオサーファクタントとしては、糖脂質系、アシルペプタイド系、リン脂質系、脂肪酸系および高分子化合物系の5種類のバイオサーファクタントを挙げることができる。
【0009】
上記バイオサーファクタントのうち、リン脂質系バイオサーファクタントであるレシチンは、古くから乳化剤として用いられているばかりでなく、水に懸濁させると、当該リン脂質が会合して二重膜を形成し、水相を閉じこめたベシクルを形成することが知られている。このベシクルはリポソームとも呼ばれ、生体膜のモデルまたは化粧品や薬物の担体として利用されている。なお、リン脂質系以外のバイオサーファクタントにおいてベシクルを形成するものは、ほとんど知られていないのが現状である。
【0010】
一方、糖脂質系のバイオサーファクタントとしては、細菌または酵母によって生産される、多くの種類のバイオサーファクタントが報告されている。糖脂質系のバイオサーファクタントは、生分解性が高く、低毒性であって環境に優しいばかりでなく、優れた生理機能を有している。例えば、糖脂質系のバイオサーファクタントは、それ自体が保湿効果が高いことが知られており、化粧品等の成分として用いることが期待されている。
【0011】
代表的な糖脂質系バイオサーファクタントの一つにマンノシルエリスリトールリピッド(以下「MEL」と示すことがある)がある。MELは、Ustilago nuda(ウスチラゴ・ヌーダ)とShizonella melanogramma(シゾネラ・メラノグラマ)から発見された物質である(非特許文献1及び2参照)。その後、イタコン酸生産の変異株であるCandida属酵母(特許文献2及び非特許文献3参照)、Candida antarctica(キャンデダ・アンタークチカ)(現在はPseudozyma antarctica(シュードザイマ・アンタークチカ))(非特許文献4及び5参照)、Kurtzmanomyces(クルツマノマイセス)属(非特許文献6参照)等の酵母らによっても生産されることが報告されている。現在では、長時間の連続培養・生産を行うことで100g/L以上の生産が可能となっている。
【0012】
MELには糖骨格のエリスリトールの光学異性体として、以下の一般式(1)に示されるような4−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造と1−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造(下記一般式(2))が存在する。
【0013】
【化1】

【0014】
【化2】

【0015】
この1−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造を有するMELの1種を合成し、これとの比較によって従来のMELの糖骨格が上記一般式(1)の構造であることが証明されている(非特許文献7)。ごく最近、従来の4−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造を有するMELに対して、その光学異性体である上記一般式(2)の1−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造を有するMELをシュードザイマ・ツクバエンシス(Pseudozyma tsukubaensis)等の微生物を用いて生産することによって、量産できることが判明した(特許文献3)。
【0016】
従来の4−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造を有するMELについては、抗菌性、抗腫瘍性、糖タンパク結合能をはじめ、様々な生理活性を有することが報告されている(非特許文献8)。また、この従来のMELは極めて特異な自己集合特性を示し、分子構造の僅かな違いが自己集合体の形成に多大な影響を与えるばかりでなく、それを活用したベシクル形成について、希薄溶液(6.3×10−2wt%以下)においてのみ報告されている(非特許文献9)。さらに、従来のMELの両連続スポンジ構造を用いた液晶乳化技術(特許文献4)についても報告している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許3095420号明細書
【特許文献2】特公昭57−145896号公報
【特許文献3】WO2008/018448
【特許文献4】特開2007−181789号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】アール.エイチ.ハスキンス(R. H. Haskins),ジェイ.エー.トーン(J. A. Thorn),B. Boothroyd,「カナデアン ジャーナル オブ ケミストリー(Can. J. Microbiol.)」,1巻,p749−756(1955).
【非特許文献2】ジー.デム(G. Deml),ティ.アンケ(T. Anke),エフ.オーバーウインカー(F. Oberwinkler),ビー.エム.ジアネッティー(B. M. Giannetti),ダブリュ.ステグリッチ(W. Steglich),「フィトケミストリー(Phytochemistry)」,19巻,p83−87(1980).
【非特許文献3】ティ.ナカハラ(T. Nakahara),エイチ.カワサキ(H. Kawasaki),ティ.スギサワ(T. Sugisawa),ワイ.タカモリ(Y. Takamori),ティ.タブチ(T. Tabuchi),「ジャーナル オブ ファーメンテーション テクノロジー(J. Ferment.Technol.)」,(日本),日本発酵工学会,61巻,p19−23(1983).
【非特許文献4】ディ.キタモト(D. Kitamoto),エス.アキバ(S. Akiba),シー.ヒオキ(C. Hioki),ティ.タブチ(T. Tabuchi)「アグリカリチュラル アンド バイオロジカル ケミストリー(Agric. Biol. Chem.)」,(日本),日本農芸化学会,54巻.p31−36(1990).
【非特許文献5】エイチ.エス.キム(H.-S. Kim),ビー.ディ.ユーン(B.-D. Yoon),ディ.エイチ.チョン(D.-H. Choung),エイチ.エム.オー(H.-M. Oh),ティ.カツラギ(T. Katsuragi),ワイ.タニ(Y. Tani)「アプライド マイクロバイオロジー アンド バイオテクノロジー(Appl. Microbiol. Biotechnol.)」,(ドイツ),スプリンガー−バーラグ(Springer-Verlag),52巻,p713−721(1999).
【非特許文献6】角川(K. kakukawa),玉井(M. Tamai),今村(K. Imamura),宮本(K. Miyamoto),三好(S. Miyoshi),森永(Y. Morinaga),鈴木(O. Suzuki),宮川(T. Miyakawa)「バイオサイエンス,バイオテクノロジー アンド バイオケミストリー(Biosci. Biotechnol. Biochem.)」,(日本),日本農芸化学会,66巻,p188−191(2002).
