説明

洋風便器装置

【課題】便器内部の密閉性を向上させて、尿や洗浄水などの便器外部への飛散の防止や、臭気の拡散を低減できる洋風便器装置を提供する。
【解決手段】便座14の裏面に弾性体11を取付けて、便座14を閉じたときに、便器本体19のリム部上面12aと弾性体11が当接して、便座14とリム部上面12aとの間に隙間が形成されないような構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洋風便器装置の改良に関し、詳しくは、便器内部の密閉性を向上させる洋風便器装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時において、洋風便器装置は、種々の装置を備えたものが提案されており、例えば、座位にて使用する際に、人体局部用の洗浄ノズルからの局部洗浄水の噴出により人体の局部を洗浄する温水洗浄機能を備えたものや、便器の使用を検知し、自動的に便器内部の脱臭を行う機能を有するものなどがある。
【0003】
前記人体局部を洗浄する機能を備えたものでは、使用者の局部に噴出された局部洗浄水が、便器本体の上端に周設されるリム部と、座位使用時に該リム部上面に載置される便座との隙間から飛散することがある。
また、座位にて使用の際には、尿なども前記隙間より飛散することもある。
【0004】
前記のような問題を解決するものとして、特許文献1では、図6に示すように、湾曲可能な弾性を有した飛散防止部材1を洋風便器3のリム2の上縁に沿って装着することで、リム2と便座(不図示)との隙間から温水洗浄装置の局部洗浄水や尿などの飛散を防止する便器用飛散防止部材が提案されている。
【特許文献1】特開2003−147829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1で提案されている便器用飛散防止部材1では、座位にて使用時に尿などの便器外部への飛散を防止することは可能であっても、便座と便器本体(特にリム部)との密閉性を向上させるものではなく、便器用飛散防止部材1のない便器後方からの局部洗浄水の飛散や、臭気が便器外部に拡散することを効果的に防止できるものではない。
また、立姿にて使用する際には、便器用飛散防止部材1がリム2から突出しているため、特に幼児や子供が使用する際などは、尿が便器用飛散防止部材1に当たり、尿の跳ね返りによるトイレ室内への尿の飛散などの問題もあった。
【0006】
本発明は、前記問題を解決するために提案されたもので、その目的は、便器内部の密閉性を向上させて、尿や洗浄水などの便器外部への飛散の防止や、臭気の拡散を低減できる洋風便器装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の洋風便器装置は、便座の裏面に弾性体を取付けて、該便座を閉じたときに、便器本体のリム部上面と該弾性体が当接して、該便座と該リム部上面との間に隙間が形成されないような構成としていることを特徴とする。
【0008】
請求項2では、請求項1において、便蓋を閉じた状態で便器内部を自動洗浄する洗浄手段を更に備えており、前記便蓋の裏面に弾性体を取付けて、該便蓋を閉じたときに、前記便座と該弾性体が当接して、該便蓋と該便座との間に隙間が形成されないような構成としていることを特徴とする。
ここに、便器内部とは、便蓋が閉じられた状態で形成される空間の洗浄手段により洗浄される部分を指し、ボウル部のみを指すものではなく、少なくともリム部の一部も含まれるものである。
【0009】
請求項3では、請求項2において、前記便蓋の裏面の弾性体は、自動洗浄時に前記便器内部で噴出される便器洗浄水の前記便座の着座面への付着を防ぐような構成とされていることを特徴とする。
ここに、本明細書では、人体の局部を洗浄するための洗浄水を局部洗浄水とし、便座を閉じた状態で便器内部を洗浄するための洗浄水を便器洗浄水とし、単に洗浄水とした場合は、少なくとも一方を指すものとする。
【0010】
請求項4では、請求項3において、前記便蓋の裏面の弾性体は、前記便座の開口部に応じた環状壁部を突設した構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記環状壁部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への前記便器洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする。
【0011】
