説明

流動層反応器

【課題】 シリコン析出のために十分な熱と流動ガスとを均一に供給することができ,多結晶シリコンの大量生産が可能であり、組み立て、設置及びメンテナンスが容易な流動層反応器を提供する。
【解決手段】 反応管と、独立的に制御して流動ガスを前記反応管の内部に供給する流動ガス供給部と、前記反応管の内部に反応ガスを供給する反応ガス供給部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動層反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
高純度多結晶シリコンは、半導体素子または太陽電池に用いられることのできる素材として広く使われている。このような多結晶シリコンを製造するために、シリコンを含む反応ガスの熱分解及び水素還元反応でシリコンを析出させるシリコン析出方法が利用されている。
【0003】
多結晶シリコンの大量生産のためには、実験室で用いられる流動層反応器に比べて大きさと高さとが大きい流動層反応器が必要である。したがって、多結晶シリコンが量産できる流動層反応器は、重量が非常に重く体積も大きいため、流動層反応器の組み立て、設置及びメンテナンスが困難である。
【0004】
これによって、組み立て、設置及びメンテナンスが容易であり、かつ多結晶シリコンの大量生産が可能である流動層反応器に関する研究が活発に行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、シリコン析出のために十分な熱と流動ガスとを均一に供給することができる流動層反応器を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、多結晶シリコンの大量生産が可能であり、組み立て、設置及びメンテナンスが容易な流動層反応器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による他の流動層反応器は、反応管と、独立的に制御して流動ガスを前記反応管の内部に供給する流動ガス供給部と、前記反応管の内部に反応ガスを供給する反応ガス供給部と、を含む。
【0008】
前記流動ガス供給部の個数は、複数個であることができる。前記流動ガス供給部のそれぞれによって前記反応管の内部に供給される流動ガスの量は、同一であるか異なることができる。
【0009】
前記流動ガス供給部は、外部から流動ガスが流入される流動ガス流入部と、前記流動ガス流入部の一側と連結された流動ガスチャンネルと、前記流動ガスチャンネルと連結された複数の流動ガスノズルと、を含み、前記複数の流動ガスノズルの出口の面積は、互いに同一であることができる。
【0010】
前記流動ガスチャンネルの全体体積は、前記流動ガス流入部の全体体積より大きいか同一であることができる。
【0011】
前記流動ガスチャンネルが内部に配置される基底プレートをさらに含むことができる。
【0012】
前記複数の流動ガスノズルは、前記基底プレートの全領域にわたって均一に配置されることができる。
【0013】
前記基底プレート領域は、複数個に分けられ、各領域に配置された前記流動ガスノズルの個数は、互いに同一であることができる。
【0014】
前記基底プレート領域のそれぞれに対応されて前記基底プレートの内部に配置された前記流動ガスチャンネルをさらに含み、前記流動ガスチャンネルは、それぞれ、前記複数の流動ガスノズルと連結されることができる。
【0015】
前記流動ガスチャンネルは、それぞれ、互いに同一の体積を有することができる。
【0016】
前記流動ガス流入部と前記流動ガスチャンネルとは、複数個で互いにそれぞれ対応されて連結され、前記流動ガスチャンネルのそれぞれに連結された流動ガスノズルの個数は、互いに同一であることができる。
【0017】
前記流動ガスチャンネルそれぞれの体積は、互いに同一であることができる。
【0018】
前記流動ガス流入部の入口の面積は、前記流動ガスノズルの出口の面積より大きいか同一であることができる。
【0019】
前記流動ガス流入部の個数は、複数個であることができる。
【0020】
前記流動ガス流入部の個数は、単一個あるいは複数個であり、前記各流動ガス流入部と連通されて連結された前記流動ガスノズルの個数は、少なくとも1つ以上であることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、流動層反応器の組み立て、設置及びメンテナンスなどが容易であり、組み立ての過程に伴う反応管内への球形石英ビーズの充填の際に、目視でその状態を確認しながら充填を容易に行うことができるという効果がある。
【0022】
