説明

流体圧シリンダの塵埃除去機構

【課題】流体圧シリンダにおいて、ピストンロッドに付着した塵埃を確実に除去し、シリンダ本体への進入を防止することにより、該ピストンロッドを含むピストンを円滑に作動させると共に耐久性の向上を図る。
【解決手段】流体圧シリンダ10において、ロッドカバー14には、圧力流体の供給されるサブポート44が設けられ、該サブポート44に供給された圧力流体が、ピストンロッド18に臨み、ロッドパッキン42の装着された環状溝40へと供給される。そして、圧力流体は、ロッドパッキン42に形成された通路64を通じて内周側へと流通し、ピストンロッド18の外周面との間に設けられた空間部66へと導入される。これにより、ピストンロッド18の外周面に付着した塵埃等が空間部66によって遮断され、シリンダチューブ12側に進入することが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力流体の供給作用下にピストンを軸線方向に沿って変位させる流体圧シリンダにおいて、塵埃の内部への進入を防止するための流体圧シリンダの塵埃除去機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワーク等の搬送手段として、例えば、圧力流体の供給作用下に変位するピストンを有する流体圧シリンダが用いられている。
【0003】
このような流体圧シリンダでは、筒状のシリンダ本体の内部に画成されたシリンダ室にピストンが変位自在に設けられると共に、前記シリンダ本体の両端部にそれぞれヘッドカバー及びロッドカバーが装着され、前記シリンダ室を閉塞している。また、ピストンには、軸状のピストンロッドが連結され、ロッドカバーに挿通されることによって変位自在に支持されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−74007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような流体圧シリンダでは、ピストンがロッドカバー側へ変位した際に、ピストンロッドが前記ロッドカバーを通じて外部に突出して露呈する構成としているため、前記ピストンロッドの外周面に塵埃等が付着することがある。そして、ピストンが再びヘッドカバー側へと変位し、ピストンロッドがシリンダチューブ内に引き込まれる際、ロッドカバーの内部に設けられたスクレーパによって前記ピストンロッドの外周面に付着した塵埃等を除去している。
【0006】
しかしながら、上述した塵埃が粉体等の微粒子や、水、溶剤等の液体である場合には、スクレーパで前記塵埃を完全に除去することが困難であり、残存した塵埃がピストンロッドと共にシリンダチューブ内へと進入し、前記塵埃が、例えば、ピストンロッドとロッドパッキン及び軸受との間や、前記シリンダチューブとピストンとの間に入り込むことにより動作不良を引き起こすことが懸念される。
【0007】
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、ピストンロッドに付着した塵埃を確実に排除し、シリンダ本体への進入を防止することにより、該ピストンロッドを含むピストンを円滑に作動させると共に耐久性の向上を図ることが可能な流体圧シリンダの塵埃除去機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明は、圧力流体が供給される一組のポートと、該ポートから前記圧力流体の導入されるシリンダ室とを有するシリンダ本体と、
前記シリンダ室の内部に軸線方向に沿って変位自在に設けられるピストンと、
前記シリンダ本体に支持され、前記ピストンロッドに連結され前記シリンダ本体の外部へ突出するように変位するピストンロッドと、
前記シリンダ本体に設けられ、前記ピストンロッドの外周面に摺接するロッドパッキンと、
前記圧力流体を前記ピストンロッド側に向けて供給し、該ピストンロッドに付着した塵埃の前記シリンダ本体側への進入を防止する塵埃進入防止手段と、
を備え、
前記塵埃進入防止手段は、前記ロッドパッキンと前記ピストンロッドとの間に設けられ、前記圧力流体が供給され保持される保持部と、前記保持部に前記圧力流体を供給する供給部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、流体圧シリンダにおいて、ピストンロッドに付着した塵埃の前記シリンダ本体側への進入を防止する塵埃進入防止手段を備え、前記塵埃進入防止手段が、圧力流体を前記ピストンロッド側に向けて供給する供給部と、供給された前記圧力流体の保持される保持部とから構成される。そして、シリンダ本体の外部に突出しているピストンロッドを、ピストンの変位作用下にシリンダ本体の内部に収容する方向へと変位させる際、ピストンロッドと共に保持部へと進入しようとした塵埃が、該保持部に保持された圧力流体によってその進入が阻止されると共に、該保持部に進入した場合でも前記圧力流体によって外部へと確実に排出される。
【0010】
従って、ピストンロッドに付着した塵埃が、ロッドパッキンと該ピストンロッドとの間を通じてシリンダ本体の内部へと進入することが確実に阻止され、該塵埃が進入した際に懸念される流体圧シリンダの動作不良が確実に回避される。その結果、ピストン及びピストンロッドを常に円滑に変位させることができると共に、前記流体圧シリンダの耐久性を向上させることができる。
