説明

活性酸素起因障害抑制剤

【課題】新規な活性酸素起因障害抑制剤の提供。
【解決手段】下記式1


(式中、Xは炭素数1〜2、又は10〜14を表す。R1はアルキル基又は水素原子を表す。)、及び、1,4−ジオキサシクロヘプタデカン−5,17−ジオンのような酸素原子2個を環内含む化合物、及び下記式3


(式中、Yは炭素数10〜14の環構成炭素鎖を表す。)の化合物群からなる環状カルボニル化合物から選ばれる1種以上を有効成分として含有する。さらに、上記の活性酸素起因障害抑制剤を有効成分とする、医薬品、医薬部外品、香粧品、飲食品、たばこを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性酸素起因障害抑制剤に関する。さらには、活性酸素に起因して発生又は進行する老化、生活習慣病などの改善に関する。
【背景技術】
【0002】
活性酸素は殺菌作用による生体防御の役割を持っている。しかし過剰な生成や、あってはならない場所での生成は生体膜を構成するリン脂質やDNA、組織を構成する生体内分子を攻撃して、各種疾患を誘発する。例えばパーキンソン病やアルツハイマー病などは、ミトコンドリアの酸化的損傷を伴っているといわれている。また活性酸素に起因する酸化的損傷が老化現象に関与していると考えられている。このように活性酸素はあまりにも高い反応性のために、様々な生体分子に対して酸化的傷害を与えることが知られている。この活性酸素による酸化を防ぐ、あるいは抑制する抗酸化物質として、生体内酵素としてスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシターゼが、食品成分としてβ−カロチン、リコピン、アスタキサンチンなどのカロチノイド類やビタミンC、ビタミンE、フェノール化合物類が知られている。
【0003】
近年では高齢化社会において容貌及び体力の衰えを遅らせ、できる限り質のよい生活を長く維持することへの関心が高まっている。中でも特に抗老化に対する関心が高まってきており、前記の老化の一因子である酸化を防ぐ方法が注目されている。例えばアブラナ科植物中のω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネートによる皮膚老化防止剤および化粧品(特許文献1参照)、抗酸化活性を有する本ワサビ由来の化合物(特許文献2参照)、香辛料抽出物による活性酸素抑制剤(特許文献3参照)、羽毛処理物による活性酸素生成抑制物質およびそれを含む機能性食品素材(特許文献4参照)が知られている。これらの有効成分は天然物の抽出物、あるいは抽出物の化学的処理物であり、一般に品質の安定性や安定供給の面で不安があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−241005公報
【特許文献2】特開2006−69982公報
【特許文献3】特開平08−119869公報
【特許文献4】特開2007−106695公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、生体内活性酸素が原因で引き起こされる様々な生体への悪影響の症状を軽減し、もしくは予防することができる新規な活性酸素に起因する障害を抑制する手段を提供すること、さらには、より簡便に入手できるとともに、大量生産が容易に実現可能な活性酸素起因障害抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、生体内において活性酸素が原因で引き起こされる様々な生体への悪影響の症状を軽減すること、もしくは予防することを目的として用いられるものであって、下記式1
【0007】
【化1】

(式中、Xは炭素数1〜2、又は炭素数10〜14の環構成炭素鎖を表す。但し、Xの炭素数が10〜14のときはXで表される炭素鎖に二重結合もしくは酸素原子を1個含んでもよい。R1はXが炭素数1〜2の場合は炭素数6〜13のアルキル基を表し、Xが炭素数10〜14の場合は水素原子であることを表す。破線部はXが炭素数1〜2の場合に当該箇所の炭素間結合が単結合又は二重結合のいずれでもよいことを表す。)で示される化合物群、及び下記式2
【0008】
【化2】

