説明

水電解装置の製造方法

【課題】水素と酸素を混合することなく生成し、エネルギー効率を向上させる。
【解決手段】チタン薄膜21表面上に耐エッチングマスクをパターンニングし、耐エッチングマスクを介してチタン薄膜をエッチングすることによりチタン薄膜に貫通孔22を形成し、貫通孔の内側表面に白金層23を形成することによりカソード電極6を製造する。このようなカソード電極によれば、カソード電極の面内方向に電子を速やかに行き渡らせることができるのと同時に、発生する水素を貫通孔を通じて排出することができるので、水素と酸素を混合することなく生成し、エネルギー効率を向上させることできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトン伝導膜を挟持するアノード電極とカソード電極とを有し、水を電気分解することにより水素と酸素を生成する水電解装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、二酸化チタンに代表される光触媒は、光エネルギーを吸収することにより電子と正孔を生成し、様々な化学反応を引き起こす。また、特に二酸化チタンの場合には、価電子帯のエネルギー準位が深い位置にあるために、正孔が有する酸化力は塩素やオゾンにも勝るとされている。ところで、近年、この光触媒を利用して水を電気分解する水電解装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この水電解装置では、水中に分散させた光触媒粉末に太陽光を当てることにより、光触媒の価電子帯に存在する電子を伝導帯へと励起させ、価電子帯に正孔を形成する。そして、水電解装置は、正孔によって水を酸化することにより酸素を生成するのと同時に、励起電子により水中のプロトン(水素イオン)を還元して水素を発生させる。
【特許文献1】特開平10−218601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来までの水電解装置によれば、水素と酸素の取出口が一つであるために、反応によって生成された水素と酸素が混合してしまい、水素と酸素をエネルギーとして有効利用することが難しい。また、従来までの水電解装置によれば、水素と酸素が同じ系内で発生するために、逆反応が生じることによってエネルギー効率(水素のエンタルピー/太陽光エネルギー量)が非常に低くなる。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、水素と酸素を混合することなく生成し、エネルギー効率を向上させることが可能な水電解装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る水電解装置の製造方法は、カソード電極表面上に耐エッチングマスクをパターンニングする工程と、耐エッチングマスクを介してカソード電極をエッチングすることによりカソード電極に貫通孔を形成する工程と、貫通孔の内側表面に触媒層を形成する工程とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る水電解装置の製造方法によれば、カソード電極の面内方向に電子を速やかに行き渡らせることができるのと同時に、発生する水素を貫通孔を通じて速やかに排出することができるので、水素と酸素を混合することなく生成し、エネルギー効率を向上させることできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となるPEM(Polymer Electrolyte Membrane)型光水電解セルの構成について説明する。
【0008】
〔PEM型光水電解セルの構成〕
本発明の実施形態となるPEM型光水電解セルは、図1(a)に示すように、光触媒MEA(Membrane Electrode Assembly)1と、光触媒MEA1を挟持すると共に水貯蔵部2からの水漏れを防ぐシール部3とを主な構成要素として備え、太陽光エネルギーを利用して水貯蔵部2内に貯蔵されている水を水素と酸素に電気分解するように構成されている。
【0009】
光触媒MEA1は、アノード電極4,プロトン伝導膜5,及びカソード電極6により構成され、アノード電極4は、図1(b)に示すように、光触媒7とチタン金属多孔質8により形成されている。光触媒7は、価電子帯電位が酸素の酸化還元電位よりも低い半導体により形成され、特定波長以下の太陽光を吸収することにより価電子帯に存在する電子を伝導帯に励起する。光触媒7は、以下の反応式(1)により水貯蔵部2内に貯蔵されている水を電気分解し、プロトン(H)と電子(e)を生成する。
【0010】
0→4H+O+4e …(1)
なお、光触媒7を構成する半導体としては、例えば、二酸化チタン(TiO),酸化鉄(Fe),酸化ニオビウム(Nb),チタン酸ストロンチウム(SrTiO),チタン酸バリウム(BaTiO),酸化亜鉛(ZnO),二酸化スズ(SnO),硫化カドミウム(CdS),InTaO,In1−xNiTaO,RbLaTi10,Ta,TaON,Ta等を利用することができる。
【0011】
チタン金属多孔質8は、光触媒7とネッキングされ、その表面には水貯蔵部2内に貯蔵されている水による短絡を防止するための二酸化チタン膜9が形成されている。チタン金属多孔質8は、光触媒7において励起された電子(励起電子)をカソード電極6側に伝達すると共に、上記化学反応式(1)により生成されたプロトンをプロトン伝導膜5側に伝達する。
【0012】
プロトン伝導膜5は、プロトンの濃度勾配を駆動力としてプロトンをカソード電極6側に輸送する。カソード電極6は、白金(Pt)を担持するチタン薄膜により形成され、以下の化学反応式(2)に示すように、アノード極4側から伝達された励起電子とプロトン伝導膜5から輸送されてきたプロトンを利用して水素を生成する。
