説明

水処理方法及び水処理装置

【課題】無機凝集剤を多量に添加することなく、工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水から溶解性有機物を効率よく除去できる水処理方法及び水処理装置を提供する。
【解決手段】工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水に水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加して吸着処理した後に固液分離処理する水処理方法であって、前記粒子の前記被処理水への添加量を、前記吸着処理前の前記被処理水の吸光度の測定結果に基づいて制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フミン質などを含有する、工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水の水処理方法及び水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水を処理する方法としては、アルミニウム塩や鉄塩等の無機凝集剤を添加して、該被処理水中に含まれる懸濁物質、コロイド成分、有機物質を凝集させて粗大化させた後、膜分離処理、沈殿処理、加圧浮上処理、ろ過などの固液分離処理をする方法が知られている(特許文献1等)。
【0003】
しかしながら、無機凝集剤を添加する方法では、フミン質やフルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物、界面活性剤等の合成化学物質など、溶解性有機物の凝集が不完全となるという問題がある。特に固液分離処理として膜分離処理を行う場合、上記溶解性有機物が膜を汚染し、膜ろ過流速を低下させるという問題がある。そして、このような溶解性有機物の凝集を十分なものとするために無機凝集剤を多量に添加すると、汚泥量が増加してしまう。また、固液分離処理として膜処理を行う場合、無機凝集剤により膜が汚染して差圧上昇を引き起こすという新たな問題が生じてしまう。したがって、無機凝集剤を多量に添加することなく、工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水中の溶解性有機物を除去できる水処理方法が求められている。
【0004】
また、効率良く凝集させて水処理を行うことも求められており、例えば、特許文献1では、被処理水の吸光度を測定しその測定結果に基づいて無機凝集剤の添加量を制御する技術が開示されている。しかしながら、この特許文献1の方法では、上述したように溶解性有機物の除去が不十分であるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開2006−272311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した事情に鑑み、無機凝集剤を多量に添加することなく、工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水から溶解性有機物を効率よく除去できる水処理方法及び水処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討した結果、工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水の吸光度に応じた量の水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を、該被処理水に添加することにより、上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明の水処理方法は、工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水に水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加して吸着処理した後に固液分離処理する水処理方法であって、前記粒子の前記被処理水への添加量を、前記吸着処理前の前記被処理水の吸光度の測定結果に基づいて制御することを特徴とする。
【0009】
本発明の水処理方法においては、前記吸光度が、200〜400nmの紫外部および500〜700nmの可視部をそれぞれ1波長以上で測定した値であることが好ましい。
【0010】
また、前記固液分離処理は、分離膜による膜分離処理であることが好ましい。
【0011】
さらに、前記被処理水が、フミン質含有水であってもよい。
【0012】
また、前記吸着処理の際に、前記被処理水に無機凝集剤を添加するようにすることが好ましい。
【0013】
本発明の他の態様は、反応槽と、工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水を反応槽に導入する被処理水導入手段と、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を前記反応槽又は反応槽の前段で導入して被処理水に前記粒子を添加するポリマー粒子導入手段と、前記反応槽で吸着処理した被処理水を排出する排出手段と、前記排出手段から排出された被処理水を固液分離処理する固液分離処理手段と、前記ポリマー粒子導入手段の前段で前記被処理水の吸光度を測定する吸光度測定手段と、前記吸光度測定手段で測定された吸光度に基づいて前記粒子の前記被処理水への添加量を制御する添加量制御手段とを具備することを特徴とする水処理装置にある。
【発明の効果】
【0014】
