説明

油性メイクアップ化粧料

【課題】 二次付着防止効果があり、化粧膜のツヤ感の持続性と保湿効果に優れる油性メイクアップ化粧料で、しかも保存中に変色することなく、二次付着防止効果や化粧膜のツヤ感の持続性、保湿効果は製造直後と同様に得られる油性メイクアップ化粧料を提供する。
【解決手段】 次の成分(a)〜(c);(a)ダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物、(b)長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、寒天、(c)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体を配合することにより、保存中に変色が起きず、二次付着防止効果があり、化粧膜のツヤ感の持続性と保湿効果に優れる油性メイクアップ化粧料に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次付着防止効果があり、化粧膜のツヤ感の持続性と保湿効果に優れる油性メイクアップ化粧料で、しかも保存中に変色することなく、二次付着防止効果や化粧膜のツヤ感の持続性、保湿効果は製造直後と同様に得られる油性メイクアップ化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、油性メイクアップ化粧料は、粉末系のメイクアップ化粧料や水系、乳化系のメイクアップ化粧料に比べ、化粧効果の持続性や、うるおいが感じられる保湿効果が重要な品質として求められている。また、化粧効果の持続性では、発色とツヤ感が持続して、化粧料が衣服等に付着しない、いわゆる二次付着防止効果を向上させることが求められてきた。しかし、二次付着防止効果を向上させると、ツヤ感や保湿効果が得られないという欠点があったため、これを解決するために、特定のエステル化合物と特定の二次付着防止剤の組み合わせ、すなわち油剤と二次付着防止剤の両者に吸水効果のあるものを組み合わせることにより化粧膜を増粘し肌や口唇への付着力を向上させた技術(例えば、特許文献1参照)が開発された。しかしながら、この技術は、吸水性物質や揮発性物質を含むため、経時での外観の安定性に留意する必要があった。
具体的には、吸水性物質を含む場合には、保存中は、できるだけ水分との接触を避ける必要があった。特に、化粧料中に含まれる有機色素は、水や有機溶剤により色素が溶出するというブリーディングを起こし、保存中に化粧料が変色することがあったため、吸水性物質が存在する場合は特に留意する必要があった。
【0003】
このようなブリーディングを防止する技術としては、ブリーディングを起こす物質を被覆したり、他の物質と複合粉体を形成したりすることが検討されてきた。例えば、特定の無機粉体と有機色素と無機塩を用いて複合粉体とする技術(例えば特許文献2)がある。
また、粉体の分散性を向上させる技術としては、粉体を特定のフッ素処理をする技術(例えば特許文献3)が検討されていた。
【0004】
【特許文献1】特開2007−269760号公報
【特許文献2】特開平11−12493号公報
【特許文献3】特表2003−518024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の技術では、二次付着防止効果があり、しかも化粧膜のツヤ感の持続性と保湿効果は得られるものの、保存中に二次付着防止剤が水分を吸収し、外観が変化するという問題が生じる場合があった。またそれにより、二次付着防止効果や化粧膜のツヤ感の持続性、保湿効果が損なわれる場合があった。そこで、有機色素等のブリーディングを起こす物質を被覆剤で処理したり、他の物質と複合粉体を形成してたりして配合することにより解決できると考えたが、二次付着防止剤を含む場合、粉体の分散性が十分に得られず、発色が悪くなり、化粧膜が均一にならない場合があった。
【0006】
このため、保存中に変色が起きず、二次付着防止効果があり、化粧膜のツヤ感の持続性と保湿効果が得られるものの開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情において、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のエステル化合物であるダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物と、特定二次付着防止剤である水溶性高分子やポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物と、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体とを用いることにより、均一な厚みのある塗布膜になることによりツヤ感の持続性が向上し、肌や口唇との密着感(付着性)が得られるため二次付着防止効果と乾燥感のなさに優れ、さらに経時安定性に優れた油性メイクアップ化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
これは、肌や口唇に塗布後、経時で化粧膜が吸水し、その結果、化粧膜が増粘し、肌や口唇への付着力が向上することにより二次付着防止効果が得られるというメカニズムは、従来の二次付着防止剤のメカニズムと同様であるが、特定のエステル化合物によりトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体の分散性を向上させ、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体が、経時で吸水する水分より有機色素を保護することによりブリーディングを防止し、製造直後と同様に二次付着防止効果に優れた油性メイクアップ化粧料を得ることができた。
【0008】
すなわち本発明は、次の成分(a)および(b);
