説明

波長変換素子

【課題】本発明は、高効率な波長変換を達成する波長変換素子を提供する。
【解決手段】2つの異なる波長の光を入射し、一方の光により第二高調波を発生し、他方の光と前記第二高調波の差周波発生により変換光を発生する波長変換素子であって、周期分極反転構造を有する二次非線形光学媒質からなる導波路部であって、前記一方の光を前記第二高調波に変換する第二高調波発生部と、前記第二高調波の屈折率を変化させるための位相調節部とを有する、導波路部と、前記導波路部の入力端に設けられ、前記第二高調波を反射する第1の反射部と、前記導波路部の出力端に設けられ、前記第二高調波を反射する第2の反射部とを備え、前記位相調節部は、前記第1の反射部によって反射された第二高調波の位相と前記第二高調波発生部で発生する第二高調波の位相とを整合させることを特徴とする波長変換素子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換素子に関し、より詳細には、波長群変換等で使用される擬似位相整合素子に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の二次非線形光学効果を利用した波長変換素子が従来から知られている。例えば、第二高調波発生素子では、入射光の半分の波長の第二高調波に波長変換することができる。また、和周波発生素子では、2つの異なる波長の光を両者の和の周波数に相当する波長の光に波長変換することができる。さらに、差周波発生素子では、2つの異なる波長の光を両者の差の周波数に相当する波長の光に波長変換することができる。
【0003】
非特許文献1に示されるように、従来の導波路型波長変換素子は、二次非線形光学定数を周期的に変調した強誘電体(LiNbO3)を導波路形状に加工した素子である。図1は、波長変換を行う従来の擬似位相整合素子を例示する。図1に示すように、従来の擬似位相整合素子101は、周期Λ0で分極反転したLiNbO3からなる基板102と、基板102の表面に形成された導波路103とから構成される。
【0004】
ここで、LiNbO3のような強誘電体結晶での二次非線形光学定数の正負を、自発分極の極性の上向き、下向きで定義し、以下、二次非線形光学定数の正負の符号が周期的に反転されている構造を周期分極反転構造と称する。
【0005】
図1に示されるように、波長λ1の信号光104は、波長λ2の励起光105と合波器106で合波され、合波後に、レンズ107を通して擬似位相整合素子101に入力され、擬似位相整合素子101の導波路103内で波長λ2の励起光105の半波長である波長λPを有する第二高調波が発生し、当該第二高調波と入射光λ1の信号光104との差周波発生により、波長λ3の変換光108を発生する。ここで、差周波発生の場合、信号光の波長λ1、励起光の波長λ2、変換光の波長λ3、及び第二高調波の波長λPは、以下の関係を満たす。
1/λ3=2/λ2−1/λ1=1/λP−1/λ1 (式1)
【0006】
具体的には、λ1=1530nmの信号光104とλ2=1545nmの励起光とを擬似位相整合素子101の導波路103に入射して、波長λ2の励起光105の第二高調波を発生するように分極反転構造の周期Λ0を設定しておき、擬似位相整合素子101内で発生した第二高調波(λP=772.5nm)とλ1=1530nmの信号光104との差周波発生でλ3=1560nmの変換光108を生成することができる。
【0007】
この方法では、信号光104と励起光105の波長を1.55μm近傍とすることができるため、通常の通信波長帯の光源2個を利用すればよく、特殊な770nm帯の励起光源を用意する必要がないという利点がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】M. H. Chou, I. Brener, M. M. Fejer, E. E. Chaban, and S. B. Christman,”1.5-μm-band wavelength conversion based on cascaded second-order nonlinearity in LiNbO3 waveguides”, IEEE Photon Technol Lett, Vol 11, No.6, 1999
【非特許文献2】M. Fujimura, M. Sudoh, K. Kintaka, T. Suhara, and H. Nishihara, "Enhancement of SHG efficiency in periodically poled LiNbO3 waveguide utilising a resonance effect", Electron. Lett., 32, p.1283 (1996).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、擬似位相整合素子101では、励起光105および励起光105から発生する第二高調波が、導波路103を一回透過するだけで導波路103から出射されてしまう。そのため、励起光105が有効利用されず、高効率な波長変換には、高価な光増幅器を用いた励起光の増大が不可欠であるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような問題を解決するために、請求項1に記載の発明によれば、2つの異なる波長の光を入射し、一方の光により第二高調波を発生し、他方の光と前記第二高調波との差周波発生により変換光を発生する波長変換素子であって、周期分極反転構造を有する二次非線形光学媒質からなる導波路部であって、前記一方の光を前記第二高調波に変換する第二高調波発生部と、前記第二高調波の屈折率を変化させるための位相調節部とを有する、導波路部と、前記導波路部の入力端に設けられ、前記第二高調波を反射する第1の反射部と、前記導波路部の出力端に設けられ、前記第二高調波を反射する第2の反射部とを備え、前記位相調節部は、前記第1の反射部によって反射された第二高調波の位相と前記第二高調波発生部で発生する第二高調波の位相とを整合させることを特徴とする波長変換素子が提供される。