説明

泌尿器系障害の処置用のPDE阻害剤およびそれらの組合せ

本発明は、良性前立腺肥大(BPH)、下部尿路症状(LUTS)、および、特にBPHに誘導される膀胱下尿道閉塞(BOO)に起因する刺激性症状を含む泌尿器系障害の処置用の、PDE−5およびPDE−4阻害剤を単独でまたは組み合わせて含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、該泌尿器系障害の処置用の医薬の製造において、単独でまたは組み合わせて使用するための、そのようなPDE−5およびPDE−4阻害剤のスクリーニング方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、ホスホジエステラーゼ(PDE)およびPDE阻害剤の薬理に関する。より具体的には、本発明はPDE−5およびPDE−4阻害剤並びに泌尿器系障害の処置用医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
膀胱下尿道閉塞(BOO)に至る良性前立腺肥大(BPH)は、男性に非常に一般的な新生物である。50歳以上の男性の約80%が、遅い尿流および尿閉を伴う排尿頻度の増加、夜間尿および尿意切迫を含む中度ないし重度の症状を有すると推定される。従って、BPHは、西洋諸国において重大な健康管理問題としてますます認識されている (Guess 1995)。前立腺の外科手術(全BPH患者の20%)の他に、この疾患の一般的な処置は、5−アルファレダクターゼ阻害剤(フィナステリド)およびアルファ遮断薬(タムスロシン、ドキサゾシン、テラゾシン、アルフゾシン)を含む(Truss 2001)。5−アルファレダクターゼ阻害剤は、BPHの機械的成分に影響を及ぼし、前立腺組織の増殖を阻害する。アルファ遮断薬は、動的成分に影響を及ぼし、前立腺の平滑筋の弛緩を介してBPHの刺激性症状を低減させ、それは、尿道の抵抗性を低減させる。さらに、アルファ−遮断薬は、膀胱の平滑筋細胞を直接弛緩させ、膀胱の非排尿性収縮を減少させ得る。しかしながら、これらの処置選択肢は、全て、限定された効力および/または好ましくない副作用プロフィールを有する(Carbone 2003)。従って、様々な試みが、前立腺間質の増殖を阻害するか、または、前立腺および膀胱の平滑筋の緊張を低下させる新しい治療選択肢に焦点を当ててきた。これには、即ち、アロマターゼ阻害剤(Sciarra 2000)、増殖因子のアンタゴニスト(Desgrandchamps 1997)、カリウムチャネル開口薬(Gopalakrishnan 2004)およびエンドセリンアンタゴニスト(Andersson 2002)が含まれる。
【0003】
環状ヌクレオチドcAMPおよびcGMPが平滑筋の緊張を低減できることも、十分に確立されている(Drescher 1994)。cAMPおよびcGMPは、各々アデニル酸およびグアニル酸シクラーゼにより、それらの対応するヌクレオシド三リン酸から合成される。それらは、細胞内cAMPおよびcGMPレベルを非常に効果的に調節する環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)により分解される。現在までに、11種の異なるPDEファミリーのメンバーが同定され、それらは構造、調節およびそれらの基質に対する特異性において異なる(Soderling 2000)。泌尿器系障害の処置に対するPDEの役割は、不十分にしか理解されておらず、PDEアイソフォームの特徴解析は、他の系より遅れ、文献の多くは新しく同定されたPDEの同定に先立ち公開された。PDEは、下部尿路、即ち、膀胱、尿道および前立腺組織で発現されるが、全PDEイソ遺伝子のmRNA発現データおよび直接比較は、依然として欠けているか、または矛盾している。非特異的PDE阻害が、ヒトの前立腺組織を弛緩させ得るといういくつかの証拠がある(Drescher 1994)。PDE−5阻害の効果についてのデータは、非常に限られている。PDE−6、−9および−11も阻害するPDE−5阻害剤のザプリナストは、予め収縮したヒト前立腺組織をインビトロで弛緩させ得るが(Ueckert 2001)、この組織内の他のPDEファミリーの役割は決定される必要があることが示された。膀胱内で、IBMX(PDE−1、−2、−3、−4、−5、−6、−10および−11の阻害)による様々なPDEの非特異的遮断は、メスのモルモットの膀胱を弛緩させ得たが、ザプリナストは無効であった(Gillespie 2004)。これらの矛盾する知見にも拘わらず、海綿体の弛緩および勃起不全の処置におけるPDE−5の役割は周知であり、市場には既に非常に強力かつ選択的なPDE−5阻害剤がある。強力かつ選択的なPDE−4阻害剤は、主に喘息およびCOPDの処置に使用される(Spina 2003)。
【発明の開示】
【0004】
発明の開示
本発明のある態様は、cGMP−依存性PDE−5およびcAMP−依存性PDE−4が、前立腺のみならず、膀胱組織でも豊富であることを立証するPDEmRNA発現プロフィールにより提供される(図1、2)。従って、PDE−5またはPDE−4の選択的阻害剤、および、特に両者の組合せは、前立腺の収縮力を低下させるのみならず、両者の組合せの付加的利益として、泌尿器系障害において頻発する、膀胱下尿道閉塞に起因する刺激性症状も改善する。PDE−5の選択的阻害剤は、即ち、バルデナフィル、シルデナフィルおよびタダラフィルであり、PDE−4の選択的阻害剤は、即ち、ロフルミラストである。
【0005】
本発明の治療剤により対処される泌尿器系障害は、良性前立腺肥大(BPH)、下部尿路症状(LUTS)および特にBPHに誘導される膀胱下尿道閉塞(BOO)に起因する刺激性症状を含む。膀胱の症候的刺激のみならず、根底にあるBPHに誘導される膀胱下尿道閉塞も特異的PDE−5および/またはPDE−4阻害剤(および特にこれらの組合せ)での処置により対処されるので、この処置は、当分野で既知の処置方法を超える実質的な利益を提供する。
【0006】
特に、そして実質的利益を伴って、上述の阻害剤または阻害剤の組合せにより処置できる他の泌尿器系障害は、神経因性膀胱症候群[過活動膀胱(OAB)または間質性膀胱炎(IC)とも呼ばれる]、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症、閉塞性尿路疾患および勃起不全を含む泌尿生殖器系障害である。
【0007】
本発明の他の態様は、PDE−5阻害剤バルデナフィルが、ラットの尿道輪に対して0.96μmol/lのEC50値で、そして、ラットの前立腺および膀胱の細片に対して各々1.1および5.0μmol/lのEC50値で、弛緩効果を有することの証明である(図3、表1)。
【0008】
本発明の他の態様は、PDE−4阻害剤ロフルミラストおよびPDE−5阻害剤バルデナフィルの両方が、ウサギの膀胱細片に対して各々260nmol/lおよび1.7μmol/lのIC50で弛緩効果を示すことの証明である(図4、表2)。
【0009】
本発明の他の態様は、PDE−5阻害剤バルデナフィルが、ラット膀胱下尿道閉塞(BOO)モデルにおいて、BPHの刺激性症状の指標としての非排尿性収縮の回数を有意に減少させることの証明により提供される(図5)。
【0010】