(a)下記一般式(1)に示すダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物
OCO−R−(−COO−R−OCO−R−)−COOR ・・・(1)
(式中、Rはダイマー酸残基を、Rはダイマージオール残基を、Rはイソステアリルアルコール残基を示し、nは4〜6の数を示す。)
(b)長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、寒天から選ばれる1種または2種以上の二次付着防止剤
(c)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体
を配合する油性メイクアップ化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の油性メイクアップ化粧料は、二次付着防止効果があり、化粧膜のツヤ感の持続性と保湿効果が得られる油性メイクアップ化粧料で、しかも経時安定性に優れる油性メイクアップ化粧料に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(a)のダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物(以下、単に「エステル化合物」と表す場合がある)は、下記一般式(1)で表すことができる。
OCO−R−(−COO−R−OCO−R−)−COOR ・・・(1)
(式中、Rはダイマー酸残基を、Rはダイマージオール残基を、Rはイソステアリルアルコール残基を示し、nは4〜6の数を示す。)
【0011】
本発明に用いられる成分(a)のエステル化合物は、ダイマー酸とダイマージオールから得られるオリゴマーエステルの両末端に存在するカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物である。
出発物質である、ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の分子間重合反応によって得られるが、炭素数が11〜22の不飽和脂肪酸を2量化して得られ、炭素数36程度の二塩基酸が主成分である。CAS番号で、61788−89−4が該当する。また、ダイマー化反応において、二重結合を水素化した、水素添加ダイマー酸が好ましい。市販品としては、例えばPRIPOL1006、同1009、同1015、同1025等(ユニケマ社製)が挙げられる。
ダイマージオールは、前記ダイマー酸及び/又はその低級アルコールエステルを触媒存在下で水素添加して、ダイマー酸のカルボン酸部分をアルコールとした炭素数36程度のジオールを主成分としたものである。市販品としては、例えばPRIPOL2033等(ユニケマ社製)が挙げられる。
イソステアリルアルコールは、ダイマー酸の副産物から得られた脂肪酸を還元して得られるものや、ガーベット法により得られるもの、アルドール縮合法により得られるもの等が挙げられるが、特に限定されずいずれのものを使用することもできる。市販品としては、例えばSpeziol C18 ISOC(コグニス社製)等が挙げられる。
【0012】
成分(a)のエステル化合物の製造方法は特に限定されないが、例えば、ダイマー酸とダイマージオールをエステル化してオリゴマーエステルを得た後、更にイソステアリルアルコールで、カルボキシル基をエステル化することにより得ることができる。また、ダイマー酸とダイマージオール及びイソステアリルアルコールを一度にエステル化させることにより得ることができる。
成分(a)の製造において、中間体としてオリゴマーエステルを得る場合、中間体であるダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルは、それぞれの仕込み比を変えることにより、得られるエステルの平均エステル化度や平均分子量を調整することができる。その仕込み比の範囲は、ダイマー酸1モル当量に対してダイマージオールを0.4〜0.9モル当量であることが好ましい。更に、イソステアリルアルコールでエステル化する場合、残存するカルボキシル基に対し0.8〜1.5モルであることが好ましい。
【0013】
成分(a)のエステル化合物を得る場合の、エステル化反応の条件は特に限定されず、通常用いられる方法で行われる。例えば、触媒としてパラトルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体等を用い、溶媒としてヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等を用いて、50〜260℃で行うことができる。あるいは無溶剤、無触媒でも100〜260℃でエステル化を行うことができる。
【0014】
成分(a)のエステル化合物は、25℃における粘度が10,000〜20,000mPa・sであることが好ましい。このようなエステル化合物としては、LUSPLAN DA−DD−IS(日本精化社製)が挙げられる。尚、粘度は、コーンプレート型粘度計(Haake社製ROTO visco1)を用い、条件は、ずり速度100(1/s)、コーン直径35mm、角度2°で測定した。
【0015】
本発明の油性メイクアップ化粧料における成分(a)の配合量は、特に限定されないが、1〜40質量%(以下、単に「%」と称す)が好ましく、特に、5〜30%がより好ましい。この範囲で配合させると、ツヤの持続性に特に優れるものとなる。
【0016】
本発明に用いられる、成分(b)は、長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、寒天から選ばれる1種または2種以上の二次付着防止剤であり、成分(a)と組み合わせることにより、化粧膜を落ちにくくすることができる。
本発明において、二次付着防止剤とは、吸水性を有する化合物で、特に化粧膜を形成後、経時で化粧膜が吸水し、その結果、化粧膜が増粘することにより、塗布部位への付着力が向上し二次付着防止の作用が生じるものである。
