説明

洗濯機

【課題】機内を衛生状態に保ったまま予約運転を開始できる洗濯機を提供する。
【解決手段】所望の時間に運転を開始若しくは終了する運転予約機能を有する洗濯機において、予約運転待機時に脱水槽内に除菌・消臭作用を有するイオンを送風する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、除菌・消臭作用を有するイオンを発生するイオン発生器を具備し、衣類等の洗濯物を収容した脱水槽(ドラム)内に、除菌・消臭作用を有するイオンを供給することで、洗濯物に付着した臭いを消臭したり、雑菌等を除菌できる機能を付加した洗濯機が提案されている(特許文献1参照)。このイオンは、オゾンとは異なって無臭で人体に無害であり、臭いや壁などに生えた(付着した)カビなどの真菌の除去にも効果があることが確認されている。
【0003】
近年、共働きの家庭が増え、それに伴い家事の効率アップが求められるようになった。洗濯機に搭載されている予約運転機能はそのニーズに応えるものとして需要が高まっている。ここで、洗濯機に搭載されている予約運転機能とは、予め洗濯物を脱水槽に投入しておき、蓋を閉じた状態で設定時刻まで待機し、設定時刻から運転を開始するあるいは運転を終了するのが一般的である。脱水槽内は、汚れた洗濯物が投入されていること、使用後のタオル等の湿った洗濯物も同時に投入されること、蓋が閉じられていることなどの理由によって、湿気が多く、臭いやカビが発生しやすい環境にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−66217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の特許文献1の洗濯機では、使用者が除菌・消臭したい洗濯物を脱水槽内に収容し、専用のコースを運転することで洗濯物の除菌・消臭効果をねらったものであり、予約運転待機時に脱水槽内の除菌・消臭には効果が期待できない。現状では、予約運転を多用する場合、汚れた洗濯物や湿った洗濯物が長時間脱水槽内に放置される状況が多く、機内の衛生状態が悪化する問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、機内を衛生状態に保ったまま予約運転を開始できる洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の洗濯機は、脱水槽と、該脱水槽へ至る送風経路に配され除菌・消臭作用を有するイオンを発生するイオン発生器と、該イオン発生器から発生するイオンを送風する送風手段と、脱水槽へ至る送風経路と、前記イオン発生器および前記送風手段をあらかじめ定める態様で作動させるための制御手段とを備え、所望の時間に運転を開始若しくは終了する予約機能を有する洗濯機において、予約運転待機時に脱水槽内にイオンを送風するイオン送風運転を行うことを特徴としている。
【0008】
この構成によると、予約運転待機状態においてイオン発生器から発生する除菌・消臭作用を有するイオンを送風手段により送風することで、予約運転待機状態の脱水槽内を除菌・消臭することができる。したがって、除菌・消臭作用を有するイオンの作用により予約運転待機状態の機内を清潔に保つことができる。
【0009】
また、本発明の洗濯機は、上記構成において、脱水槽内に収容された洗濯物の容量を判定する容量判定手段を備え、判定された洗濯物容量に基づき、上記イオン送風運転の強度または時間を自動的に算出することを特徴としている。この構成によると、洗濯物容量に基づき、予約運転待機時の脱水槽内の除菌・消臭の度合いを制御することができる。
【0010】
また、本発明の洗濯機は、上記構成において、脱水槽内の湿度を検知する湿度検知手段と、脱水槽内の湿度変化量を算出する手段とを備え、算出された湿度変化量に基づき、上記イオン送風運転の強度または時間を自動的に算出することを特徴としている。この構成によると、脱水槽内の湿度変化量に基づき、予約運転待機時の脱水槽内の除菌・消臭の度合いを制御することができる。
【0011】
また、本発明の洗濯機は、上記構成において、脱水槽内の温度を検知する温度検知手段と、脱水槽内の温度変化量を算出する手段とを備え、算出された温度変化量に基づき、上記イオン送風運転の強度または時間を自動的に算出することを特徴としている。この構成によると、脱水槽内の温度変化量に基づき、予約運転待機時の脱水槽内の除菌・消臭の度合いを制御することができる。
【0012】
また、本発明の洗濯機は、上記構成において、脱水槽内の臭気を検知する臭気検知手段と、脱水槽内の臭気変化量を算出する手段とを備え、算出された臭気変化量に基づき、上記イオン送風運転の強度または時間を自動的に算出することを特徴としている。この構成によると、脱水槽内の臭気変化量に基づき、予約運転待機時の脱水槽内の除菌・消臭の度合いを制御することができる。
【0013】
また、本発明の洗濯機は、上記構成において、予約運転待機開始時刻から予約運転開始時刻までの予約運転待機時間を計時する計時手段を備え、計時された予約運転待機時間に基づき、上記イオン送風運転の回数を自動的に算出することを特徴としている。この構成によると、予約運転待機時間に基づき、予約運転待機時の脱水槽内の除菌・消臭の度合いを制御することができる。
【0014】
なお、使用者の任意により、上記イオン送風運転の強度、時間または回数を変更可能とすると、使用勝手が向上する。
【0015】
また、本発明の洗濯機は、上記構成において、予約運転待機時の脱水槽内の空間の湿度を検知する湿度検知手段を備え、菌の増殖しやすい湿度が検知されると上記イオン送風運転を実行することを特徴としている。この構成によると、菌の増殖しやすい湿度を検知して臨機にイオン送風運転を自動で行うことで、予約運転待機時の脱水槽内を定期的に除菌・消臭することができる。
【0016】
また、本発明の洗濯機は、上記構成において、予約運転待機時の脱水槽内空間の温度を検知する温度検知手段を備え、菌の増殖しやすい温度が検知されると上記イオン送風運転を実行することを特徴としている。この構成によると、菌の増殖しやすい温度を検知して臨機にイオン送風運転を自動で行うことで、予約運転待機時の脱水槽内を定期的に除菌・消臭することができる。
【0017】
また、本発明の洗濯機は、上記構成において、予約運転待機時の脱水槽内の臭気を検知する臭気検知手段を備え、所定値以上の臭気を検知すると上記イオン送風運転を行うことを特徴としている。この構成によると、脱水槽内の臭気を検知して臨機にイオン送風運転を自動で行うことで、予約運転待機時の脱水槽内を定期的に除菌・消臭することができる。
【0018】
また、本発明の洗濯機は、上記構成において、洗濯、脱水または乾燥の運転中にも脱水槽内にイオン送風を行うことを特徴としている。この構成によると、予約運転待機中だけでなく、洗濯、脱水または乾燥の運転中にも脱水槽内の除菌・消臭を行うことができるので、機内の清潔化にいっそう寄与することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の洗濯機によると、予約運転待機時にイオン発生器から発生した除菌・消臭作用を有する人体に無害なイオンを脱水槽内に向かって放出することで、脱水槽内の洗濯物の臭いや雑菌を効率よく除去し、汚れた洗濯物や湿った洗濯物を脱水槽内に長時間放置する必要がある予約運転待機時の機内が清潔に保たれ、洗濯機の有する予約運転機能の使用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態の洗濯乾燥機を前方斜め上視点で示す斜視図