(式中、nは10〜12の整数を表す。)で示される化合物群、及び下記式3
【0009】
【化3】

(式中、Yは炭素数10〜14の環構成炭素鎖を表し、炭素鎖Yは1箇所の二重結合を含んでもよく、1箇所の水素原子がメチル基で置換されていてもよい。)で示される化合物群からなる環状カルボニル化合物から選ばれる1種以上を有効成分として含有する活性酸素起因障害抑制剤である。
【0010】
さらに本発明は、ドデカン−4−オリド、ペンタデカン−4−オリド、3−テトラデセン−4−オリド、トリデカン−5−オリド、テトラデカン−5−オリド、ペンタデカン−5−オリド、ヘキサデカン−5−オリド、ペンタデカン−15−オリド、11−ペンタデセン−15−オリド、12−ペンタデセン−15−オリド、ヘキサデカン−16−オリド、6−ヘキサデセン−16−オリド、10−オキサ−ヘキサデカン−16−オリド、11−オキサ−ヘキサデカン−16−オリド、12−オキサ−ヘキサデカン−16−オリド、1,4−ジオキサシクロヘプタデカン−5,17−ジオン、5−シクロヘキサデセン−1−オン、3−メチル−シクロペンタデカン−1−オン、3−メチル−4−シクロペンタデセン−1−オン、3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンから選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する活性酸素起因障害抑制剤である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤によれば活性酸素が関与する細胞や組織の障害を抑制し、例えば体内及び体表面の老化、生活習慣病などの発症予防あるいは緩和効果を得ることができる。
【0012】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤は、その多くが香料として使用実績のある化合物であり、飲食品、化粧品類、医薬部外品、たばこ用添加物及び日用雑貨等に使用することができる。また本発明の化合物群は、製法が確立され容易に合成ができるため、大量生産が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の下記式1
【0014】
【化4】

(式中、Xは炭素数1〜2、又は炭素数10〜14の環構成炭素鎖を表す。但し、Xの炭素数が10〜14のときはXで表される炭素鎖に二重結合もしくは酸素原子を1個含んでもよい。R1はXが炭素数1〜2の場合は炭素数6〜13のアルキル基を表し、Xが炭素数10〜14の場合は水素原子であることを表す。破線部はXが炭素数1〜2の場合に当該箇所の炭素間結合が単結合又は二重結合のいずれでもよいことを表す。)で示される化合物は、環内に1又は2個の酸素原子を有する環状カルボニル化合物である。具体的には、Xが炭素数1である一般にγ−ラクトン類とよばれる化合物群と、Xが炭素数2である一般にδ−ラクトン類とよばれる化合物群、及びXが炭素数10〜14である一般に大環状ラクトン類とよばれる化合物群からなる一連の環状カルボニル化合物である。これらの環状カルボニル化合物はその多くが香料として使用されており、製法も確立されているため公知の方法で製造することができる。これら化合物群においては、Xが炭素数1又は2である場合はR1の炭素数が大きい方が活性が高いためより好ましく、Xが炭素数10〜14の場合はXが飽和で酸素を含まない方がより活性が高いため好ましい。より具体的には、3−テトラデセン−4−オリド、ペンタデカン−4−オリド、ペンタデカン−5−オリド、ヘキサデカン−5−オリド、ペンタデカン−15−オリド、11−ペンタデセン−15−オリド、12−ペンタデセン−15−オリド、ヘキサデカン−16−オリド及び6−ヘキサデセン−16−オリドが活性が高く、且つ製法が確立されおり容易に入手可能であるため特に好ましい。
【0015】
また、下記式2
【0016】
【化5】

(式中、nは10〜12の整数を表す)で示される化合物は、環内に2個の酸素原子を含む環状カルボニル化合物である。これらの化合物では、1,4−ジオキサシクロヘプタデカン−5,17−ジオンが活性が高く、製法が確立され市販もされており入手が容易であるため特に好ましい。
【0017】
また、下記式3
【0018】
【化6】