これらの市販品として、例えば長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンとしてABIL EM90(Evonic Goldschmidt社製)、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンとしてKF―6015、KF−6017、KF−6028(信越化学工業社製)、カルボキシビニルポリマーとしてカーボポール940(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしてペミュレンTR−1、TR−2(NOVEON社製)、カーボポール1342(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)等が挙げられる。また、寒天は通常公知の寒天を用いることができ、特開平5−317008号公報に開示されている酸処理等を施して分子を切断させた、低強度寒天等が挙げられる。
これら成分は、何れも必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
【0017】
本発明の油性メイクアップ化粧料における成分(b)の配合量は、特に限定されないが、0.1〜15%が好ましく、特に、0.5〜10%がより好ましい。この範囲で配合させると、二次付着防止効果はもちろんのこと、化粧持ちが良好で、ツヤの持続性に優れるものとなる。
【0018】
本発明に用いられる成分(c)のトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体は、粉体に下記一般式(2)で示されるトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランを表面処理して得られるものである。
C−(CF−(CH−Si−(OCHCH ・・・(2)
また、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で表すと、パーフルオロオクチルトリエトキシシランが挙げられる。
【0019】
粉体をトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理することにより経時安定性に加えて、撥水性および撥油性を付与し、化粧料中に配合した場合に汗や皮脂による化粧崩れを防いで化粧持続性を向上させることが出来る。
【0020】
成分(c)の表面処理に用いられる粉体としては通常化粧料に用いられるものであればいずれのものでもよく、球状、板状、紡錘状、針状等の形状や煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、あるいは多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等を使用することがでる。具体的な粉体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄(ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄)、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、二酸化珪素(シリカ)、炭化珪素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、有機顔料処理雲母チタン、酸化チタン処理ガラス末、酸化鉄酸化チタン処理ガラス末、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等を例示することができ、
これらを1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良い。
【0021】
トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランの粉体への表面処理方法は特に限定されないが、例えば特開2007−238690に記載の方法に従って処理することが出来る。
例えば、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランをミキサー内で添加あるいは滴加することにより粉体と混合した後、熱処理を行い必要に応じて開砕することにより目的とする表面処理粉体を得ることができる。あるいは、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランをアセトン、トルエン等の有機溶媒に加熱溶解もしくは分散し、その中に粉体を加えて混合した後に有機溶媒を除去し、乾燥後解砕することにより目的とする表面処理粉体を得ることができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲でトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン以外のフッ素化合物やシリコーン系油剤、炭化水素等、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、金属石ケン、界面活性剤などの他のコーティング剤で前処理または同時に処理しても良い。
【0022】
成分(c)のトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランの粉体への処理量は粉体質量に対して0.05〜20%が好ましく、0.1〜15%の範囲がより好ましい。この範囲であれば処理剤同士の縮合や未反応の処理剤の残存による感触や流動性への悪影響などが起きることなく、粉体に対して撥水撥油性や油剤中での分散性を十分に付与することができる。また、本発明に用いられる粉体は全てトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで処理したものを使用する必要はなく、本発明の効果を妨げない範囲で未処理の粉体や一般油剤、他のフッ素系油剤、シリコーン系油剤、界面活性剤等で処理したものを組み合わせて使用することもできる。