【図2】上記洗濯乾燥機を側方視点で示す概略縦断面図
【図3】上記洗濯乾燥機の乾燥ユニット周辺の要部の構成を側方視点で示す概略縦断面図であり、槽内イオン送風運転(a)、機外イオン送風運転(b)、槽内および機外イオン送風運転(c)のイオン風の流れ方向と共に示すもの
【図4】上記洗濯乾燥機の乾燥ユニット周辺の要部の構成を前方視点で示す概略縦断面であり、槽内イオン送風運転(a)、機外イオン送風運転(b)、槽内および機外イオン送風運転(c)のイオン風の流れ方向と共に示すもの
【図5】乾燥ユニットを後方斜め下視点で示す斜視図であり、送風箱を部分的に切り欠いて示すもの
【図6】上記乾燥ユニットを下方視点で示す横断面図
【図7】イオン発生器の下面図
【図8】上記洗濯乾燥機の吹出口周辺の要部の構成を側方視点で示す詳細な縦断面図
【図9】洗濯乾燥機の外箱天板を前方斜め視点で示す斜視図であり、ノズルカバーを寝かせた状態(a)とノズルカバーを起こした状態(b)を示すもの
【図10】図9(a)の要部拡大図
【図11】操作部の外観を示す説明図
【図12】制御回路の概略構成を示すブロック図
【図13】予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第1の動作モードの設定手順を説明するフローチャート
【図14】予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第1の動作モードの手順を示すフローチャート
【図15】予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第1の動作モードの一例を示すタイムチャート
【図16】予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第2の動作モードの手順を示すフローチャート
【図17】予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第3の動作モードの手順を示すフローチャート
【図18】予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第4の動作モードの手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明の一実施の形態に係る洗濯乾燥機を前方斜め上視点で示す斜視図である。図2は、同じ洗濯乾燥機を側方視点で示す概略縦断面図である。図1、図2に示した洗濯機能を備える洗濯乾燥機は、図2において左側が正面、右側が背面である。この洗濯乾燥機は全自動型であり、金属又は合成樹脂製の外箱10を備えている。外箱10は、略直方体に成形され、その上下は開放されている。外箱10の上側開放部には、操作部90等が装着されている合成樹脂製の上面板11が雄螺子により固定されており、また、外箱10の上部内側には後記する水槽20及び送風手段70を支持する環状の支持板12が設けられている。この支持板12には外箱10内の空気を送風手段へ導入するための貫通孔13が開設されている。上面板11は外箱10の天板を構成するものである。
【0022】
洗濯乾燥機の背面側においては、合成樹脂製のバックパネル14が外箱10又は上面板11に雄螺子により固定されており、該バックパネル14と上面板11との間に上蓋15を可動に配置してある。バックパネル14は外箱10の天板を構成するものである。
【0023】
外箱10の下側開放部には、合成樹脂製の四角形をなすベース16が雄螺子により固定されている。ベース16の四隅には、外箱10を床の上に支えるための脚部16a,16bが設けられている。正面側の脚部16aは、レベル出しのために高さ可変とした調整脚であり、背面側の脚部16bはベース16に一体成形されている固定脚である。
【0024】
上面板11には、洗濯乾燥機内に被洗濯物を投入するための被洗濯物投入口11aが開設されており、該被洗濯物投入口11aを開閉する上蓋15がバックパネル14の前端部にヒンジ部15aによって垂直面内で回動可能に結合されており、図示の閉じた状態では、上蓋15が被洗濯物投入口11aを上から覆っている。外箱10の内部には、外側の水槽20と内側の脱水槽30とが配置されている。
【0025】
水槽20は、支持板12に複数のサスペンション部材21によって水平面内で揺動可能に吊下げ支持されている。また、脱水槽30は、水槽20の内側において水槽20と同心状に配設されており、洗濯槽を兼ねている。水槽20と脱水槽30とは、両者とも上が開口した円筒形のカップの形状をなしており、各々の軸線が鉛直方向となっている。
【0026】
脱水槽30は、上方に向かうに従って緩やかに広がるテーパー形状の周壁を有している。この周壁には、その最上部に環状に配置された複数個の脱水孔31を除き、液体を通すための開口部は形成されておらず、脱水槽30は、いわゆる「孔無し」タイプである。脱水槽30の上側開放部の縁には、環状のバランサ32が装着されている。バランサ32は、被洗濯物の脱水のために脱水槽30を高速回転させたときに、その振動を抑制する働きをする。脱水槽30の内部底面には、槽内で洗濯水又は濯ぎ水の流動を生じさせるための攪拌翼33が配置されている。
【0027】
水槽20の上端部にはフランジ部22が内向きに延出されており、該フランジ部22に、排気フィルタ23を有する内蓋24がヒンジ24aによって回動可能に取付けられている。内蓋24は、洗擢・濯ぎ・脱水時に、被洗濯物や水が脱水槽30から外に飛び出すのを防止している。
【0028】
水槽20の下部には、駆動ユニット40が装着されている。駆動ユニット40は、駆動モータ41、該駆動モータ41の出力回転を伝動するベルト伝動機構42及びクラッチ・ブレーキ機構43とを備えており、その中心部から筒形の脱水軸44と攪拌翼軸45とが上向きに突出している。
【0029】
脱水軸44と攪拌翼軸45とは、脱水軸44が外側に配置され、攪拌翼軸45が内側に配置された二重軸構造となっている。脱水軸44は、下方から上方に向かって水槽20の中に入り込んだ後、脱水槽30に連結され、脱水槽30を支えている。攪拌翼軸45は、下方から上方に向かって水槽20を貫いて更に脱水槽30の中に入り込み、攪拌翼33に連結され、攪拌翼33を支えている。攪拌翼33は、55〜300rpmの回転を行い、洗濯又は濯ぎを行う。脱水時には脱水槽30と一緒に0〜1000rpmで回転し、脱水を行う。脱水軸44と水槽20との間、及び脱水軸44と攪拌翼軸45の間には、各々、水漏れを防ぐためのシール部材が配置されている。
【0030】
また、撹拌翼33は、脱水槽30内の洗濯物の容量を検知する容量判定センサとしての機能も有する。すなわち、洗濯運転の開始時に、駆動モータ41を駆動し、攪拌翼33を洗濯物による抵抗に抗して所定時間断続的に回転させることにより、駆動モータ41の回転数の低下度を検知することによって洗濯物の容量を検知することができる。
【0031】
支持板12とバックパネル14との間には空間があり、この空間に、電磁的に開閉する給水弁(図示せず)が配置されている。給水弁に接続され且つバックパネル14を上下に貫通して上方に突きだす接続管50には、水道水などの上水を供給する給水ホースが接続される。また、前記給水弁は、脱水槽30内に臨む位置に配置された容器状の給水口に接続されている。
【0032】
水槽20の底部には、水槽20及び脱水槽30内の水を外箱10の外部に排水する排水ホース60が取付けられている。排水ホース60には、水槽20及び脱水槽30の底部に連通する排水口61から水が流入する。脱水時に脱水槽30から流出した水は、図示しない排水管を通じて排水ホース60から排水される。