本発明は、単独で、または、PDE−4阻害剤と組み合わせて、泌尿器系障害の処置に有用であるPDE−5阻害剤を提供する。特に、本発明の化合物は、タダラフィル((6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレン−ジオキシフェニル)ピラジノ(1',2':1,6)ピリド(3,4−b)インドール−1,4−ジオン)、バルデナフィル(2−(2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イル−1−スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ(5,1−f)(1,2,4)トリアジン−4−オン)、シルデナフィル(3−[2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル−フェニル]−7−メチル−9−プロピル−2,4,7,8−テトラアザビシクロ[4.3.0]ノナ−3,8,10−トリエン−5−オン)、ウデナフィル(Udenafil)5−[2−プロピルオキシ−5−(1−メチル−2−ピロリジニルエチルアミドスルホニル)フェニル]−メチル−3−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン、ダサンタフィル(Dasantafil)7−(3−ブロモ−4−メトキシベンジル)−1−エチル−8−[[(1,2)−2−ヒドロキシシクロペンチル]アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−3,7−ジヒドロ−1−プリン−2,6−ジオン、アバナフィル(Avanafil)4−{[(3−クロロ−4−メトキシフェニル)メチル]アミノ}−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド、Surface Logix のSLx2101、LAS34179トリアゾロ[1,2−]キサンチン,6−メチル−4−プロピル−2−[2−プロポキシ−5−(4−メチルピペラジノ)スルホニル]フェニル−、ロフルミラスト(3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド)、シロミラスト(4−シアノ−4−(3−シクロペントキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸)およびピクラミラスト(Piclamilast)(3−シクロペントキシ−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド)である。
【0011】
本発明のまた他の態様は、単独または組合せで、上述の泌尿器系障害の処置用医薬の製造に使用するための、PDE阻害剤、特にPDE−4−およびPDE−5の阻害剤のスクリーニング方法である。
【0012】
本発明は、泌尿器系障害の処置に使用できるPDE阻害剤の同定方法(本明細書において、「スクリーニングアッセイ」とも呼ばれる)を提供する。これらの方法は、ホスホジエステラーゼに結合する、かつ/または、PDE1Aの生物学的活性またはその発現に対して刺激または阻害効果を有する候補または試験化合物または物質(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物(peptidomimetic)、低分子または他の分子)を同定し、次いで、これらの化合物のどれが泌尿器系障害に関する症状または疾患に対する効果を有するかをインビボアッセイで決定することを伴う。
【0013】
PDE−4またはPDE−5に結合する、かつ/または、PDE−4またはPDE−5の活性または発現に対する刺激または阻害効果を有する候補または試験化合物または物質は、PDE−4および/またはPDE−5を発現する細胞を用いるアッセイ(細胞を基礎とするアッセイ)または単離したPDE−4および/またはPDE−5を用いるアッセイ(細胞を含まないアッセイ)のいずれかで同定する。様々なアッセイが、PDEの様々な変異体(例えば、全長PDE、PDEの生物学的に活性な断片、または、PDEの全部または一部を含む融合タンパク質)を用いることができる。さらに、PDE−4および/またはPDE−5は、任意の適する哺乳動物の種に由来することができる。アッセイは、試験化合物または既知のPDE−4もしくはPDE−5リガンドのPDE−4またはPDE−5への結合の直接または間接的測定を伴う結合アッセイであり得る。アッセイは、PDE−4またはPDE−5の活性の直接的または間接的測定を伴う活性アッセイであることもできる。アッセイは、PDE−4および/またはPDE−5mRNAまたはPDE−4および/またはPDE−5タンパク質の発現の直接または間接的測定を伴う発現アッセイであることもできる。様々なスクリーニングアッセイを、試験化合物の泌尿器系障害の症状に対する効果の測定を伴うインビボアッセイと組み合わせる。
【0014】
本発明は、薬学的薬物開発用のリード構造として適するPDEの阻害剤およびアゴニストの同定を可能にする、生化学的な細胞を含まないアッセイを含む。そのようなアッセイは、PDE−4および/またはPDE−5を試験化合物と接触させること、および、試験化合物がPDE4および/またはPDE−5の酵素活性のアンタゴニスト(好ましい)またはアゴニストとして作用する能力を決定することを含む。ある実施態様では、アッセイは、PDE−4および/またはPDE−5を試験化合物と接触させた後、cAMPまたはcGMPのそのヌクレオシド一リン酸への変換を測定することにより、PDE−4および/またはPDE−5のPDE活性をモニターすることを含む。
【0015】
例えば、cAMPおよびcGMPのレベルは、トリチウム含有化合物の3HcAMPおよび3HcGMPの使用により、[Hansen, R. S., and Beavo, J.A., PITAS USA1982,79: 2788-92]に記載の通りに測定できる。多数の化合物からなる化合物のプールをスクリーニングするために、[Bardelle, C. et al. (1999) Anal. Biochem. 275: 148-155]に記載のマイクロタイタープレートをベースとするシンチレーション近接アッセイ(SPA)を適用できる。
【0016】
あるいは、購入できるSPAキット(Amersham Pharmacia)を使用して、組換えタンパク質のホスホジエステラーゼ活性をアッセイできる。PDE酵素は、環状ヌクレオチド、例えばcAMPおよびcGMPを、それらの直鎖状対応物に加水分解する。SPAアッセイは、トリチウム標識された環状ヌクレオチド[3H]cAMPまたは[3H]cGMPを利用し、トリチウム標識された非環状生成物はSPAビーズと選択的に相互作用するが、環状物質は効果的には結合しないことを基礎とする。
【0017】
シンチレーションビーズに結合した放射性標識化生成物は、シンチレーションカウンターで分析できる光を発生させる。
【0018】
本発明の医薬組成物は、その意図する投与経路に適合するように製剤化する。投与経路の例には、非経腸(例えば、静脈内、動脈内、皮内、皮下、筋肉内、吸入、経皮、経粘膜、鼻腔および直腸投与)、経口(例えば、頬側、舌下、口内粘膜および経口投与)および局所(例えば、液剤または懸濁剤の局所的点滴注入および局所インプラント)が含まれる。
【0019】
注射および点滴に適する医薬組成物には、滅菌水性液剤(有効成分が十分に水に可溶性であるならば)、懸濁剤、乳剤、および、滅菌注射可能液剤または分散剤の即時調製用の滅菌散剤が含まれる。担体は、例えば、水、エタノール、医薬的に許容し得るポリオール、例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール、およびこれらの適する混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、等張化剤または界面活性剤などの医薬的に許容し得る成分を添加し得る。デポー注射は、油性液剤または懸濁剤または生物分解性ポリマーの粒子などの既知の製剤原則をベースとする。
【0020】
吸入による投与のために、エアゾルスプレーの形態で、加圧容器または適する噴霧剤を含有するディスペンサーから、噴霧器または乾燥粉末吸入器から、化合物を送達する。
【0021】
全身的投与は、経粘膜または経皮手段によることもできる。経粘膜または経皮投与のために、透過させようとする障壁に適切な浸透剤を製剤において使用する。そのような浸透剤は当分野で一般的に知られており、例えば、経粘膜投与のために、界面活性剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が含まれる。経粘膜投与は、鼻腔用スプレー、舌下または頬側用製剤または坐剤の使用により達成できる。経皮投与のために、当分野で一般的に知られている通り、活性化合物を、軟膏、パッチ、ゲルまたはクリームに製剤化する。
【0022】
これらの化合物は、直腸送達のために、坐剤(例えば、カカオバターおよび他のグリセリドなどの常套の坐剤基剤を用いて)または停留浣腸の形態に調製することもできる。
【0023】
経口用組成物は、一般的に、不活性希釈剤または増量剤および機能的補助剤を含む。それらは、カプセル剤に封入できるか、または、錠剤に打錠できる。他の適する投薬形は、発泡錠、チュアブル錠、口内崩壊錠(orodispersible tablet)、ソフトゼラチンカプセル剤、液体を満たしたハードゼラチンカプセル剤、サシェ中の散剤および経口用液剤である。
【0024】