【0011】
また、例えば、塵埃が、従来の流体圧シリンダにおけるスクレーパ等で完全に除去することが困難な粉体等の微粒子や、水、溶剤等の液体である場合にも、保持部に保持され大気圧に対して高圧の圧力流体によって確実且つ容易に進入が遮断することが可能であり、より一層好適である。
【0012】
さらに、供給部は、シリンダ本体の端部に設けられピストンロッドを軸線方向に沿って変位自在に支持するロッドカバーに設けられた供給ポートと、前記供給ポートと前記保持部とを連通する連通路とを備えるとよい。
【0013】
さらにまた、供給部は、一組のポートのいずれか一方に供給される圧力流体を選択的に保持部へと供給する切換機構を備えるとよい。
【0014】
またさらに、切換機構は、シリンダ本体の端部に設けられピストンロッドを軸線方向に沿って変位自在に支持するロッドカバーに設けられ、圧力流体の供給作用下に変位する切換弁と、前記切換弁の変位作用に前記ポートのいずれか一方と前記保持部とを連通する連通路とを備えるとよい。
【0015】
また、連通路は、ロッドパッキンの外周面から内周面に向かって貫通し、前記内周面に臨むように設けられた保持部と連通させるとよい。
【0016】
さらに、連通路を、環状に形成されたロッドパッキンの周方向に沿って複数設けるとよい。
【0017】
さらにまた、保持部は、ロッドパッキンの内周面と、該ロッドパッキンの一側面に設けられピストンロッドの外周面に摺接するリップ部と、該内周面に形成され前記ピストンロッドの外周面に当接するシール部と、前記ピストンロッドの外周面によって囲まれた空間とするとよい。
【0018】
またさらに、ロッドカバーには、ピストンロッドの挿通される孔部を有し、前記孔部には、塵埃を捕捉して保持可能な塵埃捕捉部材を設けるとよい。
【0019】
また、ロッドカバーには、ピストンロッドの挿通される孔部を有し、前記孔部には、ピストンロッドの潤滑を行う潤滑保持部材を設けるとよい。
【0020】
さらに、ロッドカバーには、孔部と外部とを連通し、塵埃を外部に排出可能な排出ポートを備えるとよい。
【0021】
さらにまた、ロッドパッキンには、ピストンロッド側に流通する圧力流体の圧力を減圧自在な減圧機構を備えるとよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0023】
すなわち、シリンダ本体の外部に突出しているピストンロッドを、ピストンの変位作用下にシリンダ本体の内部に収容する方向へと変位させる際、ピストンロッドと共に保持部へと進入しようとした塵埃が、供給部から前記保持部へと供給されて保持された圧力流体によってその進入が阻止されると共に、該保持部に進入した場合でも前記圧力流体によって外部へと確実に排出される。その結果、塵埃がシリンダ本体の内部に進入した際に懸念される流体圧シリンダの動作不良が確実に回避されるため、ピストン及びピストンロッドを常に円滑に変位させることができると共に、前記流体圧シリンダの耐久性を向上させることが可能となる。
【0024】
また、例えば、塵埃が、従来の流体圧シリンダにおけるスクレーパ等で完全に除去することが困難な粉体等の微粒子や、水、溶剤等の液体である場合にも、保持部に保持された大気圧に対して高圧の圧力流体によって確実且つ容易に進入が遮断することが可能であり、より一層好適である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る塵埃除去機構の適用された流体圧シリンダの全体縦断面図である。
【図2】図1の流体圧シリンダにおけるサブポート近傍を示す拡大断面図である。
【図3】図2のロッドパッキン近傍を示す拡大断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図1の流体圧シリンダにおいてピストンがロッドカバー側へと変位した状態を示す全体縦断面図である。
【図6】図5の流体圧シリンダにおけるサブポート近傍を示す拡大断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る塵埃除去機構の適用された流体圧シリンダの全体縦断面図である。
【図8】図7の流体圧シリンダにおいてピストンがロッドカバー側へと変位した状態を示す全体縦断面図である。
【図9】図7の流体圧シリンダに潤滑部材を設けた変形例を示す全体縦断面図である。
【図10】図9の流体圧シリンダに塵埃吸収部材を設けた変形例を示す全体縦断面図である。
【図11】図9の流体圧シリンダに対して塵埃を外部に排出可能な排出ポートがロッドカバーに設けられた変形例を示す全体縦断面図である。
【図12】図9の流体圧シリンダに対して減圧機構を備えたロッドパッキンを設けた場合の変形例である。
【図13】図12のロッドパッキンの一部省略正面図である。
【図14】図14Aは、図12におけるロッドパッキン近傍を示す拡大断面図であり、図14Bは、図14Aのロッドパッキンに対して圧力流体が供給された状態を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る流体圧シリンダの塵埃除去機構について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0027】