【0033】
脱水槽30には排水孔62が円周上に4箇所設けてあり、各排水孔62は脱水槽30内の水を排水口61から電磁的に開閉する排水弁63に導入する。
【0034】
上記した構成により、回転翼33が回転する洗濯時には、脱水槽30内の水は排水弁63により止水され、脱水槽30内に貯水される。脱水を行う際には排水弁63が開放され、脱水槽30内の水は外部に排水される。この際、脱水軸44及び撹拌翼軸45と脱水槽30とが駆動モータ41により回転するが、脱水軸44及び撹拌翼軸45は相対回転が自在で且つ水密構造を維持する。
【0035】
外箱10の正面側には、制御回路(制御手段)51が配置されている。制御回路51は、上面板11の下側に配置されており、上面板11の上面に設けられている操作部90を通じて使用者からの操作指令を受け、駆動ユニット40、給水弁及び排水弁63に動作指令を発する。また、制御回路51は、操作/表示部に表示指令信号を発する。
【0036】
図3は洗濯乾燥機の乾燥ユニット周辺の要部の構成を側方視点で示す概略縦断面図であり、図4は、同じ洗濯乾燥機の乾燥ユニット周辺の要部の構成を前方視点で示す概略縦断面である。図3、図4に示すように、外箱10の支持板12とバックパネル14との間の空間には、乾燥ユニットKと、異物除去手段としてのフィルタ100と、異物収容箱90とが設けられている。
【0037】
乾燥ユニットKは、送風手段70と、加熱手段としてのヒータ80とを有し、送風手段70の駆動によって通流路を通流する空気をヒータ80により加熱し、脱水槽30内に送出するように構成されたものである。異物除去手段としてのフィルタ100は吸気口71aから送風箱71内に埃等の異物が入るのを防止するものであり、また、異物収容箱90はフィルタ100が除去した異物を収容するものであり、異物収容箱90にフィルタ100を取付けてあり、送風手段70の吸気路に異物収容箱90を配してある。
【0038】
送風手段70は、吸気口71a及び排気口71bを有する送風箱71と、ファンモータ72により駆動され、送風箱71内に回転軸が上下となるように配設されている送風ファン73とを有する。本実施形態では、送風ファン73として、下面から軸方向に吸気して外周の接線方向に送気する遠心ファン(例えば、シロッコファン)を用いている。ファンモータ72は回転数が可変であり、ファンモータ72の回転数の制御によって送風ファン73の風量が可変されるようになっている。
【0039】
吸気口71aは支持板12に開設されている貫通孔13及び外箱10の背面に開設されている開放部17に連通している。ダクト71c内の通流路には、送風ファン73により送風される空気を加熱する加熱手段としてのヒータ80を配置してある。また、一端が脱水槽30内に臨む蛇腹管74の他端がダクト71cの先端の排気口71bに接続されている。蛇腹管74の一端はフランジ部22に開設されている嵌合孔に嵌入されている。ダクト71cと蛇腹管74は、脱水槽30へ至る排気路(送風経路)を構成している。
【0040】
図5は、乾燥ユニットを後方斜め下視点で示す斜視図であり、送風箱を部分的に切り欠いて示す図である。図5に示すように、送風箱71は、下向きに開放された円筒部71dと、該円筒部71dの周方向一側に連なるダクト71cとを有している。円筒部71dの下側の開放部を吸気口71aとし、上壁の外部にファンモータ72を支持し、支持板12の上側に離隔して配置してあり、吸気口71aが支持板12と対向している。排気口71bはダクト71cの先端の下面に開口している。
【0041】
図6は、乾燥ユニットを下方視点で示す横断面図である。図6に示すように、送風箱71の円筒部71dの外周は完全な円形ではなく、中心からの距離が漸次長くなるスパイラル形である。これにより、円筒部71d内部には、送風ファン73の周囲に、送風ファン73の回転方向に漸次幅広となる円弧状通流路71eが形成される。円弧状通流路71eの幅広となる下流部は、追加部品の配設スペースを確保しやすい箇所となる。この箇所に、イオン発生手段としてのイオン発生器75、排気路(送風経路)分岐手段としての通気口71f、排気路(送風経路)切替手段としてのダンパー76が集中して配置されている。通気口71fには、後述するように、機外に臨む吹出口81aを有する吹出管81が嵌合接続される。
【0042】
送風手段70(送風箱71、送風ファン73、ファンモータ72)、イオン発生手段(イオン発生器75)、排気路切替手段(ダンパー76、ダンパー制御用モータ77)、排気路分岐手段(通気口71f)、吹出口81aへ至る排気路(機外へ至る送風経路)(吹出管81)、および、吹出口81aは、機外イオン放出機構を構成している。
【0043】
本実施形態では、追加部品の配設スペースを確保しやすい送風箱71の円弧状通流路71eの幅広となる下流部に、機外イオン放出機構のイオン発生手段、排気路切換手段、排気路分岐手段が集中して配置される。また、機外イオン放出機構の送風手段は、乾燥ユニットKに既設の送風手段70を兼用できる。よって、機外イオン放出機構のほとんどを乾燥ユニットKに一元化することができる。その一元化は送風箱71の金型の若干の変更のみで対応でき、乾燥ユニットKの全体の形状やサイズに加えられる変更も最小限であるため、低コスト、コンパクトに機外イオン放出機構を構築することができる。
【0044】
図7は、イオン発生器の下面図である。図7に示すように、イオン発生器75は、絶縁を確保できる距離を隔てて分離独立して配置された、2つのイオン発生部751,752と、イオン発生部751,752に電圧を供給する給電部(不図示)と、イオン発生部751,752及び給電部を保持する箱型の保持体753とを備え、給電部がイオン発生部751,752に電圧を供給することにより、イオン発生部751,752がコロナ放電し、イオンを発生するように構成されている。プラスイオン及びマイナスイオンの発生原理は上述した通りである。
【0045】
イオン発生部751,752は、尖鋭状をなす放電電極凸部751a,752a、及び該放電電極凸部751a,752aを囲繞する誘導電極環751b,752bを有し、誘導電極環751b,752b夫々の中心部に放電電極凸部751a,752aを配してあり、一方のイオン発生部751がプラスイオンを発生し、他方のイオン発生部752がマイナスイオンを発生するように構成されている。
【0046】
プラスイオン発生部751には正電圧が印加され、放電によるプラズマ領域で、空気中の水分子が電気的に分解され、主として水素イオンH+が生成する。そして、生成した水素イオンの周りに空気中の水分子が凝集し、安定した電荷が正のクラスターイオンH+(H2O)mが形成される。
【0047】
マイナスイオン発生部752には負電圧が印加され、放電によるプラズマ領域で、空気中の酸素分子が電気的に分解され、主として酸素イオンO2-が生成する。そして、生成した酸素イオンの周りに空気中の水分子が凝集し、安定した電荷が負のクラスターイオンO2-(H2O)nが形成される。ここで、m、nは任意の整数である。
【0048】
本明細書中で「プラスイオン」というときは正のクラスターイオンを意味し、「マイナスイオン」というときは負のクラスターイオンを意味するものとする。なお、正負のクラスターイオンの生成は、飛行時間分解型質量分析法により確認している。
【0049】
