説明

洗浄剤組成物

【課題】 低刺激でかつ高起泡性のアシルタウリン塩を主成分とした洗浄剤組成物において、適度な硬さを有するペースト状であり、温度や経時での安定性が良好で、かつ肌や頭髪に対して使用後に優れた感触を付与する洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】 (a)特定のN−アシル化タウリンのナトリウム塩と、(b)特定のN−アシル化タウリンのカリウム塩と、(c)無機塩および有機塩の中から選ばれる1種または2種以上と、(d)水を含有し、上記(a)成分:(b)成分=7:1〜1:1(質量比)であり、かつ(a)成分と(b)成分の合計量が10〜30質量%であり、系の融点が40℃以上である、ペースト状ないし固形状の洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの皮膚、頭髪等を洗浄するための、ペースト状〜固形状の洗浄剤組成物に関する。さらに詳しくは、水をベースとする組成物であって、離水などの安定性の問題がなく、かつ起泡性、使用性等に優れ、皮膚や毛髪に対する刺激性が少ないペースト状〜固形状の洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ペースト状や固形状の洗浄剤は、皮膚や毛髪に施す場合、たれ落ちがなくなめらかに広がっていくため、洗顔料や頭髪洗浄料へ多用されている。
【0003】
ところでアシルタウリン塩は、その低刺激性や高起泡性から、洗浄剤へ利用され、例えば、アシルタウリン塩と−SO−基を有する化合物を含有する流動性組成物(特許文献1参照)、アシルタウリン塩と、高級脂肪酸および/または高級アルコールを含有する固形洗浄剤組成物(特許文献2参照)、2級アミド型N−アシルタウリン塩とカチオンポリマーを含有する洗浄剤組成物(特許文献3参照)など、液状〜固形状の種々の剤型のものが提案されている。これら特許文献1〜3に記載の洗浄剤組成物では、アシルタウリン塩の対イオンとして、ナトリウム、カリウム等が用いられるが、アシルタウリン塩の対イオンとしてナトリウムを用いる場合、調製直後はペースト状の製剤であっても、経時に伴いゲル化して著しい離水を生ずる。また、対イオンとしてカリウムを用いる場合、当初から極めて硬い構造を形成し、水溶けも悪く、洗浄料としての使用に適さない。
【0004】
そこで上記水溶けを改良したアシルタウリン組成物として、アシルタウリン組成物1モルに対して0.5〜2.0モルのハロゲン化アルカリ金属化合物を共存させた界面活性組成物が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4に記載の組成物を皮膚洗浄料に適用しようとすると、このような多量のハロゲン化アルカリが共存では皮膚に刺激を生じてしまい、実際には使用することはできないうえ、塩析によりアシルタウリンの結晶化が著しく、ペースト状とはいえない状態になってしまう。
【0005】
【特許文献1】特開2003−221305号公報
【特許文献2】特開平8−245981号公報
【特許文献3】特開平8−253791号公報
【特許文献4】特開2004−67840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、水をベースとし、離水などの安定性の問題がなく、かつ起泡性、使用性等に優れ、皮膚や毛髪に対する刺激性が少ないペースト状〜固形状の洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、N−アシル化タウリンのナトリウム塩、カリウム塩を、それぞれ特定の比率で共存させるとともに、それらの合計量を適切な範囲にし、さらに無機塩や有機塩を添加することで、適度な硬さを有するうえ安定性に優れ、洗浄剤として適した起泡性、使用性を持ち、さらに皮膚や毛髪に対して低刺激な洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、(a)下記一般式(I)で示されるN−アシル化タウリンのナトリウム塩と、(b)下記一般式(II)で示されるN−アシル化タウリンのカリウム塩と、(c)無機塩および有機塩の中から選ばれる1種または2種以上と、(d)水を含有し、上記(a)成分:(b)成分=7:1〜1:1(質量比)であり、かつ(a)成分と(b)成分の合計量が10〜30質量%であり、系の融点が40℃以上である、ペースト状ないし固形状の洗浄剤組成物を提供する。
【0009】
CONHCHCHSONa (I)
CONHCHCHSOK (II)
【0010】
[一般式(I)、(II)中、R、Rは、それぞれ独立に、炭素原子数が7〜17のアルキル基またはアルケニル基を示す]
