説明

流体貯留/分配、脱硫、および赤外線放射に有用な炭素材料、ならびにそれを使用する装置および方法

流体貯留/分配および脱硫用途に有用である炭素材料について説明する。1つの実施態様における炭素材料は、硬度、耐摩耗性、および靱性からなる群から選択される特性に関するナノ多孔質炭素のみと比較して向上された特性を複合物に与える材料で少なくとも部分的に充填される孔隙を有するナノ多孔質炭素複合物である。別の実施態様は、塩素ガスの貯留媒体として多孔質炭素材料を使用する。さらなる実施態様は、例えば、水素燃料電池などの水素貯留媒体として多孔質炭素材料を使用する。別の実施態様において、多孔質炭素材料が、複数の多孔質炭素物品の配置構成で流体貯留および分配システム内の収着媒体として使用され、この配置構成が移動しないように拘束するために位置安定化構造が用いられる。制御された方法で酸素と反応するシランを貯留するために炭素吸着体を使用する赤外線放射デバイスについて説明する。吸着体の抵抗および/または誘導加熱によって炭素吸着体が残留流体を脱着する配置構成について説明する。炭素吸着体を膨張剤と接触させ、続いて炭素吸着体を加圧したガス状浸透剤と接触させて、膨張剤および浸透剤を除去することにより、多孔質炭素吸着体の充填能力を増加させる方法についても説明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体貯留/分配(flow storage/dispensing)および脱硫用途に有用である炭素材料、ならびにそれを使用する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素材料は、流体浄化、流体貯留および分配、および流体濾過を含む多くの用途で流体吸着体媒体(fluid adsorbent media)として使用されている。
【0003】
商業的に重要な1つの特定の用途は流体貯留および分配システムであり、炭質吸着体材料は、流体を吸着状態で収着保持し、流体の熱脱着を行うために熱を加える、流体の脱着を行うために減圧条件を加える、および/またはキャリア流体内で流体の脱着および流体の伴出を生じさせるために流体が吸着している吸着体と接触するキャリアガスを流すなどによって濃度勾配を加えるなど、好適な分配条件下での分配のためにこのような流体を排出するように展開活用される。
【0004】
流体貯留および分配システムは、「Gas storage and dispensing system with monolithic carbon adsorbent」と題した、J. Donald Carruthersの、2004年6月1日に発行された米国特許第6,743,278号に開示され、その開示はあらゆる目的でその全体を参照により本明細書に組み込むものとする。この特許は、以下の特徴の少なくとも1つによって特徴づけられるモノリシック炭素(monolithic carbon)の物理的吸着体について記載している:(a)25℃及び圧力650トルのアルシンガスで測定した充填密度が、吸着体1リットル当たり400グラムのアルシンより大きい、(b)吸着体の全多孔率の少なくとも30%が、約0.3から約0.72ナノメートルの範囲のサイズを有するスリット形の孔を含み、全多孔率の少なくとも20%が、2ナノメートル未満の直径の微細孔を含み、(c)1000℃未満の温度での熱分解及び任意選択による活性化によって形成され、1立方センチメートル当たり約0.80から約2.0グラムの嵩密度を有する。
【0005】
1つの実施形態において、モノリシック炭素吸着体は、パックまたはディスクの形態で利用され、複数のこのような物品は、バルブヘッドまたは他の閉鎖部アセンブリ(closure assembly)によって囲まれる格納容器(containment vessel)内に積み重ねて配置される。炭素吸着体材料のディスクまたはパック形態ブロックの積み重ねは、例えば、半導体デバイス製造に使用される流体などの様々な流体の収着マトリクス(sorptive matrix)として効果的であるが、例えば、容器を製造施設から流体充填または最終使用施設へと輸送する間に、容器の動作またはその衝撃または衝突に応答して、積み重なっている個々のブロックが位置的にずれ、格納容器の内壁面および/または相互に衝突するかあるいは擦れるという欠点を受ける。
【0006】
望ましくない騒音を引き起こすばかりでなく、このようなモノリシックブロックの衝突および/または摩擦は、ブロックを損傷し、炭素の粉塵または微粉を発生させることがある。このような粉塵または微粉は、分配される流体の流れで運ばれ、下流ポンプ(downstream pump)、圧縮機、バルブ、および流体を利用するプロセスの機器に悪影響を及ぼす。
【0007】
流体を真空または低圧環境に分配する低圧の吸着体をベースとした流体貯留および分配容器を使用することに伴う別の問題は、容器内の流体残存量が残留レベルまで低下するにつれ、流体を吸着および分配することが不釣り合いにさらに困難になることである。容器から下流のツールまたはフロー回路(flow circuitry)への圧力低下が実際には低すぎて分配を支援することができず、その結果、分配がもはやできなくなったとき、相当な量の流体が容器内の吸着体上にいわゆる「ヒール」として残る。次に、このヒール部が、「除去不能な」流体として失われる。
【0008】
したがって、流体貯留および分配容器は、容器中にまだ有意の量の流体があっても使用中止になり得る。この状況は、ガスの利用効率の低下をもたらす。流体利用率を改善するために、容器を外部から加熱して、吸着体からより多くの流体を追い出すことができる。しかし、関連するプロセス施設がこのような外部加熱に適合可能でないため、この方法は多くの流体分配用途には実用的でない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、流体を低圧用途に分配するための低圧の吸着体ベースの流体貯留および分配容器を使用する際における流体利用率を最大にする改良された方法が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、流体貯留/分配及び脱硫用途に有用である炭素材料、ならびにそれを使用する装置および方法に関する。
【0011】
1つの態様において、本発明は、多孔質炭素吸着体物品の配置構成を保持する内部容積を容器内に有する容器と、多孔質炭素吸着体物品の配置構成を所定の位置に維持するように適合された位置安定化構造とを含み、該所定の位置で該物品が移動しないように拘束されている、流体貯留および分配装置に関する。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、耐熱性芳香族硫黄含有分子をこのような化合物を含む炭化水素混合物から除去するように適合された脱硫システムに関し、このようなシステムは、炭化水素混合物と接触するように配置され、このような化合物を炭化水素混合物から重量で1ppm未満のレベルまで除去するように適合された、ナノ多孔質炭素を備える。
【0013】
本発明の他の態様は、内部に多孔質炭素吸着体物品の構成を保持する内部容積を有する容器を含む流体貯留および分配装置を使用することを含み、さらに、多孔質炭素吸着体物品の配置構成を所定の位置に保持するように適合された位置安定化構造を容器内に配置することを含み、物品が移動しないように拘束された、流体貯留方法に関する。
【0014】
本発明の別の態様は、耐熱性芳香族硫黄含有分子をこのような化合物を含む炭化水素混合物から除去する脱硫プロセスに関し、該プロセスは、このような化合物を炭化水素混合物から重量で1ppm未満のレベルまで除去するように適合されたナノ多孔質炭素に炭化水素混合物を接触させることを含む。
【0015】
他の態様において、本発明は、
内部容積を有する容器と、
内部容積内の複数の個々の吸着体物品と、
個々の吸着体物品が相互に対して移動せずに位置的に安定化するように、上記個々の吸着体物品が相互に結合されるように適合された結合構造とを備え、結合構造が容器に固定される、吸着体ベースの貯留および分配装置に関する。
【0016】
本発明の別の態様は、
内部容積を有する容器と、
内部容積内で、容器に固定される装着部材(mounting member)と、
個々の吸着体物品が相互に対して移動せずに位置的に安定化するように、内部容積内の装着部材に装着された複数の個々の吸着体物品とを備えた、吸着体ベースの貯留および分配装置に関する。
【0017】
本発明の他の態様は、収着貯留およびその後の分配のために流体をパッキングする方法に関し、上記方法は、容器内に複数の個々の吸着体物品を有する容器を設けることと、上記個々の吸着体物品が相互に対して移動せずに位置的に安定化させるように、結合構造によって上記個々の吸着体物品を相互に結合することと、結合構造を容器に固定することと、上記複数の個々の吸着体物品による貯留のために、上記複数の吸着体物品が収着親和性を有する流体を上記容器に導入することとを含む。
【0018】
本発明の他の態様は、吸着状態でシランガスを保持する内部容積を有する容器を備える赤外線放射デバイスに関し、上記容器は、容器の周囲環境から内部容積への酸素の選択的進入を可能にする酸素選択透過要素と、デバイスの赤外線放射率を向上するように適合された容器の内部容積内の絶縁性媒体とを含む。
【0019】
さらに別の態様において、本発明は、酸素を酸素選択透過要素に透過させることと、透過酸素を吸着状態で保持されたシランと反応させ、それによって放射識別特性(radiation signature)を生成することとを含む拡張赤外線放射識別特性を生成する方法に関する。
【0020】
本発明の他の態様、特徴および実施形態は、以下の開示および特許請求の範囲からさらに十分に明らかになるだろう。
【0021】
別の態様において、本発明は、炭素吸着体を保持する流体貯留および分配容器を備え、分配条件下で流体を容器から分配する分配アセンブリと、吸着体を抵抗加熱(resistive heating)するために炭素吸着体に電気エネルギーを投入するように適合された電力投入アセンブリとを含み、それにより炭素吸着体を選択的に加熱して、該炭素吸着体からの流体の脱着を行う、流体貯留および分配システムの装置に関する。
【0022】
本発明の別の態様は、炭素吸着体を保持する流体貯留および分配容器と、流体を分配条件下で容器から分配する分配アセンブリと、炭素吸着体を抵抗および/または誘導加熱(inductive heating)するために該炭素吸着体に電気エネルギーを投入して、炭素吸着体からの流体の脱着を行うように適合された電力アセンブリとを備える、流体貯留および分配装置に関する。
【0023】
本発明の他の態様は、炭素吸着体からの流体の脱着を含む炭素吸着体からの流体の分配方法に関し、このような方法は、炭素吸着体の抵抗および/または誘導加熱を行うために電気エネルギーを炭素吸着体に投入することを含む。
【0024】
本発明のさらに別の態様は、炭素吸着体に吸着した流体を有する炭素吸着体を含む容器内の吸着した上記流体のヒールを低減する方法に関し、このような方法は、炭素吸着体を抵抗加熱および/または誘導加熱するために炭素吸着体に電気エネルギーを投入して、炭素吸着体からのヒール流体の脱着を行うことを含む。
【0025】
本発明の追加の態様は、活性炭に吸着状態で流体を提供することと、活性炭から流体を選択的に分配することと、所定の量の残留流体が炭素吸着体に吸着したままであるとき、吸着体を電気的に加熱して、炭素吸着体の抵抗加熱および/または誘導加熱によって残留流体の除去を行うこととを含む、流体送出方法に関する。
【0026】
別の態様において、本発明は、上述したような流体貯留および分配装置を含む半導体製造設備に関する。
【0027】
本発明の別の態様は、上述したような流体貯留および分配装置と、炭素吸着体から脱着した流体を受容するように適合された流体利用装置とを含む、流体利用プロセスシステムに関する。
【0028】
本発明の他の態様は、多孔質炭素吸着体の充填能力を増加させる方法であって、該炭素吸着体を膨張剤と接触させ、続いて炭素吸着体を加圧したガス状浸透剤と接触させ、続いて膨張剤および浸透剤を除去することを含む方法に関する。
【0029】
本発明の別の態様は、多孔質炭素吸着体の充填能力を増加させる方法であって、
水蒸気を炭素吸着体に吸着させることと、
1平方インチ当たり100から500ポンドの範囲の圧力で炭素吸着体を不活性ガスと接触させることと、
真空下で不活性ガスを除去することと、吸着した水蒸気を含む炭素吸着体を100℃から300℃の範囲の温度まで加熱することとを含む方法に関する。
【0030】
本発明のさらに他の態様は、多孔質炭素吸着体を含む容器を備え、炭素吸着体上で流体を貯留し、容器から流体を分配するように適合された流体貯留および分配装置であって、炭素吸着体が、
水蒸気を炭素吸着体に吸着させることと、
1平方インチ当たり100から500ポンドの範囲の圧力で炭素吸着体を不活性ガスと接触させることと、
真空下で不活性ガスを除去することと、吸着した水蒸気を含む炭素吸着体を100℃から300℃の範囲の温度まで加熱することと
を含む前処理方法によって前処理されている、流体貯留および分配装置に関する。
【0031】
本発明の追加の態様、特徴および実施形態は、以下の開示および特許請求の範囲からさらに十分に明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は、流体貯留/分配および脱硫用途に有用である炭素材料、ならびにそれを利用する装置および方法に関する。
【0033】
1つの態様において、本発明は流体貯留および分配容器内に吸着体媒体としてモノリシック形態での多孔質炭素を提供することに関する。このようなモノリシック形態は、ブロック、煉瓦、ロッドなどを含むことができ、各々は多孔質炭素で形成され、流体をその上に吸着し、分配条件下で流体をそこから脱着するためのアレイまたはアセンブリを形成するように集合させることができる。多孔質炭素はこのような点で、複数の多孔質炭素物品のアセンブリを含むことができ、あるいは単一のモノリシックブロック、円筒形、または他の形態の多孔質炭素吸着体を含むことができる。
【0034】
1つの好ましい実施形態において、多孔質炭素のモノリシック形態は、積み重ねられたアレイ状に組み立てられた円筒形ディスクであり、したがって連続する多孔質炭素ディスクは相互に同軸であり、同じ直径である。この配置構成によって、垂直に延びる積み重ねを格納容器に挿入して、密封することができ、多孔質炭素ディスクへの吸着およびその後の該ディスク上への貯留のための格納容器に吸着可能な流体を装填することが可能となる。その後、多孔質炭素ディスクからの吸着流体の脱着を含む被吸着流体(absorbate fluid)の分配のための流体利用場所に容器を配備することができる。
【0035】
多孔質炭素物品の積み重ねられたアレイを含むこのようなガスパッケージングは、「Gas storage and dispensing system with monolithic carbon adsorbent」と題した、J. Donald Carruthersの、2004年6月1日に発行された米国特許第6,743,278号にさらに詳細に説明されているように製作することができ、この開示はあらゆる目的で全体を参照により本明細書に組み込むものとする。
【0036】
多孔質炭素ディスクの積み重ねられたあるいは他の方法で集合したアレイを設けることを含むこのようなガスパッケージングのいくつかの用途では、個々の多孔質炭素物品は移動しやすく、容器内で耳に聞こえるガタガタという音を発生する。例えば、トレーラトラック車のトレーラなどで容器を輸送し、移動させる場合、モノリシック炭素物品が動くことによって、格納容器に対して運動量が生じ、格納容器の動作が終了したときに、モノリシック炭素物品が格納容器の内壁表面と衝突し、過度の騒音およびモノリシック炭素物品への損傷を引き起こす。
【0037】
このような問題に対処するために、別の態様の本発明は、モノリシック吸着体物品の位置を保持し、相互に対しておよび容器に対してそれらの動きを抑制するため、格納容器内に位置安定化構造を提供する。このような位置安定化構造は、モノリシック吸着体物品を容器内の位置に固定し、維持するのに効果的な任意の好適なタイプとすることができる。位置安定化構造は、アレイ状のモノリシック吸着体物品を使用する所与の流体貯留および分配装置で適切なような、例えば、パッキング、取付具板(fixture plate)、弾性圧縮要素、スクリーン、袋、吸着体物品構成(例えば、個々の吸着体物品は、相互に連動または係合してそれらをアレイに位置的に固定するように成形または形成される)、容器の内壁構成(例えば、垂直に積み重ねられたディスクアレイ内の連続する吸着体ディスクの円筒形側面のチャネルと係合する容器の内壁表面上の長手方向のリブ)などを含むことができる。
【0038】
位置安定化構造は、非反応性金属および合金、セラミック、ポリマー、およびその組合せなどの材料で形成することが有利である。本発明の種々の実施形態で使用できる構成の材料の具体例としては、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、および炭素が挙げられる。
【0039】
1つの実施形態において、板およびばねのアセンブリを位置安定化構造内で使用して、複数物品のアレイ内でモノリシック吸着体物品の位置を固定する。
【0040】
図1は、そのようなアプローチを示す流体貯留および分配装置10の部分断面分解立面概略図である。
【0041】