経口投薬形の製造に適する機能的補助剤は当分野で周知であり、例えば、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの結合剤、クロスポビドンまたはクロスカルメロースナトリウムなどの崩壊剤、コロイド状二酸化ケイ素などの流動剤、ステアリン酸マグネシウム、マクロゴールまたはステアリン酸などの滑沢剤、アスパルテーム、スクロースまたはサッカリンナトリウムなどの甘味料、および、ペパーミントまたはオレンジ香料などの香味料が含まれる。
【0025】
ある実施態様では、制御放出錠剤またはカプセルに満たした被覆ペレット剤またはインプラントおよびマイクロカプセル封入送達系を含む非経腸制御放出製剤などの、身体からの急速な排出から化合物を保護する担体を用いて活性化合物を調製する。エチレンビニルアセテート、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸またはポリグリコール−ポリ乳酸−コポリマーなどの生物分解性または生物適合性ポリマーを使用できる。
【0026】
本発明の他の実施態様は、PDE−4およびPDE−5阻害剤の組合せ、および、泌尿器系障害の処置用の医薬組成物を製造するためのそれらの使用を提供し、ここで、これらの組合せは、以下のいずれかを含む;i)PDE−4およびPDE−5活性の両方に対する阻害作用を有する化合物を含む医薬組成物、または、ii)少なくとも1種のPDE−4阻害剤および少なくとも1種のPDE−5阻害剤を1つの投与ユニット中の固定された組合せとして含む医薬組成物、または、iii)少なくとも2セットの医薬組成物を含有し、各セットは、少なくとも1回の投与量のユニットでPDE−5阻害剤を含む少なくとも1個の医薬製剤、および、少なくとも1回の投与量のユニットでPDE−4阻害剤を含む少なくとも1個の医薬製剤からなり、ここで、該医薬組成物の各投与ユニットは、組み合わせて、連続的に、単回投与として、または複数回投与で投与される、複数製剤を組み合わせたキット。
【0027】
本発明はさらに、以下を提供する:
良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置における治療剤として有用なPDE5阻害剤のスクリーニング方法、それは、i)試験化合物(PDE−4阻害活性を有しても有さなくてもよい)をPDE5ポリペプチドと接触させる、ii)試験化合物の一定の濃度下で、または該試験化合物の非存在下で、PDE5ポリペプチドの活性を決定する、iii)該試験化合物の異なる濃度下で該PDE5ポリペプチドの活性を決定する、iv)PDE−5ポリペプチドに対する阻害効果を有する少なくとも1種の化合物を選択する、の各段階を含む。
【0028】
良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置における治療剤として有用なPDE4阻害剤のスクリーニング方法、それは、i)試験化合物(PDE−5阻害活性を有しても有さなくてもよい)をPDE4ポリペプチドと接触させる、ii)試験化合物の一定の濃度下で、または該試験化合物の非存在下で、PDE4ポリペプチドの活性を決定する、iii)該試験化合物の異なる濃度下で該PDE4ポリペプチドの活性を決定する、iv)PDE−4ポリペプチドに対する阻害効果を有する少なくとも1種の化合物を選択する、の各段階を含む。
【0029】
良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置における治療剤として有用なPDE5阻害剤およびPDE4阻害剤の組合せのスクリーニング方法、それは、i)第1の試験化合物をPDE5ポリペプチドと接触させる、ii)第1の試験化合物の一定の濃度下で、または該第1の試験化合物の非存在下で、PDE5ポリペプチドの活性を決定する、iii)該第1の試験化合物の異なる濃度下でPDE5ポリペプチドの活性を決定する、iv)PDE−5ポリペプチドに対する阻害効果を有する少なくとも1種の第1の化合物を選択する、v)第2の試験化合物をPDE4ポリペプチドと接触させる、vi)第2の試験化合物の一定の濃度下で、または該第2の試験化合物の非存在下で、PDE4ポリペプチドの活性を決定する、vii)該第2の試験化合物の異なる濃度下でPDE4ポリペプチドの活性を決定する、vii)PDE−4ポリペプチドに対する阻害効果を有する少なくとも1種の第2の化合物を選択する、vii)PDE5阻害活性を有する少なくとも1種の第1の化合物を、PDE4阻害活性を有する少なくとも1種の第2の化合物と組み合わせる、の各段階を含む。
【0030】
試験化合物を細胞内または細胞表面上で接触させることを含み、その細胞はインビトロである、スクリーニング方法。
試験化合物をPDE−4またはPDE−5ポリペプチドと、細胞のない系で接触させることを含む、スクリーニング方法。
スクリーニング方法は、検出可能な標識と結合した試験化合物を含み得る。
【0031】
特に、本発明は以下を提供する:
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)、下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症および閉塞性尿路疾患を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、PDE5ポリペプチドの活性を調節する治療剤を含む医薬組成物。
【0032】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、PDE4ポリペプチドの活性を調節する治療剤を含む医薬組成物。
【0033】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、上述の選択的治療剤の組合せである治療剤を含む医薬組成物。
【0034】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、PDE5ポリペプチドおよびPDE4ポリペプチドの活性を調節する治療剤を含む医薬組成物。
【0035】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、ロフルミラスト(3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−(ジフルオロ−メトキシ)ベンズアミド)、シロミラスト(4−シアノ−4−(3−シクロペントキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸)およびピクラミラスト(3−シクロペントキシ−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド)からなるPDE−4阻害剤の群から選択されるPDE−4阻害剤を含む医薬組成物。
【0036】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)、下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症および閉塞性尿路疾患を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、タダラフィル((6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレン−ジオキシフェニル)ピラジノ(1',2':1,6)ピリド(3,4−b)インドール−1,4−ジオン)、バルデナフィル(2−(2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イル−1−スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ(5,1−f)(1,2,4)トリアジン−4−オン)、シルデナフィル(3−[2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル−フェニル]−7−メチル−9−プロピル−2,4,7,8−テトラアザビシクロ[4.3.0]ノナ−3,8,10−トリエン−5−オン)、ウデナフィル5−[2−プロピルオキシ−5−(1−メチル−2−ピロリジニル−エチル−アミドスルホニル)フェニル]−メチル−3−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン、ダサンタフィル7−(3−ブロモ−4−メトキシベンジル)−1−エチル−8−[[(1,2)−2−ヒドロキシシクロペンチル]アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−3,7−ジヒドロ−1−プリン−2,6−ジオン、アバナフィル4−{[(3−クロロ−4−メトキシフェニル)メチル]アミノ}−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド、Surface Logix のSLx2101、LAS34179トリアゾロ[1,2−]キサンチン,6−メチル−4−プロピル−2−[2−プロポキシ−5−(4−メチルピペラジノ)−スルホニル]フェニルまたはこれらの塩、水和物または塩の水和物の群から選択されるPDE−5阻害剤を含む医薬組成物。