【0023】
成分(c)の配合量は特に限定されないが、0.1%〜30%が好ましく1%〜20%がより好ましい。この範囲であれば、得られた化粧膜は、ムラ付きのない均一な仕上がりで、ツヤの持続性に優れた油性メイクアップ化粧料が得られる。
【0024】
また、本発明において、成分(a)以外で、更に油剤を配合することにより、硬さや塗布時の感触を調整できる。ここで用いる油剤としては、通常化粧料に用いられる油分であれば特に制約なく使用することができ、動物油、植物油、合成油等の起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤等を利用することができる。具体的には、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトワックス、エチレンプロピレンコポリマー等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、モクロウ等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ、モンタンワックス等のロウ類、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ホホバ油等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類が挙げられ、油性ゲル化剤として、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリンのデキストリン脂肪酸エステル類、ステアリン酸スクロース、酢酸ステアリン酸スクロースのショ糖脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、およびジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0025】
本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前記必須成分以外の各種成分、例えば、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、水性成分、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、成分(B)以外の水溶性高分子、皮膜形成剤、褪色防止剤、消泡剤、香料などを各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
【0026】
界面活性剤は粉体の分散性向上の目的で用いることができ、化粧料一般に用いられている界面活性剤であれば特に制約はなく、非イオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が使用される。更に、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系や、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられ、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。
更に、水性成分はモイスチャー効果を付与する目的で用いることができ、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。
また更に、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、1,3−ブチレングリコール、フェノキシエタノール等がそれぞれ挙げられる。
【0027】
本発明の油性メイクアップ化粧料は、特に限定されないが、形状として固形状、半固形状、液状のものが挙げられ、また、口紅、リップグロス、下地用のリップベース、口紅オーバーコート、リップクリームや、アイカラー、フェイスカラー、ファンデーション等が挙げられる。中でも、口紅、リップグロス、下地用のリップベース、口紅オーバーコート、リップクリーム等の口唇用化粧料とすると、他のものに比べ保存中の色変化が目立ちより効果を発揮することができるため好ましい。
本発明において油性メイクアップ化粧料とは、液状、半固形状又は固形状の油剤や油溶性化合物である油性成分を連続相とする実質的に水を含まない化粧料のことをいう。
【0028】
本発明の油性メイクアップ化粧料の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、成分(a)、(b)と、他の油剤を約110℃にて加熱溶解後、成分(c)を含む粉体成分を加えて、均一混合し、加熱して、脱泡後、再度溶融し、容器に充填し、冷却することにより得ることができる。
【0029】
次に合成例、実施例をもって本発明をより詳細に説明する。本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0030】
(合成例1)
「ダイマー酸ダイマージオールオリゴマーエステルイソステアリルアルコールエステル化合物」
水素添加ダイマー酸(PRIPOL1006:ユニケマ社製)200g(0.348モル)及びダイマージオール(PRIPOL2033:ユニケマ社製)132g(0.243モル)を反応器に仕込み、窒素気流中210〜220℃に加熱し、生成する水を留去しながら5時間エステル化反応を行い、中間体であるダイマー酸ダイマージオールオリゴマーエステル(ダイマー酸:ダイマージオール=1:0.7)323gを得た。さらに、当該オリゴマーエステル307gとイソステアリルアルコール(Speziol C18 ISOC:コグニス社製)59g(0.217モル)を反応器に仕込み、窒素気流中210〜220℃に加熱し、生成する水を留去しながら10時間エステル化反応を行い、目的のエステル化合物351gを得た。得られたエステル化合物は、色相ガードナー2、酸価5.2、ケン化価111、粘度15,000mPa・s、屈折率1.48であった。