プラスイオン及びマイナスイオンは、同時に空気中に放出されると、細菌やカビ類、ウイルスなどの微生物の表面で凝集してこれらを取り囲む。そして、瞬間的に、プラスイオンとマイナスイオンが結合して酸化力の非常に高い活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH22(過酸化水素)を微生物の表面上で凝集生成して、化学反応により微生物の表面のタンパク質を分解してその働きを抑制する。上記のようにして生成する水酸基ラジカルや過酸化水素は、臭い成分を分解する作用もある。
【0050】
図5に示すように、送風箱71の円筒部71dの上壁の周囲部には、イオン発生部751,752に対応する貫通孔71gが開設され、貫通孔71gの周りに位置決め突起71hおよび係止爪71jが突設される。イオン発生器75は、位置決め突起71hの内側に保持体753を嵌め込み、係止爪71jを保持体753の側面の係止段差753aに係合させることで、送風箱71に取り付けられる。このとき、イオン発生部751,752は貫通孔71gを通して円弧状通流路71e(図6参照)に臨むようになる。
【0051】
すなわち、イオン発生器75は、イオン発生部751,752(放電領域)が下向きとなるように、円弧状通流路71eの上方部に配置されている。これにより、乾燥ユニットKの外側上方もしくは側方から洗濯用の溢水や飛び散りがあっても、イオン発生器75の放電領域が濡れないため、安定してイオンを発生させることができる。
【0052】
図6に示すように、イオン発生器75は、追加部品の設置スペースを確保しやすく、また空気流の流速の速くなる円弧状通流路71eの幅広の下流部に、プラスイオン発生部751とマイナスイオン発生部752の送風ファン73の回転中心からの距離が互いに異なるように配置されている。より具体的には、円弧状通流路71eの上流側に配置されるプラスイオン発生部751の送風ファン73の回転中心からの距離L1は短く、円弧状通流路71eの下流側に配置されるマイナスイオン発生部752の送風ファン73の回転中心からの距離L2よりも長くなる配向である。
【0053】
従って、プラスイオンとマイナスイオンは円弧状通流路71eにおいてトラックがずれて発生される。しかも、送風ファン73の回転中心からの距離は、上流側のプラスイオン発生部751が短く、下流側のマイナスイオン発生部752が長いので、漸次幅広なる円弧状通流路71eの通流方向に沿ってイオン発生器75を省スペースに配置することが可能である。よって、イオン発生器75を乾燥ユニットKに省スペースに配置しながら、プラスとマイナスのイオンが中和して消滅することを抑制し、速い空気流に乗せて効率よくイオンを搬送することができる。
【0054】
通気口71fは、図5に示すように、送風箱71の上壁より上方に突出する筒口として設けられている。通気口71fは、イオン発生器75の下流側の通流路に開口している。通気口71fには、機外の空間に臨む吹出口81aを有する吹出管81が嵌合接続される。吹出管81は、機外へ至る排気路(送風経路)を構成する。つまり、通気口71fは、脱水槽30へ至る排気路と機外へ至る排気路とを分岐する排気路分岐手段を構成している。ダクト71c内の通流路(脱水槽30へ至る排気路)の断面積は、吹出管81(機外へ至る排気路)の断面積よりも大きくなるように設定されている。ダクト71c内の通流路の底面は、通気口71f直下から排気口71bに向かって低くなる勾配が形成されている。
【0055】
ダンパー76は通気口71fを開閉するものであり、図5に示すように、円筒部71dの周壁の外側に支持されるダンパー制御用モータ77により駆動され、送風箱71内に回転軸が水平となるように所定の角度範囲で回動自在に設けられている。本実施形態では、ダンパー制御用モータ77としては、ステッピングモータが好適に用いられる。ダンパー76とダンパー制御用モータ77は、脱水槽30へ至る排気路と機外へ至る排気路とを切替える排気路切替手段を構成している。
【0056】
送風箱71の円筒部71dの上壁には、ダンパー76の形状に対応した溝71kが形成されており、通気口71fが溝71kの領域内に含まれるようにしている。ダンパー76が通気口71fを閉鎖する位置では、ダンパー76が溝71kに収まることで、円弧状通流路71eに通流を妨げる障害物が生じないようにし、また通気口71fを確実に閉鎖するようにしている。
【0057】
ダンパー76は、一側に送風ファン73の外周の曲率に沿ったカット面76aを有し、送風ファン73の外周にカット面76aが近接する配向で配置されている。これにより、送風ファン73の回転を妨げることなく送風ファン73の外周近傍にダンパー76を配置することができ、省スペースに寄与する。
【0058】
また、ダンパー76は、図4(a)のように、通気口71fを閉鎖し脱水槽30へ至る排気路を開放する第1姿勢と、図4(b)のように、通気口71fを開放し脱水槽30へ至る排気路を閉鎖する第2姿勢と、図4(c)のように、第1姿勢と第2姿勢の間に位置する第3姿勢とを取り得るように、ダンパー制御用モータ77により回動角を制御される。
【0059】
図4(b)の第2姿勢は、図4(a)の第1姿勢を基準として90°以内の回動角であって、通気口71fを通過する空気流の出口流速が最大となる角度に設定されている。その角度は、送風箱71の形状や通気口71fの位置などによって異なり、流動実験によって定まる角度である。従って、ダンパー76が第2姿勢の角度で静止されるとき、機外の空間に放出されるイオンを含む空気流速が速く(最大)となり、遠くまでイオンが行き渡るようにすることができる。
【0060】
図8は、洗濯乾燥機の吹出口周辺の要部の構成を側方視点で示す詳細な縦断面図である。吹出管81は、図8に示すように、上部に、前方へ屈折されたノズル部81bを有し、ノズル部81bの先端に吹出口81aが開口している。円盤体82は、吹出管81を保持するものであり、ノズル部81bの周囲にビス止めで固定される。円盤体82には、吹出口カバーとしてのノズルカバー83が水平軸で軸支される。
【0061】
円盤体82は、前面、上面および下面を開放した空洞82aを有し、空洞82aに吹出管81のノズル部81bが収められ、ノズルカバー83が配置される。空洞82aの上面開放部は、ノズルカバー83の上面部が位置して塞がれ、空洞82aの前面開放部は、ディフューザ83aが位置して塞がれているが、空洞82aの下面の開放部は、ノズルカバー83の下面が開放されているため塞がれることはない。空洞82aの左右両方の側壁には、軸孔(不図示)が開設される。
【0062】
円盤体82は、下面開放部の周囲を取り囲む筒口82cを有し、筒口82cを円盤体全体の径よりも若干小さい径にて形成することで、円盤体82の下面の周囲部に、筒口82cの周囲を取り囲むフランジ部82dを形成している。円盤体82は、支持壁14cの内周に筒口82cが遊嵌され、支持壁14cの上端にフランジ部82dが支持されることで、円盤体受け部14bに装着される。
【0063】
ノズルカバー83は下面を開放した箱形状で、前面に、吹出口81aから吹き出されるイオン風を拡散させるためのディフューザ83aを有する。ノズルカバー83は、左右両方の側面部に水平軸(不図示)が突設されており、水平軸が空洞82aの側壁に設けられた軸孔に嵌入されることで、円盤体82に対して傾動可能に配設される。ディフューザ83aは、吹出口81aに対峙する。
【0064】
バックパネル14には、挿通穴14aを中心に有するカップ状の円盤体受け部14bが一体で設けられる。円盤体受け部14bは、円盤体82をフランジ部82dで支持する環状の支持壁14cと、支持壁14cの内側に周設されて挿通孔14aの周囲を取り囲む環状の堤防壁14dとを有し、支持壁14cと堤防壁14dに囲まれた円盤体受け部14bの底面に、円盤体81内部の空洞に侵入する水の水路14eが形成されている。水路14eは、後方に向かって低くなる勾配が形成され、勾配の最も低くなる箇所に機外に開口するドレン孔14fが設けられている。