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載されている波長変換素子において、前記導波路部は、それぞれ屈折率が異なる2枚の二次非線形光学材料基板で構成され、前記2枚の二次非線形光学材料基板は、基板直接接合法で接合され、前記2枚の二次非線形光学材料基板のうち、屈折率の高い方の基板は、ダイシングまたはエッチングにより加工された導波路であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載されている波長変換素子において、前記第1の反射部及び前記第2の反射部は、誘電体多層膜により形成されているか、あるいはブラッグ反射器により形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載されている波長変換素子において、記2枚の二次非線形光学材料基板は、LiNbO3、あるいは、Mg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を添加物として含有したLiNbO3で構成され、前記2枚の二次非線形光学材料基板のうち、屈折率の高い方の基板は周期分極反転構造を有する基板であることを特徴とする。
【0014】
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項2に記載されている波長変換素子において、前記2枚の二次非線形光学材料基板のうち、屈折率の高い方の基板は、LiNbO3、あるいは、Mg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を添加物として含有するLiNbO3で構成される周期分極反転構造を有する基板であり、屈折率の低い方の基板は、LiTaO3で構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、入射光と第二高調波との差周波発生を利用した波長変換素子において、第二高調波に対する共振器を形成することができるため、第二高調波のパワーを増大させ、差周波光の変換効率を増大させるという効果を奏する。さらに、波長変換素子の導波路部は、基板直接接合法で接合した基板をダイシングまたはエッチングで加工して作製するため、導波路部内に閉じ込められた高パワーの第二高調波に対して光損傷耐性が高いという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】波長変換を行う従来の擬似位相整合素子を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係る波長変換素子の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例2に係る波長変換素子の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
図2は、本発明における実施例1に係る波長変換素子200を示す。図2(a)は、本発明の実施例1に係る波長変換素子200の上面図を示し、図2(b)は、本発明の実施例1に係る波長変換素子200の側面図を示し、図2(c)は、本発明の実施例1に係る波長変換素子200の正面図を示す。図2に示されるように、本発明の実施例1に係る波長変換素子200は、第二高調波発生部3及び位相調節部6を有する導波路部1と、導波路部1が形成された基板部2と、誘電体多層膜4及び誘電体多層膜5と、電極7と、誘電体スパッタ膜8とで構成される。
【0019】
導波路部1は、LiNbO3にZnをドープしたZn−LiNbO3で作製されており、幾つかの周期の異なる周期分極反転構造を有している。また、導波路部1は、導波路部1内で発生した第二高調波と導波路部1への入射光との差周波を発生するように構成されている。基板部2は、導波路部1への光閉じ込めのため、屈折率が導波路部1よりも小さくなるように、LiNbO3にMgをドープしたMg−LiNbO3基板で作製されている。
【0020】
導波路部1及び基板部2の材料の組み合わせとしては、LiNbO3、およびそれにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を添加物として含有したLiNbO3、あるいはLiTaO3を使用する。導波路部1の屈折率は、基板部2の屈折率よりも大きくなるように選択されているものとする。
【0021】
導波路部1の第二高調波発生部3では、入射した波長λ1の入射光が、第二高調波発生部3で波長λ2の光が変換されて発生する波長λPの第二高調波と擬似位相整合するように、第二高調波発生部3における周期分極反転構造の周期Λ0が、
|2π(np/λP−2n1/λ1)|=2π/Λ0 (式2)
の関係を満たすように設定されている。ここで、n1は波長λ1に対する導波路部1の屈折率であり、npは波長λPに対する導波路部1の屈折率である。
【0022】
