説明

汚泥濾過ケーキを好気的に空気乾燥する方法および装置

汚泥ケーキを好気的に空気乾燥する方法が提供される。この方法は、汚泥濾過ケーキを破砕および分散して汚泥粒子の層にする工程と、汚泥粒子が好気性発熱反応を経験するように、乾燥空気を、低速で動いているか、またはひっくり返っている汚泥粒子の層の中へと正圧で吹き込んで、水分を、汚泥粒子から急速に蒸発させて、外部熱および内部熱の両方の影響下での物質移動によって乾燥空気へと移動させる工程と、低速で動いているか、またはひっくり返っている汚泥粒子を物理的にまたは化学的に殺菌する工程と、排ガスを汚泥粒子の層から負圧によって吸い出し、洗浄し、さらに排出する工程と、乾燥した汚泥粒子を更に粉砕して再生利用の要求に達する工程とを含む。それに加えて、この方法を実行する装置も提供される。この方法は、乾燥時の熱伝導および物質移動効率が高く、かつ、乾燥のためのエネルギー消費が低い。このことにより乾燥速度が加速する。汚泥粒子は、乾燥している間、安定かつ安全に処理されることができる。さらに、乾燥された排ガスは環境に優しい排出基準を満たすことができ、生産された汚泥は汚泥の再生利用に関して良好である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は汚泥処理技術の分野に属するものであり、より特別には、汚泥濾過ケーキを好気的に空気乾燥する方法および装置であって、汚泥の乾燥が外部エネルギーおよび汚泥の内部熱の組合せを利用することによって運転される装置、に属するものである。
【背景技術】
【0002】
汚水処理は大量の汚泥を作り出す。この汚泥を再生利用するために、機械的脱水から製造される汚泥濾過ケーキは、更なる乾燥処理に付されるべきである。
【0003】
現在まで、汚泥濾過ケーキを乾燥するのに一般的に用いられる方法は、暖気での乾燥であり、その際、汚泥中の水分は、中温および高温の空気で、汚泥自体の温度を直接的または間接的に上げることによって急速に蒸発される。しかし、そのような方法は以下の五つの不利な点を有する:1.汚泥乾燥プロセスにおいて高いエネルギー消費を引き起こす。2.汚泥乾燥プロセスからの排ガスを処理するのが困難である。3.装置へのかなりの投資が必要となる。4.この装置は、ひどい稼働安定性を有する。5.粉塵爆発の可能性がかなりある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、より低いエネルギー消費、排ガスからのより低い汚染、より少ない設備投資、より安定な稼働およびより高い安全性を有する、汚泥濾過ケーキを低温で空気乾燥する方法を提供することによって、上述の汚泥濾過ケーキ処理の不足点を克服することにある。
【0005】
本発明は、
(1)汚泥濾過ケーキを破砕および分散して汚泥粒子の層にして、汚泥の比表面積を増やす工程と、
(2)汚泥粒子が好気性発熱反応を経験するように、特定の温度で、乾燥空気を、低速で動いているか、またはひっくり返っている汚泥粒子の層の中へと正圧で吹き込んで、水分を、汚泥粒子から急速に蒸発させて、外部熱および内部熱の両方の影響下での物質移動によって乾燥空気へと移動させる工程と、
(3)低速で動いているか、またはひっくり返っている汚泥粒子を物理的にまたは化学的に殺菌する工程と、
(4)排ガスを汚泥粒子の層から負圧によって吸い出し、洗浄し、さらに排出する工程と、
(5)材料を破砕しお互いに摩耗させることによって、スクリュー破砕装置で乾燥された汚泥粒子を運ぶ間に、乾燥された汚泥粒子をさらに粉砕して、肥料としての使用、れんが製造における使用、燃料としておよび充填剤としての使用に関する再生利用の要求に達する工程と
を含む、汚泥濾過ケーキを低温で乾燥する方法として具体化する。
【0006】
