説明

油性組成物及び棒状製剤

【課題】固化されて口唇用の棒状製剤となった場合に、十分な透明性を呈することができ、更には、満足できる使用感も提供することができる油性組成物を提供すること。
【解決手段】(A)下記式(1)で表されるN−アシルアミノ酸誘導体と、(B)ポリアミド樹脂と、(C)液状油分とを含有していることを特徴とする油性組成物。


(式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1〜26の炭化水素基であり、R3は、炭素原子数7〜18の炭化水素基であり、nは、1又は2である)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固化されて口唇用の棒状製剤となる油性組成物、及び、当該棒状製剤、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、棒状製剤である透明口紅の実施例に関する記載がある([0044]、[0045]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−316971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、透明性の程度や口紅としての使用感に関しては、何ら示されていない。
【0005】
ところで、口唇用の棒状製剤、特に口紅においては、見た目の美しさや使用した際の艶感の観点から、高い透明性が、要望されている。しかしながら、特許文献1の実施例では、十分な透明性は得られていない可能性がある。
【0006】
また、口唇は、他の皮膚に比べて非常に鋭敏な感覚を持っており、僅かな変化であっても不快感を感じる場合があるので、使用感の優れた製剤が、特に要望されている。
【0007】
本発明は、固化されて口唇用の棒状製剤となった場合に、十分な透明性を呈することができ、更には、満足できる使用感も提供することができる、油性組成物を、提供すること、及び、当該棒状製剤を提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、固化されて口唇用の製剤となる油性組成物において、
(A)下記式(1)で表されるN−アシルアミノ酸誘導体と、
(B)ポリアミド樹脂と、
(C)液状油分と、
を含有していることを特徴としている。
【0009】
【化1】

【0010】
なお、式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1〜26の炭化水素基であり、Rは、炭素原子数7〜18の炭化水素基であり、nは、1又は2である。
【0011】
本発明の棒状製剤は、本発明の油性組成物を、棒状に固化してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の油性組成物は、固化されて口唇用の棒状製剤となった場合に、十分な透明性を呈することができる。したがって、見た目の美しさや使用した際の艶感を向上でき、製品価値を高めることができる。
【0013】
本発明の棒状製剤は、見た目の美しさや使用した際の艶感を向上でき、製品価値を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(油性組成物)
本発明の油性組成物は、下記の(A)、(B)、及び(C)の成分を含有している。
【0015】
[(A)成分について]
(A)成分は、下記式(1)で表されるN−アシルアミノ酸誘導体である。
【0016】
【化2】

【0017】
なお、式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1〜26の炭化水素基であり、Rは、炭素原子数7〜18の炭化水素基であり、nは、1又は2である。
【0018】
また、R及びRの炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせ、の内のいずれであってもよい。R及びRの炭化水素基としては、不飽和結合を含む炭化水素基を用いてもよいが、アルキル基を用いることが好ましい。R及びRの炭化水素基としては、炭素原子数1〜10の炭化水素基が好ましく、炭素原子数2〜6の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基がより好ましく、炭素原子数3〜5の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基が更に好ましく、n−ブチル基が最も好ましい。
【0019】
の炭化水素基としては、不飽和結合を含む炭化水素基を用いてもよいが、飽和炭化水素基を用いることが好ましい。製造のしやすさの観点から、Rの炭化水素基としては、炭素原子数7〜15の炭化水素基が好ましくは、炭素原子数7〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
【0020】
nは、2が好ましい。したがって、(A)成分としては、N−アシルグルタミン酸誘導体が好ましい。
【0021】
(A)成分としては、具体的には、N−オクタノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−デカノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−パルミトイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドなどを用いることができ、これらの中でも、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ラウロイル−L―グルタミン酸ジブチルアミドを用いるのが好ましく、十分な透明性を確保する観点から、特にこの両者を併用するのが好ましい。
【0022】
本発明の油性組成物において、(A)成分の含有量は、通常は0.1〜25重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%である。また、(A)成分の含有量が0.1重量%未満の場合、ゲル強度が不十分になる場合があり、(A)成分の含有量が25重量%を超えた場合、十分な透明性を確保できない場合がある。
【0023】
[(B)成分について]
(B)成分は、ポリアミド樹脂である。より具体的には、次のとおりである。
【0024】
[1]下記の式(2)で表されるアミド末端ポリアミド樹脂を用いるのが好ましい。
【0025】
【化3】