【非特許文献7】ディ.クリッチ(D. Crich),エム.エー.モーラ(M. A. Mora),アール.クルツ(R. Cruz)「テトラヘドロン(Tetrahedron)」,(オランダ),エルゼビア(Elsevier),58巻,p35−44(2002).
【非特許文献8】北本 大「オレオサイエンス」,(日本),日本油化学会,3巻,p663−672(2003).
【非特許文献9】ティ.イムラ(T. Imura),エヌ.オオタ(N. Ohta),ケー.イノウエ(K. Inoue),エヌ.ヤギ(N. Yagi),エイチ.ネギシ(H. Negishi),エイチ.ヤナギシタ(H. Yanagishita),ディ.キタモト(D. Kitamoto)「ケミストリー ア ヨーロピアン ジャーナル(Chem. Eur. J)」,(米国),ワイリー(Wiley),12巻,p2434−2440(2006).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、皮膚に対して有効な高濃度で化粧料中に、結晶を析出させることなく安定的に配合することを可能にし、経時保存安定性が高く肌荒れ改善効果に優れた水中油型乳化化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
かかる実情において、本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研究を行ったところ、バイオサーファクタント、例えば上述のMELを用いて、疎水性ポリグリセリン脂肪酸エステル、水溶性高分子、及び特定のグリセリン類を組み合わせて配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0021】
すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
(1)次の成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
(A)バイオサーファクタント
(B)HLB8以下のポリグリセリン脂肪酸エステル
(C)水溶性高分子
(D)グリセリン及び/又はジグリセリン
(2)バイオサーファクタントが、マンノース骨格を有することを特徴とする(1)の水中油型乳化化粧料。
(3)バイオサーファクタントが、マンノース骨格の1位の水酸基に糖アルコールがグリコシド結合していることを特徴とする(2)の水中油型乳化化粧料。
(4)マンノース骨格を有するバイオサーファクタントがマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)、マンノシルマンニトールリピッド(MML)、マンノシルソルビトールリピッド(MSL)、マンノシルアラビトールリピッド(MAraL)及びマンノシルリビトールリピッド(MRL)からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする(2)または(3)の水中油型乳化化粧料。
(5)MELが、マンノシルエリスリトールリピッドA(MEL−A)、マンノシルエリスリトールリピッドB(MEL−B)、マンノシルエリスリトールリピッドC(MEL−C)、マンノシルエリスリトールリピッドD(MEL−D)、MEL−Aのトリアシル体、MEL−Bのトリアシル体、MEL−Cのトリアシル体及びMEL−Dのトリアシル体からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする(4)の水中油型乳化化粧料。
(6)バイオサーファクタントが、飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸を含有していることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの水中油型乳化化粧料。
(7)(A)成分の含有量が0.5〜10重量%で、且つ、前記(A)成分に対する前記(B)成分の配合重量比((B)/(A))が0.2〜1であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかの水中油型乳化化粧料。
(8)(B)ポリグリセリン脂肪酸エステルが炭素数16〜22の直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪酸及び重合度2〜10のポリグリセリンから構成されることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかの水中油型乳化化粧料。
(9)(C)水溶性高分子がイオン性であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかの水中油型乳化化粧料。
(10)(E)グリセリン誘導体及び/又はアミノ酸誘導体から成る液状油を含有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれかの水中油型乳化化粧料。
【発明の効果】
【0022】
本発明の水中油型乳化化粧料は、バイオサーファクタントを含有するため、保存安定性が高く、肌荒れ改善効果に優れた、特に化粧料として有用である水中油型乳化化粧料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の水中油型乳化化粧料は、バイオサーファクタント、特にMELを含むものである。それ故、本発明の水中油型乳化化粧料は、優れた特性を示すという効果を奏する。
【0024】
(バイオサーファクタント)
本発明の化粧料に固形脂の一部として使用される(A)バイオサーファクタントとは、生物によって生み出される界面活性能力や乳化能力を有する物質の総称であり、優れた界面活性や、高い生分解性を示すばかりでなく、様々な生理作用を有していることから合成界面活性剤とは異なる挙動・機能を発現する可能性がある。
【0025】
上記バイオサーファクタントとしては、マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)、MEL以外のマンノシルアルジトールリピッド(MAL)としては、マンノシルマンニトールリピッド(MML)、マンノシルソルビトールリピッド(MSL)、マンノシルアラビトールリピッド(MAraL)、マンノシルリビトールリピッド(MRL)などが挙げられ、なかでも、ラメラ構造又は/及びベシクルを形成するバイオサーファクタントを利用するのが好ましく、MELが特に好ましい。
【0026】
(MEL)
MELの構造を一般式(3)に示す。一般式(3)中、置換基R1は、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基である。MELは、マンノースの4位及び6位のアセチル基の有無に基づいて、MEL−A、MEL−B、MEL−C及びMEL−Dの4種類に分類される。
【0027】
【化3】

【0028】
具体的には、MEL−Aは、一般式(3)中、置換基R2およびR3がともにアセチル基である。MEL−Bは、一般式(3)中、置換基R2はアセチル基であり、置換基R3は水素である。MEL−Cは、一般式(3)中、置換基R2が水素であり、置換基R3はアセチル基である。MEL−Dは、一般式(3)中、置換基R2及びR3がともに水素である。
【0029】