流体貯留および分配装置10は、円形側壁12および床14によって形成された容器を含み、該容器は、円形上壁閉鎖部40とともに内部容積18を取り囲む。内部容積18には、モノリシック多孔質炭素ディスク22、24、26、28、30、32、34、36、および38の垂直に積み重ねられたアレイ20が配置される。最上部ディスクは、バルブヘッドアセンブリ46の粒子フィルタ58を挿入するための中心開口部44を最上部ディスク内に有する。
【0042】
モノリシック多孔質炭素ディスク22、24、26、28、30、32、34、36、および38は各々相互に同軸であり、各々が同じ直径であり、それぞれのディスクの円筒形側面が相互に垂直方向に整列される
【0043】
容器の床14は、図示のようにディンプルがある中心部分16を任意選択により含むことができる。円形上壁閉鎖部40は、任意の好適な方法で、例えば、溶接、蝋付け、機械的締結などによって容器の円筒形側壁12に固定することができる。また、円筒形側壁は、その内面の上部でねじを切ることができ、それにより、相補的にねじを切った上壁閉鎖部が円筒形側壁とねじ係合する(threadably enganged)ことができる。上壁閉鎖部は、バルブヘッドアセンブリ46の相補的なねじ込み管状部分56とねじ係合するねじを切った表面によって区切られた中心開口部42を上壁閉鎖部内に有する。
【0044】
バルブヘッドアセンブリ46は、全開位置と全閉位置との間で移動可能な(translatable)バルブ要素を有する主要バルブ本体48を含む。このようなバルブ要素は、バルブステム52を介して手回しハンドル54に結合する。主要バルブ本体48内のバルブ要素は、主要バルブ本体48に固定された出口50の分配口と連絡するバルブキャビティまたは作業容積内に配置される。バルブキャビティは、バルブヘッドアセンブリのねじ管状部分(threaded tubular portion)56の通路と連絡し、このようなねじ管状部分は今度は粒子フィルタ58と結合する。
【0045】
図1の実施形態の位置安定化構造は、上壁閉鎖部40の中心開口部42内に横たわるコイルばね60、および最上吸着体ディスク22の上面に横たわる上部分配板62を含む。図示のように、上部分配板62は、積み重ねられたディスクアレイ内のディスクと直径において概ね同一の広がりを有し、最上吸着体ディスク22の中心開口部44内への粒子フィルタ58の通路を収容する中心開口部を有する。他の実施形態において、上部分配板は、積み重ねられたアレイ内のディスクより大きなまたは小さな直径であってもよい。バルブヘッドアセンブリ46が中心開口部42内でねじ(threading)とねじ係合すると、コイルばねが圧縮して分配板を圧迫し、今度は多孔質炭素ディスクの垂直に積み重ねられたアレイ20に圧縮軸受圧力(compressive bearing pressure)を加える。
【0046】
図1の実施形態の位置安定化構造は、ディンプル16と係合して流体貯留および分配容器の内部容積18内に隆起した軸受表面を形成するように適合された下部分配板64を任意選択によりさらに含む。したがって、下部分配板64は、ディンプル16の軸受表面上に横たわり、今度は多孔質炭素ディスクの垂直方向に積み重ねられたアレイ20がこのような分配板の主要上面に横たわる。この配置構成により、多孔質炭素ディスクの垂直に積み重ねられたアレイ20は、上部分配板と下部分配板との間に圧縮的に保持され、それにより、積み重ねまたはその個々のディスクが相互に対して移動せずにアレイを固定する。下部分配板は、特定の実施形態における必要性または所望に応じて、ブラケット、棚要素、または他の固定構造によって、容器内部容積の下部分の位置に追加的に固定することができる。
【0047】
図2は、組み立てた状態の図1の流体貯留および分配装置10の部分断面立面概略図であり、バルブヘッド46が円形上壁閉鎖部40内でねじ管状部分56においてねじ係合し、上部分配板62および下部分派板64が、多孔質炭素ディスクの垂直に積み重ねられたアレイ20を動かない、かつ、容器の内壁表面に衝突しない位置に圧縮的に保持する。図2の流体貯留および分配装置10の部品および要素は、図1の同じ要素に関して対応する番号が付けられている。
【0048】
図3は、本発明の別の実施形態による流体貯留および分配装置110の部分断面立面概略図である。図3の実施形態において、図1から図2の実施形態のものに対応する部位および要素には、図1および図2の対応する部位または要素の番号に100を加えることによって対応する番号が付けられている。
【0049】
図3の実施形態は、螺旋状圧縮要素をコイルばね180の形態で容器の下部分に設ける点で図1および図2の実施形態と異なる。コイルばね180は、容器の床114上に載り、分配板164に上方向の圧縮力を加え、今度は、該分配板により、垂直に積み重ねられたアレイ120内の最も下の多孔質炭素ディスクの下面全体にわたって圧縮力が広がる。このような二重ばね配置構成は、下部分配板164の耐力特性(load bearing character)を向上させる。
【0050】
図4は、本発明のさらに別の実施形態による流体貯留および分配装置10の部分断面立面概略図であり、図1および図2の実施形態に対応する部品および要素には、図1および図2の対応する部品または要素の参照番号に200を加えることによって対応する番号が付けられている。
【0051】
図4の実施形態において、位置安定化構造はメッシュ材料290のパッキングを含み、該パッキングは多孔質炭素ディスクの垂直に積み重ねられたアレイ220にラッピングされた詰綿またはシート材料の形態で設けることができる。追加のメッシュ材料が、アレイ220の最も上にある多孔質炭素ディスクの主要上面に重なる内部容積218の上部分に設けられ、さらに内部容積218の下部分に、アレイ220の最も下にある多孔質炭素ディスクの主要下面の下に設けられる。
【0052】
上記実施形態に使用されるばねは、使用されている化学物質に適合し、分配された流体を使用するプロセスに適合する構造の任意の好適な材料で形成することができる。上部ばねは、容器の「バルブイン(valving in)」、すなわち、ねじ管状部分56のねじを上壁閉鎖部の開口部42に外接するねじと回転係合させる前に、ねじ円筒形開口部(例えば、図1に示すような上壁閉鎖部40内の中心開口部42)に配置される。
【0053】
上部ばねは、バルブ作動プロセスが、バルブの底部(ねじ管状部分56の底面)と多孔質炭素物品の垂直に積み重ねられたアレイの最も上にある多孔質炭素物品に重なる分配板との間のばねを圧縮するようなサイズにされる。最も上にある多孔質炭素物品に重なる分配板は、場合によっては必要とされず、一般には、安定化構造の任意選択による追加構成要素であるが、このような板は、典型的には、ばねによって加えられた圧縮力を積み重ねられたアレイ内の隣接する多孔質炭素物品の面の表面領域全体にわたって広げるのに好ましいと認められる。
【0054】
圧縮された上部ばねによって加えられる力は、モノリシック多孔質炭素粒子間、多孔質炭素物品と格納容器との間、および最も上にある多孔質炭素物品とばねとの間に摩擦を生じるほど十分に大きくなるように選択され、容器の取り扱い、輸送、またはその他の移動(translation)で起こりやすく、さらに、衝撃、振動、および衝突に起因する動作に影響されやすい多孔質炭素物品の動作が拘束され、好ましくは除去される。したがって、位置安定化構造は、多孔質炭素物品のいずれかと格納容器の内部とのいかなる接触の力も弱め、そのような接触の結果としての多孔質炭素物品の損傷の可能性を最小限に抑え、そのような接触から生ずる騒音を最小限に抑えるか除去する。
【0055】
アレイの最も上にある多孔質炭素物品と接触するばねを配備する代替アプローチは、ばねが、ばねの上端で格納容器の上壁閉鎖部の内面と接触し、ばねの下端で最も上にある多孔質炭素物品(またはその上にある分配板)と接触するように、ばねをシリンダの溶接前に挿入することを伴う。
【0056】
(図3のように)格納容器内において多孔質炭素物品の積み重ねられたアレイの下に第2の下部ばねを設けると、積み重ねられたアレイを個々の上部ばねと下部ばねとの間に吊り下げることが可能となり、多孔質炭素物品と格納容器の内面との接触が最小限になるか除去される。このようなアプローチは、多孔質炭素物品と格納容器の内面とのいかなる接触の力を弱めて、このような接触による多孔質炭素物品の損傷の発生を最小限に抑え、このような接触から生ずる騒音を最小限に抑えるか除去することにも役立つ。
【0057】
示したように、圧力分配板を設けると、ばねによって加えられた圧縮力を分配板と接触している多孔質炭素物品の表面領域全体に分配することに役立つ。このような力の分配は、突然の衝突に起因する多孔質炭素物品の断片化の可能性を低下させる。
【0058】
ばねは、一般に、コイル形ばね、波形ばね、Oリング、ポリマークッション、複数のコイル形ばね(multiple coil type springs)、複数の波形ばね、および複数のポリマークッションが含まれるが限定するものではない、任意の好適なタイプであってもよい。
【0059】
位置安定化構造に使用されるパッキング材料は、図4に例示的に図示されているように、格納容器内部での多孔質炭素物品の動作を拘束または緩衝するために使用することができる。パッキング材料は、任意の好適な組成であってもよく、布またはメッシュ材料の形態であってもよい。
【0060】
1つの好ましい実施形態において、多孔質炭素物品は、多孔質炭素物品を格納容器の内部容積内に挿入する前に、炭素繊維で作られた(好ましくは活性炭で形成された)布にラッピングする。このような多孔質炭素物品のラッピングは、多孔質炭素物品の積み重ねられたアレイと格納容器の内面と間の全ての接触を弱めることに役立ち、有意の独立したガス貯留容量を提供して炭素繊維布で包まれた多孔質炭素物品の該ガス貯留容量を増大することができる。ラッピングのメッシュサイズは、ラッピングにガスを流すことができる単純な経験による決定手段によって容易に最適化することができ、これは分配された流体の最終使用用途のプロセス要件を満足する一方で、衝撃を効果的に弱めて、多孔質炭素物品を同時に保護し、格納容器の内部容積内のラッピングされた積み重ねられたアレイの体積要件を最小限にすることができる。
【0061】
パッキング作業から生じた過剰なラッピング媒体は、図4に示すように、積み重ねられたアレイのクッションとして機能するように格納容器の内部容積内の上部分および下部分に残すことができる。ラッピング媒体は、格納容器の内部容積内に挿入する前に多孔質炭素物品に簡単にラッピングができ、それぞれの端部にある過剰なラッピング材料は折り曲げるか捻って、積み重ねられたアレイの上下で追加の緩衝塊(cushioning mass)を構成する。
【0062】
あるいは、ラッピング媒体は、多孔質炭素物品を管に入れてその開放端を密封する前に、管の開放端を通して密封管内に予め形成することができる。
【0063】
非常に細かいメッシュのラッピング媒体を使用する場合、このような媒体は、多孔質炭素物品上に存在することができるような粒子が流体の分配中に格納容器から移動して出るのを防止するための粒子フィルタとしても働く。
【0064】
一般に、ラッピング媒体は、流体貯留および分配装置に利用される材料および流体を貯留および分配する格納容器から分配された流体を受容する流体利用装置またはプロセスに利用される材料に関しての材料適合性の考慮事項に依存して、炭素、ガラス繊維、金属、ポリマーなどの任意の適切な材料構造で形成された、任意の好適なタイプであってもよい。
【0065】
モノリシック多孔質炭素物品のアレイを固定位置に維持するために利用される位置安定化構造は、多孔質炭素物品が配置されている容器の内部容積内での多孔質炭素物品の動作を最小限にするあるいは除去するために種々の構造的要素およびアプローチを利用する本発明の広範囲の実行において広く変えることができると認められる。
【0066】
本発明の別の態様において、高度に耐熱性で(標準的な触媒脱硫技術では)除去が困難な芳香族硫黄を含む分子をガソリン、ジェットまたはディーゼル燃料、または原油、石油、またはそれらの他の前駆体または原料などの炭化水素供給材料から除去するために、多孔質炭素吸着体が利用される。
【0067】
現在、世界的な環境の法制化には、ガソリンおよびディーゼル燃料車からの排ガス規制の改善を要求する動きがある。新しい法制化の制約に適合するのに必要な排ガス規制レベルで触媒制御が効果的であるために(例えば、米国では、ガソリン中の硫黄レベルは現在の300ppmの硫黄限界から2006年までに30ppmへと削減しなければならず、ディーゼル燃料中の硫黄は現在の最高500ppmから2006年までに15ppmにしなければならず、現在、日本はディーゼル燃料中の硫黄を2007年までに10ppmまで削減するように要求し、欧州連合はガソリン中の硫黄含有率を2005年には50ppmまで削減するように要求し、ドイツはディーゼル燃料中の硫黄含有率を2006年までに10ppmまで削減するように要求している)、このような燃料の供給材料内の硫黄含有分子を除去しなければならない。
【0068】
車上燃料プロセッサで作動する新たに開発された車両用途用の燃料電池エンジンは、従来の内燃機関動力システムに必要とされているよりさらに高レベルの脱硫を必要とする。例えば、ポリマー電界膜(PEM)燃料電池エンジンは、通常は、1ppm未満である硫黄レベルを必要とする。
【0069】
現在の触媒水素脱硫技術は特にディーゼル燃料についてこれらの要求される限界に近い硫黄レベルを達成することができるが、転化されない非常に耐熱性の硫黄分子が残る。これらの残留した耐熱性硫黄分子は、ジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、および最も耐熱性である4,6−ジメチルジベンゾチオフェンなどの立体障害分子である傾向がある。
【0070】
ガソリンの生産において、留出物のナフサ留分中の硫黄分子は前述した耐熱性分子のすべては含まないが、別の複雑な状況がある。この留分の水素脱硫は原理的には非常に効果的になり得るが、従来の水素脱硫ユニットの作動条件は「高オクタン」オレフィン分子の多くを「低オクタン」飽和物に転化し、その結果、燃料の品質が下がる(オレフィンは、最高でガソリン留分の40%の量で存在し得る)。
【0071】
本発明は、直径1nm未満の孔で主に構成された孔隙(porosity)を有するナノ多孔質炭素を利用して、ジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、および4,6−ジメチルジベンゾチオフェンなどの耐熱性硫黄分子の吸着除去を行うことによってこの欠陥を克服する。
【0072】
したがって、本発明は、超低硫黄燃料の達成の障害物を構成する耐熱性の平らな構造の分子を除去するために、このようなタイプのナノ多孔質炭素を使用することを意図している。
【0073】
本発明の1つの実施形態において、ナノ多孔質炭素は、液体相の輸送用燃料(ガソリン、ディーゼル、ジェット燃料)から耐熱性硫黄含有分子を除去して環境法制の制約を満たすのに必要な深部脱硫(deep desulfurization)のレベルを達成するのに非常に効果的な吸着体媒体を提供するポリ塩化ビニリデン(PVDC)由来の炭素によって構成される。
【0074】
ナノ多孔質PVDCカーボンは、「Gas Storage and Dispensing System with Monolithic Carbon Adsorbent」と題した、J. Donald Carruthersの、2004年6月1日付けの米国特許第6,743,278号により詳細に記載されているように形成すること好適であり、その全体を参照により本明細書に組み込むものとする。
【0075】
図5は、硫黄含有炭化水素供給材料を深部脱硫するための吸着体ベースのプロセスシステム300の略図である。
【0076】
図5に示すように、プロセスシステムは、2つの吸着器302および304を含み、該吸着器は、これを通って流体が流れることができるように一緒に集配される(manifolded)。各吸着器は、容器内にナノ多孔質炭素の床を有する容器を含む。床は、本発明のプロセスシステム技術の所与の用途での必要性または所望に応じて、固定床または流動床であることができる。床は、固定床の場合は、モノリシック(嵩高い形態の)ナノ多孔質炭素物品で形成することができ、流動床の場合は、細かく分割した粒子、例えば、円筒形ペレット、球形粒子、輪、十字形の物品などの形態、または流動化に適切であり、かつ、高度に耐熱性の硫黄化合物をこれを含む炭化水素原料から除去するのに効果的な任意の他の形状または形態で構成することができる。
【0077】
2つの吸着器302および304は、流量調節バルブ(flow control valve)310および314をそれぞれ含むそれぞれの供給ライン308および312に接合された入口マニホールド306によって相互に集配される。供給ライン308および312は、内部に流量調節バルブ326を含み、かつ、供給ライン308に接合された分岐ライン324とともに、内部に流量調節バルブ322を含み、供給ライン312に接合されたパージラインの遠位部分を含むパージライン320にさらに接続される。パージライン320は、流れ連絡(flow communication)でパージガス源(図5には図示せず)に接合される。
【0078】
また、2つの吸着器302および304は、内部に流量調節バルブ346を含む吸着器302からの排出ライン328に接合され、かつ、内部に流量調節バルブ344を含む吸着器304からの排出ライン330に接合された排出マニホールドライン332を含む出口マニホールドアセンブリにより、その出口端で相互に集配される。排出マニホールドライン332は、以降でさらに詳細に説明するように、排出ライン352内の混合器から排出される超低硫黄生成物炭化水素流を生成するために水素化脱硫反応器374からの水素脱硫した炭化水素と混合するための混合器350に脱硫した炭化水素を流すために生成物ライン348に接合される。