【0026】
具体的には、商品名「ハイマレートPAM」(高級アルコール工業社製)を用いることができ、これは、(ダイマージリノール酸ビスジオクタデシルアミド/エチレンジアミン)コポリマーであり、式(2)において、Rが、相互に同一又は異なる、直鎖状又は分枝鎖状の、炭素原子数8〜22のアルキル基であり、Rが、ダイマー酸残基又は二塩基酸残基であり、nが、2〜4である。
【0027】
また、商品名「シルバクリアA200V」(アリゾナ ケミカル社製)又は商品名「シルバクリアA2614V」(アリゾナ ケミカル社製)を用いることができ、これは、式(2)において、Rが、炭素原子数14〜18のアルキルアミン基残基であり、Rが、ダイマージリノール酸残基であり、nが、2〜4である。
【0028】
[2]下記式(3)で表されるエステル末端ポリアミド樹脂を用いるのが好ましい。
【0029】
【化4】

【0030】
具体的には、商品名「ユニクリア100VG」(アリゾナ ケミカル社製)を用いることができ、これは、式(3)において、Rが、ステアリルアルコール残基であり、Rが、ダイマージリノール酸残基であり、nが、3又は4である。
【0031】
[3]他のポリアミド樹脂として、例えば、商品名「バーサミド930」(コグニス社製)を用いることができる。
【0032】
なお、特に、(B)成分としては、アミド末端ポリアミド樹脂が好ましく、十分な透明性を確保する観点から、式(2)で表されるポリアミド樹脂(例えば、商品名「ハイマレートPAM」(高級アルコール工業社製))を用いるのがより好ましい。
【0033】
本発明の油性組成物において、(B)成分の含有量は、通常は0.1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2.5〜25重量%である。(B)成分の含有量が0.1重量%未満の場合、十分なパック感を得ることができない場合があり、(B)成分の含有量が40重量%を超えた場合、のびが悪い場合がある。
【0034】
本発明の油性組成物における(A)成分と(B)成分との配合比に関しては、(A)成分1重量部に対して、(B)成分は、通常は0.004〜400重量部、好ましくは0.067〜60重量部、より好ましくは0.4〜4重量部である。上記範囲を超えた場合、十分な透明性を確保することが困難となる場合があり、製剤とした場合の使用感も悪くなる傾向にある。
【0035】
[(C)成分について]
(C)成分は、液状油分である。
【0036】
液状油分としては、25℃で液状を呈する油分を用いるのが好ましく、具体的には、本技術分野で通常使用されている、高級アルコール、アミノ酸誘導体、炭化水素、動植物由来の油脂、硬化油、脂肪酸、エステル油、ラノリン・ラノリン誘導体、低級アルコール、多価アルコール、フッ素油、シリコーン油、ダイマー酸エステル、ダイマージオールエステル、ダイマージオールエーテル、脂肪酸ポリグリセリルなどを用いることができ、これらの中でも、高級アルコール、炭化水素、エステル油、ラノリン・ラノリン誘導体、シリコーン油、動植物由来の油脂、ダイマー酸エステル、ダイマージオールエステル、ダイマージオールエーテルを好ましく用いることができる。
【0037】
より具体的には、次のとおりである。
【0038】
[1]高級アルコール
具体的には、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、イソステアリルアルコール、2−ヘキシルデカノール、オレイルアルコールなどを用いることができる。
【0039】
[2]炭化水素
具体的には、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動パラフィン、ポリブテン、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー、イソヘキサデカン、イソドデカン、ポリイソブテン、流動イソパラフィンなどを用いることができる。
【0040】
[3]エステル油
具体的には、リンゴ酸ジイソステアリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、水添ロジン酸ペンタエリトリット、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸ポリグリセリルなどを用いることができる。
【0041】
[4]ラノリン・ラノリン誘導体
具体的には、液状ラノリンなどを用いることができる。
【0042】
[5]シリコーン油
具体的には、メチルフェニルポリシロキサンなどを用いることができる。
【0043】
[6]動植物由来の油脂
具体的には、マカデミアナッツ油、アボカド油、ローズヒップ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、メドウフォーム油などを用いることができる。