上記MEL−A〜MEL−Dにおける置換基R1の炭素数は、MEL生産培地に含有させる油脂類であるトリグリセリドを構成する脂肪酸の炭素数、および、使用するMEL生産菌の脂肪酸の資化の程度によって変化する。また、上記、トリグリセリドが不飽和脂肪酸残基を有する場合、MEL生産菌が上記不飽和脂肪酸の二重結合部分まで資化しなければ、置換基R1として不飽和脂肪酸残基を含ませることも可能である。以上の説明から明らかなように、得られるMELは、通常、置換基R1の脂肪酸残基部分が異なる化合物の混合物の形態である。
【0030】
本発明の組成物には一般式(4)または一般式(5)に示されている構造を有するマンノシルエリスリトールリピッドが含まれている。尚、一般式(4)中、置換基R1は同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基であり、置換基R3は水素または炭素数2〜24の脂肪族アシル基である。また、一般式(5)中、置換基R1は同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基であり、置換基R3は水素または炭素数2〜24の脂肪族アシル基である。
【0031】
一般式(4)及び一般式(5)における置換基R1は、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基である。置換基R1の炭素数は上記範囲内であれば特に限定されないが、8個〜14個であることがさらに好ましい。
【0032】
また、上記一般式(4)及び一般式(5)中の置換基R1は、飽和脂肪族アシル基であっても不飽和脂肪族アシル基であってもよく、特に限定されるものではない。不飽和結合を有している場合、例えば、複数の二重結合を有していても良い。炭素鎖は直鎖であっても分岐鎖状であってもよい。また、酸素原子含有炭化水素基の場合、含まれる酸素原子の数及び位置は特に限定されない。
【0033】
【化4】

【0034】
【化5】

【0035】
MEL以外のMAL(マンノシルアルジトールリピッド)の構造は一般式(6)に示す(式中、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である)。エリスリトール以外の糖アルコール(アルジトール)としては、マンニトール、アラビトール、リビトール、ソルビトールが付加している(n=4:マンニトール、ソルビトール、n=2:アラビトール、リビトール)。一般式(6)に対応させれば、MALはマンノースの2位、3位に炭素数2〜20、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜14の飽和又は不飽和の直鎖又は分枝を有するアルカノイル基を有する(式中、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である)
【0036】
【化6】

【0037】
(式中、置換基R1は同一でも異なっていてもよい炭素数2〜20、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜14の飽和又は不飽和の直鎖又は分枝を有するアルカノイル基を有し、式中、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である。好ましくは、式中、置換基R2のどちらもアセチル基である化合物である。)
【0038】
(トリアシル体)
本発明に用いられるバイオサーファクタントは、MELのトリアシル体及びMEL以外のMALのトリアシル体でもよい。トリアシル体のバイオサーファクタントは、MELやMEL以外のMALよりもさらに高い疎水性を有するバイオサーファクタントである。例えば、MEL生産菌の培養液にも存在するし、大量に得る時は、酵素を用いてMELを種々の植物油と反応することによって製造することもできる。
【0039】
MELのトリアシル体、すなわちトリアシルマンノシルエリスリトールリピッド(トリアシルMELと称することがある)は、一般式(4)または一般式(5)中、置換基R1およびR3がいずれも脂肪族アシル基であればトリアシルMELとなり、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である。トリアシルMELもMELと同様、マンノースの4位及び6位のアセチル基の有無に基づいて、トリアシルMEL−A、トリアシルMEL−B、トリアシルMEL−C及びトリアシルMEL−Dの4種類に分類される。
【0040】
【化7】

【0041】
【化8】

【0042】
トリアシルMELは、ジアシルMELとは異なった性質を示す。具体的には、高い疎水性を有することからエモリエント剤として従来のMELと比べても種々のオイル成分と馴染みやすい点で優れている。
【0043】
本発明に好ましく用いられるバイオサーファクタントは、一般式(7)または一般式(8)にて示される構造を有するMEL−Bである。
【0044】
【化9】

【0045】
【化10】

【0046】
(一般式(7)及び一般式(8)中、置換基R1は同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基である)
【0047】
なお、上記バイオサーファクタントは、単独で使用してもよいが、2種以上のバイオサーファクタントを併用することもできる。
【0048】
(バイオサーファクタントの製造方法)
バイオサーファクタントの製造方法は特に制限されるものはないが、微生物を用いた発酵方法を任意に選択して行えば良い。例えばMEL (MEL−A、MEL−B、MEL−C)の培養生産は常法に従って、Pseudozyma antarctica(NBRC 1073)により生産することができ、微生物としてはPseudozyma antarctica、Pseudozyma sp.等を用いることができる。いずれの微生物でも容易にMEL混合物が得られることは周知の事実である。MEL混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、MEL−A、MEL−B及びMEL−Cを単離することが出来る。また、MEL−Bを生産する菌としては、Pseudozyma antarctica 、及びPseudozyma tsukubaensisが知られており、その菌を用いてもよい。MEL−Cを生産する菌としては、Pseudozyma hubeiensis、Pseudozyma graminicola等が知られており、その菌を用いてもよい。MELを生産する能力を有する微生物としては特に限定するものではなく、目的に応じて適宜使用することができる。
【0049】
バイオサーファクタントを生産するときの発酵培地は、酵母エキス、ペプトン等のN源、グルコース、グリセロール、フルクトース等のC源、及び硝酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、硫酸マグネシウム7水塩等の無機塩類からなる一般的な組成の培地を用いることができ、これにオリーブ油、ダイズ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、キャノーラ油、ココナッツ油等の油脂類、並びに、流動パラフィン、テトラデカン等の炭化水素等の非水溶性基質の単独或いは2種以上を添加したものを使用することができる。
【0050】
