説明

流体噴射装置

【課題】装置内部の環境汚染を防ぐことが可能な流体噴射装置を提供すること。
【解決手段】第一領域へ向けて流体を噴射する流体噴射ヘッドと、前記第一領域とは異なる第二領域に設けられ、前記流体噴射ヘッドから排出された前記流体を保持する流体保持部材とを備え、前記流体保持部材として、所定方向に重ねられた複数の板状部材と、それぞれの前記板状部材に1つ以上設けられ、前記液体を通過させる貫通孔とを有する流体保持部材が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体噴射装置として知られるインクジェット式記録装置は、噴射ヘッドのノズル開口から紙などの記録媒体に対してインクを噴射することで、当該記録媒体に印刷を行う装置である。インクジェット式記録装置では、例えば噴射ヘッドのメンテナンスを行う場合など、記録媒体以外に対しても噴射ヘッドからインクが排出される場合がある。この場合、排出されたインクを例えば液体保持部材などを用いて保持させることで、周囲の環境が汚染されるのを防いでいる。従来、液体保持部材として、例えば発泡成形部材や不織布、焼結体などが用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−280241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成の液体保持部材は、材質によっては使用時にカット断面からゴミなどが発生したり、材料脱落などが生じたりする場合があるため、周囲の環境汚染を十分に防ぐことができない虞がある。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明は、装置内部の環境汚染を防ぐことが可能な流体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る流体噴射装置は、第一領域に配置される記録媒体へ向けて流体を噴射する流体噴射ヘッドと、前記第一領域とは異なる第二領域に設けられ、前記流体噴射ヘッドから排出された前記流体を保持する流体保持部材とを備え、前記流体保持部材として、所定方向に重ねられた複数の板状部材と、それぞれの前記板状部材に1つ以上設けられ、前記液体を通過させる貫通孔とを有する流体保持部材が用いられる。
【0007】
本発明によれば、記録媒体の配置される第一領域とは異なる第二領域に流体保持部材が設けられ、当該流体保持部材が、所定方向に重ねられた複数の板状部材と、それぞれの板状部材に1つ以上設けられ液体を通過させる貫通孔とを有する構成としたので、当該流体保持部材を、例えば金属材料や樹脂材料など、ゴミや材料脱落が発生しにくい材料を用いて形成することができる。このように、ゴミや材料脱落などの発生を抑制しつつ、液体を吸収することができるので、周囲の環境汚染を防ぐことが可能となる。
【0008】
上記の流体噴射装置において、前記流体噴射ヘッドから噴射された前記流体を付着させる記録媒体を支持する支持部材、を更に備え、前記第一領域は、前記支持部材上に設けられることが好ましい。
本発明によれば、第一領域は記録媒体を支持する支持部材上に設けられるため、流体保持部材は、当該支持部材の第一領域以外の領域に設けることができることとなる。
【0009】
上記の流体噴射装置において、前記流体保持部材は、前記第一領域の周囲に設けられることが好ましい。
本発明によれば、流体が飛散しやすい第一領域の周囲に設けられるため、第一領域の周囲を清浄に保持することができる。
【0010】
上記の流体噴射装置において、前記流体噴射ヘッドを前記第一領域と前記第二領域との間で移動させる駆動機構と、前記第二領域に設けられ、前記流体噴射ヘッドから排出された前記流体を受ける流体受部とを更に備え、前記流体保持部材は、前記流体受部に設けられることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、流体保持部が流体受部に設けられるため、流体受部における流体の漏れを防ぐことができる。
【0012】
上記の流体噴射装置において、前記流体受部は、前記噴射ヘッドを覆うように形成されていることが好ましい。
本発明によれば、流体保持部材が設けられる流体受部が清浄に保持されることとなるため、流体受部によって噴射ヘッドを覆う場合であっても、噴射ヘッドへの異物の付着を回避することができる。
【0013】
上記の流体噴射装置において、前記流体受部は、前記流体を付着させる電極を有し、前記電極として、複数の前記板状部材のうち少なくとも1つが用いられることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、流体を付着させる電極として、複数の板状部材のうち少なくとも1つが用いられるため、清浄な環境下で電極を用いることができる。
【0015】