【0037】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、ロフルミラスト(3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド)、シロミラスト(4−シアノ−4−(3−シクロペントキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸)およびピクラミラスト(3−シクロペントキシ−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド)からなるPDE−4阻害剤の群から選択される少なくとも1種のPDE−4阻害剤、並びに、バルデナフィル(2−(2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イル−1−スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ(5,1−f)(1,2,4)トリアジン−4−オン)、シルデナフィル(3−[2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル−フェニル]−7−メチル−9−プロピル−2,4,7,8−テトラアザビシクロ[4.3.0]ノナ−3,8,10−トリエン−5−オン)およびタダラフィル((6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレン−ジオキシフェニル)からなるPDE−5阻害剤の群から選択される少なくとも1種のPDE−5阻害剤の組合せを含む医薬組成物。
【0038】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症および閉塞性尿路疾患を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、PDE5阻害剤の使用。
【0039】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、PDE4阻害剤の使用。
【0040】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症、閉塞性尿路疾患および勃起不全を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、少なくとも1種のPDE4阻害剤および少なくとも1種のPDE5阻害剤の組合せの使用。
【0041】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、PDE4ポリペプチドおよびPDE5ポリペプチドの阻害剤である物質の使用。
【0042】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症および閉塞性尿路疾患を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、タダラフィル((6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレン−ジオキシフェニル)ピラジノ(1',2':1,6)ピリド(3,4−b)インドール−1,4−ジオン)、バルデナフィル(2−(2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イル−1−スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ(5,1−f)(1,2,4)トリアジン−4−オン)、シルデナフィル(3−[2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル−フェニル]−7−メチル−9−プロピル−2,4,7,8−テトラアザビシクロ[4.3.0]ノナ−3,8,10−トリエン−5−オン)、ウデナフィル5−[2−プロピルオキシ−5−(1−メチル−2−ピロリジニル−エチル−アミドスルホニル)フェニル]−メチル−3−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン、ダサンタフィル7−(3−ブロモ−4−メトキシベンジル)−1−エチル−8−[[(1,2)−2−ヒドロキシシクロペンチル]アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−3,7−ジヒドロ−1−プリン−2,6−ジオン、アバナフィル4−{[(3−クロロ−4−メトキシフェニル)メチル]アミノ}−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド、Surface Logix のSLx2101、LAS34179トリアゾロ[1,2−]キサンチン,6−メチル−4−プロピル−2−[2−プロポキシ−5−(4−メチルピペラジノ)−スルホニル]フェニルからなるPDE−5阻害剤の群から選択されるPDE−5阻害剤、またはこれらの塩、水和物または塩の水和物の使用。
【0043】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、ロフルミラスト(3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド)、シロミラスト(4−シアノ−4−(3−シクロペントキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸)およびピクラミラスト(3−シクロペントキシ−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド)からなるPDE−4阻害剤の群から選択されるPDE−4阻害剤の使用。
【0044】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症、閉塞性尿路疾患および勃起不全を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、ロフルミラスト(3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド)、シロミラスト(4−シアノ−4−(3−シクロペントキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸)およびピクラミラスト(3−シクロペントキシ−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド)からなるPDE−4阻害剤の群から選択される少なくとも1種のPDE−4阻害剤、並びに、バルデナフィル(2−(2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イル−1−スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ(5,1−f)(1,2,4)トリアジン−4−オン)、シルデナフィル(3−[2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル−フェニル]−7−メチル−9−プロピル−2,4,7,8−テトラアザビシクロ[4.3.0]ノナ−3,8,10−トリエン−5−オン)およびタダラフィル((6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレン−ジオキシフェニル)からなるPDE−5阻害剤の群から選択される少なくとも1種のPDE−5阻害剤の組合せの使用。