pHや温度等の発酵条件や培養時間等は任意に設定でき、発酵後の培養液をそのまま本発明のバイオサーファクタントとして使用することが可能である。また、発酵後の培養液を必要に応じて濾過、遠心分離、抽出、精製、滅菌等の任意の操作を適宜加えることも可能であり、得られたエキスを希釈、濃縮、乾燥することもできる。
【0051】
原料とする油脂類としては植物油脂が好ましい。植物油脂は特に限定されず、目的に応じて適宜選定することができる。例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油などが挙げられ、これらの中でも、大豆油、オリーブ油がバイオサーファクタント(特にMEL)の生産効率(生産量、生産速度、及び収率)を向上させることができる点で特に好ましい。これらは、1種を単独で、または2種以上を併用しても構わない。
【0052】
無機窒素源としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、硝酸アンモニウム、尿素、硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫安等が挙げられる。
【0053】
バイオサーファクタントの回収、精製方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、培養液を遠心分離して油分を回収し、酢酸エチル等の有機溶媒で抽出濃縮することにより回収することができる。
【0054】
抽出溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノールなどの低級アルコール、またはプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールなどの多価アルコール)、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルなどのエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルムなどの有機溶媒を、単独であるいは2種類以上の混液を任意に組み合わせて使用することができ、また、各々の溶媒抽出物が組み合わされたものでも使用することができる。
【0055】
抽出方法は特に制限されるものはないが、通常、常温から常圧下での溶媒の沸点の範囲であればよく、抽出後は濾過またはイオン交換樹脂を用い、吸着・脱色・精製して溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状とすればよい。多くの場合は、そのままの状態で利用できるが、必要であれば、その効力に影響のない範囲でさらに脱臭、脱色などの精製処理を加えてもよい。脱臭・脱色等の精製処理手段としては、活性炭カラムなどを用いればよく、抽出物質により一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行えばよい。必要に応じて、シリカゲルカラムを用いて精製することにより、純度の高いバイオサーファクタントを得ることができる。
【0056】
(トリアシル体製造方法)
バイオサーファクタントのトリアシル体を得る方法を、MELのトリアシル体を製造する方法を例として説明するが、本発明に用いられるバイオサーファクタントのトリアシル体はトリアシルMELに限定されない。
【0057】
例えば、トリアシルMELを得るためには、上記のようにして微生物を発酵して製造した培養液からトリアシルMEL画分を精製して得ることができる。また、大量に得るためには、MELを有機溶媒に溶かし、植物油などの脂肪酸誘導体を添加、加水分解酵素の存在下でエステル化反応またはエステル交換反応を行う。
【0058】
MELのエリスリトール部に導入される脂肪酸は長鎖炭化水素の1価のカルボン酸であればよい。また、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよい。不飽和脂肪酸の場合、複数の二重結合を有していてもよい。炭素鎖は直鎖状であってもよく分岐鎖状であってもよい。さらに、脂肪酸の誘導体である脂肪酸誘導体を本発明に使用してもよいし、脂肪酸と脂肪酸誘導体の混合物を本発明に使用してもよい。MELのエリスリトール部に導入される脂肪酸または脂肪酸誘導体は、油類、高級脂肪酸、合成エステル由来であることが好ましい。
【0059】
「油類」としては、植物油、動物油、鉱物油及びその硬化油であればよい。具体的には、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアンナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、キリ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、馬油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂、豚脂、ラノリン、鯨ロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、スクワラン等の動植物油及びその硬化油。流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油、トリパルミチン酸グリセリン等の合成トリグリセリンが挙げられる。好ましくはアボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアンナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、より好ましくはオリーブ油、大豆油である。
【0060】
「高級脂肪酸」としては、例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ウンデシン酸、トール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などが挙げられる。好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ウンデシレン酸、より好ましくはオレイン酸、リノール酸、ウンデシレン酸である。
【0061】
「合成エステル」としては、例えば、カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル、ステアリン酸メチル、ウンデシン酸メチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、カプリン酸エチル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノレン酸エチル、ステアリン酸エチル、ウンデシン酸エチル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノール酸ビニル、リノレン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ウンデシン酸ビニル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレンイ酸デシル、ジメチルオクタン酸、乳酸セチル、乳酸ミリスチル等が挙げられる。好ましくはラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル、ステアリン酸メチル、ウンデシレン酸メチル、より好ましくはオレイン酸メチル、リノール酸メチル、ウンデシレン酸メチルである。
【0062】