上記の流体噴射装置において、前記第二領域に設けられ、前記流体噴射ヘッドから排出された前記流体を回収する流体回収部を更に備え、前記流体保持部材は、前記流体回収部に設けられることが好ましい。
本発明によれば、流体回収部に流体保持部材が設けられるため、流体回収部を清浄に保持することができる。
【0016】
上記の流体噴射装置において、前記流体保持部材に保持された前記流体を吸引する吸引機構を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、流体保持部材によって保持された流体が吸引機構によって吸引されるため、流体保持部材を清浄な状態にすることができる。
【0017】
上記の流体噴射装置において、前記吸引機構は、前記流体保持部材のうち前記所定方向に直交する方向上の位置に接続されていることが好ましい。
本発明によれば、流体保持部材を構成する板状部材の間の領域を効率的に吸引することができるので、流体保持部材をより確実に清浄な状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一実施形態に係る液体保持部材の構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態に係る液体保持部材の構成を示す側面図。
【図3】本実施形態に係る液体保持部材の他の構成を示す斜視図。
【図4】本実施形態に係る液体保持部材の他の構成を示す斜視図。
【図5】本実施形態に係る液体保持部材の他の構成を示す斜視図。
【図6】本実施形態に係る液体保持部材の他の構成を示す斜視図。
【図7】本発明の第二実施形態に係る流体噴射装置の構成を示す斜視図。
【図8】本実施形態に係る流体噴射装置の一部の構成を示す断面図。
【図9】本実施形態に係る流体噴射装置の一部の構成を示す断面図。
【図10】本実施形態に係る流体噴射装置の一部の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第一実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る液体保持部材(流体保持部材)の構成を示す斜視図である。図2は、液体保持部材の側面図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る液体保持部材LM1は、複数の板状部材PL(P1、P2)が所定方向に重ねられた構成になっている。液体保持部材LM1は、一例としてインクジェットプリンタで用いられるインクなどの液状体を保持する。勿論、当該インクに限られず、他の液状体を保持することも可能である。板状部材PLは、例えば何層重ねても構わない。液体保持部材LM1の寸法、板状部材PLの寸法等に応じて適宜重ねる層数を設定することができる。
【0021】
以下、液体保持部材LM1の構成を理解しやすくするため、XYZ座標系を用いて説明する。ここでは、例えば板状部材PLが重ねられた所定方向をZ方向として設定する。また、当該Z方向に直交する平面上の一方向をX方向、当該平面上でX方向に直交する方向をY方向とそれぞれ設定する。
【0022】
各板状部材PLには、例えば複数の貫通孔HLが形成されている。本実施形態では、例えば貫通孔HLが円形に形成されているが、これに限られることは無く、例えば矩形や三角形、多角形など、他の形状に形成しても構わない。当該貫通孔HLは、液体が通過する部分である。
【0023】
貫通孔HLは、例えば保持する液体の表面張力に応じた寸法となるように形成されている。具体的には、表面張力が大きい液体を保持する場合はその分貫通孔HLの寸法が大きくなるように形成され、表面張力が小さい液体を保持する場合はその分貫通孔HLの寸法を小さくなるように形成される。貫通孔HLの寸法(径)としては、例えば20μm〜200μmの範囲で設定することが可能である。勿論、この値は一例であり、当該値とは異なる寸法に設定しても構わない。
【0024】
貫通孔HLを液体が通過する際には、例えば毛細管現象によって液体が移動するようになっている。貫通孔HLの寸法は、全ての板状部材PLにおいて同一にする必要は無く、例えば−Z側の板状部材PLに至るほど貫通孔HLの寸法を小さく、又は大きく形成しても構わない。
【0025】
板状部材PLは、曲げられた状態に形成された第一板状部材P1と、平板状に形成された第二板状部材P2とを有している。液体保持部材LM1は、当該第一板状部材P1と第二板状部材P2とがZ方向に交互に重なった構成になっている。板状部材PLは、例えば金属材料や樹脂材料(プラスチックを含む)など、所定の剛性を有する材料を用いて形成されている。例えば、全ての板状部材PLが同一の材料を用いて形成された構成であっても構わないし、異なった材料を用いて形成された板状部材PLが含まれた構成としても構わない。
【0026】