図1において、参照符号10は、本発明の第1の実施の形態に係る塵埃除去機構が適用された流体圧シリンダを示す。
【0028】
この流体圧シリンダ10は、図1〜図6に示されるように、有底筒状のシリンダチューブ(シリンダ本体)12と、前記シリンダチューブ12の一端部に装着されるロッドカバー14と、前記シリンダチューブ12の内部に変位自在に設けられるピストン16と、前記ピストン16に連結されて前記ロッドカバー14に変位自在に支持されるピストンロッド18と、前記ピストンロッド18に付着した塵埃S(図6参照)を除去可能な塵埃除去機構(塵埃進入防止手段)20とを含む。
【0029】
シリンダチューブ12は、その中央部に軸線方向(矢印A、B方向)に沿って貫通したシリンダ孔22を有し、前記シリンダ孔22は、前記シリンダチューブ12の一端部側(矢印A方向)で開口している。一方、シリンダチューブ12の他端部には、壁部24が一体的に形成されて前記シリンダ孔22を閉塞している。
【0030】
また、シリンダチューブ12の一端部には、その外側面に圧力流体の供給・排出される第1ポート26が形成され、他端部の外側面には、同様に、前記圧力流体の供給・排出される第2ポート28が形成される。この第1及び第2ポート26、28は、例えば、図示しない配管及び切換装置を介して圧力流体源(図示せず)に接続されている。また、第1及び第2ポート26、28は、それぞれ第1及び第2連通路30、32を介してシリンダ孔22と連通している。
【0031】
ロッドカバー14は、その一端部に形成され軸線方向に沿って突出した凸部34を有し、シリンダチューブ12のシリンダ孔22に挿入されて固定される。また、凸部34の外周面には、環状溝を介してOリング36が装着され、シリンダ孔22の内周面との間に挟持されることにより、前記シリンダ孔22とロッドカバー14との間を通じた圧力流体の漏出を防止している。
【0032】
また、ロッドカバー14の中央部には、軸線方向に沿って貫通したロッド孔(孔部)38が形成され、該ロッド孔38にはピストンロッド18が変位自在に挿通される。そして、ロッド孔38の内周面に設けられ、周方向に沿って延在した環状溝40にはリング状のロッドパッキン42が装着される。
【0033】
さらに、ロッドカバー14の外側面には、図示しない圧力流体供給源から圧力流体が供給され、塵埃除去機構20を構成するサブポート(供給ポート)44(後述する)が形成される。
【0034】
ピストン16は、断面円形状に形成され、その外周面には環状溝を介してピストンパッキン46が装着され、前記ピストンパッキン46がシリンダ孔22の内周面に摺接することにより、該シリンダ孔22とピストン16との間を通じた圧力流体の漏出が防止される。
【0035】
また、ピストン16の中央部には、軸線方向(矢印A、B方向)に沿って貫通した孔部にピストンロッド18の一端部が挿通されて加締められている。ピストンロッド18は、ピストン16の端部から突出することがないように連結されている。
【0036】
塵埃除去機構20は、ロッドカバー14に形成され、圧力流体の供給されるサブポート44と、前記サブポート44に連通し、ピストンロッド18に臨む環状溝40と、前記環状溝40に設けられる環状のロッドパッキン42とを備える。
【0037】
サブポート44は、ロッドカバー14の外側面に開口し、該ロッドカバー14の軸線と直交するようにロッド孔38側に向かって所定深さで延在している。そして、サブポート44は、連通路48を介して環状溝40と連通している。また、サブポート44には、図示しない圧力流体源から常に一定圧の圧力流体が供給されている。
【0038】
ロッドパッキン42は、例えば、ゴム等の弾性材料や樹脂製材料から形成され、断面略矩形状の本体部50と、該本体部50の一側面から側方に向かって突出してピストンロッド18の外周面に当接するリップ部52と、前記本体部50の他側面から断面U字状に突出したヨーク54と、前記本体部50の内周面、一側面及び外周面にそれぞれ設けられる第1〜第3シール部56、58、60と、前記本体部50を半径方向に貫通する複数の通路(連通路)64とを有する。
【0039】
リップ部52は、ロッドカバー14の他端部側(矢印A方向)となる本体部50の一側面に設けられ、徐々に下方に向かって傾斜し、その先端部がピストンロッド18の外周面に当接すると共に、前記本体部50との接続部位を支点としてロッドパッキン42の半径方向へ撓曲自在に設けられる。
【0040】
すなわち、リップ部52は、その弾性作用下に先端部がピストンロッド18の外周面に当接するように形成されている。
【0041】
ヨーク54は、ロッドカバー14の他端部側(矢印A方向)となる本体部50の他側面において、側方に向かってそれぞれ突出し、外周面側及び内周面側に所定間隔離間して設けられる。外周側に設けられた一方のヨーク54が、環状溝40の底面に当接し、内周側に設けられた他方のヨーク54が、ピストンロッド18の外周面に当接する。
【0042】
また、ヨーク54の間に設けられる凹部62には、シリンダ孔22側から押し出された圧力流体が溜まることにより広がるように形成され、該圧力流体が環状溝40を通じて外部へと漏出することを防止する。
【0043】
