説明

波形可撓管及びそれのブロー成形製造方法

【課題】 波形可撓管の重量化と曲り特性の低下を抑制して高い配管作業性を維持しながらも、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突音の発生を効果的に抑制する。
【解決手段】 可撓性の流体管2を挿通する屈曲可能な合成樹脂製の波形可撓管1であって、内壁面1aに、それの谷部1b内面よりも径方向内方位置で流体管2の外周面2aに当接する弾性変形可能な緩衝突起3が管軸芯方向で断続する状態で一体形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の床面や壁面等に配設される給水管や給湯管等の可撓性のある流体管を保護する鞘管などのように、流体管を挿通する屈曲可能な合成樹脂製の波形可撓管とそれをブロー成形により製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、戸建て住宅や高層住宅等の構造物に給水給湯管や暖房管等の流体管を配設する場合、構造物の床面や壁面等に予め配設された保護管となる鞘管等の波形可撓管内に可撓性のある流体管を挿入する二重配管工法が採用されている。この二重配管工法による場合は、流体管の施工及び保守点検作業の容易化、能率化を図ることができるものの、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによって、流体管が波形可撓管の内壁面に衝突して音が発生する問題がある。
【0003】
そのため、このようなウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突音の発生を抑制する対策として、従来の波形可撓管では、それの内周面に、谷部に内接する緩衝性を備えた可撓性のある合成樹脂製の緩衝管を一体形成するとともに、緩衝管の内周面の周方向複数箇所には、それよりも径方向内方位置で流体管の外周面に当接する緩衝性を備えた可撓性のある合成樹脂製の緩衝突起を、管軸芯方向に沿って突条に一体形成していた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−311462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の波形可撓管では、ウォータハンマー現象に起因して波形可撓管内に配設された流体管が波打ちしたとき、この流体管の外周面と直接接触する緩衝突起の弾性変形と、波形可撓管の内周面に一体形成された緩衝管の弾性変形によって、流体管の波打ちによる衝撃力を緩衝することができるものの、波形可撓管の内周面に内接する緩衝管を一体形成し、更に、この緩衝管の内周面の周方向複数箇所にも管軸芯方向に沿って連続する緩衝突起を一体形成するため、波形可撓管全体が重量化するばかりでなく、波形可撓管が曲がり難くなり、波形可撓管及び流体管の配管作業性が大きく低下する。
【0006】
しかも、波形可撓管をブロー成形で製造するにあたっては、ブロー成形機のダイスに、波形可撓管を成形するための外壁用パリソンとなる熱軟化樹脂を押し出す第1樹脂押出口と、緩衝管を成形するための内壁用パリソンとなる熱軟化樹脂を押し出す第2樹脂押出口と、内壁パリソンの内壁面に連続する状態で緩衝突起となる熱軟化樹脂を押し出す第3樹脂押出口と、第1樹脂押出口から連続して押し出された外壁パリソンをブロー圧で分割成形型の管壁成形面に押し付けるための圧力空気を噴出す第1噴出口と、分割成形型に既に押し付けられている外壁パリソンの内壁面に対して第2樹脂押出口から連続して押し出された内壁パリソンをブロー圧で押し付けるための圧力空気を噴出す第2噴出口とを形成する必要があるため、ブロー成形設備が複雑化し、しかも、波形可撓管全体での体長さ当たりの使用樹脂量が多いことも相まって、製造コストの高騰化を招来していた。
【0007】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、第1の主たる課題は、波形可撓管の重量化と曲り特性の低下を抑制して高い配管作業性を維持しながらも、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突音の発生を効果的に抑制することのできる波形可撓管を提供する点にあり、第2の主たる課題は、ブロー成形設備の簡素化及び単位長さ当たりの使用樹脂量の減少を図りながら、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突音の発生を効果的に抑制することのできる波形可撓管を能率良く製造することのできるブロー成形製造方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による第1の特徴構成は、可撓性の流体管を挿通する屈曲可能な合成樹脂製の波形可撓管であって、内壁面に、それの谷部内面よりも径方向内方位置で流体管の外周面に当接する弾性変形可能な緩衝突起が、管軸芯方向で断続する状態で一体成形されている点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、ウォータハンマー現象に起因して波形可撓管内に配設された流体管が波打ちしたとき、波形可撓管の内壁面に管軸芯方向に沿って断続形成された緩衝突起が流体管との当接に連れて弾性変形することにより、流体管の波打ちによる衝撃力を緩和することができる。しかも、複数の緩衝突起は波形可撓管の内周面に管軸芯方向に沿って直接一体的に形成され、更に、管軸芯方向で緩衝突起が存在しない領域が形成されているため、波形可撓管全体での重量の増加を抑制することができるとともに、波形可撓管の曲がりを阻害することも抑制することができる。