工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水に、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーの粒子を添加することにより、該粒子に溶解性有機物を吸着させることができる。そして、この粒子は水に不溶であるため、粒子に溶解性有機物が吸着した凝集体を固液分離することにより、粒子ごと溶解性有機物を容易に被処理水から分離除去できる。そして、この粒子の添加量は、被処理水である被処理水の吸光度を測定し、その吸光度に応じて制御されているので、被処理水から溶解性有機物を効率よく除去できる。したがって、本発明によれば、無機凝集剤を多量に添加することなく、被処理水から溶解性有機物を効率よく除去でき、汚泥量や膜汚染を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の水処理方法は、工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水に水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加して吸着処理した後に固液分離処理する水処理方法であって、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の被処理水への添加量を、吸着処理前の被処理水の吸光度の測定結果に基づいて制御するものである。
【0016】
被処理水である工業用水、河川水又は湖沼水としては、例えば、フミン質・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物、又は、界面活性剤等の合成化学物質などを含むものが挙げられる。本発明の水処理方法は、特にフミン質や藻類等が生産する糖などの生物代謝物を含有する水に用いて好適である。なお、フミン質とは、植物などが微生物に分解されることにより生じる腐食物質をいい、フミン酸等を含むものであり、フミン質を含有する水は、フミン質および/またはフミン質に由来する溶解性COD成分、懸濁物質や色度成分を有する。
【0017】
被処理水に添加する粒子を構成する水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーは、例えば、一級アミン、二級アミン、三級アミンおよびそれらの酸塩、四級アンモニウム基などの官能基を有するカチオン性モノマーと、実質的に水に溶解しないようにするための架橋剤モノマーとの共重合体である。カチオン性モノマーの具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの酸塩もしくはその4級アンモニウム塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの酸塩もしくはその4級アンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。架橋剤モノマーとしては、メチレンビスアクリルアミドなどのジビニルモノマーが挙げられる。また、上記カチオン性モノマーと共重合可能なアニオン性またはノニオン性モノマーとの共重合体としてもよい。共重合させるアニオン性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそれらのアルカリ金属塩等が挙げられるが、その含有量は、共重合体がカチオン性ポリマーとしての性質を損なわない程度に少量である必要がある。ノニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、Nイソプロピルアクリルアミド、Nメチル(NNジメチル)アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、メチルもしくはエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。各モノマーは1種でも複数種でもよい。なお、ジビニルモノマー等の架橋剤モノマー量は、全モノマーに対して0.0001〜0.1モル%必要であり、この量によって、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の膨潤度や水中での粒子径が調整できる。そして、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子としては、例えば、アコジェルC(三井サイテック株式会社製)が市販されている。また、WA20(三菱化学社製)等のアニオン交換樹脂を、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーとして用いてもよい。また、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の平均粒子径は特に限定されないが、逆相エマルション液体やサスペンション状の分散液体中での平均粒子径、すなわち、水で膨潤していない状態の平均粒子径は100μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜10μmである。これは、粒子が小さい程、被処理水中に含まれるフミン質などの溶解性有機物の吸着効果が高くなるが、小さすぎると固液分離が困難になるためである。
【0018】
このような水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーの粒子を被処理水に添加することにより、該粒子に溶解性有機物を吸着させることができ、この粒子は水に不溶であるため、粒子に溶解性有機物が吸着した凝集体を固液分離することにより、粒子ごと溶解性有機物を容易に被処理水から分離除去できる。したがって、無機凝集剤を多量に添加することなく、被処理水から溶解性有機物を除去することができる。
【0019】
上記水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加する形態に特に限定はなく、例えば、粒子そのままでもよく、また、水中に分散した状態や、逆相エマルション液体やサスペンション状の分散液体の形態で添加してもよい。何れにしても、被処理水に水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加することによって、被処理水が吸着処理される、すなわち、被処理水が水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子と接触して、被処理水中に含まれるフミン質や生物代謝物などの溶解性有機物が粒子に吸着するようにすればよい。