第1〜第3シール部56、58、60は、本体部50の内周面、一側面及び外周面に対して所定高さで突出するように形成され、前記内周面に形成された第1シール部56は、リップ部52と同様にピストンロッド18の外周面に当接し、該リップ部52に対して所定間隔離間して設けられる。このように、第1シール部56が、ピストンロッド18の外周面に当接することにより、ロッド孔38と前記ピストンロッド18の外周面との間を通じた圧力流体の外部への漏出が防止される。
【0044】
また、本体部50の一側面に形成された第2シール部58が前記環状溝40の側面に当接し、外周面に形成された一組の第3シール部60が前記環状溝40の底面に当接する。
【0045】
すなわち、ロッドパッキン42を構成する本体部50は、リップ部52及び第1シール部56がピストンロッド18の外周面に当接し、第2シール部58が環状溝40の側面に当接し、且つ、第3シール部60が、前記環状溝40の底面に当接しているため、本体部50は、前記ピストンロッド18、環状溝40に対して接触することなく、それぞれ所定間隔離間して設けられている。
【0046】
通路64は、図4に示されるように、本体部50の周方向に沿って等間隔離間して複数(例えば、4本)設けられ、前記本体部50の外周面と内周面との間を貫通すると共に、前記外周面においては、一組の第3シール部60の間となる位置に通路64が開口し、一方、前記内周面においては、リップ部52と第1シール部56との間となる位置に開口している。
【0047】
また、通路64は、ロッドパッキン42を環状溝40に装着した際、連通路48及びサブポート44と一直線上となる位置に形成される。すなわち、第3シール部60を、通路64の両側に設けることにより、サブポート44から通路64へと供給される圧力流体が、ロッドパッキン42と環状溝40との間から漏出してしまうことを防止する。
【0048】
そして、本体部50の内周側には、リップ部52及び第1シール部56に囲まれ、且つ、通路64に連通した空間部(保持部)66が設けられる。
【0049】
本発明の第1の実施の形態に係る塵埃除去機構20が適用された流体圧シリンダ10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、図1に示されるピストン16がシリンダチューブ12の壁部24側(矢印B方向)に変位した状態を初期位置として説明する。
【0050】
先ず、この初期位置において圧力流体供給源(図示せず)から圧力流体を第2ポート28へと導入することにより、第2連通路32を通じてシリンダ孔22へと圧力流体が供給され、該圧力流体による押圧作用下にピストン16がロッドカバー14側(矢印A方向)に向かって変位する。それに伴って、ピストンロッド18がロッドカバー14の他端部から外部へと徐々に突出するように変位していく。
【0051】
この際、同時に、図示しない圧力流体供給源からサブポート44へと圧力流体が供給され、連通路48を通じて環状溝40に導入された後、ロッドパッキン42の通路64を経て空間部66へと供給される。この空間部66は、圧力流体が供給され外部に導出されることがないため、所定圧力に加圧された状態で維持されている。
【0052】
換言すれば、空間部66は、常に大気圧と比較して高圧となる一定圧で維持されている。
【0053】
そして、ピストン16がさらにロッドカバー14側(矢印A方向)へと変位し、該ピストン16が前記ロッドカバー14の一端部に当接することにより、図5に示されるように、その変位が停止した変位終端位置となる。
【0054】
次に、ピストン16を、図5に示される変位終端位置から再び初期位置へと復帰させる場合には、第2ポート28に供給されていた圧力流体を、図示しない切換装置を介して第1ポート26へと供給することにより、シリンダ孔22へと供給された圧力流体によってピストン16がロッドカバー14から離間する方向(矢印B方向)に向かって徐々に押圧される。この場合、第2ポート28は大気開放状態にある。
【0055】
そして、ピストン16の変位に伴ってピストンロッド18が徐々にロッドカバー14及びシリンダチューブ12の内部に引き込まれるように変位する。この際、外部に露呈していたピストンロッド18の外周面には、大気中の塵埃等(例えば、粉体)が付着しているが、ピストンロッド18の変位に伴ってロッドパッキン42のリップ部52によって除去されると共に、除去されずに残存した塵埃の一部は、リップ部52の内部に進入した際、空間部66に充填された圧力流体によって該リップ部52側(矢印A方向)に向かって押し出される。すなわち、例えば、粉体等の塵埃が、ロッドパッキン42のリップ部52によって除去されると共に、該リップ部52の端部に堆積した塵埃によって前記リップ部52がピストンロッド18から離間する方向へと押し開かれた際に、空間部66内に充填された圧力流体が導出されることによって吹き飛ばされさらなる進入が阻止される。
【0056】
最後に、ピストン16が壁部24側(矢印B方向)に向かって変位し続けている間にも、サブポート44からロッドパッキン42の空間部66に対して圧力流体が連続的に供給され続けているので、該空間部66内に進入した塵埃が確実且つ好適に外部へと排除され、シリンダチューブ12側(矢印B方向)へと進入することがない。そして、図1に示されるようにピストン16が壁部24に当接することにより、第1ポート26からの圧力流体の供給が停止して初期位置となる。
【0057】
