油圧装置
【課題】小型化することができる油圧装置を提供する。
【解決手段】油圧装置1が、回転可能に設けられた駆動軸の端部に隣接配置されたバルブボディ5と、バルブボディ5に設けられると共に駆動軸の端部に連結するオイルポンプ9と、バルブボディ5に設けられオイルポンプ9から吐出される油圧を調整するレギュレータ11と、バルブボディ5に設けられ外部への油圧の供給を断続制御するソレノイドバルブ35と、バルブボディ5に設けられ油圧の上昇によって作動されるリリーフバルブ13と、バルブボディ5に設けられオイルポンプ9とレギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13とに連結されオイルが流通される油路とを備えた。
【解決手段】油圧装置1が、回転可能に設けられた駆動軸の端部に隣接配置されたバルブボディ5と、バルブボディ5に設けられると共に駆動軸の端部に連結するオイルポンプ9と、バルブボディ5に設けられオイルポンプ9から吐出される油圧を調整するレギュレータ11と、バルブボディ5に設けられ外部への油圧の供給を断続制御するソレノイドバルブ35と、バルブボディ5に設けられ油圧の上昇によって作動されるリリーフバルブ13と、バルブボディ5に設けられオイルポンプ9とレギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13とに連結されオイルが流通される油路とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に適用される油圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧装置としては、バルブボディとしての一対のバルブボデー構成体と、この一対のバルブボデー構成体の間に挟み付けられたセパレートプレートと、少なくとも一方のバルブボデー構成体に形成された凹部の開口端がセパレートプレートによって閉じられて凹部が油路とされたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この油圧装置では、凹部を区画している油路壁の先端面にセパレートプレートが接触され、セパレートプレートの内部でかつ油路壁の先端面と対応する位置に、セパレートプレートをその厚さ方向に押し広げる圧油を収容する油通路が形成されている。そして、油通路にオイルを流入させることにより、セパレートプレートと油路壁の先端面との接触面との密着性が増し、オイルの漏れを減少させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−128371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような油圧装置では、バルブボディに形成された油路に対してオイルを流通させるオイルポンプがバルブボディと別部材として設けられているので、油圧装置が全体として大型化してしまっていた。
【0006】
そこで、この発明は、小型化することができる油圧装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、回転可能に設けられた駆動軸の端部に隣接配置されたバルブボディと、前記バルブボディに設けられると共に前記駆動軸の端部に連結するオイルポンプと、前記バルブボディに設けられ前記オイルポンプから吐出される油圧を調整するレギュレータと、前記バルブボディに設けられ外部への前記油圧の供給を断続制御するソレノイドバルブと、前記バルブボディに設けられ前記油圧の上昇によって作動されるリリーフバルブと、前記バルブボディに設けられ前記オイルポンプと前記レギュレータと前記ソレノイドバルブと前記リリーフバルブとに連結され前記オイルが流通される油路とを備えたことを特徴とする。
【0008】
この油圧装置では、オイルポンプがバルブボディに設けられると共に駆動軸の端部に連結するので、オイルポンプとバルブボディとを一体化することができ、油圧装置のコンパクト化を達成することができる。
【0009】
従って、このような油圧装置では、コンパクト化を達成することができ、小型化することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、小型化することができる油圧装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る油圧装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る油圧装置のバルブボディの正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る油圧装置の図2におけるX−X断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る油圧装置のバルブボディの組付面側の側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る油圧装置のバルブボディの図4と反対側の側面図である。
【図6】図5のY−Y断面図である。
【図7】図5のZ−Z断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る油圧装置の第1ハウジングの正面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る油圧装置の第2ハウジングの正面図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る油圧装置における油圧回路を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る油圧装置の分解斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る油圧装置のバルブボディの側面図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る油圧装置のバルブボディの正面図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る油圧装置のバルブボディの図12と反対側の側面図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る油圧装置の第2ハウジングの正面図である。
【図16】本発明の第3実施形態に係る油圧装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜図16を用いて本発明の実施の形態に係る油圧装置について説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1〜図10を用いて第1実施形態について説明する。
【0014】
本実施の形態に係る油圧装置1は、回転可能に設けられた駆動軸3の端部に隣接配置されたバルブボディ5と、バルブボディ5に設けられると共に駆動軸3の端部に連結するオイルポンプ9と、バルブボディ5に設けられオイルポンプ9から吐出される油圧を調整するレギュレータ11と、バルブボディ5に設けられ外部への油圧の供給を断続制御するソレノイドバルブ35と、バルブボディ5に設けられ油圧の上昇によって作動されるリリーフバルブ13と、バルブボディ5に設けられた逆止弁33と、バルブボディ5に設けられオイルポンプ9とレギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13と逆止弁33とに連結されオイルが流通される油路10,12,14,15,16,17,18とを備えている。