【0079】
出口マニホールドアセンブリは、吸収器304から脱着物を排出するために流量調節バルブ338を含む脱着物排出ライン336、および吸着器302から硫黄含有脱着物を排出するために流量調節バルブ342を含む脱着物排出ライン340も含む。それぞれの脱着物排出ライン336および340は、硫黄含有脱着物を蒸発器360へと送る脱着物送りライン(desorbate feed line)362に接合される。
【0080】
蒸発器360は、水素送りライン373内で反応器に導入される水素と反応するための水素化脱硫反応器374へとライン372中を流れる高硫黄留分の底残留物を生成する。次に、水素化脱硫反応器からの水素脱硫した炭化水素はライン376内を分離器へと流れ、該分離器から硫化水素および水素ガスがライン382で排出されるオーバヘッドとして分離され、脱硫した炭化水素の底残留物はライン384内を混合器350へと流れる。
【0081】
蒸発器360は硫黄が除去されたオーバヘッド(sulfur-depleted overhead)を生成し、該オーバヘッドは冷却器366内の熱交換通路368を通って再循環ライン364内を流れ、硫黄が除去されたオーバヘッドを凝縮する。次に、硫黄が除去されたオーバヘッドは、オンストリーム(on-stream)吸着器へと再循環するために、凝縮器からパージガス送りライン320へとライン370内を流れる。硫黄が除去されたオーバヘッドを凝縮し、蒸発器からオンストリーム吸着器へと再循環することによって、ライン352で生成物として最終的に排出される精製された炭化水素の全収率が向上する。
【0082】
使用時には、吸着器302および304の一方は、入口マニホールド内でこのような吸着器に流入する供給材料の炭化水素をオンストリームに活発に処理し、硫黄が減少した炭化水素流を生成する。硫黄が減少した炭化水素流は、排出マニホールドによってこのような吸着器から排出され、混合器へと通過する。
【0083】
オンストリーム吸着器が炭化水素を処理している間、オフストリーム(off-stream)吸着器は、そのオフストリームの一部期間中に、パージ送りライン320でそのようなオフストリーム吸着器に導入された好適なパージ媒体でパージする。パージ作業は高度に耐熱性の硫黄化合物をナノ多孔質炭素吸着体から脱着させ、脱着した化合物は蒸発器360へとキャリアバージガス流内を搬送される。
【0084】
吸着器302および304内でナノ多孔質PVDC吸着体を利用する図5に示すプロセスシステム300は、ジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、および4,6−ジメチルジベンゾチオフェンの各々を1ppm未満含有する脱硫生成物炭化水素を生成することができる。
【0085】
このような脱硫プロセスの特に好ましいナノ多孔質炭素吸着体は、約0.3から約0.72ナノメートルの範囲のサイズを有するスリット形の孔によって構成された少なくとも30%の全多孔率、および直径2ナノメートル未満の孔を含む少なくとも20%の全多孔率を有し、嵩密度が1立方センチメートル当たり約0.80から約2.0グラムである、PVDCチャー材料である。
【0086】
別の態様の本発明は、複数の個々の吸着体物品が配置された内部容積を有する容器を含み、吸着体物品が相互に対して動作しないように位置的に安定化するように、結合構造が個々の吸着体物品を相互に結合するように適合され、該結合構造が容器に固定された、吸着体ベースの貯留および分配装置を企図する。
【0087】
1つの実施形態の結合構造は、個々の吸着体物品を通過する少なくとも1つのロッドを含み、該ロッドは、容器に固定された第1の端部およびねじ結合(threaded coupling)などによって機械的締結具と結合された第2の端部を有する。ロッドの第1の端部は、容器とねじ係合することができる。
【0088】
容器は、結合構造が固定される閉鎖部材を含むように構築することができる。
【0089】
好ましい実施形態での個々の吸着体物品は相互に結合されて、容器の内面に接触しないそのような個々の吸着体物品のアセンブリを形成する。個々の吸着体物品は、各々、ディスク形状であってもよく、ディスク形状の物品は、結合構造によって結合して吸着体物品の位置的に固定された積み重ねを形成することができる。ディスク形状の物品は任意の好適なサイズであってもよい。このようなディスク形状の物品の全てが、積み重ねられた場合にディスク形状の物品の積み重ねが円筒形の形態になるよう、同じサイズであることが好ましい。
【0090】
結合構造は、任意の好適なタイプを使用することができる。前述したように、結合構造はロッドを含むことができ、吸着体物品がそれである場合、個々の吸着体物品の各々は該吸着体物品を通る開口部を含むことができ、したがって、ロッドは積み重ねられた物品の各々の開口部を通って延びる。積み重ねが円筒形の形態である場合、ロッドは積み重ねの中心軸に平行な方向で積み重ねを通して延びることができる。
【0091】
積み重ねの最も下にある吸着体物品は、締結具をロッドに取り付けるために、吸着体物品内に形成されたキャビティを有することができる。装置は、相互に対して隔置された(space-apart)関係である2つ以上のロッド(例えば、2つのロッド)を含むことができる。積み重ねの最も上にある吸着体物品は、同様に吸着体物品内に形成されたキャビティを有することができ、該キャビティ内に、粒子フィルタが少なくとも一部に配置される。粒子フィルタは、容器から流体を分配するためにバルブアセンブリに結合することができる。バルブアセンブリは、容器とねじ係合することができ、流量調節部材を含むことができ、バルブアセンブリのバルブキャビティ内のバルブ要素と結合し、したがって、バルブ要素は全閉位置と全開位置との間で移動可能となる。
【0092】
したがって、本発明は、内部容積内の装着部材が容器に固定され、かつ、個々の吸着体物品が相互に対して動かないように位置的に安定化するように複数の個々の吸着体物品が内部容積内の装着部材に装着された内部容積を有する容器として具現化することができる、吸着体ベースの貯留および分配装置を企図する。
【0093】
好ましい実施形態での吸着体は炭素を含むが、より一般的には、吸着体を保持する容器に貯留され、該容器から分配される流体に対して収着親和性を有する任意の好適な吸着体材料を含むことができる。使用される吸着体は、吸着体上に貯留される流体を有し、該液体は、マイクロ電子デバイス製造ツールまたは他の流体利用デバイスに流すなどのために、容器から選択的に分配される。
【0094】
吸着された流体は、任意の好適なタイプ、例えば、有機金属前駆体、水素化物、ハロゲン化物、酸性ガスなどの半導体製造に有用な流体、または太陽電池、燃料電池などの作動に有用な流体を使用することができる。
【0095】
吸着体物品を保持する容器は、流体を容器から下流のフロー回路または他の使用場所または輸送場所へと分配するために、容器に結合された分配アセンブリを有することができる。
【0096】
上述したロッドおよび機械的締結具アセンブリまたは他の位置固定構造によって固定して配置されている複数の個々の吸着体物品のうちの少なくとも1つの個々の吸着体物品と接触するために、容器内にガスケットまたは緩衝要素または圧力分散板を設けることができる。このような要素の目的は、衝撃または衝突の場合の吸着体物品の集合の損傷に対する抵抗を向上させることであり、さらに微粉または粒子を生成させる個々の吸着体物品の相対的移動の発生率を低下させることである。
【0097】
図6は、本発明の1つの実施形態による吸着体固定アセンブリを組み込んだ流体貯留および分配装置400の横断立面図である。
【0098】
流体貯留および分配装置400は、容器側壁402および中心キャビティ(ディンプル)404を有する床403を有する流体貯留および分配容器401を含む。該装置は、バルブヘッドアセンブリのねじ心棒(threaded stem)436を通過させるために中心開口部490を内部に有する頂部閉鎖部材408を含む。ねじ心棒436は、その下端に接合された粒子フィルタ438を有し、該粒子フィルタは、分配された流体を濾過して、該流体から微粉および粒子を除去する働きをする。粒子フィルタ438の下端は、最も上にある物理的吸着体物品内の中心開口部422に収容される。
【0099】
バルブヘッドアセンブリは、排出通路と連絡するバルブキャビティ(図6には図示せず)を内部に含むバルブ本体430を含む。バルブキャビティは、全開位置と全閉位置との間で動作可能である移動可能なバルブ要素を含み、該バルブ要素は、バルブを手動で作動するために手回しハンドル432に結合されている。
【0100】
容器401および頂部閉鎖部材408はともに、容器の内部容積を囲み、その中には、各々円筒形のディスク形であって、側面を相互にずれずに積み重ねたときには円柱状のモノリシック吸着体物品406を形成する、物理的吸着体物品が垂直に積み重ねられたアレイ、すなわちパック(pucks)が配置される。
【0101】
頂部閉鎖部材408は、内部に開口部460および462も含み、該開口部で、ロッド412および414がねじ止め、溶接、圧入、または他の方法で頂部閉鎖部材に結合されている。ロッド412および414は、物理的吸着体パックの積み重ねを通って垂直下方向に延び、その下端はロッキングアセンブリ415によって固定される。具体的には、ロッド412および414の下端はねじが切られ、ねじ端部はナット416および418と係合する。ナット416および418は、積み重ねられたアレイのうち最も下にあるパックの関連する開口部内に配置される。
【0102】
ナットがキャビティの床と軸受接触するまでナットをねじロッドに締め付けることにより、垂直に積み重ねられたパックアレイが固定位置に保持される。積み重ねられたパックアレイをロッドで固定する際には、ワッシャ、輪、ロックナット、およびガスケットを固定アセンブリとして使用することができる。固定アセンブリによって、積み重ねられたパックアレイを容器401の内部容積内に位置的に固定することができ、ゆえに、積み重ねられたパックアレイは容器の内壁表面に衝突しなくなり、アレイ内の個々のパックが相互に擦りつけられて微粉または粉塵を発生することがなくなり、パックが相互に対して移動して望ましくない騒音を発生することがなくなる。
【0103】
ロッドアセンブリによって固定された状態の積み重ねられたアセンブリでは、ロッドを、図示のように閉鎖部材に固定するか、あるいはパックの開口部を通過するロッドを有する容器の床に固定することができる。上述したように、ロッドの一方の端は、閉鎖部材または床のねじ受け開口部とのねじ係合によって、あるいは溶接、接着、圧入、または任意の他の固定方法または手段によって、(閉鎖部材にあるいは容器の床に)固定することができる。パックは、ナットまたは他の締結技術、例えば、ピーニング、接着、圧入などによってロッドに固定される。
【0104】
パック間、または締結具とパックとの間、または閉鎖部材とパックとの間の接触表面にガスケットを設けて、パックと硬質表面との間の尖った接触を防止し、パックの破断を引き起こし得るパックの狭い面積への過度の圧力の発生を最小限に抑えることができる。したがって、ガスケットは、パックのクッションとして作用する。他のガスケットまたは緩衝タイプの材料の有無にかかわらず、ばねおよびロックワッシャを設計に組み込んで緩衝性を与えることもできる。締結具を圧力分配板またはワッシャなどの圧力分配技術と組み合わせて、圧力をより広い表面積にわたってずらし、パック損傷の可能性を最小限にすることができる。
【0105】
固定アセンブリに使用されるロッドの数は、ロッドの直径および長さ、パックを積み重ねられたアレイの高さ、パックの機械的特性、ロッドの機械的特性、および流体貯留および分配装置に意図された使用用途の取り扱い要件によって決定することができる。
【0106】
流体貯留および分配装置に使用するガスケット、ロッド、締結具、分配板、およびばねの構築材料は、ロッドの直径および長さ、積み重ねられたパックアレイの高さ、パックの機械的特性、ロッドの機械的特性、および流体貯留および分配装置に意図された使用用途の取り扱い化学的要件によって決定される。
【0107】
本発明の積み重ねられたパックアレイ固定アセンブリは、容器内の積み重ねられたアレイの構成要素パックの動きに付随する問題を克服し、このような問題が流体貯留および分配装置の有効寿命、性能、または騒音発生に伴う使用者への悪い印象に悪影響を及ぼすのを防止する。この積み重ねられ固定されたアレイは、パックの安定性を高める。何故なら。該パックは、パック自体の独立した動作がほとんどまたは全くないような程度まで、容器の内部容積内に位置的に固定されるからである。
【0108】
本発明の別の態様は、吸着した状態でシランガスを保持する内部容積を有する容器を含む赤外線放射デバイスに関する。容器は、容器の周囲環境から内部容積への酸素の選択的進入を可能にする酸素選択透過要素を有し、デバイスの赤外線放射率を向上するように適合された容器の内部容積内に絶縁性媒体が配置される。
【0109】
好ましい実施形態において、容器内のシランガスは、例えば、円筒形または矩形ブロックまたは煉瓦のようなモノリシック形態の吸着体、または細かく分割されるか他の形態の吸着体などの炭素吸着体に吸着した状態で保持されている。シランガスは、例えば、大気の常態値より低い圧力などの任意の好適な圧力で容器の内部容積内に保持することができる。
【0110】
絶縁媒体は、シリカベースのエーロゲル断熱材を含むことができるが、これは単なる例示としてのものにすぎない。酸素選択的透過性要素は、好適なタイプの酸素透過性選択的膜を備えることができる。容器は、プラスチック材料またはガラス材料などの任意の好適な材料で形成することができる。任意選択により、容器は内部容積内に反射性要素を含むことができ、該反射性要素は、容器からの熱伝導性の熱損失を低減し、デバイスからの長期間の赤外線放射識別特性の提供の要件に合致する放射性を制御するように適合される。
【0111】
好ましい実施では、デバイスは、十分なシランガスを保持し、少なくとも5日間の期間、さらに好ましくは少なくとも10日間の期間、最も好ましくは少なくとも15日間の期間にわたって赤外線放射識別特性を生成するのに十分な酸素の進入を可能にするように設計される。このような長期間のIR識別特性は、先行技術で使用されているせいぜいわずか1日の識別特性期間を有する化学的照明マーカに対して、当技術分野において相当な進歩を達成するものである。
【0112】
本発明は、関連して、酸素選択的透過性要素に酸素を透過させ、吸着状態で保持されたシランと透過酸素とを反応させ、それによって放射識別特性を生成することにより、長期間の赤外線放射識別特性を生成する方法を提供する。
【0113】
このましい実施におけるこのような方法の実施の際、透過酸素およびシランは、吸着したシランを吸着体上に有する炭素吸着体を保持している容器内において、好ましくはシランと透過酸素との反応から得られる赤外線放射率を向上させるように適合された容器内の絶縁性媒体と反応し、炭素吸着体は前述したようにモノリシック形態であることが好ましい。シランと酸素との反応から得られる放射率に関する「向上」という用語は、このような反応から得られる赤外線放射率が、絶縁媒体を使用していない対応する反応で達成可能なものより高いことを意味する。
【0114】
特定の態様での本発明は、赤外線検出装置によって検出可能な識別特性を生成する赤外線放射マーカスティックを企図する。赤外線マーカスティックは、現在使用されている化学発光スティックの限られた寿命に関する問題を克服する。化学発光スティックは、通常、3〜8時間の照明寿命を有する。本発明の赤外線マーカスティックは、所与の最終用途に必要なスティックの数を低減し、化学発光マーカスティックによってこれまで達成不可能であった長い放射寿命の用途を可能にする、より長持ちする放射デバイスを提供する。
【0115】
本発明の赤外線放射マーカスティックは、一定の高温を維持するためにシランガスの制御された遅い燃焼を利用する。シランは、通常は有害ガスと見なされているが、本質的に安全でエネルギー効率が高いデバイスでの赤外線放射マーカスティックにおいて使用される。
【0116】
本発明の赤外線放射マーカスティックは、4つの主要な構成要素を備える。すなわち、(i)容易に入手可能な汎用ガスであるシランガス、(ii)モノリシック形態で、「Mblock」の商標でATMI, Inc.社(米国コネチカット州ダンベリ)から市販されているナノ多孔質炭素吸着体、(iii)「Spaceloft」という商標でAspen Aerogels, Inc.社から市販されているシリカベースのエーロゾル断熱材、および(iv)例えば、Mott Metalurgical社から市販されているタイプの酸素選択的流量制限膜媒体である。
【0117】
本発明の赤外線放射マーカスティックでは、シランが、所望のマーカ用途に好適な量および好適な圧力でナノ多孔質炭素吸着体上に貯留される。
【0118】