上記の汚泥濾過ケーキの破砕および分散は、多孔性または隙間のあるケージ内で50%〜70%の水分含有量の汚泥濾過ケーキをひっくり返して、それらの間の摩耗および衝突によって汚泥濾過ケーキを破砕することによって達成される。ケージの穴の直径または間隙距離よりも小さい外径を有する汚泥粒子はケージを突破し、それにより汚泥濾過ケーキの破砕および分散工程が達成される。穴の直径および間隙距離は3mmと30mmの間に設定される。この範囲内で得られる汚泥粒子は、自由沈降した場合、比較的小さい嵩密度を有し、ガスが出入りするのを促進するであろう。ケージ内の汚泥濾過ケーキをひっくり返すことは、ケージ内のスクリューによってか、またはケージ自体の回転によって行なわれてよい。ケージ内で汚泥濾過ケーキをひっくり返す速度は、以下の規則に従って、汚泥濾過ケーキの水分含有量および生産要求に従って調整される:(i)汚泥濾過ケーキの水分含有量が高いほど、ひっくり返す速度が低く、その逆も同様である。最も重要なことは、後続の好気的な空気乾燥プロセスに役立つために、汚泥粒子を比較的ゆるい状態に保って、より大きな比表面積を有するように、汚泥濾過ケーキ内部に既に形成された毛細管経路の剪断応力による破壊を最小限にすることである。(ii)ひっくり返す速度が高いほど、汚泥を破砕および拡散する装置が大きな生産量を有し、その逆も同様である。好ましくは、汚泥濾過ケーキの破砕および分散の間のひっくり返す速度は、最外径点での線速度で5mm/sと100mm/sの間である。
【0007】
乾燥空気は以下のように製造される。冷媒は、冷交換器内で熱を吸収し、コンプレッサーの影響下で熱交換器内で熱を放出する。送風機によって抽出される常温の空気は最初、冷交換器内で冷却されて凝縮水を凝結し、その際、冷却温度は0℃と15℃の間である。その後、空気の温度が熱交換器内で0℃〜90℃の範囲に上げられる。したがって、空気の不飽和度が上昇し、乾燥空気になる。
【0008】
前述の好気性発熱反応は、酸化条件下で汚泥内の好気性バクテリアが有機物を、熱放出を伴って二酸化炭素と水に分解するプロセスである。汚泥濾過ケーキを破砕および分散する工程、ならびに乾燥空気を吹き込む工程と共に、汚泥から好気的に放出される熱は0〜20KJ・kg−1・h−1の範囲であり、汚泥中の有機物の含有量に依存する。
【0009】
汚泥の好気性発熱乾燥自体が汚泥中の病原体に対する殺菌プロセスである。紫外線殺菌、オゾン殺菌、高塩素物質または高酸素物質による殺菌、および他の殺菌からなる群から選択される汚泥粒子の追加の物理的または化学的殺菌を、汚泥再生利用の要求に合わせるために、さらに適用してもよい。
【0010】
排ガスを洗浄する工程において、冷交換器から排出される凝縮水が、外部水資源からの補助と共に水源として好ましく用いられる。
【0011】
材料を破砕しお互いに摩耗させることによって、スクリュー破砕装置で乾燥された汚泥粒子を運ぶ間に、乾燥された汚泥粒子をさらに粉砕する工程において、この装置は、シングルスクリューまたは2つ以上のスクリューのセットを有していてもよい。
【0012】
汚泥濾過ケーキを予備破砕する手段、汚泥を空気乾燥する手段および乾燥空気を製造する手段を備える、汚泥濾過ケーキを低温で空気乾燥する装置も同様に提供される。汚泥濾過ケーキを予備破砕する手段は、前記汚泥を空気乾燥する手段の上方に配置される。供給口は、汚泥濾過ケーキを予備破砕する手段の上方に配置される。汚泥を空気乾燥する手段は、コンベヤーベルトおよび駆動装置を含む。コンベヤーベルトの両端はそれぞれの駆動装置に接続する。コンベヤーベルトは多層様式で並べられる。排出および破砕する手段は、コンベヤーベルトの最下層の下方に配置される。排出口は、排出および破砕する装置の末端にある。乾燥空気を製造する手段は、汚泥を空気乾燥する手段の上方に配置され、汚泥を空気乾燥する手段内の空気排出口に空気経路を通して接続されている
【0013】
上述のコンベヤーベルトは4つ以上の層を有していてもよい。
【0014】
汚泥厚さ調整器は、コンベヤーベルトの第一層の始端に配置されてもよい。
【0015】
紫外線ランプは、コンベヤーベルトの端部に対応する壁に設置されてもよい。
【0016】