【0015】
また、バルブボディ5は、第1ハウジング19と、第2ハウジング21とからなり、オイルポンプ9は、駆動軸3の端部に連結したポンプギヤ51,53を有する内接ギヤポンプであり、ポンプギヤ51,53は、第1ハウジング19に形成された凹部50に収容配置され、オイルポンプ9の吸入側及び吐出側にオイルが流通する油路17が、第2ハウジング21に形成されている。
【0016】
さらに、レギュレータ11とソレノイドバルブ35及び逆止弁33とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向で、互いに一側と他側とに分離して第1ハウジング19に配置されている。
【0017】
また、レギュレータ11とリリーフバルブ13及び逆止弁33とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向に向けて第1ハウジング19に形成された組付面27から第1ハウジング19に組み付けられている。
【0018】
なお、逆止弁33は、駆動軸3が通常と逆に回転するときに油路18や油路14に圧力が生じ、バルブ11,13が損傷するのを防止するためのセーフティ機能を持たせるために油路12を介してオイルポンプ9の吸入側と吐出側とのオイルの循環機能を持たせている。
【0019】
さらに、第1ハウジング19は、駆動軸3を回転可能に支持するケーシング29の内部に収容され、第2ハウジング21は、ケーシング29の外部に組み付けられてケーシング29を閉塞している。
【0020】
図1〜図9に示すように、バルブボディ5は、回転可能に設けられた駆動軸3の端部に配置されている。駆動軸3は、ケーシング29にベアリング31を介して回転可能に支持されている。この駆動軸3は、変速機構などの出力軸となっており、車両の走行によって回転される。このような駆動軸3の端部に配置されたバルブボディ5は、第1ハウジング19と第2ハウジング21とからなる。
【0021】
第1ハウジング19は、筐体状に形成され、中央部に駆動軸3の端部が挿通されている。また、第1ハウジング19には、ケーシング29内に設けられたストレーナ7と連通する吸入路45からオイルを導入するオイルポンプ9が設けられ、外部の同一面に設けられた組付面27からレギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とが内部に組み付けられる。また、オイルポンプ9は、第1ハウジング19の合わせ面23の中央部に形成された凹部50内に配置されている。また、レギュレータ11とソレノイドバルブ35とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向で、互いに一側と他側と(例えば、図3における上下方向、或いは紙面の表裏方向)に分離して第1ハウジング19に配置されている。また、レギュレータ11とリリーフバルブ13とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向(例えば、図4における左右方向、或いは紙面の表裏方向)に向けて第1ハウジング19に形成された組付面27から第1ハウジング19に組み付けられている。また、第1ハウジング19には、ソレノイドバルブ35に連通され図示外の断続機構を締結するために図示外の油圧シリンダに連通される孔37が設けられ、この孔37の端部は、ボール39によって閉塞されている。また、孔37から図示外の油圧シリンダへは、駆動軸3に設けられた径方向孔38と軸方向孔40などを介して流通される。この第1ハウジング19は、駆動軸3が挿通されたケーシング29内に収容される。この第1ハウジング19のケーシング29と反対側には、第2ハウジング21が複数のボルト41を介して固定される。
【0022】
第2ハウジング21は、蓋状に形成され、複数のボルト43を介してケーシング29を閉塞するようにケーシング29に固定される。また、第2ハウジング21の側面には、吸入路45、この吸入路45の側面側は、プラグ47によって閉塞されている。この第2ハウジング21と第1ハウジング19との合わせ面23,25には、それぞれ油路15,17が設けられている。
【0023】
第1ハウジング19に形成されたレギュレータ11を介して油路17と連通する油路15は、第1ハウジング19の合わせ面23に溝状に形成された油路17にレギュレータ11を介して接続され、第1ハウジング19と第2ハウジング21とが組み付けられた状態で開口側が第2ハウジング21によって閉塞される。油路17は、第2ハウジング21の合わせ面25に溝状に形成され、第1ハウジング19と第2ハウジング21とが組み付けられた状態で開口側が第1ハウジング19によって閉塞される。また、オイルポンプ9の吸入側及び吐出側は、リリーフバルブ13を介して油路17と油路14とで連通され、逆止弁33を介して油路12と油路10とで連通されており、オイルポンプ9の正逆回転の作動に応じてオイルが流通される。また、第1ハウジング19に形成されてオイルポンプ9の吐出側で油路17と分岐する油路16は、ソレノイドバルブ35に接続されている。これらの油路10,12,14,15,16,17,18は、バルブボディ5に設けられたストレーナ7とオイルポンプ9とレギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13と逆止弁33とを連結し、油圧回路49を構成している。
【0024】
図10に示すように、油圧回路49は、流通するオイルが大気圧とされた大気圧路Raと、オイルポンプ9によって油圧が付与されたオイルが流通する油圧路Rpと、駆動力の伝達を断続する断続機構(不図示)などを断続操作するピストン(不図示)を作動可能な制御圧に調整されたオイルが流通する制御圧路Rcとを備えている。これらの大気圧路Raと油圧路Rpと制御圧路Rcとの間には、ストレーナ7とオイルポンプ9とレギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13と逆止弁33とが設けられている。
【0025】
ストレーナ7には、大気圧路Raからオイルが流入されて異物をろ過されてオイルポンプ9の吸入側に導き、オイルポンプ9によって油圧路Rpを流通される。
【0026】
なお、油路20は、ソレノイドバルブ35の作動により、オイルを大気側のハウジング29内に逃がす通路であり、油路22に連通し油溜りに接続される。
【0027】
オイルポンプ9は、ポンプギヤ51,53を有するギヤポンプからなる。このオイルポンプ9は、駆動軸3の端部に配置され、駆動軸3の回転よって作動される。ここで、一般的にはオイルポンプ9はエンジンなどの駆動源側からの動力によって作動されるが、駆動軸3は出力軸であるので、車両が走行している間は回転している。このため、オイルポンプ9は、車両が走行している間は常時作動される。このオイルポンプ9は、ストレーナ7が固定配置されたケーシング29内に貯留されたオイルに油圧を付与して油圧路Rpを流通させる。
【0028】
レギュレータ11は、スプール55とプレート57によって第1ハウジング19からの抜けが防止されたスプリング59とを有し、大気圧路Raと油圧路Rpとの間に設けられている。また、レギュレータ11近傍の油圧路Rpには、オイルの流量を求めるオリフィス61が設けられている。このレギュレータ11は、大気圧路Raと油圧路Rpとの連通を制御しながらオイルポンプ9から吐出されて油圧路Rpを流通するオイルの圧力が基準値の範囲内となるように調整する。