【0013】
2H+2e→H …(2)
なお、この実施形態では、励起電子は、バイアス電圧10によって電位を上昇させた後に、外部短絡線11を介してアノード極4側からカソード電極6側に輸送される。これは、この実施形態では、伝導帯電位が水素の酸化還元電位よりもエネルギー的に低い、又は伝導帯電位が水電解に必要な過電圧を与える程には酸化還元電位よりもエネルギー的に高くない材料を光触媒7として用いているために、外部短絡線11をカソード電極6に接続しただけでは上記化学反応式(2)が生じないからである。従って、伝導帯電位が水素の酸化還元電位よりもエネルギー的に十分に高い材料を光触媒7として用いている場合には、上記バイアス電圧10は設ける必要はない。
【0014】
〔カソード電極の構成〕
次に、本発明の第1乃至第5の実施形態となるカソード電極の構成について説明する。
【実施例1】
【0015】
始めに、図2,図3を参照して、本発明の第1の実施形態となるカソード電極の構成及びその製造方法について説明する。
【0016】
本発明の第1の実施形態となるカソード電極6は、図2に示すように、数百[μm]オーダーの膜厚を有するチタン薄膜21により構成され、その表面には、数十[μm]オーダーの貫通孔22がマトリクス状に形成されている。また、上述の化学反応式(2)で示される水素発生反応は、プロトン伝導膜5を伝導してきたプロトンとチタン薄膜21内部を伝導する電子を必要とするので、貫通孔22の内側表面には触媒金属である白金層23が担持されている。また、プロトン伝導膜5側表面の貫通孔22の穴径を反対側表面の穴径よりも小さくすることにより、貫通孔22はテーパ形状となっており、貫通孔22をテーパ形状にすることにより、貫通孔22の内側表面において発生する水素を速やかに水貯蔵部2側に排出することができる。
【0017】
このような構成のカソード電極6を製造する際は、始めに、図3(a)に示すように、チタン薄膜21の両表面に貫通孔22を形成するための耐エッチングマスク(レジストパターン)24を形成する。なお、この時、プロトン伝導膜5側表面の耐エッチングマスク24の穴径R2は反対側表面の穴径R1よりも小さくする。次に、耐エッチングマスク24の形成が完了すると、フッ化水素酸濃度5[%]のフッ化水素酸溶液を用いてチタン薄膜21の露出表面をエッチングすることにより、図3(b)に示すように貫通孔22を形成した後、1〜3[%]の塩化白金酸水溶液に酢酸鉛を少量添加したメッキ液中でカソード分極することにより、図3(c)に示すように、貫通孔22の内側表面に白金層23を析出させる。なお、このカソード分極の際、貫通孔22の内側表面以外は耐エッチングマスク24で覆われているために、貫通孔22の内側表面にのみ白金層23を析出させることができる。そして最後に、図3(d)に示すように耐エッチングマスク24を除去することにより、一連の製造工程は終了する。
【0018】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の実施形態となるカソード電極の製造方法によれば、チタン薄膜21表面上に耐エッチングマスク24をパターンニングし、耐エッチングマスク24を介してチタン薄膜21をエッチングすることによりチタン薄膜21に貫通孔22を形成し、貫通孔22の内側表面に白金層23を形成する。このようにして製造されたカソード電極6によれば、カソード電極6の面内方向に電子を速やかに行き渡らせることができるのと同時に、発生する水素を貫通孔22を通じて排出することができるので、水素と酸素を混合することなく生成し、エネルギー効率を向上させることできる。
【0019】
また、本発明の第1の実施形態となるカソード電極の製造方法によれば、白金層23は耐エッチングマスク24がパターンニングされた状態で貫通孔22の内側表面に対し電解めっき処理を施すことにより形成されるので、水素発生反応が起きる領域にのみ白金層23を形成し、カソード電極6の製造コストを削減することができる。
【0020】
また、本発明の第1の実施形態となるカソード電極の製造方法によれば、貫通孔22はアノード電極6表面に対し直角方向に貫通しているので、比較的簡単に貫通孔22を形成することができる。
【0021】
また、本発明の第1の実施形態となるカソード電極の製造方法によれば、貫通孔22はプロトン伝導膜5側表面における穴径R2が反対側表面における穴径R1よりも小さいテーパ形状であるので、水素を速やかに排出し、水の電気分解効率を上げることができる。
【実施例2】
【0022】
次に、図4,図5を参照して、本発明の第2の実施形態となるカソード電極の構成及びその製造方法について説明する。
【0023】
本発明の第2の実施形態となるカソード電極6では、上記第1の実施形態となるカソード電極6の構成において、貫通孔22が、図4(b)に示すように、プロトン伝導膜5側から水貯蔵部2側に向かって上向きに傾斜している。そして、このような構成によれば、貫通孔22の内側表面において発生した水素が貫通孔22内部で滞留することが無く速やかに排出されるので、光分解システム全体の効率を向上させることができる。
【0024】
このような構成のカソード電極6を製造する際は、始めに、図5(a)に示すように、チタン薄膜21の両表面に貫通孔22を形成するための耐エッチングマスク(レジストパターン)24を形成する。なお、この時、プロトン伝導膜5側表面の耐エッチングマスク24の穴径R2(穴面積)を反対側表面の穴径R1(穴面積)よりも小さくすると共に、穴径R2の中心位置が穴径R1の中心位置よりも鉛直下側方向になるようにする。そして以下、上記第1の実施形態となるカソード電極6の製造方法と同様の処理を行う。