【0010】
従って、波形可撓管の重量化と曲り特性の低下を抑制して高い配管作業性を維持しながらも、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突音の発生を効果的に抑制することができ、しかも、波形可撓管全体の単位長さ当りでの使用樹脂量を減少して、消音効果の高いものをコスト面で有利に製造することができる。
【0011】
本発明による第2の特徴構成は、可撓性の流体管を挿通する屈曲可能な合成樹脂製の波形可撓管であって、内壁面の谷部相当箇所に、それよりも径方向内方位置で流体管の外周面に当接する弾性変形可能な緩衝突起が一体成形されている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、ウォータハンマー現象に起因して波形可撓管内に配設された流体管が波打ちしたとき、波形可撓管の内壁面の谷部相当箇所に形成された緩衝突起が流体管との当接に連れて弾性変形することにより、流体管の波打ちによる衝撃力を緩和することができる。しかも、緩衝突起は波形可撓管の内周面の谷部相当箇所にのみ一体形成されていて、波形可撓管の内周面の山部相当箇所には存在しないため、波形可撓管全体での重量の増加を抑制することができるとともに、波形可撓管の曲がりを阻害することも抑制することができる。
【0013】
従って、波形可撓管の重量化と曲り特性の低下を抑制して高い配管作業性を維持しながらも、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突音の発生を効果的に抑制することができる。しかも、波形可撓管全体の単位長さ当りでの使用樹脂量を減少して、消音効果の高いものをコスト面で有利に製造することができる。
【0014】
本発明による第3の特徴構成は、前記緩衝突起が、内壁面の谷部相当箇所のうち、管軸芯方向に複数ピッチの間隔をおいて位置する複数ピッチ領域の谷部相当箇所に一体成形されている点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、ウォータハンマー現象に起因して波形可撓管内に配設された流体管が波打ちしたとき、波形可撓管の内壁面の谷部相当箇所のうち、管軸芯方向に複数ピッチの間隔をおいて位置する複数ピッチ領域の谷部相当箇所に一体成形された緩衝突起が流体管との当接に連れて弾性変形することにより、流体管の波打ちによる衝撃力を緩和することができる。しかも、緩衝突起は波形可撓管の内周面の谷部相当箇所に形成されていて、波形可撓管の内周面の山部相当箇所には存在せず、更に、内周面の谷部相当箇所においても緩衝突起が存在しない非形成領域が存在するため、波形可撓管全体での重量の増加と波形可撓管の曲がりを阻害することを共に良好に抑制することができる。
【0016】
本発明による第4の特徴構成は、前記緩衝突起を形成しない領域のピッチ数が、緩衝突起を形成する領域のピッチ数よりも大に構成されている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、内周面の谷部相当箇所において緩衝突起が存在しない非形成領域が増加するため、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突音の発生を抑制しながら、波形可撓管の重量化と曲り特性の低下を一層抑制して配管作業性の向上を図ることができる。
【0018】
本発明による第5の特徴構成は、前記緩衝突起が、内壁面の周方向で断続的に形成されている点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、前記緩衝突起が内壁面の周方向においても間隔を置いて形成されているから、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突音の発生を良好に抑制しながらも、波形可撓管の重量化と曲り特性の低下を一層抑制して配管作業性の向上を図ることができる。
【0020】
本発明による第6の特徴構成は、前記緩衝突起が、内壁面の周方向に沿って環状に連続形成されている点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、ウォータハンマー現象に起因して流体管が何れの方向に波打っても、この流体管を環状の緩衝突起で確実に受止めてそれの衝撃力を緩和することができる。
【0022】
本発明による第7の特徴構成は、前記緩衝突起の先端位置での内径が、流体管の外径と略同一に構成されている点にある。
【0023】
上記特徴構成によれば、波形可撓管の内壁面に一体形成された複数の緩衝突起の先端が挿入された流体管の外周面に接触又は近接して、流体管が波形可撓管と略同芯状態に維持されているため、流体管が何れの径方向に波打ちしても、これによる衝撃力を効果的に抑制することができる。
【0024】