また、本発明は、流動層反応器の底面部を多層のプレートで構成して多結晶シリコンの汚染を防止することができ、組み立て、設置及びメンテナンスを容易に行うことができるという効果がある。
【0023】
また、本発明は、石英プレートを多層で構成し、それぞれのプレート内でも各プレートを構成する断片の境界部を互いにずれるように配置し、製造される多結晶シリコンの汚染を防止し、組み立て、設置及びメンテナンスを簡単に行うことができるという効果がある。
【0024】
また、本発明は、流動層反応器の高圧反応の途中に流動ガス供給ノズルが圧力に耐えられず離脱する事故を防止して流動層反応器の安定した運転が可能である。また、本発明は、流動層反応器の反応管の内部を加熱するために設けられるヒーターを流動層反応器の底面部に予め着設した固定部に嵌め込んで組み立てることができるため、組み立て、設置及びメンテナンスが非常に簡単であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態による流動層反応器を示す。
【図2】本発明の実施形態による多結晶シリコン製造装置のプレートの一例を示した図である。
【図3】本発明の実施形態による多結晶シリコン製造装置のプレートの他の例を示した図である。
【図4a】本発明の実施形態による流動層反応器の流動ガス供給部の平面図である。
【図4b】本発明の実施形態による流動層反応器の流動ガス供給部の平面図である。
【図5】本発明の実施形態による流動層反応器の流動ガス供給部の組み立て構造を示す。
【図6】本発明の実施形態による流動層反応器の流動ガス供給ノズルの多様な変形例を示す。
【図7a】本発明の実施形態による第1反応管と第2反応管との連結構造を示す。
【図7b】本発明の実施形態による第1反応管と第2反応管との連結構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照し、本発明による望ましい実施形態を詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態による流動層反応器を示す。示されたように、本発明の実施形態による流動層反応器500は、ヘッド100と、第1ボディ部200と、第2ボディ部300と、底面部400とを含む。
【0028】
ヘッド100は、第1ボディ部200と連結され、第1ボディ部200の第1反応管250の直径より大きい直径を有する。流動層反応器500内のガス及び微細粒子が第1反応管250からヘッド100を通る際に直径増加によってガス及び微細粒子の流速が減少する。これによって、排出されるガスあるいは微細粒子の後処理負担が減ることができる。
【0029】
ヘッド100の内壁は、高温で変形しにくい無機材料からなることができる。例えば、ヘッド100の内壁は、石英、シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、炭化ケイ素、黒鉛、シリコン、ガラス質炭素のうち、少なくとも1つからなることができる。
【0030】
また、ヘッド100の外壁に対する冷却が可能な場合、ヘッド100の内壁に有機高分子を利用したコーティングまたはライニングのうち、少なくとも1つが行われることができる。
【0031】
ヘッド100の内壁が、炭化ケイ素、黒鉛、ガラス質炭素のような炭素含有材料からなった場合、多結晶シリコンが炭素不純物によって汚染される恐れがあるため、多結晶シリコンが接触できるヘッド100の内壁は、シリコン、シリカ、石英、窒化ケイ素などのような材料でコーティングまたはライニングされることができる。
【0032】
例えば、ヘッド100は、複数の部分ヘッド100a、100bを含み、第1部分ヘッド100aの内面にライニング膜150が位置することができる。
【0033】
第1ボディ部200は、ヘッド100の下に位置してヘッド100と連結され、多結晶シリコン析出反応が起きる空間を提供する。
【0034】
第2ボディ部300は、第1ボディ部200の下に位置して第1ボディ部200と連結され、第1ボディ部200とともに多結晶シリコン析出反応または加熱反応のうち、少なくとも1つが起きる空間を提供する。
【0035】
このような、第1ボディ部200と第2ボディ部300とは、独立的に別々になって互いに結合されて反応空間を提供するが、第1ボディ部200と第2ボディ部300とが、1つのボディからなる一体型で作られることができる。
【0036】
底面部400は、第2ボディ部300の下に位置して第2ボディ部300と連結され、多結晶シリコン析出のための各種ノズル600、650、ヒーター700、電極800などが組み立てられる。
【0037】
