説明

水処理装置および水処理方法

【課題】消費するエネルギー量が小さい水処理技術を提供する
【解決手段】被処理水を貯める液体処理水槽1と、液体処理水槽1内の該被処理水中に、ナノバブルまたはマイクロナノバブルを発生させる、ナノバブル発生機47、マイクロバブル発生機78、および水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52と、液体処理水槽1に流入する該被処理水の水質を測定するための流体処理前測定槽72と、液体処理水槽1から流出する該被処理水の水質を測定するための流体処理後測定槽57とを備えており、流体処理前測定槽72が測定した水質と、流体処理後測定槽57が測定した水質とに基づいて、ナノバブル発生機47、マイクロバブル発生機78、および水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52のそれぞれを稼働または停止させるようになっている水処理装置100を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水処理技術に関するものであり、特に、ナノバブルまたはマイクロナノバブルを用いた水処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体から有機物などの物質を除去する技術が、様々な分野で用いられている。例えば、廃液処理においては、廃水中の様々な物質を除去するために、微生物の物質分解能力を利用した技術が用いられている。
【0003】
例えば、従来から、微生物固定化ゲル担体を用いる廃水処理装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。当該廃水処理装置は、浸漬膜濾過方式を採用した汚泥分離設備と、沈殿槽方式を採用した汚泥分離設備とを併用している。なお、当該廃水処理装置では、上記微生物固定化ゲル担体として、例えばポリビニルアルコール系含水ゲルが用いられている。
【0004】
また、従来から、異なる機能を有する複数の槽を用いる廃水処理方法が用いられている(例えば、特許文献2参照)。当該廃水処理方法では、担体が流動している曝気槽、第1の活性汚泥槽、第2の活性汚泥槽、沈殿槽の順番で、廃水が様々な処理を受けている。なお、当該廃水処理方法では、上記担体として、例えばポリビニルアルコール架橋ゲル担体が用いられている。
【0005】
また、従来から、微生物が固定化された担体が投入された廃水処理槽、および当該廃水処理槽から流出する処理水を濾過する膜モジュールを用いる廃水処理装置が用いられている(例えば、特許文献3参照)。なお、当該廃水処理装置では、上記担体としてポリビニルアルコール系含水ゲルが用いられている。
【0006】
一方、従来から、小さな直径を有する気泡(バブル)には様々な作用があることが知られており、現在、このような気泡を様々な分野に利用する試みがなされている。
【0007】
上記気泡は、その直径に応じて、マイクロバブル、マイクロナノバブルおよびナノバブルに分類することができる。具体的には、マイクロバブルは、その発生時において10μm〜数十μmの直径を有する気泡であり、マイクロナノバブルは、その発生時において数百nm〜10μmの直径を有する気泡であり、ナノバブルは、その発生時において数百nm以下の直径を有する気泡である。なお、マイクロバブルは、発生後の収縮運動によって、その一部がマイクロナノバブルに変化することがある。また、マイクロバブルの一部は水中にて収縮して、最後には消滅してしまうマイクロバブルもある。一方、ナノバブルは、長期に渡って液体中に存在することができるという性質を有している。
【0008】
例えば、従来から、様々なナノバブルの利用方法、およびナノバブルを利用した各種装置が知られている(例えば、特許文献4参照)。より具体的には、特許文献4には、ナノバブルが、浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、または静電分極の実現によって、界面活性作用および殺菌作用を示すことが記載されている。更に、特許文献4には、ナノバブルが有する界面活性作用および殺菌作用を用いて、各種対象を洗浄する技術および汚濁水を浄化する技術が記載されている。更に、特許文献4には、ナノバブルを用いて生体の疲労を回復する方法が記載されている。なお、特許文献4では、水を電気分解するとともに、当該水に超音波振動を加えることによって、ナノバブルを作製している。
【0009】
また、従来から、液体を原料としてナノバブルを作製する方法が知られている(例えば、特許文献5参照)。上記作製方法は、液体中において、1)上記液体の一部を分解ガス化する工程、2)上記液体に超音波を印加する工程、または3)上記液体の一部を分解ガス化する工程および上記液体に超音波を印加する工程、からなるものである。なお、液体の一部を分解ガス化する工程として、電気分解法または光分解法を用いることができることが記載されている。
【0010】
また、従来から、オゾンガスからなるマイクロバブル(オゾンマイクロバブル)を利用する廃液処理装置が用いられている(例えば、特許文献6参照)。上記廃液処理装置では、オゾン発生装置によって作製されたオゾンガスと廃液とを、加圧ポンプを用いて混合することによって、オゾンガスからなるマイクロバブルを作製している。そして、当該マイクロバブルが廃液中の有機物と反応することによって、廃液中の有機物が酸化分解される。なお、マイクロバブルを利用した洗浄装置も従来から用いられており、当該装置は、機械油等が付着した金属の洗浄、牡蠣の洗浄、または入浴時における人体の洗浄等に利用されている。
【0011】
排水処理設備として、生物学的処理設備としての各種微生物槽、その後の最終的設備として、物理学的処理設備としての活性炭吸着塔が存在している。
【0012】
また、用水処理設備としての生物学的処理設備としての各種微生物槽、その後の最終的設備として、物理学的処理設備としての活性炭吸着塔が存在している。
それら活性炭吸着塔は、有機物を吸着後、活性炭塔から活性炭を取り出し、別の場所で再生している。
【特許文献1】特開2007−185598号公報(平成19年7月26日公開)
【特許文献2】特開2001−145894号公報(平成13年5月29日公開)
【特許文献3】特開平11−42497号公報(平成11年2月16日公開)
【特許文献4】特開2004−121962号公報(平成16年4月22日公開)
【特許文献5】特開2003−334548号公報(平成15年11月25日公開)
【特許文献6】特開2004−321959号公報(平成16年11月18日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、ナノバブルまたはマイクロナノバブルを作製するためには所定のエネルギーが必要であり、大量の被処理水を処理するためには、多大なエネルギーが必要となる。そのため、消費するエネルギー量が小さい水処理技術が求められていた。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、消費するエネルギー量が小さい水処理技術を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、鋭意検討の結果、(1)水処理において、水の水質に合わせて、3種類のバブル発生機(水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機、マイクロナノバブル発生機、ナノバブル発生機)の運転を選択的に行うことが省エネの観点から効率的であること、(2)排水における流入水は、常に水質変動があるが、水質変動に合わせたバブル発生機(水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機、マイクロナノバブル発生機、ナノバブル発生機)の運転を処理前水質と処理後水質を測定し、その測定値に基づいて運転することが効率的であること、(3)3種類のバブル発生機の運転をTOC(全有機炭素)、COD(化学的酸素要求量)pH、酸化還元電位の内、1つを選択し、かつ、処理前水質と処理後水質を測定し、その測定値に基づいて運転することが効率的であること、(4)磁気活水オゾンナノバブルは、ナノバブルよりもマイナス電荷の値が大きく、また紫外線オゾンマイクロナノバブルは、マイクロバブルよりもマイナス電荷の値が大きく、強い酸化力を有すること、(5)バブル発生装置を水質計が設置された液体処理前測定槽、バブル発生機が設置された液体処理水槽、水質計が設置された液体処理後測定槽から構成して、バブル発生機の運転台数を制御することが効率的であること、および(6)磁気活水オゾンナノバブルや紫外線オゾンマイクロナノバブルは、ナノバブルやマイクロバブル以上の強い酸化力を有することから難分解性有機フッ素化合物を酸化分解するのに、有効であることを見出し、本発明を完成させた。
【0016】
すなわち、本発明に係る水処理装置は、被処理水を貯める処理水槽と、該処理水槽内の該被処理水中に、ナノバブルまたはマイクロナノバブルを発生させるバブル発生手段と、該処理水槽に流入する該被処理水の水質を測定する処理前測定手段と、該処理水槽から流出する該被処理水の水質を測定する処理後測定手段とを備えており、該バブル発生手段は、複数のバブル発生機を備えており、かつ、該処理前測定手段が測定した水質と、該処理後測定手段が測定した水質とに基づいて、該複数のバブル発生機のそれぞれを稼働または停止させるようになっていることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、上記処理水槽に流入する上記被処理水の水質と、該処理水槽から流出する該被処理水の水質とを測定することができるので、例えば、該処理水槽における水処理の前と後とでの水質の差によって、上記複数のバブル発生機のいずれを稼働させ、いずれを停止させるかを決定し、適切な酸化力を有するナノバブルまたはマイクロナノバブルを該処理水槽内に貯められた被処理水に対して導入することができる。
【0018】
さらに、任意の上記バブル発生機が発生させるバブルのサイズが、他の上記バブル発生機の少なくとも1つが発生させるバブルのサイズと異なることが好ましい。このような構成によれば、上記バブル発生手段が、少なくとも、特定のサイズのバブルを発生させるバブル発生機と、該特定のサイズとは異なるサイズのバブルを発生させるバブル発生機を備えているため、例えば、一方に換えて他方を稼働させることにより、上記被処理水中に導入されるバブルのサイズを変化させることができる。ここで、バブルのサイズが小さいほど、該バブルが有する酸化力が強いため、上記被処理水中に導入するバブルのサイズを小さくすることで、該被処理水をより強力に処理することができる。これにより、例えば、上記の差が小さいときは、浄化困難な被処理水であると判断して、より小さいサイズのバブルを発生する上記バブル発生機を稼動させ、上記の差が大きいときは、浄化容易な被処理水であると判断して、より大きいサイズのバブルを発生する上記バブル発生機を稼動させることにより、合理的かつエネルギー消費量の少ない水処理装置とすることができる。
【0019】
本発明に係る水処理装置では、上記複数のバブル発生機が、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機、マイクロナノバブル発生機、およびナノバブル発生機を含んでいることが好ましい。
【0020】
水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機、マイクロナノバブル発生機、およびナノバブル発生機は、それぞれ発生するバブルのサイズが異なり、それゆえ、上記被処理水に対する酸化力も異なる。従って、本発明に係る水処理装置に好適に用いることができる。すなわち、それぞれの発生機によって、性質の異なるバブルを発生できる。そして、3種類の発生機であるから、目的に応じて、選択使用するこができる。
【0021】
本発明に係る水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生機が、上記被処理水を吸い込んで吐出するポンプと、該ポンプから吐出された該被処理水と気体とを混合するとともに該気体をせん断する気体せん断部とを備えていてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、上記マイクロナノバブル発生機は、マイクロナノバブルを好適に発生させることができる。
【0023】
本発明に係る水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生機が、上記被処理水を通過させ、かつ、通過する該被処理水に紫外線を照射する紫外線反応部をさらに備えており、上記ポンプと上記気体せん断部とが該紫外線反応部を介して接続されていてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、マイクロナノバブル発生機を構成するポンプと気体せん断部とを連結する配管途中に紫外線反応部を設置しているので、マイクロナノバブルが紫外線処理されたマイクロナノバブルとなり、相乗効果を期待できる。
【0025】