【0065】
従って、ノズルカバー83と円盤体82の隙間やディフューザ83aから円盤体82内部の空洞82aに水が侵入しても、堤防壁14dの高さを超えない限り、円盤体受け部14bの水路14eを通りドレン孔14fから機外に排出されるので、乾燥ユニットK内に水が侵入するのを防止できる。また、ダクト71c内の通流路の底面は、通気口71f直下から排気口71bに向かって低くなる勾配が形成されているため、堤防壁14dを越えて水路14eを溢水した水やディフーザ83aから直接吹出口81aの中へ飛び込んでくる水が、吹出管81内を伝って乾燥ユニットK内に侵入しても、通気口71f直下に落ちた水は、ダクト71c内部の通流路の底面の勾配に従って、ヒータ80の下方、ダクト71cの底面との間に形成された空間を通り、排気口71bまで流れて排気口71bより脱水槽30内に排出されるので、通流路に水が溜まってヒータ80が水没する等乾燥ユニットKに不具合が及ぶのを防ぐことができる。
【0066】
挿通孔14aは下方に突出する筒口であり、挿通孔14aには吹出管81の位置出し用の固定管84が嵌合とビス止めで取り付けられている。固定管84の内周には吹出管81のシール用のOリング85が嵌着されている。挿通孔14aの直下には、乾燥ユニットKの通気口71fが位置しており、円盤体82、ノズルカバー83と共に組品とされた吹出管81を固定管84に嵌通すると、吹出管81は通気口71fに嵌合接続される。
【0067】
図9は、洗濯乾燥機の外箱天板を前方斜め視点で示す斜視図であり、ノズルカバーを寝かせた状態(a)とノズルカバーを起こした状態(b)を示すものである。図10は、図9(a)の要部拡大図である。
【0068】
本実施形態では、ノズルカバー83は傾動が可能である。ノズルカバー83を手動で傾動させると、ディフューザ83aの仰角が可変される。図9(a)、図10のように、ノズルカバー83を寝かせた状態では、ディフューザ83aが水平を向き、かつ、ディフューザ83aの下半分が円盤体82の内側に隠れ、ディフューザ83aの露出面積が半分になるので、主に水平に流速の速いイオン風が吹き出される。従って、遠いところにスポット的にイオンを行き届かせるのに適している。
【0069】
図9(b)のように、ノズルカバー83を起こしたときは、ディフューザ83aが斜め上を向き、かつ、ディフューザ83aの全体が露出するので、外箱天板の高さ(床から約100cm程度)に位置するディフューザ83aから広範囲に拡散されてイオン風が吹き出される。従って、空間の全体に満遍なくイオンを分布させるのに適している。
【0070】
また、円盤体82は水平360°の回動が可能である。円盤体82を手動で回動させると、円盤体82に保持された吹出管81とノズルカバー83も共に回動する。従って、吹出口81aの方位角が360°可変される。ノズルカバー83の傾動と組み合わせれば、ディフューザ83aの仰角も可変されるので、任意の方向にイオン風の吹出しが可能である。
【0071】
以上のように構成された本実施形態の洗濯乾燥機によって行われる、脱水槽内や機外の除菌・消臭を行うためのイオン送風運転について図3および図4を参照して説明する。
<槽内イオン送風運転>
図4(a)のように、ダンパー76は第1姿勢に静止され、送風ファン73が回転されると、送風箱71内に図3(a)の矢印a方向に空気が吸気される。これに伴い送風手段70は開放部17から外気を矢印b方向へ導入し、貫通孔13から内気を矢印c方向へ導入する。この空気は異物収容箱90の導気口93から異物収容箱90内、及びフィルタ100を経て吸気口71aへ吸気される。この際、吸気する空気に含まれている埃等の異物は、フィルタ100を通過する際に除去され、フィルタ100の下面(入側面)に付着、堆積する。フィルタ100に堆積した異物は運転中の振動等で異物収容箱90内に落下し、異物収容箱90内に収容される。
【0072】
送風ファン73により送風される空気は、イオン発生器75から発生されるプラスイオンとマイナスイオンが混合されイオン風になる。イオン風は、ダクト71c内の通流路を矢印d方向に通流し、蛇腹管74から矢印eのように脱水槽30内に送気される。これにより、機内の空間の浄化が行え、脱水槽30に発生するカビや機内の異臭を抑制することができる。その後、イオン風は、排気フィルタ23から脱水槽30の外部へ排気される。なお、槽内イオン送風運転は、洗濯、脱水または乾燥の運転とは独立した単独動作モードとして行ってもよいし、洗濯、脱水または乾燥の運転中や洗濯または脱水の運転終了後に行ってもよい。
【0073】
<機外イオン送風運転>
図4(b)のように、ダンパー76は第2姿勢に静止され、イオン風は、吹出管81内を図4(b)の矢印f方向に通流し、吹出管81から図3(b)の矢印gのように機外の空間に送気される。これにより、洗濯乾燥機が設置された洗面所等のサニタリー空間の浄化が行え、壁に発生するカビや機外の異臭を抑制することができる。なお、機外イオン送風運転は、洗濯、脱水または乾燥の運転とは独立した単独動作モードとして行ってもよいし、洗濯、脱水または乾燥の運転中や乾燥運転終了後に行ってもよい。
【0074】
<槽内および機外イオン送風運転>
図3(c)のように、ダンパー76は第3姿勢に静止され、イオン風は、図4(c)の矢印h方向にダクト71c内の通流路を通流し、矢印kのように方向へ脱水槽30内に送気されると共に、矢印j方向に吹出管81内を通流し、矢印mのように機外の空間に送気される。これにより、機内と機外の除菌・消臭が同時に行え、槽内イオン送風運転と機外イオン送風運転のそれぞれを単独で続けて行うよりランニングコストを低減できる。ここで、ダクト71c内の通流路(脱水槽30へ至る排気路)の断面積は、吹出管81(機外へ至る排気路)の断面積よりも大きくなるように設定されているため、脱水槽30内へのイオンの放出量を機外への放出量よりも大きくすることができ、脱水槽30内の除菌・消臭を機外の空間よりも優先して実施することができる。
【0075】
図11は操作部90の外観を示す説明図である。操作部90にはスタートキー93、電源入キー91、電源切キー92、洗/乾切替キー94、コースキー95、室内浄化キー96、予約キー97、時刻設定キー98、洗いキー101、すすぎキー102等の操作ボタン、およびコース表示ランプ66、室内浄化表示ランプ67、時刻表示ランプ68、定期運転表示ランプ69、イオン送風条件表示ランプ100等のLEDによる表示ランプを備えている。操作ボタンに対する操作は、制御回路51に入力され、表示ランプの表示内容は、制御回路21が受け付けた操作、並びに洗い、すすぎ、脱水および乾燥の進行に応じて更新される。
【0076】
図12は、制御回路の概略構成を示すブロック図である。制御回路21の中核となるのはマイクロコンピュータ39のCPU52である。マイクロコンピュータ39は、CPU52、RAM55、ROM56、カウント部53、タイマー(計時手段)54、システムバス57、および複数のI/Oポート18から構成され、CPU52、RAM55、ROM56及びI/Oポート18は、システムバス57により互いに接続されている。カウント部53、タイマー54はCPU52に直結されている。
【0077】