【0045】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症、閉塞性尿路疾患および勃起不全を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置に有用な医薬組成物の製造方法であって、i)上記のスクリーニング方法に従いPDE5の阻害剤を同定する、ii)上記のスクリーニング方法に従いPDE4の阻害剤を同定する、)該阻害剤が、哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の症状を改善するか否かを決定する;およびiii)少なくとも1種の該阻害剤を許容し得る医薬担体と組み合わせる、の各段階を含む方法。
【0046】
PDE5の阻害剤が、バルデナフィル(2−(2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イル−1−スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ(5,1−f)(1,2,4)トリアジン−4−オン)、シルデナフィル(3−[2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル−フェニル]−7−メチル−9−プロピル−2,4,7,8−テトラアザビシクロ[4.3.0]ノナ−3,8,10−トリエン−5−オン)、タダラフィル((6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)、ウデナフィル5−[2−プロピルオキシ−5−(1−メチル−2−ピロリジニル−エチル−アミドスルホニル)フェニル]−メチル−3−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン、ダサンタフィル7−(3−ブロモ−4−メトキシベンジル)−1−エチル−8−[[(1,2)−2−ヒドロキシシクロペンチル]アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−3,7−ジヒドロ−1−プリン−2,6−ジオン、アバナフィル4−{[(3−クロロ−4−メトキシフェニル)メチル]アミノ}−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド、Surface Logix のSLx2101およびLAS34179トリアゾロ[1,2−]キサンチン,6−メチル−4−プロピル−2−[2−プロポキシ−5−(4−メチルピペラジノ)−スルホニル]フェニルからなるPDE−5阻害剤の群から選択されるPDE−5阻害剤である、医薬組成物の製造方法。
【0047】
PDE4の阻害剤が、ロフルミラスト(3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド)、シロミラスト(4−シアノ−4−(3−シクロペントキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸)およびピクラミラスト(3−シクロペントキシ−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド)からなるPDE−4阻害剤の群から選択されるPDE−4阻害剤である、医薬組成物の製造方法。
【0048】
良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症、閉塞性尿路疾患および勃起不全を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患を有する哺乳動物においてPDE活性を調節するための、上述の医薬組成物の使用。
【0049】
バルデナフィル、シルデナフィルおよびタダラフィルからなる医薬組成物の群から選択される少なくとも1種の医薬組成物、並びに、ロフルミラスト、シロミラストおよびピクラミラストからなる医薬組成物の群から選択される少なくとも1種の医薬組成物の組合せを含有する、ヒトを含む哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患を処置するための複数製剤を組み合わせたキット。
【0050】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置に有用な複数製剤を組み合わせたキットの製造方法であって、i)バルデナフィル、シルデナフィルおよびタダラフィルからなる医薬組成物の群から少なくとも1種の医薬組成物を選択する、ii)ロフルミラスト、シロミラストおよびピクラミラストからなる医薬組成物の群から少なくとも1種の医薬組成物を選択する、iii)該医薬組成物の少なくとも2種を組み合わせ、それにより該複数製剤を組み合わせたキットを創成する、の各段階を含む方法。
【0051】
PDE−5ポリペプチドの活性を調節する少なくとも1種の治療剤、および、タダラフィル、および、PDE−4ポリペプチドの活性を調節する少なくとも1種の治療剤の組合せを含有する、哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患を処置するための複数製剤を組み合わせたキット。
【0052】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置に有用な複数製剤を組み合わせたキットの製造方法であって、i)PDE−5ポリペプチドの活性を調節する治療剤を含む少なくとも1種の医薬組成物を選択する、ii)PDE−4ポリペプチドの活性を調節する治療剤を含む少なくとも1種の医薬組成物を選択する、iii)該医薬組成物の少なくとも2種を組み合わせ、それにより該複数製剤を組み合わせたキットを創成する、の各段階を含む方法。
【0053】
本発明の好ましい実施態様は、哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)、下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症および閉塞性尿路疾患を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、バルデナフィル、その塩、水和物または塩の水和物を含有する医薬組成物である。
【0054】
驚くべきことに、特に、バルデナフィル、その塩、水和物または塩の水和物が、他のPDE−5阻害剤と比較して、高い活性を示し、神経因性膀胱(過活動膀胱または間質性膀胱炎とも呼ばれる)の処置において良好な結果を示すことが見出された。
【0055】
図面の説明
図1:Sprague Dawley Rats の腎臓(K)、膀胱(B)、前立腺(P)、尿道(U)および海綿体(C)におけるPDE−5の相対的mRNA発現。データは、平均+SEM、n=10である。
【0056】
図2:Sprague Dawley Rats の膀胱および前立腺における、PDE−4a、−4b、−4c、−4dおよびPDE−5の相対的mRNA発現。データは平均+SEM、n=10である。
【0057】
図3:単離されたラット尿道の輪(黒色三角形)、および膀胱−(黒色菱形)および前立腺の細片(灰色四角形)の収縮に対するバルデナフィルの効果。膀胱の細片を、K(50mmol/l)Krebs-Henseleit 溶液を使用して予め収縮させた。前立腺および尿道の組織を、10μmol/lフェニレフリンを使用して予め収縮させた。弛緩を事前収縮の百分率として表した。各点は、平均値±SEMを表す。n=9。
【0058】
図4:単離したウサギ膀胱の細片の収縮に対するロフルミラスト(黒色菱形)およびバルデナフィル(灰色四角形)の効果。膀胱の細片を、K(50mmol/l)Krebs-Henseleit 溶液を使用して予め収縮させた。弛緩を事前収縮の百分率として表した。各点は、平均値±SEMを表す。n=9。
【0059】
図5:媒体(V)およびバルデナフィルHCl(1、3および10mg/kg)によるボーラスi.v.処置後の非排尿性収縮の回数(%)。データは、平均+SEM、*=p<0.05で有意(対応のあるスチューデントのt検定)である。
【0060】
図6:基底排尿間隔(C)と比較した、媒体(V)およびバルデナフィルHCl(1,3mg/kg)のボーラスi.v.処置後の排尿間隔(%)。データは、平均+SEM、*=p<0.05で有意(対応のあるスチューデントのt検定)である。
【0061】
実施例1
組織のサンプル採取およびRNAの調製:体重200−250gのオスの Sprague Dawley ラットを、組織収集に使用した。70%NOおよび30%Oからなるキャリアガス中に5%イソフルラン(Baxter S.A.)を混合してラットを手早く麻酔し、次いで、断頭により安楽死させた。腹部を正中切開により開き、腎髄質、尿管、膀胱、前立腺および尿道として腎臓および下部尿路組織を露出させ、迅速に取り出した。組織を液体N2中で冷凍し、RNA調製まで保存した。RNeasy ミニカラム (Qiagen Inc.) を使用して総RNAを単離し、DNase消化によりさらに精製した。