トリアシルMELは、上述のようにMELを有機溶媒に溶解して反応させることにより生産することができる。有機溶媒としては、MELを可溶化できるものであれば限定されない。全部を可溶化できなくても一部を可溶化できるものであればよい。また、有機溶媒は複数の有機溶媒の混合物でもよい。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、プロパノン、ブタノン、ペンタン−2−オン、1,2−エタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジオキサン、アセトニトリル、2−メチル−ブタン−2−オール、第3級ブタノール、2−メチルプロパノール、4−ヒドロキシ−2−メチルペンタノン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、DMF、DMSO、ピリジン、メチルエチルケトンなどを挙げることができる。好ましくはアセトン、テトラヒドロフラン、第3級ブタノール、アセトニトリル、ジオキサン、より好ましくはアセトンである。
【0063】
加水分解酵素としては、リパーゼ、プロテアーゼ、エステラーゼが挙げられる。これらの中から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、複数の加水分解酵素を用いてもよい。好ましくはリパーゼ、エステラーゼ、より好ましくはリパーゼである。
【0064】
具体的には、例えば、MEL生産微生物の培養液から精製したMELを有機溶媒(例えば、アセトン)に溶解し、これに市販のリパーゼ(例えば、ノボザイム435(ノボザイムズ社製)など)及び植物油脂を添加する。
【0065】
この製造方法の場合、反応温度は10〜100℃、好ましくは20〜50℃、より好ましくは25〜40℃で、1日〜7日間攪拌すればよい。また、反応液にモレキュラーシーブスを添加してもよい。この製造方法により、材料として添加したMELがほぼ定量的にトリアシル体となる。
【0066】
トリアシルMELの精製は、上述のMELの精製に準じて行うことができる。
【0067】
(飽和脂肪酸側鎖有するMELの製造方法)
飽和側鎖有するMELの製造は、上述のバイオサーファクタントの製造方法に準じて行うことができる。その際、原料とする油脂類としては、オリーブ油、飽和脂肪酸あるいはそのエステル体、流動パラフィン、テトラデカン等の炭化水素等の非水溶性基質の単独あるいは2種以上を添加することにより行う。飽和側鎖有するMELの精製は、上述のMELの精製に準じて行うことができる。
【0068】
(MML等のMALの製造方法)
MML等のエリスリトール以外のアルジトールを有するMALの製造は、上述のバイオサーファクタントの製造方法に準じて行うことができる。その際、原料としては、マンニトール、アラビトール、リビトール、ソルビトール等のアルジトールの単独あるいは2種以上を添加することにより行う。MML等のエリスリトール以外のアルジトールを有するMALの精製は、上述のMELの精製に準じて行うことができる。
【0069】
本発明において、(B)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルは、(A)成分のアミド化合物の極性に近いことが好ましく、HLBは8以下である。更に1〜7であることが好ましく、特に3〜6であることが好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの極性はアミド化合物との極性が近いことにより、アミド化合物の結晶化を抑制すると考えられている。ここで、HLBは、例えば、界面活性剤の性質と応用(刈米孝夫著、昭和55年、幸書房発行)p.89〜97に記載されたHLB既知の乳化剤Bとの混合物の乳化試験によるHLBの測定方法により次式によって求められる。
HLBo=(Wa×HLBa+Wb×HLBb)/(Wa+Wb)
Wa:ポリグリセリン脂肪酸エステルの重量%
Wb:HLB既知の乳化剤の重量%
HLBa:ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値
HLBb:HLB既知の乳化剤のHLB値
HLBo:乳化する油剤の所要HLB値
ここで、WaとWbは最適な乳化状態を示す場合の配合比を用いる。既知の乳化剤としては、HLB9以上のノニオン乳化剤が使用されており、例えばモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)(HLB14.9)等が挙げられる。また、乳化する油剤としては一般的な炭化水素油やエステル油等が使用されており、例えば流動パラフィン(所要HLB10)が挙げられる。
【0070】
(B)成分のHLB8以下のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数16〜22の直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪酸および重合度2〜10のポリグリセリンから構成されるものが好ましく、更には、炭素数16〜22の直鎖飽和脂肪酸および重合度5〜10のグリセリンから構成されるものが特に好ましい。
【0071】
炭素数16〜22の直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
【0072】
また、重合度5〜10のポリグリセリンの例としては、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等が挙げられる。
【0073】
好適に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルの具体的な例としては、トリミリスチン酸ペンタグリセリル、トリステアリン酸ペンタグリセリル、ヘキサステアリン酸ペンタグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ヘキサステアリン酸ヘキサグリセリル、オクタステアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ヘプタステアリン酸デカグリセリル、デカステアリン酸デカグリセリル、ヘプタベヘニン酸デカグリセリル、ドデカベヘニン酸デカグリセリル等が挙げられる。
【0074】
市販品としては、サンソフトQ−185S(ペンタステアリン酸デカグリセリル、HLB4.5)、サンソフトQ−1810S(デカステアリン酸デカグリセリル、HLB3.0)、サンソフトA−186E(ヘキサステアリン酸ペンタグリセリル、HLB4.0)、サンファットPS−66(ヘキサステアリン酸ヘキサグリセリル、HLB4.0)、サンファットPS−68(オクタステアリン酸ヘキサグリセリル、HLB3.5)(以上太陽化学)など;TS−750(トリステアリン酸デカグリセリル、HLB3)(以上、阪本薬品工業);デカグリン5S(ペンタステアリン酸デカグリセリル、HLB3.5)(以上、日光ケミカルズ);等が挙げられる。
【0075】
上記ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)は、単独又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0076】
本発明の水中油型乳化化粧料中におけるポリグリセリン脂肪酸エステル(B)の含有量は、必要な剤型、使用感、保存安定性に応じて適宜選択することができるが、保存安定性の点から、全組成中に0.1〜10重量%が好ましく、0.2〜5重量%が更に好ましい。