以上のように、第1の実施の形態では、ロッドカバー14において、圧力流体が常に供給されるサブポート44を設け、該サブポート44に供給された圧力流体をロッドパッキン42に設けられた空間部66へと導入している。このような構成とすることにより、ピストンロッド18がロッドカバー14内へと引き込まれるように変位する際、該ピストンロッド18の外周面に付着した塵埃が、空間部66内に進入することが防止することができ、しかも、前記塵埃がリップ部52に溜まった場合に、堆積した塵埃によって前記リップ部52がピストンロッド18から離間する方向へと押し開かれることにより、該空間部66内に供給されている圧力流体によって吹き飛ばされて外部へと確実に排出することができる。
【0058】
その結果、ピストンロッド18の外周面に付着した塵埃が、ロッドカバー14を通じてシリンダチューブ12の内部へと進入することが確実に阻止され、該塵埃が進入した際に懸念される流体圧シリンダ10の動作不良を確実に回避することができるため、常にピストン16及びピストンロッド18を円滑に変位させることができ、しかも、その耐久性を向上させることが可能となる。
【0059】
また、例えば、塵埃が、従来のスクレーパ等で完全に除去することが困難な粉体等の微粒子や、水、溶剤等の液体である場合でも、大気圧に対して高圧に維持された空間部66と大気圧である外部との圧力差で前記塵埃の進入を阻止する構造であるため、前記塵埃の進入をより一層確実に阻止することが可能となる。
【0060】
次に、第2の実施の形態に係る塵埃除去機構102が適用された流体圧シリンダ100を図7及び図8に示す。なお、上述した第1の実施の形態に係る塵埃除去機構20が適用された流体圧シリンダ10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0061】
この第2の実施の形態に係る塵埃除去機構102では、ロッドパッキン42へ供給される圧力流体の供給状態を切換可能な切換機構104を備えている点で、第1の実施の形態に係る塵埃除去機構20と相違している。
【0062】
この塵埃除去機構102は、第1ポート26に連通した第1バイパス通路106と、第2ポート28に連通した第2バイパス通路108と、前記第1バイパス通路106と前記第2バイパス通路108との間に設けられたバルブ室110と、前記バルブ室110の軸線方向に沿って変位自在に設けられ切換機構104を構成する切換バルブ(切換弁)112と、前記バルブ室110とロッドパッキン42の装着された環状溝40とを接続する導出通路114とを含む。
【0063】
第1バイパス通路106は、第1ポート26の側方に接続され、ロッドカバー14側(矢印A方向)に向かって延在し、第2バイパス通路108は、第2ポート28に接続された第2連通路32の途中からロッドカバー14側(矢印A方向)に向かって延在している。なお、第2バイパス通路108は、第1ポート26に接続された第1連通路30とは非連通に形成される。
【0064】
バルブ室110は、ロッドカバー14に形成され、軸線方向に沿って所定長さを有し、シリンダ本体側(矢印B方向)となる一端部には、第1バイパス通路106に接続された第1接続通路116が接続されると共に、他端部には、第2バイパス通路108に接続された第2接続通路118が接続される。
【0065】
また、バルブ室110の下部には、軸線方向に沿った略中央部となる位置に導出通路114が接続され、ロッドカバー14の内周側に向かって延在している。なお、この導出通路114は、第2接続通路118に対して非連通となるように形成される。
【0066】
一方、バルブ室110の内部には、一端部と他端部との間を自在に変位する切換バルブ112が設けられ、第1接続通路116を通じてバルブ室110へと圧力流体が供給された場合には、該圧力流体によって押圧されて他端部側(第2接続通路118側)へと変位し、反対に、第2接続通路118を通じて前記バルブ室110へと圧力流体が供給された場合には、該圧力流体によって押圧されて一端部側(第1接続通路116側)へと変位する。これにより、第2接続通路118、又は、第1接続通路116が閉塞され、バルブ室110との連通が遮断されることとなる。
【0067】
上述した塵埃除去機構102を備えた流体圧シリンダ100では、図7に示される初期位置において、この初期位置において圧力流体供給源(図示せず)から圧力流体を第2ポート28へと導入することにより、第2連通路32を通じてシリンダ孔22へと圧力流体が供給され、該圧力流体による押圧作用下にピストン16がロッドカバー14側(矢印A方向)に向かって変位し、それに伴って、ピストンロッド18がロッドカバー14の他端部から外部へと徐々に突出するように変位していく。この場合、第1ポート26は大気開放状態にある。
【0068】
また、同時に、圧力流体の一部が、第2ポート28から第2バイパス通路108及び第2接続通路118を通じてバルブ室110へと供給され、切換バルブ112を軸線方向に沿って一端部側(矢印B方向)へと押圧して変位させる。これにより、バルブ室110を介して第2接続通路118と導出通路114とが連通するため、圧力流体が前記導出通路114を通じてロッドパッキン42側へと流通し、通路64を通じて空間部66に導入されていく。
【0069】
そして、ピストン16がさらにロッドカバー14側へと変位し、該ピストン16が前記ロッドカバー14の一端部に当接することにより、その変位が停止した変位終端位置となる。