このとき、ヘッド100と、第1ボディ部200と、第2ボディ部300とは、炭素鋼、ステンレス鋼、その他合金鋼などの機械強度に優れ、加工の容易な金属材料からなることができる。このような材質からなる第1ボディ部200及び第2ボディ部300の保護膜は、金属、有機高分子、セラミックス、または石英などからなることができる。
【0038】
ヘッド100と第1ボディ部200と第2ボディ部300との組み立ての際、反応器の内部を外部空間から遮断するためにガスキット(gasket)またはシーリング材(sealing material)が利用されることができる。第1ボディ部200と第2ボディ部300とは、円筒状パイプ、フランジ、チューブ及びフィッティング(fitting)、板(plate)、円錐、楕円または二重壁の間に冷却媒体が流れるジャケット(jacket)などのように、多様な形態を有することができる。
【0039】
また、ヘッド100と、第1ボディ部200と、第2ボディ部300とが金属材質からなった場合、その内部表面に保護膜がコーティングされるか、保護管または保護壁が追加で設けられることができる。保護膜、保護管または保護壁は、金属材質からなることができるが、反応器内部の汚染を防ぐために有機高分子、セラミックス、石英などのような非金属材料がコーティングまたはライニングされることができる。
【0040】
第1ボディ部200と第2ボディ部300とは、熱膨脹防止、作業者保護、その他事故防止などの目的で、水、オイル、ガス、空気などのような冷却流体によって一定温度範囲以下に維持されることができる。冷却が必要な第1ボディ部200と第2ボディ部300との要素の内部あるいは外壁に、冷却流体の循環が可能となるように製作されることができる。
【0041】
一方、第1ボディ部200と第2ボディ部300との外部表面に、作業者保護及び過多な熱損失防止のために断熱材が設けられることができる。
【0042】
上述のように、多結晶シリコンの大量生産のために流動層反応器の大きさ及び高さが増加する場合、流動層反応器の組み立て、設置及びメンテナンスが困難である。すなわち、流動層反応器が大きく高さが高く重量が重い1つのボディ部と反応管とを含む場合、流動層反応器の組み立て、設置及びメンテナンスの際にボディ部の取り扱いが困難になり、ボディ部とノズルや反応管とがぶつかって破損されることがある。一方に、本発明の実施形態による流動層反応器は、複数のボディ部200、300と反応管250、350とを含むため、流動層反応器の組み立て、設置及びメンテナンスが容易に行われることができる。
【0043】
次に、本発明の実施形態による流動層反応器の組み立て過程について詳細に説明する。
【0044】
第1反応管250は、第1ボディ部200に挿入される。第2ボディ部300の中に第2反応管350が挿入され、第2ボディ部300の下端を密閉するための底面部400に各種ノズル600、650と電極800とヒーター700とが組み立てられる。第2反応管350が挿入された第2ボディ部300に底面部400が連結される。以後、第1ボディ部200と第2ボディ部300とが互いに連結され、延長ヘッド100が第1ボディ部200に連結される。
【0045】
底面部400に組み立てられる各種ガス供給部は、流動ガス供給部600と反応ガス供給部650とを含むことができる。
【0046】
第1反応管250と第2反応管350とは、チューブ形状や、チューブ、円錐及び楕円部分を含む形状を有することができる。第1反応管250と第2反応管350との端の部分は、フランジ形で加工されることができる。第1反応管250と第2反応管350とは、複数の部分からなることができ、このような部分の一部が、第1ボディ部200及び第2ボディ部300の内壁面にライナー(liner)のような形態で設けられることもできる。
【0047】
第1反応管250と第2反応管350との材質は、高温で変形しにくい無機材料からなることができ、石英、シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、イットリア、炭化ケイ素、黒鉛、シリコン、ガラス質炭素、またはこのような材料が混合した複合体などのような無機材料からなることができる。
【0048】
第1反応管250と第2反応管350とが炭化ケイ素、黒鉛、ガラス質炭素などの炭素含有材質からなった場合、炭素含有材質は多結晶シリコンを汚染させる恐れがあるため、多結晶シリコンが接触できる反応管の内壁面は、シリコン、シリカ、石英、窒化ケイ素などでコーティングまたはライニングされることができる。
【0049】