CPU52は、制御部64及び演算部65からなる。制御部64は、ROM56にあらかじめ格納されている制御プログラムを読み出して命令の解読および実行を行い、一時的に発生したデータをRAM55に記憶する。演算部65は、RAM55から読み出したデータおよびI/Oポート18から入力したデータに対し、二進の加減算、論理演算、および比較等の演算を行う。また、ROM56には各種制御対象機器を動作させるための手段、各種判断のために設定された条件、各種情報を制御するためのルール等を固定データとして記憶してある。
【0078】
マイクロコンピュータ39の複数のI/Oポート18には、不揮発性メモリ34、時刻計時回路35、入力キー回路36、表示装置駆動回路37、ブザー駆動回路38、状態検知回路46、負荷駆動回路47が接続される。入力キー回路36には操作部90の各操作ボタンが、表示装置駆動回路37には操作部90の各表示ランプが接続される。ブザー駆動回路38には操作/警告音等を鳴動するブザー19が接続される。時刻計時回路35は時刻を計時するものである。状態検知回路133には、脱水槽30内の水位を検知する水位センサ25、機外の温度を検知する温度センサ26、機外の湿度を検知する湿度センサ27、機外の臭い強度を検知する臭気センサ28、脱水槽30内に収容された洗濯物の容量検知する容量判定センサ78等のセンサが接続され、これらのセンサからの信号をデジタル信号に変換する回路を含む。負荷駆動回路136は、給水弁29、排水弁63、駆動モータ41、ファンモータ72、イオン発生器75、ダンパー制御用モータ77、ヒータ80を駆動する。
【0079】
マイクロコンピュータ39は、電源回路58から電源端子VddおよびVssに所定電圧を供給されることにより動作し、リセット回路59からRESET(リセット)信号を入力されることにより、リセットされる。使用者が電源入キー91を押下して電源を投入した場合、CPU52の初期設定により標準コースとなり、洗/乾切替キー94を押下する都度、洗いから脱水までの洗濯運転(コースランプ66の「標準」および「洗濯」が点灯)を実行するか、洗いから乾燥までの洗濯乾燥運転(コースランプ66の「標準」および「洗乾」が点灯)を行うかが切り替わるようになっている。コースキー95を押下する都度、コースが切り替わり、それに応じてコース表示ランプ66の点灯箇所も切り替わるようになっている。以下では、説明を簡単にするため標準コースを例に説明する。
【0080】
室内浄化キー96は、イオン送風運転の動作モード設定を切替える動作モード切替手段としてのキーである。すなわち、空気浄化キー96を押下する都度、洗濯運転または洗濯乾燥運転終了後のイオン送風運転(以下、室内浄化工程とも称する)を実行するか否かが切り替わり、それに応じて室内浄化表示ランプ67の点灯/消灯も切り替わるようになっている。室内浄化工程設定時(以下、洗濯・室内浄化モードまたは洗濯乾燥・室内浄化モードとも称する)における送風経路の初期設定は、洗濯運転終了後が「槽内」であり、洗濯乾燥運転終了後が「機外」である。洗/乾切替キー94を押下する都度、それが切り替わり、室内浄化表示ランプ67の点灯箇所も切り替わる。この初期設定の送風経路は変更不可である。そして、スタートキー93を押下すると洗濯・室内浄化モードまたは洗濯乾燥・室内浄化モードが開始される。
【0081】
また、室内浄化キー96を数秒程度の長い時間押下(いわゆる長押し)する都度、洗濯、脱水または乾燥の運転とは独立して、イオン送風運転を単独で行う単独動作モード(以下、室内浄化モードとも称する)を実行するか否かが切り替わるようになっている。室内浄化モード設定時は、室内浄化表示ランプ67が点灯する一方、コース表示ランプ66が消灯する。この場合、さらに室内浄化キー96自体を点灯させるようにしてもよい。室内浄化モード設定時における送風経路の初期設定は、「機外」である。この初期設定の送風経路は変更可能である。
【0082】
室内浄化工程を設定しない場合であっても、洗濯運転における洗い、すすぎおよび脱水工程の実行中に、洗濯乾燥運転における洗い、すすぎ、脱水および乾燥工程の実行中は、脱水槽30内にイオン送風が行われる。
【0083】
室内浄化キー96は、脱水槽内または機外へ至る送風経路の設定を変更する送風経路変更手段を兼ねる場合がある。すなわち、室内浄化モード設定後、室内浄化キー96を押下(長押しではない)する都度、送風経路の「機外」/「槽内」の設定が変更されるようになっている。また、それに応じて室内浄化表示ランプ67の点灯箇所が切り替わるようになっている。また、洗濯運転の実行中または洗濯乾燥運転の洗い工程、すすぎ工程、および脱水工程の実行中に、室内浄化キー96を押下すると、「槽内」が初期設定であった送風経路を「機外」に切替えることが可能となっている。そして、スタートキー93を押下すると室内浄化モードが開始される。
【0084】
予約キー97は、洗濯運転や洗濯乾燥運転の予約運転を設定するためのキーであるが、本実施形態では、予約運転待機時に、室内浄化キー96の操作によって脱水槽30内へのイオン送風運転を行うように設定が可能である。
【0085】
室内浄化モード設定時に予約キー97を押下すると、室内浄化モードの定期運転(以下、定期室内浄化モードとも称する)を予約することが可能となる。つまり、予約キー97は、室内浄化モードの定期的な実行を予約する定期運転設定手段としての機能を有する。なお、予約キー97をもう一度押下すると定期室内浄化モードを解除することが可能となっている。予約キー97を押下し、時刻設定手段としての時刻設定キー98(すすむキー/もどるキー)を操作して開始時刻を設定し、スタートキー93を押下すると定期室内浄化モードが開始される。
【0086】
なお、時刻設定をせずに定期室内浄化モードの設定後、直接、スタートキー93を押下しても定期室内浄化モードが開始される。
【0087】
次に、本実施形態の洗濯乾燥機に特徴的である、予約運転待機時の槽内イオン送風運転について説明する。
【0088】
<予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第1の動作モード>
図13は、予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第1の動作モードの設定手順を説明するフローチャートである。第1の動作モードの設定時には、まず、ステップS1で予約キー97を押下して洗濯運転または洗濯乾燥運転(標準コース)の予約運転の操作に移行し、ステップS2で、時刻設定手段としての時刻設定キー98を操作して予約時刻を設定する。そして、ステップS3でスタートキー93を押下すると、洗濯物の容量判定が行われて予約運転待機状態となる。ここまでは、通常の予約運転の操作である。
【0089】
予約運転待機状態へ遷移した後に室内浄化キー96のキー入力を受け付けた場合(ステップS4のYES)、予約運転待機時の槽内イオン送風運転のイオン送風条件が自動的に算出され、初期設定される。ここで、イオン送風条件とは、具体的には、イオン送風運転の強度、時間および回数の3条件である。
【0090】
イオン送風条件の算出は、CPU52内の演算部65が担当する。算出方法としては、具体的な数値計算式のほかに予め作成された表から値を設定するものでもどちらでも良い。例えば、容量判定の結果得られる洗濯物容量に基づき、イオン送風運転の強度または時間が設定され、予約運転待機開始時刻(ステップS2で設定した時刻)から予約運転開始時刻までの予約運転待機時間に基づき、イオン送風運転の回数が設定される。予め作成された表から値を設定する方法としては、例えば、表1のようなデータテーブルを用いることができる。洗濯物容量が大きい程、湿度の高い洗濯物が脱水槽30内に収容されていると判断できるため、イオン送風の強度、時間が増加し、予約運転待機時間が長くなる程、イオン送風運転の回数が増加する仕様となっている。