【0031】
(実施例1〜7及び比較例1〜6) スティック状口紅
表1及び表2に示す処方及び下記に示す製造方法により、スティック状口紅を製造した。得られた各スティック状口紅について、下記に示す評価方法で、目視にて外観を評価し、官能評価により、ツヤ感の持続性、二次付着防止効果、保湿効果としてうるおい感を評価した。その結果を表1及び表2にあわせて示す。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
*1:EP−700(ニューフェーズテクノロジー社製)
*2:合成例1のエステル化合物
*3:ポリブテン100R(出光興産社製)
*4:ペミュレン TR−2(NOVEON社製)
*5:KF−6028(信越化学工業社製)
*6:AEROSIL R972(日本アエロジル社製)
*7:トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理
*8:ジメチコン3%処理
*9:パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩5%処理
(製造方法)
A:成分1〜11を110〜120℃にて加熱溶解後、成分12〜22を加えて、均一混合する。
B:Aに成分23〜26を加えて均一に混合する。
C:Bに成分27を加えて加熱し、脱泡後、金型に流し込み充填し、冷却して成型する。
【0035】
(評価方法)
(イ)の外観については、専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価1にて7段階に評価し評点を付け、試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。試料は、保存温度40℃、湿度75%の条件で2週間保存したサンプルと室温にてデシケーター中に保存したサンプルを対象として、その差を評価したが、それぞれの差は全く差がないもの(6点)から、顕著な差がみられるもの(0点)まで、7段階にわけて、それぞれどのレベルかを評点とした。
(ロ)のツヤ感の持続性、(ハ)の二次付着防止効果(ニ)の保湿効果について、専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価2にて7段階に評価し評点を付け、試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。試料は、保存温度40℃、湿度75%の条件で2週間保存したサンプルに対して評価した。
尚、(ロ)のツヤ感の持続性と(ニ)の保湿効果については、各試料を唇に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、3時間後のツヤ感及び保湿効果(うるおい感が得られたかどうか)について評価した。
また、(ハ)の二次付着防止効果については、各試料を唇に塗布し、一時間後ティッシュペーパーを唇にあて、ティッシュペーパーへの転写のなさの程度を評価した。
尚、表1及び表2には判定結果とともに、平均値を記載した。
【0036】
(評価項目)
(イ)外観
(ロ)ツヤ感の持続性
(ハ)二次付着防止効果
(ニ)保湿効果
(絶対評価1)(イ)、(ロ)
(評点):(評価)
6:全く差がない
5:わずかに差があるが殆どわからない
4:多少差があるが並べて比べないとわからない
3:差があるが、並べて比べよく見るとわかる
2:差があり、並べて比べるとよくわかる
1:差があり、比べなくてもわかる
0:顕著な差がある
(絶対評価2)(ハ)、(ニ)、(ホ)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
【0037】
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :5.5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超える5.5点以下:良好
△ :1.5点を超える3.5点以下:やや不良
× :1.5点以下 :不良
【0038】
表1及び表2から明らかなごとく、本発明の実施例1〜7のスティック状口紅は、ブリーディング等は認められず、保存温度40℃、湿度75%の条件で2週間保存した試料と室温にてデシケーター中に保存した試料との外観の差は全くないものであった。更に、保存温度40℃、湿度75%の条件で2週間保存した試料に関しては、ツヤ感の持続性に優れ、唇との密着感の向上により二次付着防止効果が得られるが、うるおい感にも優れるものであった。
これに対して成分(a)が配合されていない比較例1では、化粧膜に厚みをだすことができず、特にツヤ感の持続性、うるおい感の点で良いものが得られなかった。
成分(a)の替わりに、ツヤの向上が期待できるポリブテンを配合した比較例2では、
ポリブテンの粘度が高いため、水分吸収による粘度の変化が得られず、また、抱水性を十分に得ることができないため、特に、二次付着防止効果、うるおい感の点で良いものが得られなかった。
成分(c)の替わりに未処理のセリサイトを配合した比較例3では、分散が十分でなく、また、粉体に撥水効果がないため、ブリーディングがおきてしまい、特に経時での外観の点で良いものが得られなかった。
また、成分(c)の替わりにジメチコン処理を行なったセリサイトを配合した比較例4では、粉体の分散が十分でなく、均一な化粧膜が持続できず、特に経時での外観、ツヤ感の持続、二次付着防止効果の点で、良いものが得られなかった。
更にパーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩処理セリサイトを配合した比較例5では、特に経時での外観、ツヤ感の持続、二次付着防止効果、うるおい感の点で良いものが得られなかった。
また、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩処理セリサイトとパーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩処理赤色202号とセリサイトとパーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩処理黄色4号を組み合わせて配合した比較例6では、各粉体の分散が良好でないため、均一性がなく、鮮やかさが低下してしまい、外観、ツヤ感の持続の点で良いものが得られなかった。
【0039】
(実施例8) 固形状口紅
(成分) (%)
1.セレシンワックス 6
2.ポリエチレンワックス *10 2
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
4.ポリイソブチレン 10
5.流動パラフィン 15
6.エステル化合物 *2 10
7.ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン *11 5
8.煙霧状シリカ *12 3
9.トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン
処理雲母チタン *13 5
10.赤色202号 0.1
11.黄色4号 1.5
12.酸化チタン 2
13.黒酸化鉄 0.2
14.赤色104号アルミニウムレーキ 1.5
15.ビタミンE 0.5
16.香料 適量
*10:Performaren 655(ニューフェーズテクノロジー社製)
*11:KF−6015(信越化学工業社製)
*12:AEROSIL 300(日本アエロジル社製)
*13:トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン2%処理
(製造方法)
A:成分1〜7を100℃にて均一溶解する。
B:Aに成分8〜16を加え均一に分散する。
C:Bを100℃に加熱溶融し、金皿に流し込み、冷却固化して固形状口紅を得た。
実施例8は、二次付着防止効果があり、化粧膜のツヤ感の持続性と保湿効果(うるおい感)が得られる油性メイクアップ化粧料で、しかも保存中に変色が起きず、化粧効果である化粧膜の発色やツヤ感、保湿効果、二次付着防止効果に優れた固形状口紅であった。
【0040】
(実施例9) 油性ゲル状口紅
(成分) (%)
1.デキストリン脂肪酸エステル *14 6
2.エステル化合物 *2 30
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
4.ポリイソブチレン 10
5.流動パラフィン 10
6.重質流動イソパラフィン 15
7.長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン
変性オルガノポリシロキサン *15 10
8.煙霧状シリカ *16 3
9.トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン
処理雲母チタン *13 5
10.赤色202号 0.1
11.黄色4号 0.6
12.酸化チタン 0.5
13.黒酸化鉄 0.1
14.赤色104号アルミニウムレーキ 0.5
15.パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 1
16.ビタミンE 0.5
17.香料 適量
*14:レオパールKL(千葉製粉社製)
*15:ABIL EM90(Evonic Goldschmidt社製)
*16:AEROSIL 380S(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分1〜7を90℃にて均一溶解する。
B:Aに成分8〜17を加え均一に分散する。
C:容器に充填して油性ゲル状口紅を得た。
実施例9は、二次付着防止効果があり、化粧膜のツヤ感の持続性と保湿効果(うるおい感)が得られる油性メイクアップ化粧料で、しかも保存中に変色が起きず、化粧効果である化粧膜の発色やツヤ感、保湿効果、二次付着防止効果に優れた油性ゲル状口紅であった。
【0041】
(実施例10) スティック状リップクリーム
(成分) (%)
1.エチレンプロピレンコポリマー *1 7
2.セレシン 7
3.ミツロウ 5
4.ワセリン 10
5.エステル化合物 *2 20
6.ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン *5 5
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
8.2−エチルヘキサン酸セチル 20
9.酢酸トコフェロール 0.5
10.N−ラウロイル−グルタミン酸ジ(オクチルドデシル
/フィトステリル/ベヘニル) *17 10
11トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン
処理雲母 *18 5
12.ビタミンE 0.5
13.香料 適量
*17:エルデュウ PS−304(味の素社製)
*18:トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理
(製造方法)
A:成分1〜10を110〜120℃にて加熱溶解する。
B:Aに成分11〜13を加えて均一に混合する。
C:Bを脱泡後、110℃にて加熱溶融して型に流し込み充填し、冷却して成型する。