【0070】
次に、ピストン16を図8に示される変位終端位置から再び初期位置へと復帰させる場合には、第2ポート28に供給されていた圧力流体を、図示しない切換装置を介して第1ポート26へと供給することにより、図7に示されるように、シリンダ孔22へと供給された圧力流体によってピストン16がロッドカバー14から離間する方向(矢印B方向)に向かって徐々に押圧される。それに伴って、ピストンロッド18がロッドカバー14の内部へと徐々に引き込まれるように徐々に変位していく。この場合、第2ポート28は大気開放状態にある。
【0071】
これと同時に、第1ポート26に供給される圧力流体の一部が、該第1ポート26から第1バイパス通路106及び第1接続通路116を通じてバルブ室110へと供給され、切換バルブ112を軸線方向に沿って他端部側、すなわち、第2接続通路118側(矢印A方向)へと押圧して変位させる。これにより、バルブ室110を介して第1接続通路116と導出通路114とが連通するため、圧力流体が前記導出通路114を通じてロッドパッキン42側へと流通し、通路64を通じて空間部66に導入される。
【0072】
このように、ピストンロッド18が徐々にロッドカバー14及びシリンダチューブ12の内部に引き込まれるように変位する際、外部に露呈していた前記ピストンロッド18の外周面には、大気中の塵埃等が付着しているが、ピストンロッド18の変位に伴ってロッドパッキン42のリップ部52によって除去されると共に、除去されずに残存した塵埃の一部は、リップ部52の内部に進入した際、空間部66に充填された圧力流体によって該リップ部52側に向かって押し出される。すなわち、粉体等の塵埃が、ロッドパッキン42のリップ部52によって除去されると共に、該リップ部52の端部に堆積した塵埃によって前記リップ部52がピストンロッド18から離間する方向へと押し開かれた際に、空間部66内に充填された圧力流体が導出されることによって吹き飛ばされさらなる進入が阻止される。
【0073】
そして、ピストン16がさらに壁部24側に向かって変位し続けている間にも、第1ポート26からロッドパッキン42の空間部66に対して圧力流体が連続的に供給され続けているため、前記空間部66内に塵埃等が進入することが防止され、且つ、該空間部66内に進入した塵埃も確実且つ好適に外部へと排除されてシリンダチューブ12側へと進入することがない。そして、図7に示されるようにピストン16が壁部24に当接することにより、第1ポート26からの圧力流体の供給が停止して初期位置となる。
【0074】
以上のように、第2の実施の形態では、第1及び第2ポート26、28に供給される圧力流体の一部を、切換バルブ112の切換作用下にロッドパッキン42側へと供給し、該ロッドパッキン42の空間部66へと導入している。このような構成とすることにより、ピストンロッド18がロッドカバー14内へと引き込まれるように変位する際、該ピストンロッド18の外周面に付着した塵埃が、空間部66内に進入することを防止することができ、しかも、前記塵埃が前記空間部66内に進入した場合には、該空間部66内に供給されている圧力流体によって外部へと確実に排出することができる。
【0075】
その結果、ピストンロッド18の外周面に付着した塵埃が、ロッドカバー14を通じてシリンダチューブ12の内部へと進入することが確実に阻止され、該塵埃が進入した際に懸念される流体圧シリンダ100の動作不良を確実に回避することができるため、常にピストン16及びピストンロッド18を円滑に変位させることができ、しかも、その耐久性を向上させることが可能となる。
【0076】
また、上述した構成では、ピストン16を変位させるための第1及び第2ポート26、28へと供給される圧力流体の一部を利用して塵埃等の除去を行うことができるため、該塵埃等の除去を行うための別のポート、圧力流体源及び配管等を準備する必要がなく、設備の簡素化を図ることができ、それに伴って、コストの削減を図ることができる。
【0077】
さらに、例えば、塵埃が、従来のスクレーパ等で完全に除去することが困難な粉体等の微粒子や、水、溶剤等の液体である場合でも、大気圧に対して高圧に維持された空間部66と大気圧である外部との圧力差で前記塵埃の進入を阻止する構造であるため、前記塵埃の進入をより一層確実に阻止することが可能となる。
【0078】
さらに、図9に示される流体圧シリンダ120のように、ロッドカバー14のロッド孔38に、環状溝を介して潤滑剤の含有された潤滑部材122を設けるようにしてもよい。この潤滑部材122は、繊維が織り込まれた部材からなり、ロッドパッキン42の装着される環状溝40に対してシリンダチューブ12側に設けられる。そして、ピストンロッド18の外周面に摺接することによって好適に潤滑する。
【0079】
そのため、潤滑部材122を、ロッドパッキン42とシリンダチューブ12との間に設けることにより、例えば、粉体等の塵埃によって失われたピストンロッド18の潤滑性を保持することができる。
【0080】