【0091】
【表1】

【0092】
或いは、温度センサ26、湿度センサ27、臭気センサ28等の各種センサからの入力により算出するようにしてもよい。例えば、湿度を例にとって説明すると、湿度センサ27により脱水槽30内の湿度を一定時間(例えば5分)計測し、計測湿度の変化量Δを算出し、算出されたΔに基づき、イオン送風運転の強度または時間が設定され、予約運転待機時間に基づき、イオン送風運転の回数が設定される。予め作成された表から値を設定する方法としては、例えば、表2のようなデータテーブルを用いることができる。Δが大きい程、湿度の高い洗濯物が脱水槽30内に収容されていると判断できるため、イオン送風の強度、時間が増加し、予約運転待機時間が長くなる程、イオン送風運転の回数が増加する仕様となっている。温度や臭気を検知する場合も同様である。
【0093】
【表2】

【0094】
設定されたイオン送風条件は、使用者に分かるよう操作部90に表示するのが望ましい。イオン送風条件の表示方法としては、例えば、予約待機状態では、予約設定時刻が図12の時刻表示ランプ68に表示されているが、その「分」を表示する2桁の7セグメント表示と、その右隣りの「回」を表示する1桁の7セグメント表示の3桁を使用して、イオン送風時間を上2桁に表示し、イオン送風回数を下1桁に表示する。
【0095】
イオン送風強度は、室内浄化表示ランプ67の「機外」、「機内」からなるイオン送風条件表示部に表示する。具体的には、イオン送風設定状態に入る際に予約設定時刻を消し、イオン送風強度の表示は、室内浄化表示の「機内」、「機外」をそれぞれ、イオン送風強度の「強」、「弱」に準えて表示する。
【0096】
イオン送風強度とは、脱水槽30内に送られるイオン量の大小を意味し、送風ファン73の風量(つまり、ファンモータ72の回転数)を「強」、「弱」2段階に制御することにより、イオン量の「大」、「小」、つまりはイオン送風強度の「強」、「弱」を制御することができる。
【0097】
イオン送風条件の表示は、予約運転待機時に行うため、予約運転内容とイオン送風設定内容が混同しないように表示するのが望ましく、例えば、予約運転表示ランプ69の点灯に加えて室内浄化キー96を点滅させるようにすると良い。逆に、予約運転表示ランプ69の点滅に加えて室内浄化キー96を点灯(高速点滅でもよい)させるようにしても良い。
【0098】
イオン送風条件は使用者の細かなニーズに応えられるよう変更が可能となっている。例えば、イオン送風設定状態において室内浄化キー96の入力を受け付けると、予約運転待機時のイオン送風強度切換と実行可否が切り替わるようになっている。すなわち、空気浄化キー96を押下する都度、イオン送風あり(強度初期値)、イオン送風あり(強度変更値)、イオン送風なしが切り替わる(ステップS5)。また、イオン送風時間と回数は任意の操作ボタンを割り当て(例えば、時間を洗いボタン101(図11参照)、回数をすすぎボタン102(図11参照))、使用者からの入力により変更できるものとする(ステップS6、S7)。
【0099】
イオン送風設定(ステップS4〜S7)が終わった後、スタートキー93の入力を受け付けた場合(ステップS8のYES)、予約運転待機の開始となる。
【0100】
本発明の洗濯機によって行われる、予約運転待機時の槽内イオン送風運転の動作モードを説明する。イオン送風運転の詳細については上記で図3、図4を用いて説明したのでここでは説明を省略する。
【0101】
図14は、予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第1の動作モードの手順を示すフローチャートである。上記のように予約運転待機が開始されると、イオン送風設定(図13のステップS4〜S7)の有無が判定され、イオン送風設定がなされていた場合は(ステップS21のYES)、設定されたイオン送風条件で槽内イオン送風運転が行われる(ステップS22)。その後、予約設定時刻になると(ステップS23のYES)、予約していた洗濯運転または洗濯乾燥運転が開始される。
【0102】
図15は、予約運転待機時の槽内イオン送風運転の一例を示すタイムチャートである。縦軸はイオン送風の強度、横軸は時間を表しており、斜線網掛けの四角い部分はイオン送風をしている部分であり、折れ線は脱水槽内に存する菌や臭いの量を模式的に表したものである。上段は洗濯物容量が多い場合に行われるイオン送風の例であり、下段は少ない場合を表している。予約運転開始までの間、イオン送風を行うことで脱水槽30内の除菌・消臭を行うことができることを示している。
【0103】
図15においてはイオン送風が間欠的に動作することが特徴的に示されているが、常時的なイオン送風であっても構わず、イオン送風時間とイオン送風回数は自動算出手段による設定(表1、表2参照)の他、使用者による手動設定(図13のステップS5〜S7参照)により、自由に設定できるものとする。
【0104】
また、図15においてはイオン送風の強度が2条件表されているが、洗濯物容量により多条件若しくは洗濯物容量に関わらず1条件としても構わず、1回の予約運転待機時でイオン送風の強度が変化しても良い。
【0105】
第1の動作モードによると、予約運転待機時に脱水槽内の除菌・消臭をするため、汚れた洗濯物や湿った洗濯物が脱水槽内に長時間放置されても、槽内の衛生状態を著しく低下させることなく予約運転をすることができる。
【0106】
また、予約洗濯量と予約運転待機時間により予約運転待機時のイオン送風条件を算出することで、他の特別なセンサ等を必要とせずに安価で最適なイオン送風運転を行うことができる特長を有する。
【0107】
図16は、予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第2の動作モードの手順を示すフローチャートである。上記のように予約運転待機が開始されると、イオン送風設定(図13のステップS4〜S7)の有無が判定され、イオン送風設定がなされていた場合は(ステップS31のYES)、湿度センサ27により、ステップS32で機内の湿度検知が開始され、ステップS33で所定の湿度が検知されると、設定されたイオン送風条件で槽内イオン送風運転が行われる(ステップS34)。その後、予約設定時刻になると(ステップS35のYES)、予約していた洗濯運転または洗濯乾燥運転が開始される。ここで、所定の湿度とは、カビが発生しやすいと考えられる湿度条件(例えば、相対湿度70%〜99%)とするのが好適である。
【0108】
予約された洗濯物に湿った物(使用済みタオル等)が多い場合、洗濯物容量だけでは正確に槽内の衛生状態が推測できない。第2の動作モードでは、湿度センサが一定の湿度を検知した場合にイオン送風運転を開始するようにしたことで、より精度高く槽内の衛生状態を維持することができるようになる。
【0109】
図17は、予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第3の動作モードの手順を示すフローチャートである。第3の動作モードは、第2の動作モードでは機内の湿度検知を行っていたのを、ステップS42で温度センサ26により機内の温度検知を行うようにしたものである。ステップS43で所定の温度が検知されると、設定されたイオン送風条件で槽内イオン送風運転が行われる(ステップS45)。その後、予約設定時刻になると(ステップS45のYES)、予約していた洗濯運転または洗濯乾燥運転が開始される。ここで、所定の温度とは、カビが発生しやすいと考えられる室温条件(例えば、10℃〜35℃)とするのが好適である。
【0110】