本発明による第8の特徴構成は、可撓性の流体管を挿通する屈曲可能な合成樹脂製の波形可撓管であって、内壁面の谷部のうち、管軸芯方向に複数ピッチの間隔をおいて位置する谷部が、他の谷部よりも径方向内方に突出位置して、流体管の外周面に当接する弾性変形可能な緩衝谷部に構成されている点にある。
【0025】
上記特徴構成によれば、ウォータハンマー現象に起因して波形可撓管内に配設された流体管が波打ちしたとき、他の谷部よりも径方向内方に突出位置する緩衝谷部が流体管との当接に連れて弾性変形することにより、流体管の波打ちによる衝撃力を緩和することができる。しかも、管軸芯方向に複数ピッチの間隔をおいて位置する谷部を他の谷部よりも径方向内方に突出形成するだけであるから、波形可撓管全体での重量の増加を抑制することができるとともに、波形可撓管の曲がりを阻害することも抑制することができる。
【0026】
従って、波形可撓管の重量化と曲り特性の低下を抑制して高い配管作業性を維持しながらも、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突音の発生を効果的に抑制することができる。しかも、波形可撓管全体の単位長さ当りでの使用樹脂量を減少して、消音効果の高いものをコスト面で有利に製造することができる。
【0027】
本発明による第9の特徴構成は、前記緩衝谷部の軸芯方向での幅が、径方向内方への突出代が小さな他の谷部の軸芯方向での幅よりも小に構成されている点にある。
【0028】
上記特徴構成によれば、ウォータハンマー現象に起因して波形可撓管内に配設された流体管が波打ちしたとき、他の谷部よりも径方向内方に突出位置する軸芯方向幅の小さな緩衝谷部が流体管との当接に連れてスムーズに弾性変形し易くなり、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突力を効果的に吸収緩和することができる。
【0029】
本発明による第10の特徴構成は、波形可撓管の外壁面に対する管壁成形面を備えた第1分割成形型と、波形可撓管の外壁面に対する管壁成形面及びそれの谷部相当箇所から径方向内方に突出する突起成形面を備えた第2分割成形型とを循環移動させる循環経路のうち、ブロー成形機の押出口の対応する成形経路部において第1分割成形型同士及び第2分割成形型同士を接合させて移動させながら、ブロー成形機の押出口から連続して押し出したパリソンをブロー圧で分割成形型の管壁成形面及び突起成形面に押し付けることにより、波形可撓管の谷部内面よりも径方向内方位置で流体管の外周面に当接する弾性変形可能な複数の緩衝突起が一体成形された波形可撓管をブロー成形する点にある。
【0030】
上記特徴構成によれば、多数の第1・第2分割成形型を循環移動させる循環経路のうち、ブロー成形機の押出口の対応する成形経路部において第1分割成形型同士及び第2分割成形型同士を接合させて移動させながら、ブロー成形機の押出口から熱軟化したパリソンを連続的に押し出し、このパリソンを接合された両第1分割成形型の管壁成形面、又は、接合された両第2分割成形型の管壁成形面及び突起成形面にブロー圧で押し付けることにより、パリソンを波形可撓管に成形すると同時に、それの谷部相当箇所から径方向内方に突出する緩衝突起も同時に一体形成することができる。
【0031】
従って、波形可撓管の内壁面の谷部相当箇所から径方向内方に突出する緩衝突起を、第2分割成形型の管壁成形面に形成された突起成形面によって所定形状に確実に一体形成することができることと、単位長さ当たりの使用樹脂量を減少することができることとにより、ブロー成形設備の簡素化を図りながら、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突音の発生を効果的に抑制することのできる波形可撓管を能率良く安価に製造することができる。
【0032】
本発明による第11の特徴構成は、波形可撓管の径方向内方への突出代が小さな谷部を成形するための谷成形面を備えた管壁成形面を形成してある第3分割成形型と、波形可撓管の径方向内方への突出代が大きな谷部を成形するための谷成形面を備えた管壁成形面を形成してある第4分割成形型とを循環移動させる循環経路のうち、ブロー成形機の押出口の対応する成形経路部において第3分割成形型同士及び第4分割成形型同士を接合させて移動させながら、ブロー成形機の押出口から連続して押し出したパリソンをブロー圧で分割成形型の管壁成形面及び突起成形面に押し付けることにより、他の谷部よりも径方向内方に突出位置して、流体管の外周面に当接する弾性変形可能な緩衝谷部が管軸芯方向に複数ピッチの間隔をおいて一体成形された波形可撓管をブロー成形する点にある。
【0033】
上記特徴構成によれば、多数の第3・第4分割成形型を循環移動させる循環経路のうち、ブロー成形機の押出口の対応する成形経路部において第3分割成形型同士及び第4分割成形型同士を接合させて移動させながら、ブロー成形機の押出口から熱軟化したパリソンを連続的に押し出し、このパリソンを接合された両第3分割成形型の管壁成形面及び両第4分割成形型の管壁成形面にブロー圧で押し付けることにより、パリソンを波形可撓管に成形すると同時に、両第4分割成形型の管壁成形面に形成されている谷成形面により、両第3分割成形型の管壁成形面の谷成形面で成形される他の谷部よりも径方向内方に突出位置して、流体管の外周面に当接する弾性変形可能な緩衝谷部を同時に一体成形することができる。