本発明に係る水処理装置では、上記ナノバブル発生機が、上記被処理水を吸い込んで吐出するポンプと、該ポンプから吐出された該被処理水と気体とを混合するとともに該気体をせん断する第1気体せん断部と、該第1気体せん断部において処理された該被処理水中の該気体をさらにせん断する第2気体せん断部と、該第2気体せん断部において処理された該被処理水中の該気体をさらにせん断する第3気体せん断部とを備えていてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、上記ナノバブル発生機は、ナノバブルを好適に発生させることができる。
【0027】
本発明に係る水処理装置では、上記ナノバブル発生機が、上記被処理水を通過させ、かつ、通過する該被処理水に磁力線を放射する磁気活水部をさらに備えており、上記第2気体せん断部と上記第3気体せん断部とが該磁気活水部を介して接続されていてもよく、上記ポンプと該第2気体せん断部とが該磁気活水部を介して接続されていてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、ナノバブル発生機の構成において、磁気活水器を構成部品としているので、ナノバブルと磁気活水器から発生する磁力線による磁力活水ナノバブルを製造することができる。
【0029】
本発明に係る水処理装置では、上記ナノバブル発生機が、上記磁気活水部に流入する上記被処理水の流速を調節する出口径交換ユニットをさらに備えていることが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、吐出口径交換ユニットが、磁気活水部の前段に設置されていることにより、如何なる比重の異なる液体に対しても、適宜吐出口径サイズを調整して、磁気活水部での流速を、磁力線の影響を上記被処理水が最も受けな流速に調整することができるとともに、流れを乱流ではなく、相流として、磁力線が均等に作用するようにすることができる。
【0031】
本発明に係る水処理装置では、上記ナノバブル発生機が、オゾンを発生させるオゾン発生機をさらに備えており、上記第1気体せん断部が、上記被処理水と、該オゾンとを混合することが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、ナノバブルよりも酸化力があるオゾンナノバブル、またさらにオゾンナノバブルよりも酸化力がある磁気活水オゾンナノバブルを発生することができると同時に、上記被処理水を強力に処理することができる。
【0033】
本発明に係る水処理装置では、上記第1気体せん断部に供給される上記気体が、毎分0.6リットル以上毎分1.2リットル以下であることが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、上記第1気体せん断部に供給される上記気体量が抑えられるため、マイクロバブルではなく、ナノバブルを効率よく製造することができる。
【0035】
本発明に係る水処理装置では、上記第1気体せん断部が、断面が楕円形または真円形であり、かつ、内部に複数の溝が設けられている筒を備えていることが好ましい。また、上記溝の深さは、0.3mm以上0.6mm以下であり、該溝の幅は、0.3mm以上0.8mm以下であることが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、旋回乱流を制御することができ、効率よくバブルを安定的に製造することができる。
【0037】
本発明に係る水処理装置では、上記ポンプが、上記被処理水を吸い込むための吸い込み配管、および該被処理水を吐出するための吐出配管を備えており、該吸い込み配管の口径が、該吐出配管の口径よりも大きいことが好ましい。
【0038】
上記の構成によれば、上記ポンプの吐出配管を吸い込み配管よりも小さくして、吐出圧力を確保して、バブルを多量に発生することができる。
【0039】
本発明に係る水処理装置では、上記ポンプの出力が最大値となった後に、上記気体が第1気体せん断部に供給されるようになっていてもよく、上記ポンプの稼働開始から少なくとも60秒経過した後に、上記気体が第1気体せん断部に供給されるようになっていてもよい。
【0040】
上記の構成によれば、上記気体がポンプに導入されたとき、ポンプは最大出力に達しているため、ポンプを気体で損傷(ポンプのキャビテーション発生による損傷)することを抑制することができる。
【0041】
本発明に係る水処理装置では、上記第1気体せん断部は、内部で上記被処理水が旋回するようになっており、該旋回の中心軸に対して17度以上19度以下の入射角で上記気体を供給する気体流入管を備えていることが好ましい。
【0042】
上記の構成によれば、バブルを効率よく製造することができる。
【0043】
本発明に係る水処理装置では、上記第1気体せん断部の主要部分が、6mm以上12mm以下の厚さを有していてもよい。
【0044】
上記の構成によれば、上記第1気体せん断部でのせん断応力効果を確保できる。
【0045】
本発明に係る水処理装置では、上記ナノバブル発生機が、上記被処理水を通過させ、かつ、通過する該被処理水に紫外線を照射する紫外線反応部をさらに備えており、上記第2気体せん断部と上記第3気体せん断部とが該紫外線反応部を介して接続されていてもよい。
【0046】
上記の構成によれば、上記ナノバブル発生機が発生するナノバブルの作用に紫外線の持つ殺菌力を追加して、相乗効果を期待することができる。
【0047】
本発明に係る水処理装置では、上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機が、該水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に気体を供給する配管と、該配管を通過する気体に紫外線を照射する紫外線反応部とを備えていてもよい。
【0048】
上記の構成によれば、上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機が発生するマイクロナノバブルの作用に紫外線の持つ殺菌力を追加して、相乗効果を期待することができる。
【0049】
本発明に係る水処理装置では、上記処理前測定手段が、少なくとも、上記被処理水の全有機炭素を測定するものであってもよい。
【0050】
上記の構成によれば、前記液体処理前測定槽と液体処理後測定槽のTOC濃度の差によって、バブル発生機の運転を制御できる。
【0051】
本発明に係る水処理装置では、上記処理前測定手段が、少なくとも、上記被処理水の化学的酸素要求量を測定するものであってもよい。
【0052】
上記の構成によれば、前記液体処理前測定槽と液体処理後測定槽のCOD濃度の差によって、バブル発生機の運転を制御できる。
【0053】
本発明に係る水処理装置では、上記処理前測定手段が、少なくとも、上記被処理水のpHを測定するものであってもよい。
【0054】
上記の構成によれば、前記液体処理前測定槽と液体処理後測定槽のpHの差によって、バブル発生機の運転を制御できる。
【0055】
本発明に係る水処理装置では、上記処理前測定手段が、少なくとも、上記被処理水の酸化還元電位を測定するものであってもよい。
【0056】
上記の構成によれば、前記液体処理前測定槽と液体処理後測定槽の酸化還元電位の差によって、バブル発生機の運転を制御できる。
【0057】
本発明に係る水処理装置は、ポリビニルアルコール担体をさらに備えており、該ポリビニルアルコール担体は、上記処理水槽内に充填され、該処理水槽内を流動するようになっていてもよい。
【0058】
上記の構成によれば、上記処理水槽のポリビニルアルコール担体に微生物を固定化して、上記ナノバブルまたはマイクロナノバブルの物理化学的な殺菌作用のみならず、微生物による生物学的な処理をも追加することができる。別の観点から見れば、上記処理水槽を微生物処理における曝気槽や接触酸化槽とすれば、従来の曝気槽や接触酸化槽の機能を、単に生物学的な処理だけでなく、ナノバブルやマイクロバブルによる物理化学的機能を追加して、曝気槽や接触酸化槽の性能を向上させることができる。
【0059】
本発明に係る水処理装置は、活性炭をさらに備えており、該活性炭は、上記処理水槽内に充填され、該処理水槽内を流動するようになっていてもよい。
【0060】
上記の構成によれば、上記処理水槽の活性炭に微生物を固定化して、上記ナノバブルまたはマイクロナノバブルの物理化学的な殺菌作用のみならず、微生物による生物学的な処理をも追加することができる。別の観点から見れば、液体処理水槽を微生物処理における曝気槽や接触酸化槽とすれば、従来の曝気槽や接触酸化槽の機能を、単に生物学的な処理だけでなく、ナノバブルやマイクロバブルによる物理化学的機能を追加して、曝気槽や接触酸化槽の性能を向上させることができる。
【0061】
本発明に係る水処理装置は、上記処理水槽内に充填されている炭酸カルシウム鉱物をさらに備えていてもよい。
【0062】
上記の構成によれば、炭酸カルシウム鉱物からカルシウムを溶出させて、流入水が酸排水の場合、薬品を使用することなく、中和することができる。すなわち、上記ナノバブルまたはマイクロナノバブルは酸化力が強いので、カルシウムを容易に炭酸カルシウム鉱物から溶出させて、酸排水を中和することができる。この方法は薬品としての苛性ソーダを使用しないので、安全な中和方法とすることができる。
【0063】
本発明に係る水処理装置は、ポリ塩化ビニリデン充填物と、該ポリ塩化ビニリデン充填物を上記処理水槽内に固定する固定金具とをさらに備えていてもよい。
【0064】
上記の構成によれば、ポリ塩化ビニリデン充填物に微生物を繁殖させて、微生物処理、すなわち排水処理では接触酸化槽として利用することができる。また、同様に上水処理設備、再利用設備として、利用することができる。
【0065】
本発明に係る上水の処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0066】
上記の構成によれば、上水処理設備における上水中の有機フッ素化合物、環境ホルモン等難分解化学物質を酸化分解して、上水として安全な飲料水を製造することができる。
【0067】
本発明に係る排水の処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0068】
上記の構成によれば、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、排水処理における被処理水中の有機物や難分解性化学物質を効率良く分解することができる。
【0069】
本発明に係る有機フッ素化合物含有排水の処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0070】
上記の構成によれば、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、排水処理における被処理水中の有機フッ素化合物としてのPFOSやPFOAを効率良く分解することができる。
【0071】
本発明に係る再利用水の処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0072】
上記の構成によれば、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、工場等における排水処理後の再利用中の微量有機物を効率良く分解し、再利用水の水質を向上させることができる。
【0073】
本発明に係る浴槽水の処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0074】
上記の構成によれば、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、大規模浴場や娯楽施設の浴槽における浴槽水を合理的に処理し、循環使用することができる。そのことは、省資源に繋がると同時に、新規の水使用量の削減が可能となる。
【0075】
本発明に係る治療用浴槽水の処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0076】
上記の構成によれば、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、アトピー性皮膚疾患や床ずれ(高齢老人入院患者の長期入院による床ずれ)等治療用の浴槽に使用することができる。
【0077】
本発明に係る水産養殖水の処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0078】
上記の構成によれば、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、水産養殖水に活用して、歩留まりの向上、養殖水の殺菌、除菌をして、かつ養殖水中のアンモニア性窒素を強力に酸化することができる。
【0079】
本発明に係る水耕液の処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0080】
上記の構成によれば、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、植物の長期養液栽培における養液(水耕液)中に発生するウイルスを殺菌して、養液(水耕液)の長期使用を可能とすることができる。
【0081】
本発明に係るエステティック用水の処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0082】