先行技術に比べて、本発明は以下の利点を有する。第一に、乾燥工程前に汚泥濾過ケーキを破砕および分散して汚泥粒子の層にすることは、高い比表面積を有する汚泥粒子をもたらし、これは乾燥時の熱伝導および物質移動においてより効率的であり、これにより乾燥のエネルギー消費がより低くなる。第二に、破砕された汚泥粒子は好気性発熱反応を経験し、これは乾燥のためのエネルギー消費を減少させるだけでなく、乾燥速度を加速し、かつ、汚泥の脱臭も達成する。第三に、乾燥している間、汚泥粒子は比較的遅い速度で動き、ちりを発生させず、これはプロセスをより安定かつ安全にする。第四に、温度が低いために、汚泥の乾燥が有機物の熱分解反応を引き起こさず、洗浄工程後に乾燥された排ガスが環境に優しい排出基準を満たすことができる。第五に、排出および破砕する手段が、得られる汚泥粒子を緩めることができる追加の破砕機能を有し、汚泥粒子の再生利用を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一態様に従って、汚泥濾過ケーキを好気的に空気乾燥する方法を説明する模式的なフローチャートである。
【図2】本発明の一態様に従って、汚泥濾過ケーキを好気的に空気乾燥する装置の模式図である。
【図3】本発明の一態様に従って、汚泥濾過ケーキを好気的に空気乾燥する装置のA−Aでの断面の模式図である。
【図4】本発明の一態様に従って、汚泥濾過ケーキを好気的に空気乾燥する装置のB−Bでの断面の模式図である。
【図5】本発明の一態様に従って、汚泥濾過ケーキを好気的に空気乾燥する装置のC部分の拡大図である。
【0018】
これらの図面において、参照符号1は供給口を示し、参照符号2は汚泥濾過ケーキを破砕および分散する手段を示し、参照符号3は誘引通風機を示し、参照符号4は越流口を示し、参照符号5は排ガス洗浄装置を示し、参照符号6は熱交換器を示し、参照符号7は送風機を示し、参照符号8は冷交換器を示し、参照符号9は空気流入口を示し、参照符号10は凝縮水ポンプを示し、参照符号11は乾燥空気流入口を示し、参照符号12はコンベヤーベルトを示し、参照符号13は汚泥厚さ調整器を示し、参照符号14は泥よけを示し、参照符号15は駆動装置を示し、参照符号16は排出および破砕する手段を示し、参照符号17は排出口を示し、参照符号18は乾燥空気経路を示し、参照符号19は紫外線ランプを示し、参照符号20はメッシュベルトを示し、さらに参照符号21は接続ピンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(本発明の説明)
汚泥濾過ケーキを好気的に空気乾燥する方法および装置を、図および説明された例に言及することで、本明細書の以下の項で説明する。
【0020】
汚泥濾過ケーキを好気的に空気乾燥する方法は、図1に示されるように、以下の工程を含む:
(1)汚泥濾過ケーキを粉砕および分散して汚泥粒子の層とし、汚泥の比表面積を増やす工程。上述の汚泥濾過ケーキの破砕および分散は、50%〜70%の水分含有量の汚泥濾過ケーキを多孔性または隙間のあるケージの中でひっくり返し、汚泥濾過ケーキをそれらの間の摩耗および衝突によって破砕することによって達成される。ケージの穴の直径または間隙距離よりも小さい外径を有する汚泥粒子はケージを突破し、それにより汚泥濾過ケーキの破砕および分散工程が達成される。穴の直径および間隙距離は3mmと30mmの間に設定される。この範囲内で得られる汚泥粒子は、自由沈降した場合、比較的小さい嵩密度を有し、ガスが出入りするのを促進するであろう。ケージ内の汚泥濾過ケーキをひっくり返すことは、ケージ内のスクリューによってか、またはケージ自体の回転によって行なわれてよい。ケージ内で汚泥濾過ケーキをひっくり返す速度は、以下の規則に従って、汚泥濾過ケーキの水分含有量および生産要求に従って調整される:(i)汚泥濾過ケーキの水分含有量が高いほど、ひっくり返す速度が低く、その逆も同様である。最も重要なことは、後続の好気的な空気乾燥プロセスに役立つために、汚泥粒子を比較的ゆるい状態に保って、より大きな比表面積を有するように、汚泥濾過ケーキ内部に既に形成された毛細管経路の剪断応力による破壊を最小限にすることである。(ii)ひっくり返す速度が高いほど、汚泥を破砕および拡散する装置が大きい生産量を有し、その逆も同様である。好ましくは、汚泥濾過ケーキの破砕および分散の間のひっくり返す速度は、最外径点での線速度で5mm/sと100mm/sの間である。