【0077】
また、(A)成分に対する(B)成分の配合重量比((B)/(A))が0.2〜1、更に0.5〜1であることが好ましい。成分(B)の配合量が少なすぎる場合には、成分(A)の安定化が図れない場合があり、反対に成分(B)の配合量が多すぎる場合には、製剤の分離安定性が損なわれる場合がある。
【0078】
(C)成分の水溶性高分子は、油相の周囲に保護コロイドを形成することにより、油相間におけるアミド化合物の分子凝集・結晶化を抑制すると考えられる。保護コロイド作用を有する水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン等のアニオン性高分子;カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム等のカチオン性高分子;ヒドロキシエチルセルロース、ローカストビーンガム、ポリエチレングリコール等の非イオン性高分子;等が挙げられる。中でも、静電的反発力が働く点からイオン性であることが好ましく、特に、静電的反発力の働くカルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のアニオン性高分子であることが好ましい。
【0079】
水溶性高分子(C)は、単独又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0080】
本発明の水中油型乳化化粧料中における水溶性高分子(C)の含有量は、必要な剤型、使用感、保存安定性に応じて適宜選択することができるが、保存安定性の点から、全組成中に0.02〜2重量%が好ましく、0.05〜1重量%が更に好ましい。
【0081】
(D)成分のグリセリン及び/又はジグリセリン(以下、グリセリン類とする)は、HLB8以下のポリグリセリン脂肪酸エステルと併用することにより、(A)成分であるアミド化合物の結晶化抑制効果を高める成分である。
【0082】
グリセリン類は2種以上を併用しても良く、その含有量は、必要な剤型、使用感、保存安定性に応じて適宜選択することができるが、保存安定性の点から、全組成中に1〜30重量%が好ましく、2〜20重量%が更に好ましい。
【0083】
本発明においては、グリセリン及び/又はジグリセリン以外の多価アルコールとして、例えば、プロピレングリコール、ジプリピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等をグリセリン類の効果を損なわない範囲で後述する水相に併用することも可能である。
【0084】
本発明に係る水中油型乳化化粧料の水相連続相に含まれる水の含有量は、全組成中に10〜98重量%、好ましくは40〜95重量%である。水以外の水相成分としては、前記グリセリン類以外の多価アルコールのほか、通常化粧料に使用できる水溶性の成分を含んでも良い。
【0085】
水中油型化粧料を構成する油相分散相に含まれる油性成分としては、一般に化粧料に使用される液状、半固体及び固体状の、合成及び天然由来の油性成分、例えば炭化水素油、エステル油、エーテル油、シリコーン油、フッ素油等が挙げられる。
【0086】
液状油としては、例えば、ホホバ油等の植物油、液状ラノリン等の動物油;流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油;脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、グリセリン誘導体;アミノ酸誘導体等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油等が挙げられる。
【0087】
固型又は半固型の油性成分としては、例えばホホバワックス等の植物油;グリセリンモノステアリルエーテル、グリセリンモノセチルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル;セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコールが挙げられる。
【0088】
油性成分は1種又は2種以上を用いても良く、油性成分の総含有量は、全組成中に0.1〜30重量%である。
【0089】
本発明の油性成分としては特に、(E)グリセリン誘導体及び/又はアミノ酸誘導体からなる液状油を含むことが、経時での(A)成分の結晶析出が更に抑制される点から好ましい。
【0090】
(E)グリセリン誘導体及び/又はアミノ酸誘導体からなる液状油としては、炭素数6〜30のグリセリン脂肪酸エステル、炭素数6〜24のアルキルグリセリルエーテル、炭素数6〜24のアルキルアミノ酸エステル等が含まれる。グリセリン誘導体としては、例えばモノイソステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、オリーブ油等が挙げられる。アミノ酸誘導体としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸エステル等が挙げられる。
【0091】
グリセリン誘導体及び/又はアミノ酸誘導体からなる液状油(E)は、単独又は2種以上を組み合わせて用いても良い。その含有量は、剤型等により異なるが、保存安定性の点から全組成中に0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることが更に好ましい。
【0092】
本発明に係る水中油型乳化化粧料には、乳化剤として界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては特に制限が無く、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤を少なくとも1種含有することが好ましい。特に親水性の界面活性剤が好ましい。更に、皮膚への刺激性が低い点から非イオン性界面活性剤を含有することが好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリルエーテル、アルキルポリグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤が特に好ましい。
【0093】
乳化剤の含有量は、剤型等により異なるが、安定性の点から全組成中に0.5〜10重量%であることが好ましく、1〜5重量%であることが更に好ましい。
【0094】
本発明に係る水中油型乳化化粧料には、上記成分以外に、必要に応じて通常の化粧料に配合される成分を配合することができる。例えば、炭素数1〜4の低級アルコール、各種の薬効剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、塩類、アミノ酸、糖類、各種エキス、キレート剤、pH調整剤、増粘剤、色素、香料等を本発明の目的及び効果を損なわない質的及び量的範囲内で配合することができる。
【0095】
本発明の水中油型乳化化粧料は、上記各材料を用いて常法に従って製造することができ、ローション、ジェル、クリーム、UVケア化粧料、エアゾールフォーム等の任意の剤型とすることができる。
【0096】
以下、本発明を実施例に基づき、より詳細に説明する。なお、本発明は、特に実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0097】