実施例10は、二次付着防止効果があり、化粧膜のツヤ感の持続性と保湿効果(うるおい感)が得られる油性メイクアップ化粧料で、しかも保存中に変色が起きず、化粧効果である化粧膜の発色やツヤ感、保湿効果、二次付着防止効果に優れたスティック状リップクリームであった。
【0042】
(実施例11) 油性ファンデーション
(成分) (%)
1.キャンデリラワックス 5
2.マイクロクリスタリンワックス 10
3.ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン *5 2
4.ポリエチレンワックス *19 0.5
5.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 10
6.エステル化合物 *2 5
7.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセライド 残量
8.煙霧状シリカ *6 0.1
9.微粒子酸化チタン 1
10.微粒子酸化亜鉛 1
11.酸化チタン 8
12.硫酸バリウム 2
13.トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン
処理セリサイト * 15
14.ベンガラ 1
15.黄酸化鉄 2
16.黒酸化鉄 0.5
17.カルボキシビニルポリマー *20 0.1
18.1,3−ブチレングリコール 0.5
19.アロエエキス 適量
20.香料 適量
*19:Performalene 500(ニューフェーズテクノロジー社製)
*20:カーボポール940(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
(製造方法)
A:1〜7を100℃にて均一溶解する。
B:Aに8〜20を加え均一に分散する。
C:Bを100℃に加熱溶融し、金皿に流し込み、冷却固化して油性ファンデーションを得た。
実施例11は、二次付着防止効果があり、化粧膜のツヤ感の持続性と保湿効果(うるおい感)が得られる油性メイクアップ化粧料で、しかも保存中に変色が起きず、化粧効果である化粧膜の発色やツヤ感、保湿効果、二次付着防止効果に優れた油性ファンデーションであった。
【0043】
(実施例12) 油性アイカラー
(成分) (%)
1.マイクロクリスタリンワックス 5
2.セレシンワックス 10
3.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 4
4.α−オレフィンオリゴマー *21 2
5.長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン
変性オルガノポリシロキサン *13 10
6.エステル化合物 *2 10
7.スクワラン 残量
8.ジカプリン酸プロピレングリコール 15
9.ステアリル変性アクリレートシリコーン *22 15
10.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
11.モノオレイン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 0.8
12.寒天 *23 0.1
13.球状ナイロン粉末 5
14.トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン
処理タルク *24 10
15.赤色202号 0.5
16.青色404号 1
17.トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン
処理酸化チタン *7 2
18.煙霧状シリカ *16 1
19.コラーゲン水溶液 適量
20.香料 適量
*21:ノムコートHPD−C(日清オイリオ社製)
*22:KP−561(信越化学工業社製)
*23:伊那寒天 UP−37CS(伊那食品工業社製)
*24:トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理
(製造方法)
A:成分1〜11を100℃にて均一溶解する。
B:Aに成分12〜20を加え、均一に混合分散する。
C:Bを金皿に流し込み、冷却固化して油性アイカラーを得た。
実施例12は二次付着防止効果があり、化粧膜のツヤ感の持続性と保湿効果(うるおい感)が得られる油性メイクアップ化粧料で、しかも保存中に変色が起きず、化粧効果である化粧膜の発色やツヤ感、保湿効果、二次付着防止効果に優れた油性アイカラーであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)〜(c);
(a)下記一般式(1)に示すダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物
OCO−R−(−COO−R−OCO−R−)−COOR ・・・(1)
(式中、Rはダイマー酸残基を、Rはダイマージオール残基を、Rはイソステアリルアルコール残基を示し、nは4〜6の数を示す。)
(b)長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、寒天から選ばれる1種または2種以上の二次付着防止剤
(c)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体を配合することを特徴とする油性メイクアップ化粧料。
【請求項2】
前記成分(b)の配合量が0.1〜15質量%であることを特徴とする請求項1記載の油性化粧料。
【請求項3】
前記の油性メイクアップ化粧料が口唇用化粧料であることを特徴とする請求項1または2記載の油性メイクアップ化粧料。

【公開番号】特開2009−242355(P2009−242355A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94120(P2008−94120)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】