説明

沸騰冷却器

【課題】 一体ろう付けを行う際に、溶けたろう材が放熱フィン14に接触して放熱フィン14の一部を溶かすことを防止できる沸騰冷却器を提供すること。
【解決手段】 放熱チューブ13の外表面にろう付けされる放熱フィン14は、冷媒槽2を倒した状態で、且つ冷媒槽2に対し放熱部3を下向きにして、ヘッダ12の長手方向を上下方向に向けた姿勢で一体ろう付けを行う場合に、最下段にくる放熱フィン14Aの両端部が両ヘッダ12の壁面からそれぞれ隙間Sを設けて配置されている。この場合、最下段の放熱フィン14Aは、他の放熱フィン14と同一フィンピッチで成形され、且つ他の放熱フィンより全長が短く設けられている。これにより、焼付け時に溶けたろう材がヘッダ12を伝って下方へ流れ落ちた場合でも、溶けたろう材が最下段の放熱フィン14Aに接触することはなく、放熱フィン14Aが溶けるのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒の沸騰及び凝縮作用によって発熱体を冷却する沸騰冷却器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば電子機器等の発熱体を冷却するための沸騰冷却装置がある。この沸騰冷却装置は、液冷媒を貯留する冷媒槽と、この冷媒槽で発熱体の熱を受けて沸騰した冷媒蒸気を外部流体と熱交換させて放熱する放熱部とで構成され、一体ろう付けによって製造される場合が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一体ろう付けを行う場合、焼付け時に溶けたろう材が放熱フィンに触れると、放熱フィンの一部が溶けることがある。特に、放熱チューブと放熱フィンとを多段に重ねて放熱コアを構成している場合は、ろう材がヘッダを伝って下方へ流れていくため、焼付け時に最下段にくる放熱フィンが溶けやすくなるという問題が生じる。本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、一体ろう付けを行う際に、溶けたろう材が放熱フィンに接触して放熱フィンの一部を溶かすことを防止できる沸騰冷却器を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】(請求項1の手段)本発明の沸騰冷却器は、冷媒槽と放熱部とを一体ろう付けによって成形するが、冷媒槽の上側に放熱部が直立した姿勢(ヘッダの長手方向が上下方向を向いた姿勢)でろう付けを行うと、ろう付け時に冷却器の内部で溶けたろう材が冷媒槽の内部へ流れ込み、冷媒室の一部を埋めてしまう恐れがある。そこで、溶けたろう材が冷媒槽の内部へ流れ込むのを防止するためには、放熱部が直立した姿勢で、その放熱部の上側に冷媒槽を置いた姿勢でろう付けを行う方が有効である。
【0005】前記の姿勢(冷媒槽を放熱部の上に置いた姿勢)でろう付けを行う場合、請求項1の構成では、冷媒槽から最も離れた位置にある放熱フィン、即ち最下段にくる放熱フィンが、放熱チューブの長手方向でヘッダとの間に隙間を設けて配置されているため、溶けたろう材がヘッダを伝って下方へ流れても最下段の放熱フィンに接触することはなく、最下段の放熱フィンが溶けるのを防止できる。
【0006】(請求項2の手段)請求項1の手段に記載した場合とは逆に、ろう付け時に冷却器の内部で溶けたろう材が放熱部(特にヘッダ内に開口する放熱チューブの開口端部)へ流れ込むことを防ぎたい場合は、冷媒槽の上側に放熱部を直立した姿勢でろう付けを行う方が有効である。この姿勢で一体ろう付けを行う場合、請求項2の構成では、冷媒槽に最も近い位置にある放熱フィン、即ち最下段にくる放熱フィンが、放熱チューブの長手方向でヘッダとの間に隙間を設けて配置されているため、溶けたろう材がヘッダを伝って下方へ流れても最下段の放熱フィンに接触することはなく、最下段の放熱フィンが溶けるのを防止できる。
【0007】(請求項3の手段)本発明では、ヘッダの長手方向で冷媒槽から最も離れた位置にある放熱フィン及び冷媒槽に最も近い位置にある放熱フィンは、各々放熱チューブの長手方向でヘッダとの間に隙間を設けて配置されている。この場合、請求項1の手段及び請求項2の手段に記載したどちらの姿勢で一体ろう付けを行う場合にも対応できる。