【0044】
[7]ダイマー酸エステル
具体的には、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)などを用いることができる。
【0045】
[8]ダイマージオールエステル
具体的には、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイルなどを用いることができる。
【0046】
[9]ダイマージオールエーテル
具体的には、ヒドロキシアルキル(C12-14)ヒドロキシダイマージリノレイルエーテルなどを用いることができる。
【0047】
本発明の油性組成物において、透明性及び使用感の観点から、(C)成分の含有量は、通常は40〜95重量%、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは65〜90重量%である。
【0048】
なお、本発明の油性組成物は、上記の(A)、(B)、及び(C)の成分に加えて、固形又は半固形油分、用途に応じた有効成分、及び添加成分を、任意に含有してもよい。
【0049】
[固形又は半固形油分について]
固形又は半固形油分としては、25℃で固形又は半固形(液状ではない)を呈する油分を用いるのが好ましく、具体的には、本技術分野で通常使用されている、高級アルコール、アミノ酸誘導体、炭化水素、動植物由来の油脂、硬化油、脂肪酸、エステル油、ラノリン・ラノリン誘導体、フッ素油、シリコーン油、ワックス・ロウ類、硬化油、脂肪酸、ダイマー酸エステルなどを用いることができ、これらの中でも、アミノ酸誘導体、炭化水素、ラノリン・ラノリン誘導体、ワックス・ロウ類、ダイマー酸エステルを好ましく用いることができる。
【0050】
より具体的には、次のとおりである。
【0051】
[1]アミノ酸誘導体
具体的には、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)などを用いることができる。
【0052】
[2]炭化水素
具体的には、ワセリンなどを用いることができる。
【0053】
[3]ラノリン・ラノリン誘導体
具体的には、ラノリンなどを用いることができる。
【0054】
[4]ワックス・ロウ類
具体的には、キャンデリラロウ樹脂などを用いることができる。
【0055】
[5]ダイマー酸エステル
具体的には、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油などを用いることができる。
【0056】
但し、十分な透明性を確保する観点から、本発明の油性組成物は、固形油分を実質的に含有しないことが好ましい。
【0057】
[有効成分について]
具体的には、次のとおりである。
【0058】
[1]抗炎症成分:グリチルレチン酸ステアリル、サリチル酸、アラントインなど。
[2]ビタミン成分:トコフェロール酢酸エステル、ビタミンA油など。
[3]保湿成分:ヒアルロン酸ナトリウム、ハチミツ、ローヤルゼリーエキス、ホエイ、水溶性コラーゲン、セラミドなど。
[4]紫外線吸収成分:パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルなど。
[5]鎮痛成分:メントール、カンフル、サリチル酸、ユーカリ油、サリチル酸メチルなど。
[6]抗菌成分:1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなど。
[7]抗ウイルス成分
【0059】
[添加成分について]
具体的には、着色剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、滑沢剤、pH調整剤、矯味剤(甘味剤を含む)、矯臭剤(香料を含む)、光沢粉体などを用いることができる。
【0060】
(棒状製剤)
本発明の棒状製剤は、上述した本発明の油性組成物を、棒状に固化してなるものである。
【0061】
本発明の棒状製剤を作るには、油性組成物を、加熱して溶解した後に、筒状容器内に充填して冷却する。
【0062】
本発明の棒状製剤に使用される筒状容器としては、公知の筒状容器を特に限定なく使用できるが、使用者の利便性の観点から、口紅やリップクリームなどに汎用されている繰り出し容器を使用することが好ましい。
【実施例】
【0063】
本発明の実施例1〜4の油性組成物と、比較例1〜4の油性組成物と、を調製した。それらの油性組成物が含有している成分は、表1に示すとおりである。すなわち、実施例1〜4の油性組成物は、上述した(A)、(B)、及び(C)の成分を全て含有しているが、比較例1〜4の油性組成物は、(B)成分を含有していない。
【0064】
【表1】