流動ガス供給部600は、反応管内のシリコン粒子を流動させる流動ガスを供給する。反応管内に位置するシリコン粒子の一部または全部は、流動ガスによって流動する。このとき、流動ガスは、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、塩化水素(HCl)、四塩化シラン(SiCl)のうち少なくとも1つを含むことができる。流動ガス供給部600は、反応管として用いられることができる無機材質成分からなったチューブ、ライナーまたは成型品であることができる。
【0050】
このような流動ガス供給部600は、流動ガス流入部640と、流動ガスノズル620と、流動ガスチャンネル630とを含むことができる。流動ガスチャンネルの一側は、流動ガス流入口の他側と連結され、流動ガスチャンネルの他側は、流動ガスノズルの一側と連結される。
【0051】
これによって、流動ガス供給部の流動ガス流入部640が外部から流動ガスを流入して流動ガスチャンネル630に供給し、流動ガスノズル620は、流動ガスチャンネル630に満たされた流動ガスを反応管100の内部に供給する。このとき、流動ガスチャンネル630の全体体積は、流動ガス流入部の全体体積より大きいか同一であり、流動ガスチャンネルは、外部から流入された流動ガスが満たされる空間として、後述する基底プレート410の内部に形成されることができる。
【0052】
また、図面には示されていないが、流動ガス供給部600は、流動ガスチャンネル630の代りに流動ガスチューブを含むこともできる。すなわち、流動ガス流入部640は、外部から流入された流動ガスを流動ガスチューブに供給し、流動ガスノズル620は、流動ガスチューブに満たされた流動ガスを反応管250の内部に供給することもできる。このとき、流動ガスチューブは、外部から流入された流動ガスが満たされる空間として、基底プレートの内部に形成されることもできる。
【0053】
一方、流動ガス流入部640と流動ガスノズル620との間に流動ガスチャンネル630または流動ガスチューブが位置することは、流動ガスチャンネルと連結された流動ガスノズル620が供給する流動ガスの流量を互いに均一にするためである。
【0054】
すなわち、多結晶シリコン製品の大量生産のためには、流動層反応器が大きくなければならない。これによって、反応管100の内部の面積も大きくなる。反応管100の内部の面積が増加すると、流動ガスの供給も増加しなければならないため、流動ガスノズル620の個数も増加する。
【0055】
このように、流動層反応器の大きさが大きくなる場合、流動ガスノズル620は反応管100の内部に流動ガスを均一に供給しなければならない。流動ガスの供給が均一ではない場合、シリコン流動層の流動が不安定であり、流動ガスによる熱の伝達が均一ではないため、シリコン析出反応が不安定に行われる。
【0056】
したがって、流動ガスの均一な供給は、シリコン析出のための熱を反応管100の内部に均一に伝達するだけでなく、シリコン流動層の流動を安定的になるようにする。
【0057】
流動ガスノズル620が反応管100の内部に流動ガスを均一に供給するために、流動ガスノズルと空間的に連結された流動ガスチャンネル630または流動ガスチューブに流動ガスが満たされる。
【0058】
流動ガス流入部640を通して流入される流動ガスの流量が流動ガスノズル620を通して放出される流動ガスの流量より大きいか同一である場合、流動ガスチャンネル630または流動ガスチューブに流動ガスが均一に分布するようになるため、流動ガスノズル620を通して放出される流量が均一になる。このとき、流動ガスノズルの出口の面積は、互いに同一であることが望ましい。
【0059】
本発明の実施形態においては、流動ガス流入部640を通して流入される流動ガスの流量が流動ガスノズル620を通して放出される流動ガスの流量より大きいか同一であるようにするために、流動ガス流入部及び流動ガスチャンネルと連結された領域での流動ガス流入部の出口の面積D1は、流動ガスノズルの出口の面積D2の和より大きいことができる。一方、本発明の実施形態においては、流動ガス流入部は、流動ガスチャンネルによって流動ガスノズルと連結されるが、流動ガス流入部は、流動ガスチャンネルを通さず、流動ガスノズルと直接連結され、外部から流動ガスの供給を受けて反応管の内部に流動ガスを提供することができる。
【0060】