【0011】
また本発明は、(c)成分において、(a)成分、(b)成分の対イオンと同種の金属イオン塩が、(a)成分、(b)成分の対イオンと異種の金属イオン塩に対して1以上の割合(モル比)で含有される、上記洗浄剤組成物を提供する。
【0012】
また本発明は、(c)成分の配合量が1〜10質量%である、上記洗浄剤組成物を提供する。
【0013】
また本発明は、さらに(e)3価以上のポリオールを含有する、上記洗浄剤組成物を提供する。
【0014】
また本発明は、(e)成分の配合量が2〜40質量%である、上記洗浄剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、離水などの安定性の問題がなく、かつ起泡性、使用性等に優れ、皮膚や毛髪に対する刺激性が少ないペースト状〜固形状の洗浄剤組成物を得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について詳述する。
【0017】
本発明における(a)成分としてのN−アシル化タウリンのナトリウム塩は、下記一般式(I)で表される化合物である。
【0018】
CONHCHCHSONa (I)
【0019】
(上記式中、Rは、炭素原子数が7〜17のアルキル基またはアルケニル基を示す)
【0020】
(a)成分として、具体的には、例えば、ラウロイルタウリンナトリウム、ミリストイルタウリンナトリウム、ステアロイルタウリンナトリウム、ココイルタウリンナトリウム等が挙げられる。
【0021】
本発明における(b)成分としてのN−アシル化タウリンのカリウム塩は、下記一般式(II)で表される化合物である。
【0022】
CONHCHCHSOK (II)
【0023】
(上記式中、Rは、炭素原子数が7〜17のアルキル基またはアルケニル基を示す)
【0024】
(b)成分として、具体的には、例えば、例えば、ラウロイルタウリンカリウム、ミリストイルタウリンカリウム、ステアロイルタウリンカリウム、ココイルタウリンカリウム等が挙げられる。
【0025】
本発明では、(a)成分と(b)成分の配合割合(質量比)は7:1〜1:1であり、好ましくは6:1〜2:1である。上記配合割合よりも(a)成分が多いと、経時でペースト状からゲル様に変化し離水が生じやすくなり、一方、上記配合割合よりも(b)成分が多いと、結晶性が高くなるためきわめて硬い様相となり、水溶けの悪さにつながるため洗浄剤としての実使用に適さない。
【0026】
また本発明では、(a)成分と(b)成分の合計量が、組成物全量中に10〜30質量%であり、好ましくは10〜25質量%である。(a)成分と(b)成分の合計量が10質量%未満では、ペースト状になり難く、過剰の水分が分離する傾向が生じ、また洗浄剤として使用した際の泡立ちが不十分となり、一方、30質量%超では、硬くなり使用に適さなくなる。
【0027】
本発明に用いられる(c)成分において、無機塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの塩化物、硫酸化物、臭化物等が好ましく用いられる。また有機塩としては、クエン酸、コハク酸、乳酸あるいはグルタミン酸やアスパラギン酸などの酸性アミノ酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等が好ましく用いられる。
【0028】
(c)成分は1種または2種以上を用いることができるが、(c)成分の少なくとも1種が上記(a)成分、(b)成分の対イオンと同種の金属イオン塩(=すなわちナトリウム塩、カリウム塩)であるものが好ましい。また(c)成分において、(a)成分、(b)成分の対イオンと同種の金属イオン塩が、(a)成分、(b)成分の対イオンと異種の金属イオン塩に対して1以上の割合(モル比)で含有されるのが好ましい。「(a)成分、(b)成分の対イオンと同種の金属イオン塩/(a)成分、(b)成分の対イオンと異種の金属イオン塩」(モル比)が1未満では、共融点現象により(a)成分、(b)成分のクラフト点が十分に上昇せず、安定性が悪くなる場合がある。
【0029】
(c)成分の配合量は、他配合成分との共存下、組成物の融点を40℃以上とすることができる限りにおいて特に限定されるものでないが、1〜10質量%程度が好ましい。(c)成分が過剰になると使用時にひりつき感を生じることがある。
【0030】
(d)成分の水としては、本発明洗浄剤組成物中に配合される他成分の残余量が配合される。
【0031】
本発明洗浄剤組成物は、上記(a)〜(d)成分を必須成分として含み、融点が40℃以上で、ペースト状ないし固形状を呈する。本発明におけるペースト状というのは、(a)成分、(b)成分の水和結晶が析出した状態をいい、したがって外観は白濁で、またその硬さは粘度3000mPa・s(30℃。B型粘度計)以上が好ましい。
