説明

水中油型固型化粧料

【課題】みずみずしく、なめらかな使用感触を示すとともに、固型安定性に優れ、高い紫外線防止効果などの機能性の点においてもすぐれた水中油型固型化粧料を提供する。
【解決手段】(1)特定の両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、(2)高級脂肪酸と、(3)カラギーナンと、(4)紫外線吸収剤とを配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中油型固型化粧料に関し、より具体的には、安定で、みずみずしさ、滑らかさに優れ、高い紫外線防御効果をもつ、ファンデーション、化粧下地、プロテクター、サンスクリーンなどに適する水中油型固型化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より固形状化粧料のタイプとして、一般に用いられているものとして、ワックスで油を固化させた固化油性タイプ、特定の油性固化剤と疎水化処理粉末と水と親油性界面活性剤とからなる固型状油中水型乳化タイプ、特定のワックスエステルと両性界面活性剤、高級脂肪酸を組み合わせて得られる水中油型固型化粧料などがあり、使用目的、使用方法に応じて使いわけられている。
これらのうち、油性タイプ、油中水型乳化タイプは「みずみずしさ」「さっぱりさ」の点で劣っている。また、水中油型乳化タイプはみずみずしい使用感を有しているものの、後述するように極性油である紫外線吸収剤を安定に配合することが困難であり、SPF値に限界があった。
【0003】
近年、オゾンホールの破壊などの環境問題により、皮膚を有害な紫外線から守る必要性が高まっており、高い紫外線防御効果をもつ化粧料のニーズが高まっている。従来高い紫外線防御効果を有するものは一般に油性系の化粧料が多いため、べたつくなどの使用性上の問題があり、みずみずしさ、なめらかさを持つ水中油型化粧料に紫外線吸収剤を配合する試み(特許文献1、2)がなされてきた。しかしながら、高いSPFを得るために、極性の高い油分である紫外線吸収剤を配合すると、安定性が損なわれて固型を保てなくなることがあり、固型安定性の向上が望まれていた。すなわち、「みずみずしさ」「なめらかさ」などの使用感を備えつつ、さらに十分な化粧持ち、仕上がり、固型安定性に優れる高SPFの水中油型固型化粧料を得ることは難しかった。
【0004】
【特許文献1】特許第2972345号公報
【特許文献2】特開2004−231530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明の目的は、みずみずしく、なめらかな使用感触を示すとともに、固型安定性に優れ、高い紫外線防止効果などの機能性の点においてもすぐれた水中油型固型化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸と、カラギーナンとを配合することにより、紫外線吸収剤を配合しても安定な水中油型固型化粧料が得られることを見出した。
【0007】
すなわち本発明は、(1)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、(2)高級脂肪酸と、(3)カラギーナンと、(4)紫外線吸収剤とを含有し、
前記両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤が、下記一般式(A)で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(B)で表されるアミドスルフォベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(C)で表されるベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(D)で表されるスルフォベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(E)で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤、下記一般式(F)で表される第三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤から選択した一種または二種以上であり、
前記高級脂肪酸が下記一般式(G)であることを特徴とする水中油型固型化粧料である。
【0008】
【化1】