さらにまた、図10に示される流体圧シリンダ130のように、ロッドカバー14のロッド孔38に、ロッドパッキン42を挟むように潤滑保持部材132aと、塵埃吸収部材132bを設けるようにしてもよい。このような構成とすることにより、ピストンロッド18の外周面に付着した塵埃が、塵埃吸収部材132bによって捕捉されると共に、ロッドパッキン42のリップ部52に溜まり、該リップ部52がピストンロッド18から離間する方向に押し開かれることによって空間部66内に充填された圧力流体で吹き飛ばされた塵埃が、前記塵埃吸収部材132bによって確実に確保される。そのため、塵埃が、ロッド孔38を通じて流体圧シリンダ130の外部に排出されることが確実に回避され、例えば、前記流体圧シリンダ130をクリーンルーム等で用いる際に好適である。
【0081】
またさらに、さらにまた、図10に示される流体圧シリンダ140のように、上述した流体圧シリンダ130における潤滑保持部材132aと塵埃吸収部材132bの間となる位置に、排出ポート142を設けるようにしてもよい。この排出ポート142は、ロッドカバー14において、導出通路114の形成される側とは反対側となる外側面に開口し、該外側面からロッド孔38まで貫通している。
【0082】
このように、ロッド孔38と連通し、ロッドカバー14の外部まで延在する排出ポート142を設けることにより、ピストンロッド18が前記ロッドカバー14の内部に収容されるように変位し、前記ピストンロッド18の外周面に付着した塵埃を、ロッドパッキン42の内部へと進入させることなく、排出ポート142を通じて前記ロッドカバー14の外部へと排出することができる。そのため、塵埃が、ロッド孔38の内部に堆積してしまうことが回避され好適である。
【0083】
また、例えば、排出ポート142に対して図示しない配管を接続することにより、流体圧シリンダ140をクリーンルーム等で用いる場合に、室内に塵埃が排出されることを回避できて好適である。
【0084】
一方、図12〜図14に示される流体圧シリンダ150を構成するロッドパッキン152は、上方に向かって開口した第1通路154と、該第1通路154に対して直交するように横方向に延在する第2通路156と、前記第2通路156に接続され、該ロッドパッキン152の略中央部で下方に向かって折曲して延在する第3通路158と、前記第1通路154と第2通路156との接続部位に変位自在に設けられるボール160とを有する。なお、第1通路154は、導出通路114と連通している。
【0085】
ボール160は、例えば、樹脂製材料から形成され、その第2通路156の内壁面162に対してその一部が挿入されるように設けられ、第1通路154と一直線上となる位置に配置される。また、ボール160には、前記内壁面162から上方への弾発力が付勢されているため、該弾発力によって上方へと押圧され、第1通路154の開口部に当接することによって該第1通路154と第2通路156との連通を遮断している。
【0086】
また、ロッドパッキン152には、第2通路156とリップ部52との間に窪み部164が設けられ、該窪み部164には、ロッドパッキン152の周方向に沿って等間隔離間した複数のリブ166が設けられている。このリブ166は、空間部66において第2通路156の内壁面162とリップ部52とを接続するように形成される。
【0087】
そして、上述したロッドパッキン152を備えた流体圧シリンダ150では、導出通路114から第1通路154へと圧力流体が供給されていない場合には、図14Aに示されるように、ボール160が前記第1通路154の開口部に当接して該第1通路154と第2通路156との連通状態が遮断されており、該導出通路114に前記圧力流体が供給され、その圧力が高まるのに伴って、図14Bに示されるようにボール160が弾発力に抗して下方へと押圧され、第2通路156の内壁面162が窪み部164を挟んで下方へと変形することにより、第1通路154と第2通路156との連通遮断状態が解除される。これにより、第1通路154に供給された圧力流体が第2通路156、第3通路158を経て空間部66へと供給されることとなる。この際、ボール160に対する押圧力は、第1通路154から供給される圧力流体の圧力P1に対して第1通路154の断面積を乗した大きさとなる。
【0088】
そして、第1通路154に供給される圧力流体の圧力P1が低下することにより、第2通路156の内壁面162から付勢される弾発力F(図14B参照)と第2通路156内に導入された圧力流体の圧力P2(図14B参照)とが、前記圧力流体の圧力P1に打ち勝って、ボール160が上方へと押し上げられ、該ボール160によって第1通路154と前記第2通路156との間の間隙が徐々に絞られる。これにより、第1通路154から第2通路156を経て第3通路158、空間部66へと流通する圧力流体の流量が減少することとなる。
【0089】
このように、ロッドパッキン152の内部に、供給される圧力流体の圧力に応じて空間部66へ供給される該圧力流体の圧力を調整可能な減圧機構168を設けることにより、第1又は第2ポートに供給され、ピストンを変位させるための圧力流体を減圧してロッドパッキン152の空間部66へと供給することが可能となる。その結果、シリンダ孔22に供給される圧力流体の圧力と、ロッドパッキン152の空間部66へと供給される圧力流体とをそれぞれ別に設定することができて好適である。
【0090】
また、ロッドパッキン152において、ボール160の形状、リブ166の形状、第1通路154の断面積等を自在に変更することにより、空間部66へと供給される圧力流体の圧力を自在に調整することができる。
【0091】