【0029】
ソレノイドバルブ35は、ブラケット73をボルト75で第1ハウジング19に固定することによって第1ハウジング19に組み付けられ、大気圧路Raと油圧路Rpと制御圧路Rcとの間に設けられている。このソレノイドバルブ35は、油圧路Rpを流通するオイルを断続制御し、制御圧路Rcから外部に設けられたピストンへの油圧の供給を断続制御する。
【0030】
リリーフバルブ13は、ボール63とプレート65によって第1ハウジング19からの抜けが防止されボール63に付勢力を付与するスプリング67とを有し、大気圧路Raと油圧路Rpとの間に設けられている。このリリーフバルブ13は、油圧路Rpを流通するオイルの圧力が基準値以上に上昇した場合に開放するように作動され、油圧路Rpと大気圧路Raとを連通させる。
【0031】
逆止弁33は、ボール69とプレート65によって第1ハウジング19からの抜けが防止されボール69に付勢力を付与するスプリング71とを有し、駆動軸3が逆回転したときにレギュレータ11やリリーフバルブ13が損傷するのを防止している。
【0032】
このような油圧装置1の組付けは、第1ハウジング19にレギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とを組み付ける。また、ソレノイドバルブ35とオイルポンプ9とを第1ハウジング19に組み付ける。この各部材が組み付けられた第1ハウジング19を複数のボルト41で第2ハウジング21に組み付ける。そして、第1ハウジング19と第2ハウジング21とが組み付けられたバルブボディ5を複数のボルト43でケーシング29に組み付けて組付けを完了する。このようにバルブボディ5がケーシング29の内部に組み付けられる油圧装置1を、内装タイプの油圧装置という。
【0033】
このような油圧装置1では、オイルポンプ9がバルブボディ5に設けられると共に駆動軸3の端部に連結するので、オイルポンプ9とバルブボディ5とを一体化することができ、油圧装置1のコンパクト化を達成することができる。
【0034】
従って、このような油圧装置1では、コンパクト化を達成することができ、小型化することができる。
【0035】
また、バルブボディ5は、第1ハウジング19と、第2ハウジング21とからなる。さらに、オイルポンプ9は、駆動軸3の端部に連結したポンプギヤ51,53を有するギヤポンプである。加えて、ポンプギヤ51,53は、第1ハウジング19に形成された凹部50に収容配置され、オイルポンプ9の吸入側及び吐出側にオイルが流通する油路17が、第2ハウジング21に形成されている。
【0036】
このため、油圧装置1では、オイルポンプ9の配置が適切に行われ、油路17の形成を容易にすることができ、コンパクト化を達成することができる。
【0037】
さらに、レギュレータ11とソレノイドバルブ35とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向で、互いに一側と他側とに分離して第1ハウジング19に配置されているので、オイルポンプ9に対するレギュレータ11とソレノイドバルブ35との配置位置を特定し、油圧装置1全体の配置バランスとコンパクト化を達成することができる。
【0038】
また、レギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向に向けて第1ハウジング19に形成された組付面27から第1ハウジング19に組み付けられているので、レギュレータ11とリリーフバルブ13及び逆止弁33の取付方向を規定し、組付面27を集約することで、コンパクト化を達成することができる。
【0039】
さらに、第1ハウジング19は、駆動軸3を回転可能に支持するケーシング29の内部に収容され、第2ハウジング21は、ケーシング29の外部に組み付けられてケーシング29を閉塞しているので、ケーシング29と第1ハウジング19と第2ハウジング21との組付関係を規定し、詳細には内装タイプの油圧装置1においても、コンパクト化を達成することができる。
【0040】
なお、従来の油圧装置では、バルブボディとして、一対のバルブボデー構成体とセパレートプレートとの少なくとも3部材が必要である。このため、バルブボディの分割部品が多く、この分割部品を組み付けるための固定部品も多くなるなど、部品点数が増加していた。
【0041】
これに対して油圧装置1では、バルブボディ5を第1ハウジング19と第2ハウジング21とからなる2分割構造とすることができるので、セパレートプレートのような中間部材や組付けに要する部材などを削減することができ、部品点数を削減することができる。
【0042】
(第2実施形態)
図11〜図15を用いて第2実施形態について説明する。
【0043】
本実施の形態に係る油圧装置101は、レギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13及び逆止弁33とは、第2ハウジング105に組み付けられている。
【0044】
また、第1ハウジング103には、駆動軸3(図3参照)が挿通されてオイルポンプ9が設けられ、第1ハウジング103と第2ハウジング105は、駆動軸を回転可能に支持するケーシング(不図示)の外部に組み付けられている。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して説明を省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、構成及び機能説明は第1実施形態を参照するものとし省略するが、得られる効果は同一である。
【0045】
図11〜図15に示すように、第1ハウジング103は、蓋状に形成され、複数のボルト117を介して第2ハウジング105を閉塞するように第2ハウジング105に固定される。これら第1ハウジング103と第2ハウジング105とで、バルブボディ119を構成している。また、第1ハウジング103には、中央部に駆動軸(不図示)の端部が挿通され、この駆動軸の端部に配置されるようにオイルポンプ9が収容配置される凹部50が形成されている。また、第1ハウジング103の第2ハウジング105と反対側は、Oリング121を介してケーシングの外部に取り付けられる。
【0046】
第2ハウジング105は、筐体状に形成され、外部の同一面に設けられた組付面107からレギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13と逆止弁33とが内部に組み付けられる。なお、レギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とは、プレート57,65(図1参照)に替えて、Oリング109を介してプラグ111とボルト113で固定されたブラケット115によって第2ハウジング105からの抜けが防止されている。この第2ハウジング105は、第1ハウジング103を挟んでケーシングの外部に取り付けられる。これら第1ハウジング103と第2ハウジング105との合わせ面123には、油路125が設けられている。
【0047】