(2)汚泥粒子が好気性発熱反応を経験するように、特定の温度で乾燥空気を、低速で動いているか、またはひっくり返っている汚泥粒子の層の中へと正圧で吹き込んで、水分を、汚泥粒子から急速に蒸発させて、外部熱および内部熱の両方の影響下での物質移動によって乾燥空気へと移動させる工程。前述の好気性発熱反応は、酸化条件下で汚泥内の好気性バクテリアが有機物を、熱放射を伴って二酸化炭素と水に分解するプロセスである。汚泥濾過ケーキを破砕および分散する工程、ならびに乾燥空気を吹き込む工程と共に、汚泥から好気的に放出される熱は0〜20KJ・kg−1・h−1の範囲であり、汚泥中の有機物の含有量に依存する。乾燥空気は以下のように製造される。冷媒は、冷交換器内で熱を吸収し、コンプレッサーの影響下で熱交換器内で熱を放出する。送風機によって抽出される常温の空気は最初、冷交換器内で冷却されて凝縮水を凝結し、その際、冷却温度は0℃と15℃の間である。その後、空気の温度が熱交換器内で0℃〜90℃の範囲に上げられる。したがって、空気の不飽和度が上昇し、乾燥空気になる。絞り弁は冷交換器と熱交換器の間に配置され、これはスロットルバルブであってよい。冷交換器内で製造される凝縮水は、排ガス洗浄装置に注ぎ込まれる。
(3)低速で動いているか、またはひっくり返っている汚泥粒子を物理的にまたは化学的に殺菌する工程。汚泥の好気性発熱乾燥自体が汚泥中の病原体に対する殺菌プロセスであるが、紫外線殺菌、オゾン殺菌、高塩素物質または高酸素物質による殺菌、および他の殺菌からなる群から選択される汚泥粒子の追加の物理的または化学的殺菌を、汚泥再生利用の要求に合わせるために、さらに適用してもよい。
(4)排ガスを汚泥粒子の層から負圧によって吸い出し、洗浄し、さらに排出する工程。洗浄水の源は、好ましくは冷交換器から排出される凝縮水であってよい。外部水資源が補助的に供給するのに使用されてもよい。
(5)乾燥した汚泥粒子を更に粉砕して、再生利用の要求に合わせる工程。
【0021】
更なる粉砕は、乾燥した汚泥粒子を破砕しお互いに摩耗させることによってスクリュー破砕装置で運ぶ間に達成される。この装置は、シングルスクリューまたは2つ以上のスクリューのセットを有していてもよい。上述の再生利用は、肥料としての使用、れんが製造における使用、燃料としておよび充填剤としての使用であってよい。
【実施例】
【0022】
例1
以下の工程を含む、汚泥濾過ケーキを好気的に空気乾燥する方法を実施した:
(1)70%〜50%の水分含有量の汚泥濾過ケーキを汚泥粒子に破砕し、動いているコンベヤーベルトの上に落下させ、それにより分散して汚泥粒子の層にする工程であって、汚泥濾過ケーキの該破砕工程が後述の汚泥濾過ケーキを粉砕する手段を用いて行なわれた。
(2)特定の温度で乾燥空気を、コンベヤーベルト上で低速で動いている汚泥粒子の層の中へと正圧で吹き込む工程。乾燥空気は、常温の空気を当てて冷交換器中で水分を凝縮および分離し、熱交換器中で暖めることによって製造した。乾燥空気は0〜90℃の温度を有していた。空気経路を通じて、乾燥空気をコンベヤーベルトの上側および下側層のスチールメッシュの間に配置された乾燥空気供給口へ吹き込んだ。汚泥粒子の下部から上部まで横切る際に、乾燥空気が好気性反応に酸素を供給し、同様に、そこから水分を奪い去ることで汚泥粒子を脱水した。いくつかの層を有するようにコンベヤーベルトを設計し、汚泥粒子厚さ調整器を第一層の上に設置した。コンベヤーベルト上の汚泥粒子の厚さを10mmと500mmの間の範囲に調整した。コンベヤーベルトの線速度は1mm/s〜10mm/sであった。コンベヤーベルト上での汚泥粒子の総滞留時間は5h〜50hであった。コンベヤーベルトの上位層の末端まで送られた汚泥粒子は、下位層の上に落下し、反対方向に向かって動いた。
(3)コンベヤーベルト上で汚泥粒子を物理的にまたは化学的に殺菌する工程。好ましくは、汚泥粒子が下位層に落下する際に、汚泥粒子を紫外線ランプによる放射によって殺菌した。
(4)排ガスを汚泥粒子の層から負圧によって吸い出し、洗浄し、さらに排出する工程。洗浄水の源は、冷交換器から排出される凝縮水であった。外部水資源を補助的に供給するのに使用した。