本発明の波長変換素子200においては、上述の第二高調波の出力を増大させるため、導波路部1に残留する第二高調波を反射する誘電体多層膜4を導波路部10の入力端に設け、第二高調波を反射する誘電体多層膜5を導波路部1の出力端に設けた。ここで、導波路部10の入力端とは、導波路部1において、入射光を入力する部位を示し、導波路部1の出力端とは、導波路部1において、変換光を出力する部位を示す。また、誘電体多層膜4及び誘電体多層膜5は、SiO2、TiO2等で構成される。
【0023】
本発明の波長変換素子200において、波長変換素子200への波長λ2の入射光は、第二高調波発生部3によって波長λPの第二高調波に変換される。第二高調波発生部3で発生した第二高調波及び波長λ1の入射光は、互いに合波されて差周波を発生し、変換光が生成される。差周波発生により生成された変換光は、誘電体多層膜5を透過して出力される。変換光に変換されずに残留した第二高調波は、位相調節部7によって位相調節されて、位相調節された第二高調波は誘電体多層膜5によって反射される。位相調節部7による位相調節に関しては、後に説明する。誘電体多層膜5によって反射された第二高調波は、導波路部1を介して誘電体多層膜4によってさらに反射されて第二高調波発生部3に入射する。ここで、誘電体多層膜4によって反射されて第二高調波発生部3に入射した第二高調波は、前述したように位相調節部6によって位相調節されているため、第二高調波発生部3で新たに発生した第二高調波の位相と位相整合されている。第二高調波発生部3に新たに入射した波長λ1の入射光及び誘電体多層膜4によって反射されて第二高調波発生部3に入射した第二高調波は、互いに合波されて差周波を発生し、変換光が生成される。以後、合波されずに残留した第二高調波は、波長λ1の入射光と合波されて差周波発生により変換光に変換されるまで、誘電体多層膜4及び5による反射が繰り返される。
【0024】
誘電体多層膜4及び5は、合波されずに残留した第二高調波を反射することにより、第二高調波を導波路部10内に多数回往復させて、第二高調波と入射光とを多数回合波させることを可能にする。
【0025】
導波路部1の位相調節部6は、電極7により導波路部1に電界を印加して、電気光学効果により屈折率を変化させる。具体的には、位相調節部6は、上述の残留した第二高調波が誘電体多層膜4及び5で反射した後、第二高調波発生部3に再度入射する際、第二高調波発生部3で新たに発生する第二高調波の位相と誘電体多層膜4によって反射された第2高調波の位相とが一致するように屈折率変化を与えて位相調節を行う。これにより、第二高調波の共振条件を保持しつつ、その光パワーを増大させることができる。
【0026】
なお、位相調節部6が設けられる部位には、電界を印加するための金属性の電極7を導波路上とその近傍の素子表面に作製する必要がある。しかしながら、導波路部1に金属電極を直接接触させると大きな光損失が生じるため、導波路上にSiO2等の誘電体スパッタ膜8を作製後、電極7を作製した。
【0027】
本構成を利用して、誘電体多層膜4及び5によって第二高調波を多数回往復させ、第二高調波を入射光と多数回合波かつ擬似位相整合させることにより、変換光への変換効率を増大させることができる。ここで重要なことは、変換光のみが最終的に必要な出力であるため、高い反射率の誘電体多層膜4及び5を反射鏡として用いることにより、第二高調波を導波路部1内に強く閉じ込めることができるので、導波路部1内での第二高調波の光パワーを高め、結果として変換光を高い効率で得ることができる。
【0028】
非特許文献2に示されるように、周期分極反転構造を有する導波路型のLiNbO3波長変換素子の入力端及び出力端に誘電体多層膜からなる反射鏡を設け、第二高調波を増大させる波長変換素子は既に開発されている。しかしながら、非特許文献2に示される波長変換素子は、第二高調波ではなく、入射光を反射鏡により反射して波長変換素子内に往復させ、そのフィードバック効果で入射光のパワーを増大し、第二高調波を発生する波長変換素子である。そのため、入射光を種光として波長変換素子外から入力する際に、入射光に対して反射率100%の反射鏡を使用することができないので、フィードバック効果も最大限には得られない。また、非特許文献2に示される波長変換素子は、第二高調波を波長変換素子外へ出力する必要があるため、第二高調波に対しても反射率100%の反射鏡を設けることはできない。
【0029】
それに対して、本発明の波長変換素子200では、入射光と第二高調波との差周波発生で発生した変換光を出力するため、入出力に無関係な中間状態に発生する第二高調波を反射率100%の反射鏡を使用して波長変換素子内に閉じ込めて最大限に有効なフィードバック効果を得ることができる。
【0030】
本発明の波長変換素子200の導波路部1は、所望の設計に基づいて、周期分極反転構造を有するZn−LiNbO3基板をMg−LiNbO3基板またはLiTaO3基板に基板直接接合法で接合した後、ダイシングまたはエッチングでZn−LiNbO3基板を加工することにより作製される。それに対して、周期分極反転構造を有する導波路型の他のLiNbO3波長変換素子の導波路部の多くは、Ti拡散等を利用して作製される。しかしながら、Ti拡散等を利用して作製された波長変換素子に、反射鏡を用いて第二高調波の共振条件を保持する共振構造を設けた場合、内部に閉じ込められる光のパワーが非常に大きくなる。そのため、光誘起のキャリアが生成されやすくなり、これによる屈折率の変動で共振条件の制御が難しくなる。本発明の波長変換素子200は、Zn−LiNbO3基板をダイシングまたはエッチングで加工して作製され、Tiのような光損傷を引き起こす元素を含まないため、そのような光誘起屈折率変化(光損傷ともいう)に対する高い耐性を有するという特徴がある。
【0031】