【0008】(請求項4の手段)ヘッダとの間に隙間を設けて配置される放熱フィンは、他の放熱フィンと同一フィンピッチで成形され、且つ他の放熱フィンより全長が短く設けられている。この場合、ヘッダとの間に隙間を設けて配置される放熱フィンだけを特別に成形する必要はなく、他の放熱フィンと同じフィンピッチで成形した後、全長だけを短く切断するだけで良い。
【0009】(請求項5の手段)ヘッダとの間に隙間を設けて配置される放熱フィンは、他の放熱フィンよりフィンピッチが小さく設けられ、且つ他の放熱フィンと略同数のフィン山数が確保されている。この場合、ヘッダとの間に隙間を設けて配置される放熱フィンの全長が他の放熱フィンより短くても、フィン山数が略同数であることから、他の放熱フィンと同等のフィン面積を確保することができる。
【0010】(請求項6の手段)本発明では、ヘッダとの間に隙間を設けて配置される放熱フィンの位置決めを行う位置決め手段を設けている。この場合、位置決め手段によって放熱フィンを位置決めすることにより、放熱フィンとヘッダとの間の隙間を一定に保つことができ、且つろう付け時に放熱フィンがずれることを防止できるため、放熱フィンとヘッダとの間の隙間を確実に確保することができる。
【0011】(請求項7の手段)放熱フィンとヘッダとの間に設けられる隙間に冷却ファンの取付け部を設けたことを特徴とする。この場合、放熱フィンとヘッダとの間に設けた隙間を冷却ファンの取付け部として有効に利用できる。
【0012】(請求項8の手段)請求項1〜7に記載した沸騰冷却器は、発熱体としてプリント基板に配置されたコンピュータチップ(例えばCPU)を冷却するものである。この場合、放熱部を冷媒槽の他方側の表面上に設けているので、放熱部がプリント基板と干渉することはない。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)図1は沸騰冷却器1の斜視図である。本実施例の沸騰冷却器1は、図1に示すように、内部に液冷媒(例えば、水、アルコール、フロロカーボン、フロン等)を貯留する冷媒槽2と、この冷媒槽2で発熱体の熱を受けて沸騰した冷媒蒸気を外部流体(例えば外気)との熱交換によって液化する放熱部3とから構成され、一体ろう付けによって製造される。
【0014】a)冷媒槽2は、箱状の薄型容器2Aと、この薄型容器2Aの開口面を塞ぐ蓋プレート2Bとから成り、外形が薄型の直方体に設けられている。薄型容器2Aと蓋プレート2Bは、共に熱伝導性に優れる金属材料(例えばアルミニウム)で構成されている。この冷媒槽2は、図2に示すように、略直立した姿勢で使用され、厚み方向の一方側の表面が発熱体であるCPU5の放熱面に接触して、そのCPU5が設置されているプリント基板6にボルト等によって固定される。
【0015】冷媒槽2の内部には、図3に示すように、液冷媒を貯留する冷媒室7、一組のヘッダ接続口8、液戻り通路9、及び冷媒注入部10等が形成されている。冷媒室7は、複数のリブ11によって通路状に仕切られ、各通路部が下側及び上側で連通している。ヘッダ接続口8は、後述のヘッダを組み付けるためのスペースで、冷媒室7の上部両側に設けられ、冷媒槽2の他方側表面2aに開口している。なお、図3に示されている一方のヘッダ接続口8は、冷媒室7の上部側に通じており、他方のヘッダ接続口(図示しない)は液戻り通路9を通じて冷媒室7の下部側に通じている。
【0016】液戻り通路9は、放熱部3で液化した凝縮液を冷媒室7へ戻すための通路で、冷媒室7の片側に隣接して設けられ、他方のヘッダ接続口から下方へ通路状に延びて設けられ、冷媒室7の下部に通じている。冷媒注入部10は、注入パイプ16が接続される接続口であり、一方のヘッダ接続口8の下方に設けられて冷媒室7に連通している。なお、冷媒は、冷媒室7の略上端位置(ヘッダ接続口8より下側)まで注入されている。