上記の構成によれば、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、皮膚の洗浄、頭髪の洗浄等、エステ用水に利用することができる。
【0083】
本発明に係る石油の精製方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0084】
上記の構成によれば、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、石油精製における精製装置に利用することができる。原油中に酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを含有させれば、原油中の不純物の分解と、原油が気体としてのナノバブルを含有することによる精製効率の改善をすることができる。
【0085】
本発明に係るガソリンの処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0086】
上記の構成によれば、超小型化したバブル発生装置を用いることを前提として、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、自動車エンジンにおけるガソリンの燃焼に利用し、燃焼効率をあげることができる。
【0087】
本発明に係る床ずれの治療用水の処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0088】
上記の構成によれば、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、病院入院患者の床ずれの治療、特に床ずれが発生している部分の血流量の増加、殺菌をして治療することができる。
【0089】
本発明に係るアトピー疾患の治療用水の処理方法は、本発明に係る水処理装置を用いることを特徴としている。
【0090】
上記の構成によれば、酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを用いて、アトピー疾患の治療、特にアトピー疾患が発生している部分の血流量の増加、殺菌をして治療することができる。
【0091】
本発明に係る水処理方法は、複数のバブル発生機を備えた処理水槽に被処理水を貯める工程と、該処理水槽に流入する該被処理水の水質を測定する処理前測定工程と、該処理水槽から流出する該被処理水の水質を測定する処理後測定工程と、該処理前測定工程において測定した該水質、および該処理後測定工程において測定した該水質に基づいて、該複数のバブル発生機から動作すべきバブル発生機を選択する選択工程と、該選択工程において選択された該バブル発生機を用いて、該処理水槽内の該被処理水中にナノバブルまたはマイクロナノバブルを発生させるバブル発生工程とを包含することを特徴としている。
【0092】
上記の構成によれば、本発明に係る水処理装置と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0093】
本発明に係る水処理装置は、複数のバブル発生機を備え、それらが、必要とされる酸化力に応じて制御されるため、エネルギー消費量を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0094】
一般に、工場排水の様に液体中の水質は変動することが一般的であるが、その水質変動に合わせて酸化力を高めたり、弱めたりすることが可能なバブル発生方法およびバブル発生装置が存在していない。水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機、マイクロナノバブル発生機、ナノバブル発生機は存在するが、液体中の水質変動に合わせた運転がされていないので、省エネ運転ができていない。
【0095】
また、オゾン処理の欠点であるオゾンガスが空気中に飛んで、オゾンの酸化力を長期に維持できない課題がある。また、紫外線処理のみでは、紫外線ランプの電力を多量に消費するのみで、酸化力が弱い。
【0096】
また、難分解性の有機フッ素化合物(PFOS、PFOA等)を含有する被処理水が存在するが、それらは一般に、難分解性の有機フッ素化合物以外の有機物を含有している場合が多く、活性炭は、各種有機物を全て吸着する性質により、破過までの時間が短く、頻繁に取り替える必要があり、ランニングコストが高い。
より詳細に説明すると、一般的知見であるが、有機フッ素化合物における化学構造式である炭素とフッ素の結合は、安定しているが故、強酸の中でも分解しない。それ故、環境中に放出されて、世界中をめぐり、はてには、世界中のあらゆる生物に濃縮してきた。例えば、1例として北極熊、アザラシ、鯨からも検出されて、国際的環境汚染として、問題となっている。
【0097】
しかし、安定的な化学物質であるため、微生物による分解が困難であるから、含有している排水などの液体を1000℃以上で焼却するしか処理方法は存在していない。
焼却方法は、唯一の処分方法であるが、液体量が多い場合には、燃料も多く使用し、二酸化炭素の増加による地球温暖化の問題もあり、合理的処理方法ではない。
【0098】
また、水道水、地下水等に微量に含有されている有機フッ素化合物の合理的かつ経済的な処理方法が必要で、合理的かつ経済的対策としての処理方法が存在しない。
【0099】
また、水道水、地下水等の有機フッ素化合物処理方法として、急速ろ過、活性炭吸着の水処理方法も存在するが、有機フッ素化合物の分解は、全く期待できない。
【0100】
また、通常の急速ろ過、活性炭吸着の水処理方法は、吸着後の活性炭の取替えが必要で、その作業の手間と再生のためのランニングコストが増加する。
【0101】
また、磁気活水性とは、磁力によるフリーラジカルの発生による酸化作用であり、またナノバブルもフリーラジカルによる酸化作用を期待できることより、磁気活水ナノバブルは、それらの相乗効果が発揮できる。よって、液体を強力に酸化処理できる。
【0102】
紫外線も酸化作用を示し、紫外線ランプにより照射されることによって、効果を示す。紫外線は、300nm以下の短波長の領域の紫外線が酸化力において有効である。
【0103】
本発明の一実施形態に係る水処理装置100の概略構成を図1に示す。図1に示すように、水処理装置100は、液体処理水槽(処理水槽)1、流体処理前測定槽(処理前測定手段)72、流体処理後測定槽(処理後測定手段)57、ナノバブル発生機47、マイクロナノバブル発生機78、および水中型マイクロナノバブル発生機52を備えている。
【0104】
なお、本明細書において、マイクロバブルとは、直径が50ミクロン(μm)以下の微細気泡が意図される。マイクロバブルは、通常、水中で縮小していき、ついには消滅(完全溶解)してしまう。また、ナノバブルは、マイクロバブルよりさらに小さいバブル(直径が1ミクロン以下の100〜200nm)が意図される。ナノバブルは、通常、いつまでも水の中に存在することが可能である。マイクロナノバブルとは、マイクロバブルとナノバブルとが混合したバブルが意図される。
【0105】
水処理装置100は、流体処理前測定槽72および流体処理後測定槽57においてそれぞれの水質を測定して、これに基づいて、必要とされる酸化力を決定し、ナノバブル発生機47、マイクロナノバブル発生機78、および水中型マイクロナノバブル発生機52のそれぞれを稼働または停止させるようになっている。
【0106】
流体処理前測定槽72および流体処理後測定槽57における水質の測定は、それぞれの測定槽が、例えば、全有機炭素(TOC)、化学的酸素要求量(COD)、pH、または酸化還元電位を測定するための測定器を備えることによって行うことができる。
【0107】
必要とされる酸化力は、例えば、流体処理前測定槽72において測定された水質と、流体処理後測定槽57において測定された水質との差に基づいて決定することができる。すなわち、処理前後における水質の差が小さいときは、浄化困難な被処理水であると決定して、強力な酸化力が必要と判断し、該差が大きいときは、浄化容易な被処理水であると判断して、必要とされる酸化力は弱いものであると決定することができる。
【0108】
ナノバブル発生機47、マイクロナノバブル発生機78、および水中型マイクロナノバブル発生機52は、それぞれ発生させるバブルのサイズが異なり、酸化力は、バブルのサイズに関係して、小さい程酸化力を示すため、被処理水中の酸化力は、ナノバブル発生機47によるナノバブルが最も強く、続いてマイクロナノバブル発生機78、最後に水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52となる。
【0109】
そして、必要とされる酸化力に応じて、各バブル発生装置を、例えば、下記表1のように稼働または停止させることができる。このように、より強力な酸化力が必要である場合には、よりサイズが小さいバブルを発生するバブル発生機を稼働させるようにすればよく、さらに、より多くのバブル発生機を稼働させ、結果的により強力な酸化力を得られるようにすればよい。なお、表1では、「○」が稼働すべきバブル発生機として選択されたことを示す。
【0110】
【表1】

【0111】
以上の制御は、例えば、水処理装置100が図示しない制御部(シーケンサー等)を備えており、該制御部が、上記測定器、および各バブル発生機に信号線等によって接続されていることによって行うことができる。
【0112】
上記ナノバブル発生機47、マイクロナノバブル発生機78、および水中型マイクロナノバブル発生機52には、紫外線反応部および磁力活水部を適宜組合わせることができ、これにより、発生するバブルの酸化力を相乗効果により高めることができる。また、上記バブルを発生させるための気体として、オゾン発生機64が生成したオゾンを用いることによって、さらに酸化力の強いバブルを発生させることができる。
【0113】
本発明に係る水処理装置は、被処理水中に含まれる有機フッ素化合物、環境ホルモン等難分解化学物質を効果的に酸化分解し得るため、上水処理、排水処理、再利用水等の処理に好適に用いることができる。
【0114】
本発明に係る水処理装置はまた、該装置によって処理された被処理水が高い殺菌力および洗浄力を有するだけでなく、血流量を増加させ、インスリン様成長因子も増加させるため、浴槽水、治療用浴槽水、病院入院患者の床ずれ、またはアトピー疾患の治療のための用水、エステティック用水等の処理に好適に用いることができる。
【0115】
本発明に係る水処理装置はさらに、該装置によって処理された被処理水が高い殺菌力を有するため、水産養殖水、水耕液等の処理に好適に用いることができる。
【0116】
本発明に係る水処理装置はまた、石油の精製およびガソリンの処理に好適に用いることができる。これは、原油中に酸化力の強い磁気活水オゾンナノバブルを含有させれば、原油中の不純物の分解と、原油が気体としてのナノバブルを含有することによる精製効率の改善をすることができる上に、空気を石油またはガソリンに混合させることにより、燃焼効率を改善することができる。
【0117】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために、図2〜16を用いて、第1〜第15の実施形態について説明する。
【0118】
〔第1の実施形態〕
図2に、本発明の第1の実施形態に係る水処理装置101の概略構成を示す。水処理装置101は、液体処理水槽1を備えている。液体処理水槽1には、バブル発生装置(バブル発生手段)17が発生させる磁気活水オゾンナノバブル、紫外線オゾンマイクロナノバブルおよびオゾンマイクロナノバブルが吐出されている。磁気活水オゾンナノバブルは、気液混合循環ポンプ3を主としたナノバブル発生機47に、吐出側磁気活水器本体9とオゾン発生機64より発生するオゾンを活用して作製される。また、紫外線オゾンマイクロナノバブルは、循環ポンプ65、紫外線反応塔66、およびオゾン発生機64を組み合わせることにより作製される。また、オゾンマイクロナノバブルは、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52とオゾン発生機64を組み合わせることにより作製される。
【0119】
水処理装置101はまた、液体処理水槽1を中心として、液体処理前測定槽72、液体処理後測定槽57、吐出側磁気活水器本体9、オゾン発生機64、紫外線反応塔66とそれらに付属する機器および連結する配管から構成されている。
【0120】
最初に、被処理水としての流入水が、配管84より、TOC(全有機炭素)検出部59が設置された流体処理前測定槽72に流入する。そして、TOC検出部59によりTOCが測定された後、上記被処理水は、液体処理水槽1に流入する。そして、液体処理水槽1で、磁気活水オゾンナノバブルや紫外線オゾンマイクロナノバブルおよびオゾンマイクロナノバブルにより、処理されて、最終的に、TOC(全有機炭素)検出部59が設置された流体処理後測定槽57に流出する。そして、TOC検出部59によりTOCが測定された後、配管63から、処理済のバブル含有水として流出する。
【0121】
液体処理前測定槽72および液体処理後測定槽57は、被処理水のTOC濃度を測定する水槽である。液体処理水槽1では、上述したように、液体処理前測定槽72および液体処理後測定槽57のTOC濃度に基づいて、3種類のバブル発生機の運転をTOC調節計61およびシーケンサー32と連携して、合理的に運転制御している。その結果、効率的な運転ができると同時に、省エネが達成できる。なお、液体処理後測定槽57の水質が、目的としている水質とならない場合は、電動バルブを閉じて、バブル含有水とはしない。その場合被処理水を戻して、(配管等図示せず)再度バブル発生装置17で再処理する。