【0009】
【化2】

【0010】
【化3】

【0011】
【化4】

【0012】
【化5】

【0013】
【化6】

【0014】
(一般式(A)〜(F)中、R1 は平均炭素原子数9〜17のアルキル基又はアルケニル基、R2は平均炭素原子数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を表す。pは2〜4の整数であり、qは0〜3の整数であり、zは1または2の整数である。)
【0015】
3COOH ‥‥(G)
【0016】
(一般式(G)中、R3は、平均炭素数7〜25の直鎖又は分岐鎖又は水酸基を有する飽和、不飽和炭化水素である。)
【0017】
本発明によれば両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と高級脂肪酸とを混合して用いた水中油型固型化粧料において、増粘剤としてカラギーナンを配合することにより、通常粘度が極端に低下する極性油(紫外線吸収剤)を配合しても適度な硬度が維持され、高SPFを実現することが可能になる。こうして得られる水中油型固型化粧料は、上記のような極めてすぐれた物性を示すとともに、弾力性を有する新感触という特徴を持ち合わせる場合もあり、これは特に好ましい態様である。
【0018】
ここで示す弾力性とは、レオメーターを使用して下記の条件で破断強度を測定し、横軸に時間、縦軸に応力をプロットした場合に図1のAに示すようなダイラタントな曲線が得られるものを指す。なお図中、Bは従来のワックス固化型のエマルジョンパクトにおける応力と時間との関係を示す曲線(チクソトロピックな曲線)である。
【0019】
(測定条件)
負荷重:200g
針の径:20φ
針入速度:2cm/min
【0020】
なお、本発明で用いる「固型」または「固型状」の語は50℃以下の温度において水中油型固型化粧料が流動性を示さず、通常の保管条件下においても著しい変形を示さない状態にあることを示す。ただし弾力性を有するため、使用時には初期の形状は維持されることなく、経時で表面状態がくずれていく。ただし、流動性は示さない。
また、ここで示す固型とは、より好ましくは、25℃において当該技術分野で常用されている硬度計(レオメーター)を使用して測定した場合に、下記式で示される硬度(γ)が2以上であることを要する。
【0021】
〔数1〕
γ(硬度)=(G×L)/(l×a) (dyn/cm2
【0022】
式中、
G:測定応力(gr)×980dyn
L:サンプルの厚み(mm)
l:圧縮距離(mm)
a:針の断面積(cm2
(測定条件)
負荷重:200g
針の径:20φ
針入速度:2cm/min
針入距離:2mm
測定温度:25℃
【発明の効果】
【0023】
本発明の水中油型固型化粧料は、みずみずしさやなめらかさなどの使用感触を示すとともに、化粧もちや紫外線防止効果などの機能性の点においても優れ、かつ固型安定性のよいものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明の最良の実施形態について説明する。
<両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤>
本発明で水中油型固型化粧料に配合される両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤は、通常の化粧品基剤等に用いられる両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤の全てを適用することができる。
【0025】
これらの具体例を挙げると、以下のとおりである。
(a)上記一般式(A)で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてレボン2000(三洋化成製)、アノンBDF(日本油脂製)等が該当する〕、
(b)上記一般式(B)で表されるアミドスルフォベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてロンザイン−CS(ロンザ製)、ミラタインCBS(ミラノール製)等が該当する〕、
(c)上記一般式(C)で表されるベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてアノンBL(日本油脂製)、デハイントンAB−30(ヘンケル製)等が該当する〕、
(d)上記一般式(D)で表されるスルフォベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてロンザイン12CS(ロンザ製)等が該当する〕、
(e)上記一般式(E)で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤〔市販品としてオバゾリン662−N(東邦化学製)、アノンGLM(日本油脂製)等が該当する〕。
【0026】
また、半極性界面活性剤としては、上記一般式(F)で表される第三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤〔市販品としてユニセーフA−LM(日本油脂製)、ワンダミンOX−100(新日本理化製)等が該当する〕などが例示される。
【0027】
上記一般式(A)〜(F)中、R1 は平均炭素原子数9〜21のアルキル基またはアルケニル基、R2 は平均炭素原子数10〜18のアルキル基またはアルケニル基を表す。pは2〜4の整数であり、qは0〜3の整数であり、zは1または2の整数である。また、R1は、平均炭素原子数11〜17のアルキル基またはアルケニル基がより好ましく、平均炭素原子数11〜13のアルキル基またはアルケニル基が最も好ましい。平均炭素原子数が9未満では、親水性が強すぎ複合体を形成しにくくなる。一方、21を超えると、水への溶解性が悪くなり複合体を形成しにくくなる。
【0028】
本発明においては、界面活性剤成分として、上記した両性界面活性剤および半極性界面活性剤から任意に一種または二種以上を選んで用いることができる。また上記界面活性剤類の配合量は、全成分中、純分として0.1〜4.0質量%とする。この配合量が不足すると乳化性が悪くなり、多量過ぎるとべたつきが生じるなど、使用感触面での悪化や肌上での撥水性発現にも悪影響を及ぼす。本発明の効果を充分に発揮させるには、純分として0.5〜3.0質量%が好適である。