第一板状部材P1は、三角波形状に曲げることで形成されており、折り目CSが形成されている。第一板状部材P1のうち折り目CS間を連結する部分は、平板状に形成されている。上記貫通孔HLは、当該折り目CSから外れた平板状の位置に形成されており、折り目CSには貫通孔HLが形成されていない構成になっている。折り目CSは、Z方向に隣接する第二板状部材P2に当接されている。この折り目CSは、例えば接着剤などを介して第二板状部材P2に接着された構成であっても構わない。
【0027】
第一板状部材P1は、折り目CSのZ方向の位置が等しくなるように、例えば等間隔に折り曲げられた状態になっている。このため、板状部材PLの重ね合わせ方向が傾くことが無く、Z方向に板状部材PLを重ねていくことができるようになっている。第一板状部材P1の曲げ形状については、三角波形状には限られず、例えば矩形波形状や正弦波形状など、他の形状であっても構わない。なお、第一板状部材P1においては、第二板状部材P2に接する折り目CSについてのみZ方向の位置が揃っていれば良い。したがって、他の折り目CSについては、折り目CSの位置が例えば第二板状部材P2に触れないようにずれた状態になっていても構わない。
【0028】
液体保持部材LM1を構成する複数の第一板状部材P1には、折り目CSがX方向に延在するように配置したものと、当該折り目CSがY方向に延在するように配置したものとを含んでいる。このように、液体保持部材LM1は、折り目CSの延在方向が異なるように複数の第一板状部材P1を配置させた構成になっている。
【0029】
第一板状部材P1は、上記のように曲げられて形成されていることにより、所定の空間Sを含んだ構成となっている。この空間Sには、例えば液体が保持されるようになっている。例えば貫通孔HLを介して空間Sに流入した液体は、当該空間S内において表面張力によって保持されることになる。また、当該空間Sは、X方向又はY方向に延在する空間である。このため、当該空間S内の液体は、毛細管現象によって当該空間Sの延在方向に流通するようになっている。
【0030】
第二板状部材P2は、略全面に亘って貫通孔HLを有している。第二板状部材P2には、例えば貫通孔HLがマトリクス状に配置されている。本実施形態では、液体保持部材LM1のうち最もZ側(重ね方向の先端側)に当該第二板状部材P2が配置されている。このため、液体保持部材LM1のZ側から液体を取り込む際、当該液体保持部材LM1のどの位置においても液体の付着しやすさが均一となる。
【0031】
上記のように構成された液体保持部材LM1は、例えば貫通孔HLにおける毛細管現象と、液体の表面張力とを利用して液体を保持することができるようになっている。例えば液体保持部材LM1の+Z側から液体LQ(図2参照)を取り込む場合を例に挙げて説明する。この場合、液体LQは、まず最も+Z側に配置された第二板状部材P2に触れることになる。第二板状部材P2に触れた液体LQは、貫通孔HL内に流入する。
【0032】
貫通孔HL内に流入した液体LQは、毛細管現象によって貫通孔HLを流通し、−Z側の面から流出する。貫通孔HLから−Z側に流出した液体LQは、重力や表面張力の影響あるいは毛細管現象によって当該第二板状部材P2の−Z側の面を伝わっていく。この液体LQは、当該第二板状部材P2の−Z側の面に当接された第一板状部材P1の折り目CSに到達すると、当該折り目CSを介して第一板状部材P1に伝わって流通していく。
【0033】
第一板状部材P1に伝わった液体LQのうち、例えば一部の液体LQは第一板状部材P1に設けられる貫通孔HLに流入し、−Z側の面に回り込む。この液体LQは、第一板状部材P1の−Z側の面を伝わって流れていき、例えば−Z側の第二板状部材P2に当接する折り目CSを介して当該第二板状部材P2上に到達する。また、第一板状部材P1に伝わった液体LQのうち、例えば他の液体LQは当該第一板状部材P1の折り目CSの+Z側の凹部に到達し、当該凹部に保持される。
【0034】
液体LQは、このような挙動を繰り返しながら液体保持部材LM1の+Z側から−Z側へ流通していく。この液体LQの流通の過程において、例えば各第一板状部材P1及び各第二板状部材P2に接触することで、表面張力、凹部などによって順次保持されることになる。また、液体LQが貫通孔HLに接する場合にも表面張力がはたらき、当該液体LQが貫通孔HLを通過しにくくなる。このような作用によっても、液体LQが保持されることとなる。
【0035】
図3は、本実施形態における液体保持部材の他の構成を示す斜視図である。
図3に示す構成の液体保持部材LM2は、重ね方向の最も先端に配置される板状部材PLが第一板状部材P1となっている。他の構成は、上記の液体保持部材LM1の構成と同一になっている。このように、板状部材PLの重ね方向の先端が第一板状部材P1であっても、十分に液体を保持することが可能となる。
【0036】
図4は、本実施形態における液体保持部材の他の構成を示す斜視図である。