【0122】
被処理水としては、上水、排水、浴槽水、および再利用水などの水の他、各種薬品、有機溶剤、重油、バイオエタノールなど全ての液体を適用することができる。
【0123】
液体処理水槽1の外部には、気液混合循環ポンプ3、吐出側磁気活水器本体9等から構成されている磁気活水オゾンナノバブル発生機47、さらには紫外線反応塔66、循環ポンプ65などから構成されている紫外線オゾンマイクロナノバブル発生機78が設置されている。
【0124】
また、液体処理水槽1の内部には、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52が設置されている。水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52は、オゾン発生機64からのオゾンガスを気体として利用し、オゾンマイクロナノバブルを吐出し、マイクロナノバブル流53を形成している。
【0125】
また、液体処理水槽1から液体処理後測定槽57に被処理水が移動する際に、液体処理水槽1内のサイズの大きいバブルを液体処理後測定槽57に持ち込まない様にするために、気体除去口56を、液体処理水槽1の内部に設置して、気体を除去して、水配管51を経由して、被処理水を液体処理後測定槽57に導入している。被処理水中に、気体としてのサイズの大きいバブルが存在すると、TOC濃度の正確な測定に支障がでるからである。
【0126】
また、液体処理後測定槽57には、気体としてのバブルを確実に除去する為に、気体分離板58も設置してある。
【0127】
マイクロバブル発生機78は、循環ポンプ65、紫外線反応塔66、気体せん断部73から構成され、オゾン発生機64からのオゾンガスを気体として利用し、オゾンマイクロナノバブルを吐出し、マイクロナノバブル流53を形成している。
【0128】
ナノバブル発生機47は、気液混合循環ポンプ3、第1気体せん断部4、第2気体せん断部5、フランジ33とフランジ35が付属している吐出口径交換ユニット34、吐出側磁気活水器本体9、第3気体せん断部14、気体としてのオゾンを導入する為の電動ニードルバルブ8から構成され、オゾン発生機64からのオゾンガスを気体として利用し、磁気活水オゾンナノバブルを吐出し、ナノ磁力バブル流15を形成している。
【0129】
ナノバブル発生機47は、第1気体せん断部4を有する気液混合循環ポンプ3、第2気体せん断部5、フランジ33とフランジ35が付属している吐出側口径交換ユニット34、吐出側磁気活水器本体9、第3気体せん断部14、気体としてのオゾンを導入する為の電動ニードルバルブ8から構成され、オゾン発生機64からのオゾンガスを気体として利用し、磁気活水オゾンナノバブルを吐出し、磁力ナノバブル流15を形成している。
【0130】
磁気活水ナノバブル発生機47は、大きくは、ナノバブル発生機47、吐出側口径交換ユニット34、吐出側磁気活水器本体9から構成されている。ナノバブル発生機47は、第1気体せん断部4(マイクロバブルを作製)を有する気液混合循環ポンプ3、第2気体せん断部5、第3気体せん断部14、オゾンを導入する為の電動ニードルバルブ8から構成されている。吐出口径交換ユニットには、フランジ33とフランジ35が付属している。吐出側磁気活水器本体9は、フランジ6とフランジ12の間に設置された吐出側磁気活水器本体9であり、その内部に厚み30mm以下の液体通過部26が、厚み30mm以下の平板状に形成されている。また、平板を挟んでS極磁石10とN極磁石16が、3つづつ設置され、S極磁石10とN極磁石16の間に磁力線11が放出される。
【0131】
ここで、吐出側磁気活水器本体9に導入される液体の流速によって効果に差がある。すなわち、磁場を形成する磁石に対して、2m/秒以上の流速で液体を通過させたときに、磁石からの磁力線の影響を最も受ける。2m/秒の流速を全ての液体において確保するために、吐出口径交換ユニットが設置されている。これにより、如何なる比重の異なる液体に対しても、各種吐出口径交換ユニットの中から最適なユニット(吐出口径サイズが最適なユニット)を選定して設置し、配管流速を目的とする流速にする。また、吐出口径交換ユニットを設置することによって、流れが乱流ではなく、相流となり、磁力線が均等に作用する。吐出口径交換ユニットは、例えば、ステンレスで製作することができる。
【0132】
そして、第1気体せん断部4を有する気液混合循環ポンプ3が運転されることにより、被処理水は、第1気体せん断部4に導入されて、気体がせん断されマイクロバブルが製造される。第1気体せん断部4には、空気が電動ニードルバルブ8が開の条件で導入されるが、これは、気液混合循環ポンプ3が運転された後60秒後威光であることが好ましい。60秒後が好ましい理由は、最初から電動ニードルバルブ8が開の条件で空気が導入されると、気液混合循環ポンプ3がキャビテーション現象を起こして、気液混合循環ポンプ3が損傷するためである。したがって、空気の導入は、液体で気液混合循環ポンプ3内を充満させた後が好ましく、例えば、60秒経過後とすることができる。
【0133】
そして、気液混合循環ポンプ3を出た液体は、第2気体せん断部5に導入されて、気体がせん断、すなわち、マイクロバブルがせん断されて一部ナノバブルが製造される。
【0134】
次に、ナノバブル発生機47のメカニズムを詳細に説明する。
【0135】
ナノバブル発生機47は、気液混合循環ポンプ3、第1気体せん断部4、第2気体せん断部5、第3気体せん断部14、電動ニードルバルブ8とそれらを連結する配管から構成されている。
【0136】
ナノバブルは、大きくは、第1段階と第2段階を経て、製造される。第1段階では、第1気体せん断部4において、流体力学的に圧力を制御し、負圧形成部分から気体を吸入し、高速流体運動させて、負圧部を形成し、マイクロバブルを発生させる。なお、「負圧形成部分」は、装置出口付近における内外の気液ニ相流体の旋回速度差により発生する。また、「負圧部」とは、気体・液体混合物中で、周りと比較して圧力が小さな領域を意味する。
【0137】
以上のように、水と空気を効果的に自給混合溶解し、圧送することにより、マイクロバブル白濁水を製造することが、第1段階である。
【0138】
続いて、第2段階では、第2気体せん断部5と第3気体せん断部14において、高速流体運動させて、負圧部を形成し、有用物質含有マイクロバブルを発生させて、第2気体せん断部5と第3気体せん断部14に、水配管を通じて導入し、流体運動としてせん断することによって、マイクロバブルからナノバブルを発生させることになる。すなわち、第1気体せん断部4を有する気液混合循環ポンプ3で、発生させたマイクロバブルを、第2気体せん断部5と第3気体せん断部14に水配管を通じて圧送する際、第2気体せん断部5と第3気体せん断部14においては、第1段階後さらに、配管サイズを細くして、かつ高速流体運動させて、竜巻状に細くして、より高速で旋回する回転せん断流を発生させる。
【0139】
以下、上記第1段階について詳細に説明する。
【0140】
ナノバブル発生機47に使用している気液混合循環ポンプ3は、揚程40m以上(すなわち、4kg/cm2の高圧)の高揚程のポンプである。すなわち、第1気体せん断部4を有する気液混合循環ポンプ3は、かならず、高揚程のポンプであり、かつトルクが安定している2ポールを選定することが好ましい。また、気液混合循環ポンプ3は圧力の制御が必要で、この高揚程のポンプの回転数を回転数制御器(インバーター)で目的にあった圧力としている。これにより、目的にあった圧力で、バブルサイズが纏まったマイクロバブルを製造することができる。
【0141】
次に、第1気体せん断部4を有する気液混合循環ポンプ3のマイクロバブル発生のメカニズムを記載する。第1気体せん断部4において、マイクロバブルを発生させるために、液体および気体の混相旋回流を発生させ、第1気体せん断部4中心部に高速旋回させる気体空洞部を形成させる。次に、この空洞部を圧力で竜巻状に細くして、より高速で旋回する回転せん断流を発生させる。この空洞部に気体としてのオゾン(空気、炭酸ガス、窒素ガス、酸素ガス等であってもよい)を、マイナス圧(負圧)を利用して、気体流入管から自動的に供給させる。さらに、切断粉砕しながら混相流を回転する。この切断・粉砕は、装置出口付近における内外の気液ニ相流体の旋回速度差により起きる。その時の回転速度は、500〜600回転/秒である。すなわち、第1気体せん断部4において、流体力学的に圧力を制御することで、負圧形成部分から気体を吸入し、高揚程ポンプで高速流体運動させて、負圧部を形成し、有用物質含有マイクロバブルを発生させる。
【0142】
なお、上記気体流入管は、上記気体が、上記被処理水の旋回の中心軸に対して、17度〜19度、特に好ましくは18度の入射角で供給されるように設けられていることが好ましい。上記中心軸に対して、気体が上記の範囲の入射角で供給されることにより、マイクロバブルを効率よく製造することができる。
【0143】
また、供給される気体は、0.6リットル/分以上1.2リットル/分以下であることが好ましい。表2に、供給される気体の量を変化させたときの、発生するバブルのサイズを示す。表2に示すように、1.2リットル/分以上とすると、磁気活水オゾンナノバブルの割合が減って、磁気活水オゾンマイクロバブルの割合が増加するおそれがある。
【0144】
【表2】

【0145】
なお、気体の供給量は、電動ニードルバルブ8によって調節することができる。
【0146】
気液混合循環ポンプ3の運転は、シーケンサー(表示せず)の信号により設定している。第1気体せん断部4の内部形状は、楕円形であり、最大の効果の形状は、真円形であり、更に内部摩擦を小さくする為に鏡面仕上げとしている。
【0147】
また、第1気体せん断部4の内部に流体の旋回乱流を制御する為に溝深さ0.3mm〜0.6mm、溝幅0.3mm〜0.8mmの溝を設けている。
【0148】
また、第1気体せん断部4を構成する金属の厚みが薄いと、気液混合循環ポンプ3が運転されることにより、振動が発生し、流体運動エネルギーが、振動として外部に伝播して逃げ、そのことが、必要な高速流動運動すなわち、高速旋回とせん断エネルギーを低下させる。第1気体せん断部4を構成する金属の厚みは、6mm〜12mmの範囲が好ましい。マイクロバブル発生部の材料厚みが6mm以下の場合は、高圧、高速エネルギーが、振動波エネルギーとして、大気中に逃げて、エネルギーロスが発生して、せん断応力効果を減少させて、マイクロバブルの製造に支障をきたすおそれがある。すなわち、第1気体せん断部4の主要部分が、6mm以上12mm以下の厚さを有していることが好ましい。なお、「主要部分」とは、重量において50%以上を占める部分が意図される。
【0149】
次に、第2段階について詳細に説明する。第1気体せん断部4を有する気液混合循環ポンプ3で、発生させたマイクロバブルを、第2気体せん断部5に水配管を通じて圧送する際、第2気体せん断部5と第3気体せん断部14においては、第1段階後さらに、配管サイズを細くして、かつ高速流体運動させて、竜巻状に細くして、より高速で旋回する回転せん断流を発生させる。よって、マイクロバブルからナノバブルが発生すると同時に、超高温の極限反応場が形成される。
【0150】
第2気体せん断部5と第3気体せん断部14を構成している理由は、ナノバブル量をより多く発生させる為には、気体せん断部も3段階で構成する方が、1段階で気体せん断部を構成するよりも、ナノバブル量が多量であるからである。超高温の極限反応場が形成されると、局部的に高温高圧状態となり、不安定なフリーラジカルができ、同時に熱を発生する。
【0151】
第2気体せん断部5と第3気体せん断部14はステンレス製が一般である、その形状は、楕円形好ましくは、真円形である。また、第2気体せん断部5と第2気体せん断部14には、小孔が開いているが、その吐出口径は、4mm〜9mmが最適である。
【0152】
なお、ナノバブル発生機47を構成している気液混合循環ポンプ3、第1気体せん断部4、第2気体せん断部5と第3気体せん断部14のセットは、市販されているものを用いてもよく、メーカーを限定するものではないが、例えば、株式会社 協和機設の商品(商品名 バビダスHYK型)を用いることができる。
【0153】
そして、つきにマイクロバブル、ナノバブルを含有した液体は、フランジ33とフランジ35に挟まれて設置されている吐出側口径交換ユニット34に導入されて、液体の流速と流れ(相流または乱流)が制御されて相流の状態で、吐出側磁気活水器本体9に導入される。
【0154】
吐出側口径交換ユニット34は、吐出側磁気活水器本体9に液体を相流の状態で、導入し、吐出側磁気活水器本体9の磁力線を均等に照射させる為の前準備機器である。吐出側磁気活水器本体9のフランジ6の口径に合わせて、フランジ35、およびフランジ33が決定される。吐出側口径交換ユニット34は、例えば、ステンレス製のものとすることができる。また、吐出口径交換ユニット34の長さは、例えば、フランジ6の直径の10倍以上とすればよい。
【0155】