【0032】
本発明では、上記(a)〜(d)成分に加えて、高温でより安定なペースト状〜固形状を維持するために、さらに(e)成分として、水に置換して、3価以上のポリオールを配合してもよい。かかるポリオールとしては、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、エリトリトールなどの多価アルコールや、糖アルコール、ショ糖やトレハロース等の糖類が例示され、好ましく用いられる。(e)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0033】
(e)成分の配合量は、本発明洗浄剤組成物中2〜40質量%が好ましい。
【0034】
本発明では、(a)成分、(b)成分を特定の配合比および合計配合量範囲で配合し、ここに、(c)〜(d)成分を配合することにより、おもに(c)成分による塩析効果や、さらに(e)成分を含む場合は、該(e)成分による水の水素結合状態の変化により、組成物系中に存在する(a)成分、(b)成分が次第に溶解しにくくなってゆき、最終的に得られる組成物の系の融点が40℃より高くなる。また(e)成分の配合により、肌のしっとりさが向上する。
【0035】
本発明の洗浄剤組成物には上記成分の他に、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、粉末成分、油分・油脂、高分子、紫外線吸収剤、糖類、アミノ酸、金属封鎖剤、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、消炎剤、美白剤、植物抽出液、賦活剤、抗炎症剤など、通常化粧品や医薬部外品に用いられる成分を配合することができる。ただしこれら例示に限定されるものではない。本発明洗浄剤組成物は、常法により製造することができる。
【0036】
本発明は、皮膚洗浄料(例えば、洗顔料、ボディシャンプーなど)、頭髪洗浄料(例えば、シャンプーなど)に好適に用いられる。
【0037】
[実施例]
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限りすべて質量%である。
【0038】
まず、本発明に用いた評価方法について説明する。
【0039】
[安定性]
試料製造後、40℃に4週間保存した後の状態を目視により判定した。評価基準は以下のとおりである。
(評価)
◎: 外観の変化や離水等が全くみられない
○: ゲル化は若干みられるが、離水は起こらない
△: ゲル化や離水が若干みられる、あるいは溶けて液状になっている
×: 離水が明確にみられる
【0040】
[硬さ]
試料をチューブにつめ、パネル(10名)によりチューブからの出具合で評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価)
◎: 8名以上が、試料がチューブから出やすいと回答した
○: 6〜7名が、試料がチューブから出やすいと回答した
△: 3〜5名が、試料がチューブから出やすいと回答した
×: 2名以下が、試料がチューブから出やすいと回答した
【0041】
[泡立ち]
専門パネル(10名)により実使用試験を実施し、泡立ちを評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価)
◎: 8名以上が、泡立ちがよいと回答した
○: 6〜7名が、泡立ちがよいと回答した
△: 3〜5名が、泡立ちがよいと回答した
×: 2名以下が、泡立ちがよいと回答した
【0042】
[泡質(クリーミーさ)]
専門パネル(10名)により実使用試験を実施し、泡立て時の泡質(クリーミーさ)を評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価)
◎: 8名以上が、泡質がクリーミーであると回答した
○: 6〜7名が、泡質がクリーミーであると回答した
△: 3〜5名が、泡質がクリーミーであると回答した
×: 2名以下が、泡質がクリーミーであると回答した
【0043】
[なめらかさ]
専門パネル(10名)により実使用試験を実施し、乾燥した後の肌のなめらかさを評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価)
◎: 8名以上が、乾燥後なめらかさがあると回答した
○: 6〜7名が、乾燥後なめらかさがあると回答した
△: 3〜5名が、乾燥後なめらかさがあると回答した
×: 2名以下が、乾燥後なめらかさがあると回答した
【0044】
[しっとりさ]