【0020】
また、2種以上の水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加してもよい。なお、上記粒子を構成するカチオン性ポリマーは水中で膨潤し実質的に水に溶解しないため、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子も、通常の高分子凝集剤とは異なり、水中で膨潤し実質的に水に溶解しない。「実質的に水に溶解しない」とは、水溶性の程度が水中でカチオン性ポリマーからなる粒子として存在できる程度であればよく、具体的には、例えば、30℃での水への溶解性が0.1g/L以下程度であればよい。また、この粒子の水中での膨潤度は、水で膨潤していない時の粒子径に対して水中での粒子径は10〜200倍程度である。
【0021】
ここで、逆相エマルション液体の形態としたカチオン性ポリマーからなる粒子について以下に詳細に説明するが、この形態に限定されるものではない。なお、特殊なものではなく、ごく一般的な逆相(W/O)エマルションポリマーである。
【0022】
逆相エマルション液体は、上記カチオン性ポリマー、水、炭化水素液体及び界面活性剤を含有する。そして、各成分の質量比(%)は、カチオン性ポリマー:水:炭化水素液体:界面活性剤=20〜40:20〜40:20〜40:2〜20で、カチオン性ポリマーと水との合計質量が、カチオン性ポリマーと水と炭化水素液体と界面活性剤との全体質量に対して40〜60質量%とすることが好ましい。
【0023】
炭化水素液体としては、イソヘキサンなどのイソパラフィン、n−ヘキサン、ケロシン、鉱物油などの脂肪族系の炭化水素液体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
また、界面活性剤としては、例えば、HLB(親水親油バランス)が7〜10で、炭素数10〜20の高級脂肪族アルコールのポリオキシエチレンエーテル、もしくは、炭素数10〜22の高級脂肪酸のポリオキシエチレンエステルが挙げられる。前者の例としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどのポリオキシエチレン(EO付加モル数=3〜10)エーテルが挙げられる。後者の例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのポリオキシエチレン(EO付加モル数=3〜10)エステルが挙げられる。
【0025】
なお、逆相エマルション液体は、カチオン性ポリマーの原料であるカチオン性モノマーや架橋剤モノマーと、水、炭化水素液体、界面活性剤を混合してモノマーを重合(乳化重合又は懸濁重合)することにより得られるが、これに限定されるものではなく、例えば、各種モノマーを溶液重合した後、ホモジナイザーなどで粉砕し、その後、界面活性剤などの分散剤と共に炭化水素液体に添加することによっても得られる。
【0026】
水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加する際には、粒子の表面積が大きいことが好ましい。したがって、上記逆相エマルション液体やサスペンション状の分散液体の形態である粒子を、撹拌下の水に添加して粒子を膨潤させた状態にした後、被処理水に添加することが好ましい。
【0027】
水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加する量に特に制限は無いが、被処理水中に含まれる膜汚染物質に対して、1〜50質量%程度とすることが好ましい。
【0028】
そして、本発明においては、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の添加量を、被処理水である工業用水、河川水又は湖沼水の吸光度に応じて制御する。具体的には、吸着処理前に被処理水の吸光度を測定し、その測定結果に基づいて水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の添加量を制御する。詳述すると、まず、予め被処理水の吸光度と、その吸光度を有する被処理水を処理するのに適した水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の添加量、即ち、溶解性有機物を凝集させるために十分な添加量であって過剰とならない量の添加量との関係を添加量制御情報として求めておく。そして、水処理する際に被処理水の吸光度を測定し、その吸光度の測定結果と、添加量補正情報とに基づいて、粒子の添加量を制御する。
【0029】
ここで、被処理水について、波長200nm〜400nmの紫外部と波長500nm〜700nmの可視部をそれぞれ1波長以上測定した吸光度と、溶解性有機物濃度には下記式で示す相関関係がある。
【0030】
溶解性有機物濃度=A×[紫外部吸光度−可視部吸光度]
【0031】
そして、溶解性有機物濃度と、0.45μmメンブレンフィルターを用いて一定量の試料水を濾過するのに要する時間(以下「KMF値」という。)から判断した粒子の最適な添加量との間には相関関係がある。従って、紫外部及び可視部吸光度をそれぞれ1波長以上測定することにより、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の最適添加量を推算できる。
【0032】