【0017】b)放熱部3は、一組のヘッダ12と放熱コア(放熱チューブ13と放熱フィン14)とで構成され、冷媒槽2の他方側表面2a上に組み付けられて、冷却器1の作動時にダクト15(図2参照)を介して外部流体が導入される。なお、放熱部3に導入される外部流体は、図示しない冷却ファンによって図2の下方から上方へ向かって流されるものとする。一組のヘッダ12は、冷媒槽2でCPU5の熱を受けて沸騰した冷媒蒸気が流入する蒸気側ヘッダ12Aと、放熱コアの各放熱チューブ13で液化した凝縮液が流入する液側ヘッダ12Bであり、それぞれ長手方向の一端部が冷媒槽2の他方側表面2aに開口するヘッダ接続口8より冷媒槽2の内部へ差し込まれ、冷媒槽2に対して略垂直方向に組み付けられている。
【0018】放熱コアは、複数本の放熱チューブ13と、各放熱チューブ13の間に介在される放熱フィン14とで構成される。放熱チューブ13は、熱伝導性に優れる金属材料(例えばアルミニウム)で形成され、放熱フィン14が接触する外表面の幅に対して厚みが薄い偏平管形状に設けられている。各放熱チューブ13は、図1R>1に示すように、一端が蒸気側ヘッダ12Aに接続されて、他端が液側ヘッダ12Bに接続され、その蒸気側ヘッダ12Aと液側ヘッダ12Bとの間で互いに一定の間隔を開けて並設されている。
【0019】放熱フィン14は、熱伝導性に優れる薄い金属板(例えばアルミニウム板)を交互に折り曲げて波状に成形したもので、放熱チューブ13の外表面にろう付けされている。但し、図4に示すように、冷媒槽2を倒した状態で、且つ冷媒槽2に対し放熱部3を下向きにして、ヘッダ12の長手方向を上下方向に向けた姿勢で一体ろう付けを行う場合に、最下段にくる放熱フィン14A(ここでは、ヘッダ12の長手方向で冷媒槽2から最も離れた位置にある放熱フィン14A)は、その両端部(放熱チューブ13の長手方向におけるフィン両端部)が両ヘッダ12の壁面からそれぞれ隙間Sを設けて配置されている。この場合、最下段の放熱フィン14Aは、他の放熱フィン14と同一フィンピッチで成形され、且つ他の放熱フィンより全長が短く設けられている。
【0020】次に、本実施例の作動を説明する。冷媒室7に貯留されている液冷媒は、CPU5の熱を受けて沸騰気化し、冷媒室7から蒸気側ヘッダ12Aへ進入した後、蒸気側ヘッダ12Aから各放熱チューブ13へ流れる。放熱チューブ13を流れる冷媒蒸気は、ダクト15に案内されて放熱コアに導入される外部流体によって冷却され、放熱チューブ13の内部で凝縮する。凝縮した冷媒は、液滴となって液側ヘッダ12Bへ押し流され、更に液側ヘッダ12Bより冷媒槽2内の液戻り通路9を通って冷媒室7へ還流する。この作動における冷媒の流れを図3に矢印で示す。
【0021】(第1実施例の効果)本実施例の沸騰冷却器1は、ろう付け時に最下段にくる放熱フィン14Aの両端部と両ヘッダ12の壁面との間に隙間Sを設けているので、焼付け時に溶けたろう材がヘッダ12を伝って下方へ流れ落ちた場合でも、溶けたろう材が最下段の放熱フィン14Aに接触することはなく、放熱フィン14Aが溶けるのを防止できる。また、最下段の放熱フィン14Aは、他の放熱フィン14と同一フィンピッチで成形されているため、最下段の放熱フィン14Aだけを特別に成形する必要はなく、他の放熱フィン14と同じフィンピッチで成形した後、全長だけを短く切断するだけで良い。
【0022】(第2実施例)図5は放熱部3の正面図である。本実施例の沸騰冷却器1は、図5に示すように、冷媒槽2を倒した状態で、且つ冷媒槽2の上部に放熱部3が直立した姿勢で一体ろう付けが行われる場合の一例である。この場合、最下段の放熱フィン14Aは、第1実施例の場合とは異なり、ヘッダ12の長手方向(図5の上下方向)で冷媒槽2に最も近い放熱フィン14Aが最下段となる。この最下段の放熱フィン14Aの両端部が両ヘッダ12の壁面からそれぞれ隙間Sを設けて配置されている。本実施例の場合でも、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0023】(第3実施例)図6は放熱部3の正面図である。本実施例は、ろう付け時に最下段にくる放熱フィン14Aのフィンピッチを他の放熱フィン14より小さくして、他の放熱フィン14と略同数のフィン山数を確保した場合の一例である。この場合、最下段の放熱フィン14Aの全長が他の放熱フィン14より短くても、フィン山数を同一とすることにより、フィン面積を他の放熱フィン14と同等に確保することができる。