反応ガス供給部650は、シリコン粒子層にシリコン元素を含む反応ガスを供給する。反応ガスは、多結晶シリコンの析出に用いられる原料ガスとしてシリコン元素成分を含む。反応ガスは、モノシラン(SiH)、ジシラン(disilane:Si)、高次シラン(Si2n+2、nは3以上の自然数)、二塩化シラン(DCS:SiHCl)、三塩化シラン(TCS:SiHCl)、四塩化シラン(STC:SiCl)、ジブロモシラン(SiHBr)、トリブロモシラン(SiHBr)、silicontetrabromide(SiBr)、diiodosilane(SiH)、triiodosilane(SiHI)、silicontetraiodide(SiI)のうち少なくとも1つを含むことができる。このとき、反応ガスは、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、または塩化水素のうち少なくとも1つをさらに含むことができる。反応ガスの供給によって、0.1〜2mm程度の多結晶シリコン種粒子の表面に多結晶シリコンが析出され、多結晶シリコン種粒子の大きさが増加する。多結晶シリコン種粒子の大きさが一定程度増加すると、流動層反応器の外部に放出される。
【0061】
ヒーター700は、流動層反応器500の内部に、多結晶シリコン粒子の表面でシリコン析出反応が起きるための熱を供給する。実施形態において、シリコン析出反応のために反応管250の内部において熱が供給されるが、反応管250の外部から反応管250の内部に供給された熱によってシリコン析出反応が起きることもできる。ヒーター700は、抵抗体を含み、電気の供給を受けることによって熱を供給することができる。ヒーター700は、グラパイト(graphite)、炭化ケイ素のようなセラミックス、または金属材質のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0062】
各ガス供給部600、650、すなわち、各種ノズル、電極800及びヒーター700などは、底面部400を構成するプレート410乃至440とともに組み立てられる。示されたように、本発明の実施形態による底面部400は、基底プレート410と、第1乃至第3プレート420、430、440とを含む。
【0063】
基底プレート410は第2ボディ部300と連結され、流動ガス供給部及び反応ガス供給部と組み立てられる。基底プレート410は、炭素鋼、ステンレス鋼、その他合金鋼などの機械強度に優れ、加工の容易な金属材料からなることができる。第1プレート420は、基底プレート410上に位置し、基底プレート410を絶縁させる。これによって、第1プレート420は、クオーツ(quartz)のように高温で耐えることができ、絶縁性を持ちながらも析出される多結晶シリコンを汚染させない物質からなることができる。第1プレート420は、クオーツの以外に窒化ケイ素、アルミナ、イットリアなどの高温での耐熱性を有するセラミックス物質からなることができ、場合によってはこのようなセラミックス物質で第1プレート420の表面がコーティングまたはライニングされることができる。
【0064】
第2プレート430は、第1プレート420上に位置し、ヒーター700と接触してヒーター700に電気を供給する。これによって、第2プレート430は、グラパイト、シリコンカーバイドがコーティングされたグラパイト、シリコンカーバイド、窒化ケイ素がコーティングされたグラパイトのような導電性物質からなることができる。基底プレート410と第2プレート430との間には絶縁特性を有している第1プレート420が位置するため、基底プレート410と第2プレート430とは互いに絶縁される。第2プレート430がヒーター700と接触するため、第2プレート430で熱が発生することがあるが、第2プレート430で電流の流れる断面積がヒーター700に比べて非常に大きいため、第2プレート430で発生する熱はヒーター700で発生する熱に比べて非常に小さい。また、第2プレート430で発生する接触抵抗による熱発生を減らすために軟性に優れたグラパイトシート(sheet)が第2プレート430とヒーター700との間に挿入されることもできる。
【0065】
基底プレート410と第2プレート430とが導電性を有する場合、基底プレート410と第2プレート430との接触によって基底プレート410に流れる漏洩電流が発生することがある。これによって、示されたように、基底プレート410と第2プレート430との端は、所定距離ほど離隔されている。
【0066】
すなわち、第1プレート420には第2プレート430が装着されることができる溝が形成されることができる。例えば、第1プレート420には第2プレート430の長さLと同一であるか大きい溝が形成され、第2プレート430が第1プレート420の溝の中に装着されることができる。これによって、基底プレート410と第2プレート430との端の間に第1プレート420の一部分が位置することができるため、基底プレート410と第2プレート430との間の絶縁が維持されることができる。
【0067】