例えば、所与の実施形態において、0.75モルのシランを、380トルの圧力でナノ多孔質炭素吸着体上に貯留することができる。酸素は、好適な量で、例えば、例示的な例では1.3sccmで、酸素選択的流量制限膜媒体を通して漏出する。シランは、酸素存在下で燃焼してSiOおよびHOを形成し、シラン1モル当たり1.5メガジュールを排出する。1.3sccmのO透過率において、0.73ワットのエネルギーが生成される。エーロゾル断熱材を金属反射器と組み合わせて使用して、熱伝導性効果による損を最小限に抑え、放射率開口部を制御することができ、それにより内部温度が上昇するが、外部の温度上昇は無視できるほどである。次に、0.73ワットのエネルギー生成はIR放射によって散逸し、IR識別特性を生成する。SiOベースの断熱材は、基本的にIR透過性である。その結果、0.73ワットの放射率で、0.75モルのSiHが約17日間続く。
【0119】
本発明の赤外線放射マーカデバイスの利点には、(i)開始材料1グラムあたり基準で、対応する鉄酸化のエネルギー密度の6.5倍など、高い特定のエネルギー密度を生成すること、(ii)3〜8時間の化学発光照明スティックおよび鉄系熱パックの最長20時間と比較して、長い有効寿命を提供すること、(iii)高価な貴金属触媒を必要とせずに、低コストの構成要素(SiO断熱材、SiHガス、炭素、アルミニウム遮蔽材)しか使用しないこと、(iv)ブタンベースの加熱器と異なり、無毒性の最終生成物(木炭、砂、および水)を生成すること、および(v)シランガスが大気の常態値より低い圧力(subatmospheric pressure)で格納される結果として、大気の常態値より低い圧力の安全性を達成することが含まれる。
【0120】
図7は、本発明の別の実施形態による赤外線放射デバイス500の略図である。
【0121】
放射デバイスは、プラスチックまたはガラス材料で製作された容器502を含み、該容器中にはブロックまたは他の好ましい嵩高い形態(bulk form)の吸着体506が配置される。この吸着体本体は、該吸着体本体に吸着されたシラン508を保持し、赤外線透過性断熱材512でラッピングされるか取り囲まれる。容器は、吸着体に吸着されたシランとの反応のために酸素が容器に入ることができるように選択透過性である多孔質酸素分離器および流れリストリクター要素504でキャップされる。容器の内壁表面には、反射器516のアレイが装着されている。
【0122】
本発明のIR放射デバイスは、シラン貯留容量、幾何学的比率(サイズ対寿命の考慮事項)、分離器/リストリクター要素のタイプおよび特性、シラン/酸素の反応の燃焼率、および結果としての熱上昇、容器構成材料の性質、および容器内のシランガスの充填圧力に基づき、所定の期間に所望のIR識別特性を提供するように容易に設計することができる。したがって、このような設計の変更事項は、長期間にわたってIR識別特性を提供するため、経験的に選択し、モデル化し、および/または実験的に変更して、所与の用途に適切なIR放射デバイスを決定することができる。
【0123】
本発明のIR放射デバイスは、調査、地図作成、地理的マーキング、標的マーキング、救急ビーコンとしての配備、野生生物の追跡、オリエンテーリングおよび他のレクリエーション用途を含むが限定するものではない、広範な最終用途に種々の好適なタイプのIR検出器およびセンサと組み合わせて使用することができる。
【0124】
IR放射デバイスおよび本発明の他の実施形態において使用される炭素吸着体は、任意の好適なタイプであることができ、例えば、2005年6月14日に発行されたStruthersらの米国特許第6,906,003号に記載されているような、内で成長したカーボンナノチューブを有するエーロゲルモノリスなどの支持状態または固定状態のカーボンナノチューブ、または2002年8月13日に発行されたTennentらの米国特許第6,432,866号に記載されているような、ナノファイバおよび「接着」剤を使用して形成されたナノ多孔質構造を含むことができ、その開示はそれぞれその全体を参照により本明細書に組み込むものとする。
【0125】
本発明の別の態様は、有意の(significant)抵抗率を有する導電体としての炭素の電気的特性を利用し、これによって炭素吸着体に通電して、吸着した残留流体の脱着のための抵抗および/または誘導加熱を行うことができる。電気エネルギーを炭素吸着体に投入することにより、ヒール流体を炭素吸着体から除去し、炭素吸着体が格納されている容器を外部から加熱せずに、低圧炭素吸着体ベース流体貯留および分配作業でこれまで可能であったものよりも高い流体利用を達成することができる。
【0126】
本発明の1つの実施形態は、炭素吸着体を保持する流体貯留および分配容器、分配条件下で容器から流体を分配する分配アセンブリ、および抵抗および/または誘導加熱して炭素吸着体からの流体の脱着を行うために炭素吸着体に電気エネルギーを投入するように適合された電力アセンブリを備える、流体貯留および分配装置に関する。
【0127】
電力アセンブリは、任意の好適な方法で構成することができる。1つの実施形態において、電力アセンブリは、電気エネルギーを炭素吸着体に伝達するように適合された少なくとも1つの電極、例えば、炭素吸着体物品と接触するように配置された電極を含む。炭素吸着体物品は、容器内での積み重ねられたアレイとして提供することができ、電力アセンブリは、容器が導電性構成材料を含む場合には、容器と結合する送電線を含むことができる。導電性材料は、鋼、合金鉄、アルミニウム、チタンなどの金属を使用することができる。流体貯留および分配システムは、炭素吸着体と接触した複数の電極を含むように構成することもできる。
【0128】
1つの実施形態において、炭素吸着体は、以降でさらに詳細に説明するように、延長した構成で提供することができる。例えば、延長した構成は、それぞれの端部が電力アセンブリに結合された螺旋形構造の炭素吸着体を含むことができる。
【0129】
電力アセンブリは、無線周波電源、直流電源、交流電源などの任意の好適なタイプの電源を含むことができる。炭素吸着体は、電力供給線によって電源と結合することができ、電源は、炭素吸着体と着脱式に結合するように配置構成することができる。
【0130】
1つの実施形態において、電力アセンブリは、炭素吸着体が回路の抵抗要素であるホイートストンブリッジ回路を含む。
【0131】
種々の他の実施形態において、炭素吸着体は、炭素吸着体を格納した流体貯留および分配容器の少なくとも一部を接触せずに取り囲むように適合されたコイルを使用するなどにより、誘導抵抗加熱される。このような1つの実施形態において、流体貯留および分配容器は、炭素吸着体内に渦電流を誘導するために炭素吸着体に電気エネルギーを投入ように適合された第1の変圧器巻線(transformer winding)を含む。容器内の第1の変圧器巻線には、容器の外側の第2の変圧器巻線が誘導結合される。第2の変圧器巻線は、第2の変圧器巻線を有する回路構成を構成する線によって、交流電源に好適に結合される。
【0132】
別の実施形態において、電力アセンブリは、流体貯留および分配容器内に配置され、かつ、その外部に延びる電極、および金属構成材料を備える容器と接触する電気接続部を含む。このような実施形態において、電気接続部および電極の外部分は電源に結合される。電源は、容器内の流体残留量が所定の低レベルまで低下したときに、分配作業の終了時に選択的に起動するように適合され、したがって、炭素吸着体を加熱するために電気エネルギーが炭素吸着体に伝送されて、残留流体が吸着体から追い出される。
【0133】
本発明は、関連して、炭素吸着体から流体を脱着することを含む流体の分配方法を企図し、該方法は、抵抗および/または誘導加熱を行うために上記炭素吸着体に電気エネルギーを投入することを含む。このような方法における吸着体は、分配条件下で流体を選択的に分配することができる容器内に格納することができる。炭素吸着体への電気エネルギーの投入は、上述したタイプの装置の配置構成で行うことができ、例えば、炭素吸着体に接触した少なくとも1つの電極によって抵抗加熱を行うために、電気エネルギーを投入することを含む。
【0134】
抵抗および/または誘導加熱を行うために炭素吸着体に電気エネルギーを投入することは、流体を所定の程度まで利用する必要に応じて、炭素吸着体からの残留流体の脱着を行うように制御可能に調整することができる。この調整は、炭素吸着体または該炭素吸着体から脱着される流体の状態、例えば、炭素吸着体の温度、脱着した流体の圧力などのモニタリングに応答して行うことができる。
【0135】
上記方法は、無線周波数交流電源などの交流電源と結合した第2の変圧器巻線と誘導結合した第1の変圧器巻線から炭素吸着体内に渦電流が誘導される誘導加熱することを含むことができる。あるいは、電気エネルギーの投入は、炭素吸着体を取り囲むコイルに交流電流を通すことを含むことができ、例えば、該炭素吸着体は上記コイル内に配置された容器内に格納される。
【0136】
既に示したように、電気エネルギーの投入は、炭素吸着体の抵抗加熱を含むことができ、該炭素吸着体はホイートストンブリッジアセンブリの抵抗を含む。
【0137】
別の方法の態様における本発明は、流体を吸着した炭素吸着体を格納した容器内のこのような吸着流体のヒールを低減する方法に関し、該方法は、ヒール流体の脱着を行うように炭素吸着体の抵抗加熱および/または誘導加熱のために炭素吸着体に電気エネルギーを投入することを含む。次いで、脱着したヒール流体を、例えば、イオン注入などを含むマイクロ電子デバイス製造プロセスなどの流体を利用するプロセスに使用することができる。
【0138】
ヒール流体回収のために本発明の実施で使用される炭素吸着体は、任意の好適なタイプであってもよく、活性炭、金属粒子や繊維などを含浸した炭素、または電気エネルギーの投入に応答して加熱され、それによって、電気エネルギーの投入によって加熱されていない対応する炭素吸着体に対して増加した量の吸着流体を排出する任意の他の形態の炭素吸着体または炭素吸着体の組成物を含む。
【0139】
本発明の別の態様は流体送出方法を企図し、活性炭に吸着した状態の流体を提供することと、活性炭から流体を選択的に分配することと、所定の量の残留流体が炭素吸着体に吸着したままである場合に、残留流体の除去を行うために炭素吸着体の抵抗加熱および/または誘導加熱によって吸着体を電気的に加熱することとを含む。特定の実施形態において、炭素吸着体は流体貯留および分配容器内に格納され、除去された残留流体はマイクロ電子デバイスの製造に使用される。
【0140】
本発明は、前述したような流体貯留および分配システムを備えた半導体製造施設も企図する。半導体製造施設は、例えば、炭素吸着体から脱着した流体を受容するように適合されたイオン注入器を含む。より一般的には、前述したような流体源および分配システム、および炭素吸着体から脱着した流体を受容するように適合された流体利用装置を備える流体使用プロセスシステムを提供することができる。
【0141】
炭素吸着体を使用して、炭素吸着体が好適な収着親和性を有する任意の好適な流体を貯留し、選択的に分配することができる。流体は、例えば、蒸着試薬、エッチング液、洗浄流体、研磨試薬、フォトレジストなどのマイクロ電子デバイス製造流体を含むことができる。炭素吸着体に貯留し、該炭素吸着体から分配することができる特定の流体は、アルシン、ホスフィン、アンモニア、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、ジボラン、有機金属種、三フッ化窒素、および塩化水素を含むが、これに限定されない。
【0142】
ここで図面を参照すると、図8は、本発明の1つの実施形態による流体貯留および分配システム600の略図である。
【0143】
図示のように、貯留および分配システム600は、内部容積604を画定する容器602を含む。内部容積604には、モノリシック炭素吸着体物品の積み重ね606が配置され、該積み重ねは、一般に、直径において容器と同一の広がりを有し、したがって炭素吸着体物品は容器壁の内面と接触している。
【0144】
積み重ね606内の炭素吸着体物品は一般に円筒形の形態であり、面と面が接触した状態で積み重ねられ、容器の下部分からその上部分へと垂直方向に延びる。吸着体物品は、例えば、ガスまたは液体などの対象の流体に対する収着親和性を有する。このような流体は、例えば、アルシン、ホスフィン、アンモニア、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、ジボラン、有機金属種、三フッ化窒素、塩化水素などの半導体製造化学試薬を含むことができる。
【0145】
容器602は、鋼または他の合金鉄、またはアルミニウムやチタンなどの他の金属で形成することができる。容器はその上端で、手回しハンドル632の回転によって全開位置と全閉位置との間で移動可能なバルブ要素を含むバルブ通路を有するバルブヘッドアセンブリ630に接合する。バルブヘッドアセンブリ630は、分配ラインまたは他の継手、計器、またはフロー回路を接合できる排出口636を含む。
【0146】
この実施形態において、電極608は容器602の内部容積604内の中心に装着され、積み重ね606の炭素吸着体物品の中心開口部を通って下方向に延びる。電極の上端は、バルブヘッド内の絶縁されたブッシュ内に装着され、電源ライン610によって中央処理装置および電源モジュール612に接続される。また、中央処理装置および電源モジュール612は、第2の電源ライン616によって、図示のように容器602の外面と電気的に接触して装着されている接点カラー614にも接続される。
【0147】
図8に示す構成によって、積み重ね606の炭素吸着体物品に収着保持された流体が分配条件下で吸着体から脱着され、バルブヘッド630を通って排出口636へと流れた後に排出される。長期間作動した後、炭素吸着体に保持された流体の量は低レベルまで低下し、このレベルでは容器から流体を脱着し、引き続き排出することは困難である。
【0148】
この時点で、CPUおよび電源モジュール612は、例えば、容器の下流のフロー回路にある圧力変換器(図8には図示せず)、または他のプロセスモニタリングシステムによって起動され、電気エネルギーを電極608および接点カラー614へと送出する。この作用により、電流が電極608および導電性炭素吸着体を通って容器壁へと流れ、電源ライン610および616を有する回路が完成する。
【0149】
積み重ね606の炭素吸着体は、それにより、電気的に抵抗加熱されて、吸着体内で高温を生じ、炭素吸着体から流体を脱着させて、脱着した流体を排出口636を通して容器から排出する。
【0150】
この配置構成では、容器60の囲い壁が第2の電極として作用し、炭素吸着体が、吸着体を加熱して吸着体から残留流体を追い出すのに十分な抵抗を有する電解質媒体のように作用する。したがって、この配置構成によって、吸着した流体の非常に高い利用を達成することができ、分配された流体のパーセンテージ値(すなわち、容器内に元々装填されている流体がその後に容器から分配される割合)は100%に近い。
【0151】
抵抗加熱した吸着体材料の温度感知を行い、感知された温度に応答して電気エネルギー投入の程度を調整して、必要なまたは望ましい流体の脱着レベルを達成することができる。他の実施形態において、種々の他のセンサおよび感知配置構成を使用して、炭素吸着体への電気エネルギー投入をモニタリングし、吸着体への電気エネルギーの投入および期間を制御するために使用することができる感知/モニタリング信号を生成することができる。
【0152】
図8に示す特定の配置構成では、熱電対620を吸着体物品の積み重ね606に配置して、積み重ねの温度をモニタリングする。熱電対は温度感知信号を生成し、該温度感知信号は温度信号伝送ライン622内でCPUおよび電源モジュール612へと伝送される。CPUおよび電源モジュール612は、応答して、吸着体の積み重ねへと伝達される電力を調整し、吸着体材料からの流体の所定の温度および脱着を達成する。
【0153】
図8に示す特定の実施形態の別の変形として、第2の電極618を、容器602の内部容積604内に配備することができ、該電極は、吸着体物品の積み重ねを通って延び、その上端で電源ライン616に接合される。このような変形における電源ライン616は、例えば容器の壁に配置された(電源ライン616は該容器の壁を通って第2の電極と接続する)絶縁カラーにより、容器の壁を通して延びる。このような変形では、接点カラー614は任意選択により使用するか、または別の方法としては、使用しなくてもよい。
【0154】
図8に示す流体貯留および分配システムによって、炭素吸着体媒体を抵抗加熱し、最初に容器に装填された収着質流体を高レベルで利用することができる。吸着体への電力供給は、広範な代替方法で行ってもよく、このような電力は、容器内の収着質媒体から望ましいレベルで流体を脱着するために、作業の抵抗加熱相中に任意の好適な方法で調整することができることが認められる。
【0155】
図9は、本発明のさらなる実施形態による流体貯留および分配システム700の略図である。
【0156】
流体貯留および分配システム700は、例えば、活性炭などの炭素で形成された螺旋形の吸着体本体682が配置された内部容積680を囲う容器702を含む。炭素本体682の上端は電源線692に接合され、電源線は絶縁されたブッシュ694を通過して給電ライン696に結合される。給電ライン696は電源690に接続されている。
【0157】
炭素本体682の下端は電源線684に接合され、電源線は絶縁されたブッシュ686を通過して、電源690に接続された給電ライン688に結合する。
【0158】
ブッシュ686および694は、容器壁内のそれぞれの開口部と関連して容器に装着される。容器702の上端は、排出口706およびバルブヘッド698のバルブを手動で開閉するように適合された手回しハンドル708を含む、バルブヘッドアセンブリ698に接合される。このような手回しハンドルの代わりに、自動バルブアクチュエータを使用することができる。
【0159】