(5)末端へ送る際に、最下層のコンベヤーベルト上の汚泥粒子が、最下層のコンベヤーベルトの下方にある螺旋状の破砕装置に落下し、さらに破砕された。
【0023】
上述の方法は、汚泥濾過ケーキを好気的に空気乾燥する装置内で行なった。図2、3、4および5に示されるように、この装置は汚泥濾過ケーキ2を破砕および分散する手段、汚泥を好気的に空気乾燥する手段、排出および破砕する手段、乾燥空気を生産する手段、排ガスを回収および洗浄する手段を含む。
【0024】
汚泥濾過ケーキ2を破砕および分散する手段を、汚泥を好気的に空気乾燥する手段の上方に配置した。汚泥濾過ケーキの供給口1を、汚泥濾過ケーキを破砕および分散する手段の上方に配置した。汚泥濾過ケーキ2を破砕および分散する手段内で、汚泥濾過ケーキを汚泥粒子に破砕した。次いで、その汚泥粒子は排出口を通って、汚泥を好気的に空気乾燥する手段内のコンベヤーベルト12の最上層の上に落下した。汚泥濾過ケーキ2を破砕および分散する手段の排出口の下方で、排出口からの全ての汚泥粒子がコンベヤーベルト12の最上層の上に確実に落下するように、泥よけ14をコンベヤーベルト12の最上層の開始部分に設置した。汚泥濾過ケーキ2を破砕および分散する手段は、スクリュー、ケージ、スクリュー駆動モーターおよびハウスを備えていた。スクリュー駆動モーターをコネクタによってスクリューに接続した。スクリュー上には破砕ブレードがあった。スクリューは、ハウスに囲まれたケージに囲まれていた。ケージは多孔性または間隙があった。主支持部上に配置する軸受部上にスクリューをセットした。供給口はハウスの中央であった。ケージを、連結支持部によって主支持部上に固定した。ケージの穴の直径または間隙距離は、3mmと30mmの間であり、間隙エリアの割合または気孔率は50%〜99%であった。ハウスは材料を回収するための円錐形の外郭であった。汚泥濾過ケーキが破砕ケージに追いやられて確実に全ての汚泥濾過ケーキが破砕され、ケージの穴または間隙から突破するように、破砕ブレードを逆推進力を生じる角度でスクリューの端に配置した。ケージ清掃装置を破砕ブレード上に設置し、ケージの穴または間隙が閉塞するのを防いだ。破砕ブレードは、最外点で5mm/s〜100mm/sの線速度を有していた。
【0025】
汚泥を好気的に空気乾燥する手段は、コンベヤーベルト12、駆動装置15、汚泥厚さ調整器13および紫外線ランプ19を備えていた。コンベヤーベルトの両端は、軸および速度調整モーターを通じてコンベヤーベルト12を駆動する駆動装置15に接続していた。コンベヤーベルト12のメッシュベルト20を、接続ピン21によってつながったチェーンの上に設置した。汚泥厚さ調整器13を、コンベヤーベルト12の最上層の上に設置し、高い乾燥効率のために、コンベヤーベルト12上の汚泥粒子の厚さを調整した。汚泥粒子の厚さを10mmと500mmの間に制御した。コンベヤーベルト12は、例えば、4つ以上の層として、上から下まで層状になっていた。一層のコンベヤーベルトは、隣接する層と反対方向に向かって動いた。コンベヤーベルト12は、スチールメッシュ、フィルタークロスおよび/またはプラスチックメッシュのような、荷重に耐えることができ、換気を行える任意の材料から製造した。コンベヤーベルトの上位層の端に送られた汚泥が、反対方向に動く下位層の上に落下することができるように、コンベヤーベルトの下位層は一端において上位層を越えていた。汚泥が落下している間、コンベヤーベルトの各層の端に向かい合う壁に設置された紫外線ランプ19に暴露して殺菌した。排出および破砕する手段16を、汚泥を空気乾燥する手段の底部に配置した。排出口17を、排出および破砕する手段16の末端に配置した。コンベヤーベルト12の最下層上の乾燥された汚泥は、排出および破砕する手段16の上へと落下し、排出および破砕する手段16に沿って前進するときに破砕され、最終的に排出口17から排出された。排出および破砕する手段16は、少なくとも1つの破砕スクリューを備える2軸スクリューコンベヤーであってよかった。好ましくは、排出および破砕する手段16は2つの破砕スクリューを有していた。
【0026】