(式中、Yは炭素数10〜14の環構成炭素鎖を表し、炭素鎖Yは1箇所の二重結合を含んでもよく、1箇所の水素原子がメチル基で置換されていてもよい。)で示される化合物は、環内に酸素原子を含まない環状カルボニル化合物である。これらの化合物では、5−シクロヘキサデセン−1−オン、3−メチル−4−シクロペンタデセン−1−オン及び3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンが活性が高く、製法が確立され市販もされており入手が容易であるため特に好ましい。
【0019】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤で使用される前記有効成分は、常温で固体のものも含まれるが、これらは操作性の面から溶剤に溶解せしめて液状にしてから製剤化することが好ましい。
【0020】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤は、用途に応じてエタノール、水、プロピレングリコール、グリセリン、食用油脂又はそれらの混合溶液などの溶剤、医薬や食品に適用可能な塩類、糖、糖アルコール、賦形剤、可溶化剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、抗酸化剤、色素、香料などを適宜配合することができる。
【0021】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤において、前記の化合物群の含有量は特に限定されないが、単独の化合物もしくは複数化合物を組み合わせた組成物で、0.0001〜100質量%であることが好ましい。
【0022】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤の形態は、特に限定されない。例えば、液状でもよく、公知の方法によって乳化、分散、粉末化するなど、用途に応じて適宜選択することができる。
【0023】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、などの栄養強化剤、抗酸化剤、抗菌剤、その他の薬剤などと配合して使用することができる。また、本発明の活性酸素起因障害抑制剤は他の活性酸素生成阻害剤や活性酸素捕捉剤、活性酸素消去剤と併用してもよい。
【0024】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤を、医薬品もしくは医薬部外品として製剤化する場合は、必要に応じて安定化剤、着色剤、嬌味剤、香料、賦形剤、溶剤、界面活性剤、乳化剤、保存剤、溶解補助剤、等張化剤、緩衝剤、保湿剤、結合剤、被覆剤、潤沢剤、崩壊剤、経皮吸収剤などを加え、液剤、粉剤、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣剤、カプセル剤、懸濁剤、座剤、浴剤、軟膏、クリーム、ゲル、貼付剤、注射剤、点眼剤など任意の剤形を選択することができる。
【0025】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤に用いる有効成分は、その多くが従来から主に香料として使用されている化合物であるため、飲食品に添加することもできる。例えば、乳飲料、清涼飲料、嗜好飲料、アルコール飲料などの飲料、チョコレート、キャンディ、錠菓、ガム、スナック菓子、クッキー、ケーキ、その他焼き菓子などの菓子類、氷菓、アイスクリームなどの冷菓類、即席麺類、レトルト食品、冷凍食品などの調理食品、調味料、栄養補助食品などの食品類に添加することで、活性酸素が関与する体内及び体表面の老化、生活習慣病、白内障などの発症予防あるいは緩和効果を得ることができる。
【0026】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤を飲食品に添加する場合、特に添加量の制限はないが、0.001〜5質量%であることが好ましい。
【0027】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤を飲食品に添加する方法は、特に制限はないが必要に応じて、乳化剤、分散剤、安定化剤などを加えることもできる。
【0028】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤を飲食品に添加する場合は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養強化剤、抗酸化剤、抗菌剤、食物繊維、血流促進剤、抗血栓剤など他の機能性成分を本発明の活性酸素起因障害抑制剤の機能を阻害しない範囲で併用することもできる。
【0029】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤は、香水、化粧水、ファンデーション、口紅、クリーム、ローション、乳液、ジェル、パック、日焼け止め、サンオイルなどの化粧品類、石鹸、ボディーシャンプー、洗顔料などの身体洗浄剤、シャンプー、リンス、ヘアートリートメント剤、整髪料、染毛剤、パーマネント剤、養毛剤などの毛髪化粧料、シェービングフォーム、シェービングクリーム、アフターシェーブローション、歯磨き、洗口剤、粉末洗剤、液体洗剤、漂白剤、柔軟剤、浴剤、衛生用品、避妊具などの香粧品類に添加することができる。
【0030】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤を香粧品類に添加する場合、特に添加量の制限はないが、0.001〜15質量%であることが好ましい。
【0031】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤を香粧品に添加する方法は特に限定されないが、必要に応じて乳化剤、分散剤、安定化剤、賦形剤などを加えることもできる。
【0032】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤を香粧品に添加する場合は、抗酸化剤、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、保湿剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、抗かび剤、メラニン生成抑制剤、養毛剤、冷感剤、温感剤、吸収促進剤、血流促進剤、抗血栓剤など他の機能性物質を本発明の活性酸素起因障害抑制剤の機能を阻害しない範囲で併用することもできる。
【0033】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤をたばこに添加する場合は、タバコ葉に添加するか、巻紙やフィルターに添加してもよい。また、喫煙用パイプなどの喫煙具のフィルターに添加してもよい。
【実施例1】
【0034】
(試験方法)
活性酸素生成はHL−60細胞(ヒト急性前骨髄球性白血病細胞)にジメチルスルホキシドを加えて好中性顆粒球に分化誘導させた後、TPA(フォルボール 12−ミリステート 13−アセテート)を加えることでOを産生させる系を用いた。またこのHL−60細胞を用いた活性酸素生成を阻害する作用の測定試験としては、スーパーオキシドラジカルO生成量をシトクロムCを用いて測定するシトクロムC還元法を用いた。生体内で生じる活性酸素の内、スーパーオキシドラジカルOは短寿命である。そこでより長寿命で検出しやすい化学種に変換することでO生成量を測定する間接法が用いられる。シトクロムC還元法はこのOに着目した検出方法のひとつで、発色プローブとしてシトクロムCを用いている。酸化型シトクロムCがOから電子を1個受け取って還元されると、吸光度550nm(緑色)に強い吸収を持つ還元型シトクロムCに変わることを利用した方法である。この還元型シトクロムCの生成量を、550nmの吸光度測定をすることでO生成量を算出することができる。
【0035】
被検物質にジメチルスルホキシド(DMSO)を加え最終濃度が25μl/mlになるように濃度を調整した。TPA溶液は最終濃度2μMになるように調整した。シトクロムC溶液はシトクロムC(牛心臓由来:Sigma社製)100mgをHBSS(Ca2+、Mg2+含有、フェノールレッド不含:ハンクスのバランス塩溶液Gibco社製)5mlに溶解し、使用時は最終濃度76μMで用いた。
【0036】
測定前にHL−60細胞をインキュベーターにて4日間培養し、好中性顆粒球に分化誘導させる。分化誘導した細胞を遠心分離し培養液を除く、さらに細胞液の濃度を1×10セル/mlの濃度になるようにHBSSで調整、細胞懸濁液1mlを、あらかじめコントロール(DMSO)又は被検物質5μlを37℃で15分間温浴する。次に6600rpmで5分間遠心分離し、上澄みを除く。さらにHBSSを加え同様な操作を繰り返す。新たにHBSS1mlを加え、37℃で5分間温浴する。TPA溶液5μlを加え活性酸素を生成させる。90秒後シトクロムC溶液50μlを加える。これを37℃で15分間温浴し、十分反応させる。氷中に5分静置して反応を止めた後、6600rpmで5分間遠心分離をする。得られた上澄み200μlを96穴プレート(NUCK社製)に加え、マイクロプレートリーダー(Molecular Devices 社)550nmで吸光度を測定する。
【0037】
スーパーオキシドラジカルOの生成抑制効果の算出はコントロールの活性酸素生成量を100%として被検物質添加時の活性酸素生成量との差を次の計算で求めた。
活性酸素O量(nmol/ml)=47.7×A550nm
【0038】
(試験結果)
前記試験方法において、被験物質の濃度が25μg/mlあるいは2.5μg/mlの活性酸素生成阻害率(%)を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
表1に示すように本発明の化合物には、25μg/ml以下の濃度においても強い阻害活性が確認された。またその1/10の低濃度でもその活性が維持されるものも確認された。
【0041】
以下に本発明の活性酸素起因障害抑制剤の製剤例について、一例を示す。
【0042】