油路125は、第2ハウジング105に対して第2ハウジング105の合わせ面123に溝状に形成され、又、レギュレータ11、ソレノイドバルブ35、リリーフバルブ13、逆止弁33、ハウジング29内のオイル溜まりなどに連通する孔形状に形成され、第1ハウジング103と第2ハウジング105とが組み付けられた状態で溝状及び孔形状の一端開口側が第1ハウジング103によって閉塞される。この油路125は、バルブボディ119に設けられたストレーナとオイルポンプ9とレギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とソレノイドバルブ35とを連結し、油圧回路を構成している。なお、油圧回路は、図10に示す油圧回路49と同様に設定されているので、図15において第1実施形態と合わせた符号を付記している。
【0048】
このような油圧装置101の組付けは、第2ハウジング105にレギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とソレノイドバルブ35とを組み付ける。また、第1ハウジング103にオイルポンプ9を組み付ける。この各部材が組み付けられた第2ハウジング105に複数のボルト117でオイルポンプ9が組み付けられた第1ハウジング103を組み付ける。そして、第1ハウジング103と第2ハウジング105とが組み付けられたバルブボディ119をケーシングの外部に組み付けて組付けを完了する。このようにバルブボディ119がケーシングの外部に組み付けられる油圧装置101を、外装タイプの油圧装置という。
【0049】
このような油圧装置101では、レギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13とが第2ハウジング105に組み付けられているので、それぞれの機能部品の配置を各ハウジング103,105に適正に分散させることで、装置全体のコンパクト化を達成することができる。
【0050】
また、第1ハウジング103には、駆動軸が挿通されてオイルポンプ9が設けられ、第1ハウジング103と第2ハウジング105は、駆動軸を回転可能に支持するケーシングの外部に組み付けられているので、ケーシングと第1ハウジング103と第2ハウジング105との組付関係を規定し、詳細には外装タイプの油圧装置101においても、コンパクト化を達成することができる。
【0051】
(第3実施形態)
図16を用いて第3実施形態について説明する。
【0052】
本実施の形態に係る油圧装置201は、第1ハウジング203とケーシング205とは、一体形成されている。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して説明を省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、構成及び機能説明は第1実施形態を参照するものとし省略するが、得られる効果は同一である。
【0053】
図16に示すように、第1ハウジング203には、オイルポンプ9とが設けられ、レギュレータ11(図7参照)とリリーフバルブ13(図6参照)と逆止弁33(図6参照)とが内部に組み付けられている。また、ケーシング205は、ベアリング31を介して駆動軸3を回転可能に支持している。この第1ハウジング203とケーシング205とは、連続する一部材で形成されており、開口面にボルト43で第2ハウジング21が固定されて内部を閉塞している。また、一体構造の第1ハウジング203及びケーシング205と第2ハウジング21との合わせ面23,25には、油路15,17が形成されている。このため、第1ハウジング203と第2ハウジング21とを組み付けてからケーシング205に組み付ける必要がなく、各部材を組み付けた一体構造の第1ハウジング203及びケーシング205に対して第2ハウジング21を組み付ければよく、装置の組付性を向上することができると共に、部品点数をさらに削減することができる。
【0054】
このような油圧装置201では、第1ハウジング203とケーシング205とが一体形成されているので、第1ハウジング203とケーシング205とを共用することで、部品点数を削減し、コンパクト化を達成することができる。
【0055】
なお、本発明の実施の形態に係る油圧装置では、第1ハウジングと第2ハウジングとの合わせ面にそれぞれ油路を形成させているが、いずれか一方のハウジングに油路を集約して形成させてもよい。
【0056】
また、オイルポンプを作動させる駆動軸を出力軸としているが、エンジンなどの駆動源によってオイルポンプを作動させる構造としてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1,101,201…油圧装置
3…駆動軸
5…バルブボディ
9…オイルポンプ
11…レギュレータ
13…リリーフバルブ
15,17,125…油路
19,103,203…第1ハウジング
21,105…第2ハウジング
27…組付面
29,205…ケーシング
33…逆止弁
35…ソレノイドバルブ
50…凹部
51,53…ポンプギヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に適用される油圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧装置としては、バルブボディとしての一対のバルブボデー構成体と、この一対のバルブボデー構成体の間に挟み付けられたセパレートプレートと、少なくとも一方のバルブボデー構成体に形成された凹部の開口端がセパレートプレートによって閉じられて凹部が油路とされたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この油圧装置では、凹部を区画している油路壁の先端面にセパレートプレートが接触され、セパレートプレートの内部でかつ油路壁の先端面と対応する位置に、セパレートプレートをその厚さ方向に押し広げる圧油を収容する油通路が形成されている。そして、油通路にオイルを流入させることにより、セパレートプレートと油路壁の先端面との接触面との密着性が増し、オイルの漏れを減少させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−128371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような油圧装置では、バルブボディに形成された油路に対してオイルを流通させるオイルポンプがバルブボディと別部材として設けられているので、油圧装置が全体として大型化してしまっていた。
【0006】
そこで、この発明は、小型化することができる油圧装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、回転可能に設けられた駆動軸の端部に隣接配置されたバルブボディと、前記バルブボディに設けられると共に前記駆動軸の端部に連結するオイルポンプと、前記バルブボディに設けられ前記オイルポンプから吐出される油圧を調整するレギュレータと、前記バルブボディに設けられ外部への前記油圧の供給を断続制御するソレノイドバルブと、前記バルブボディに設けられ前記油圧の上昇によって作動されるリリーフバルブと、前記バルブボディに設けられ前記オイルポンプと前記レギュレータと前記ソレノイドバルブと前記リリーフバルブとに連結され前記オイルが流通される油路とを備えたことを特徴とする。
【0008】
この油圧装置では、オイルポンプがバルブボディに設けられると共に駆動軸の端部に連結するので、オイルポンプとバルブボディとを一体化することができ、油圧装置のコンパクト化を達成することができる。
【0009】