(MEL−A及びトリアシルMEL−Aの製造)
種菌培養はPseudozyma antarctica NBRC 10736のコロニーを種培地(20ml/500ml坂口フラスコ)に1 loop植菌して実施した。30℃にて一晩培養した。得られた培養液を種菌とした。種培地組成は4% Glucose、0.3% NaNO、0.02% MgSO・7HO、0.02% KHPO、0.1% yeast extractであった。培養は上記種菌75mlを生産培地1.5L(5L−jar)に植菌し、30℃、300rpm(攪拌回転)、0.5L/min(Air)の条件で5L−jarを用いて培養した。生産培地組成は、3% ダイズ油、0.02% MgSO・7HO、0.02% KHPO、0.1% yeast extractであった。培養液250mlを遠心(6500rpm、30min)し、上清を取り除き、沈殿(菌体)を回収した。沈殿に、50mlの酢酸エチルを加え、十分攪拌後、遠心(8500rpm、30min)し、沈殿と上清に分け、上清をエバポーレーターで濃縮した。シリカゲルを用いて、クロロホルム:アセトン=1:0、クロロホルム:アセトン=9:1、クロロホルム:アセトン1:1、クロロホルム:アセトン=3:7、クロロホルム:アセトン=0:1で溶出しMEL−A及びトリアシルMEL−A画分を得た。
【実施例2】
【0098】
(MEL−B及びトリアシルMEL−Bの製造)
0.2mlのPseudozyma tsukubaensisフローズンストックを20mlのYM培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種種菌とした。0.2mlの種種菌を再度、20mlのYM種培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種菌とした。20mlの種菌を2LのYM培地/5L Jarに植菌し、26℃ 300rpm(1/4VVM、0.5L air/min)で8日間培養した。培養液を7,900rpm 60min 4℃で遠心し、菌体(MEL−Bを含む)と上清に分離した。菌体画分にそれぞれ80mlの酢酸エチルを加え、菌体が十分懸濁するように上下に攪拌した後、7,900rpm 30min 4℃で遠心した。得られた上清に等量の飽和食塩水を加え攪拌し酢酸エチル層を得た。酢酸エチル層に無水硫酸Naを適量加え、30分間精置させた後、エバポレートしMEL−B粗精製品を得た。得られたMEL−B粗精製品を、シリカゲルカラムを用いて、ヘキサン:アセトン=5:1、ヘキサン:アセトン=1:1で溶出しMEL−B及びトリアシルMEL−B画分精製品を得た。
【実施例3】
【0099】
(MEL−C及びトリアシルMEL−Cの製造)
0.2mlのPseudozyma hubeiensisフローズンストックを20mlのYM種培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種種菌とした。0.2mlの種種菌を再度、20mlのYM種培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種菌とした。20mlの種菌を2LのYM培地/5L Jarに植菌し、26℃ 300rpm(1/4VVM、0.5L air /min)で8日間培養した。培養液を7,900rpm 60min 4℃で遠心し、菌体(MEL−Cを含む)と上清に分離した。菌体画分にそれぞれ80mlの酢酸エチルを加え、菌体が十分懸濁するように上下に攪拌した後、7,900rpm 30min 4℃で遠心した。得られた上清に等量の飽和食塩水を加え攪拌し酢酸エチル層を得た。酢酸エチル層に無水硫酸Naを適量加え、30分間精置させた後、エバポレートしMEL−B粗精製品を得た。得られたMEL−C粗精製品を、シリカゲルカラムを用いて、ヘプタン:酢酸エチル=1:1、ヘプタン:酢酸エチル=1:2、ヘプタン:酢酸エチル=1:3で溶出しMEL−C及びトリアシルMEL−C画分精製品を得た。
【実施例4】
【0100】
(オリーブ油を用いたMELの製造)
実施例1におけるMELの製造では、生産原料にダイズ油を用いたが、その代わりにオリーブ油を用いて実施例1と同様の方法で培養しMEL−A、MEL−B、MEL−Cを単離精製する。この時得られるMEL画分を、実施例1のMELと区別するためMEL−A(OL)、MEL−B(OL)、MEL−C(OL)と呼ぶ。
【実施例5】
【0101】
(マンノシルマンニトールリピッド(MML)の製造)
シュードザイマ・パラアンタクティカ(Pseudozyma parantarctica)JCM 11752株の培養を行った。すなわち、保存培地(麦芽エキス3g/L、酵母エキス3g/L、ペプトン5g/L、グルコース10g/L、寒天30g/L)に保存しておいたシュードザイマ・パラアンタクティカ(Pseudozyma parantarctica)JCM 11752株を、グルコース20g/L、酵母エキス1g/L、硝酸ナトリウム3g/L、リン酸2水素カリウム 0.3g/L、及び硫酸マグネシウム0.3g/Lの組成の液体培地2mLが入った試験管に1白金耳接種し、30℃で1日間振とう培養を行った。続いて、得られた菌体培養液を、植物油脂としてオリーブ油50g/L、糖アルコールとしてマンニトール100g/L、酵母エキス1g/L、硝酸ナトリウム3 g/L、リン酸2水素カリウム0.3g/L、及び硫酸マグネシウム0.3g/Lの組成の液体培地30mLの入った坂口フラスコに接種して、34℃で7日間培養を行った。上記の培養液を採取し、培養液中のマンノシルアルジトールリピッドを酢酸エチルで抽出し、シリカゲルクロマトで精製後、13C−NMRとH−NMRで生産物の構造解析を行い、構造を確認した。
【実施例6】
【0102】
(マンノシルアラビトールリピッド(MAraL)の製造)
実施例5の培養を糖アルコールとしてアラビトール100g/Lを含む培地で行う以外は、実施例5と同様に培養しMAraLを製造した。
【実施例7】
【0103】
(マンノシルソルビトールリピッド(MSL)の製造)
実施例5の培養を糖アルコールとしてソルビトール100g/Lを含む培地で行う以外は、実施例5と同様に培養しMSLを製造した。
【実施例8】
【0104】
(マンノシルリビトールリピッド(MRL)の製造)
実施例5の培養を糖アルコールとしてリビトール100g/Lを含む培地で行う以外は、実施例5と同様に培養しMRLを製造した。
【実施例9】
【0105】
(水中油型乳化化粧料の調製)
表1に示す割合に従って、精製水に成分(11)〜(13)を加えて80℃で加熱溶解したものに、成分(9)〜(10)を加え80℃で溶解し、水相を調整した。別途、80℃で成分(1)〜(8)を均一に混合し油相を調製した。80℃で、この油相を、先に調整した水相に加え予備乳化を行った。成分(14)を加えた後、ホモミキサーにて乳化粒子を均一に調製した後、脱気、ろ過を行い、水中油型乳化化粧料を得た。この水中油型乳化化粧料を用いて結晶析出の有無、肌荒れ改善効果を評価した。
【0106】
なお、使用した材料の由来を以下に示す。
*1 ペンタステアリン酸デカグリセリル(日光ケミカルズ)
*2 モノステアリン酸デカグリセリル(日光ケミカルズ)
*3 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(花王)
*4 カーボポール981(NoveonInc)
*5 HECダイセルSE600(ダイセル化学工業)