そして、吐出側口径交換ユニット34を出た、被処理水は、吐出側磁気活水器本体9に導入される。吐出側磁気活水器本体9は、フランジ6とフランジ12の間に設置された吐出側磁気活水器本体9であり、その内部に厚み30mm以下の液体通過部26が、厚み30mm以下の平板状に形成されている。また、平板を挟んでS極磁石10とN極磁石16が、3つづつ設置され、S極磁石10とN極磁石16の間に磁力線11が、放射されている。この磁力線の中を液体が流れると、微弱な電流が発生する。微弱電流の作用で、水分子同士の結合が崩れ、クラスター(分子のかたまり)が細分化する。そして同時に微弱電流の作用により、液体中の成分がナノバブルと同様にラジカルが発生して、酸化処理されることになる。
【0156】
クラスターが細分化された水は、クラスターのすき間に酸素を吸収する作用が高まり、外気から大量の酸素を吸収する為、溶存酸素濃度が高まる。
【0157】
これらにより、液体が、ナノバブルが有するフリーラジカルによる酸化処理と同様に、磁力線により、活性酸素が生成され、フリーラジカルによる液体の酸化処理される。
【0158】
なお、吐出側磁気活水器本体9としては、例えば、株式会社ビー・シー・オーの商品名BK型を採用することができる。
【0159】
吐出側磁気活水器本体9を出た液体は、配管85を経て、第3気体せん断部14に導入される。第3気体せん断部14に導入された液体は、磁気活水ナノバブルとなり、磁力ナノバブル流15を形成する。以上により、第1の実施の形態では、磁気活水オゾンナノバブル発生機47により、磁気活水オゾンナノバブル含有液体を製造することができる。
【0160】
次に、マイクロナノバブル発生機78について説明する。マイクロナノバブル発生機78は、ナノバブル発生機47より、バブルサイズが大きく、かつほとんどが、マイクロサイズで、一部ナノバブルを吐出する。
【0161】
マイクロナノバブル発生機78は、気体せん断部73、水配管13、循環ポンプ65、吸込水配管79、オゾンガス配管54、および電動ニードルバルブ79から構成されている。マイクロナノバブル発生機78は、多量のマイクロナノバブルと極少量のナノバブルを発生している。すなわち、水槽内部には、気体せん断部73が、また水槽外部に循環ポンプ65、オゾンを取り入れてオゾン量を正確に調整可能な電動ニードルバルブ60とそれらを連結する配管が設置されている。符号79は循環ポンプ65に水を吸込む為の吸込配管79であり、符号13は、吐出する水配管であり、符号54は、オゾン導入の為のオゾンガス配管である。循環ポンプ65によって、吐出圧力を高められた水は、オゾンと共に気体せん断部14に導入されて、気体と液体が高速で旋回することにより、マイクロナノバブルを発生する。マイクロナノバブル発生機78としては、例えば、ナノプラネット研究所の製品(M2−LM型)を採用することができる。
【0162】
また、循環ポンプ65の吐出側配管には、紫外線ランプ67を有する紫外線反応塔66を設置して、被処理水を紫外線により処理している。本発明者らは、オゾンマイクロナノバブルと紫外線オゾンマイクロナノバブルを比較した場合、紫外線オゾンマイクロナノバブルの方が、酸化還元電位において、オゾンマイクロナノバブルよりも約1.4倍高いことを実験により見出している。ナノバブルまたはマイクロナノバブルは、磁気活水器、オゾン、紫外線との組み合わせにより、相乗効果が得られる。よって、マイクロナノバブルも紫外線・オゾンマイクロナノバブルとして、酸化作用の強いシステムとしている。
【0163】
また、オゾンをナノバブル化すれば、通常オゾン濃度が4ppmが限界であることに対し、8ppm程度まで上昇でき、少ないオゾン量で酸化力を増加させることができる。また、通常のオゾンは、短時間で空気中に飛散するが、磁気活水オゾンナノバブルとすれば、2ケ月以上被処理水中に持続させることもできる。
【0164】
次に、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52について、説明する。水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52のバブルのサイズは、他のナノバブル発生機47やマイクロバブル発生機78と比較して、最も大きく、大部分がマイクロバブルで、少しだけナノバブルが存在している。
【0165】
水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52は、水槽外部に設置してあるオゾン発生機64からオゾンをオゾンガス配管54を経て、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52にオゾンガスを1〜5リットル/分のレベルで供給し、かつ被処理水と混合しながら水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52のインペラが高速回転して、オゾンと被処理水の混合物をせん断することによって、オゾンマイクロナノバブルを発生させている。
【0166】
オゾン発生機64、電動ニードルバルブ80、および水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52は、シーケンサー32により、あらかじめ組み込まれたシーケンスにより、運転制御されることになる。
【0167】
なお、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52は、市販されているものを用いてもよく、メーカーも特に限定されないが、例えば、野村電子工業株式会社のマイクロバブラーMB−150を採用することができる。
【0168】
どちらにしても、3種類のバブル発生機の運転制御は、被処理水の水質や含有成分によって異なるので、処理実験を実施して決定することになる。しかし、一度処理実験を実施して、運転制御方式を決定しても、時間の経過と共に、水質が変動して対応できなる場合がある。よって、第1実施の形態では、流入水の水質すなわち、流体処理前測定槽72の水質としてのTOC、処理後の水質を流体処理後測定槽57の水質としてのTOCを測定して、そのTOCの差によって、3台のバブル発生機の運転パターンを自動的にシーケンサー32を活用して、最適な運転パターンを選択している。例えば、3台のバブル発生機の運転パターンの1例として、上述したような、表1に示すパターンがある。
【0169】
上記のように、水質としてのTOCにより、必要な酸化力の強さは異なるので、流体処理前測定槽72の水質としてのTOC、処理後の水質を流体処理後測定槽57の水質としてのTOCを測定して、目標を定めた必要な運転パターンが選択されることになる。そして、それらの運転パターンは、合理的な運転方法および運転装置となり、省エネを計ることができる。
【0170】
〔第2の実施形態〕
次に本発明の第2の実施形態に係る水処理装置102の概略構成を図3に示す。第1の実施形態では、流体処理前測定槽72および流体処理後測定槽57において、水質としてTOCを測定していたが、第2の実施形態では、流体処理前測定槽72および流体処理後測定槽57において、水質としてCOD(化学的酸素要求量)を測定している。この点のみが、第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0171】
本実施形態では、COD検出部68を、液体処理前測定槽72および液体処理後測定槽57に水質計として設置し、信号線55によって槽外部のCOD調節計70と連動させている。COD調節計70は、信号線55によってシーケンサー32に接続されている。
【0172】
流入水中にCOD(化学的酸素要求量)が存在している場合、液体処理水槽の滞留時間や、バブル密度によっても異なるが、COD(化学的酸素要求量)がナノバブルまたはマイクロナノバブルにより酸化されて、CODが低下する。したがって、COD検出部68およびCOD調節計70を用いることにより、ナノバブルまたはマイクロナノバブルの被処理水に対する酸化力を測定することができる。
【0173】
シーケンサー32は、COD調節計70からの信号に基づいて、第1の実施形態と同様に、バブル発生機17を制御する。すなわち、第1の実施形態におけるTOCをCODと読みかえればよい。
【0174】
COD検出部68およびCOD調節計70としては、例えば、東亜ディーケーケー株式会社のCOD自動測定装置COD203を用いることができる。
【0175】
〔第3の実施形態〕
次に本発明の第3の実施形態に係る水処理装置103の概略構成を図4に示す。第1の実施形態では、流体処理前測定槽72および流体処理後測定槽57において、水質としてTOCを測定していたが、第3実施形態では、流体処理前測定槽72および流体処理後測定槽57において、水質としてpHを測定している。この点のみが、第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0176】
本実施形態では、pH検出部69を、液体処理前測定槽72および液体処理後測定槽57に水質計として設置し、信号線55によって槽外部のpH調節計71と連動させている。pH調節計71は、信号線55によってシーケンサー32に接続されている。
【0177】
流入水中に窒素成分(N)やイオウ成分(S)が存在している場合、窒素成分は、ナノバブルまたはマイクロナノバブルにより酸化されて、硝酸イオンに変化し、イオウ成分は、ナノバブルまたはマイクロナノバブルにより酸化されて、硫酸イオンに変化する。そして、被処理水の硝酸イオンと硫酸イオンの増加により、被処理水のpHが変化することになる。したがって、pH検出部69およびpH調節計71を用いることにより、ナノバブルまたはマイクロナノバブルの被処理水に対する酸化力を測定することができる。
【0178】
シーケンサー32は、pH調節計71からの信号に基づいて、第1の実施形態と同様に、バブル発生機17を制御する。すなわち、第1の実施形態におけるTOCをpHと読みかえればよい。pH検出部59は、価格が安価でしかも取り扱いが容易であるから、バブル発生装置のイニシャルコストおよびメンテナンスコストを低減できる。
【0179】
pH検出部69およびpH調節計71としては、例えば、横河電機株式会社の自動校正形pH8SM5を用いることができる。
【0180】
〔第4の実施形態〕
次に本発明の第4の実施形態に係る水処理装置104の概略構成を図5に示す。第4の実施形態では、第3の実施形態における液体処理水槽1内に、炭酸カルシウム鉱物18が充填された収容かご48が追加されている。この点のみが、第3の実施形態と異なっている。第3の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第3の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0181】
第4の実施形態では、被処理水としての液体を、磁気活水オゾンナノバブル発生機47、紫外線オゾンマイクロナノバブル、およびオゾンマイクロバブルで、強力に酸化処理するとともに、液体処理水槽1内の収容かご48に充填されている炭酸カルシウム鉱物が該バブルによって、酸化処理されることによって、カルシウムが液体中に溶け出し、液体をpH調整することができる。特に、液体が酸性を示す場合は、液体処理水槽1に、流入水としての被処理水を導入して、炭酸カルシウム鉱物18を溶解させてカルシウムイオンを溶出させて中和することができる。すなわち、一般的な中和剤であり、炭酸カルシウム鉱物18を原料として製造される水酸化カルシウムを添加したときと同等の効果を奏することができる。
【0182】
液体処理前測定槽72のpHが酸性を示す場合、液体処理後測定槽57のpHをpH6〜pH8程度の中性域となる様に、3種類のバブル発生機の運転をシーケンサー32で調整することによって、被処理水を効率的に中和することができる。すなわち、液体処理前測定槽72におけるpHが高い酸性度を示すときに、バブル発生機17を、発生するナノバブルまたはマイクロナノバブルの酸化力を向上させるように制御することで、上記炭酸カルシウム鉱物18の溶解を促して、被処理水を効率的に中和することができる。
【0183】
バブル発生機17を、発生するナノバブルまたはマイクロナノバブルの酸化力を向上させるように制御するためには、本実施形態では、例えば、磁気活水オゾンナノバブル発生機47、紫外線オゾンマイクロナノバブル発生機78、および水中ポンプ型オゾンマイクロナノバブル発生機52について、より多くのバブル発生機を稼動させ、かつ、水中ポンプ型オゾンマイクロナノバブル発生機52よりも、紫外線オゾンマイクロナノバブル発生機78を、紫外線オゾンマイクロナノバブル発生機78よりも、磁気活水オゾンナノバブル発生機47を稼動させるようにすればよい。
【0184】
なお、例えば、液体処理水槽1を大規模魚類飼育水槽とした場合、時間の経過とともに、魚類が排泄するアンモニア性窒素が酸化されて、酸性化するため、本実施形態に係る水処理装置104を好適に用いることができる。
【0185】
〔第5の実施形態〕
次に本発明の第5の実施形態に係る水処理装置105の概略構成を図6に示す。第1の実施形態では、流体処理前測定槽72および流体処理後測定槽57において、水質としてTOCを測定していたが、第5の実施形態では、流体処理前測定槽72および流体処理後測定槽57において、水質として酸化還元電位を測定している。この点のみが、第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0186】
本実施形態では、酸化還元電位検出部29を、水質計として液体処理前測定槽72および液体処理後測定槽57に設置して、信号線55によって槽外部の酸化還元電位調節計31と連動させている。酸化還元電位調節計31は、信号線55によってシーケンサー32に接続されている。