従って、このような油圧装置では、コンパクト化を達成することができ、小型化することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、小型化することができる油圧装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る油圧装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る油圧装置のバルブボディの正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る油圧装置の図2におけるX−X断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る油圧装置のバルブボディの組付面側の側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る油圧装置のバルブボディの図4と反対側の側面図である。
【図6】図5のY−Y断面図である。
【図7】図5のZ−Z断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る油圧装置の第1ハウジングの正面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る油圧装置の第2ハウジングの正面図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る油圧装置における油圧回路を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る油圧装置の分解斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る油圧装置のバルブボディの側面図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る油圧装置のバルブボディの正面図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る油圧装置のバルブボディの図12と反対側の側面図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る油圧装置の第2ハウジングの正面図である。
【図16】本発明の第3実施形態に係る油圧装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜図16を用いて本発明の実施の形態に係る油圧装置について説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1〜図10を用いて第1実施形態について説明する。
【0014】
本実施の形態に係る油圧装置1は、回転可能に設けられた駆動軸3の端部に隣接配置されたバルブボディ5と、バルブボディ5に設けられると共に駆動軸3の端部に連結するオイルポンプ9と、バルブボディ5に設けられオイルポンプ9から吐出される油圧を調整するレギュレータ11と、バルブボディ5に設けられ外部への油圧の供給を断続制御するソレノイドバルブ35と、バルブボディ5に設けられ油圧の上昇によって作動されるリリーフバルブ13と、バルブボディ5に設けられた逆止弁33と、バルブボディ5に設けられオイルポンプ9とレギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13と逆止弁33とに連結されオイルが流通される油路10,12,14,15,16,17,18とを備えている。
【0015】
また、バルブボディ5は、第1ハウジング19と、第2ハウジング21とからなり、オイルポンプ9は、駆動軸3の端部に連結したポンプギヤ51,53を有する内接ギヤポンプであり、ポンプギヤ51,53は、第1ハウジング19に形成された凹部50に収容配置され、オイルポンプ9の吸入側及び吐出側にオイルが流通する油路17が、第2ハウジング21に形成されている。
【0016】
さらに、レギュレータ11とソレノイドバルブ35及び逆止弁33とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向で、互いに一側と他側とに分離して第1ハウジング19に配置されている。
【0017】
また、レギュレータ11とリリーフバルブ13及び逆止弁33とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向に向けて第1ハウジング19に形成された組付面27から第1ハウジング19に組み付けられている。
【0018】
なお、逆止弁33は、駆動軸3が通常と逆に回転するときに油路18や油路14に圧力が生じ、バルブ11,13が損傷するのを防止するためのセーフティ機能を持たせるために油路12を介してオイルポンプ9の吸入側と吐出側とのオイルの循環機能を持たせている。
【0019】
さらに、第1ハウジング19は、駆動軸3を回転可能に支持するケーシング29の内部に収容され、第2ハウジング21は、ケーシング29の外部に組み付けられてケーシング29を閉塞している。
【0020】
図1〜図9に示すように、バルブボディ5は、回転可能に設けられた駆動軸3の端部に配置されている。駆動軸3は、ケーシング29にベアリング31を介して回転可能に支持されている。この駆動軸3は、変速機構などの出力軸となっており、車両の走行によって回転される。このような駆動軸3の端部に配置されたバルブボディ5は、第1ハウジング19と第2ハウジング21とからなる。
【0021】
第1ハウジング19は、筐体状に形成され、中央部に駆動軸3の端部が挿通されている。また、第1ハウジング19には、ケーシング29内に設けられたストレーナ7と連通する吸入路45からオイルを導入するオイルポンプ9が設けられ、外部の同一面に設けられた組付面27からレギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とが内部に組み付けられる。また、オイルポンプ9は、第1ハウジング19の合わせ面23の中央部に形成された凹部50内に配置されている。また、レギュレータ11とソレノイドバルブ35とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向で、互いに一側と他側と(例えば、図3における上下方向、或いは紙面の表裏方向)に分離して第1ハウジング19に配置されている。また、レギュレータ11とリリーフバルブ13とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向(例えば、図4における左右方向、或いは紙面の表裏方向)に向けて第1ハウジング19に形成された組付面27から第1ハウジング19に組み付けられている。また、第1ハウジング19には、ソレノイドバルブ35に連通され図示外の断続機構を締結するために図示外の油圧シリンダに連通される孔37が設けられ、この孔37の端部は、ボール39によって閉塞されている。また、孔37から図示外の油圧シリンダへは、駆動軸3に設けられた径方向孔38と軸方向孔40などを介して流通される。この第1ハウジング19は、駆動軸3が挿通されたケーシング29内に収容される。この第1ハウジング19のケーシング29と反対側には、第2ハウジング21が複数のボルト41を介して固定される。
【0022】
第2ハウジング21は、蓋状に形成され、複数のボルト43を介してケーシング29を閉塞するようにケーシング29に固定される。また、第2ハウジング21の側面には、吸入路45、この吸入路45の側面側は、プラグ47によって閉塞されている。この第2ハウジング21と第1ハウジング19との合わせ面23,25には、それぞれ油路15,17が設けられている。