なお、本発明に係る流体圧シリンダの塵埃除去機構は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0092】
10、100、120、130、140、150…流体圧シリンダ
12…シリンダチューブ 14…ロッドカバー
16…ピストン 18…ピストンロッド
20、102…塵埃除去機構 22…シリンダ孔
26…第1ポート 28…第2ポート
38…ロッド孔 40…環状溝
42、152…ロッドパッキン 44…サブポート
50…本体部 52…リップ部
64…通路 66…空間部
104…切換機構 106…第1バイパス通路
108…第2バイパス通路 110…バルブ室
112…切換バルブ 114…導出通路
122…潤滑部材 132a…潤滑保持部材
132b…塵埃吸収部材 142…排出ポート
160…ボール 168…減圧機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力流体が供給される一組のポートと、該ポートから前記圧力流体の導入されるシリンダ室とを有するシリンダ本体と、
前記シリンダ室の内部に軸線方向に沿って変位自在に設けられるピストンと、
前記シリンダ本体に支持され、前記ピストンロッドに連結され前記シリンダ本体の外部へ突出するように変位するピストンロッドと、
前記シリンダ本体に設けられ、前記ピストンロッドの外周面に摺接するロッドパッキンと、
前記圧力流体を前記ピストンロッド側に向けて供給し、該ピストンロッドに付着した塵埃の前記シリンダ本体側への進入を防止する塵埃進入防止手段と、
を備え、
前記塵埃進入防止手段は、前記ロッドパッキンと前記ピストンロッドとの間に設けられ、前記圧力流体が供給され保持される保持部と、前記保持部に前記圧力流体を供給する供給部とを有することを特徴とする流体圧シリンダの塵埃除去機構。
【請求項2】
請求項1記載の塵埃除去機構において、
前記供給部は、前記シリンダ本体の端部に設けられ前記ピストンロッドを軸線方向に沿って変位自在に支持するロッドカバーに設けられた供給ポートと、前記供給ポートと前記保持部とを連通する連通路とを備えることを特徴とする流体圧シリンダの塵埃除去機構。
【請求項3】
請求項1記載の塵埃除去機構において、
前記供給部は、前記一組のポートのいずれか一方に供給される圧力流体を選択的に前記保持部へと供給する切換機構を備えることを特徴とする流体圧シリンダの塵埃除去機構。
【請求項4】
請求項3記載の塵埃除去機構において、
前記切換機構は、前記シリンダ本体の端部に設けられ前記ピストンロッドを軸線方向に沿って変位自在に支持するロッドカバーに設けられ、前記圧力流体の供給作用下に変位する切換弁と、前記切換弁の変位作用に前記ポートのいずれか一方と前記保持部とを連通する連通路とを備えることを特徴とする流体圧シリンダの塵埃除去機構。
【請求項5】
請求項2又は4記載の塵埃除去機構において、
前記連通路は、前記ロッドパッキンの外周面から内周面に向かって貫通し、前記内周面に臨むように設けられた前記保持部と連通することを特徴とする流体圧シリンダの塵埃除去機構。
【請求項6】
請求項5記載の塵埃除去機構において、
前記連通路は、環状に形成された前記ロッドパッキンの周方向に沿って複数設けられることを特徴とする流体圧シリンダの塵埃除去機構。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の塵埃除去機構において、
前記保持部は、前記ロッドパッキンの内周面と、該ロッドパッキンの一側面に設けられ前記ピストンロッドの外周面に摺接するリップ部と、該内周面に形成され前記ピストンロッドの外周面に当接するシール部と、前記ピストンロッドの外周面によって囲まれた空間であることを特徴とする流体圧シリンダの塵埃除去機構。
【請求項8】
請求項2、4〜7のいずれか1項に記載の塵埃除去機構において、
前記ロッドカバーには、前記ピストンロッドの挿通される孔部を有し、前記孔部には、前記塵埃を捕捉して保持可能な塵埃捕捉部材が設けられることを特徴とする流体圧シリンダの塵埃除去機構。
【請求項9】
請求項2、4〜8のいずれか1項に記載の塵埃除去機構において、
前記ロッドカバーには、前記ピストンロッドの挿通される孔部を有し、前記孔部には、前記ピストンロッドの潤滑を行う潤滑保持部材が設けられることを特徴とする流体圧シリンダの塵埃除去機構。
【請求項10】
請求項8又は9記載の塵埃除去機構において、
前記ロッドカバーには、前記孔部と外部とを連通し、前記塵埃を外部に排出可能な排出ポートを備えることを特徴とする流体圧シリンダの塵埃除去機構。
【請求項11】
請求項8又は9記載の塵埃除去機構において、
前記ロッドパッキンには、前記ピストンロッド側に流通する圧力流体の圧力を減圧自在な減圧機構を備えることを特徴とする流体圧シリンダの塵埃除去機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−158039(P2011−158039A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20825(P2010−20825)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000102511)SMC株式会社 (344)
【Fターム(参考)】