【0034】
従って、波形可撓管の径方向内方への突出代が大きな谷部を成形するための谷成形面を備えた第4分割成形型により、波形可撓管の管軸芯方向に複数ピッチの間隔をおいて位置する部位に、他の谷部より径方向内方に突出位置する緩衝谷部を所定形状に確実に一体成形することができることと、単位長さ当たりの使用樹脂量を減少することができることとにより、ブロー成形設備の簡素化を図りながら、ウォータハンマー現象に起因する流体管の波打ちによる衝突音の発生を効果的に抑制することのできる波形可撓管を能率良く安価に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
〔第1実施形態〕
図1〜図3は、合成樹脂製の可撓性を備えた波形可撓管の一例である架橋ポリエチレン製の鞘管1内に、合成樹脂製の可撓性を備えた流体管の一例である架橋ポリエチレン製の給水給湯管2を挿通させて、鞘管1を給水給湯管2の保護管に構成してある二重配管構造を示し、鞘管1の内壁面1aの谷部1b相当箇所で、かつ、管軸芯X方向に所定間隔である複数ピッチ(当該実施形態では9ピッチ)をおいて位置する複数ピッチ領域(当該実施形態では3ピッチ領域)内の谷部1b相当箇所には、それの谷部1b内面よりも径方向内方位置で給水給湯管2の外周面2aに当接する弾性変形可能な横断面形状が三角形状の架橋ポリエチレン製の緩衝突起3が一体形成されている。
【0036】
前記各緩衝突起3は、鞘管1の内壁面1aを構成する谷部1bの内面に沿って連続する円環状に形成されているとともに、各緩衝突起3の管軸芯X方向の幅は谷部1bの管軸芯X方向の幅よりも小に構成され、更に、各緩衝突起3の内面及び外面が、鞘管1の内壁面1aを構成する谷部1b及び山部1cと同一又は略同一の厚みで屈曲するV字状面に形成されていて、その各緩衝突起3の外面側に径方向外方に向かって開口するV字状溝部3aが形成されている。
【0037】
そして、鞘管1内に挿通された給水給湯管2がウォータハンマー現象に起因して波打ち、その波打った給水給湯管2の外周面が、鞘管1の内壁面1aの谷部1b相当箇所で、かつ、管軸芯X方向に複数ピッチをおいて位置する複数ピッチ領域内の谷部1b相当箇所に一体形成されている各緩衝突起3の先端に当接したとき、各緩衝突起3が、給水給湯管2の径方向外方への外力を吸収緩和するべく圧縮方向に弾性変形可能に構成されている。
【0038】
前記各緩衝突起3の先端位置(径方向内端位置)での内径D1は、給水給湯管2の外径D2と同一又はそれよりも若干大径若しくは若干小径に構成されていて、鞘管1内に給水給湯管2が挿入されたとき、鞘管1の内壁面に一体形成された緩衝突起3の先端が挿入された給水給湯管2の外周面2aに接触又は近接して、給水給湯管2と鞘管1とを略同芯状態に維持することにより、鞘管1の内壁面1aと給水給湯管2の外周面2aとの間に環状空間Sが形成されている。
【0039】
そして、ウォータハンマー現象に起因して鞘管1内に配設された給水給湯管2が波打ちしたとき、鞘管1の内壁面1aの谷部1b相当箇所のうち、管軸芯X方向に複数ピッチの間隔をおいて位置する複数ピッチ領域の谷部1b相当箇所に一体成形された緩衝突起3が給水給湯管2との当接に連れて弾性変形することにより、給水給湯管2の波打ちによる衝撃力を緩和することができる。しかも、緩衝突起3は鞘管1の内壁面1aの谷部1b相当箇所に形成されていて、鞘管1の内壁面1aの山部1c相当箇所には存在せず、更に、内壁面1aの内壁面1aの谷部1b相当箇所においても緩衝突起が存在しない非形成領域が存在するため、鞘管1全体での重量の増加と鞘管1の曲がりを阻害することを共に良好に抑制することができる。
【0040】
次に、上述の如く構成された鞘管1を図4〜図6に示すようなブロー成形機Aを用いて製造する方法について説明する。
ブロー成形機Aでは、ダイス6の中心線及びブロー成形される鞘管1の管軸芯Xを通るブロー成形中心線の一側脇に形成した第1循環経路Rに沿って、鞘管1の外壁面1dにおける上半側外壁面に対する半円柱面状の管壁成形面4aを備えた第1分割成形型4Aと、鞘管1の外壁面1dにおける上半側外壁面に対する半円柱面状の管壁成形面5a及びそれの谷部1b相当箇所から径方向内方に突出する突起成形面5cを備えた第2分割成形型5Aとを循環移動させるとともに、ブロー成形中心線の他側脇に形成した第2循環経路Lに沿って、鞘管1の外壁面1dにおける下半側外壁面に対する半円柱面状の管壁成形面4bを備えた第1分割成形型4Bと、鞘管1の外壁面1dにおける下半側外壁面に対する半円柱面状の管壁成形面5b及びそれの谷部1b相当箇所から径方向内方に突出する突起成形面5cを備えた第2分割成形型5Bを循環移動させている。
【0041】
また、両循環経路R,Lのうち、ダイス6に形成された円環状の押出口7の対応する成形経路部分の始端において、各戻り経路部分に沿って戻り移動してくる一対の第1分割成形型4A,4B同士及び第2分割成形型5A,5B同士を接合させるとともに、その接合状態のまま両第1分割成形型4A,4B及び両第2分割成形型5A,5Bを成形経路部分の終端側に向かって移動させるように構成されている。
【0042】