乾燥空気を製造する手段を、汚泥を好気的に空気乾燥する手段の上方に配置した。乾燥空気を製造する手段は、冷交換器、コンプレッサー、送風機および熱交換器を備えていた。送風機7は冷交換器8と熱交換器6の間にあった。冷交換器8は空気流入口9に接続していた。冷交換器8で凝縮した水を、凝縮物分離器によって分離して回収し、その後、凝縮水ポンプ10によって排ガス洗浄装置5に送った。乾燥空気経路18を通って、乾燥空気をコンベヤーベルト12の間の乾燥空気流入口11へと送り、コンベヤーベルト12上の汚泥粒子を乾燥した。乾燥空気流入口11は、上向きにも下向きにも吹くことができた。
【0027】
排ガスを回収して洗浄する手段を、汚泥を好気的に空気乾燥する手段の上方に配置した。排ガスを回収して洗浄する手段は、誘引通風機3および排ガス洗浄装置5を備えていた。誘引通風機3はその空気流入口で、汚泥濾過ケーキ2を破砕および分散する手段と接続し、その排出口で排ガス洗浄装置5と接続していた。洗浄された排ガスを、排ガス洗浄装置5の頂上の排気管から排出し、一方で、廃水を排ガス洗浄装置5の中央にある越流口4から排出した。
【0028】
水分含有量が70%〜50%の汚泥濾過ケーキを、供給口1から汚泥濾過ケーキ2を破砕および分散する手段に供給した。破砕された汚泥粒子は、線速度が1mm/s〜10mm/sの間に設定されたコンベヤーベルト12上のスチールメッシュの上に落下した。コンベヤーベルト12のスチールメッシュ上の汚泥粒子の厚さを、汚泥厚さ調整器13によって10mm〜500mmの範囲に制御した。コンベヤーベルトの層の終端に送られた汚泥粒子は、反対方向に動いている下位層の上に落下し、その落下する間に汚泥粒子は、コンベヤーベルトの各層の端に向かい合う壁に設置された紫外線ランプ19に暴露されて殺菌され、これを繰り返した。最後に、汚泥は排出および破砕する手段16の上に落下し、前進するときに破砕され、排出および破砕する手段16の終端に設置された排出口17から排出された。コンベヤーベルトの速度を調節することによって、汚泥を好気的に空気乾燥する手段における汚泥粒子の滞留時間を、5h〜50hの範囲に制御し、得られる物質の水分含有量を50%〜5%の範囲で制御した。
【0029】
常温の空気を空気流入口9を通って、乾燥空気を製造する手段内の冷交換器8へ送り、ここでその水分を凝縮して分離し、その後、送風機7によって熱交換器6にくみ上げ、ここで暖めて不飽和乾燥空気にした。乾燥空気の温度を0〜90℃の範囲に調整した。凝縮水を冷交換器8の中の凝縮物分離器から排出し、その後、洗浄用の水源として凝縮水ポンプ10によって排ガス洗浄装置5へ送った。空気経路18を通って、乾燥空気をコンベヤーベルト12の上側と下側のスチールメッシュの間にある各々の乾燥空気排出口11へ送り、乾燥した好気性空気をコンベヤーベルトの上の汚泥粒子に供給した。コンベヤーベルト12の各層の方々に、数個の乾燥空気排出口11があった。汚泥粒子を、乾燥空気と共に熱伝導および物質移動に付し、脱水させた。誘引通風機3を通って、乾燥した排ガスを汚泥濾過ケーキ2を破砕および分散する手段によって回収し、排ガス洗浄装置5に注ぎ込み、バブリング洗浄後に排出した。洗浄における下水は、越流口4から下水管に注ぎ込んだ。
【0030】
例2
70%の水分含有量の汚泥濾過ケーキを、供給口から、汚泥濾過ケーキ2を破砕および分散する手段に供給した。破砕された汚泥粒子は、汚泥を好気的に乾燥させる手段内のコンベヤーベルト12のスチールメッシュに落下した。コンベヤーベルト12の線速度を1.5mm/sに設定した。コンベヤーベルト12上の汚泥粒子の厚さは約50mmであった。コンベヤーベルトの層の末端に送られた汚泥粒子は、反対方向に動いている下位層の上に落下し、その落下する間に汚泥粒子を紫外線ランプ19に暴露して殺菌し、これを繰り返した。乾燥空気の温度は62℃であった。空気経路18を通って、乾燥空気をスチールメッシュコンベヤーベルト12の上層と下層の間にある各々の乾燥空気排出口11へ送り、乾燥空気をコンベヤーベルトの上の汚泥粒子に供給した。乾燥された汚泥粒子は、汚泥を好気的に乾燥する手段の下方(下部)に配置された排出および破砕する手段16の上へ落下し、前進するときに破砕され、排出および破砕する手段16の端に設置された排出口17から排出された。得られた材料の水分は38%であった。汚泥を好気的に空気乾燥する手段内での、汚泥粒子の滞留時間は35hであった。3日間保管した後、押し固められた乾燥された汚泥の水分含有量は35%に減少した。