【0065】
なお、表1において、各成分の配合割合を示す数値の単位は、重量部である。
【0066】
実施例1〜4及び比較例1〜4の油性組成物を、加熱して溶解した後に、筒状容器内に充填して冷却し、それにより、棒状製剤を得た。そして、その棒状製剤を用いて、透明性及び使用感を測定した。
【0067】
[透明性について]
油性組成物を充填する上記容器として、光路長10mmのセル(セル寸法10×10×45mm、二面透過タイプ、ポリスチレン製)を用いた。冷却固化して得られた棒状製剤を、25℃で1時間放置し、それを測定用試料として用いた。そして、分光光度計(商品名「UV-2450」、株式会社島津製作所製)を用いて、上記セル内の上記製剤に対する600nmの透過率を測定した。表1においては、85以上を「◎」、75以上85未満を「○」、50以上75未満を「△」、50未満を「×」で示した。
【0068】
[使用感について]
(1)「のび」
アクリル板表面の10cm(5cm×2cm)の領域に、上記製剤を、20mg塗布した。そして、静動摩擦測定機であるトライボマスター(商品名「TL201S」、株式会社トリニティーラボ製)を用いて、上記製剤に関する動摩擦係数を測定した。すなわち、摩擦感テスターを、100gの荷重を加えた状態で2.0mm/秒の速度で移動させ、これにより、動摩擦係数を測定した。なお、測定データは、Condition catcher Model(商品名「MPL-10A-128」、株式会社九州共販製)を用いて、コンピュータへ転送し、コンピュータでは、動摩擦係数の平均値を求めた。
なお、動摩擦係数の平均値は、上記製剤の「すべり性」を示しており、この「すべり性」と「のび」とは、相関関係にあるので、動摩擦係数の平均値に基づいて、「のび」を評価できる。動摩擦係数の平均値が小さい方が、「すべり性」は良い。表1においては、1.00未満を「◎」、1.00以上1.10未満を「○」、1.10以上1.20未満を「△」、1.20以上を「×」で示した。
【0069】
(2)「パック感」
上記「のび」の評価において「○」又は「◎」であった実施例2、3、4と、比較例1と、のみについて、評価した。10人のモニターに、5段階で評価してもらった。「すごくある」を5点、「ある」を4点、「普通」を3点、「ない」を2点、「全然ない」を1点として、合計点を求めた。表2は、その結果を示す。
【0070】
【表2】

【0071】
[考察]
(1)実施例1〜4の油性組成物を固化してなる製剤は、透明度が85以上であり、本技術分野において汎用されている油性ゲル化剤(12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸デキストリン、ポリグリセリン脂肪酸エステル)を使用した比較例1〜3や、(A)成分のみを使用した比較例4と、比較して、透明性が優れている。これは、(B)成分としてポリアミド樹脂を含有しているからである、と考えられる。したがって、本発明の油性組成物は、固化して製剤として使用する場合において、透明であることの利点を十分に発揮できる。
【0072】
(2)実施例1〜4の油性組成物を固化してなる製剤は、「パック感」及び「のび」という使用感も優れている。これは、(B)成分としてポリアミド樹脂を含有しているからである、と考えられる。したがって、本発明の油性組成物は、固化して製剤として使用する場合において、満足できる使用感を提供することができる。
【0073】
(3)実施例2、3の油性組成物を固化してなる製剤は、特に「パック感」が優れている。これは、(C)成分としてダイマー酸エステルを含有しているからである、と考えられる。
【0074】
なお、本発明の棒状製剤の具体例を表3に示す。具体例としては、2つの「口紅」、「スティック状リップグロス」、「透明リップクリーム」を示した。
【0075】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の油性組成物は、固化されて口唇用の製剤となった場合に、十分な透明性を呈することができ、更には、満足できる使用感も提供することができるので、産業上の利用価値が大である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固化されて口唇用の製剤となる油性組成物において、
(A)下記式(1)で表されるN−アシルアミノ酸誘導体と、
(B)ポリアミド樹脂と、
(C)液状油分と、
を含有していることを特徴とする油性組成物。
【化5】

(式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1〜26の炭化水素基であり、Rは、炭素原子数7〜18の炭化水素基であり、nは、1又は2である)
【請求項2】
(B)成分として、(ダイマージリノール酸ビスジオクタデシルアミド/エチレンジアミン)コポリマーを含有している、
請求項1記載の油性組成物。
【請求項3】
(A)成分として、2種類のN−アシルグルタミン酸ジアルキルアミドを含有している、
請求項1又は2に記載の油性組成物。
【請求項4】
(C)成分として、ダイマー酸エステルを含有している、請求項1〜3のいずれか1つに記載の油性組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の油性組成物を、棒状に固化してなることを特徴とする棒状製剤。

【公開番号】特開2010−260825(P2010−260825A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113675(P2009−113675)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(397030400)株式会社アンズコーポレーション (11)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】