図4に示す構成の液体保持部材LM3は、複数の第一板状部材P1について折り目CSの方向が例えばX方向に揃うように配置されている。加えて、折り目CSのY方向上の位置が半ピッチ分ずつずれた位置に配置されるように構成されている。他の構成は、上記の液体保持部材LM1の構成と同一になっている。このような構成によれば、折り目CSの方向が例えばX方向に揃うように配置された場合であっても、折り目CS同士が互いに支持し合う構成となるため、耐変形性の高い液体保持部材LM3を得ることができる。
【0037】
図5は、本実施形態における液体保持部材の他の構成を示す斜視図である。
図5に示す構成の液体保持部材LM4は、複数の第一板状部材P1について折り目CSの方向が例えばX方向に揃うように配置されている。加えて、折り目CSのY方向上の位置が同一となるように形成されている。他の構成は、上記の液体保持部材LM1の構成と同一になっている。このような構成によれば、例えばZ方向の力を加えることで無理なく変形させることができる。
【0038】
図6は、本実施形態における液体保持部材の他の構成を示す斜視図である。
図6に示す構成の液体保持部材LM5は、第二板状部材P2のみを用いて液体保持部材LM5を形成したものである。図6に示すように、液体保持部材LM5は、複数の第二板状部材P2がZ方向に重ねられた構成となっている。複数の第二板状部材P2は、互いに等しい構成に形成されている。各第二板状部材P2は、複数の貫通孔HLがマトリクス状に形成されている。
【0039】
この液体保持部材LM5は、貫通孔HLの位置が板状部材毎にずれるように第二板状部材P2が配置された状態になっている。このため、複数の貫通孔HLは、Z方向視において第二板状部材P2毎に位置がずれるように配置された状態になっている。この構成により、液体の流通経路を板面方向に拡散させることができ、液体を第二板状部材P2によって保持されやすくすることができる。また、例えばミスト状の液体などを保持する場合、当該液体を早期に安定して吸着させることができる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、複数の板状部材PL(P1、P2)を重ねた構成とし、当該板状部材PLに設けられた複数の貫通孔HLを介して液体を通過させることとしたので、例えばプラスチックやプレス材など、ゴミや材料脱落が発生しにくい材料を用いて形成することができる。このように、使用時のゴミや材料脱落などの発生を抑制しつつ、液体を吸収することができるので、周囲の環境汚染を防ぐことが可能となる。
【0041】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。本実施形態では、第一実施形態で説明した液体保持部材(LM1〜LM5)を流体噴射装置に適用させた構成を説明する。本実施形態では、流体噴射装置の一例としてインクジェットプリンタを例に挙げて説明する。
図7は、本発明に係る流体噴射装置の一実施例であるインクジェットプリンタ1の概略構成を示す一部分解図である。
【0042】
本実施形態におけるインクジェットプリンタ1は、図7に示すように、各部材を収容するプリンタ本体5を備えている。プリンタ本体5には、噴射ヘッド3(流体噴射ヘッド)が搭載されるヘッドユニット2を往復移動させるヘッドユニット移動機構16と、供給チューブ14を介して噴射ヘッド3に供給するインク(流体)を貯留したインクカートリッジ6と、噴射ヘッド3の噴射特性を維持するためのクリーニング動作等に用いられるメンテナンス装置7などが設けられている。また、インクジェットプリンタ1には、全体の動作を制御する制御装置(図示しない)が設けられている。
【0043】
このプリンタ本体5には、記録媒体を搬送する不図示の搬送機構が設けられている。この搬送機構は、記録媒体をY方向に搬送する。搬送モータやこの搬送モータによって回転駆動される搬送ローラ(いずれ不図示)等から構成され、記録媒体を記録(印字・印刷)動作に連動させてプラテン(支持部材)13の上に順次送り出すようになっている。記録媒体としては、例えば紙などが挙げられる。
【0044】
ヘッドユニット移動機構16は、プリンタ本体5の幅方向に架設されたガイド軸8と、パルスモータ9と、パルスモータ9の回転軸に接続されてこのパルスモータ9によって回転駆動される駆動プーリー10と、駆動プーリー10とはプリンタ本体5の幅方向の反対側に設けられた遊転プーリー11と、駆動プーリー10と遊転プーリー11との間に掛け渡されてキャリッジ4に接続されたタイミングベルト12を有して構成されている。
【0045】
ヘッドユニット2は、プラテン13上に送り出された記録媒体に向けてインクを噴射する噴射ヘッド3と、記録媒体の幅方向に沿って移動可能なキャリッジ4とを有して構成されている。噴射ヘッド3は、複数のノズル47を有している。噴射ヘッド3は、ノズル47の形成された範囲に対応する領域にインクを噴射する構成になっている。噴射ヘッド3の噴射領域のうちプラテン13上に設けられる第一領域13aは、記録媒体に対して記録が行われる領域である。