専門パネル(10名)により実使用試験を実施し、乾燥した後の肌のしっとりさを評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価)
◎: 8名以上が、乾燥後しっとりさがあると回答した
○: 6〜7名が、乾燥後しっとりさがあると回答した
△: 3〜5名が、乾燥後しっとりさがあると回答した
×: 2名以下が、乾燥後しっとりさがあると回答した
【0045】
[使用時のひりつき感]
専門パネル(10名)により実使用試験を実施し、試料を直接顔面に塗布してから洗顔した際のひりつき感を評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価)
◎: 8名以上が、使用時にひりつき感がないと回答した
○: 6〜7名が、使用時にひりつき感がないと回答した
△: 3〜5名が、使用時にひりつき感がないと回答した
×: 2名以下が、使用時にひりつき感がないと回答した
【0046】
なお、試料の融点は、示差熱分析計(DSC)にて、昇温時の水に対する試料の吸熱ピークを測定して、ピークトップを融点とした。
【0047】
(試験例1〜6)
下記表1に示す配合組成からなる試料を調製し、上記評価基準により、安定性、硬さ、泡立ち、泡質(クリーミーさ)、なめらかさ、しっとりさ、使用時のひりつき感について評価した。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
上記試験例1、2から明らかなように、本発明範囲内の洗浄剤組成物は、ペースト状〜固形状を呈し、安定性、硬さ、泡立ち、泡質(クリーミーさ)、なめらかさ、しっとりさ、使用時のひりつき感のいずれの評価にも優れているものであった。
【0050】
一方、上記試験例3のように、(a)成分を含むが、(b)成分を含まない系では、融点は40℃以上であるが経時に伴いゲル化し硬さが高まる上、著しい離水が生じて安定性が極めて悪い。また、上記試験例4のように、(b)成分を含むが、(a)成分を含まない系では、非常に硬く水溶けも悪いため泡立ちが良好でない。さらに上記試験例5のように、(a)成分と(b)成分の合計量が10質量%未満では安定性が悪く40℃で離水がみられ、泡立ちも良好でない。また試験例6のように、(a)成分と(b)成分の合計量が30質量%超では、硬く、水溶けが悪くなり、泡立ちも十分ではない。
【0051】
(試験例7〜12)
下記表2に示すように、(a)成分と(b)成分の合計量を同一にして、その配合比(質量比)を変えた試料を調製し、上記評価基準により、安定性、硬さ、泡立ち、泡質(クリーミーさ)、なめらかさ、しっとりさ、使用時のひりつき感について評価した。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】

【0053】
上記試験例7〜11から明らかなように、(a)成分:(b)成分=7:1〜1:1(質量比)の範囲内にある洗浄剤組成物は、安定性、硬さ、泡立ち、泡質(クリーミーさ)、なめらかさ、しっとりさ、使用時のひりつき感のいずれの評価にも優れているものであった。特に(a)成分:(b)成分=6:1〜2:1(質量比)では、いずれの項目においても特に格段に優れた評価が得られた(試験例9、10)。
【0054】
一方、上記試験例7のように、(a)成分の配合割合が高いと安定性が悪くなる傾向にあり、離水やゲル化が生じる。また、上記試験例12のように、(b)成分の配合割合が高いと硬くなる方向にあり、水溶けも悪化し泡立ちもきわめて低くなる。
【0055】
(試験例13〜17)
下記表3に示すように、(a)成分、(b)成分の配合量を固定して、(c)成分の配合量を変えた試料を調製し、上記評価基準により、安定性、硬さ、泡立ち、泡質(クリーミーさ)、なめらかさ、しっとりさ、使用時のひりつき感について評価した。また、(e)成分の添加の有無が与える影響についても調べた。結果を表3に示す。
【0056】
【表3】

【0057】
上記試験例13、14、16では、すべての評価項目において優れた結果が得られたが、(c)成分を多目に配合した場合(試験例14)、若干、肌へのひりつきが生じる傾向がみられた。
【0058】
一方、上記試験例15、17のように、(c)成分が配合されていないと泡質(クリーミーさ)が得られず、安定性にも劣るものとなった。
【0059】
また試験例13と試験例16との対比から明らかなように、(a)〜(d)成分の系に(e)成分を配合することによって、安定性、硬さ、泡質の効果をより一層高めることができ、特に(e)成分が、しっとりさの効果への寄与が大きいことがわかった。
【実施例1】
【0060】
ペースト状洗顔料
(配 合 成 分) (質量%)
ココイルタウリンナトリウム 12
ココイルタウリンカリウム 3