【0023】
第1ハウジング19に形成されたレギュレータ11を介して油路17と連通する油路15は、第1ハウジング19の合わせ面23に溝状に形成された油路17にレギュレータ11を介して接続され、第1ハウジング19と第2ハウジング21とが組み付けられた状態で開口側が第2ハウジング21によって閉塞される。油路17は、第2ハウジング21の合わせ面25に溝状に形成され、第1ハウジング19と第2ハウジング21とが組み付けられた状態で開口側が第1ハウジング19によって閉塞される。また、オイルポンプ9の吸入側及び吐出側は、リリーフバルブ13を介して油路17と油路14とで連通され、逆止弁33を介して油路12と油路10とで連通されており、オイルポンプ9の正逆回転の作動に応じてオイルが流通される。また、第1ハウジング19に形成されてオイルポンプ9の吐出側で油路17と分岐する油路16は、ソレノイドバルブ35に接続されている。これらの油路10,12,14,15,16,17,18は、バルブボディ5に設けられたストレーナ7とオイルポンプ9とレギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13と逆止弁33とを連結し、油圧回路49を構成している。
【0024】
図10に示すように、油圧回路49は、流通するオイルが大気圧とされた大気圧路Raと、オイルポンプ9によって油圧が付与されたオイルが流通する油圧路Rpと、駆動力の伝達を断続する断続機構(不図示)などを断続操作するピストン(不図示)を作動可能な制御圧に調整されたオイルが流通する制御圧路Rcとを備えている。これらの大気圧路Raと油圧路Rpと制御圧路Rcとの間には、ストレーナ7とオイルポンプ9とレギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13と逆止弁33とが設けられている。
【0025】
ストレーナ7には、大気圧路Raからオイルが流入されて異物をろ過されてオイルポンプ9の吸入側に導き、オイルポンプ9によって油圧路Rpを流通される。
【0026】
なお、油路20は、ソレノイドバルブ35の作動により、オイルを大気側のハウジング29内に逃がす通路であり、油路22に連通し油溜りに接続される。
【0027】
オイルポンプ9は、ポンプギヤ51,53を有するギヤポンプからなる。このオイルポンプ9は、駆動軸3の端部に配置され、駆動軸3の回転よって作動される。ここで、一般的にはオイルポンプ9はエンジンなどの駆動源側からの動力によって作動されるが、駆動軸3は出力軸であるので、車両が走行している間は回転している。このため、オイルポンプ9は、車両が走行している間は常時作動される。このオイルポンプ9は、ストレーナ7が固定配置されたケーシング29内に貯留されたオイルに油圧を付与して油圧路Rpを流通させる。
【0028】
レギュレータ11は、スプール55とプレート57によって第1ハウジング19からの抜けが防止されたスプリング59とを有し、大気圧路Raと油圧路Rpとの間に設けられている。また、レギュレータ11近傍の油圧路Rpには、オイルの流量を求めるオリフィス61が設けられている。このレギュレータ11は、大気圧路Raと油圧路Rpとの連通を制御しながらオイルポンプ9から吐出されて油圧路Rpを流通するオイルの圧力が基準値の範囲内となるように調整する。
【0029】
ソレノイドバルブ35は、ブラケット73をボルト75で第1ハウジング19に固定することによって第1ハウジング19に組み付けられ、大気圧路Raと油圧路Rpと制御圧路Rcとの間に設けられている。このソレノイドバルブ35は、油圧路Rpを流通するオイルを断続制御し、制御圧路Rcから外部に設けられたピストンへの油圧の供給を断続制御する。
【0030】
リリーフバルブ13は、ボール63とプレート65によって第1ハウジング19からの抜けが防止されボール63に付勢力を付与するスプリング67とを有し、大気圧路Raと油圧路Rpとの間に設けられている。このリリーフバルブ13は、油圧路Rpを流通するオイルの圧力が基準値以上に上昇した場合に開放するように作動され、油圧路Rpと大気圧路Raとを連通させる。
【0031】
逆止弁33は、ボール69とプレート65によって第1ハウジング19からの抜けが防止されボール69に付勢力を付与するスプリング71とを有し、駆動軸3が逆回転したときにレギュレータ11やリリーフバルブ13が損傷するのを防止している。
【0032】
このような油圧装置1の組付けは、第1ハウジング19にレギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とを組み付ける。また、ソレノイドバルブ35とオイルポンプ9とを第1ハウジング19に組み付ける。この各部材が組み付けられた第1ハウジング19を複数のボルト41で第2ハウジング21に組み付ける。そして、第1ハウジング19と第2ハウジング21とが組み付けられたバルブボディ5を複数のボルト43でケーシング29に組み付けて組付けを完了する。このようにバルブボディ5がケーシング29の内部に組み付けられる油圧装置1を、内装タイプの油圧装置という。
【0033】
このような油圧装置1では、オイルポンプ9がバルブボディ5に設けられると共に駆動軸3の端部に連結するので、オイルポンプ9とバルブボディ5とを一体化することができ、油圧装置1のコンパクト化を達成することができる。
【0034】
従って、このような油圧装置1では、コンパクト化を達成することができ、小型化することができる。
【0035】
また、バルブボディ5は、第1ハウジング19と、第2ハウジング21とからなる。さらに、オイルポンプ9は、駆動軸3の端部に連結したポンプギヤ51,53を有するギヤポンプである。加えて、ポンプギヤ51,53は、第1ハウジング19に形成された凹部50に収容配置され、オイルポンプ9の吸入側及び吐出側にオイルが流通する油路17が、第2ハウジング21に形成されている。
【0036】
このため、油圧装置1では、オイルポンプ9の配置が適切に行われ、油路17の形成を容易にすることができ、コンパクト化を達成することができる。
【0037】
さらに、レギュレータ11とソレノイドバルブ35とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向で、互いに一側と他側とに分離して第1ハウジング19に配置されているので、オイルポンプ9に対するレギュレータ11とソレノイドバルブ35との配置位置を特定し、油圧装置1全体の配置バランスとコンパクト化を達成することができる。
【0038】
また、レギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とは、オイルポンプ9の回転軸線に対して交差方向に向けて第1ハウジング19に形成された組付面27から第1ハウジング19に組み付けられているので、レギュレータ11とリリーフバルブ13及び逆止弁33の取付方向を規定し、組付面27を集約することで、コンパクト化を達成することができる。
【0039】
さらに、第1ハウジング19は、駆動軸3を回転可能に支持するケーシング29の内部に収容され、第2ハウジング21は、ケーシング29の外部に組み付けられてケーシング29を閉塞しているので、ケーシング29と第1ハウジング19と第2ハウジング21との組付関係を規定し、詳細には内装タイプの油圧装置1においても、コンパクト化を達成することができる。