また、ブロー成形機Aのダイス6には、鞘管1を成形するための熱軟化したパリソン8を連続的に押し出す円環状の押出口7と、両第1分割成形型4A,4Bの管壁成形面4a,4bと、両第2分割成形型5A,5Bの管壁成形面5a,5b及び突起成形面5cに対して、押出口7から連続して押し出される熱軟化したパリソン8をブロー圧で押し付けるための圧力空気を噴射する空気噴出口9とが形成されている。
【0043】
そして、両循環経路R,Lのうち、ブロー成形機Aのダイス6に形成された円環状の押出口7の対応する成形経路部分において第1分割成形型4A,4B同士及び第2分割成形型5A,5B同士を接合させて移動させながら、ブロー成形機Aの押出口7から連続して押し出される熱軟化した円筒状のパリソン8を、ダイス6の先端部に形成され空気噴出口9から噴射される圧力空気のブロー圧により、両第1分割成形型4A,4Bの管壁成形面4a,4bと、両第2分割成形型5A,5Bの管壁成形面5a,5b及び突起成形面5cに押し付け、内壁面1aの谷部1b相当箇所よりも径方向内方位置で給水給湯管2の外周面2aに当接する緩衝突起3が一体成形された鞘管1をブロー成形する。
【0044】
それ故に、鞘管1の内壁面1aの谷部1b相当箇所から径方向内方に突出する緩衝突起3を、第2分割成形型5A,5Bの管壁成形面5a,5bに形成された突起成形面5c,5cによって所定形状に確実に一体形成することができることと、単位長さ当たりの使用樹脂量を減少することができることとにより、ブロー成形設備の簡素化を図りながら、ウォータハンマー現象に起因する給水給湯管2の波打ちによる衝突音の発生を効果的に抑制することのできる鞘管1を能率良く安価に製造することができる。
【0045】
また、給水給湯管等の流体管2としては、上述の第1実施形態で説明した架橋ポリエチレン管以外に、ポリエチレン管、ポリブテン管等の可撓性を有する合成樹脂管、及び、金属が複合された可撓性を有する金属複合合成樹脂管を好適に用いることができる。
【0046】
更に、鞘管等の波形可撓管1としては、上述の第1実施形態で説明した架橋ポリエチレン管以外に、ポリエチレン管、ポリブテン管等の可撓性を有する合成樹脂管を好適に用いることができる。
【0047】
尚、この第1実施形態では、鞘管1の外壁面1dに対する管壁成形面4a,4bを備えた第1分割成形型4A,4Bと、鞘管1の外壁面1dに対する管壁成形面5a,5b及びそれの谷部1b相当箇所から径方向内方に突出する突起成形面5cを備えた第2分割成形型5A,5Bとを、2:1の割合で配設したが、この第1分割成形型4A,4Bと第2分割成形型5A,5Bとを1:1、3:1、4:1等の割合で配設してもよい。
【0048】
更に、前記第2分割成形型5A,5Bのみで構成してもよい。この場合には、緩衝突起3が形成されている谷部1bと緩衝突起3が形成されていない谷部1bとが3:1の割合で連続形成されることになる。
【0049】
また、鞘管1の外壁面1dに対する管壁成形面5a,5bの谷部1b相当箇所の各々から径方向内方に突出する突起成形面5cが形成されている分割成形型のみを使用した場合には、鞘管1の内壁面1aの谷部1b相当箇所の各々に、それよりも径方向内方位置で給水給湯管2の外周面2aに当接する弾性変形可能な緩衝突起3が一体成形されることになる。
【0050】
〔第2実施形態〕
図7〜図9は、合成樹脂製の可撓性を備えた波形可撓管の一例である架橋ポリエチレン製の鞘管1内に、合成樹脂製の可撓性を備えた流体管の一例である架橋ポリエチレン製の給水給湯管2を挿通させて、鞘管1を給水給湯管2の保護管に構成してある二重配管構造の他の実施形態を示し、鞘管1の内壁面1aの谷部のうち、管軸芯X方向に所定間隔である複数ピッチ(当該実施形態では9ピッチ)をおいて位置する複数ピッチ領域(当該実施形態では3ピッチ領域)内に位置する谷部1eが、他の谷部1bよりも径方向内方に突出位置して、給水給湯管2の外周面に当接する弾性変形可能な緩衝谷部に構成されているとともに、前記緩衝谷部1eの管軸芯X方向での幅W1が、径方向内方への突出代が小さな他の谷部1bの管軸芯X方向での幅W2よりも小に構成されている。
【0051】
そして、鞘管1内に挿通された給水給湯管2がウォータハンマー現象に起因して波打ち、その波打った給水給湯管2の外周面2aが、鞘管1の内壁面1aの谷部1b相当箇所で、かつ、管軸芯X方向に複数ピッチをおいて位置する複数ピッチ領域内の突出代の大きな緩衝谷部1eの先端に当接したとき、各緩衝谷部1eが、給水給湯管2の径方向外方への外力を吸収緩和するべく圧縮方向に弾性変形可能に構成されている。
【0052】
前記各緩衝谷部1eの先端位置(径方向内端位置)での内径D1は、給水給湯管2の外径D2と同一又はそれよりも若干大径若しくは若干小径に構成されていて、鞘管1内に給水給湯管2が挿入されたとき、鞘管1の内壁面1aに一体形成された緩衝谷部1eの先端が挿入された給水給湯管2の外周面2aに接触又は近接して、給水給湯管2と鞘管1とを略同芯状態に維持することにより、鞘管1の内壁面1aと給水給湯管2の外周面2aとの間に環状空間Sが形成されている。
【0053】
そして、ウォータハンマー現象に起因して鞘管1内に配設された給水給湯管2が波打ちしたとき、管軸芯X方向に複数ピッチの間隔をおいて位置する複数ピッチ領域内の谷部1eで、かつ、他の領域の谷部1bよりも径方向内方に突出する緩衝谷部1eが給水給湯管2との当接に連れて弾性変形することにより、給水給湯管2の波打ちによる衝撃力を緩和することができる。しかも、緩衝谷部1eは、管軸芯X方向に複数ピッチの間隔をおいて位置する谷部1eを他の谷部1bよりも径方向内方に突出形成するだけであり、鞘管1全体での重量の増加と鞘管1の曲がりを阻害することを共に良好に抑制することができる。