具体的には、水質の異なる被処理水、例えば、異なる日に採取した工業用水などの被処理水について予めジャーテストを行って、下記式(I)に示すような紫外部吸光度と可視部吸光度との差と粒子の最適添加濃度との関係式(添加量制御情報)を求めておく。なお、式(I)中、A〜Cは、被処理水の溶解性有機物の濃度など水質に依存する定数であり、E260は波長260nmでの吸光度、E660は波長660nmでの吸光度を表す。そして、水処理する際に被処理水の吸光度を測定し、吸光度の測定結果と下記式(I)から粒子の最適添加濃度を求め、その最適添加量の粒子を被処理水に添加する。
【0033】
水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の添加濃度
=A×(E260−E660)B+C (I)
【0034】
なお、上述した例では、添加量制御情報として紫外部吸光度と可視部吸光度との差と粒子の最適添加濃度との関係式を求めたものを示したが、これに限定されず、例えば、閾値制御としてもよい。閾値制御としては、吸光度差が所定値a1未満のときには粒子の添加濃度をb1とし、吸光度差が所定値a1〜a2のときには粒子の添加濃度をb2とし、吸光度差が所定値a2超のときには粒子の添加濃度をb3とするものなどが例示されるが、これに限定されない。
【0035】
このように、被処理水に含まれる溶解性有機物量に基づいて、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の添加量を制御することにより、最適な量の水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加することができるので、効率よく被処理水を処理することができる。また、被処理水の水質が変動した場合においても、変動した後の被処理水の水質に応じて水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を最適量添加するので、安定して清澄度の高い処理水を得ることができる。
【0036】
また、吸着処理の際に、被処理水に無機凝集剤を添加してもよい。溶解性有機物の凝集剤として無機凝集剤を添加することにより、溶解性有機物が凝集して、溶解性有機物除去効果が増大する。なお、無機凝集剤の添加は、固液分離処理の前であればよく、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加する前でも後でもよく、また、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子と同時に添加してもよい。無機凝集剤は特に限定はなく、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム塩、塩化第二鉄、硫酸第一鉄等の鉄塩などが挙げられる。
【0037】
無機凝集剤の添加量に特に限定はなく、処理する被処理水の性状に応じて調整すればよく、被処理水に対して概ねアルミニウム又は鉄換算で0.5〜10mg/Lであるが、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の添加量と同様に、吸着処理前の被処理水の吸光度の測定結果に基づいて制御することが好ましい。
【0038】
具体的には、水質の異なる被処理水、例えば、異なる日に採取した工業用水などの被処理水について予めジャーテストを行って、下記式(II)及び(III)に示すような紫外部吸光度と可視部吸光度との差と粒子及び無機凝集剤の最適添加量との関係式(添加量制御情報)を求めておく。なお、式(II)及び(III)中、D〜Iは、被処理水の溶解性有機物の濃度など水質に依存する定数である。そして、水処理する際に被処理水の吸光度を測定し、吸光度と下記(II)及び(III)から粒子及び無機凝集剤の最適添加濃度を求め、その最適添加量の粒子及び無機凝集剤を被処理水に添加する。
【0039】
水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の添加濃度
=D×(E260−E660)E+F (II)
無機凝集剤添加濃度=G×(E260−E660)H+I (III)
【0040】
さらに、被処理水の流量に応じて、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の添加量や無機凝集剤の添加量を変動させるようにしてもよい。
【0041】
また、吸着処理した後、固液分離処理する前の被処理水の凝集状態を測定し、その凝集状態に応じて、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子や無機凝集剤の添加量を補正するようにしてもよい。これにより、きわめて良好な凝集処理を行うことができる。なお、凝集状態を測定する方法としては、吸着処理を行った被処理水の凝集粒子(フロック)間の清澄度を検出する光遮断式微粒子センサ又は光散乱式微粒子センサ等を用いる方法を挙げることができる。凝集状態に応じて水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子や無機凝集剤の添加量を補正する方法としては、例えば凝集状態として濁度を計測した場合、その濁度データに基づいて、濁度J以上の場合に添加率をK倍、濁度L以上の場合にM倍など、閾値を設けて上記式(I)〜(III)のような添加量補正情報を補正することが好適である。
【0042】
このように、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加して吸着処理した後に、被処理水を固液分離処理する。固液分離処理としては、膜分離処理、沈殿処理、加圧浮上処理、ろ過などが挙げられる。
【0043】