【0040】
なお、従来の油圧装置では、バルブボディとして、一対のバルブボデー構成体とセパレートプレートとの少なくとも3部材が必要である。このため、バルブボディの分割部品が多く、この分割部品を組み付けるための固定部品も多くなるなど、部品点数が増加していた。
【0041】
これに対して油圧装置1では、バルブボディ5を第1ハウジング19と第2ハウジング21とからなる2分割構造とすることができるので、セパレートプレートのような中間部材や組付けに要する部材などを削減することができ、部品点数を削減することができる。
【0042】
(第2実施形態)
図11〜図15を用いて第2実施形態について説明する。
【0043】
本実施の形態に係る油圧装置101は、レギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13及び逆止弁33とは、第2ハウジング105に組み付けられている。
【0044】
また、第1ハウジング103には、駆動軸3(図3参照)が挿通されてオイルポンプ9が設けられ、第1ハウジング103と第2ハウジング105は、駆動軸を回転可能に支持するケーシング(不図示)の外部に組み付けられている。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して説明を省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、構成及び機能説明は第1実施形態を参照するものとし省略するが、得られる効果は同一である。
【0045】
図11〜図15に示すように、第1ハウジング103は、蓋状に形成され、複数のボルト117を介して第2ハウジング105を閉塞するように第2ハウジング105に固定される。これら第1ハウジング103と第2ハウジング105とで、バルブボディ119を構成している。また、第1ハウジング103には、中央部に駆動軸(不図示)の端部が挿通され、この駆動軸の端部に配置されるようにオイルポンプ9が収容配置される凹部50が形成されている。また、第1ハウジング103の第2ハウジング105と反対側は、Oリング121を介してケーシングの外部に取り付けられる。
【0046】
第2ハウジング105は、筐体状に形成され、外部の同一面に設けられた組付面107からレギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13と逆止弁33とが内部に組み付けられる。なお、レギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とは、プレート57,65(図1参照)に替えて、Oリング109を介してプラグ111とボルト113で固定されたブラケット115によって第2ハウジング105からの抜けが防止されている。この第2ハウジング105は、第1ハウジング103を挟んでケーシングの外部に取り付けられる。これら第1ハウジング103と第2ハウジング105との合わせ面123には、油路125が設けられている。
【0047】
油路125は、第2ハウジング105に対して第2ハウジング105の合わせ面123に溝状に形成され、又、レギュレータ11、ソレノイドバルブ35、リリーフバルブ13、逆止弁33、ハウジング29内のオイル溜まりなどに連通する孔形状に形成され、第1ハウジング103と第2ハウジング105とが組み付けられた状態で溝状及び孔形状の一端開口側が第1ハウジング103によって閉塞される。この油路125は、バルブボディ119に設けられたストレーナとオイルポンプ9とレギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とソレノイドバルブ35とを連結し、油圧回路を構成している。なお、油圧回路は、図10に示す油圧回路49と同様に設定されているので、図15において第1実施形態と合わせた符号を付記している。
【0048】
このような油圧装置101の組付けは、第2ハウジング105にレギュレータ11とリリーフバルブ13と逆止弁33とソレノイドバルブ35とを組み付ける。また、第1ハウジング103にオイルポンプ9を組み付ける。この各部材が組み付けられた第2ハウジング105に複数のボルト117でオイルポンプ9が組み付けられた第1ハウジング103を組み付ける。そして、第1ハウジング103と第2ハウジング105とが組み付けられたバルブボディ119をケーシングの外部に組み付けて組付けを完了する。このようにバルブボディ119がケーシングの外部に組み付けられる油圧装置101を、外装タイプの油圧装置という。
【0049】
このような油圧装置101では、レギュレータ11とソレノイドバルブ35とリリーフバルブ13とが第2ハウジング105に組み付けられているので、それぞれの機能部品の配置を各ハウジング103,105に適正に分散させることで、装置全体のコンパクト化を達成することができる。
【0050】
また、第1ハウジング103には、駆動軸が挿通されてオイルポンプ9が設けられ、第1ハウジング103と第2ハウジング105は、駆動軸を回転可能に支持するケーシングの外部に組み付けられているので、ケーシングと第1ハウジング103と第2ハウジング105との組付関係を規定し、詳細には外装タイプの油圧装置101においても、コンパクト化を達成することができる。
【0051】
(第3実施形態)
図16を用いて第3実施形態について説明する。
【0052】
本実施の形態に係る油圧装置201は、第1ハウジング203とケーシング205とは、一体形成されている。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して説明を省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、構成及び機能説明は第1実施形態を参照するものとし省略するが、得られる効果は同一である。
【0053】
図16に示すように、第1ハウジング203には、オイルポンプ9とが設けられ、レギュレータ11(図7参照)とリリーフバルブ13(図6参照)と逆止弁33(図6参照)とが内部に組み付けられている。また、ケーシング205は、ベアリング31を介して駆動軸3を回転可能に支持している。この第1ハウジング203とケーシング205とは、連続する一部材で形成されており、開口面にボルト43で第2ハウジング21が固定されて内部を閉塞している。また、一体構造の第1ハウジング203及びケーシング205と第2ハウジング21との合わせ面23,25には、油路15,17が形成されている。このため、第1ハウジング203と第2ハウジング21とを組み付けてからケーシング205に組み付ける必要がなく、各部材を組み付けた一体構造の第1ハウジング203及びケーシング205に対して第2ハウジング21を組み付ければよく、装置の組付性を向上することができると共に、部品点数をさらに削減することができる。
【0054】
このような油圧装置201では、第1ハウジング203とケーシング205とが一体形成されているので、第1ハウジング203とケーシング205とを共用することで、部品点数を削減し、コンパクト化を達成することができる。
【0055】
なお、本発明の実施の形態に係る油圧装置では、第1ハウジングと第2ハウジングとの合わせ面にそれぞれ油路を形成させているが、いずれか一方のハウジングに油路を集約して形成させてもよい。
【0056】