示されたように、第1プレート420によって基底プレート410と第2プレート430とが絶縁されることができ、第2プレート430の周りを囲む絶縁リング900が設けられることによって基底プレート410と第2プレート430とが絶縁されることもできる。このとき、絶縁リング900は、クオーツ、セラミックスからなることができる。
【0068】
第3プレート440は、第2プレート430上に位置し、第1反応管250及び第2反応管350の内部で析出された多結晶シリコンが第2プレート430によって汚染されることを防止する。これによって、第3プレート440は、高温で変形しにくい無機材料からなることができ、石英、シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、炭化ケイ素、黒鉛、シリコン、ガラス質炭素、またはこのような材料が混合した複合体などのような無機材料からなることができる。第3プレート440が炭化ケイ素、黒鉛、ガラス質炭素などの炭素含有材質からなった場合、炭素含有材質は多結晶シリコンを汚染させる恐れがあるため、第3プレート440の表面は、シリコン、シリカ、石英、窒化ケイ素などでコーティングまたはライニングされることができる。
【0069】
また、底面部400の第2プレート430と第3プレート440とは1つのボディではなく複数個の断片を含むため、流動層反応器の組み立て、設置及びメンテナンスが容易になる。すなわち、多結晶シリコンの大量生産のための流動層反応器の大きさが増加するため、第2プレート430と第3プレート440とが1つのボディからなった場合、流動層反応器の組み立て、設置及びメンテナンスが困難になる恐れがある。
【0070】
例えば、図2に示されたように、第3プレート440は、同心円方向と直径方向に切られた断片で構成されることができる。また、図3に示されたように、第3プレート440は、大きさの異なるリング形態の断片で構成されることができる。
【0071】
本発明の実施形態による流動層反応器のプレートとヒーターとの組み立て構造は、基底プレート410と、第1プレート420と、第2プレート430と、第3プレート440とを貫通する固定手段によって、基底プレート410と、第1プレート420と、第2プレート430と、第3プレート440とが固定されることができる。
【0072】
底面部400に含まれた複数のプレート410乃至440は、複数のプレート410乃至440を貫通する固定手段によって固定される。このような固定手段は、第1反応管250及び第2反応管350の内部で形成される多結晶シリコンの汚染を防止するために、高温で変形しにくい無機材料からなることができ、石英、シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、シリコン、またはこのような材料が混合した複合体などのような無機材料からなることができる。固定手段が炭化ケイ素、黒鉛、ガラス質炭素などの炭素含有材質からなった場合、炭素含有材質による多結晶シリコンの汚染防止のために、固定手段の表面は、シリコン、シリカ、石英、窒化ケイ素などでコーティングまたはライニングされるか、シリコン、シリカ、石英、窒化ケイ素からなったキャップが固定手段に被せられることができる。固定手段は、複数のプレート410乃至440とネジ締結方式で組み立てられる。
【0073】
一方、ヒーター700が組み立てられる底面部400には、ヒーター700に挿入される固定部が着設されている。ピンやクリップのような固定部は、底面部400のプレートのうちヒーター700と連結される第2プレート430に形成された穿孔部に組み立てられる。ヒーター700には固定部が挿入される溝が形成され、製造者または使用者がヒーター700を固定部に圧入してヒーター700を底面部400に固定することができる。したがって、ヒーター700の組み立てにはネジボルトなどの締結が不要であるため、ヒーター700の組み立てが簡単に行われることができる。本実施形態において、ヒーター700は、U字形状を有するため、1つのヒーター700ごとに2つの固定部が必要であるが、ヒーター700の形状によって固定部の個数は変形されることができる。固定部は、グラパイトや金属材質のように電気伝導性と軟性とに優れた材質からなることができる。
【0074】