図9に示す構成により、吸着体本体682は、給電ライン696および688で電源線692および684それぞれに電気エネルギーを送出する電源690の作用によって、選択的に加熱することができる。吸着体本体は、容器702の高さより有意に大きい長さを有するので、吸着体本体の一方の端に流入し、このような本体の他方端へと通過する電流は、容器の下部分から上部分までの直線距離よりもはるかに大きい距離を移動する。このような吸着体本体の「延長した」構成により、直線構成の吸着体本体に対して抵抗率が有意に増加し、したがって直線構造よりも炭素本体の加熱に必要な電流が少なくなる。
【0160】
図9に示す吸着体本体の螺旋構成に代わって、吸着体本体は、電流が該本体を通って流れるための蛇行路または細長い路を提供する任意の他の好適な「延長した」構成であってもよい。本明細書で用いる「延長した構成」とは、本体を通る電気エネルギーの電流路が、本体の長さ寸法などの直線範囲より有意に大きい吸着体本体の物理的形態を意味する。したがって、炭素吸着体本体は、プリーツ、ジグザグ、螺旋、羊毛または多孔性マトリクスの形態、または延長した構成を提供する任意の他の好適な物理的または形態学的形態を有することができる。
【0161】
図10は、本発明の別の実施形態により、抵抗要素の1つが炭素吸着体床によって適合されたホイートストンブリッジ回路の略図である。
【0162】
ブリッジ回路は、固定抵抗器736、738および740および可変抵抗器742を含むホイートストンブリッジ730に図示のように接続された電源720を含む。ブリッジの抵抗器脚部間には電圧検出器760が配置される。電圧検出器760は、演算増幅器732に直列に接合されて、図示のように増幅器に投入を供給する。増幅器の出力部はNPNトランジスタ734に結合されて、出力をトランジスタのゲート構造へと伝送する。トランジスタのソースとドレーンは、各々電源720とホイートストンブリッジ730に結合される。
【0163】
図10のホイートストンブリッジ回路は、上記タイプの流体貯留および分配システム内の炭素吸着体の抵抗である固定抵抗器の1つで構成される。この構成によって、ホイートストンブリッジは、可変抵抗器742の可変抵抗によって釣り合い、通常の分配作業中に、またはシステムが非分配状態にある場合に、炭素吸着体を通るゼロ電流を達成することができる。
【0164】
システム内の流体の残留量を、分配が不相応にさらに困難になる低レベルまで低減するために分配作業が十分な期間だけ継続した場合、可変抵抗器742の抵抗を調節してホイートストンブリッジの不釣り合いを調節し、炭素吸着体の電気的抵抗加熱のためにそれに電流を流すことができる。このような様式で、炭素吸着体を温度感知要素として使用し、それによって所望の温度で自動調整することができる。別の方法としては、単純な電流制限デバイスを組み込むか、または別の方法としては、図8に示す配置構成の方法で埋め込んだ温度センサを使用することができる。
【0165】
図11は、本発明の別の実施形態による流体貯留および分配システム800の略図である。
【0166】
図11の配置構成では、流体排出口810、およびバルブヘッドアセンブリのバルブを手動で開閉する手回しハンドル812を含むバルブヘッドアセンブリ808に、内部容積内に炭素吸着体804の床を保持する容器を接合する。手動の手回しハンドルの代わりに、バルブヘッドアセンブリ808のバルブを、バルブヘッドアセンブリのバルブを開閉するように作動可能に配置される空気圧、電気式、または他のアクチュエータなどのバルブアクチュエータに接続することができる。
【0167】
図11の構成は、誘導コイル816に作動可能に結合された無線周波電源814を含み、誘導コイルは、容器802がコイルのループ内に存在できるように好適なサイズにされる。
【0168】
使用時には、流体は分配条件下で容器802から分配され、これは、流体利用ツールまたはフロー回路の下流部分が減圧になって圧力勾配から得られる脱着を招くか、またはキャリアガスが容器802の内部容積を通過して吸着体からの脱着を行う物質移動勾配を生成し、キャリアガス内の同伴物が容器を通って流れるか、または他の方法で吸着体から流体を排出させることを含む。
【0169】
容器内の流体の残留物が十分に除去されると、無線周波電源814が起動されて、コイル816を通って交流電流を送り、それにより、炭素吸着体中に磁界を生成する渦電流を発生させる。その結果、吸着体中に熱が生成されて、このような誘導加熱が生じない対応する吸着体に対して吸着体からの流体の脱着が向上する。
【0170】
図11の配置構成に関して説明した誘導加熱は、単純かつ非侵襲的な方法で容器802から残留流体を除去し、したがって容器からの流体のほぼ完全な分配が達成される。
【0171】
図11のシステムの無線周波電源814によって提供される交流電流の周波数は、容器802内の吸着体材料から残留流体を脱着させる上で最適の結合効率を達成するように選択することができる。
【0172】
図11のシステムは、誘導コイル816に交流電流を提供する際に無線周波電源814を調整するために、任意の好適なタイプの制御方式を使用することができる。例えば、分配されるガスの圧力をモニタリングし、好適なフィードバック制御アセンブリを使用して、分配されるガスの固定された作業圧力を維持することができる。
【0173】
さらに一般的には、図8、図9および図11の流体貯留および分配システムは、広範なモニタリングおよびフィードバック制御構成要素およびサブシステムを使用して、分配作業の最終段階で(容器が空の状態に近づく際に)容器の残留流体が抽出され、確実に容器内のヒールが最小限になるようにすることができる。
【0174】
このようなモニタリングおよび制御装置は、炭素吸着体への電力投入の電力モニタリング、このような電力投入中の吸着体の熱モニタリング、分配されるガスの圧力モニタリング、分配される流体の流量モニタリング、混合システムの使用(例えば、空の状態に近づき、内部の吸着体の抵抗および/または誘導加熱のために電力投入を受けている容器からの流体と、十分な流体または有意の供給量の流体を含む新しい第2の容器からの流体とを組み合わせる)などを含むことができる。
【0175】
図12は、本発明のさらなる実施形態による流体貯留および分配システム860の横断立面概略図である。
【0176】
流体貯留および分配システム860は、上端で流体分配アセンブリ866と接合している容器862を含む。容器862は、図示のように炭素吸着体ディスク872、874、876、878、880、882、および884の垂直の積み重ね870が配置された内部容積864を囲んでいる。
【0177】
炭素吸着体物品の積み重ね870には、ガラスまたはセラミックシール888を通り、各炭素吸着体粒子872、874、876、878、880、882および884の中心開口部を通って、内部容積864へと上方向に延びる電極886が配置される。
【0178】
容器862には、容器862の金属壁と接触している電気接続部890が設けられ、このような壁は鋼、アルミニウム、または他の導電性材料で形成されている。電気接続部890は、容器と一体形成するか、またはこのような接続部を任意の好適な方法で容器に結合することができる。例えば、このような目的のために、容器の外面に結合構造または取り付け部品を設ける。
【0179】
電極886および接続部890は、回路配置構成内の好適な電源(図示せず)に結合され、これにより、積み重ね870に電気エネルギーが投入されてその抵抗加熱を行う。
【0180】
図13は、本発明のさらなる実施形態による流体貯留および分配システム820の横断立面概略図である。
【0181】
流体貯留および分配システム820は、吸着体物品830、832、834、836、838、840、および842の積み重ね828が配置された閉じた内部容積826を画定する容器822を含む。
【0182】
この実施形態の容器822は、容器の下部分で炭素吸着体物品の積み重ね828の下方に変圧器巻線850を含む。
【0183】
容器は、それぞれの変圧器巻線850および852を誘導結合するために、第2の変圧器巻線852の上に配置される。
【0184】
容器822の上端は、分配アセンブリ824に接合され、該分配アセンブリは、例えば、バルブが流れのために開き、圧力差、物質移動勾配、または他の移送条件によって流体が容器から下流のフロー回路、プロセスツール、または分配された流体の他の最終使用位置へと流出する場合などの分配条件下で脱着された流体を容器から流出させるためのバルブ構造および分配口を含むことができる。
【0185】
以上で示したような変圧器巻線850および852は相互に誘導結合され、外部変圧器巻線852は回路関係で電源(図示せず)と適切に結合され、したがって変圧器巻線852に通電すると同様に変圧器巻線850を通電し、容器822の内部容積828に電界を発生させ、これにより、積み重ね828内の炭素吸着体物品に通電して抵抗加熱する。
【0186】
この配置構成により、容器822に関して非侵襲的に抵抗加熱が行われる。容器に開口部の必要性をなくすことにより、分配アセンブリ824に関連する容器以外に、分配アセンブリと容器の頂部との接合部に1つの継ぎ目があるだけの非常に信頼性が高い特性の容器を提供することができる。
【0187】
それ故、本発明は、炭素吸着体からヒール流体を除去するために、該炭素吸着体に電気エネルギーを投入する広範な特定の配置構成および実施形態を企図し、これは、流体を減圧で分配するために炭素吸着体式の流体貯留および分配システムを使用する際に高い流体利用率を達成するように同様に実現され、組み込まれる。
【0188】
別の態様において、本発明は、例えば、積み重ねられたアレイ状の多孔質炭素ディスクの形態で、流体を格納する容器を有するこのような流体の貯留および分配パッケージ内に配置されるような、ナノ多孔質炭素吸着体の充填容量を増加させる方法を企図し、貯留される流体は小さい分子の流体種を含む。多孔質炭素吸着体の充填容量とは、吸着体によって吸収できる吸着物の量、すなわち吸着体上の吸着質種の充填能力である。
【0189】
多孔質炭素吸着体の充填能力を増大させるこの態様において、吸着体は膨張剤と接触し、続いて炭素吸着体が加圧されたガス状浸透剤と接触し、続いて例えば、多孔質炭素を真空抽出して加熱し、残留する膨張剤および浸透剤のいずれも揮発させることによって、膨張剤および浸透剤を除去する。
【0190】
本明細書において「膨張剤」という用語は、多孔質炭素材料の微細構造と接触してこのような材料の孔およびキャビティ構造を拡大させる作用物質を意味する。膨張剤は任意の好適なタイプであってもよく、例えば、水、エーテル、アルコール、または多孔質炭素をこのように拡大させる他の有機または無機溶剤媒体などの作用物質を含むことができる。
【0191】
本明細書において「浸透剤」という用語は、(1)加圧された形態で膨張剤を含む多孔質炭素材料と接触し、その後に吸着物と接触した場合に多孔質炭素材料の充填能力を増大させるために膨張剤を孔隙およびキャビティ構造内に搬送する、作用物質、(2)膨張剤および浸透剤を揮発させて、孔隙およびキャビティ構造に対する膨張剤の膨張効果を失うことなく、このような孔およびキャビティ構造から除去する、膨張剤と適合する作用物質を意味する。浸透剤は任意の好適なタイプであってもよく、例えば、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの不活性ガスを含むことができる。
【0192】
1つの好ましい実施形態において、膨張剤は水蒸気を含み、浸透剤はヘリウムを含む。
【0193】
残留した膨張剤および浸透剤を多孔質炭素の孔隙およびキャビティ構造から除去する際には、膨張した後に、除去が350℃以上の温度への加熱を伴わないことが重要である。何故なら、350℃以上の温度では、350℃未満の温度で膨張剤および浸透剤の除去を行いた場合に得られる充填能力の増加が失われてしまうからである。
【0194】
本発明のこのような態様において、炭素吸着体が水蒸気を吸収するように、炭素吸着体を水蒸気に曝露して前処理する。この水蒸気曝露の後、100から500psiの範囲の圧力のように高い圧力でヘリウム(または例えば、アルゴン、クリプトン、窒素、キセノンなどの他の不活性ガス)と接触する。次に、真空状態で炭素吸着体からヘリウムを除去し、続いて例えば、100℃から300℃の範囲の温度という高い温度で焼き出しする。これで、小さい分子の流体種に対して吸着容量が増大した前処理済みの炭素吸着体が生成される。
【0195】
このような前処理方法は、様々な流体種のいずれにも有利に使用することができ、球形の構成ではなく比較的平坦な立体分子構成を有する分子のガスを貯留し分配するために、例えば、ビーズ、顆粒、タブレット、ペレット、粉末、押出物、粒子、布またはウェブ形態の物品、モノリシック形態、多孔質炭素と他の材料との複合物、上記微粉砕した形態、および上記粉砕した形態などの形態で、活性炭の向上に適用することが最も有益である。1つの実施形態において、流体種はハロゲンガスを含む。例示的ハロゲンガスの例としては、三フッ化ホウ素、ジボラン、三塩化ホウ素、三フッ化リン、五フッ化砒素、四塩化珪素、四フッ化ゲルマニウムが挙げられる。このような方法で処理してある炭素吸着体に貯留し、そこから分配するには、三フッ化ホウ素が特に有用なガスである。
【0196】
特定の実施例により、本発明の炭素吸着体の前処理方法は、三フッ化ホウ素について炭素吸着体の容量を、このような方法で前処理していない同様の炭素吸着体に対して35〜50%のレベルで増加させることが実証された。本発明の前処理方法の特定のプロセス条件は、対象となる吸着質ガスについてプロセス条件を変更し、吸着体で達成することができる吸着質流体種の充填能力を測定して、このような流体種の吸着体容量を判定するという単純な手段によって、所与の流体種について実験で容易に判定することができることが認められる。
【0197】
本発明は同様に、容器内で吸着体に吸着され、その後でそこから分配される流体が装填される前に、本発明の上記前処理方法で前処理されている炭素吸着体を格納した容器を備える流体貯留および分配装置を企図する。
【0198】
本発明の炭素吸着体前処理方法の特徴および利点は、以下の実施例でさらに十分に示されている。このような実施例は、特定の実施形態における炭素前処理方法の実施を例示するものであり、本発明の炭素前処理方法の全体的特性および適用性について制限的に解釈されないものとする。
【0199】
実施例1
三フッ化ホウ素ガスの貯留および分配パッケージの標準的な充填手順において、円筒形のガス容器を活性炭パックの積み重ねで充填し、ヘッドピースをガスシリンダに溶接する。次に、バルブヘッドアセンブリをヘッドピースに設置して、シリンダの製作は終了する。
【0200】
開位置でのバルブアセンブリ内にバルブを備える得られたガス供給パッケージに、バルブヘッドアセンブリを通して300psiの圧力でヘリウムガスを装填し、次にバルブを閉じる。次に、ヘリウムを格納したパッケージを真空室に入れる。容器から生じ得るヘリウムのいかなる漏出もヘリウムガス検出器でモニタリングして、真空室を高真空にする。
【0201】
このような試験で容器がその性質通り漏出しないと決定した場合、次いでシステムに高真空を加え、続いて高温で焼き出すことにより、容器からヘリウムを除去する。この手順は、残留している揮発性の構成要素および汚染物質を吸着体から追い出す。周囲温度まで冷却した後、容器に三フッ化ホウ素ガスを装填する。装填したら、吸着した三フッ化ホウ素ガスが炭素吸着体に貯留された状態で、充填口の閉鎖部またはバルブヘッドアセンブリのバルブの閉鎖によって容器を密封する。続いて、このように貯留した三フッ化ホウ素ガスは、分配条件下で炭素吸着体から脱着することができる。これは、例えば、容器の内部容積と容器の外側の下流分配位置との圧力差、および/または炭素吸着体から三フッ化ホウ素を脱着させる容器の加熱、および/または炭素吸着体から三フッ化ホウ素を脱着させるための濃度勾配を生成する、容器の内部容積を通るキャリアガスの流れを含む。
【0202】
実施例2
ガス供給パッケージは実施例1のように製作されるが、ヘリウムガスと接触する前に、炭素吸着体が水蒸気に曝露し、したがって水蒸気が吸着体に吸収される。吸着体が吸収する水蒸気の量は、炭素吸着体の重量に基づいて5重量%から40重量%の範囲、またはそれ以上であってもよい。
【0203】
次に、ガス供給パッケージを実施例1で説明したように、300psiのヘリウムで加圧する。ヘリウム除去後の容器は、次に吸着体を焼き出し、容器を周囲温度まで冷却させ、次に三フッ化ホウ素ガスを装填する。
【0204】
比較試験の結果
実施例1の標準的方法に対する実施例2の前処理方法の有効性を判断するために、比較試験を行いた。
【0205】
2系列の比較試験を実施した。
【0206】
第1の系列では、4つのガスシリンダ容器各々に、炭素吸着体のパック物品の積み重ねの形態で、このような吸着体を2550グラム装填した。次に、容器にヘリウムガスを装填した。ヘリウムを除去した後、容器を焼き出して、炭素吸着体から残留ガスおよび汚染物質を除去し、次に三フッ化ホウ素ガスを装填した。
【0207】
第1の容器内の炭素吸着体(サンプル1)は、ヘリウム装填および焼き出しの前に水蒸気に曝露せず、焼き出しは180℃で行いた。第2の容器の炭素吸着体(サンプル2)は水蒸気に曝露し、その結果、炭素吸着体の重量に基づき、炭素吸着体の24.5重量%の含水率になり、ヘリウムを装填してから180℃で焼き出した。第3の容器の炭素吸着体(サンプル3)は水蒸気に曝露し、その結果、ヘリウムの装填および350℃での焼き出しの前に、炭素吸着体の重量に基づき、炭素吸着体の25.6重量%の含水率になった。第4の容器の炭素吸着体(サンプル4)は、水蒸気に曝露し、その結果、ヘリウムの装填前に、炭素吸着体の重量に基づき、炭素吸着体の25.3重量%の含水率になった。