【0031】
例3
62%の水分含有量の汚泥濾過ケーキを、供給口から、汚泥濾過ケーキ2を破砕および分散する手段に供給した。破砕された汚泥粒子は、汚泥を好気的に乾燥させる手段内のコンベヤーベルト12のスチールメッシュに落下した。コンベヤーベルト12の線速度を3mm/sに設定した。コンベヤーベルト12のスチールメッシュ上の汚泥粒子の厚さは約80mmであった。コンベヤーベルトの層の末端に送られた汚泥粒子は、反対方向に動いている下位層の上に落下し、その落下する間に汚泥粒子を紫外線ランプ19に暴露して殺菌し、これを繰り返した。乾燥空気の温度は55℃であった。空気経路18を通って、乾燥空気をスチールメッシュコンベヤーベルト12の上層と下層の間にある各々の乾燥空気排出口11へ送り、乾燥空気をコンベヤーベルトの上の汚泥粒子に供給した。乾燥された汚泥粒子は、汚泥を好気的に乾燥する手段の下方(下部)に配置された排出および破砕する手段16の上へ落下し、前進するときに破砕され、排出および破砕する手段16の端に設置された排出口17から排出された。得られた材料の水分は33%であった。汚泥を好気的に空気乾燥する手段内での、汚泥粒子の滞留時間は28hであった。
【0032】
例4
54%の水分含有量の汚泥濾過ケーキを、供給口から、汚泥濾過ケーキ2を破砕および分散する手段に供給した。破砕された汚泥粒子は、汚泥を好気的に乾燥させる手段内のコンベヤーベルト12のスチールメッシュに落下した。コンベヤーベルト12の線速度を5mm/sに設定した。コンベヤーベルト12のスチールメッシュ上の汚泥粒子の厚さは約110mmであった。コンベヤーベルトの層の末端に送られた汚泥粒子は、反対方向に動いている下位層の上に落下し、その落下する間に汚泥粒子を紫外線ランプ19に暴露して殺菌し、これを繰り返した。乾燥空気の温度は52℃であった。空気経路18を通って、乾燥空気をスチールメッシュコンベヤーベルト12の上層と下層の間にある各々の乾燥空気排出口11へ送り、乾燥空気をコンベヤーベルトの上の汚泥粒子に供給した。乾燥された汚泥粒子は、汚泥を好気的に乾燥する手段の下方(下部)に配置された排出および破砕する手段16の上へ落下し、前進するときに破砕され、排出および破砕する手段16の端に設置された排出口17から排出された。得られた材料の水分は31%であった。汚泥を好気的に空気乾燥する手段内での、汚泥粒子の滞留時間は22hであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥ケーキを好気的に空気乾燥する方法であって、
(1)汚泥濾過ケーキを破砕および分散して汚泥粒子の層にする工程と、
(2)前記汚泥粒子が好気性発熱反応を経験するように、乾燥空気を、低速で動いているか、またはひっくり返っている前記汚泥粒子の層の中へと正圧で吹き込んで、水分を、汚泥粒子から急速に蒸発させて、外部熱および内部熱の両方の影響下での物質移動によって乾燥空気へと移動させる工程と、
(3)低速で動いているか、またはひっくり返っている前記汚泥粒子を物理的にまたは化学的に殺菌する工程と、
(4)排ガスを前記汚泥粒子の層から負圧によって吸い出し、洗浄し、さらに排出する工程と、
(5)乾燥した前記汚泥粒子を更に粉砕して再生利用の要求に達する工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記汚泥濾過ケーキの破砕および分散が、前記汚泥濾過ケーキをそれらの間の摩耗および衝突によって破砕し、ケージの穴の直径または間隙距離よりも小さい外径を有する前記汚泥粒子が前記ケージを突破するように、50%〜70%の水分含有量の前記汚泥濾過ケーキを多孔性または隙間のある前記ケージの中でひっくり返すことによって達成される方法であって、前記穴の直径および前記間隙距離が3mmと30mmの間に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の汚泥ケーキを好気的に空気乾燥する方法。