また、オイルポンプを作動させる駆動軸を出力軸としているが、エンジンなどの駆動源によってオイルポンプを作動させる構造としてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1,101,201…油圧装置
3…駆動軸
5…バルブボディ
9…オイルポンプ
11…レギュレータ
13…リリーフバルブ
15,17,125…油路
19,103,203…第1ハウジング
21,105…第2ハウジング
27…組付面
29,205…ケーシング
33…逆止弁
35…ソレノイドバルブ
50…凹部
51,53…ポンプギヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に設けられた駆動軸の端部に隣接配置されたバルブボディと、前記バルブボディに設けられると共に前記駆動軸の端部に連結するオイルポンプと、前記バルブボディに設けられ前記オイルポンプから吐出される油圧を調整するレギュレータと、前記バルブボディに設けられ外部への前記油圧の供給を断続制御するソレノイドバルブと、前記バルブボディに設けられ前記油圧の上昇によって作動されるリリーフバルブと、前記バルブボディに設けられ前記オイルポンプと前記レギュレータと前記ソレノイドバルブと前記リリーフバルブとに連結され前記オイルが流通される油路とを備えたことを特徴とする油圧装置。
【請求項2】
請求項1記載の油圧装置であって、
前記バルブボディは、第1ハウジングと、第2ハウジングとからなり、前記オイルポンプは、前記駆動軸の端部に連結したポンプギヤを有するギヤポンプであり、前記ポンプギヤは、前記第1ハウジングに形成された凹部に収容配置され、前記オイルポンプの吸入側及び吐出側に前記オイルが流通する前記油路が、前記第2ハウジングに形成されていることを特徴とする油圧装置。
【請求項3】
請求項2記載の油圧装置であって、
前記レギュレータと前記ソレノイドバルブとは、前記オイルポンプの回転軸線に対して交差方向で、互いに一側と他側とに分離して前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとのうちいずれか一方のハウジングに配置されていることを特徴とする油圧装置。
【請求項4】
請求項3記載の油圧装置であって、
前記レギュレータと前記リリーフバルブとは、前記オイルポンプの回転軸線に対して交差方向に向けて前記一方のハウジングに形成された組付面から前記一方のハウジングに組み付けられていることを特徴とする油圧装置。
【請求項5】
請求項2又は3記載の油圧装置であって、
前記レギュレータと前記ソレノイドバルブと前記リリーフバルブとは、前記第2ハウジングに組み付けられていることを特徴とする油圧装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の油圧装置であって、
前記第1ハウジングは、前記駆動軸を回転可能に支持するケーシングの内部に収容され、前記第2ハウジングは、前記ケーシングの外部に組み付けられて前記ケーシングを閉塞していることを特徴とする油圧装置。
【請求項7】
請求項6記載の油圧装置であって、
前記第1ハウジングと前記ケーシングとは、一体形成されていることを特徴とする油圧装置。
【請求項8】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の油圧装置であって、
前記第1ハウジングには、前記駆動軸が挿通されて前記オイルポンプが設けられ、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングは、前記駆動軸を回転可能に支持するケーシングの外部に組み付けられていることを特徴とする油圧装置。
【請求項1】
回転可能に設けられた駆動軸の端部に隣接配置されたバルブボディと、前記バルブボディに設けられると共に前記駆動軸の端部に連結するオイルポンプと、前記バルブボディに設けられ前記オイルポンプから吐出される油圧を調整するレギュレータと、前記バルブボディに設けられ外部への前記油圧の供給を断続制御するソレノイドバルブと、前記バルブボディに設けられ前記油圧の上昇によって作動されるリリーフバルブと、前記バルブボディに設けられ前記オイルポンプと前記レギュレータと前記ソレノイドバルブと前記リリーフバルブとに連結され前記オイルが流通される油路とを備えたことを特徴とする油圧装置。
【請求項2】
請求項1記載の油圧装置であって、
前記バルブボディは、第1ハウジングと、第2ハウジングとからなり、前記オイルポンプは、前記駆動軸の端部に連結したポンプギヤを有するギヤポンプであり、前記ポンプギヤは、前記第1ハウジングに形成された凹部に収容配置され、前記オイルポンプの吸入側及び吐出側に前記オイルが流通する前記油路が、前記第2ハウジングに形成されていることを特徴とする油圧装置。
【請求項3】
請求項2記載の油圧装置であって、
前記レギュレータと前記ソレノイドバルブとは、前記オイルポンプの回転軸線に対して交差方向で、互いに一側と他側とに分離して前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとのうちいずれか一方のハウジングに配置されていることを特徴とする油圧装置。
【請求項4】
請求項3記載の油圧装置であって、
前記レギュレータと前記リリーフバルブとは、前記オイルポンプの回転軸線に対して交差方向に向けて前記一方のハウジングに形成された組付面から前記一方のハウジングに組み付けられていることを特徴とする油圧装置。
【請求項5】
請求項2又は3記載の油圧装置であって、
前記レギュレータと前記ソレノイドバルブと前記リリーフバルブとは、前記第2ハウジングに組み付けられていることを特徴とする油圧装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の油圧装置であって、
前記第1ハウジングは、前記駆動軸を回転可能に支持するケーシングの内部に収容され、前記第2ハウジングは、前記ケーシングの外部に組み付けられて前記ケーシングを閉塞していることを特徴とする油圧装置。
【請求項7】
請求項6記載の油圧装置であって、
前記第1ハウジングと前記ケーシングとは、一体形成されていることを特徴とする油圧装置。
【請求項8】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の油圧装置であって、
前記第1ハウジングには、前記駆動軸が挿通されて前記オイルポンプが設けられ、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングは、前記駆動軸を回転可能に支持するケーシングの外部に組み付けられていることを特徴とする油圧装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−72849(P2012−72849A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218642(P2010−218642)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000225050)GKNドライブラインジャパン株式会社 (409)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000225050)GKNドライブラインジャパン株式会社 (409)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]