【0208】
ヘリウムを装填し、続いてヘリウムガスを除去して、180℃で焼き出した後、三フッ化ホウ素を容器に装填し、吸着体によって吸収されたこのような三フッ化ホウ素ガスの量を測定した。
【0209】
第1の試験系列の結果を以下の表1に示す。サンプル2〜4は、ヘリウム加圧および焼き出しの前に水分に曝露したが、サンプル1は、このようなヘリウム加圧および焼き出しの前に水分に曝露しなかった。
【表1】

【0210】
表1のデータは、ヘリウム加圧および焼き出しの前に水分に曝露しなかった炭素吸着体(サンプル1)の標準的な前処理が、23.6%(=601.8gの三フッ化ホウ素/2550gの炭素吸着体)という炭素吸着体の三フッ化ホウ素充填能力を生成したことを示した。
【0211】
サンプル2は、吸着体に24.5%の水分充填能力を生成する水分前処理、ヘリウム加圧および180℃の温度の焼き出しをして、炭素吸着体に33%の三フッ化ホウ素充填能力を生成した。
【0212】
サンプル3は、吸着体に25.6%の水分充填能力を生成する水分前処理、ヘリウム加圧および350℃の温度の焼き出しをして、炭素吸着体に22.5%の三フッ化ホウ素充填能力を生成した。
【0213】
サンプル4は、吸着体に25.3%の水分充填能力を生成する水分前処理、ヘリウム加圧および180℃の温度の焼き出しをして、炭素吸着体に34%の三フッ化ホウ素充填能力を生成した。
【0214】
第2の試験系列では、第1の試験系列とすべて同じ条件を維持したが、活性炭吸着体の量は2550グラムではなく2525グラムであった。
【0215】
第2の試験系列のデータを以下の表2に示す。
【表2】

【0216】
表2のデータは、ヘリウム加圧および焼き出しの前に水分に曝露しなかった炭素吸着体(サンプル5)の標準的な前処理が、20.5%(=518.6gの三フッ化ホウ素/2525gの炭素吸着体)という炭素吸着体の三フッ化ホウ素充填能力を生成したことを示した。
【0217】
サンプル6は、吸着体に24.5%の水分充填能力を生成する水分前処理、ヘリウム加圧および180℃の温度の焼き出しをして、炭素吸着体に33%の三フッ化ホウ素充填能力を生成した。
【0218】
サンプル7は、吸着体に25.6%の水分充填能力を生成する水分前処理、ヘリウム加圧および350℃の温度の焼き出しをして、炭素吸着体に22.4%の三フッ化ホウ素充填能力を生成した。
【0219】
サンプル8は、吸着体に25.3%の水分充填能力を生成する水分前処理、ヘリウム加圧および180℃の温度の焼き出しをして、炭素吸着体に30.8%の三フッ化ホウ素充填能力を生成した。
【0220】
したがって、表1および表2のデータは、本発明の水分曝露/ヘリウム曝露および焼き出し前処理方法が、このような水分曝露がない先行技術の対応する前処理方法で達成することができる三フッ化ホウ素充填能力よりも約50%高い三フッ化ホウ素の充填能力を生成したことを示した。
【0221】
本明細書では、本発明を本発明の特定の態様、特徴および例示的実施形態に関して説明してきたが、本発明の有用性はこのように制限されず、本明細書の開示に基づいて本発明の当業者に示唆されるような他の多数の変形、修正および代替実施形態に拡張され、これを包含することが認められる。同様に、添付の特許請求の範囲による本発明は、このような変形、修正および代替実施形態をその精神および範囲内に含むものとして広義に解釈されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0222】
【図1】本発明の一実施形態による流体貯留および分配装置の部分断面分解立面概略図である。
【図2】組み立てた状態の図1の流体貯留および分配装置の部分断面立面概略図である。
【図3】本発明の別の実施形態による流体貯留および分配装置の部分断面立面概略図である。
【図4】本発明のさらに別の実施形態による流体貯留および分配装置の部分断面立面概略図である。
【図5】硫黄含有炭化水素供給材料の深部脱硫のための吸着体ベースのプロセスシステムの略図である。
【図6】本発明の一実施形態による吸着体物品固定アセンブリを組み込んだ流体貯留および分配装置の横断立面図である。
【図7】本発明の別の実施形態による赤外線放射デバイスの略図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態による流体貯留および分配システムの略図である。
【図9】本発明のさらなる実施形態による流体貯留および分配システムの略図である。
【図10】抵抗要素の1つが炭素吸着体床によって適合されたホイートストンブリッジ回路の略図である。
【図11】本発明の別の実施形態による流体貯留および分配システムの略図である。
【図12】本発明のさらなる実施形態による流体貯留および分配システムの横断立面概略図である。
【図13】本発明の別の実施形態による流体貯留および分配システムの横断立面概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質炭素吸着体物品の配置構成を保持する、内部容積を容器内に有する容器と、前記多孔質炭素吸着体物品の配置構成を所定の位置に維持するように適合させた位置安定化構造とを含み、前記所定の位置で前記物品は移動しないように拘束されている、流体貯留および分配装置。
【請求項2】
前記多孔質炭素吸着体物品の配置構成が、前記物品の積み重ねられたアレイを含む、請求項1に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項3】
前記物品が、各々、ディスク形状を有する、請求項2に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項4】
前記物品が、該物品が相互に同軸上に整列された垂直に積み重ねられたアレイ内にある、請求項3に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項5】
前記位置安定化構造が、前記多孔質炭素吸着体物品の配置構成に圧縮力を加えるように適合させた圧縮ばねを含む、請求項1に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項6】
前記位置安定化構造が、前記圧縮ばねから前記圧縮力を受容し、前記力を前記多孔質炭素吸着体物品の配置構成と軸受接触している該板部材の領域に分配するように適合させた板部材をさらに備える、請求項5に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項7】
前記物品は、該物品が各々ディスク形状であって相互に同軸上に整列された垂直に積み重ねられたアレイ内にあり、前記位置安定化構造が、前記圧縮ばねと、前記垂直に積み重ねられた物品のアレイの最も上にある物品に圧縮力を加えるように配置された板部材とを備える、請求項6に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項8】
第2の圧縮ばねと、前記垂直に積み重ねられた物品のアレイの最も下にある物品に圧縮力を加えるように配置された板部材とをさらに備える、請求項7に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項9】
前記位置安定化構造が、パッキング、取付具板、弾性圧縮要素、スクリーン、袋、吸着体物品構成、および容器内壁構成からなる群から選択される構造を含む、請求項1に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項10】
前記位置安定化構造が、相互に構造的に係合するように形成されている前記多孔質炭素吸着体物品を含む、請求項1に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項11】
前記多孔質炭素吸着体物品が、相互に連動するように形成される、請求項10に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項12】
前記容器が、前記多孔質炭素吸着体物品の少なくとも1つの入れ物嵌め合い構造と係合する少なくとも1つの突起を容器の内面に含む、請求項1に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項13】
前記多孔質炭素吸着体物品が、前記容器の前記内部容積内の垂直に積み重ねられたアレイ内にあり、前記突起が、前記容器の内面に沿って延び、かつ、前記垂直に積み重ねられたアレイ内の前記多孔質炭素吸着体物品上の通路と係合するように適合された少なくとも1つの長手方向リブを含む、請求項12に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項14】
前記容器が、円筒形側壁と、それに固定された上壁閉鎖部とを含み、前記上壁閉鎖部が、その中の開口部と、前記上壁閉鎖部の該開口部に配置されたバルブヘッドアセンブリとを有する、請求項1に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項15】
前記バルブヘッドアセンブリが、全開位置と全閉位置との間で移動可能なバルブ要素を備え、前記バルブ要素が、前記バルブ要素を選択的に開閉するためのアクチュエータに結合される、請求項14に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項16】
前記バルブヘッドアセンブリが、前記上壁閉鎖部の前記開口部内でねじ係合する、請求項15に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項17】
前記位置安定化構造が、パッキングを備える、請求項1に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項18】
前記パッキングが、メッシュ材料を備える、請求項17に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項19】
前記パッキングが、詰綿またはシート形態の材料を備える、請求項17に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項20】
前記詰綿またはシート形態の材料が、多孔質炭素吸着体物品の前記配置構成をラッピングする、請求項19に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項21】
前記多孔質炭素吸着体物品の配置構成が、前記物品の垂直に積み重ねられたアレイを備え、前記詰綿またはシート形態の材料が、前記垂直に積み重ねられたアレイのそれぞれの端部を覆う、請求項20に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項22】
前記位置安定化構造が、少なくとも1つの圧縮ばねを備える、請求項1に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項23】
前記圧縮ばねが、各々、圧縮力を前記多孔質炭素吸着体物品の配置構成に伝達するように配置された板部材を圧縮的に圧迫する、請求項22に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項24】
コイル形ばね、波形ばね、Oリング、ポリマークッション、複数のコイル形ばね、複数の波形ばね、および複数のポリマークッションからなる群から選択される少なくとも1つの圧縮ばねを備える、請求項22に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項25】
前記位置安定化構造が、炭素繊維布を備える、請求項1に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項26】
前記炭素繊維布が、多孔質炭素吸着体物品の前記配置構成をラッピングする、請求項25に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項27】
前記多孔質炭素吸着体物品の配置構成が、前記物品の垂直に積み重ねられたアレイを備え、前記炭素繊維布が、前記垂直に積み重ねられたアレイのそれぞれの端部を覆う、請求項26に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項28】
前記炭素繊維布が、前記垂直に積み重ねられたアレイのそれぞれの端部を越えて延び、折り曲げられてあるいは捻られて前記垂直に積み重ねられたアレイに追加の緩衝塊を提供する、請求項27に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項29】
前記位置安定化構造が、前記炭素繊維布で形成された管を備える、請求項25に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項30】
前記炭素繊維布が、流体の分配中に粒子が前記多孔質炭素吸着体物品から前記容器外へ移動することを防止するように適合されたメッシュサイズを有する、請求項25に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項31】
前記位置安定化構造が、ラッピング媒体を備える、請求項1に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項32】
前記ラッピング媒体が、炭素、ガラス繊維、金属、およびポリマーからなる群から選択される材料で形成される、請求項31に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項33】
耐熱性(refractory)芳香族硫黄含有分子をこのような化合物を含む炭化水素混合物から除去するように適合された脱硫システムであって、前記炭化水素混合物と接触するように配置され、前記化合物を前記炭化水素混合物から重量で1ppm未満のレベルまで除去するように適合された、ナノ多孔質炭素を備えるシステム。
【請求項34】
前記炭化水素混合物の供給物をさらに備え、前記炭化水素混合物が、ガソリン、ジェット燃料、ディーゼル燃料、原油、石油、並びにそれらの前駆体およびそれらの原料からなる群から選択される炭化水素供給材料を備える、請求項33に記載の脱硫システム。
【請求項35】
前記炭化水素混合物が、ガソリンおよびディーゼル燃料からなる群から選択される炭化水素供給材料を備える、請求項33に記載の脱硫システム。
【請求項36】
前記耐熱性芳香族硫黄含有分子が、ジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、および4,6−ジメチルジベンゾチオフェンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物の硫黄分子を備える、請求項33に記載の脱硫システム。
【請求項37】
前記脱硫が、高オクタンオレフィン分子を低オクタンの飽和物に転化しない、請求項33に記載の脱硫システム。
【請求項38】
前記ナノ多孔質炭素が、主に直径1nm未満の孔で構成された孔隙を有する、請求項33に記載の脱硫システム。
【請求項39】
前記ナノ多孔質炭素が、PVDCチャー材料を備える、請求項33に記載の脱硫システム。
【請求項40】
前記ナノ多孔質炭素が、約0.3から約0.72ナノメートルの範囲のサイズを有するスリット形の孔によって構成された少なくとも30%の全多孔率、および2ナノメートル未満の直径の孔を有する少なくとも20%の全多孔率を有し、嵩密度が1立方センチメートル当たり約0.80から約2.0グラムである、PVDCチャー材料を備える、請求項33に記載の脱硫システム。
【請求項41】
前記ナノ多孔質炭素が、前記炭化水素混合物のオンストリーム吸着接触と前記ナノ多孔質炭素の再生とを含む交互動作を交互に行って前記炭化水素混合物から前記耐熱性芳香族硫黄含有分子を除去するように配置された複数の床内に、別の床が前記炭化水素混合物の前記オンストリーム吸着接触を行って重量で1ppm未満の前記化合物を有する炭化水素混合物を生成する間に前記床のうちの1つを再生することを含む配置構成で設けられた、、請求項33に記載の脱硫システム。
【請求項42】
前記複数の床が、入口マニホールドおよび出口マニホールドで集配される、請求項41に記載の脱硫システム。
【請求項43】
再生を行っているナノ多孔質炭素の床から再生流体を受容するために出口マニホールドと流れ連絡で接合された蒸発器をさらに備え、前記再生流体が、脱着した耐熱性芳香族硫黄含有分子を含み、前記蒸発器が、前記再生流体から硫黄を除去した蒸気を蒸発し、かつ、硫黄が豊富な流体を生成するように適合され、前記システムが、前記炭化水素混合物のオンストリーム吸着接触を行う前記別の床へ前記硫黄を除去した蒸気を再循環するように配置された再循環流回路をさらに備える、請求項42に記載の脱硫システム。
【請求項44】
前記蒸発器から硫黄が豊富な流体を受容し、水素脱硫流体並びに水素および硫化水素の副生成物を生成ように適合された水素化脱硫反応器をさらに備える、請求項43に記載の脱硫システム。
【請求項45】
水素脱硫流体並びに水素および硫化水素の副生成物を水素化脱硫反応器から受容し、前記水素および硫化水素の副生成物を含む第1の生成物流および水素脱硫流体を含む第2の生成物流を生成するように配置された分離器をさらに備える、請求項44に記載の脱硫システム。
【請求項46】