錠剤配合例(質量比)
──────────────────────
本発明の活性酸素起因障害抑制剤 5.0
6%HPC乳糖 80.0
ステアリン酸マグネシウム 4.0
バレイショデンプン 6.0
──────────────────────
【0043】

軟膏剤配合例(質量比)
─────────────────────────
白色ワセリン 20.0
ステアリルアルコール 22.0
プロピレングリコール 12.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
パラベン 0.2
本発明の活性酸素起因障害抑制剤 5.0
精製水 39.3
─────────────────────────
【0044】

入浴剤配合例(質量比)
――――――――――――――――――――――─
炭酸水素ナトリウム 50.0
硫酸ナトリウム 45.0
本発明の活性酸素起因障害抑制剤 1.3
香料 0.7
色素 3.0
───────────────────────
【0045】
以下に本発明の活性酸素起因障害抑制剤の食品への配合例について一例を示す。
【0046】

アイスクリーム配合例(質量比)
────────────────────────
全脂練乳 10.0
生クリーム 9.4
無塩バター 2.0
脱脂粉乳 3.4
砂糖 12.0
安定剤 0.3
乳化剤 0.2
pH調整剤 0.1
カラメル色素 0.1
本発明の活性酸素起因障害抑制剤 0.01
香料 0.01
水 49.0
────────────────────────
【0047】