第2プレート430は、複数の単位プレートを含み、ヒーター700の下部は、互いに隣接した単位プレートと接触することによって第2プレート430の単位プレートを通して電気の供給を受ける。このとき、ヒーター700が底面部400に連結される部分である、ヒーター700の下部に形成された突出部は、第3プレート440にかかることによってヒーター700の固定がより安定的に行われることができる。隣接した単位プレートは、互いに絶縁されている。例えば、ヒーター700の下部と接触する第2プレート430の単位プレートの間には、絶縁体が位置することができる。絶縁体は、ヒーター700の下部と接触する単位プレートの間を絶縁させて、漏洩電流の発生を防止する。単位プレートについては、以後により詳細に説明する。本発明の実施形態において、ヒーター700は、単位体積当たり広い表面積を有することによって、加熱效率を高めるためにヒーター700の表面にしわが形成されることができる。表面積を広げて加熱效率を高めるために、しわの以外にヒーター700の表面に多様な形状の突起あるいはパターンが形成されることもできる。これによって、ヒーター700の表面に、しわ、突起またはパターンのうち少なくとも1つが形成されることができる。
【0075】
固定部がヒーター700に挿入された後、ヒーター700を保護し、かつヒーター700による多結晶シリコンの汚染を防止するために、ヒーターキャップがヒーター700の外部を取り囲んでヒーター700が露出しないようにする。
【0076】
このようなヒーターキャップの役割を果たすために、ヒーターキャップは、高温で変形しにくい無機材料からなることができ、石英、シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、イットリア、シリコン、またはこのような材料が混合した複合体などのような無機材料からなることができる。ヒーターキャップが、炭化ケイ素、黒鉛、ガラス質炭素などの炭素含有材質からなった場合、炭素含有材質による多結晶シリコンの汚染防止のために、ヒーターキャップの表面は、シリコン、シリカ、石英、窒化ケイ素などでコーティングまたはライニングされることができる。
【0077】
ヒーターキャップの下部には、係止突起が形成され、ヒーターキャップの係止突起は、第3プレート440の複数の単位プレートの間にかかる。
【0078】
本発明の実施形態による流動層反応器は、2つの電極800と連結されたヒーターグループを含み、ヒーターグループの消費する電力量は、同一であることができる。電極800は、黒鉛、炭化ケイ素、金属材質、またはこれらの複合物からなることができる。電極800の形態は、ケーブル、棒、ロッド、成形物、コンセント、結合器、バー、編組線やこれらの組合であることができる。このとき、1つの電極800には、2つのヒーターグループが連結される。これによって、n個(nは2以上の自然数)のヒーターグループの場合、流動層反応器は n個の電極800を含むことができる。
【0079】
例えば、ヒーターグループの電気抵抗は、互いに同一であることができる。すなわち、各ヒーターグループが含むヒーター700の個数は一定であり、ヒーターグループが含むヒーター700の抵抗は、互いに同一であることができる。各ヒーターグループが含むヒーター700の個数が互いに同一である場合、流動層反応器500の組み立て、設置及びメンテナンスが容易になることができる。ヒーターグループを構成するヒーター700の抵抗が互いに異なっていても、複数のヒーターグループのそれぞれの抵抗が互いに同一になるようにヒーター700が配列されれば、複数のヒーターグループの消費する電力量が互いに同一になり、流動層反応器500の内部に均一の熱が供給されることができる。
【0080】
上述のように、多結晶シリコン製品の大量生産のために流動層反応器が大きくなるほど流動層反応器500の内部領域も大きくなる。これによって、複数のヒーターグループは、流動層反応器500の内部領域に均一に熱を供給しなければならない。本発明の実施形態による流動層反応器のヒーターグループは、流動層反応器の内部領域全体を均一に加熱することができるため、良質の多結晶シリコン製品を大量生産することができる。
【0081】
複数のヒーターグループのそれぞれは、互いに異なる相を有した電源の供給を受けることができる。例えば、本発明の実施形態による流動層反応器が3つのヒーターグループを含む場合、各ヒーターグループは、3相電源の供給を受けることができる。このとき、各相の位相差は、120゜であることができる。
【0082】
また、各ヒーターグループが互いに同一の電力量を消費するように、ヒーターグループに供給される電源が独立的に制御されることができる。例えば、各ヒーターグループの電気抵抗が異なるか同一の電力供給が困難である場合、ヒーターグループが互いに同一の電力量を消費するように、互いに異なる大きさの単相電源が各ヒーターグループに供給されることができる。
【0083】
多相電源が供給される場合、隣接したヒーターグループは電極800を共有することができるが、単相電源が供給される場合、1つのヒーターグループは他のヒーターグループと共有しない2つの電極800と連結されることができる。