【0062】
PDEmRNAの定量:リアルタイム定量PCR(TaqMan-PCR, Heid 1996)により、ラットの下部尿路組織における様々なPDEイソ遺伝子のmRNA発現を測定した。従って、供給業者のマニュアルに沿って、Superscript II RT cDNA 合成キット (Gibco, Inc)で総RNA1μgをcDNAに転写した。リアルタイム定量RT−PCRにより ABI Prism 7700 配列検出装置 (Applied Biosystems, Inc.)でPDEのmRNAを測定した。各PDEイソ遺伝子mRNAのフォワードおよびリバースプライマー並びに蛍光発生プローブの特異的配列を、Primer Express 1.5 Software (Applied Biosystems, Inc.)で設計した。PCR増幅の間に、Taqポリメラーゼの5'核酸分解活性がプローブを切断し、5'レポーター蛍光染料を3'のクエンチャー染料から分離する。標的mRNAレベルと逆に相間する閾サイクルCtを、レポーター蛍光の発光がバックグラウンドレベルより10倍標準偏差以上に増加させたサイクル数として測定した。ハウスキーピング遺伝子として、フォワードプライマー5'−accttcaacaccccagcca−3'、リバースプライマー5'−cagtggtacgaccagaggca−3'および蛍光プローブ5'−6AFM−acgtagccatccaggctgtgttgtcc−TAMARA−3'を使用して、ベータ−アクチンを上記の通りに定量した。ベータ−アクチンmRNAレベルでPDEmRNAレベルを補正し、比較Ct−方法を使用して相対的発現として算出した。
【0063】
下部尿路におけるPDE−5およびPDE−4A、−4B、−4C、−4DmRNAの発現:PDE−5の下部尿路組織における発現プロフィールについて不完全なデータしかないので、オスの Sprague Dawley ラットにおいて、TaqMan RT-PCR によりPDEmRNAを定量した。最も顕著なPDE−5の発現は、膀胱で見られた(図1)。低い発現レベルが、尿道、海綿体および前立腺で見られた(図1)。これらの結果は、下部尿路組織、特に膀胱に、実質的なPDE−5mRNA発現があることを示した。
【0064】
さらに、全4種のPDE−4イソ遺伝子(PDE−4A、−4B、−4Cおよび−4D)のPDE−4mRNA発現を、TaqMan RT-PCR により膀胱および前立腺において決定した(図2)。我々は、検出能の境界線上にある非常に低いPDE−4cの発現を見出したが、PDE−4A、−4Bおよび4DmRNAは、実質的に両方の組織で発現された。膀胱では、PDE−4Dが最も豊富なPDE−4イソ遺伝子mRNAであり、一方、前立腺では、PDE−4aおよび−4Dはほぼ等しく分布し、PDE−5mRNAより2.5倍高く発現された(図2)。
【0065】
この発現プロフィールは、PDE−5およびPDE−4DmRNAが膀胱で、また前立腺組織で豊富であることを立証する。従って、PDE−5またはPDE−4の阻害剤は、しかし、特に、ロフルミラストと組み合わせたバルデナフィルなどのPDE−5およびPDE−4阻害剤の両者の組合せは、膀胱のみならず前立腺の収縮性を低下させ、かくして当分野の現状で既に存在する泌尿器系障害の処置方法を超える利益を提供し、該障害は、即ち、良性前立腺肥大(BPH)および特にBPHに誘導される膀胱下尿道閉塞(BOO)に起因する刺激性症状(下部尿路症状(LUTS)を含むがこれらに限定されない)を含む。
【0066】
実施例2
組織の調製:オスの Wistar ラット(200−300g)を、二酸化炭素を使用して安楽死させた。組織を取り出し、以下の組成(mmol/l):NaCl112、KCl5.9、CaCl2.0、MgCl1.2、NaHPO1.2、NaHCO25、グルコース11.5の氷冷 Krebs-Henseleit バッファーに入れた。4つの等しい大きさの約2mmx10mmの縦方向の細片を膀胱体から切り出した。前立腺の細片は、尿道と平行に前立腺の両葉を横断して切り出すことにより得た。動物1匹につき1つの輪を尿道の近位部から切り出した。
【0067】
White New Zealand ウサギを、チオペンタールを使用して麻酔した。膀胱を取り出し、以下の組成(mmol/l):NaCl112、KCl5.9、CaCl2.0、MgCl1.2、NaHPO1.2、NaHCO25およびグルコース11.5の氷冷 Krebs-Henseleit バッファーに入れた。等しい大きさの約2mmx10mmの縦方向の細片を膀胱体から切り出した。
【0068】
機械的活性の記録:調製物を、95%O、5%CO、37℃で平衡化した Krebs-Henseleit 溶液を含む20mlの器官浴に移した。細片を2つのフックの間に2つのクリップで据え付けた。等尺性張力を記録するために、フックの一方を力変換器に連結し、次いでそれを増幅器およびチャート式記録計に繋いだ。他方のフックを移動可能ユニットに取り付け、負荷前の張力の正確な調整を可能にした。次いで、全ての組織に60分間の平衡期間を与え、その間にそれらを洗浄し、20分毎に静止張力を1gに調節した。
【0069】
平衡期間後、調製物をK(50mmol/l)Krebs-Henseleit 溶液に曝すことにより、各実験を開始した。この方法を3回繰り返し、各収縮の間に組織を少なくとも3回洗浄した。
【0070】
次いで、膀胱の細片を、K(50mmol/l)Krebs-Henseleit 溶液を使用して予め収縮させた。収縮が安定したら、試験化合物の累積用量応答曲線を構築した。K(50mmol/l)Krebs-Henseleit 溶液により誘導される安定した収縮を100%の張力と定義した。弛緩を張力の百分率として表した。
【0071】
前立腺の細片および尿道の輪を、10−6mol/lフェニレフリンで予め収縮させた。前立腺組織に対する化合物の効果を、各収縮の間に洗浄段階を設けて非累積的に試験した。
【0072】
器官浴アッセイ:単離されたラット泌尿生殖器官に対するバルデナフィルの効果:PDE5阻害剤バルデナフィルの平滑筋の弛緩に対する効果を、器官浴システムで試験した。化合物を10−8mol/lないし10−5mol/lの濃度範囲でアプライした(図3、表1)。バルデナフィルは、尿道の輪を0.96μmol/lのEC50値で、前立腺および膀胱の細片を各々1.1および5.0μmol/lのEC50値で弛緩させた。
【0073】
【表1】

表1:単離されたラット泌尿生殖組織の収縮に対するバルデナフィルの効果。弛緩を事前収縮の百分率として表す。各点は、平均値±SEMを表す。n=9。
【0074】
実施例3
組織の調製:オスの Wistar ラット(200−300g)を、二酸化炭素を使用して安楽死させた。組織を取り出し、以下の組成(mmol/l):NaCl112、KCl5.9、CaCl2.0、MgCl1.2、NaHPO1.2、NaHCO25、グルコース11.5の氷冷 Krebs-Henseleit バッファーに入れた。4つの等しい大きさの約2mmx10mmの縦方向の細片を膀胱体から切り出した。前立腺の細片は、尿道と平行に前立腺の両葉を横断して切り出すことにより得た。動物1匹につき1つの輪を尿道の近位部から切り出した。
【0075】
White New Zealand ウサギを、チオペンタールを使用して麻酔した。膀胱を取り出し、以下の組成(mmol/l):NaCl112、KCl5.9、CaCl2.0、MgCl1.2、NaHPO1.2、NaHCO25およびグルコース11.5の氷冷 Krebs-Henseleit バッファーに入れた。等しい大きさの約2mmx10mmの縦方向の細片を膀胱体から切り出した。
【0076】
機械的活動の記録:調製物を、95%O、5%CO、37℃で平衡化した Krebs-Henseleit 溶液を含む20mlの器官浴に移した。細片を2つのフックの間に2つのクリップで据え付けた。等尺性張力を記録するために、フックの一方を力変換器に連結し、次いでそれを増幅器およびチャート式記録計に繋いだ。他方のフックを移動可能ユニットに取り付け、負荷前の張力の正確な調整を可能にした。次いで、全ての組織に60分間の平衡期間を与え、その間にそれらを洗浄し、20分毎に静止張力を1gに調節した。
【0077】