イソステアリン酸PEG8グリセリル 3
塩化ナトリウム 2
塩化カリウム 1
グリセリン 15
プロピレングリコール 5
1,3−ブチレングリコール 5
pH調整剤 適 量
防腐剤 適 量
香料 適 量
水 残 余
(全量100)
(製法)
上記成分を全て70℃にて攪拌混合し、ペースト状洗顔料を調製した。得られたペースト状洗顔料は、安定性(40℃、4週間)が良好で、チューブからの出しやすさもよく、泡立ちや泡質(クリーミーさ)、さらに使用後の肌のなめらかさやしっとりさも優れた使用性を有していた。系の融点は45℃であった。
【実施例2】
【0061】
半固形状洗顔料
(配 合 成 分) (質量%)
ラウロイルタウリンナトリウム 16
ミリストイルタウリンカリウム 4
ココイルメチルタウリンナトリウム 3
塩化ナトリウム 2
グリセリン 25
トレハロース 3
CHO[(EO)14/(PO)]CH
pH調整剤 適 量
防腐剤 適 量
香料 適 量
水 残 余
(全量100)
(製法)
上記成分を全て70℃にて攪拌混合し、半固形状洗顔料を調製した。得られた半固形状洗顔料は、安定性(40℃、4週間)が良好で、泡立ちや泡質(クリーミーさ)、さらに使用後の肌のなめらかさやしっとりさも優れた使用性を有していた。系の融点は48℃であった。
【実施例3】
【0062】
ペースト状頭髪洗浄料
(配 合 成 分) (質量%)
ラウロイルタウリンナトリウム 15
ココイルタウリンカリウム 3
ココイルアミドプロピルベタイン 4
塩化カリウム 3
ソルビトール 20
エリスリトール 1
pH調整剤 適 量
防腐剤 適 量
香料 適 量
水 残 余
(全量100)
(製法)
上記成分を全て70℃にて攪拌混合し、ペースト状頭髪洗浄料を調製した。得られたペースト状頭髪洗浄料は、安定性(40℃、4週間)が良好で、チューブからの出しやすさもよく、泡立ちや泡質(クリーミーさ)、さらに使用後の肌のなめらかさやしっとりさも優れた使用性を有していた。系の融点は48℃であった。
【実施例4】
【0063】
半固形状身体洗浄料
(配 合 成 分) (質量%)
ココイルタウリンナトリウム 16
ラウロイルタウリンカリウム 4
POE(2)ラウリル硫酸ナトリウム 5
塩化ナトリウム 4
グリセリン 30
ソルビトール 3
pH調整剤 適 量
防腐剤 適 量
香料 適 量
水 残 余
(全量100)
(製法)
上記成分を全て70℃にて攪拌混合し、半固形状身体洗浄料を調製した。得られた半固形状身体洗浄料は、安定性(40℃、4週間)が良好で、泡立ちや泡質(クリーミーさ)、さらに使用後の肌のなめらかさやしっとりさも優れた使用性を有していた。系の融点は50℃であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下記一般式(I)で示されるN−アシル化タウリンのナトリウム塩と、(b)下記一般式(II)で示されるN−アシル化タウリンのカリウム塩と、(c)無機塩および有機塩の中から選ばれる1種または2種以上と、(d)水を含有し、上記(a)成分:(b)成分=7:1〜1:1(質量比)であり、かつ(a)成分と(b)成分の合計量が10〜30質量%であり、系の融点が40℃以上である、ペースト状ないし固形状の洗浄剤組成物。
1CONHCH2CH2SO3Na (I)
2CONHCH2CH2SO3K (II)
[一般式(I)、(II)中、R1、R2は、それぞれ独立に、炭素原子数が7〜17のアルキル基またはアルケニル基を示す]
【請求項2】
(c)成分において、(a)成分、(b)成分の対イオンと同種の金属イオン塩が、(a)成分、(b)成分の対イオンと異種の金属イオン塩に対して1以上の割合(モル比)で含有される、請求項1記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
(c)成分の配合量が1〜10質量%である、請求項1または2記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
さらに(e)3価以上のポリオールを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
(e)成分の配合量が2〜40質量%である、請求項4記載の洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2006−63153(P2006−63153A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245722(P2004−245722)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】