【0024】これにより、最下段の放熱フィン14Aの全長が短くなることによる放熱性能の低下を防止できる。なお、本実施例の沸騰冷却器1は、第1実施例と同様に、冷媒槽2に対し放熱部3を下向きにした状態を図6R>6に示しているが、第2実施例の構成(冷媒槽2の上部に放熱部3が直立した姿勢で一体ろう付けが行われる場合)にも適用できることは言うまでもない。
【0025】(第4実施例)図7は放熱部3の正面図である。本実施例は、ヘッダ12との間に隙間Sを設けて配置される放熱フィン14を位置決めするための位置決め手段17を設けた一例である。位置決め手段17は、図7に示すように、放熱フィン14Aの両側に設けられ、一体ろう付けによって放熱チューブ13、ヘッダ12、あるいは冷媒槽2等に接合される。
【0026】この位置決め手段17によって、ろう付け時における最下段の放熱フィン14A(図7では冷媒槽2に最も近い放熱フィン14A)を位置決めすることにより、放熱フィン14Aの端部とヘッダ12の壁面との隙間Sを一定に保つことができる。また、位置決め手段17によって最下段の放熱フィン14Aがろう付け時にずれることを防止できるため、放熱フィン14Aとヘッダ12との隙間Sを確実に確保することができる。なお、本実施例の構成は、ろう付け時における最上段の放熱フィン14B(図7では冷媒槽2から最も離れた位置にある放熱フィン14B)の両端部とヘッダ12の壁面との間に隙間Sを設ける場合にも適用できる。つまり、最上段の放熱フィン14Bを位置決め手段17によって位置決めしても良い。
【0027】(第5実施例)図8は放熱部3の正面図である。本実施例は、第4実施例で説明した位置決め手段17を設ける場合の変形例である。冷媒槽2から最も離れた位置にある放熱チューブ13は、接触している放熱フィン14を抑えることができれば良いため、通常は放熱チューブ13の代わりに金属板や樹脂板等の平板材18を使用することが多い。そこで、図8に示す姿勢でろう付けを行う場合は、平板材18に位置決め手段17を設けた方が、放熱チューブ13に位置決め手段17を設けるよりも加工が容易で、且つコストを低く抑えることができる。
【0028】(第6実施例)図9は放熱部3の正面図である。本実施例は、最下段の放熱フィン14Aの端部とヘッダ12の壁面との隙間Sを有効利用するもので、その一例として、図8に示すように、冷却ファンの取付け部19を前記隙間Sに配置している。但し、この場合、取付け部19が2箇所であるため、最上段の放熱フィン14の端部とヘッダ12の壁面との間にも隙間Sを設け、この隙間Sにも取付け部19を配置することにより、合計4箇所の取付け部19で冷却ファンを確実に固定することができる。なお、取付け部19には、冷却ファンを固定するための螺子等を通す螺子穴19aが開けられている。本実施例の場合、第4及び第5実施例で説明した位置決め手段17によって最上段及び最下段の放熱フィン14を位置決めすることにより、取付け部19を配置するためのスペースを精度良く確保することができる。
【0029】(変形例)本実施例の沸騰冷却器1は、冷媒槽2が直立した姿勢(図2に示す状態)で使用しているが、冷媒槽2を横に倒した状態(但し、放熱部3が冷媒槽2の上方に直立した状態)で使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】沸騰冷却器の斜視図である(第1実施例)。
【図2】沸騰冷却器の使用状態を示す斜視図である。
【図3】沸騰冷却器の内部構造を示す斜視図である。
【図4】放熱部の正面図である。
【図5】放熱部の正面図である(第2実施例)。
【図6】放熱部の正面図である(第3実施例)。
【図7】放熱部の正面図である(第4実施例)。
【図8】放熱部の正面図である(第5実施例)。
【図9】放熱部の正面図である(第6実施例)。
【符号の説明】
1 沸騰冷却器
2 冷媒槽
2a 冷媒槽の他方側表面
3 放熱部
5 CPU(コンピュータチップ/発熱体)
6 プリント基板
7 冷媒室
12 ヘッダ
13 放熱チューブ
14 放熱フィン
14A 最下段の放熱フィン(冷媒槽から最も離れた位置にある放熱フィンまたは冷媒槽に最も近い放熱フィン)
17 位置決め手段
19 冷却ファンの取付け部