請求項5では、請求項3において、前記便蓋の裏面の弾性体は、該便蓋の裏面の全面に取付けられ、前記便座の開口部に応じた膨出部を有する構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記膨出部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への前記便器洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1乃至5に記載の洋風便器装置によれば、便座と便器本体のリム部上面との間に隙間が形成されないので、座位にて使用時に尿や局部洗浄水などの便器外部への飛散を防止できる。
また、便器外部への臭気の拡散を低減することもできる。
【0013】
請求項2では、便蓋を閉じた状態で便器内部を自動洗浄する洋風便器装置において、便蓋と便座、便座とリム部上面に隙間が形成されないので、便器内部の密閉性が増し、自動洗浄の際に、便器洗浄水が便器外部へ飛散することを防止できる。
また、特に寒冷地等では、便蓋を閉じると便器内部の空間の密閉性、保温性が増すため、ボウル部に常時溜められている溜水の凍結を防止することができる。
【0014】
請求項3では、便蓋の裏面の弾性体は、便座の着座面への便器洗浄水の付着を防ぐ構成としているので、便器内部の自動洗浄時に噴出される便器洗浄水が、便座の着座面に付着することなく、洗浄直後でも不快感を伴うことなく使用が可能な洋風便器装置となる。
【0015】
請求項4では、便蓋の裏面の弾性体は、環状壁部を突設させた構造としているので、簡易な構成により便座の着座面への便器洗浄水の付着を防止することができる。
【0016】
請求項5では、便蓋の裏面の弾性体は、便蓋の裏面の全体に取付けられ、膨出部を有する構成としているので、便座と便蓋との当接する範囲が広くなり、便蓋と便座との開閉動作の衝撃を、従来の便蓋に比べてより効果的に吸収することができる。
また、座位にて使用する場合に、便蓋の裏面に取付けられた弾性体が、人体背側のクッションにもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、第1実施形態に係る洋風便器装置を示し、図1は、本実施形態の洋風便器装置を示す概略斜視図、図2は、本実施形態に係る洋風便器装置の便座を閉じた状態の要部縦断面図である。
【0018】
図1に示す洋風便器装置10では、便器本体19の後部に水洗タンクを備えていない、水道配管直結方式、いわゆるタンクレスタイプのものを図示しているが、水洗タンクを備えたものにも適用可能である。
図例の便器本体19は、ボウル部15と、ボウル部15の上端に周設されたリム部12と、ボウル部15の外周に形設されたスカート部16と、便器本体19の後方に位置する便蓋・便座設置部17に開閉自在に枢着された便座14及び便蓋13と、スカート部16の後方位置に各種装置やボウル部15への水洗用水を供給する吐出口などを内包するサイドカバー18を備えている。
リム部12は、図2に示すように、スカート部16の上端付近から水平方向に底辺12bとリム部上面12aとなる上辺を突設させ、該上辺と底辺12bとに連結される内辺12cとで、断面視略矩形状に形成され、前記吐出口から供給された水洗用水をボウル部15に向けて、底辺12bの所定の箇所に形成された複数のリム孔より放出する構成となっている。
【0019】
本実施形態では、人体検知センサ(不図示)が人体の存在を検知すると、便蓋・便座設置部17に内蔵されている便蓋・便座自動開閉機構(不図示)を作動させ、便蓋13を起立状態(図1に示す状態)とし、その後、所定の時間、着座センサ(不図示)からの着座検知の信号がないと、便座14も起立状態(図1に示す状態)とする。所定時間経過後、あるいは、人体検知センサが人体の不在を検知すると、再度、便蓋・便座自動開閉機構を作動させて便蓋13、便座14を倒伏させて、更に、自動水洗システム(不図示)を作動させて、汚物を排出する構成としている。
【0020】
また、前記着座センサが使用者の着座を検知すると、サイドカバー18に内蔵されている脱臭装置(不図示)を作動させ、非着座を検知すると、脱臭装置を停止させる構成としている。
更に、人体局部洗浄装置(不図示)を内蔵しており、座位にて使用時に使用者のボタン(不図示)操作などにより、人体局部に向けて局部洗浄水を噴出する構成としている。
【0021】
本実施形態に係る洋風便器装置10は更に、便座14の裏面に便座裏面弾性体11を取付けている。
詳しくは、便座14の裏面に取付けられた便座裏面弾性体11は、リム部12の形状に併せて略楕円状に形成されており、便座14を閉じた状態では、便座裏面弾性体11が、リム部上面12aの全周に亙って当接して、便座14とリム部上面12aとの間に隙間が形成されないような構成としている。
【0022】
前記構成によれば、座位にて使用時に尿や局部洗浄水などが便器外部へ飛散することを防止できる。