【0054】
次に、上述の如く構成された鞘管1を図10〜図12に示すようなブロー成形機Aを用いて製造する方法について説明する。
ブロー成形機Aでは、ダイス6の中心線及びブロー成形される鞘管1の管軸芯Xを通るブロー成形中心線の一側脇に形成した第1循環経路Rに、鞘管1の外壁面1dにおける上半側外壁面に対する半円柱面状の管壁成形面11aを備え、その一部に鞘管1の径方向内方への突出代が小さな谷部1bを成形するための谷成形面11bを形成してある第3分割成形型11Aと、鞘管1の外壁面1dにおける上半側外壁面に対する半円柱面状の管壁成形面12aを備え、その一部に他の谷部1bよりも径方向内方への突出代が大きく、かつ、管軸芯X方向での幅W1が他の谷部1bの管軸芯X方向での幅W2よりも小に構成された谷部1eを成形するための谷成形面12bを形成してある第4分割成形型12Aが循環移動可能に装備されている。
【0055】
また、ブロー成形中心線の他側脇に形成した第2循環経路Lには、鞘管1の外壁面1dにおける下半側外壁面に対する半円柱面状の管壁成形面11a及び鞘管1の径方向内方への突出代が小さな谷部1bを成形するための谷成形面11bを形成してある第3分割成形型11Bと、鞘管1の外壁面1dにおける下半側外壁面に対する半円柱面状の管壁成形面12a及び鞘管1の径方向内方への突出代が大きな谷部1eを成形するための谷成形面12bを形成してある第4分割成形型12Bが循環移動可能に装備されている。
【0056】
また、両循環経路R,Lのうち、ダイス6に形成された円環状の押出口7の対応する成形経路部分の始端において、各戻り経路部分に沿って戻り移動してくる一対の第3分割成形型11A,11B同士及び第4分割成形型12A,12B同士を接合させるとともに、その接合状態のまま両第3分割成形型11A,11B及び両第4分割成形型12A,12Bを成形経路部分の終端側に向かって移動させるように構成されている。
【0057】
また、ブロー成形機Aのダイス6には、鞘管1を成形するための熱軟化したパリソン8を連続的に押し出す円環状の押出口7と、両第3分割成形型11A,11Bの管壁成形面11a及び谷成形面11bと、両第4分割成形型12A,12Bの管壁成形面12a及び谷成形面12bに対して、押出口7から連続して押し出された熱軟化したパリソン8をブロー圧で押し付けるための圧力空気を噴射する空気噴出口9とが形成されている。
【0058】
そして、両循環経路R,Lのうち、ブロー成形機Aのダイス6に形成された円環状の押出口7の対応する成形経路部分において第3分割成形型11A,11B同士及び第4分割成形型12A,12B同士を接合させて移動させながら、ブロー成形機Aの押出口7から連続して押し出される熱軟化した円筒状のパリソン8を、ダイス6の先端部に形成され空気噴出口9から噴射される圧力空気のブロー圧により、両第3分割成形型11A,11Bの管壁成形面11a及び谷成形面11bと、両第4分割成形型12A,12Bの管壁成形面12a及び谷成形面12bに押し付け、鞘管1の内壁面1aの谷部のうち、管軸芯X方向に所定間隔である複数ピッチ(当該実施形態では9ピッチ)をおいて位置する複数ピッチ領域(当該実施形態では3ピッチ領域)内に位置する谷部1eが、他の谷部1bよりも径方向内方に突出位置して、給水給湯管2の外周面に当接する弾性変形可能な緩衝谷部に構成されている鞘管1をブロー成形する。
【0059】
尚、この第2実施形態では、鞘管1の外壁面1dに対する管壁成形面11aに径方向内方への突出代が小さな谷部1bを成形するための谷成形面11bを形成してある第1分割成形型11A,11Bと、鞘管1の外壁面1dに対する管壁成形面12aに径方向内方への突出代が大きな谷部1eを成形するための谷成形面12bを形成してある第4分割成形型12A,12Bを2:1の割合で配設したが、この第3分割成形型11A,11Bと第4分割成形型12A,12Bとを1:1、3:1、4:1等の割合で配設してもよい。
【0060】
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0061】
〔第3実施形態〕
図13は、合成樹脂製の可撓性を備えた波形可撓管の一例である架橋ポリエチレン製の鞘管1内に、合成樹脂製の可撓性を備えた流体管の一例である架橋ポリエチレン製の給水給湯管2を挿通させて、鞘管1を給水給湯管2の保護管に構成してある二重配管構造の他の実施形態を示し、鞘管1の内壁面1aの周方向複数箇所の各々に、それの谷部1bにおける内面よりも径方向内方位置で給水給湯管2の外周面2aに当接する緩衝突起14を、管軸芯X方向で断続する状態で一体成形してもよい。
【0062】
この実施形態では、前記緩衝突起14を、鞘管1の内壁面1aの4ピッチに相当する領域に形成するとともに、この緩衝突起14の隣接間隔Pを、鞘管1の内壁面1aの14ピッチに相当する間隔に設定してある。
【0063】
次に、上述の如く構成された鞘管1を図14〜図16に示すようなブロー成形機Aを用いて製造する方法について説明する。