【0187】
そして、シーケンサー32は、信号線55により、ナノバブル発生機47、マイクロナノバブル発生機78、および水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52を、流体処理前測定槽72と流体処理後測定槽57において測定された酸化還元電位の差に従い、選択的に自動運転され、適正な流体処理後測定槽57における酸化還元電位を維持する。
【0188】
なお、酸化還元電位とは、その物質が他の物質を酸化しやすい状態にあるのか、還元しやすい状態にあるのかを表す指標である。よって、この値がプラスで大きければ、酸化力が強く、マイナスが大きければ、還元力が強いことである。すなわち、目的に応じて、バブル発生装置17の運転を、液体処理後測定槽57内に設置された酸化還元電位検出部29の値により、または、酸化還元電位検出部29の信号により、自動的に目的の酸化還元電位となる様に自動運転できる水処理装置105となる。
【0189】
〔第6の実施形態〕
次に本発明の第6の実施形態に係る水処理装置106の概略構成を図7に示す。図7に示す第6の実施形態は、液体処理水槽1にて処理後の液体処理後測定槽57を出たバブル含有水が上水処理設備39に導入されている点のみが、第1の実施の形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0190】
第6の実施形態では、液体処理後測定槽57を出たバブル含有水が上水処理設備39に導入されている。また、液体処理前測定槽72に流入する流入水としては、上水としての水道水に成り得る、例えば、河川水、地下水、湖沼等からの水が挙げられる。
【0191】
そして、それらの流入水は、ナノバブル発生装置17により、磁気活水オゾンナノバブル、紫外線オゾンマイクロナノバブルおよびオゾンマイクロナノバブルを含有した流入水が、上水処理設備39に導入される。
【0192】
近年、水道水中の微量有機フッ素化合物が問題になっているが、水道水中の有機フッ素化合物を処理する方法として、本実施形態に係る水処理装置106を活用することもできる。すなわち、各種バブルをバブル発生装置17により、流入水に含有させて、上水処理設備39の中に活性炭吸着塔(図示せず)を設置すれば、効率的に有機フッ素化合物の処理設備とすることができる。
【0193】
また、流入水に各種バブルを含有させて上水処理設備39に導入して、水道水を製造すれば、人間や動物にとって、活性のある水道水とすることができる。具体的には、ナノバブルについて説明すると、吐出側磁気活水器本体9により、磁力で水を活性化させ、磁気水に変化させ、水分子に磁界の電気エネルギーの刺激を与え、効果的に水の活性化を行う内容である。水が活性化すると活性酸素が増加している。よって、活性酸素を含有した磁気活水オゾンナノバブルを含有した流入水を上水処理設備39に導入すれば、効果的な水道水を製造することができる。
【0194】
〔第7の実施形態〕
次に本発明の第7の実施形態に係る水処理装置107の概略構成を図8に示す。図8に示す第7の実施形態は、液体処理水槽1にて処理後の液体処理後測定槽57を出たバブル含有水が排水処理設備40に導入されている点のみが、第1の実施の形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0195】
第7の実施形態は、液体処理後測定槽57を出たバブル含有水が排水処理設備40に導入されている。また、液体処理前測定槽72に流入する流入水としては、各種排水が該当する。各種排水としては、化学物質を含有する排水や有機物を含有する排水が該当する。
化学物質含有排水としては、無機フッ素含有排水や、酸、アルカリ排水がある。一方、有機物を含有する排水としては、一般的な生活排水、食品工場排水などがある。
【0196】
そして、それらの流入水は、バブル発生装置17により、磁気活水オゾンナノバブル、紫外線オゾンマイクロナノバブルおよびオゾンマイクロナノバブルを含有した流入水が、排水処理設備40に導入される。
【0197】
磁気活水オゾンナノバブル等を含有した流入水となるので、排水処理設備40での化学反応や、生物反応の効率が改善されて、処理効率が向上する。
【0198】
排水中の化学物質や有機物を処理する方法として、磁気活水オゾンナノバブルを流入水に含有させて、排水処理設備40に導入すれば、有効な化学物質や有機物の処理設備とすることもできる。
【0199】
すなわち、流入水に磁気活水オゾンナノバブルを含有させて排水処理設備40に導入して、排水処理すれば、処理の効率化が達成できて、ランニングコストの低減と、処理水質の向上を期待できる内容とすることができる。
【0200】
具体的には、吐出側磁気活水器本体9により、磁力で排水を活性化させ、磁気水に変化させ、水分子に磁界の電気エネルギーの刺激を与え、効果的に水の活性化を行う内容である。そして、更にオゾンをも含有させている。
【0201】
液体が活性化すると活性酸素が増加している。よって、活性酸素を含有した磁気活水オゾンナノバブル等を含有した流入水を排水処理設備40に導入することができる。
【0202】
化学反応において、活性酸素は、反応を高めるし、また有機物を処理する生物反応において、活性酸素は、微生物の活性を高めて、生物反応を高める。
【0203】
〔第8の実施形態〕
次に本発明の第8の実施形態に係る水処理装置108の概略構成を図9に示す。図9に示す第8の実施形態は、液体処理前測定槽72に有機フッ素化合物含有排水が流入し、かつ、液体処理水槽1にて処理後の液体処理後測定槽57を出たバブル含有水が有機フッ素化合物含有排水処理設備41に導入されている点のみが、第1の実施の形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0204】
第8の実施形態は、液体処理前測定槽72に有機フッ素化合物含有排水が流入し、液体処理後測定槽57を出たバブル含有水が有機フッ素化合物含有排水処理設備41に導入されている。また、液体処理前測定槽72に流入する流入水としては、有機フッ素化合物含有各種排水が該当する。
【0205】
有機フッ素化合物含有各種排水としては、半導体工場のレジストや反射防止膜を含有する排水、液晶工場からのフォトレジスト排水、メッキ工場からのメッキ排水、写真工場からの写真排水等が該当する。
【0206】
そして、それらの流入水は、バブル発生装置17により、磁気活水オゾンナノバブル、紫外線オゾンマイクロナノバブルおよびオゾンマイクロナノバブルを含有した流入水が、有機フッ素化合物含有排水処理設備41に導入される。有機フッ素化合物含有排水処理設備41としては、活性炭吸着塔、イオン交換樹脂塔、キレート樹脂塔、超臨界分解槽、亜臨界分解槽等から、被処理水量や有機フッ素化合物濃度によって、選定すれば良い。
【0207】
磁気活水オゾンナノバブル等を含有した流入水となるので、有機フッ素化合物含有排水処理設備41での化学反応や、生物反応の効率が改善されて、処理効率が向上する。
【0208】
排水中の有機フッ素化合物を処理する方法として、磁気活水オゾンナノバブル等を流入水に含有させて、有機フッ素化合物含有排水処理設備41に導入すれば、有効な有機フッ素化合物含有排水の処理設備とすることもできる。
【0209】
すなわち、流入水に磁気活水オゾンナノバブルを含有させて有機フッ素化合物含有排水処理設備41に導入して、排水処理すれば、処理の効率化が達成できて、ランニングコストの低減と、処理水質の向上とがを期待することができる。
【0210】
特に、磁気活水オゾンナノバブルについては、具体的には、吐出側磁気活水器本体9により、磁力で排水を活性化させ、磁気水に変化させ、水分子に磁界の電気エネルギーの刺激を与え、効果的に水の活性化を行う。そして、更にオゾンをも含有させている。液体が活性化すると活性酸素が増加している。よって、活性酸素を含有した磁気活水オゾンナノバブル等を含有した流入水を、有機フッ素化合物含有排水処理設備41に導入することができる。化学反応において、活性酸素は、反応を高めるし、また有機物を処理する生物反応において、活性酸素は、微生物の活性を高めて、生物反応を高める。
【0211】
〔第9の実施形態〕
次に本発明の第9の実施形態に係る水処理装置109の概略構成を図10に示す。図10に示す第9の実施形態は、液体処理前測定槽72に浴槽水が流入し、液体処理水槽1にて処理後の液体処理後測定槽57を出たバブル含有水が浴槽設備42に導入されている点のみが、第1の実施の形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0212】
第9の実施形態は、液体処理前測定槽72に浴槽水が流入し、液体処理後測定槽57を出たバブル含有水が浴槽設備42に導入されている。
【0213】
液体処理前測定槽72に流入する浴槽水としては、大規模浴槽が該当する。スーパー銭湯、温泉における大規模浴槽、保養施設、温水プール等の浴槽水が該当する。また、バブル発生装置17を小型化すれば、一般の家庭における浴槽水、公衆浴場での浴槽水、エステ設備における浴槽水、病院における浴槽水等にも使用することができる。
【0214】
そして、それらの浴槽水としての流入水は、バブル発生装置17によって生成された、磁気活水オゾンナノバブル、紫外線オゾンマイクロナノバブルまたはオゾンマイクロナノバブルを含有した流入水が、浴槽設備42に導入される。
【0215】
浴槽設備42に導入される流入水が、磁気活水オゾンナノバブル等を含有した流入水となるので、浴槽水自体が、磁気活水オゾンナノバブル等により、オゾン濃度によっては、殺菌まで行われることになる。これにより、浴槽の壁面や配管でのスケール発生、汚れの付着を、磁気活水オゾンナノバブル等により防止することができる。浴槽の壁面や配管でのスケール発生、汚れの付着が減少するので、浴槽や配管のメンテナンスが少なくなり、ランニングコストの低減と、浴槽水質の向上となる。
【0216】
磁気活水オゾンナノバブルについては、具体的には、吐出側磁気活水器本体9により、磁力で排水を活性化させ、磁気水に変化させ、水分子に磁界の電気エネルギーの刺激を与え、効果的に水の活性化を行う内容である。そして、更にオゾンをも含有させている。
液体が活性化すると活性酸素が増加している。よって、活性酸素を含有した磁気活水オゾンナノバブル等を含有した浴槽水を浴槽設備42に導入することができる。
【0217】
以上のように、第9実施の形態は、バブル発生装置17に付属設備としての浴槽設備42を追加した内容である。また、言い換えれば、浴槽設備42に付属設備としてのバブル発生装置17を追加したものでもある。
【0218】
〔第10の実施形態〕
次に本発明の第10の実施形態に係る水処理装置110の概略構成を図11に示す。図11に示す第10の実施形態は、第4の実施形態における液体処理後測定槽57の処理水がピット43に導入され、続いて、ピットポンプ44にて、急速ろ過機45、さらに活性炭吸着塔46に導入されて、最終的な処理水となっている。第4の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第4の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0219】
第10の実施形態では、液体処理前測定槽72に流入水が流入している。流入水としては、当然の事として、排水および水道水などの上水がある。排水や、水道水中において、難分解性の有機フッ素系化合物であるパーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)、またはパーフルオロオクタン酸(PFOA)などが混入することが、全世界で環境汚染の観点から問題になっている。そのほかにも、ダイオキシン、環境ホルモン、難分解性発癌物資が含有されている場合もある。
【0220】
第10の実施形態は、上述したような不純物、特に、難分解性の有機フッ素化合物含有水の処理に有効なシステムである。すなわち、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)、またはパーフルオロオクタン酸(PFOA)などを含有した排水および水道水を処理するための水処理装置であり、バブル発生装置17に付属設備としての急速ろ過機45、および活性炭吸着塔46を追加した内容である。
【0221】
実験によると、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)、またはパーフルオロオクタン酸(PFOA)など有機フッ素化合物は、有機フッ素化合物以外の有機物を可能な限り、低減または分解して、その後急速ろ過機45で被処理水中の浮遊物質を除去し、最終的に活性炭吸着塔46で吸着処理することで、完全に被処理水中から除去できることが判明している。
【0222】
本実施形態において、前記付属設備は、ピット43、ピットポンプ44、急速ろ過機45、活性炭吸着塔46であり、液体処理水槽1にてナノバブル発生機47、マイクロナノバブル発生機78および水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52により、各種バブルが吐出され、被処理水が酸化処理されると同時に、各種バブルを含有した状態で、ピット43、ピットポンプ44、急速ろ過機45、および活性炭吸着塔46に導入されて、有機フッ素化合物が処理されている。