本発明の波長変換素子200において、共振構造とは、特に位相調節部6及び誘電体多層膜4及び5によって実現されるような、第二高調波の共振条件を保持しつつ、その光パワーを増大させることができる構造を指すものとする。本発明の波長変換素子200の共振構造は、通常の誘電体多層膜の蒸着で作製できるが、蒸着の際、位相調節部6の電極7の作製予定部位には、誘電体多層膜4及び5の材料が付着しないように注意する必要がある。これを行うためには、例えば、フォトレジスト等の保護材料を用いて電極の作製予定部位を保護してから誘電体多層膜4及び5の蒸着を行い、その後、溶剤で保護材料を除去すればよい。
【実施例2】
【0032】
共振構造の他の作製方法として、本発明の実施例2に係る波長変換素子300の共振構造の作製方法を示す。図3は、本発明の実施例2に係る波長変換素子300を示す図である。図3(a)は、本発明の実施例2に係る波長変換素子300の上面図を示し、図3(b)は、本発明の実施例2に係る波長変換素子300の側面図を示し、図3(c)は、本発明の実施例2に係る波長変換素子300の正面図を示す。図3に示されるように、本発明の実施例2に係る波長変換素子300は、第二高調波発生部3及び位相調節部6を有する導波路部1と、導波路部1が形成された基板部2と、ブラッグ反射器9及び10と、電極7と、誘電体スパッタ膜8とで構成される。
【0033】
本発明の実施例2で示す波長変換素子300の共振構造の作製方法としては、周期分極反転構造を有するZn−LiNbO3基板に対して、ブラッグ反射器9及び10の作製予定部位である導波路部1の入力端及び出力端付近をプロトン交換法等で周期的に屈折率変化を与えることにより、ブラック反射器9及び10を構成すればよい。このようにして作製した基板をMg−LiNbO3基板またはLiTaO3基板に基板直接接合法で接合し、ダイシングまたはエッチングで導波路を加工し、図3に示されるようなブラック反射器9及び10を有する導波路部を作製する構成も可能である。
【0034】
本発明の実施例2に係る波長変換素子300の作製方法は、誘電体多層膜4及び5を蒸着する必要がないため、保護材料を用いて電極7の作成予定部位を保護し、作成後に保護材料を除去するという工程を経る必要がない。従って、本発明の実施例2に係る波長変換素子300の作製方法は、本発明の実施例1に係る波長変換素子200を作製する際に行われる工程よりも簡略化された工程で行うことができる。
【符号の説明】
【0035】
1 導波路部
2 基板部
3 第二高調波発生部
4、5 誘電体多層膜
6 位相調節部
7 電極
8 誘電体スパッタ膜
9、10 ブラッグ反射器
101 擬似位相整合素子
102 基板
103 導波路
104 信号光
105 励起光
106 合波器
107 レンズ
108 変換光
200、300 波長変換素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの異なる波長の光を入射し、一方の光により第二高調波を発生し、他方の光と前記第二高調波との差周波発生により変換光を発生する波長変換素子であって、
周期分極反転構造を有する二次非線形光学媒質からなる導波路部であって、前記一方の光を前記第二高調波に変換する第二高調波発生部と、前記第二高調波の屈折率を変化させるための位相調節部とを有する、導波路部と、
前記導波路部の入力端に設けられ、前記第二高調波を反射する第1の反射部と、
前記導波路部の出力端に設けられ、前記第二高調波を反射する第2の反射部と
を備え、
前記位相調節部は、前記第1の反射部によって反射された第二高調波の位相と前記第二高調波発生部で発生する第二高調波の位相とを整合させることを特徴とする波長変換素子。
【請求項2】
前記導波路部は、それぞれ屈折率が異なる2枚の二次非線形光学材料基板で構成され、前記2枚の二次非線形光学材料基板は、基板直接接合法で接合され、前記2枚の二次非線形光学材料基板のうち、屈折率の高い方の基板は、ダイシングまたはエッチングにより加工された導波路であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
【請求項3】
前記第1の反射部及び前記第2の反射部は、誘電体多層膜により形成されているか、あるいはブラッグ反射器により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
【請求項4】
前記2枚の二次非線形光学材料基板は、LiNbO3、あるいは、Mg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を添加物として含有したLiNbO3で構成され、前記2枚の二次非線形光学材料基板のうち、屈折率の高い方の基板は周期分極反転構造を有する基板であることを特徴とする請求項2に記載の波長変換素子。
【請求項5】
前記2枚の二次非線形光学材料基板のうち、屈折率の高い方の基板は、LiNbO3、あるいは、Mg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を添加物として含有するLiNbO3で構成される周期分極反転構造を有する基板であり、屈折率の低い方の基板は、LiTaO3で構成されることを特徴とする請求項2に記載の波長変換素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−118333(P2012−118333A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268587(P2010−268587)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】