【0046】
この噴射ヘッド3は、第一領域13aからはみ出した領域までノズル47が設けられている。例えば記録媒体の縁部分まで記録を行う場合、当該第一領域13aからはみ出した部分に設けられるノズル47からもインクが噴射されるようになっている。このため、第一領域13aの外側の領域(第二領域)13bには、例えばプラテン13に近接する部分にインク受部(流体受部)15が設けられている。
【0047】
キャリッジ4には噴射ヘッド3が搭載されている。キャリッジ4は、側部の中央部に設けられた接続部34にタイミングベルト12の一部が取り付けられることでタイミングベルト12に接続されている。このようなキャリッジ4を備えたヘッドユニット2は、パルスモータ9の駆動によって回動するタイミングベルト12の動きに従い、ガイド軸8に沿って主走査方向に往復移動する。
【0048】
メンテナンス装置7は、図7に示すように、キャッピング機構(流体受部)CPやフラッシング機構(流体受部)FPなどを有している。キャッピング機構CPは、噴射ヘッド3の各ノズル47から増粘したインクを吸引する吸引動作等に用いられる。フラッシング機構FPは、噴射ヘッド3のノズル47からインクを排出させるフラッシング動作を行う際に、排出されたインクを受ける部分である。このほか、例えば噴射ヘッド3のうちノズル47が形成された面を払拭するワイピング機構などが配置されていても構わない。
【0049】
メンテナンス装置7は、ホームポジションに配置されている。ここで、ホームポジションは、ヘッドユニット2の移動範囲内であって第一領域13aの外側の第二領域13bに設定されたポジションである。ヘッドユニット2は、例えば電源オフ時や長時間に亘って記録が行われなかった場合に、当該ホームポジションに移動するようになっている。
【0050】
ホームポジションにヘッドユニット2が位置する場合には、メンテナンス装置7により噴射ヘッド3に対するメンテナンス処理(インク吸引動作、フラッシング処理、ワイピング動作など)が行われる。噴射ヘッド3からメンテナンス装置7側に排出された廃インクや、インク受部15に収容された廃インクは、例えば廃液回収機構18において回収されるようになっている。
【0051】
図8は、キャッピング機構CPの構成を示す断面図である。
図8に示すように、キャッピング機構CPは、噴射ヘッド3のノズル形成領域の一部を覆うキャップ部材61と、キャップ部材61内に設けられた液体保持部材LMと、当該液体保持部材LMをキャップ部材61に固定させる固定ピン65とを備えた構成となっている。
【0052】
キャップ部材61は、例えばプラスチックなどの樹脂からなり、例えばトレイ状に形成されている。キャップ部材61の枠部63は、底部62の周縁に設けられており、枠部63の上端には例えばエラストマなどから構成されるシール部材63aが設けられている。シール部材63aは、噴射ヘッド3に当接するようになっている。
【0053】
液体保持部材LMとしては、例えば上記第一実施形態で説明した液体保持部材LM1〜LM5が用いられている。固定ピン65は、液体保持部材LMを貫通するように設けられており、底部62に固定されている。
【0054】
キャップ部材61の底部62には、吸引用の開口部67が設けられている。開口部67は、例えばキャップ部材61の一方の長辺に沿った部分に2箇所設けられている。この開口部67は1箇所又は3箇所以上配置しても構わないし、他の位置に配置しても構わない。底部62の下面側には、当該開口部67に接続される吸引管68が設けられている。吸引管68は、例えば吸引ポンプなどの吸引装置69に接続されている。吸引装置69は、例えば廃液回収機構18に接続されている。
【0055】
図9は、フラッシング機構FPの構成を示す断面図である。
図9に示すように、フラッシング機構FPは、噴射ヘッド3から排出されたインクを収容するフラッシング容器71と、当該フラッシング容器71内に収容されるインクを保持する液体保持部材LMと、当該フラッシング容器71内において液体保持部材LMの下層側に配置されるインク吸収材72とを有している。
【0056】
液体保持部材LMとしては、例えば上記第一実施形態で説明した液体保持部材LM1〜LM5が用いられている。液体保持部材LMは、例えばインク吸収材72に支持された構成としても構わないし、別途液体保持部材LMの支持部材を設けて当該支持部材によって支持された構成としても構わない。
【0057】
インク吸収材72は、フラッシング容器71の底部に設けられている。インク吸収材72は、例えば不織布などを用いて形成されている。インク吸収材72を配置することにより、フラッシング容器71内においてインクの保持能力が高められるようになっている。勿論、インク吸収材72を設けずに、液体保持部材LMのみを設ける構成としても構わない。この場合であっても、十分なインク保持能力が得られることとなる。また、インク吸収材72の上層には液体保持部材LMが配置されているため、例えばインク吸収材72から異物等が発生した場合であっても、フラッシング容器71の周囲には流出しにくい構成となっている。フラッシング容器71の底部には不図示の吸引機構が設けられている。当該吸引機構により、フラッシング容器71内のインクが例えば廃液回収機構18に回収されるようになっている。