また、便器外部への臭気の拡散を低減でき、更に、本実施形態のように脱臭装置を内蔵したものでは、便器内部の密閉性により、脱臭装置の脱臭機能を十分に発揮させることができ、便器外部への臭気の拡散を効果的に防止することができる。
【0023】
尚、本実施形態の便座14の裏面に取付けられる便座裏面弾性体11の形状は、図示したものに限られず、便座14の裏面に取付けが可能で、リム部上面12aの全周に亙って、便座裏面弾性体11が当接できる形状のものであればどのようなものでもよく、幅や厚みなどは適宜、便器の形状などに併せて設計可能である。
また、本実施形態では、便座裏面弾性体11としてゴムを適用しているが、弾性力を有するものであれば、熱可塑性の合成樹脂材や独立発泡体から形成されたものなど、どのようなものでもよい。
【0024】
次に、本発明に係る他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図3(a)及び(b)は、第2実施形態に係る洋風便器装置を示し、(a)は、本実施形態に係る洋風便器装置が備える便蓋の斜視図、(b)は、便座及び便蓋を閉じた状態の要部縦断面図である。
【0025】
第1実施形態との相違点は、便蓋13を閉じた状態で便器内部を自動洗浄する洗浄手段を備えている点、及び、便蓋13の裏面に便蓋裏面弾性体21を設けている点であり、他の構成は、第1実施形態と同様であるため、同一符号を付し、説明を省略する。
【0026】
詳しくは、本実施形態では、前記自動水洗システムによる水洗動作後、すなわち、使用者の使用後の便座14及び便蓋13が閉じられた状態で、洗浄手段を構成する洗浄ノズル20を駆動させて、便器内部、すなわち、前記水洗動作での汚れの除去が困難である、特に、ボウル部15の上端付近やリム部12の底辺12b、内辺12cなどを洗浄ノズル20から噴出される便器洗浄水により洗浄する構成となっている。
【0027】
洗浄ノズル20は、図3(b)に示すように、ボウル部15の後方から便器内部の空間の略中央に、その便器洗浄水噴出口20aが位置するように、便蓋・便座設置部17(図1参照)内の洗浄ノズル駆動機構(不図示)により伸長駆動され、便器洗浄水を便器内部に向けて噴出する構成となっている。
【0028】
本実施形態では、洗浄ノズル20は、人体局部に向けて局部洗浄水を噴出する人体局部用噴出口20bと、便器内部に向けて便器洗浄水を噴出する便器洗浄水噴出口20aを有し、図示のような二段構成とし、人体局部用噴出口20bを先端とする人体局部用ノズル部と、それに回転及び伸縮自在に内装され、便器洗浄水噴出口20aを先端とする便器内部用ノズル部から構成されている。
【0029】
前記のように構成された洗浄ノズル20は、人体局部を洗浄する際には、人体局部用ノズル部のみが、便器後方から伸長され、人体局部用噴出口20bのみより局部洗浄水を噴出し、また、便器内部を洗浄する際には、人体局部用ノズル部とともに便器内部用ノズル部も伸長され、便器洗浄水噴出口20aより便器洗浄水を噴出する構成となっている。
更に、便器内部用ノズル部は、便器洗浄水の噴出中には、回転作動、伸縮作動するように構成されており、これにより、便器内部の全体に便器洗浄水が噴出されるようになっている。
【0030】
便蓋裏面弾性体21は、便座14の着座面14aの形状に併せて略楕円形状に形成されており、便蓋13を閉じた状態では、便蓋裏面弾性体21が、着座面14aの全周に亙って当接して、便蓋13と便座14との間に隙間が形成されないような構成としている。
尚、便座14の裏面には前記第1実施形態と同様の便座裏面弾性体11が取付けられている。
【0031】
前記のように構成された洋風便器装置10Aでは、便座14及び便蓋13を閉じた状態で、洗浄ノズル20の便器洗浄水噴出口20aより便器洗浄水が噴出されると、ボウル部15の全体、リム部12の底辺12bや内辺12c、リム部上面12aの一部及び便座14の裏面及び着座面14aの一部、便蓋13の裏面の一部などは十分に洗浄水の噴出により洗浄されるが、便座14とリム部上面12a、便座14の着座面14aと便蓋13との間に、それぞれ隙間が形成されず、便器内部の密閉性が増し、便器洗浄水が便器外部へ飛散することを防止できる。
また、特に寒冷地等では、便蓋13を閉じると便器内部の空間の密閉性、保温性が増すため、ボウル部15に常時溜められている溜水の凍結を防止することができる。
【0032】
尚、洗浄手段としては前記した洗浄ノズル20に限られず、人体局部用ノズル部とは別体として便器内部用の洗浄ノズルを設けてもよく、また、洗浄ノズルではなく、例えば、洗浄水を微粒子状にしたミストを発生させるミスト発生器をサイドカバー18内などに設け、ファンにより便器内部全体をミストにより洗浄する構成としてもよい。このような構成によれば、便器内部の隅々にまでミストが行き渡り十分な洗浄をすることができる。