クッキー生地配合例(質量比)
────────────────────────
薄力粉 62.5
全粒粉 37.5
ショートニング 30.0
全卵 30.0
砂糖 20.0
水飴 1.0
脱脂粉乳 5.0
食塩 1.2
食用油脂 30.0
重炭酸ソーダ 1.0
重炭酸アンモニウム 1.0
本発明の活性酸素起因障害抑制剤 0.1
香料 0.3
水 11.0
────────────────────────
【0048】

チョコレート配合例(質量比)
─────────────────────────
カカオ液 12.0
カカオバター 24.0
ショ糖 33.0
フルクリームミルクパウダー 19.0
スキムミルクパウダー 11.4
レシチン 0.5
本発明の活性酸素起因障害抑制剤 0.01
香料 0.1
─────────────────────────
【0049】

ノンオイルドレッシング配合例(質量比)
─────────────────────────
濃口醤油 10.0
醸造酢 6.0
リンゴ酢 5.0
レモン果汁 4.0
液糖 7.0
食塩 2.0
調味料 7.0
香料 0.2
本発明の活性酸素起因障害抑制剤 0.01
水 50.0
─────────────────────────
【0050】

飲料配合例(質量比)
――――――――――――――――――――――───
果糖ぶどう糖液糖 60.0
アップル透明果汁 4.3
クエン酸 2.3
クエン酸三ナトリウム 0.8
アスコルビン酸 0.2
スクラロース 0.03
アセスルファムカリウム 0.02
香料 0.99
本発明の活性酸素起因障害抑制剤 0.1
水 31.0
――――――――――――――――――――――───
【0051】

チューインガム配合例(質量比)
――――――――――――――――――――――─
ガムベース 20.0
砂糖 60.0
ブドウ糖 10.0
水飴 8.0
グリセリン 5.0
香料 0.9
本発明の活性酸素起因障害抑制剤 0.1
───────────────────────
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の活性酸素起因障害抑制剤は、その多くが香料として使用実績がある化合物であり、刺激性などは極めて小さく、飲食品や香粧品類、たばこ、医薬品など幅広く添加することができる。また、本発明の化合物群は容易に合成ができるため、大量生産が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式1
【化1】

(式中、Xは炭素数1〜2、又は炭素数10〜14の環構成炭素鎖を表す。但し、Xの炭素数が10〜14のときはXで表される炭素鎖に二重結合もしくは酸素原子を1個含んでもよい。R1はXが炭素数1〜2の場合は炭素数6〜13のアルキル基を表し、Xが炭素数10〜14の場合は水素原子であることを表す。破線部はXが炭素数1〜2の場合に当該箇所の炭素間結合が単結合又は二重結合のいずれでもよいことを表す。)で示される化合物群、及び下記式2
【化2】

(式中、nは10〜12の整数を表す。)で示される化合物群、及び下記式3
【化3】

(式中、Yは炭素数10〜14の環構成炭素鎖を表し、炭素鎖Yは1箇所の二重結合を含んでもよく、1箇所の水素原子がメチル基で置換されていてもよい。)で示される化合物群からなる環状カルボニル化合物から選ばれる1種以上を有効成分として含有する活性酸素起因障害抑制剤。
【請求項2】
ドデカン−4−オリド、ペンタデカン−4−オリド、3−テトラデセン−4−オリド、トリデカン−5−オリド、テトラデカン−5−オリド、ペンタデカン−5−オリド、ヘキサデカン−5−オリド、ペンタデカン−15−オリド、11−ペンタデセン−15−オリド、12−ペンタデセン−15−オリド、ヘキサデカン−16−オリド、6−ヘキサデセン−16−オリド、10−オキサ−ヘキサデカン−16−オリド、11−オキサ−ヘキサデカン−16−オリド、12−オキサ−ヘキサデカン−16−オリド、1,4−ジオキサシクロヘプタデカン−5,17−ジオン、5−シクロヘキサデセン−1−オン、3−メチル−シクロペンタデカン−1−オン、3−メチル−4−シクロペンタデセン−1−オン、3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンからなる化合物群から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する活性酸素起因障害抑制剤。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の活性酸素起因障害抑制剤を添加することを特徴とする、活性酸素に起因する障害を抑制する効果を有する飲食品類又は香粧品類の製造方法。

【公開番号】特開2010−275245(P2010−275245A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130452(P2009−130452)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000201733)曽田香料株式会社 (56)
【Fターム(参考)】