【0223】
〔第11の実施形態〕
次に本発明の第11の実施形態に係る水処理装置111の概略構成を図12に示す。第1の実施形態では、紫外線ランプ67を有する紫外線反応塔66が、循環ポンプ65の出口に設置されていたが、第11実施の形態では、吐出側磁気活水器本体9の後に紫外線ランプ87を有する紫外線反応塔86が、設置されている。すなわち、第1実施形態では、紫外線ランプ67を有する紫外線反応塔66がマイクロナノバブル発生機78に関連する配管系統に設置されていたが、第11の実施形態では、ナノバブル発生機47に関連する配管系統に設置されている。この点のみが、第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0224】
第11の実施形態では、ナノバブル発生機47に関連する配管系統に設置されているので、バブルを紫外線・磁気活水・オゾンナノバブルとして、酸化力を最大に強めたナノバブルとすることができる。作用効果の観点からすれば、ナノバブルも単に、ナノバブルではなく、オゾンナノバブル、または、磁気活水オゾンナノバブル、または、紫外線・磁気活水・オゾンナノバブルの様に組み合わせることによって、作用効果が増大する。
【0225】
〔第12の実施形態〕
次に本発明の第12の実施形態に係る水処理装置112の概略構成を図13に示す。第1の実施形態では、紫外線ランプ67を有する紫外線反応塔66が、循環ポンプ65の出口に設置されていたが、第12実施の形態では、オゾン発生機64と水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52の間の配管上に設置されている。すなわち、第1実施形態では、紫外線ランプ67を有する紫外線反応塔66がマイクロナノバブル発生機78に関連する配管系統に設置されていたが、第12の実施形態では、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52に関連する気体配管系統、すなわち、オゾンガス配管54上に紫外線ランプ89を有する紫外線反応塔88が設置されている。この点のみが、第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0226】
第12の実施形態では、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52に関連する気体配管系統に設置されているので、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52でマイクロバブルをオゾンガスを利用して作製する場合、できたバブルは、紫外線・オゾンマイクロナノバブルとなり、単にオゾンマイクロナノバブルよりも紫外線・オゾンマイクロナノバブルの方が酸化力は増大する。
【0227】
また、酸化の機構がオゾンによる方法と紫外線による両方である為、2種類の方法による別角度からの酸化方式となり、被処理水に対する相乗効果が期待でき、被処理水の水質や目的によって、選定することができる。
【0228】
〔第13の実施形態〕
次に本発明の第13の実施形態に係る水処理装置113の概略構成を図14に示す。第1の実施形態では、液体処理水槽1に流動する充填材は充填されていなかったが、第13実施の形態では、液体処理水槽1内に流動する充填材としてポリビニルアルコール担体75が充填されている。また、ポリビニルアルコール担体75が、気液混合循環ポンプ3、循環ポンプ65、および水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52に吸い込まれない様に、スクリーン77が液体処理水槽1の下部の適当な位置に、水平に設置されている。なお、スクリーン77の設置位置はこれに限定されるものではない。以上の点のみが、第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0229】
第13の実施形態では、液体処理水槽1内に流動する充填材としてポリビニルアルコール担体75が充填されている。また、第3気体せん断部14から磁力ナノバブル流15が吐出され、気体せん断部73からマイクロナノバブル流53が吐出されて、液体処理水槽1内を撹拌している。そして、ポリビニルアルコール担体75は、比重が1.025であるが、各種バブルが付着するこによって軽くなり、流動撹拌状態が向上する。すなわち、被処理水との接触効率が向上する。ただし、水槽上部に常時浮上していることはない。
【0230】
流入水が、例えば、有機物含有排水の場合、液体処理水槽1を排水処理としての曝気槽として使用し、特に各種バブルを微生物の活性化に利用できる。活性化に利用できる理由としては、排水処理における曝気槽の場合、微生物濃度が高いので、殺菌ではなく、微生物の活性化に活用できる。
【0231】
また、流入水が、例えば、工場での再利用水の場合、有機物濃度が低い。この場合、液体処理水槽1を再利用処理設備として使用し、特に各種バブルを、有機物の酸化分解と微生物の殺菌に利用できる。殺菌に利用できる理由としては、再利用処理設備での曝気槽の場合、微生物濃度が低いので、微生物の活性化ではなく、有機物の酸化分解と微生物の殺菌に活用できる。
【0232】
〔第14の実施形態〕
次に本発明の第14の実施形態に係る水処理装置114の概略構成を図15に示す。第1の実施形態では、液体処理水槽1に流動する充填材は充填されていなかったが、第14実施の形態では、液体処理水槽1内に流動する充填材として活性炭76が充填されている。また、活性炭76が、気液混合循環ポンプ3、循環ポンプ65、および水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52に吸い込まれない様に、スクリーン77が液体処理水槽1の下部の適当な位置に、水平に設置されている。なお、スクリーン77の設置位置は限定するものではない。以上の点のみが、第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0233】
第14の実施形態では、液体処理水槽1内に流動する充填材として活性炭76が充填されている。また、活性炭76は、第3気体せん断部14から磁力ナノバブル流15が吐出され、気体せん断部73からマイクロナノバブル流53が吐出されて、液体処理水槽1内を撹拌している。
【0234】
流入水が、例えば、有機物含有排水の場合、液体処理水槽1を排水処理としての曝気槽として使用し、特に各種バブルを曝気槽における微生物の活性化に利用できる。活性化に利用できる理由としては、排水処理における曝気槽の場合、微生物濃度が高いので、殺菌ではなく、微生物の活性化に活用できる。
【0235】
また、流入水が、例えば、工場での再利用水の場合、有機物濃度が低い。
この場合、液体処理水槽1に活性炭76を充填する。すなわち、再利用処理設備として使用し、特に各種バブルを、有機物の酸化分解に利用できる。また、活性炭76は、有機物の吸着や脱色に利用して、水質を向上させることができる。
【0236】
〔第15の実施形態〕
次に本発明の第15の実施形態に係る水処理装置115の概略構成を図16に示す。第15の実施形態では、第1の実施形態における液体処理水槽1内に、ポリ塩化ビニリデン充填物83と、ポリ塩化ビニリデン充填物83を液体処理水槽1内に固定する固定金具82とが追加されている。この点のみが、第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0237】
液体処理水槽1内に配置されたポリ塩化ビニリデン充填物83には、微生物を繁殖させることができる。したがって、有機物を分解する微生物を繁殖させることによって、例えば、排水処理、上水処理、再利用水処理における接触酸化槽として利用することができる。
【0238】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0239】
また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
【0240】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0241】
〔実施例〕
図2に示す第1の実施形態に係る水処理装置101を作製した。まず、水処理装置101における流体処理前測定槽72の容量を約0.5m、液体処理水槽1の容量を約6m、流体処理後測定槽57の容量を0.5mとして、樹脂を用いて各槽を作製した。
【0242】
ナノバブル発生機47は、気液混合循環ポンプ3として電動機3.7Kwを備えた株式会社協和機設のHYK型を元に作製した。ナノバブル発生機47に付属する吐出側磁気活水器本体9としては、全長800mm、横幅160mm、縦幅310mmの株式会社ビー・シー・オーのBK型を用いた。
【0243】
マイクロナノバブル発生機78としては、ナノプラネット研究所の製品(M2−LM型)を元に作製した。マイクロナノバブル発生機78に付属する紫外線反応塔66としては、タキエンジニアリング株式会社のSUV型を用いた。
【0244】
水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52は、野村電子工業株式会社のマイクロバブラーMB−150を採用した。
【0245】
3種類のバブル発生機に気体としてのオゾンを供給する共通のオゾン発生機64としては、野村電子工業株式会社のオゾン発生装置ND−100を用いた。
【0246】
上記の構成により、バブル発生装置17および水処理装置101を作製した。そして、水処理装置101が処理すべき被処理水として、半導体工場から排水される現像廃液の微生物処理水を導入した。
【0247】
そして、シーケンサー32を設定して、ナノバブル発生機47、マイクロナノバブル発生機78、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機52を運転させ、処理槽1中のナノバブルを、ベックマンコールター株式会社にて測定したところ、0.1μmから20μmの範囲のナノバブルおよびマイクロナノバブルを多数確認した。また、磁力活性による酸化還元電位を、東亜ディーケーケー株式会社のORP計HC型で測定したところ、プラス800mvであった。
【0248】
また、流体処理前測定槽72および流体処理後測定槽57のTOC濃度を測定したところ、流体処理前測定槽72のTOC濃度は62ppmであり、流体処理後測定槽57のTOC濃度は43ppmであった。すなわち、バブル発生装置17によれば、19ppm(62−43)のTOCを酸化分解することができた。なお、シーケンサー32は、流体処理前測定槽72と流体処理後測定槽57との間のTOC濃度濃度差が25ppm以下のとき、3種類のバブル発生機が運転する様に設定した。
【産業上の利用可能性】
【0249】
本発明は、新規水処理方法および水処理装置を提供するため、上水、排水、地下水、難分解性物質含有排水、再利用水、植物栽培の水耕液、各種分野の洗上水、大規模浴槽の浴槽水、蒸留前の重油、蒸留前のバイオエタノール等の、幅広い分野における被処理水を処理するために利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0250】
【図1】本発明の一実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図7】本発明の第6の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図8】本発明の第7の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図9】本発明の第8の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図10】本発明の第9の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図11】本発明の第10の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図12】本発明の第11の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図13】本発明の第12の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図14】本発明の第13の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図15】本発明の第14の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図16】本発明の第15の実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0251】
1 液体処理水槽(処理水槽)
3 気液混合循環ポンプ(ポンプ)
4 第1気体せん断部
5 第2気体せん断部
9 吐出側磁気活水器本体(磁気活水部)
14 第3気体せん断部
15 磁力ナノバブル流(ナノバブル)
17 バブル発生装置(バブル発生手段)
18 炭酸カルシウム鉱物
19 吸込側磁気活水器(磁気活水部)
32 シーケンサー
34 吐出側口径交換ユニット
39 上水処理設備
40 排水処理設備
41 有機フッ素化合物含有排水処理設備