膜分離処理としては、精密濾過膜(MF膜)、限外濾過膜(UF膜)、ナノ濾過膜(NF膜)、又は、逆浸透膜(RO膜)等が挙げられる。これらの膜は単独で一段以上用いてもよく、また、例えば、MF膜又はUF膜で被処理水を膜分離処理した後、RO膜で膜分離処理する等、各種の膜を組み合わせる膜分離処理としてもよい。ここで、被処理水である工業用水、河川水又は湖沼水は、通常フミン酸・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物や、界面活性剤等の合成化学物質などの膜汚染物質を含むため、膜分離処理をすると、膜汚染物質である溶解性有機物が膜表面に吸着して膜分離性能が劣化してしまうという問題がある。本発明においては、膜分離処理の前に、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加するため、該粒子に膜汚染物質である溶解性有機物が吸着して凝集した後に膜分離処理をすることになる。したがって、膜汚染物質である溶解性有機物濃度が低い水を膜分離処理することができるので、膜汚染物質の膜への吸着を低減でき、膜の分離性能の劣化を抑制できる。
【0044】
また、沈殿処理や加圧浮上処理は、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子や無機凝集剤を被処理水に添加後、カセイソーダ、消石灰や硫酸などでpH調整を行い、最後に有機系高分子凝集剤にて懸濁物をフロック化する。また必要に応じて有機凝結剤を併用することもできる。有機凝結剤は特に限定はなく、例えば、ポリエチレンイミン、エチレンジアミンエピクロルヒドリン重縮合物、ポリアルキレンポリアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドやジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの四級アンモニウム塩を構成モノマーとする重合体等、通常水処理で使用されるカチオン性有機系ポリマーが挙げられる。また、有機凝結剤の添加量にも特に限定はなく、被処理水の性状に応じて調整すればよいが、被処理水に対して概ね固形分で0.01〜10mg/Lである。そして、有機系高分子凝集剤も特に限定はなく、水処理で通常使用される高分子凝集剤を用いることができる。例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミドの共重合物、及び、それらのアルカリ金属塩等のアニオン系の有機系高分子凝集剤、ポリ(メタ)アクリルアミド等のノニオン系の有機系高分子凝集剤、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートもしくはその4級アンモニウム塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドもしくはその4級アンモニウム塩等のカチオン性モノマーからなるホモポリマー、及び、それらカチオン性モノマーと共重合可能なノニオン性モノマーとの共重合体等のカチオン系の有機系高分子凝集剤が挙げられる。また、有機系高分子凝集剤の添加量にも特に限定はなく、処理水の性状に応じて調整すればよいが、被処理水に対して概ね固形分で1〜20mg/Lである。
【0045】
また、吸着処理の後、脱炭酸処理や、活性炭処理等、被処理水の精製処理をさらに行ってもよい。また、イオン交換処理等の脱イオン処理をさらに有していてもよい。これにより、純水や超純水を得ることができる。
【0046】
また、必要に応じて、凝結剤、殺菌剤、消臭剤、消泡剤、防食剤などを添加してもよい。さらに、必要に応じて、紫外線照射、オゾン処理、生物処理などを併用してもよい。
【0047】
ここで、本発明の水処理方法を用いた水処理装置の一例を図1の概略系統図に示す。図1に示すように、水処理装置1は、被処理水(工業用水、河川水、湖沼水)を貯留する原水槽11と、反応槽12と、原水槽11から被処理水を反応槽12に導入するポンプ等の被処理水導入手段13と、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子等の薬品が保持される薬品槽14から反応槽12に薬品を導入するポンプ等からなる薬品導入手段15(ポリマー粒子導入手段)と、無機凝集剤が保持される無機凝集剤槽16から反応槽12に無機凝集剤を導入するポンプ等からなる無機凝集剤導入手段17と、反応槽12で吸着処理した被処理水を排出する排出手段18とを有する。そして、反応槽12の下流側には、膜分離処理手段(固液分離処理手段)19、脱炭酸処理手段20、及び、逆浸透膜分離処理手段21が順に設けられている。さらに、原水槽11には、貯留された被処理水の吸光度を測定する吸光度測定手段31が設けられ、この吸光度測定手段31で測定された吸光度データを受け取り、薬品槽14から反応槽12へ導入する水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の添加量、及び、無機凝集剤槽16から反応槽12へ導入する無機凝集剤の添加量を算出し添加量を制御する添加量制御手段32が設けられている。本実施形態では、添加量制御手段32は、予め水質の異なる様々な吸光度の被処理水をジャーテスターで水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子及び無機凝集剤を用いて水処理することにより、被処理水の吸光度と水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の最適添加量との関係を求めた式を、添加量補正情報として有する。そして、添加量制御手段32では、吸光度測定手段31で測定された吸光度データとこの関係式(添加量補正情報)とから最適添加量を算出し、薬品導入手段15から導入される粒子の添加量を制御する。また、同様に、添加量制御手段32は、予め水質の異なる様々な吸光度の被処理水をジャーテスターで水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子及び無機凝集剤を用いて水処理することにより、被処理水の吸光度と無機凝集剤の最適添加量との関係を求めた式を、添加量補正情報として有する。そして、添加量制御手段32では、吸光度測定手段31で測定された吸光度データとこの関係式(添加量補正情報)とから最適添加量を算出し、無機凝集剤導入手段17から導入される無機凝集剤の添加量を制御する。