【0033】
また、洗浄手段による便器内部の洗浄後は、例えば、温風乾燥装置により便器内部を乾燥させる構成としてもよい。温風乾燥装置としては、公知の人体局部の洗浄後に乾燥する装置などを便器内部の乾燥として兼用してもよく、このような構成によれば、カビの発生などを抑制することができる。
【0034】
更に、洗浄手段による便器内部の洗浄中は、ボウル部からの汚物や水洗用水を排出する際に作動させるトラップ部(不図示)、例えばターントラップ方式のトラップ部を、水洗動作時同様に作動させてもよい。これにより、ボウル部に洗浄水が貯水されることなく排出されるため、ボウル部下方まで十分に洗浄を行え、また、洗浄水がボウル部に満水となることなく便器外部へも溢水することがない。
更にまた、洗浄手段による便器内部の洗浄中は、洗浄中であることをブザーやランプにより報知する構成としてもよい。
【0035】
次に、本発明の更に他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図4(a)及び(b)は、第3実施形態に係る洋風便器装置を示し、(a)は、本実施形態に係る洋風便器装置が備える便蓋の斜視図、(b)は、便座及び便蓋を閉じた状態の要部縦断面図である。
【0036】
第2実施形態との相違点は、便蓋裏面弾性体及び便座裏面弾性体の形状であり、他の構成は、第2実施形態と同様であるため、同一符号を付し、説明を省略する。
【0037】
便座裏面弾性体11Aは、本実施形態では、その幅を、便座14の裏面の幅と略同幅に形成し、便座14の裏面に取付ける構成としている。
また、便蓋裏面弾性体22は、洗浄ノズル20(洗浄手段)による自動洗浄時に便器内部で噴出される便器洗浄水の便座14の着座面14aへの付着を防ぐような構成、すなわち、便座14の開口部14bに応じた環状壁部22を突設した構造としている。
詳しくは、便座14の開口部14bの形状に併せて、略楕円形の環状に突設させ、その突設高さは、図4(b)に示すように、環状壁部22の外周面が、便座14の開口部14bの内周縁に当接するような高さとされている。
【0038】
前記のように構成された環状壁部22は、便蓋13を閉じた状態では、便座14の開口部14bに嵌入されて、前記のような洗浄手段による自動洗浄時に便器内部で噴出される便器洗浄水の便座14の着座面14aへの付着を防ぐものとして機能する。
すなわち、洗浄ノズル20の便器洗浄水噴出口20aより便器洗浄水が噴出されると、ボウル部15の全体、リム部12の底辺12bや内辺12c及び便座裏面弾性体11Aの一部、便蓋13の裏面の一部などは十分に洗浄水の噴出により洗浄されるが、便座14の着座面14aは、環状壁部22により便器内部と便座14の着座面14aとの間に空隙が形成されず便器洗浄水が付着しない構成となっている。
【0039】
前記のように構成された洋風便器装置10Bでは、簡易な構成により便座14の着座面14aへの便器洗浄水の付着を防止することができ、自動洗浄直後でも不快感を伴うことなく使用が可能な洋風便器装置となる。
【0040】
次に、本発明に係る更に他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図5(a)及び(b)は、第4実施形態に係る洋風便器装置を示し、(a)は、本実施形態に係る洋風便器装置が備える便蓋の斜視図、(b)は、便座及び便蓋を閉じた状態の要部縦断面図である。
【0041】
第3実施形態との相違点は、便蓋裏面弾性体の形状であり、他の構成は、第3実施形態と同様であるため、同一符号を付し、説明を省略する。
【0042】
便蓋裏面弾性体23は、便蓋13の裏面の全面に取付けられ、便座14の開口部14bに応じた膨出部23aを有しており、更に、本実施形態では、便蓋裏面弾性体23は、便座14の着座面14aの形状に併せた形状とし、着座面14aの略全面に便蓋裏面弾性体23が当接するように形成されている。
【0043】
前記のように構成された便蓋裏面弾性体23は、便蓋13を閉じた状態では、便座14の開口部14bに膨出部23aを嵌入させて、第3実施形態と同様、洗浄手段による自動洗浄時に便器内部で噴出される便器洗浄水の便座14の着座面14aへの付着を防ぐものとして機能する。
【0044】
前記構成の洋風便器装置10Cによれば、第3実施形態と同様、便座14の着座面14aへの便器洗浄水の付着を防止することができ、自動洗浄直後でも不快感を伴うことなく使用が可能な洋風便器装置となるとともに、便座14と便蓋13との当接する範囲が広くなり、便蓋13と便座14との開閉動作の衝撃を、従来の便蓋に比べてより効果的に吸収することができる。