【0107】
【表1】

【0108】
(評価)
各実施例及び比較例で得られた水中油型乳化化粧料について、下記の手順により結晶析出の有無、肌荒れ改善効果を評価した。評価結果は表1に示す。
【0109】
(1)結晶析出の有無(結晶析出スコア)
表1の化粧料を、−5℃、25℃、50℃の各温度で6ヶ月間保存し、保存1ヶ月後、3ヵ月後、6ヵ月後、化粧料中における結晶の析出の有無を目視及び触感で評価した。結晶析出が確認できない場合を○、結晶の析出が確認できる場合を×とした。
【0110】
(2)肌荒れ改善効果(肌荒れスコア)
冬季に頬部に肌荒れ(下記基準値2)を起こしている20〜50歳の女性10名を被験者とし、左右の頬に異なる化粧料を2週間塗布した。2週間の塗布終了後、肌荒れを肉眼で観察し、下記基準により判定した。肌荒れスコアは平均値で示した。肌荒れスコアが低いほど、肌荒れ改善効果が高いことを示す。
0:肌荒れを認めない
1:かすかな肌荒れを認める
2:肌荒れを認める
3:ややひどい肌荒れを認める
【0111】
本発明品1〜16はいずれも、結晶析出の有無、肌荒れ改善効果において良好な評価であった。特に、(C)成分としてイオン性水溶性高分子を用い、且つ、(E)成分を用いた実施例1〜4は、結晶の析出が全く無く、保存安定性に優れるものであった。また、(A)成分を0.5重量%用いた実施例1〜3、5、6は肌荒れ改善効果に優れるものであった。HLB8以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた比較品1は、1ヵ月後には全て結晶が析出し保存安定性に劣り、且つ、肌荒れ改善効果の点においても劣るものであった。(C)成分を使用しなかった比較品2は、1ヵ月後には全て結晶が析出し保存安定性に劣り、且つ、肌荒れ改善効果の点においても劣るものであった。(D)成分を使用しなかった比較品3は、50℃1ヵ月後には結晶が析出し、また−5℃、25℃でも3ヵ月後には結晶が析出し保存安定性に劣るものであった。さらに、肌荒れ改善効果の点において劣るものであった。
【実施例10】
【0112】
(乳液の調製)
表2に示す組成に従って、乳液を調製した。
【0113】
【表2】

【0114】
得られた乳液は、肌荒れ改善効果が高く(肌荒れスコア0.5)、−5℃、25℃、50℃6ヶ月間結晶が析出しなかった。
【実施例11】
【0115】
(サンスクリーン乳液の調製)
表3に示す組成に従って、サンスクリーン乳液を調製した。
【0116】
【表3】

【0117】
得られたサンスクリーン乳液は、肌荒れ改善効果が高く(肌荒れスコア0.8)、−5℃、25℃、50℃6ヶ月結晶が析出しなかった。
【0118】
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、結晶性が高く配合が困難であるが皮膚のバリア機能や保湿機能に優れる(A)バアイオサーファクタントに、(B)HLB8以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水溶性高分子、及び(D)グリセリン及び/又はジグリセリンを組み合わせて配合するため、バアイオサーファクタントが皮膚に対して性能を発揮するのに充分な量を、安定的に配合することが可能であり、0.5重量%以上の濃度にしても、高い安定性が得られる。従って、本発明に係る水中油型乳化化粧料は、保存安定性が高く、肌荒れ改善効果に優れる。本発明に係る水中油型乳化化粧料に、更に(E)グリセリン誘導体及び/又はアミノ酸誘導体から成る液状油を配合することがよりしい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明の水中油型乳化化粧料は、結晶を析出させることがなく、保存安定性が高く、肌荒れ改善効果に優れることから、特に医薬品や化粧品に関する産業界において、大きく寄与することが期待される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
(A)バイオサーファクタント
(B)HLB8以下のポリグリセリン脂肪酸エステル
(C)水溶性高分子
(D)グリセリン及び/又はジグリセリン
【請求項2】
バイオサーファクタントが、マンノース骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項3】
バイオサーファクタントが、マンノース骨格の1位の水酸基に糖アルコールがグリコシド結合していることを特徴とする請求項2に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項4】
マンノース骨格を有するバイオサーファクタントがマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)、マンノシルマンニトールリピッド(MML)、マンノシルソルビトールリピッド(MSL)、マンノシルアラビトールリピッド(MAraL)及びマンノシルリビトールリピッド(MRL)からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする請求項2または3に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項5】
MELが、マンノシルエリスリトールリピッドA(MEL−A)、マンノシルエリスリトールリピッドB(MEL−B)、マンノシルエリスリトールリピッドC(MEL−C)、マンノシルエリスリトールリピッドD(MEL−D)、MEL−Aのトリアシル体、MEL−Bのトリアシル体、MEL−Cのトリアシル体及びMEL−Dのトリアシル体からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする請求項4に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項6】
バイオサーファクタントが、飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項7】
(A)成分の含有量が0.5〜10重量%で、且つ、前記(A)成分に対する前記(B)成分の配合重量比((B)/(A))が0.2〜1であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項8】
(B)ポリグリセリン脂肪酸エステルが炭素数16〜22の直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪酸及び重合度2〜10のポリグリセリンから構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項9】
(C)水溶性高分子がイオン性であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項10】
(E)グリセリン誘導体及び/又はアミノ酸誘導体から成る液状油を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。


【公開番号】特開2011−168548(P2011−168548A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34590(P2010−34590)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】