前記水素脱硫流体を重量で1ppm未満の前記化合物の前記炭化水素混合物と混合して脱硫生成物炭化水素混合物を生成する混合器をさらに備える、請求項45に記載の脱硫システム。
【請求項47】
前記ナノ多孔質炭素が、ナノ多孔質PVDCチャー材料を含む、請求項46に記載の脱硫システム。
【請求項48】
前記脱硫生成物炭化水素混合物が、重量で1ppm未満のジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、および4,6−ジメチルジベンゾチオフェンの各々を含む、請求項47に記載の脱硫システム。
【請求項49】
前記ナノ多孔質炭素が、約0.3から約0.72ナノメートルの範囲のサイズを有するスリット形の孔によって構成された少なくとも30%の全多孔率、および2ナノメートル未満の直径の孔を有する少なくとも20%の全多孔率を有し、1立方センチメートル当たり約0.80から約2.0グラムの嵩密度である、請求項48に記載の脱硫システム。
【請求項50】
精油所に配置された、請求項49に記載の脱硫システム。
【請求項51】
多孔質炭素吸着体物品の配置構成を保持する内部容積を容器内に有する容器を含む流体貯留および分配装置を使用することを含み、さらに、多孔質炭素吸着体物品の配置構成を所定の位置に保持するように適合された位置安定化構造を前記容器内に配置することを含み、前記所定の位置で前記物品は移動しないように拘束されている、流体貯留方法。
【請求項52】
前記多孔質炭素吸着体物品の配置構成が、前記物品の積み重ねられたアレイを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記物品が、各々、ディスク形状を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記物品が、前記物品が相互に同軸上に整列された垂直に積み重ねられたアレイ内にある、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記位置安定化構造が、多孔質炭素吸着体物品の前記配置構成に圧縮力を加えることができる圧縮ばねを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記位置安定化構造が、前記圧縮ばねから前記圧縮力を受容し、前記力を多孔質炭素吸着体物品の前記配置構成と軸受接触している板部材の領域に分配するように適合された板部材をさらに備える、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記物品が、該物品が各々ディスク形状で相互に同軸上に整列された垂直に積み重ねられたアレイ内にあり、前記位置安定化構造が、前記圧縮ばねと、前記垂直に積み重ねられた物品のアレイの最も上にある物品に圧縮力を加えるように配置された板部材とを備える、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
第2の圧縮ばねと、前記垂直に積み重ねられた物品のアレイの最も下にある物品に圧縮力を加えるように配置された板部材とを設けることをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記位置安定化構造が、パッキング、取付具板、弾性圧縮要素、スクリーン、袋、吸着体物品構成、および容器の内壁構成からなる群から選択される構造を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項60】
前記位置安定化構造が、相互に構造的に係合するように形成されている前記多孔質炭素吸着体物品を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項61】
前記多孔質炭素吸着体物品が、相互に連動するように形成される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記容器の内面に、前記多孔質炭素吸着体物品の少なくとも1つの入れ物嵌め合い構造と係合する少なくとも1つの突起を設けることを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項63】
前記多孔質炭素吸着体物品が、前記容器の前記内部容積内の垂直に積み重ねられたアレイ内にあり、前記突起が、前記容器の前記内面に沿って延び、かつ、前記垂直に積み重ねられたアレイ内の前記多孔質炭素吸着体物品上の通路と係合するように適合された少なくとも1つの長手方向リブを含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記容器が、円筒形側壁とそれに固定された上壁閉鎖部とを含み、前記上壁閉鎖部が、その中の開口部と、前記上壁閉鎖部の前記開口部に配置されたバルブヘッドアセンブリとを有する、請求項51に記載の方法。
【請求項65】
前記バルブヘッドアセンブリが、全開位置と全閉位置との間で移動可能なバルブ要素を備え、前記バルブ要素が、前記バルブ要素を選択的に開閉するためのアクチュエータに結合される(coupled)、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記バルブヘッドアセンブリが、前記上壁閉鎖部の前記開口部内でねじ係合する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記位置安定化構造が、パッキングを備える、請求項51に記載の方法。
【請求項68】
前記パッキングが、メッシュ材料を備える、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記パッキングが、詰綿またはシート形態の材料を備える、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記詰綿またはシート形態の材料が、多孔質炭素吸着体物品の前記配置構成をラッピングする、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
多孔質炭素吸着体物品の前記配置構成が、前記物品の垂直に積み重ねられたアレイを備え、前記詰綿またはシート形態の材料が、前記垂直に積み重ねられたアレイのそれぞれの端部を覆う、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記位置安定化構造が、少なくとも1つの圧縮ばねを備える、請求項51に記載の方法。
【請求項73】
前記圧縮ばねの各々が、圧縮力を多孔質炭素吸着体物品の前記配置構成に伝達するように配置された板部材を圧縮的に圧迫する、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
コイル形ばね、波形ばね、Oリング、ポリマークッション、複数のコイル形ばね、複数の波形ばね、および複数のポリマークッションからなる群から選択される少なくとも1つの圧縮ばねを備える、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記位置安定化構造が、炭素繊維布を備える、請求項51に記載の方法。
【請求項76】
前記炭素繊維布が、前記多孔質炭素吸着体物品の前記配置構成をラッピングする、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
多孔質炭素吸着体物品の前記配置構成が、前記物品の垂直に積み重ねられたアレイを備え、前記炭素繊維布が、前記垂直に積み重ねられたアレイのそれぞれの端部を覆う、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記炭素繊維布が、前記垂直に積み重ねられたアレイのそれぞれの端部を越えて延び、前記垂直に積み重ねられたアレイに追加の緩衝塊を提供するために折り曲げられまたは捻られる、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記位置安定化構造が、前記炭素繊維布で形成された管を備える、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記炭素繊維布が、流体の分配中に粒子が前記多孔質炭素吸着体物品から前記容器外に移動することを防止するように適合されたメッシュサイズを有する、請求項75に記載の方法。
【請求項81】
前記位置安定化構造が、ラッピング媒体を備える、請求項51に記載の方法。
【請求項82】
前記ラッピング媒体が、炭素、ガラス繊維、金属、およびポリマーからなる群から選択される材料で形成される、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
耐熱性芳香族硫黄含有分子をこのような化合物を含む炭化水素混合物から除去する脱硫プロセスであって、前記化合物を重量で1ppm未満のレベルまで前記炭化水素混合物から除去するように適合されたナノ多孔質炭素に前記炭化水素混合物を接触させることを含む脱硫プロセス。
【請求項84】
前記炭化水素混合物を供給することをさらに含み、前記炭化水素混合物が、ガソリン、ジェット燃料、ディーゼル燃料、原油、石油、並びにそれらの前駆体および原料からなる群から選択される炭化水素供給材料を含む、請求項83に記載の脱硫プロセス。
【請求項85】
前記炭化水素混合物が、ガソリンおよびディーゼル燃料からなる群から選択される炭化水素供給材料を含む、請求項83に記載の脱硫プロセス。
【請求項86】
前記耐熱性芳香族硫黄含有分子が、ジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、および4,6−ジメチルジベンゾチオフェンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物の硫黄分子を含む、請求項83に記載の脱硫プロセス。
【請求項87】
前記脱硫が、高オクタンオレフィン分子を低オクタンの飽和物に転化しない、請求項83に記載の脱硫プロセス。
【請求項88】
前記ナノ多孔質炭素が、主に直径1nm未満の孔で構成された孔隙を有する、請求項83に記載の脱硫プロセス。
【請求項89】
前記ナノ多孔質炭素が、PVDCチャー材料を含む、請求項83に記載の脱硫プロセス。
【請求項90】
前記ナノ多孔質炭素が、約0.3から約0.72ナノメートルの範囲のサイズを有するスリット形の孔によって構成された少なくとも30%の全多孔率、および2ナノメートル未満の直径の孔を有する少なくとも20%の全多孔率を有し、嵩密度が1立方センチメートル当たり約0.80から約2.0グラムである、PVDCチャー材料を備える、請求項83に記載の脱硫プロセス。
【請求項91】
前記ナノ多孔質炭素が、前記炭化水素混合物のオンストリーム吸着接触と前記ナノ多孔質炭素の再生とを含む交互動作を交互に行って前記炭化水素混合物から前記耐熱性芳香族硫黄含有分子を除去するように配置された複数の床内に、別の床が前記炭化水素混合物の前記オンストリーム吸着接触を行って重量で1ppm未満の前記化合物を有する炭化水素混合物を生成する間に前記床のうちの1つを再生することを含む配置構成で設けられた、請求項83に記載の脱硫プロセス。
【請求項92】
前記複数の床が、入口マニホールドおよび出口マニホールドで集配される、請求項91に記載の脱硫プロセス。
【請求項93】
再生を行っているナノ多孔質炭素の床から再生流体を受容するために出口マニホールドと流れ連絡で接合された蒸発器をさらに備え、前記再生流体が、脱着した耐熱性芳香族硫黄含有分子を含み、前記蒸発器が、再生流体から硫黄を除去した蒸気を蒸発させて、硫黄が豊富な流体を生成するように適合され、前記システムが、前記炭化水素混合物のオンストリーム吸着接触を行う前記別の床へ前記硫黄を除去した蒸気を再循環するように配置された再循環流回路をさらに備える、請求項92に記載の脱硫プロセス。
【請求項94】
前記蒸発器から前記硫黄が豊富な流体を受容し、水素脱硫流体並びに水素および硫化水素の副生成物を生成するように適合された水素化脱硫反応器を設けることをさらに含む、請求項93に記載の脱硫プロセス。
【請求項95】
前記水素脱硫流体並びに水素および硫化水素の副生成物を水素化脱硫反応器から受容し、前記水素および硫化水素の副生成物を含む第1の生成物流および前記水素脱硫流体を含む第2の生成物流を生成するように配置された分離器を設けることをさらに含む、請求項94に記載の脱硫プロセス。
【請求項96】
前記水素脱硫流体を重量で1ppm未満の前記化合物を有する前記炭化水素混合物と混合して脱硫生成物炭化水素混合物を生成する混合器を設けることをさらに含む、請求項95に記載の脱硫プロセス。
【請求項97】
前記ナノ多孔質炭素が、ナノ多孔質PVDCチャー材料を含む、請求項96に記載の脱硫プロセス。
【請求項98】
前記脱硫生成物炭化水素混合物が、重量で1ppm未満のジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェンおよび4,6−ジメチルジベンゾチオフェンの各々を含む、請求項97に記載の脱硫プロセス。
【請求項99】
前記ナノ多孔質炭素が、約0.3から約0.72ナノメートルの範囲のサイズを有するスリット形の孔によって構成された少なくとも30%の全多孔率、および2ナノメートル未満の直径の孔を有する少なくとも20%の全多孔率を有し、1立方センチメートル当たり約0.80から約2.0グラムの嵩密度である、請求項98に記載の脱硫プロセス。
【請求項100】
精油所で行われる、請求項99に記載の脱硫プロセス。
【請求項101】
内部容積を有する容器と、
前記内部容積内の複数の個々の吸着体物品と、
前記個々の吸着体物品が相互に対して移動せずに位置的に安定化するように、前記個々の吸着体物品が相互に結合されるように適合された結合構造とを備え、前記結合構造が前記容器に固定される、
吸着体ベースの貯留および分配装置。
【請求項102】
前記結合構造が、前記個々の吸着体物品を通過する少なくとも1つのロッドを含み、前記ロッドが、前記容器に固定された第1の端部と、機械的締結具に結合された第2の端部とを有する、請求項101に記載の装置。
【請求項103】
前記機械的締結具が、ねじ結合を備える、請求項102に記載の装置。
【請求項104】
前記ロッドの前記第1の端部が、前記容器とねじ係合する、請求項102に記載の装置。
【請求項105】
前記容器が、前記結合構造が固定される閉鎖部材を備える、請求項102に記載の装置。
【請求項106】
前記個々の吸着体物品が、相互に結合されて、前記容器の内面に接触しない前記個々の吸着体物品のアセンブリを形成する、請求項101に記載の装置。
【請求項107】
前記個々の吸着体物品の各々がディスク形であり、前記ディスク形の物品が、前記結合構造によって結合されて、位置的に固定された前記物品の積み重ねを形成する、請求項101に記載の装置。
【請求項108】
前記ディスク形の物品が各々同じサイズを有し、前記積み重ねが円筒形である、請求項107に記載の装置。
【請求項109】
前記結合構造が、前記積み重ねの中心軸に平行な方向に前記積み重ねを通して延びるロッドを備える、請求項108に記載の装置。
【請求項110】
前記積み重ねの最も下にある吸着体物品が、該吸着体物品内にキャビティを有し、該キャビティで前記ロッドが締結具に固定される、請求項109に記載の装置。
【請求項111】
吸着体ベースの貯留および分配装置であって、
内部容積を有する容器と、
前記容器に固定された、前記内部容積内の装着部材と、
個々の吸着体物品が相互に対して移動せずに位置的に安定化するように、前記内部容積内の前記装着部材に装着された複数の個々の吸着体物品と、
を備える装置。
【請求項112】
前記装着部材がロッドを備え、前記個々の吸着体物品が該吸着体物品内に開口部を有し、前記複数の吸着体物品が前記ロッドに装着されている場合に、前記ロッドが該開口部を通過する、請求項111に記載の装置。
【請求項113】
前記装着部材が、2つ以上のロッドを備える、請求項111に記載の装置。
【請求項114】
前記装着部材が、2つのロッドを備える、請求項113に記載の装置。
【請求項115】
前記2つのロッドが、相互に対して隔置されている、請求項114に記載の装置。
【請求項116】
前記吸着体が、炭素を含む、請求項101に記載の装置。
【請求項117】
前記吸着体が、炭素を含む、請求項111に記載の装置。
【請求項118】
前記吸着体が炭素を含み、前記個々の吸着体物品が各々同じサイズおよび形状で積み重ねを形成し、前記個々の吸着体物品が前記積み重ね内で相互にずれない、請求項101に記載の装置。
【請求項119】
前記積み重ねの最も上にある個々の吸着体物品が該吸着体物品内に開口部を有し、該開口部内に粒子フィルタが少なくとも一部配置され、前記粒子フィルタが前記容器から流体を分配するためのバルブアセンブリに結合されている、請求項118に記載の装置。
【請求項120】
前記バルブアセンブリが、前記容器とねじ係合している、請求項119に記載の装置。
【請求項121】
流体分配アセンブリが、前記容器と結合している、請求項101に記載の装置。
【請求項122】
前記流体分配アセンブリが、流量調節バルブを備える、請求項121に記載の装置。
【請求項123】
前記吸着体が、該吸着体上に貯留された流体を有する、請求項101に記載の装置。
【請求項124】
前記流体が、半導体製造流体を含む、請求項123に記載の装置。
【請求項125】
前記流体分配アセンブリが、前記容器と結合する、請求項111に記載の装置。
【請求項126】
前記流体分配アセンブリが、流量調節バルブを備える、請求項125に記載の装置。
【請求項127】
前記吸着体が、該吸着体上に貯留された流体を有する、請求項111に記載の装置。
【請求項128】