【0058】
図10は、インク受部15の構成を示す断面図である。
図10に示すように、インク受部15は、壁部81及び底部82によって囲まれたインク収容部81aを有している。インク収容部81aには、ほぼ全面に亘って液体保持部材LMが設けられている。
【0059】
液体保持部材LMは、液体保持部材LMとしては、例えば上記第一実施形態で説明した液体保持部材LM1〜LM5が用いられている。液体保持部材LMは、例えば図中左右方向の両端部がフック部83によって保持されている。フック部83は、例えば壁部81と一体的に形成されている。例えば壁部81のうちフック部83が設けられた部分を図中左右方向に移動可能な構成とし、液体保持部材LMの寸法に応じて当該部分を移動させながら液体保持部材LMの保持位置を調整する構成としても構わない。
【0060】
液体保持部材LMの図中左右方向の中央部は、例えば支柱部84によって固定されている。支柱部84は、図中上方向の端部84aが広がった構成になっており、この端部84aによって液体保持部材LMが保持された状態になっている。端部84は、例えば支柱部84の先端に熱を加えて変形させることで形成することができる。勿論、他の方法によって形成しても構わない。
【0061】
インク受部15の底部82には、開口部85が形成されている。当該開口部85には、例えば不図示の吸引機構が接続されている。当該吸引機構により、例えば液体保持部材LMによって保持されたインクが廃液回収機構18に回収されるようになっている。開口部85は、図中には1箇所示されているが、複数箇所に形成された構成としても構わない。
【0062】
次に、上述の構成を有するインクジェットプリンタ1の動作の一例を説明する。
【0063】
外部から印刷データが送信されると、不図示の制御装置は、ドットパターンに対応した噴射データに展開して噴射ヘッド3に送信する。そして、噴射ヘッド3では、受信した噴射データに基づき、記録(印字・印刷)処理、すなわち記録紙に対するインク滴の噴射を実行する。
【0064】
印刷データによっては、例えば記録媒体の周縁部に至るまで印刷を行う場合もある。このような場合、制御装置は、例えばプラテン13上に設定される第一領域13aの端部に記録媒体の端部が位置するように記録用紙を搬送させる。その後、制御装置は、噴射ヘッド3によって第一領域13aからはみ出す部分までインクを噴射させる。この動作により、記録媒体の周縁部についても確実に印刷が行われることとなる。
【0065】
一方、第一領域13aからはみ出す部分に噴射されたインクは、インク受部15のインク収容部81aに収容される。当該インクは、インク収容部81a内に配置される液体保持部材LMによって保持された状態となる。この場合、噴射ヘッド3から噴射されたインクはミスト状になっているため、液体保持部材LMが例えば上記第一実施形態で述べた液体保持部材LM1の構成(インクを受ける面が平板状に形成されている構成)を有する場合には、当該インクは早期に安定して吸着されることとなる。制御装置は、例えば液体保持部材LMに保持されたインクの量に応じて適宜不図示の吸引機構を作動させる。この動作により、液体保持部材LMに保持されたインクが廃液回収機構18によって回収される。
【0066】
このような記録処理の後、動作を継続すると判断した場合、例えば予め設定されている時間が経過すると、定期メンテナンス処理を開始する。また、記録処理の後、動作を継続しないと判断した場合、インクジェットプリンタ1の処理を終了する。以下、動作を継続すると判断した場合について説明する。
【0067】
メンテナンス処理のうち、例えば吸引処理を行う場合、制御装置は、噴射ヘッド3をキャッピング機構CPまで移動させ、噴射ヘッド3とキャップ部材61のシール部材63aとが対向するように、キャップ部材61に噴射ヘッド3を近接させる。この状態で、制御装置は、キャップ部材61のシール部材63aを噴射ヘッド3に当接させる。この動作により、キャップ部材61と噴射ヘッド3との間には密閉された空間が形成され、キャップ部材61によって噴射ヘッド3の噴射面が覆われた状態になる。
【0068】
続いて、制御装置は、吸引装置69を駆動させ、空間を負圧状態とする。これによって噴射ヘッド3の内部からインクが吸引される。空間を負圧状態にすることで、噴射ヘッド3内のインクが排出される。排出されたインクは、液体保持部材LMによって保持されると共に、開口部67に吸い寄せられる。
【0069】