ブロー成形機Aでは、ダイス6の中心線及びブロー成形される鞘管1の管軸芯Xを通るブロー成形中心線の両側脇に、鞘管1の外壁面1dにおける上半側外壁面に対する半円柱面状の管壁成形面15aを備えた多数の第5分割成形型15Aを循環移動させる第1循環経路Rと、鞘管1の外壁面1dにおける下半側外壁面に対する半円柱面状の管壁成形面15bを備えた多数の第5分割成形型15Bを循環移動させる第2循環経路Lとを設けるとともに、両循環経路R,Lのうち、ダイス6に形成された円環状の押出口7の対応する成形経路部分の始端において、各戻り経路部分に沿って戻り移動してくる一対の第5分割成形型15A,15B同士を接合させるとともに、その接合状態のまま両第5分割成形型15A,15Bを成形経路部分の終端側に向かって移動させるように構成されている。
【0064】
また、ブロー成形機Aのダイス6には、鞘管1を成形するための熱軟化したパリソン8を連続的に押し出す円環状の押出口7と、押出口7から連続して押出された熱軟化したパリソン8をブロー圧で両第5分割成形型15A,15Bの管壁成形面15A,15Bに押し付けるための圧力空気を噴射する空気噴出口9とが形成されているとともに、ダイス6の押出口7よりも径方向内方に偏位した部位で、かつ、周方向に等間隔を隔てた四箇所の各々には、緩衝突起14を管軸芯X方向で断続成形するための熱軟化した突起状の樹脂16をパリソン8の内壁面に連続する融着又は融合状態で断続的に押し出す三角形状の第2押出口17が形成されている。
【0065】
そして、両循環経路R,Lのうち、ブロー成形機Aのダイス6に形成された円環状の押出口7の対応する成形経路部分において両第5分割成形型15A,15B同士を接合させて移動させながら、ブロー成形機Aの押出口7から連続して押し出された熱軟化した円筒状のパリソン8を、ダイス6の先端部に形成され空気噴出口9から噴射される圧力空気のブロー圧で両第5分割成形型15A,15Bの管壁成形面15a,15bに押し付けるとともに、ダイス6の周方向に等間隔を隔てた四箇所に形成された径方向内方に切れ込む三角形状の第2押出口部17からパリソン8の内壁面に連続する融着又は融合状態で熱軟化した突起状の樹脂16を断続的に押し出すことにより、内壁面1aよりも径方向内方位置で給水給湯管2の外周面に管軸芯X方向で断続的に当接する複数の緩衝突起14が一体成形された鞘管1をブロー成形する。
【0066】
つまり、両循環経路R,Lに沿って循環移動される多数の第5分割成形型15A,15Bを、ブロー成形機Aの押出口7の対応する成形経路部分において接合させて移動させながら、ブロー成形機Aの押出口7から熱軟化したパリソン8を連続的に押し出し制御すると同時に、押出口7の内方側の周方向四箇所に形成された径方向内方に切れ込む第2押出口部17から熱軟化した突起状の樹脂16をパリソン8の内壁面に連続する融着又は融合状態で断続的に押出し制御することにより、パリソン8及び突起状の樹脂16をブロー圧で第5分割成形型15A,15Bの管壁成形面15a,15bに押し付けることにより、パリソン8を鞘管1に成形すると同時に、その内壁面1aに接する突起状の樹脂16により管軸芯X方向で断続する緩衝突起14を一体形成することができる。
【0067】
尚、この第3実施形態では、鞘管1の内壁面1aで、かつ、それの周方向に等間隔を隔てた四箇所の各々に、それの谷部1bにおける内面よりも径方向内方位置で給水給湯管2の外周面2aに当接する緩衝突起14を一体的に断続形成したが、この緩衝突起14の周方向での形成数としては2〜10本が好適である。
【0068】
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0069】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の各実施形態では、前記各緩衝突起3、14又は緩衝谷部1eの先端位置での内径D1を、給水給湯管2の外径D2と同一又はそれよりも若干大径若しくは若干小径に構成したが、各緩衝突起3、14又は緩衝谷部1eの先端位置での内径D1を、給水給湯管2の外径D2よりも少し大きく構成して、給水給湯管2を径方向の一定範囲内で移動自在に構成してもよい。
【0070】
(2)上述の第3実施形態では、鞘管1の内壁面1aの周方向複数箇所の各々に、それの谷部1bにおける内面よりも径方向内方位置で流体管2の外周面2aに当接する緩衝突起14を、管軸芯(管軸線)X方向に沿って断続形成したが、この緩衝突起3を螺旋方向に沿って断続形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1実施形態を示す波形可撓管の縦断面図
【図2】図1のI−I線断面図
【図3】図1のII−II線断面図
【図4】波形可撓管のブロー成形製造方法を示す説明図
【図5】ブロー成形機のダイスの拡大断面側面図
【図6】図5のVI-VI線断面図
【図7】本発明の第2実施形態を示す波形可撓管の縦断面図
【図8】図7のVIII−VIII線断面図
【図9】図7のIX−IX線断面図
【図10】波形可撓管のブロー成形製造方法を示す説明図
【図11】ブロー成形機のダイスの拡大断面側面図
【図12】図11のXII-XII線断面図
【図13】本発明の第3実施形態を示す波形可撓管の縦断面図
【図14】波形可撓管のブロー成形製造方法を示す説明図
【図15】ブロー成形機のダイスの拡大断面側面図