【0048】
このような水処理装置1では、原水槽11に貯留された被処理水の吸光度が、吸光度測定手段31により測定され、吸光度データとして添加量制御手段32へ送られる。そして、被処理水は、被処理水導入手段13により反応槽12に導入され、薬品槽14に保持された水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子等の薬品や、無機凝集剤槽16に保持された無機凝集剤が、薬品導入手段15及び無機凝集剤導入手段17により反応槽12に導入され被処理水に添加される。なお、この水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子及び無機凝集剤の添加量は、吸光度測定手段31により測定された吸光度データから添加量制御手段32で算出されたものであり、算出された添加量になるように添加量制御手段32が薬品導入手段15及び無機凝集剤導入手段17を制御している。
【0049】
次いで、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子などが添加された被処理水は、攪拌機22で攪拌されて、吸着処理される。次いで、吸着処理された被処理水は、排出手段18で反応槽12から排出され、MF膜を有する膜分離処理手段19に送られて膜分離処理されて吸着処理後のカチオン性ポリマーからなる粒子が被処理水から除去される。本発明においては、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を用いて膜汚染物質である溶解性有機物を吸着させた後に膜分離処理手段19で膜分離処理するため、膜汚染物質の膜表面への吸着を低減し膜分離性能の劣化を抑制することができる。
【0050】
次いで、膜分離処理された被処理水は、後段の脱炭酸処理手段20に送られて、脱炭酸処理される。その後、RO膜を有する逆浸透膜分離処理手段21に送られ、RO膜による膜分離処理がなされる。この逆浸透膜分離処理手段21に通水する被処理水は、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を用いて膜汚染物質を吸着させたものであり、さらに、MF膜を有する膜分離処理手段19で膜分離処理した後の被処理水なので、非常に清澄なものであり、生物代謝物等の膜汚染物質の影響が大きいRO膜の劣化を顕著に抑制することができる。なお、イオン交換等の脱イオン処理を逆浸透膜分離処理手段21での膜分離処理の前又は後で行うと、純水又は超純水を得ることができ、膜分離装置1は純水製造装置や超純水製造装置となる。
【0051】
図1に示す水処理装置においては、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子や無機凝集剤などを反応槽12に導入する態様のものを示したが、反応槽12に導入する前の被処理水に添加するようにしてもよい。また、膜分離処理手段19としてMF膜を示したが、UF膜、RO膜、又は、NF膜等でもよい。さらに、上述した図1の水処理装置1では、膜分離処理手段19で吸着処理後のカチオン性ポリマーからなる粒子を除去するようにしたが、反応槽12で粒子を沈殿処理又は加圧浮上処理などして被処理水から除去するようにしてもよい。また、脱炭酸処理手段20と逆浸透膜分離処理手段21との間などで、活性炭処理等をさらにしてもよい。
【0052】
また、例えば、反応槽12又はその後段に、反応槽12内の凝集状態を測定できるセンサ(凝集センサなど)を設置し、その凝集状態測定データに応じて、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子や無機凝集剤の添加量を補正するようにしたり、凝集不良が発生した際に警報信号を発信するようにしてもよい。なお、この凝集状態測定データに応じて水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子や無機凝集剤の添加量を補正する制御手段は、上記添加量制御手段32が兼ねていてもよく、また、別途制御手段を設けてもよい。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
5月の晴天、降雨により水質変動が生じた時期(2週間)に、フミン質や生物代謝物を含有する工業用水を図1の水処理装置に通水して、原水槽11の工業用水の吸光度データに基づいて水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子(アコジェルC、三井サイテック社製)を添加することにより処理した。通水試験中の原水槽11での工業用水のE260、アコジェルCの添加濃度、無機凝集剤(PAC)の添加濃度、吸着処理後の工業用水のKMF値(直径47μmのメンブレンフィルターを用い、真空吸引圧力500mmHgで濾過した時の最初の500mL濾過時間及びその後の500mL濾過時間を足したもの)、MF膜のΔP上昇速度(MF膜間差圧上昇速度)を表1に示す。
【0055】
なお、吸光度は、S::CANセンサ(S::CAN社製、セル幅35mm)を用い260nmと660nmについて測定した。また、反応槽12内がpH6.5となるようにpH調整剤で調整した。また、工業用水の吸光度データに応じて添加量制御手段32でアコジェルCの添加量を制御する関係式は、異なる日に採取した工業用水についてアコジェルCを用いて予めジャーテストを行って、紫外部吸光度(E260)と可視部吸光度(E660)との差とアコジェルCの最適添加量との関係から求めた。求めた関係式を下記式(1)に示す。
【0056】
アコジェルCの添加濃度(mg/L)
=25.13×(E260−E660)−1.334 (1)
【0057】
(実施例2)