その後、制御装置は、例えば吸引装置69を逆駆動させる。この動作により、キャップ部材61と噴射ヘッド3との間に空気が流入し、キャップ部材61と噴射ヘッド3との間に形成されている負圧の空間が大気開放される。大気開放の後、制御装置は、噴射ヘッド3を上昇させてキャップ部材61を離間させる。以上の動作により、吸引処理が完了する。
【0070】
メンテナンス処理のうち、例えばフラッシング処理を行う場合、制御装置は、噴射ヘッド3をフラッシング機構FPまで移動させる。フラッシング容器71の寸法によっては、制御装置は、噴射ヘッド3に設けられる複数のノズル47の一部がフラッシング容器71に対向するように噴射ヘッド3を移動させる。
【0071】
この状態で、制御装置は、ノズル47からインクを排出させる。排出されたインクは、フラッシング容器71に収容され、当該フラッシング容器71内に設けられた液体保持部材LMによって保持される。フラッシング処理においても、噴射ヘッド3から噴射されたインクはミスト状になっている場合があるため、液体保持部材LMが例えば上記第一実施形態で述べた液体保持部材LM1の構成(インクを受ける面が平板状に形成されている構成)を有する場合には、当該インクは早期に安定して吸着されることとなる。排出されるインクの量などによっては、液体保持部材LMの下層に配置されたインク吸収材72によってインクが吸収される。
【0072】
制御装置は、必要に応じて、例えば不図示の吸引機構を用いて液体保持部材LMに保持されたインクやインク吸収材72に吸収されたインクを吸引し、当該インクを廃液回収機構18に回収させる。噴射ヘッド3に設けられた所定のノズル(場合によっては全ノズル)について上記のインク排出動作を行ったら、フラッシング処理が完了する。
【0073】
以上のように、本実施形態によれば、記録媒体の配置される第一領域13aとは異なる第二領域13bに液体保持部材LMが設けられ、当該液体保持部材LMが、所定方向に重ねられた複数の板状部材PLと、それぞれの板状部材PLに1つ以上設けられ液体を通過させる貫通孔HLとを有する構成としたので、当該液体保持部材LMを、例えば金属材料や樹脂材料など、ゴミや材料脱落が発生しにくい材料を用いて形成することができる。このように、ゴミや材料脱落などの発生を抑制しつつ、液体を吸収することができるので、周囲の環境汚染を防ぐことが可能となる。
【0074】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態では、液体保持部材LM(LM1〜LM5)を構成する第一板状部材P1と第二板状部材P2とが交互に重ねられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば第一板状部材P1あるいは第二板状部材P2が複数連続して重なった構成であっても構わない。
【0075】
また、液体保持部材LMの板状部材PLの表面が、保持対象となる液体に対して親液性を有するように形成された構成であっても構わない。この構成によれば、液体保持部材LMによって受けられた液体が板状部材PLを伝わりやすくなる。
【0076】
また、上記実施形態では、例えば図8などに示したように、液体保持部材LMの各板状部材PLの板面に対して直交する方向にインクを吸引する構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば板状部材PLの板面に平行な方向に吸引する構成としても構わない。この場合、例えば曲げられて形成される第一板状部材P1の折り目CSの延在方向に沿った方向にインクを吸引する構成とすることが好ましい。これにより、インクの吸引効率を向上させることができる。
【0077】
また、上記実施形態の構成に加えて、例えば液体保持部材LMを構成する板状部材PLの少なくとも1つを電極として用いる構成であっても構わない。例えば、板状部材PLの少なくとも1つが金属材料を用いて形成された構成とすれば良い。この場合、例えば図8に示したキャッピング機構CPや、図9に示したフラッシング機構FPに用いられる液体保持部材LMに対して適用することが好ましい。
【0078】
板状部材PLの少なくとも1つを電極として用いる構成としては、例えば、噴射ヘッド3の各ノズル47内におけるインクLの増粘状態を求める際に用いられる電極などが挙げられる。当該電極は、例えば不図示のインク滴センサに接続する。インク滴センサは、例えばインクの状態によって固有の検出信号を生成するようになっている。このため、ノズル47から当該電極上にインクを滴下させることで、各ノズル47におけるインクの噴射状況(不良ノズルであるか否かを判定)を検出可能となる。
【0079】
また、上記実施形態では、キャッピング機構CP、フラッシング機構FP及びインク受部15に対して液体保持部材LMを適用させた例を説明したが、これに限られることは無く、他の部位に液体保持部材LMを適用させた構成としても構わない。このような構成として、例えば廃液回収機構18の内部に液体保持部材LMを配置させた構成などが挙げられる。