S 最下段の放熱フィンとヘッダとの隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】内部に液冷媒を貯留する冷媒室を形成し、この冷媒室を介して対向する二面のうち一方側の表面に発熱体が接触する冷媒槽と、前記冷媒槽の他方側の表面上に設けられ、前記冷媒室で前記発熱体の熱を受けて沸騰した冷媒蒸気を外部流体と熱交換させて放熱する放熱部とを備え、前記冷媒槽と放熱部とを組み立てた後、一体ろう付けによって製造される沸騰冷却器であって、前記放熱部は、前記冷媒槽に組み付けられる少なくとも一組のヘッダと、この両ヘッダ間に並設される複数本の放熱チューブと、この放熱チューブの表面に接触して前記各放熱チューブ間に介在される複数の放熱フィンとから構成され、前記ヘッダの長手方向で前記冷媒槽から最も離れた位置にある前記放熱フィンは、前記放熱チューブの長手方向で前記ヘッダとの間に隙間を設けて配置されていることを特徴とする沸騰冷却器。
【請求項2】内部に液冷媒を貯留する冷媒室を形成し、この冷媒室を介して対向する二面のうち一方側の表面に発熱体が接触する冷媒槽と、前記冷媒槽の他方側の表面上に設けられ、前記冷媒室で前記発熱体の熱を受けて沸騰した冷媒蒸気を外部流体と熱交換させて放熱する放熱部とを備え、前記冷媒槽と放熱部とを組み立てた後、一体ろう付けによって製造される沸騰冷却器であって、前記放熱部は、前記冷媒槽に組み付けられる少なくとも一組のヘッダと、この両ヘッダ間に並設される複数本の放熱チューブと、この放熱チューブの表面に接触して前記各放熱チューブ間に介在される複数の放熱フィンとから構成され、前記ヘッダの長手方向で前記冷媒槽に最も近い位置にある前記放熱フィンは、前記放熱チューブの長手方向で前記ヘッダとの間に隙間を設けて配置されていることを特徴とする沸騰冷却器。
【請求項3】内部に液冷媒を貯留する冷媒室を形成し、この冷媒室を介して対向する二面のうち一方側の表面に発熱体が接触する冷媒槽と、前記冷媒槽の他方側の表面上に設けられ、前記冷媒室で前記発熱体の熱を受けて沸騰した冷媒蒸気を外部流体と熱交換させて放熱する放熱部とを備え、前記冷媒槽と放熱部とを組み立てた後、一体ろう付けによって製造される沸騰冷却器であって、前記放熱部は、前記冷媒槽に組み付けられる少なくとも一組のヘッダと、この両ヘッダ間に並設される複数本の放熱チューブと、この放熱チューブの表面に接触して前記各放熱チューブ間に介在される複数の放熱フィンとから構成され、前記ヘッダの長手方向で前記冷媒槽から最も離れた位置にある前記放熱フィン及び前記冷媒槽に最も近い位置にある前記放熱フィンは、各々前記放熱チューブの長手方向で前記ヘッダとの間に隙間を設けて配置されていることを特徴とする沸騰冷却器。
【請求項4】前記ヘッダとの間に隙間を設けて配置される前記放熱フィンは、他の放熱フィンと同一フィンピッチで成形され、且つ前記他の放熱フィンより全長が短く設けられていることを特徴とする請求項1〜3に記載した沸騰冷却器。
【請求項5】前記ヘッダとの間に隙間を設けて配置される前記放熱フィンは、他の放熱フィンよりフィンピッチが小さく設けられ、且つ前記他の放熱フィンと略同数のフィン山数が確保されていることを特徴とする請求項1〜3に記載した沸騰冷却器。
【請求項6】前記ヘッダとの間に隙間を設けて配置される前記放熱フィンの位置決めを行う位置決め手段を設けていることを特徴とする請求項1〜5に記載した沸騰冷却器。
【請求項7】前記放熱フィンと前記ヘッダとの間に設けられる隙間に冷却ファンの取付け部を設けたことを特徴とする請求項1〜6に記載した沸騰冷却器。
【請求項8】前記発熱体としてプリント基板に設置されたコンピュータチップを冷却することを特徴とする請求項1〜7に記載した沸騰冷却器。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図9】
image rotate


【公開番号】特開2001−77258(P2001−77258A)
【公開日】平成13年3月23日(2001.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−247700
【出願日】平成11年9月1日(1999.9.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】