【0025】
以上の説明から明らかなように、本発明の第2の実施形態となるカソード電極の製造方法によれば、貫通孔22はプロトン伝導膜5側表面から反対側表面に向かって上向きに傾斜しているので、水素を速やかに排出し、水の電気分解効率を上げることができる。
【実施例3】
【0026】
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施形態となるカソード電極の製造方法について説明する。なお、この実施形態におけるカソード電極の構成は上記第1の実施形態となるカソード電極と同じであるので以下ではその説明を省略する。
【0027】
本発明の第3の実施形態となるカソード電極6を製造する際は、始めに、図6(a)に示すように、チタン薄膜21のプロトン伝導膜5側表面及び反対側表面にそれぞれ、エッチング耐性が高い耐エッチングマスク24b及び耐エッチングマスク24bと比較してエッチング耐性が低い24aを形成する。次に、フッ化水素酸濃度5[%]のフッ化水素酸溶液を用いてチタン薄膜21の露出表面をエッチングする。この時、耐エッチングマスク24bのエッチング速度は遅く、耐エッチングマスク24aのエッチング速度は速いために、図6(b)に示すようにテーパー状の貫通孔22が形成される。そして以下、上記第1の実施形態となるカソード電極6の製造方法と同様の処理を行う。
【実施例4】
【0028】
次に、図7を参照して、本発明の第4の実施形態となるカソード電極の製造方法について説明する。なお、カソード電極の構成は上記第1の実施形態となるカソード電極と同じであるので以下ではその説明を省略する。
【0029】
本発明の第4の実施形態となるカソード電極6を製造する際は、始めに、図7(a)に示すように、チタン薄膜21のプロトン伝導膜5側表面及び反対側表面にそれぞれ、チタン薄膜21に対する密着性が良い耐エッチングマスク24d及び耐エッチングマスク24dと比較してチタン薄膜21に対する密着性が悪い耐エッチングマスク24cを形成する。次に、フッ化水素酸濃度5[%]のフッ化水素酸溶液を用いてチタン薄膜21の露出表面をエッチングする。この時、耐エッチングマスク24cは、チタン薄膜21に対する密着性が悪いので、端面部分からチタン薄膜21から乖離し、乖離部分においてエッチングが選択的に進むことにより、図7(b)に示すようにテーパー状の貫通孔22が形成される。そして以下、上記第1の実施形態となるカソード電極6の製造方法と同様の処理を行う。
【実施例5】
【0030】
最後に、図8を参照して、本発明の第5の実施形態となるカソード電極の製造方法について説明する。なお、この実施形態におけるカソード電極の構成は上記第1の実施形態となるカソード電極と同じであるので以下ではその説明を省略する。
【0031】
本発明の第5の実施形態となるカソード電極6を製造する際は、始めに、図8(a)に示すように、チタン薄膜21の両表面に貫通孔22を形成するための耐エッチングマスク24を形成する。次に、図8(b)に示すように、耐エッチングマスク24に対してメタルマスク25を圧着させることにより耐エッチングマスク24の膜厚が穴方向に向かって次第に小さくなるようした後、フッ化水素酸濃度5[%]のフッ化水素酸溶液を用いてチタン薄膜21の露出表面をエッチングする。この時、耐エッチングマスク24の膜厚が薄い部分のエッチング速度は速くなるために、図8(c)に示すようにテーパー状の貫通孔22が形成される。そして、以下、上記第1の実施形態となるカソード電極6の製造方法と同様の処理を行う。
【0032】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、上記実施形態では、電極触媒として白金(Pt)を用いたが、Ir,Pd,Rh,Ruいずれかの純金属、又はこれらの元素を含む合金を用いても良い。また、電極の基材としてチタン(Ti)を用いたが、同様の機能を果たすものであればその他の金属であってもよい。また、白金層を析出させる際、電析時に通電状態のオン/オフを繰り返すパルス電解処理を用いて白金層が平滑になるようにしてもよい。また、プロトン伝導膜として、炭化水素系プロトン伝導膜等、同様の機能を果たす材料を用いても良い。また、また、本発明に係る電極構造は、光電解セル以外の電池構造にも適用することができる。また、上記実施形態では、カソード電極は多孔形状であったが、図9に示すように、鉛直上向きに平行なスリット形状のパターニングを施してもよい。また、チタンをエッチングするエッチング液は、フッ化水素酸溶液以外であってもよい。また、本明細書におけるプロトン伝導膜とは、アノード側とカソード側に発生する気体が混合することを防ぐ気体分離の役割と、膜中をプロトンが移動できる機能を果たすもののことを意味し、例えば金属多孔質体のように、多孔質体の中の電解液がプロトン伝導のパスとなり、且つ、その電解液によって互いの気体の混合を防ぐようなものでも構わない。このように、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態となるPEM型光水電解セルの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態となるカソード電極の構成を示す図である。
【図3】図2に示すカソード電極の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図4】本発明の第2の実施形態となるカソード電極の構成を示す図である。