前記流体が、半導体製造流体を含む、請求項127に記載の装置。
【請求項129】
前記複数の個々の吸着体物品内の少なくとも1つの個々の吸着体物品と接触するガスケットをさらに備える、請求項101に記載の装置。
【請求項130】
前記複数の個々の吸着体物品内の少なくとも1つの個々の吸着体物品と接触するガスケットをさらに備える、請求項111に記載の装置。
【請求項131】
前記複数の個々の吸着体物品内の少なくとも1つの個々の吸着体物品と接触する緩衝要素をさらに備える、請求項101に記載の装置。
【請求項132】
前記複数の個々の吸着体物品内の少なくとも1つの個々の吸着体物品と接触する緩衝要素をさらに備える、請求項111に記載の装置。
【請求項133】
前記複数の個々の吸着体物品内の少なくとも1つの個々の吸着体物品と接触する圧力分配板をさらに備える、請求項101に記載の装置。
【請求項134】
前記複数の個々の吸着体物品内の少なくとも1つの個々の吸着体物品と接触する圧力分配板をさらに備える、請求項111に記載の装置。
【請求項135】
収着貯留およびその後の分配のために流体をパッキングする方法であって、容器内に複数の個々の吸着体物品を有する容器を設けることと、前記個々の吸着体物品が相互に対して移動せずに位置的に安定化するように、結合構造によって前記個々の吸着体物品を相互に結合することと、前記結合構造を前記容器に固定することと、前記複数の個々の吸着体物品による貯留のために、前記複数の吸着体物品が収着親和性を有する流体を前記容器に導入することとを含む方法。
【請求項136】
前記個々の吸着体物品が、炭素吸着体物品を含む、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記流体が、マイクロ電子デバイス製造流体を含む、請求項135に記載の方法。
【請求項138】
前記流体が、有機金属化合物、水素化物、ハロゲン化物、および酸性ガスからなる群から選択される流体種を含む、請求項135に記載の方法。
【請求項139】
吸着状態でシランガスを保持する内部容積を有する容器を備える赤外線放射デバイスであって、前記容器が、前記容器の周囲環境から前記内部容積内への酸素の選択的進入を可能にする酸素選択透過要素と、前記デバイスの赤外線放射率を向上するように適合された前記容器の内部容積内の絶縁性媒体とを含むデバイス。
【請求項140】
前記シランガスが、炭素吸着体上に吸着状態で保持される、請求項139に記載のデバイス。
【請求項141】
前記炭素吸着体が、モノリシック形態である、請求項140に記載のデバイス。
【請求項142】
前記絶縁性媒体が、シリカベースのエーロゲル断熱材を含む、請求項139に記載のデバイス。
【請求項143】
前記シランガスが、大気の常態値より低い圧力で前記内部容積内で保持される、請求項139に記載のデバイス。
【請求項144】
前記酸素選択透過要素が、酸素選択透過膜を含む、請求項139に記載のデバイス。
【請求項145】
前記容器が、内部容積内に反射性要素を含み、前記反射性要素が、熱伝導性熱損失を低減し、放射率を制御するように適合された、請求項139に記載のデバイス。
【請求項146】
十分なシランガスを保持し、赤外線放射識別特性を少なくとも5日間生成するのに十分な酸素の進入を可能にする、請求項139に記載のデバイス。
【請求項147】
十分なシランガスを保持し、赤外線放射識別特性を少なくとも10日間生成するのに十分な酸素の進入を可能にする、請求項139に記載のデバイス。
【請求項148】
十分なシランガスを保持し、赤外線放射識別特性を少なくとも15日間生成するのに十分な酸素の進入を可能にする、請求項139に記載のデバイス。
【請求項149】
前記容器が、プラスチック材料で形成される、請求項139に記載のデバイス。
【請求項150】
前記容器が、ガラス材料で形成される、請求項139に記載のデバイス。
【請求項151】
酸素を酸素選択透過要素に透過させることと、該透過酸素を吸着状態で保持されたシランと反応させ、それによって放射識別特性を生成することとを含む、拡張赤外線放射識別特性を生成する方法。
【請求項152】
前記浸透した酸素およびシランが、吸着した前記シランを有する吸着体を保持する容器内で反応する、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
前記吸着体が、炭素吸着体を含む、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記容器が、前記シランと透過酸素との反応から得られる赤外線放射率を向上するように適合された絶縁性媒体を保持する、請求項152に記載の方法。
【請求項155】
前記吸着体が、モノリシック形態の炭素吸着体を含む、請求項154に記載の方法。
【請求項156】
炭素吸着体を保持する流体貯留および分配容器と、流体を分配条件下で前記容器から分配する分配アセンブリと、炭素吸着体を抵抗および/または誘導加熱するために炭素吸着体に電気エネルギーを投入して該炭素吸着体からの流体の脱着を行うように適合された電力アセンブリとを備える、流体貯留および分配装置。
【請求項157】
前記電力アセンブリが、電気エネルギーを前記炭素吸着体に伝達するように適合された少なくとも1つの電極を備える、請求項156に記載の装置。
【請求項158】
前記容器が、炭素吸着体物品の積み重ねられたアレイを保持する、請求項156に記載の装置。
【請求項159】
前記電力アセンブリが、前記炭素吸着体物品と接触するように配置された電極を備える、請求項156に記載の装置。
【請求項160】
前記電力アセンブリが、導電性材料を備えた容器と結合した送電線を備える、請求項159に記載の装置。
【請求項161】
前記導電性材料が、金属を含む、請求項160に記載の装置。
【請求項162】
前記金属が、鋼、合金鉄、アルミニウム、およびチタンからなる群から選択される材料を含む、請求項160に記載の装置。
【請求項163】
前記電力アセンブリが、前記炭素吸着体と接触している複数の電極を含む、請求項156に記載の装置。
【請求項164】
前記炭素吸着体が、延長した構成を有する、請求項156に記載の装置。
【請求項165】
前記延長した構成が、前記炭素吸着体の螺旋構成を備える、請求項164に記載の装置。
【請求項166】
前記延長した構成の炭素吸着体が、そのそれぞれの端部で前記電力アセンブリと結合する、請求項164に記載の装置。
【請求項167】
前記電力アセンブリが、電源を含み、前記炭素吸着体が、電力供給線によって前記電源と結合する、請求項166に記載の装置。
【請求項168】
前記電源が、前記炭素吸着体に着脱式に結合するように配置される、請求項167に記載の装置。
【請求項169】
前記電力アセンブリが、前記炭素吸着体を回路の抵抗要素として含むホイートストンブリッジ回路を備える、請求項156に記載の装置。
【請求項170】
前記電力アセンブリが、無線周波電源を備える、請求項156に記載の装置。
【請求項171】
前記電力アセンブリが、前記炭素吸着体を誘導加熱するように配置される、請求項156に記載の装置。
【請求項172】
前記電力アセンブリが、前記炭素吸着体を誘導抵抗加熱するために、前記容器の少なくとも一部を非接触状態で囲むように配置されるコイルを含む、請求項171に記載の装置。
【請求項173】
前記電力アセンブリが、前記容器内の第1の変圧器巻線と、前記容器の外側の第2の変圧器巻線とを備え、前記第1および第2の変圧器巻線が、相互に誘導結合する、請求項171に記載の装置。
【請求項174】
前記第2の変圧器巻線が、交流電源と結合する、請求項173に記載の装置。
【請求項175】
前記電力アセンブリが、前記容器内に配置されその外側に延びる電極と、前記容器と接触する電気接続部とを備え、前記容器が、金属材料を含む、請求項156に記載の装置。
【請求項176】
前記電気接続部および前記電極の外側部分が、電源と結合する、請求項175に記載の装置。
【請求項177】
炭素吸着体からの流体の脱着を含む炭素吸着体からの流体の分配方法であって、前記炭素吸着体の抵抗および/または誘導加熱を行うために電気エネルギーを前記炭素吸着体に投入することを含む方法。
【請求項178】
前記吸着体が、容器に格納され、前記容器が、分配条件下で前記容器から流体を選択的に分配するように適合された、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
前記投入することが、前記炭素吸着体と接触する少なくとも1つの電極によって抵抗加熱することを含む、請求項178に記載の方法。
【請求項180】
前記投入することが、前記炭素吸着体から残留流体を脱着するように制御可能に調整される、請求項178に記載の方法。
【請求項181】
前記調整して投入することが、前記炭素吸着体またはそこから脱着した流体の状態のモニタリングに応答して行われる、請求項180に記載の方法。
【請求項182】
前記状態が、前記炭素吸着体の温度を含む、請求項182に記載の方法。
【請求項183】
前記状態が、脱着した流体の圧力を含む、請求項182に記載の方法。
【請求項184】
前記炭素吸着体が、延長した構成内にある、請求項178に記載の方法。
【請求項185】
前記延長した構成が、螺旋構成を含む、請求項184に記載の方法。
【請求項186】
前記投入することが、前記炭素吸着体を誘導加熱することを含む、請求項178に記載の方法。
【請求項187】
前記誘導加熱することが、第2の変圧器巻線と誘導結合した第1の変圧器巻線から前記炭素吸着体内に渦電流を誘導することを含み、前記第2の変圧器巻線が交流電源と結合される、請求項187に記載の方法。
【請求項188】
前記投入することが、無線周波電源を使用することを含む、請求項187に記載の方法。
【請求項189】
前記投入することが、前記炭素吸着体を囲むコイルに交流電流を通すことを含む、請求項187に記載の方法。
【請求項190】
前記炭素吸着体が、前記コイル内に配置された容器に格納される、請求項189に記載の方法。
【請求項191】
前記投入することが、炭素吸着体を抵抗加熱することを含み、前記炭素吸着体が、ホイートストンブリッジアセンブリの抵抗を含む、請求項178に記載の方法。
【請求項192】
吸着した流体を有する炭素吸着体を含む容器内の吸着した流体のヒールを低減する方法であって、前記炭素吸着体を抵抗加熱および/または誘導加熱するために前記炭素吸着体に電気エネルギーを投入して、前記炭素吸着体からのヒール流体の脱着を行うことを含む方法。
【請求項193】
脱着したヒール流体を流体利用プロセスで使用することをさらに含む、請求項192に記載の方法。
【請求項194】
前記流体利用プロセスが、マイクロ電子デバイス製造プロセスを含む、請求項193に記載の方法。
【請求項195】
前記マイクロ電子デバイス製造プロセスが、イオン注入を含む、請求項194に記載の方法。
【請求項196】
前記炭素吸着体が、活性炭吸着体を備える、請求項193に記載の方法。
【請求項197】
活性炭に吸着状態で流体を提供することと、前記活性炭から流体を選択的に分配することと、所定の量の残留流体が前記炭素吸着体に吸着したままであるとき、前記吸着体を電気的に加熱して、前記炭素吸着体の抵抗加熱および/または誘導加熱によって前記残留流体の除去を行うこととを含む流体送出方法。
【請求項198】
前記除去した残留流体を使用してマイクロ電子デバイスを製造することをさらに含む、請求項197に記載の方法。
【請求項199】
前記炭素吸着体が、流体貯留および分配容器内に格納される、請求項198に記載の方法。
【請求項200】
請求項156に記載の装置を備える半導体製造施設。
【請求項201】
前記施設が、前記炭素吸着体から脱着した流体を受容するように配置されるイオン注入装置を備える、請求項200に記載の施設。
【請求項202】
請求項156に記載の装置と、前記炭素吸着体から脱着した流体を受容するように適合された流体利用装置とを備える流体利用プロセスシステム。
【請求項203】
前記炭素吸着体に吸着した流体を含む、請求項156に記載の装置。
【請求項204】
前記流体が、マイクロ電子デバイス製造流体を含む、請求項203に記載の装置。
【請求項205】
前記マイクロ電子デバイス製造流体が、アルシン、ホスフィン、アンモニア、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、ジボラン、有機金属種、三フッ化窒素、および塩化水素からなる群から選択される流体を含む、請求項204に記載の装置。
【請求項206】
前記流体が、マイクロ電子デバイス製造流体を含む、請求項178に記載の方法。
【請求項207】
前記マイクロ電子デバイス製造流体が、アルシン、ホスフィン、アンモニア、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、ジボラン、有機金属種、三フッ化窒素、および塩化水素からなる群から選択される流体からなる、請求項206に記載の方法。
【請求項208】
多孔質炭素吸着体の充填能力を増加させる方法であって、
水蒸気を炭素吸着体に吸着させることと、
1平方インチ当たり100から500ポンドの範囲の圧力で前記炭素吸着体を不活性ガスと接触させることと、
真空下で前記不活性ガスを除去することと、吸着した水蒸気を含む前記炭素吸着体を100℃から300℃の範囲の温度まで加熱することとを含む方法。
【請求項209】
前記不活性ガスが、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、およびキセノンの少なくとも1つを含む、請求項208に記載の方法。
【請求項210】
前記不活性ガスが、ヘリウムを含む、請求項209に記載の方法。
【請求項211】
前記炭素吸着体が、嵩高いモノリシック形態である、請求項209に記載の方法。
【請求項212】
前記嵩高いモノリシック形態が、前記炭素吸着体のディスクを含む、請求項211に記載の方法。
【請求項213】
前記ディスクが、積み重ねられたアレイ内にある、請求項212に記載の方法。
【請求項214】
前記炭素吸着体が、流体貯留および分配容器内にある、請求項208に記載の方法。
【請求項215】
前記流体貯留および分配容器が、バルブヘッドアセンブリを有する、請求項214に記載の方法。
【請求項216】
前記炭素吸着体が、ハロゲンガス種を含むガスについて増加した充填能力を有する、請求項208に記載の方法。
【請求項217】
前記ハロゲンガス種が、三フッ化ホウ素、ジボラン、三塩化ホウ素、三フッ化リン、五フッ化砒素、四塩化珪素、および四フッ化ゲルマニウムからなる群から選択されるガス種を含む、請求項216に記載の方法。
【請求項218】
前記ハロゲンガス種が、三フッ化ホウ素を含む、請求項216に記載の方法。
【請求項219】
多孔質炭素吸着体を含む容器を備え、前記炭素吸着体上で流体を貯留し、前記容器から流体を分配するように適合された流体貯留および分配装置であって、前記炭素吸着体が、
水蒸気を前記炭素吸着体に吸着させることと、
1平方インチ当たり100から500ポンドの範囲の圧力で前記炭素吸着体を不活性ガスと接触させることと、
真空下で前記不活性ガスを除去した後に、吸着した水蒸気を含む前記炭素吸着体を100℃から300℃の範囲の温度まで加熱することと
を含む前処理方法によって前処理されている、流体貯留および分配装置。
【請求項220】
前記容器に固定されたバルブヘッドアセンブリを備える、請求項219に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項221】
三フッ化ホウ素、ジボラン、三塩化ホウ素、三フッ化リン、五フッ化砒素、四塩化珪素、および四フッ化ゲルマニウムからなる群から選択される流体種を含む流体を含む、請求項219に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項222】
三フッ化ホウ素を含む、請求項289に記載の流体貯留および分配装置。
【請求項223】
多孔質炭素吸着体の充填能力を増加させる方法であって、前記炭素吸着体を膨張剤と接触させ、続いて前記炭素吸着体を加圧したガス状浸透剤と接触させ、続いて前記膨張剤および前記浸透剤を除去することを含む方法。
【請求項224】
前記除去することが、前記多孔質炭素の孔から前記膨張剤および前記浸透剤を真空抽出することを含む、請求項223に記載の方法。
【請求項225】
前記除去することが、前記多孔質炭素を加熱して、該多孔質炭素内の残留した膨張剤および浸透剤のいずれも揮発させることを含む、請求項223に記載の方法。
【請求項226】
前記膨張剤が、水、エーテル、およびアルコールからなる群から選択される作用物質を含む、請求項223に記載の方法。
【請求項227】
前記浸透剤が、不活性ガスを含む、請求項223に記載の方法。
【請求項228】
前記浸透剤が、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、およびネオンからなる群から選択される作用物質を含む、請求項223に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−525180(P2009−525180A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553459(P2008−553459)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/061255
【国際公開番号】WO2007/090104
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】