また、座位にて使用する場合に、便蓋13の裏面に取付けられた便蓋裏面弾性体23が、人体背側のクッションにもなる。
【0045】
更に、本実施形態のように、便蓋裏面弾性体23の形状を、便座14の着座面14aの形状に併せた形状とし、着座面14aの略全面に弾性体23が当接するような構成とすれば、便蓋13を閉じた状態、すなわち、洋風便器装置10Cが使用されていない待機状態では、便座14の着座面14aの保温性を向上させることができる。
また、近年、多用されている便座を加熱する装置を備えた暖房便座であれば、前記構成により、更に、保温性を向上させることができ、また、節電を図ることができる。
【0046】
尚、便蓋裏面弾性体23としては、ある程度の弾性力があればどのようなものでもよいが、断熱性のある独立発泡体で構成してもよい。また、便蓋13を軽量とするために弾性体23を中空に形成してもよい。更に、弾性体23を便蓋13と一体成形としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る洋風便器装置の実施形態の一例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明に係る洋風便器装置の同実施形態における便座を閉じた状態の要部縦断面図である。
【図3】本発明に係る洋風便器装置の他の実施形態を示し、(a)は便蓋の斜視図、(b)は便座及び便蓋を閉じた状態の要部縦断面図である。
【図4】本発明に係る洋風便器装置の更に他の実施形態を示し、(a)は便蓋の斜視図、(b)は便座及び便蓋を閉じた状態の要部縦断面図である。
【図5】本発明に係る洋風便器装置の更に他の実施形態を示し、(a)は便蓋の斜視図、(b)は便座及び便蓋を閉じた状態の要部縦断面図である。
【図6】従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10、10A、10B、10C 洋風便器装置
11、11A 便座裏面弾性体
12 リム部
12a リム部上面
13 便蓋
14 便座
14a 便座の着座面
14b 便座の開口部
19 便器本体
20 洗浄ノズル(洗浄手段)
21、23 便蓋裏面弾性体
22 環状壁部(便蓋裏面弾性体)
23a 膨出部(便蓋裏面弾性体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座の裏面に弾性体を取付けて、該便座を閉じたときに、便器本体のリム部上面と該弾性体が当接して、該便座と該リム部上面との間に隙間が形成されないような構成としていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項2】
請求項1において、
便蓋を閉じた状態で便器内部を自動洗浄する洗浄手段を更に備えており、
前記便蓋の裏面に弾性体を取付けて、該便蓋を閉じたときに、前記便座と該弾性体が当接して、該便蓋と該便座との間に隙間が形成されないような構成としていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記便蓋の裏面の弾性体は、自動洗浄時に前記便器内部で噴出される便器洗浄水の前記便座の着座面への付着を防ぐような構成とされていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記便蓋の裏面の弾性体は、前記便座の開口部に応じた環状壁部を突設した構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記環状壁部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への前記便器洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記便蓋の裏面の弾性体は、該便蓋の裏面の全面に取付けられ、前記便座の開口部に応じた膨出部を有する構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記膨出部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への前記便器洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする洋風便器装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−23166(P2008−23166A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200702(P2006−200702)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】