【請求項3】
前記ケージが、最外径点で5mm/sと100mm/sの間の線速度でひっくり返ることを特徴とする、請求項1に記載の汚泥ケーキを好気的に空気乾燥する方法。
【請求項4】
前記乾燥空気が、
冷媒をさらして冷交換器内で熱を吸収し、コンプレッサーの影響下で熱交換器内で熱を放出すること、および
送風機によって抽出される常温の空気をさらして、前記冷交換器内で冷却して凝縮水を凝結し、その際、前記冷却温度は0℃と15℃の間であり、その後、空気の温度を前記熱交換器内で0℃〜90℃の範囲に上げて不飽和乾燥空気を得ること
によって製造されることを特徴とする、請求項1に記載の汚泥ケーキを好気的に空気乾燥する方法。
【請求項5】
工程(3)において、前記物理的殺菌が紫外線殺菌であり、前記化学的殺菌がオゾン殺菌および/または高塩素物質もしくは高酸素物質による殺菌であることを特徴とする、請求項1に記載の汚泥ケーキを好気的に空気乾燥する方法。
【請求項6】
工程(4)において、前記洗浄用の水源が、前記冷交換器から排出される前記凝縮水であることを特徴とする、請求項1に記載の汚泥ケーキを好気的に空気乾燥する方法。
【請求項7】
工程(5)において、前記更なる粉砕が、前記乾燥した汚泥粒子を破砕しお互いに摩耗させることによってスクリュー破砕装置で前記乾燥した汚泥粒子を運ぶ間に達成され、その際、前記スクリュー破砕装置がシングルスクリューまたは2つ以上のスクリューのセットを備えることを特徴とする、請求項1に記載の汚泥ケーキを好気的に空気乾燥する方法。
【請求項8】
汚泥濾過ケーキを予備破砕する手段、前記汚泥を空気乾燥する手段および乾燥空気を製造する手段を備えることを特徴とする、濾過ケーキを低温で空気乾燥する装置であって、
前記汚泥濾過ケーキを予備破砕する手段が、前記汚泥を空気乾燥する手段の上方に配置され、前記汚泥濾過ケーキを予備破砕する手段の上方に供給口が配置されており、
前記汚泥を空気乾燥する手段が、コンベヤーベルトおよび駆動装置を含み、前記コンベヤーベルトの両端がそれぞれの前記駆動装置に接続し、前記コンベヤーベルトが多層様式で並べられ、前記排出および破砕する手段が前記コンベヤーベルトの最下層の下方に配置され、排出口が前記排出および破砕する手段の末端にあり、さらに
前記乾燥空気を製造する手段が、前記汚泥を空気乾燥する手段の上方に配置され、かつ、前記汚泥を空気乾燥する手段内の空気排出口に空気経路を通して接続されている、装置。
【請求項9】
前記コンベヤーベルトが4つ以上の層に並べられ、紫外線ランプが前記コンベヤーベルトの各層の端に向かい合う壁に設置されることを特徴とする、請求項8に記載の濾過ケーキを低温で空気乾燥する装置。
【請求項10】
汚泥厚さ調整器が、前記コンベヤーベルトの第一層の始端に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の濾過ケーキを低温で空気乾燥する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−505815(P2013−505815A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530070(P2012−530070)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【国際出願番号】PCT/CN2009/001279
【国際公開番号】WO2011/035459
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(512078801)グアンチョウ、ピュデ、エンバイロンメンタル、プロテクション、エキップメント、リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU PUDE ENVIRONMENTAL PROTECTION EQUIPMENT LTD.
【Fターム(参考)】