乾燥運転が実施された後に予約が設定される場合や、夏場の気温が高い時期に予約された場合には脱水槽の温度が高く、菌の増殖しやすい環境にあるため、洗濯物容量だけでは正確に槽内の衛生状態が推測できない。第3の動作モードでは、温度センサが一定の温度を検知した場合にイオン送風運転を開始するようにしたことで、より精度高く槽内の衛生状態を維持することができるようになる。
【0111】
図18は、予約運転待機時の槽内イオン送風運転の第4の動作モードの手順を示すフローチャートである。第4の動作モードは、第2の動作モードでは機内の湿度検知を行っていたのを、ステップS52で臭気センサ28により機内の臭気検知を行うようにしたものである。ステップS53で所定強度の臭気が検知されると、設定されたイオン送風条件で槽内イオン送風運転が行われる(ステップS54)。その後、予約設定時刻になると(ステップS55のYES)、予約していた洗濯運転または洗濯乾燥運転が開始される。
【0112】
予約された洗濯物の臭いは洗濯物容量だけでは正確に推測することができない。第4の動作モードでは、臭気センサが一定の臭気を検知した場合にイオン送風運転を開始するようにしたことで、より精度高く槽内の衛生状態を維持することができるようになる。
【0113】
第2〜第4の動作モードでは、カビ菌・臭いが発生する条件が成立したときに、定期的に脱水槽内にイオン送風を行う機能を設けることで、予約運転待機時の槽内を清潔に保ち、洗濯機の有する予約機能の使用性を向上することとなる。
【0114】
本発明の範囲は上記の図説に限定されない。第1〜第4の動作モードでは、コースキー95により標準コースが指定された場合を例に説明したが、他のコースにおける予約運転待機時も同様に、脱水槽30内へのイオン送風を実行することが可能である。
【0115】
また、第1〜第4の動作モードでは、予約運転が、設定時刻になると運転を開始する場合を例にして説明したが、設定時刻になると予約運転を終了する場合であっても構わない。
【0116】
さらに、第1〜第4の動作モードは、運転予約待機時の槽内イオン送風運転の動作モードであるが、予約運転を開始した後の洗濯、脱水または乾燥の運転中にも脱水槽内にイオン送風を行っても良い。この構成によると、運転予約運転待機中だけでなく、洗濯、脱水または乾燥の運転中にも脱水槽内の除菌・消臭を行うことができるので、機内の清潔化にいっそう寄与することが可能となる。
【0117】
また、第2〜第4の動作モードでは、温度センサ26、湿度センサ27、臭気センサ28はそれぞれ、脱水槽30内の温度、湿度、臭気を検知するものとして説明したが、機外の温度、湿度、臭気を検知するものとしてもよい。
【0118】
また、第2〜第4の動作モードはそれぞれが独立である場合を説明したが、任意に2つ以上の動作モードを組み合わせて行うようにすると、カビ菌・臭いが発生する条件の成立を複数の観点からより確実に検知することができ、機外の除菌・消臭をより効率よく行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、洗濯機に利用することができる。
【符号の説明】
【0120】
1 洗濯乾燥機
10 外箱
14 バックパネル(外箱天板)
14a 挿通孔
14b 円盤体受け部
14e 水路
26 温度センサ
27 湿度センサ
28 臭気センサ
71 送風箱
71a 吸気口
71b 排気口
71e 円弧状通流路
71f 通気口
72 送風ファン(遠心ファン)
75 イオン発生器
78 容量判定センサ
751 プラスイオン発生部
752 マイナスイオン発生部
76 ダンパー
80 ヒータ
81 吹出管
81a 吹出口
82 円盤体
83 ノズルカバー(吹出口カバー)
83a ディフューザ
90 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱水槽と、該脱水槽へ至る送風経路に配され除菌・消臭作用を有するイオンを発生するイオン発生器と、該イオン発生器から発生するイオンを送風する送風手段と、脱水槽へ至る送風経路と、前記イオン発生器および前記送風手段をあらかじめ定める態様で作動させるための制御手段とを備え、所望の時間に運転を開始若しくは終了する運転予約機能を有する洗濯機において、予約運転待機時に脱水槽内にイオンを送風するイオン送風運転を行うことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
脱水槽内に収容された洗濯物の容量を判定する容量判定手段を備え、判定された洗濯物容量に基づき、上記イオン送風運転の強度または時間を自動的に算出することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
脱水槽内の湿度を検知する湿度検知手段と、脱水槽内の湿度変化量を算出する手段とを備え、算出された湿度変化量に基づき、上記イオン送風運転の強度または時間を自動的に算出することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項4】
脱水槽内の温度を検知する温度検知手段と、脱水槽内の温度変化量を算出する手段とを備え、算出された温度変化量に基づき、上記イオン送風運転の強度または時間を自動的に算出することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項5】
脱水槽内の臭気を検知する臭気検知手段と、脱水槽内の臭気変化量を算出する手段とを備え、算出された臭気変化量に基づき、上記イオン送風運転の強度または時間を自動的に算出することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項6】
予約運転待機開始時刻から予約運転開始時刻までの予約運転待機時間を計時する計時手段を備え、計時された予約運転待機時間に基づき、上記イオン送風運転の回数を自動的に算出することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項7】
使用者の任意により、上記イオン送風運転の強度、時間または回数を変更可能としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項8】
脱水槽内の湿度を検知する湿度検知手段を備え、予約運転待機時にカビの発生しやすい湿度が検知されると上記イオン送風運転を実行することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項9】
脱水槽内の温度を検知する温度検知手段を備え、予約運転待機時にカビの発生しやすい温度が検知されると上記イオン送風運転を実行することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項10】
脱水槽内の臭気を検知する臭気検知手段を備え、予約運転待機時に所定値以上の臭気を検知すると上記イオン送風運転を実行することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項11】
洗濯、脱水または乾燥の運転中にも脱水槽内にイオン送風を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−87697(P2011−87697A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−242371(P2009−242371)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】