【0029】
<高級脂肪酸>
本発明で配合される高級脂肪酸としては、一般式がR3 COOH(一般式(G))で表される高級脂肪酸であって、通常の化粧品基剤等に用いられる高級脂肪酸の全てを適用することができる。
【0030】
ここでR3 は、平均炭素原子数が7〜25の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和炭化水素基、または水酸基を有する飽和もしくは不飽和の炭化水素基であることが好ましい。また、上記平均炭素原子数が9〜23であるものがより好ましく、上記平均炭素原子数が11〜21であるものが最も好ましい。平均炭素原子数が7未満では、親水性が強すぎるため複合体が形成されにくくなる。一方、平均炭素原子数が25を超えると融点が高くなるため、同じく複合体が形成されにくくなる。
【0031】
上記高級脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸;2−パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノール酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸;イソステアリン酸等の分枝脂肪酸;1,2−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
【0032】
このうち特に、2−パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノール酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸が好ましい。
【0033】
また、安定性および皮膚刺激性の観点から、炭素原子数18の飽和脂肪酸が好ましく、中でも分岐を有するものが好ましく、メチル分岐を有する炭素原子数18の飽和脂肪酸がさらに好ましい。市販品としては例えば、イソステアリン酸(エメリ−#871、#875(エメリ−社製))などが挙げられる。
【0034】
本発明においては、以上の高級脂肪酸のうちの任意の一種または二種以上が選ばれて用いられる。本発明に用いられる脂肪酸の配合量は、純分として0.05〜4質量%であり、配合量が不足しても、多量過ぎても安定性面での悪化をもたらす。本発明の効果を充分に発揮させるには、純分として0.1〜3質量%が好適である。
【0035】
本発明で用いられる成分(1)の両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、(2)の高級脂肪酸とは両成分を配合することで、系中で複合体を形成し、安定化していると考えられる。その複合体の詳細は、特開平6−65596号公報に記載されている。配合する際は、通常は両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸とを別々に配合し、系内で複合体とするのが一般的であるが、あらかじめ複合体としたものを配合してもよい。
【0036】
本発明において、高級脂肪酸と界面活性剤との配合比は、高級脂肪酸:両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤の質量比が、0.5:9.5〜3:1、より好ましくは、1:9〜1:1となるようにするのが安定性の点で好ましい。
【0037】
上記界面活性剤成分と高級脂肪酸の配合量は、界面活性剤純分および高級脂肪酸の合計量として0.15〜4.5質量%とすることが好ましく、0.5〜3.5質量%とすることがより好ましい。0.15質量%未満であると乳化物の安定性が悪化する。一方、4.5質量%を超えて配合すると使用感触だけでなく、保存安定性、撥水性にも悪影響をもたらすことがある。
【0038】
<カラギーナン>
本発明で用いられるカラギーナンは、紅藻類海藻から抽出、精製される天然高分子物質で、分子量100,000〜500,000のガラクトース、3,6アンヒドロガラクトースを主成分とする多糖類であり、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、ラムダカラギーナンの三成分の組合せが知られている。本発明で用いられるカラギーナンは通常化粧料用途で用いられるものであればいずれも用いることができるが、特にケルコ社製の「GENUTINE 9404」が好ましい。
【0039】
カラギーナンの配合量は、0.05〜5.0質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%である。カラギーナン0.05質量%未満では固化しにくくなり、5.0質量%を超えると、最終製品の柔軟な弾力性が失われる傾向にある。
【0040】
<紫外線吸収剤>
本発明で用いられる紫外線吸収剤としては一般に入手できるものでよく、例えばパラアミノ安息香酸 (以下、PABAと略す) 、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル-Nアセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル-4- イソプロピルシンナメート、メチル-2,5- ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4- ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4- ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p- メトキシシンナメート、イソプロピル-p- メトキシシンナメート、イソアミル-p−メトキシシンナメート、オクチル-p- メトキシシンナメート(2- エチルヘキシル-p- メトキシシンナメート) 、2-エトキシエチル-p メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p- メトキシシンナメート、エチル- α- シアノ−β- フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル- α- シアノ- β- フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2- エチルヘキサノイル- ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤、3-(4'-メチルベンジリデン)-d,1- カンファー、3-ベンジリデン-d,1- カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2-フェニル-5- メチルベンゾキサゾール、2,2'- ヒドロキシ-5- メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3- ジメチル-2- ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2- オン、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)フェノキシ]−2H−ベンゾトリアゾール、アルキルアリール1,3−プロパンジオンシリコーン誘導体、オクトクリレン、2,4,6−トリス{p−[(2’−エチルヘキシル)オキシカルボニル]アニリノ}1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0041】
なかでも、製品の安定性、紫外線吸収効果の点で、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルが好適に用いられる。配合量は特に制限されないが、0.1〜7.0質量%、好ましくは0.3〜5.0質量%配合されることが好ましい。また紫外線吸収剤が0.1質量%未満では紫外線防御能が低く、また7.0質量%を超えると化粧料の固型安定性が悪くなる傾向がある。
【0042】
<その他>
さらに、本発明の水中油型固型化粧料には、他の共通のまたは特定の目的、例えば、SPF向上や、使用性向上のための成分を1種以上含めることができる。これらの成分としては、たとえば微粒子酸化チタン、球状粉末等が挙げられる。
【0043】
本発明の水中油型固型化粧料には、さらにその他の化粧料に配合しうる成分を含めることができる。それらは、例えば、油分、保湿剤、分散剤、粉末、防腐剤、香料、薬剤、増粘剤、色素、顔料、ワックスなどである。
【実施例】
【0044】
次に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
【0045】
実施例1 水中油型乳化コンパクト(ファンデーション)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 15.8 質量%
(2)メチルポリシロキサン 5
(3)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 2
(4)イソステアリン酸 1
(5)シリコーン処理微粒子酸化チタン 5
(平均粒子径:0.03〜0.1μm、三好化成社製酸化チタンSAS−015)
(6)アルキル変性シリコーン樹脂被覆二酸化チタン 8
(7)アルキル変性シリコーン樹脂被覆黄酸化鉄 3
(8)アルキル変性シリコーン樹脂被覆ベンガラ 1
(9)アルキル変性シリコーン樹脂被覆黒酸化鉄 0.2
(10)アルキル変性シリコーン樹脂被覆タルク 2.8
(11)カラギーナン 1
(12)1,3−ブチレングリコール 5
(13)メチルパラベン 0.2
(14)2−アルキルーN-カルボキシメチルーN−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 5
(純分30%)
(15)イオン交換水 45
(調整法)
(1)〜(4)に、(5)〜(10)を室温で分散させ、油相部とする。(11)〜(15)を70〜80℃で攪拌混合して水相部とする。油相部を70〜80℃にし、水相部に加え乳化させる。中皿に流し込み、冷却して乳化コンパクトを得た。
【0046】
実施例2 水中油型乳化コンパクト(ファンデーション)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 12.8 質量%
(2)メチルフェニルポリシロキサン 5
(3)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 2
(4)t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン 2
(4)キャンデリラロウ 1
(5)イソステアリン酸 1
(6)シリコーン処理微粒子酸化チタン 5
(平均粒子径:0.03〜0.1μm、三好化成社製酸化チタンSAS−015)
(7)アルキル変性シリコーン樹脂被覆二酸化チタン 8
(8)アルキル変性シリコーン樹脂被覆黄酸化鉄 3
(9)アルキル変性シリコーン樹脂被覆ベンガラ 1
(10)アルキル変性シリコーン樹脂被覆黒酸化鉄 0.2
(11)アルキル変性シリコーン樹脂被覆タルク 2.8
(12)カラギーナン 1
(13)1,3−ブチレングリコール 5
(14)メチルパラベン 0.2
(15)2−アルキルーN-カルボキシメチルーN−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 5
(純分30%)
(16)イオン交換水 45
(調整法)
(1)〜(5)に(6)〜(11)を70〜80℃で分散させ、油相部とする。(12)〜(16)を70〜80℃で攪拌混合して水相部とする。油相部を水相部に加え乳化させる。中皿に流し込み、冷却して乳化コンパクトを得た。なお、冷却時に攪拌をおこなうことにより、ムースタイプのファンデーションを得ることもできる。ここで示すムースタイプとは粘度2000mPa・sから70000mPa・sである。
【0047】
比較例1〜5
表1に示すような配合処方により、実施例1,2と同様にして水中油型固型化粧料を製造した。
【0048】
得られた各化粧料について、つぎのような方法で(1)安定性、(2)固化力、(3)みずみずしさ、(4)化粧もち、(5)SPFについて評価した。その結果を実施例1,2とともに表1に示す。
【0049】
評価方法
20名の専門パネルによる使用テストを行い、各人の評価結果を平均した。
(評価基準)
5点:非常によい
4点:良い
3点:やや良い。
2点:普通
1点:悪い
0点:非常に悪い
【0050】
(評価の表示)
A:4点以上
B:3点以上、4点未満
C:2点以上、3点未満
D:1点以上、2点未満
E:1点未満
【0051】
【表1】