アコジェルCと共に、無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)を30mg/L一定となるように添加した以外は、実施例1と同様の操作を行った。なお、該実施例2や、以下に示す実施例3〜4及び比較例1〜2は、実施例1と同じ工業用水を使用するため、実施例1と並列して行うようにした。
【0058】
(実施例3)
水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を下記式(2)に基づいて、無機凝集剤を下記式(3)に基づいて添加した以外は実施例2と同様の操作を行った。なお、式(2)及び式(3)は、異なる日に採取した工業用水についてアコジェルC及びPACを用いて予めジャーテストを行って、紫外部吸光度(E260)と可視部吸光度(E660)との差と、アコジェルC及びPACの最適添加量との関係から求めた。
【0059】
アコジェルCの添加濃度(mg/L)
=20.14×(E260−E660)−1.06 (2)
PACの添加濃度(mg/L as PAC)
=121.79×(E260−E660)−3.89 (3)
【0060】
(実施例4)
図1に示す水処理装置において、反応槽12の出口付近に凝集センサ(栗田工業製、クリピタリ)をさらに設けてアコジェルC及びPACを添加することによりフロックを形成した工業用水の凝集度を測定し、アコジェルC及びPACの添加量の制御を、式(2)及び(3)での制御に加えて、フロックとフロックの間の濁度(未凝集の微小コロイドによる濁度)が2度以上上昇した場合にアコジェルC及びPACの添加量を1.5倍する制御にした以外は、実施例3と同様の操作を行った。
【0061】
(比較例1)
アコジェルCの代わりにPACを用い、PACを下記式(4)に基づいて添加した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0062】
PACの添加濃度(mg/L as PAC)
=502.6×(E260−E660)−32.7 (4)
【0063】
(比較例2)
アコジェルCの添加量を4mg/L一定とした以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0064】
この結果、実施例1は、比較例1及び比較例2に比べて、MF膜ΔP上昇速度やKMF値が低く、膜ろ過性のよい水が得られた。また、比較例1では、PACの使用量が増大し、汚泥の発生が増大した。そして、比較例2では添加量を制御しなかったため、KFM値が高くなる場合があった。
実施例2では、実施例1に比べて膜ろ過性がよく、PACを併用することにより、膜ろ過性が向上することが確認された。また、実施例3では、アコジェル及びPACの両方の添加量を制御したため、実施例2に比べてさらに膜ろ過性が向上した。そして、凝集状態に応じてアコジェル及びPACの添加量をさらに制御した実施例4では、膜ろ過性は実施例1〜3と比べても、さらに上昇した。
【0065】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態に係る水処理装置の概略系統図である。
【符号の説明】
【0067】
1 水処理装置
11 原水槽
12 反応槽
13 被処理水導入手段
14 薬品槽
15 薬品導入手段
16 無機凝集剤槽
17 無機凝集剤導入手段
18 排出手段
19 膜分離処理手段
20 脱炭酸処理手段
21 逆浸透膜分離処理手段
22 攪拌機
31 吸光度測定手段
32 添加量制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水に水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加して吸着処理した後に固液分離処理する水処理方法であって、前記粒子の前記被処理水への添加量を、前記吸着処理前の前記被処理水の吸光度の測定結果に基づいて制御することを特徴とする水処理方法。
【請求項2】
前記吸光度が、200〜400nmの紫外部および500〜700nmの可視部をそれぞれ1波長以上で測定した値であることを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
【請求項3】
前記固液分離処理が、分離膜による膜分離処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理方法。
【請求項4】
前記被処理水が、フミン質含有水であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の水処理方法。
【請求項5】
前記吸着処理の際に、前記被処理水に無機凝集剤を添加することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の水処理方法。
【請求項6】
反応槽と、工業用水、河川水又は湖沼水からなる被処理水を反応槽に導入する被処理水導入手段と、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を前記反応槽又は反応槽の前段で導入して被処理水に前記粒子を添加するポリマー粒子導入手段と、前記反応槽で吸着処理した被処理水を排出する排出手段と、前記排出手段から排出された被処理水を固液分離処理する固液分離処理手段と、前記ポリマー粒子導入手段の前段で前記被処理水の吸光度を測定する吸光度測定手段と、前記吸光度測定手段で測定された吸光度に基づいて前記粒子の前記被処理水への添加量を制御する添加量制御手段とを具備することを特徴とする水処理装置。

【図1】
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【公開番号】特開2009−106898(P2009−106898A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284112(P2007−284112)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】