【図5】図4に示すカソード電極の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図6】本発明の第3の実施形態となるカソード電極の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図7】本発明の第4の実施形態となるカソード電極の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図8】本発明の第5の実施形態となるカソード電極の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図9】本発明の実施形態となるカソード電極の応用例の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1:光触媒MEA(Membrane Electrode Assembly)
2:水貯蔵部
3:シール部
4:アノード電極
5:プロトン伝導膜
6:カソード電極
7:光触媒
8:チタン金属多孔質
9:二酸化チタン膜
10:バイアス電圧
11:外部短絡線
21:チタン薄膜
22:貫通孔
23:白金層
24:耐エッチングマスク(レジストパターン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロトン伝導膜を挟持するアノード電極とカソード電極とを有し、水を電気分解することにより水素と酸素を生成する水電解装置の製造方法であって、
カソード電極表面上に耐エッチングマスクをパターンニングする工程と、
前記耐エッチングマスクを介してカソード電極をエッチングすることによりカソード電極に貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔の内側表面に触媒層を形成する工程と
を有することを特徴とする水電解装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の水電解装置の製造方法であって、
前記触媒層は耐エッチングマスクがパターンニングされた状態で貫通孔の内側表面に対し電解めっき処理を施すことにより形成されることを特徴とする水電解装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の水電解装置の製造方法であって、
前記触媒層を形成する際にパルス電解処理を行うことを特徴とする水電解装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の水電解装置の製造方法であって、
前記貫通孔はカソード電極表面に対し直角方向に貫通していることを特徴とする水電解装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の水電解装置の製造方法であって、
前記貫通孔はプロトン伝導膜側表面から反対側表面に向かって上向きに傾斜していることを特徴とする水電解装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の水電解装置の製造方法であって、
前記貫通孔は鉛直方向に延びるスリット形状により構成されていることを特徴とする水電解装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1項に記載の水電解装置の製造方法であって、
前記貫通孔はプロトン伝導膜側表面における穴径が反対側表面における穴径よりも小さいテーパ形状を有することを特徴とする水電解装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の水電解装置の製造方法であって、
前記テーパ形状は、プロトン伝導膜側表面上の耐エッチングマスクの穴面積を反対側表面上の耐エッチングマスクの穴面積より小さくパターンニングすることにより形成されることを特徴とする水電解装置の製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載の水電解装置の製造方法であって、
前記テーパ形状は、反対側表面上の耐エッチングマスクが有するエッチング耐性よりも低いエッチング耐性を有する耐エッチングマスクをプロトン伝導膜表面側にパターニングすることにより形成されることを特徴とする水電解装置の製造方法。
【請求項10】
請求項7に記載の水電解装置の製造方法であって、
前記テーパ形状は、反対側表面上の耐エッチングマスクの反対側表面に対する密着性よりも高い密着性を有する耐エッチングマスクをプロトン伝導膜表面側にパターニングすることにより形成されることを特徴とする水電解装置の製造方法。
【請求項11】
請求項7に記載の水電解装置の製造方法であって、
前記テーパ形状は、反対側表面上にパターンニングした耐エッチングマスクの穴周辺部分の膜厚を圧着によって減少させることにより形成されることを特徴とする水電解装置の製造方法。
【請求項12】
請求項5に記載の水電解装置の製造方法であって、
前記貫通孔は、プロトン伝導膜側の耐エッチングマスクの穴の中心線が反対側表面側の耐エッチングマスクの穴の中心線より鉛直方向下側になるように耐エッチングマスクをパターンニングすることにより形成されることを特徴とする水電解装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−176835(P2006−176835A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−371472(P2004−371472)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】