【図16】図15のXVI-XVI線断面図
【符号の説明】
【0072】
R 第1循環経路
L 第2循環経路
D1 内径
D2 外径
W1 幅
W2 幅
X 管軸芯
1 波形可撓管(鞘管)
1a 内壁面
1b 谷部
1c 山部
1d 外壁面
1e 緩衝谷部
2 流体管(給水給湯管)
2a 外周面
3 緩衝突起
4A 第1分割成形型
4B 第1分割成形型
4a 管壁成形面
5A 第2分割成形型
5B 第2分割成形型
5a 管壁成形面
5b 突起成形面
6 ダイス
7 押出口
8 パリソン
9 空気噴出口
11A 第3分割成形型
11B 第3分割成形型
11a 管壁成形面
11b 谷成形面
12A 第4分割成形型
12B 第4分割成形型
12a 管壁成形面
12b 谷成形面
14 緩衝突起
15A 第5分割成形型
15B 第5分割成形型
15a 管壁成形面
15b 管壁成形面
16 樹脂
17 第2押出口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性の流体管を挿通する屈曲可能な合成樹脂製の波形可撓管であって、内壁面に、それの谷部内面よりも径方向内方位置で流体管の外周面に当接する弾性変形可能な緩衝突起が、管軸芯方向で断続する状態で一体成形されている波形可撓管。
【請求項2】
可撓性の流体管を挿通する屈曲可能な合成樹脂製の波形可撓管であって、内壁面の谷部相当箇所に、それよりも径方向内方位置で流体管の外周面に当接する弾性変形可能な緩衝突起が一体成形されている波形可撓管。
【請求項3】
前記緩衝突起が、内壁面の谷部相当箇所のうち、管軸芯方向に複数ピッチの間隔をおいて位置する複数ピッチ領域の谷部相当箇所に一体成形されている請求項2記載の波形可撓管。
【請求項4】
前記緩衝突起を形成しない領域のピッチ数が、緩衝突起を形成する領域のピッチ数よりも大に構成されている請求項3に記載の波形可撓管。
【請求項5】
前記緩衝突起が、内壁面の周方向で断続的に形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の波形可撓管。
【請求項6】
前記緩衝突起が、内壁面の周方向に沿って環状に連続形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の波形可撓管。
【請求項7】
前記緩衝突起の先端位置での内径が、流体管の外径と略同一に構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の波形可撓管。
【請求項8】
可撓性の流体管を挿通する屈曲可能な合成樹脂製の波形可撓管であって、内壁面の谷部のうち、管軸芯方向に複数ピッチの間隔をおいて位置する谷部が、他の谷部よりも径方向内方に突出位置して、流体管の外周面に当接する弾性変形可能な緩衝谷部に構成されている波形可撓管。
【請求項9】
前記緩衝谷部の軸芯方向での幅が、径方向内方への突出代が小さな他の谷部の軸芯方向での幅よりも小に構成されている請求項8記載の波形可撓管。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の波形可撓管を成形する製造方法であって、波形可撓管の外壁面に対する管壁成形面を備えた第1分割成形型と、波形可撓管の外壁面に対する管壁成形面及びそれの谷部相当箇所から径方向内方に突出する突起成形面を備えた第2分割成形型とを循環移動させる循環経路のうち、ブロー成形機の押出口の対応する成形経路部において第1分割成形型同士及び第2分割成形型同士を接合させて移動させながら、ブロー成形機の押出口から連続して押し出したパリソンをブロー圧で分割成形型の管壁成形面及び突起成形面に押し付けることにより、波形可撓管の谷部内面よりも径方向内方位置で流体管の外周面に当接する弾性変形可能な複数の緩衝突起が一体成形された波形可撓管をブロー成形する製造方法。
【請求項11】
請求項8又は9記載の波形可撓管を成形する製造方法であって、波形可撓管の径方向内方への突出代が小さな谷部を成形するための谷成形面を備えた管壁成形面を形成してある第3分割成形型と、波形可撓管の径方向内方への突出代が大きな谷部を成形するための谷成形面を備えた管壁成形面を形成してある第4分割成形型とを循環移動させる循環経路のうち、ブロー成形機の押出口の対応する成形経路部において第3分割成形型同士及び第4分割成形型同士を接合させて移動させながら、ブロー成形機の押出口から連続して押し出したパリソンをブロー圧で分割成形型の管壁成形面及び突起成形面に押し付けることにより、他の谷部よりも径方向内方に突出位置して、流体管の外周面に当接する弾性変形可能な緩衝谷部が管軸芯方向に複数ピッチの間隔をおいて一体成形された波形可撓管をブロー成形する製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−46407(P2006−46407A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225714(P2004−225714)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(000119830)因幡電機産業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】