【0080】
上記の説明では、インクジェット式のプリンタと、インクカートリッジが採用されているが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置と、その流体を収容した流体容器を採用しても良い。微小量の液滴を吐出させる流体噴射ヘッド等を備える各種の流体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記流体噴射装置から吐出される流体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう流体とは、流体噴射装置が噴射させることができるような材料であれ良い。
【0081】
例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての流体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、流体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種流体組成物を包含するものとする。
【0082】
流体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む流体を噴射する流体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。
【0083】
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置および流体容器に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
PL…板状部材 HL…貫通孔 P1…第一板状部材 P2…第二板状部材 LQ…液体 CP…キャッピング機構 FP…フラッシング機構 LM、LM1〜LM5…液体保持部材 1…インクジェットプリンタ 3…噴射ヘッド 7…メンテナンス装置 13…プラテン 13a…第一領域 13b…第二領域 15…インク受部 18…廃液回収機構 47…ノズル 69…吸引装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一領域に配置される記録媒体へ向けて流体を噴射する流体噴射ヘッドと、
前記第一領域とは異なる第二領域に設けられ、前記流体噴射ヘッドから排出された前記流体を保持する流体保持部材と
を備え、
前記流体保持部材として、
所定方向に重ねられた複数の板状部材と、
それぞれの前記板状部材に1つ以上設けられ、前記液体を通過させる貫通孔と
を有する流体保持部材が用いられる
流体噴射装置。
【請求項2】
前記流体噴射ヘッドから噴射された前記流体を付着させる記録媒体を支持する支持部材、を更に備え、
前記第一領域は、前記支持部材上に設けられる
請求項1に記載の流体噴射装置。
【請求項3】
前記流体保持部材は、前記第一領域の周囲に設けられる
請求項1又は請求項2に記載の流体噴射装置。
【請求項4】
前記流体噴射ヘッドを前記第一領域と前記第二領域との間で移動させる駆動機構と、
前記第二領域に設けられ、前記流体噴射ヘッドから排出された前記流体を受ける流体受部と
を更に備え、
前記流体保持部材は、前記流体受部に設けられる
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置。
【請求項5】
前記流体受部は、前記噴射ヘッドを覆うように形成されている
請求項4に記載の流体噴射装置。
【請求項6】
前記流体受部は、前記流体を付着させる電極を有し、
前記電極として、複数の前記板状部材のうち少なくとも1つが用いられる
請求項4又は請求項5に記載の流体噴射装置。
【請求項7】
前記第二領域に設けられ、前記流体噴射ヘッドから排出された前記流体を回収する流体回収部を更に備え、
前記流体保持部材は、前記流体回収部に設けられる
請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置。
【請求項8】
前記流体保持部材に保持された前記流体を吸引する吸引機構を更に備える
請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置。
【請求項9】
前記吸引機構は、前記流体保持部材のうち前記所定方向に直交する方向上の位置に接続されている
請求項8に記載の流体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−136449(P2011−136449A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296708(P2009−296708)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】