42 大規模浴槽設備
46 活性炭吸着塔
47 ナノバブル発生機
52 水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機
53 マイクロナノバブル流(マイクロナノバブル)
57 液体処理後測定槽(処理後測定手段)
64 オゾン発生機
65 循環ポンプ(ポンプ)
66 紫外線反応塔(紫外線反応部)
72 液体処理前測定槽(処理前測定手段)
73 気体せん断部
74 ナノバブル流(ナノバブル)
75 ポリビニルアルコール担体
76 活性炭
78 マイクロナノバブル発生機
82 支持金具(固定金具)
83 ポリ塩化ビニリデン
86、88 紫外線反応塔(紫外線反応部)
100〜115 水処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水を貯める処理水槽と、
該処理水槽内の該被処理水中に、ナノバブルまたはマイクロナノバブルを発生させるバブル発生手段と、
該処理水槽に流入する該被処理水の水質を測定する処理前測定手段と、
該処理水槽から流出する該被処理水の水質を測定する処理後測定手段とを備えており、
該バブル発生手段は、複数のバブル発生機を備えており、かつ、該処理前測定手段が測定した水質と、該処理後測定手段が測定した水質とに基づいて、該複数のバブル発生機のそれぞれを稼働または停止させるようになっていることを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
任意の上記バブル発生機が発生させるバブルのサイズが、他の上記バブル発生機の少なくとも1つが発生させるバブルのサイズと異なることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
上記バブル発生手段は、上記処理前測定手段が測定した水質と、上記処理後測定手段が測定した水質との差が大きくなるに従い、より発生させるバブルのサイズが小さい上記バブル発生機を稼動させるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の水処理装置。
【請求項4】
上記複数のバブル発生機が、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機、マイクロナノバブル発生機、およびナノバブル発生機を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項5】
上記マイクロナノバブル発生機が、上記被処理水を吸い込んで吐出するポンプと、該ポンプから吐出された該被処理水と気体とを混合するとともに該気体をせん断する気体せん断部とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の水処理装置。
【請求項6】
上記マイクロナノバブル発生機が、上記被処理水を通過させ、かつ、通過する該被処理水に紫外線を照射する紫外線反応部をさらに備えており、上記ポンプと上記気体せん断部とが該紫外線反応部を介して接続されていることを特徴とする請求項5に記載の水処理装置。
【請求項7】
上記ナノバブル発生機が、上記被処理水を吸い込んで吐出するポンプと、該ポンプから吐出された該被処理水と気体とを混合するとともに該気体をせん断する第1気体せん断部と、該第1気体せん断部において処理された該被処理水中の該気体をさらにせん断する第2気体せん断部と、該第2気体せん断部において処理された該被処理水中の該気体をさらにせん断する第3気体せん断部とを備えていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項8】
上記ナノバブル発生機が、上記被処理水を通過させ、かつ、通過する該被処理水を磁気活水する磁気活水部をさらに備えており、上記第2気体せん断部と上記第3気体せん断部とが該磁気活水部を介して接続されていることを特徴とする請求項7に記載の水処理装置。
【請求項9】
上記ナノバブル発生機が、上記被処理水を通過させ、かつ、通過する該被処理水を磁気活水する磁気活水部をさらに備えており、上記ポンプと上記第2気体せん断部とが該磁気活水部を介して接続されていることを特徴とする請求項7に記載の水処理装置。
【請求項10】
上記ナノバブル発生機が、上記磁気活水部に流入する上記被処理水の流速を調節する出口径交換ユニットをさらに備えていることを特徴とする請求項8または9に記載の水処理装置。
【請求項11】
上記ナノバブル発生機が、オゾンを発生させるオゾン発生機をさらに備えており、上記第1気体せん断部が、上記被処理水と、該オゾンとを混合することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項12】
上記第1気体せん断部に供給される上記気体が、毎分0.6リットル以上毎分1.2リットル以下であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項13】
上記第1気体せん断部が、断面が楕円形または真円形であり、かつ、内部に複数の溝が設けられている筒を備えていることを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項14】
上記溝の深さが、0.3mm以上0.6mm以下であり、該溝の幅が0.3mm以上0.8mm以下であることを特徴とする請求項13に記載の水処理装置。
【請求項15】
上記ポンプが、上記被処理水を吸い込むための吸い込み配管、および該被処理水を吐出するための吐出配管を備えており、該吸い込み配管の口径が、該吐出配管の口径よりも大きいことを特徴とする請求項7〜14のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項16】
上記ポンプの出力が最大値となった後に、上記気体が第1気体せん断部に供給されるようになっていることを特徴とする請求項7〜15のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項17】
上記ポンプの稼働開始から少なくとも60秒経過した後に、上記気体が第1気体せん断部に供給されるようになっていることを特徴とする請求項7〜15のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項18】
上記第1気体せん断部は、内部で上記被処理水が旋回するようになっており、該旋回の中心軸に対して17度以上19度以下の入射角で上記気体を供給する気体流入管を備えていることを特徴とする請求項7〜17のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項19】
上記第1気体せん断部の主要部分が、6mm以上12mm以下の厚さを有していることを特徴とする請求項7〜18のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項20】
上記ナノバブル発生機が、上記被処理水を通過させ、かつ、通過する該被処理水に紫外線を照射する紫外線反応部をさらに備えており、上記第2気体せん断部と上記第3気体せん断部とが該紫外線反応部を介して接続されていることを特徴とする請求項7〜19のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項21】
上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機が、該水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に気体を供給する配管と、該配管を通過する気体に紫外線を照射する紫外線反応部とを備えていることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項22】
上記処理前測定手段が、少なくとも、上記被処理水の全有機炭素を測定することを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項23】
上記処理前測定手段が、少なくとも、上記被処理水の化学的酸素要求量を測定することを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項24】
上記処理前測定手段が、少なくとも、上記被処理水のpHを測定することを特徴とする請求項1〜23のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項25】
上記処理前測定手段が、少なくとも、上記被処理水の酸化還元電位を測定することを特徴とする請求項1〜24のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項26】
ポリビニルアルコール担体をさらに備えており、該ポリビニルアルコール担体は、上記処理水槽内に充填され、該処理水槽内を流動するようになっていることを特徴とする請求項1〜25のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項27】
活性炭をさらに備えており、該活性炭は、上記処理水槽内に充填され、該処理水槽内を流動するようになっていることを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項28】
上記処理水槽内に充填されている炭酸カルシウム鉱物をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜27のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項29】
ポリ塩化ビニリデン充填物と、該ポリ塩化ビニリデン充填物を上記処理水槽内に固定する固定金具とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜28のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項30】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とする上水の処理方法。
【請求項31】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とする排水の処理方法。
【請求項32】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とする有機フッ素化合物含有排水の処理方法。
【請求項33】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とする再利用水の処理方法。
【請求項34】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とする浴槽水の処理方法。
【請求項35】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とする治療用浴槽水の処理方法。
【請求項36】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とする水産養殖水の処理方法。
【請求項37】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とする水耕液の処理方法。
【請求項38】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とするエステティック用水の処理方法。
【請求項39】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とする石油の精製方法。
【請求項40】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とするガソリンの処理方法。
【請求項41】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とする床ずれの治療用水の処理方法。
【請求項42】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の水処理装置を用いることを特徴とするアトピー疾患の治療用水の処理方法。
【請求項43】
複数のバブル発生機を備えた処理水槽に被処理水を貯める工程と、
該処理水槽に流入する該被処理水の水質を測定する処理前測定工程と、
該処理水槽から流出する該被処理水の水質を測定する処理後測定工程と、
該処理前測定工程において測定した該水質、および該処理後測定工程において測定した該水質に基づいて、該複数のバブル発生機から動作すべきバブル発生機を選択する選択工程と、
該選択工程において選択された該バブル発生機を用いて、該処理水槽内の該被処理水中にナノバブルまたはマイクロナノバブルを発生させるバブル発生工程とを包含することを特徴とする水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−262008(P2009−262008A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111504(P2008−111504)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(507175843)株式会社協和機設 (8)
【Fターム(参考)】