平衡期間後、調製物をK(50mmol/l)Krebs-Henseleit 溶液に曝すことにより、各実験を開始した。この方法を3回繰り返し、各収縮の間に組織を少なくとも3回洗浄した。
【0078】
次いで、膀胱の細片を、K(50mmol/l)Krebs-Henseleit 溶液を使用して予め収縮させた。収縮が安定したら、試験化合物の累積用量応答曲線を構築した。K(50mmol/l)Krebs-Henseleit 溶液により誘導される安定した収縮を100%の張力と定義した。弛緩を張力の百分率として表した。
【0079】
前立腺の細片および尿道の輪を、10−6mol/lフェニレフリンを使用して予め収縮させた。前立腺組織に対する化合物の効果を、各収縮の間に洗浄段階を設けて非累積的に試験した。
【0080】
PDE5およびPDE4阻害剤の単離されたウサギ膀胱細片に対する効果:PDE5阻害剤バルデナフィルおよびPDE4阻害剤ロフルミラストの膀胱の平滑筋の弛緩に対する効果を、ウサギ膀胱細片を使用する器官浴で試験した。両方の化合物を10−9mol/lないし10−5mol/lの濃度で試験した(図4、表2)。ロフルミラストおよびバルデナフィルの両方は、膀胱細片を各々260nmol/lおよび1.7μmol/lのIC50で弛緩させた(表2)。
【0081】
【表2】

表2:単離されたウサギ膀胱細片の収縮に対するロフルミラストおよびバルデナフィルの効果。弛緩を事前収縮の百分率として表す。各点は、平均値±SEMを表す。n=9。
【0082】
実施例4
全ての動物実験は、「German Law for the Protection of Laboratory animals」によって実施し、認可「Tierversuchsvorhaben No 401/A01 M010/M011 vom 09.07.2004」の承認されたガイドラインによって実行した。実験は、体重200−250gのメスの Sprague Dawley ラットで実施した。
【0083】
膀胱下尿道閉塞:膀胱下尿道閉塞のために、66%NO33%Oの担体中の1.5−2%イソフルランの混合物でラットを麻酔した。腹部を除毛し、下部正中切開により開き、膀胱および尿道を確認し、尿道膀胱接合点(urethravesical junction)を露出させた。1.0mmの金属棒を近位尿道に沿って置き、6−0ナイロン結紮糸を尿道および棒の周りにきつく結んだ。引き続き棒を取り除き、腹部を絹の結紮糸で閉じ、70%エタノールで清浄化した。10mg/kg Rimadyl(登録商標)(Pfizer)で、術後の疼痛に対する処置を行った。次いで、ラットを2週間維持し、水道水および標準的なラットの餌を与えた。膀胱内圧測定の24時間前に、上記の通りにイソフルランでラットを麻酔した。上記の通りに開腹を実施し、膀胱を露出させ、ポリエチレンカテーテル(PE50)を膀胱円蓋に植え込んだ。カニューレを使用して、皮下を通してカテーテルを動物の後首に到達させた。さらに静脈内投与のためのカテーテル(PE10)を頸静脈に設置し、皮下で動物の後首まで通した。両方のカテーテルを縫合およびテープにより固定した。
【0084】
意識のある膀胱内圧測定:膀胱内圧測定のために、上記の通りに動物をイソフルランで短く麻酔し、ボールマンケージに入れ、固定した。次いで、実験開始前に動物を少なくとも1時間回復させた。次いで、膀胱内圧測定用の圧力トランスデューサー(MLT0698, ADInstruments)および生理食塩水を流速10ml/hで継続的に注入するための輸液ポンプ(Perfusor Compact(登録商標), Braun Melsungen)に連結するために、膀胱カテーテルをt型管に連結した。BOO動物は、対照動物と比較して、膀胱容積の増加(膀胱の拡大に起因する)および非排尿性収縮(BPHの刺激性症状を模倣する)を示した。処置前後の排尿間隔当たりの非排尿性収縮の算出により、処置効力を定量した。正の対照のために、アルファ受容体アンタゴニストのタムスロシン(10μg/kg)を使用した。値は、非排尿性収縮の%減少で与えられた。
【0085】
結果の統計的分析:データを平均±平均の標準誤差(SEM)として表し、nは実験回数を示す。平均間の差異の有意さを、対応のある、および対応のない、スチューデントのt検定により決定した。0.05より低い確率水準を有意であると見なした。
【0086】
BOOラットにおける非排尿性収縮に対するバルデナフィルの効果:BOOモデルのために、尿道の部分的結紮を麻酔下のラットで実施した。この方法に起因する膀胱下尿道閉塞(BOO)は、有意な膀胱重量の増加を引き起こし(データは開示せず)、明白な膀胱肥厚を示した。それは、意識のある動物における膀胱内圧測定により検出される膀胱の非排尿性収縮(NVC)も引き起こした。これらのNVCは、BPHの刺激性症状の測定であり、3mg/kgバルデナフィルi.v.のMEDにより有意に減少した。
【0087】
実施例5
全ての動物実験は、「German Law for the Protection of Laboratory animals」によって実施し、認可「Tierversuchsvorhaben No 401/A01 M010/M011 vom 09.07.2004」の承認されたガイドラインによって実行した。実験は、体重200−250gのメスの Sprague Dawley ラットで実施した。
【0088】
麻酔下の膀胱内圧測定:膀胱内圧測定のために、メスのSDラットをウレタンで麻酔した(1.2g/kg、ip)。開腹後、膀胱を露出させ、両方の尿管を結紮し、切断した。ポリエチレンカニューレ(PE50)を膀胱円蓋に植え込み、腹部を閉じた。生理食塩水の継続的注入のための輸液ポンプ(Perfusor(登録商標)compact; Braun Melsungen)に連結するために、そして、膀胱内圧測定用の圧力トランスデューサー(Combitrans; Braun Melsungen)に連結するために、膀胱カテーテルをt型管に連結した。膀胱内圧のシグナルを Powerlab System (MLT0698, ADInstrument)で記録した。外科手術から1時間の平衡期間後に、膀胱内圧測定を実施した。i.v.薬物処置のために、左大腿静脈をポリエチレンカテーテルでカニューレ挿入した。排尿間隔(膀胱容積に対応する)に対する処置の効果を算出した。
【0089】
過活動膀胱の誘導を、生理食塩水の代わりに0.2%酢酸溶液(塩水で希釈)の膀胱への注入により、または、膀胱内圧測定の18時間前のシクロホスファミド150mg/kgのi.p.注射により、実施した。
【0090】
結果の統計的分析:データを平均±平均の標準誤差(SEM)として表し、nは実験回数を示す。平均間の差異の有意さを、対応のある、および対応のない、スチューデントのt検定により決定した。0.05より低い確率水準を有意であると見なした。
【0091】
CYP処置ラットの排尿間隔に対するバルデナフィルの効果:排尿間隔は、3mg/kgバルデナフィルi.v.のMEDにより有意に増加した。
【0092】
参考文献
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【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】図1は、Sprague Dawley Rats の腎臓(K)、膀胱(B)、前立腺(P)、尿道(U)および海綿体(C)におけるPDE−5の相対的mRNA発現を示す。
【図2】図2は、Sprague Dawley Rats の膀胱および前立腺における、PDE−4a、−4b、−4c、−4dおよびPDE−5の相対的mRNA発現を示す。
【図3】図3は、単離されたラット尿道の輪(黒色三角形)、および膀胱−(黒色菱形)および前立腺の細片(灰色四角形)の収縮に対するバルデナフィルの効果を示す。
【図4】図4は、単離したウサギ膀胱の細片の収縮に対するロフルミラスト(黒色菱形)およびバルデナフィル(灰色四角形)の効果を示す。
【図5】図5は、媒体(V)およびバルデナフィルHCl(1、3および10mg/kg)によるボーラスi.v.処置後の非排尿性収縮の回数(%)を示す。
【図6】図6は、基底排尿間隔(C)と比較した、媒体(V)およびバルデナフィルHCl(1,3mg/kg)のボーラスi.v.処置後の排尿間隔(%)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置における治療剤として有用なPDE5阻害剤のスクリーニング方法であって、i)試験化合物をPDE5ポリペプチドと接触させる、ii)試験化合物の一定の濃度下で、または該試験化合物の非存在下で、PDE5ポリペプチドの活性を決定する、iii)該試験化合物の異なる濃度下で該PDE5ポリペプチドの活性を決定する、iv)PDE−5ポリペプチドに対する阻害効果を有する少なくとも1種の化合物を選択する、の各段階を含む方法。