【0052】
※1:平均粒子径:0.03〜0.1μm、三好化成社製酸化チタンSAS−015
【0053】
比較例6
(1)ステアリン酸 2 質量%
(2)ベヘニルアルコール 2
(3)メチルフェニルポリシロキサン 1
(4)スクワラン 5
(5)パルミチン酸デキストリン 1
(6)モノステアリン酸ソルビタン 2
(7)1,3−ブチレングリコール 10
(8)カラギーナン 1
(9)水酸化カリウム 0.2
(10)酸化チタン 8
(11)カオリン 5
(12)タルク 2
(13)着色顔料 2
(14)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 3
(15)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(16)香料 0.1
(17)イオン交換水 55.6
(調整方法)
(7)〜(15)を(17)に添加して80℃に加熱し分散する。これに、あらかじめ混合して80℃にし溶解した(1)〜(6)を攪拌しながら添加し乳化させる。中皿に流し入れ、固める。
得られた水中油型固型化粧料は、上記の評価基準に基づくと、安定性、固化力、みずみずしさ、SPFについてはA評価であったが、化粧もちについてはE評価であった。
【0054】
実施例3,4、比較例7,8
次の表2の処方で実施例1と同様の方法で水中油型乳化化粧下地を製造した。
得られた水中油型乳化化粧下地を実施例1と同様の評価方法で評価した。その結果を表2に併せて示す。
【0055】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の水中油型固型化粧料の破断強度を測定し、横軸に時間、縦軸に応力をプロットした図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、(2)高級脂肪酸と、(3)カラギーナンと、(4)紫外線吸収剤とを含有し、
前記両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤が、下記一般式(A)で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(B)で表されるアミドスルフォベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(C)で表されるベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(D)で表されるスルフォベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(E)で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤、下記一般式(F)で表される第三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤から選択した一種または二種以上であり、
前記高級脂肪酸が下記一般式(G)であることを特徴とする水中油型固型化粧料。
【化1】


【化2】


【化3】


【化4】


【化5】


【化6】


(一般式(A)〜(F)中、R1 は平均炭素原子数9〜17のアルキル基又はアルケニル基、R2は平均炭素原子数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を表す。pは2〜4の整数であり、qは0〜3の整数であり、zは1または2の整数である。)
3COOH ‥‥(G)
(一般式(G)中、R3は、平均炭素数7〜25の直鎖又は分岐鎖又は水酸基を有する飽和、不飽和炭化水素である。)
【請求項2】
(1)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と(2)高級脂肪酸との配合割合(質量比)が、(1):(2)=0.5:9.5〜3:1であり、(1)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と(2)高級脂肪酸との合計配合量が0.15〜4.5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型固型化粧料。
【請求項3】
(1)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と(2)高級脂肪酸との合計配合量を0.15〜4.5質量%と、(3)カラギーナンを0.05〜5.0質量%と、(4)紫外線吸収剤を0.1〜7.0質量%とを含有することを特徴とする請求項1に記載の水中油型固型化粧料。

【図1】
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【公開番号】特開2007−176827(P2007−176827A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−375015(P2005−375015)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】