【請求項2】
良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置における治療剤として有用なPDE4阻害剤のスクリーニング方法であって、i)試験化合物をPDE4ポリペプチドと接触させる、ii)試験化合物の一定の濃度下で、または該試験化合物の非存在下で、PDE4ポリペプチドの活性を決定する、iii)該試験化合物の異なる濃度下で該PDE4ポリペプチドの活性を決定する、iv)PDE−4ポリペプチドに対する阻害効果を有する少なくとも1種の化合物を選択する、の各段階を含む方法。
【請求項3】
良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置における治療剤として有用なPDE5阻害剤およびPDE4阻害剤の組合せのスクリーニング方法であって、i)第1の試験化合物をPDE5ポリペプチドと接触させる、ii)第1の試験化合物の一定の濃度下で、または該第1の試験化合物の非存在下で、PDE5ポリペプチドの活性を決定する、iii)該第1の試験化合物の異なる濃度下でPDE5ポリペプチドの活性を決定する、iv)PDE−5ポリペプチドに対する阻害効果を有する少なくとも1種の第1の化合物を選択する、v)第2の試験化合物をPDE4ポリペプチドと接触させる、vi)第2の試験化合物の一定の濃度下で、または該第2の試験化合物の非存在下で、PDE4ポリペプチドの活性を決定する、vii)該第2の試験化合物の異なる濃度下でPDE4ポリペプチドの活性を決定する、vii)PDE−4ポリペプチドに対する阻害効果を有する少なくとも1種の第2の化合物を選択する、vii)PDE5阻害活性を有する少なくとも1種の化合物を、PDE4阻害活性を有する少なくとも1種の化合物と組み合わせる、の各段階を含む方法。
【請求項4】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症、閉塞性尿路疾患および勃起不全を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、PDE5ポリペプチドの活性を調節する治療剤を含む医薬組成物。
【請求項5】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、PDE4ポリペプチドの活性を調節する治療剤を含む医薬組成物。
【請求項6】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、請求項4および請求項5に記載の治療剤の組合せである治療剤を含む医薬組成物。
【請求項7】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症、閉塞性尿路疾患および勃起不全を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、バルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、SLx2101およびLAS34179からなるPDE−5阻害剤の群から選択されるPDE−5阻害剤を含む医薬組成物。
【請求項8】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)、下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症、閉塞性尿路疾患および勃起不全を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、PDE5阻害剤の使用。
【請求項9】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、PDE4阻害剤の使用。
【請求項10】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、少なくとも1種のPDE4阻害剤および少なくとも1種のPDE5阻害剤の組合せの使用。
【請求項11】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、PDE4ポリペプチドおよびPDE5ポリペプチドの阻害剤である物質の使用。
【請求項12】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症、閉塞性尿路疾患および勃起不全を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、バルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、SLx2101およびLAS34179からなるPDE−5阻害剤の群から選択されるPDE−5阻害剤の使用。
【請求項13】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)および下部尿路症状(LUTS)からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、ロフルミラスト、シロミラストおよびピクラミラストからなるPDE−4阻害剤の群から選択される少なくとも1種のPDE−4阻害剤、並びに、バルデナフィル、シルデナフィルおよびタダラフィルからなるPDE−5阻害剤の群から選択される少なくとも1種のPDE−5阻害剤の組合せの使用。
【請求項14】
哺乳動物の良性前立腺肥大(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)、下部尿路症状(LUTS)、神経因性膀胱症候群(OAB)および(IC)、混合型、切迫性、腹圧性または溢流性失禁(MUI、UUI、SUI)などの尿失禁(UI)、骨盤痛、雌性および雄性の生殖器系を構成する器官の良性および悪性障害、急性または慢性腎不全などの腎臓病、腎移植拒絶などの免疫学的に媒介される腎臓病、ループス腎炎、免疫複合体腎臓病、糸球体症、腎炎、中毒性腎症および閉塞性尿路疾患を含む泌尿生殖器系障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置のための、バルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、SLx2101およびLAS34179の群から選択される少なくとも1種の化合物、または、その塩、水和物または塩の水和物を含有する医薬組成物。
【請求項15】
神経因性膀胱、過活動膀胱および間質性膀胱炎の処置のための、バルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、SLx2101およびLAS34179の群から選択される少なくとも1種の化合物、または、その塩、水和物または塩の水和物を含有する医薬組成物。
【請求項16】
神経因性膀胱、過活動膀胱および間質性膀胱炎の処置のための、バルデナフィルまたはその塩、水和物または塩の水和物を含有する医薬組成物。
【請求項17】
神経因性膀胱、過活動膀胱および間質性膀胱炎の処置用の医薬組成物を製造するための、バルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、SLx2101およびLAS34179の群から選択される少なくとも1種の化合物、または、その塩、水和物または塩の水和物の使用。
【請求項18】
神経因性膀胱、過活動膀胱および間質性膀胱炎の処置用の医薬組成物を製造するための、バルデナフィルまたはその塩、水和物または水和物の塩の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−509984(P2009−509984A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532632(P2008−532632)
【出願日】平成18年9月16日(2006.9.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009040
【国際公開番号】WO2007/039075
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】