【0084】
上述のように、ヒーター700は、絶縁体によって互いに絶縁された単位プレートと接触する。例えば、ヒーター700の一端は、1つの単位プレートに連結され、ヒーター700の他端は、他の1つの単位プレートに連結される。これによって、ヒーターグループのヒーター700は、直列連結されることができる。
【0085】
第2プレート430の単位プレートは、ヒーター700と同一の物質からなることができる。例えば、ヒーター700と単位プレートとの材質については上述したため、これについての説明は省略する。
【0086】
図4a及び図4bは、本発明の実施形態による流動層反応器の流動ガス供給部の平面図を示す。
【0087】
図4a及び図4bに示されたように、1つ以上の流動ガスチャンネル135が基底プレート410の内部に形成されることができる。
【0088】
また、図4aに示されたように、複数の流動ガスチャンネル135が支持台160の内部に形成される場合、全体の流動ガスノズル133のうちの一部が1つの流動ガスチャンネル133と空間的に連結されることができる。
【0089】
図4aに示されたように、1つの流動ガスチャンネル630に連結された複数の流動ガスノズルが基底プレートの全領域にわたって均一に配置される。これによって、流動ガスは、反応管の内部の全領域に均一に供給され、反応器内において多結晶シリコン析出反応による収率が向上する。
【0090】
図4bに示されたように、複数の流動ガスチャンネル620が、物理的に分離されて基底プレートの内部に配置されることができる。このとき、全体の流動ガスノズル630のうちの一部が1つの流動ガスチャンネル620と空間的に連結されることができる。
【0091】
すなわち、複数の流動ガスチャンネル620が基底プレート410の内部に配置され、流動ガスノズル630は基底プレート410の領域内に均一に分布する場合、反応管250の内部に均一に流動ガスを供給することがよりスムーズに行われることができる。
【0092】
一方、1つの流動ガスチャンネル620に連結された流動ガスノズル630によって流動ガスが供給される場合、流動ガスチャンネル620の体積が大きいため、流動ガスノズル630の位置によって流動ガスの圧力が異なることがある。
【0093】
一方に、流動ガスチャンネル620を複数個で構成するとき、1つのチャンネル当たり体積は減少するため、複数の流動ガスチャンネルと連結された流動ガスノズル630が供給する流動ガスの流量が均一になることができる。
【0094】
流動ガスの均一な供給のために、複数の流動ガスチャンネルそれぞれの体積は互いに同一であることができる。本発明の実施形態においては、複数の流動ガスチャンネル620それぞれの体積が互いに同一であることができるが、これに限定されず、複数の流動ガスチャンネル620それぞれの体積が互いに異なる流動層反応器であってもよい。
【0095】
図4bにおいて、流動ガスチャンネル620は、同心円の基底プレート領域を基準として2つの領域に分けられるように2つの流動ガスチャンネル620だけを示したが、その以上の領域に分けられるように流動ガスチャンネル620が配置されることができる。例えば、各四分面の領域当たり1つの流動ガスチャンネルが配置されることができる。
【0096】
このとき、各流動ガスチャンネル620に連結された流動ガスノズル630の個数は、互いに同一であることができる。これによって、反応管250の内部に均一に流動ガスが供給されることができる。
【0097】
本発明の実施形態においては、複数の流動ガスチャンネル620のそれぞれに連結された流動ガスノズル630の個数は、互いに同一であるが、これに限定されず、各流動ガスチャンネルに連結された流動ガスノズル630の個数が、互いに異なってもよい。
【0098】
また、流動ガスチャンネル620は、流動ガス流入部640と一対一対応で連結されることができ、単一個の流動ガスチャンネル620に複数の流動ガスの流入部640が連結されることができる。これによって、流動ガス流入部と流動ガスノズルとは、流動ガスチャンネルによって連通されて互いに連結される。
【0099】
上述のように、流動ガスチャンネル620を複数個で構成する場合、流動ガスチャンネル620に連結された流動ガス流入部を通して流入される流動ガスの流量は、互いに独立的に制御されることができる。
【0100】
すなわち、本発明の実施形態による流動層反応器の動作中に、反応管250の特定領域から供給される流動ガスの流量が他の領域に供給される流動ガスの流量と異なる場合、特定領域に該当される流動ガスチャンネル630と連結された流動ガス流入部を通して供給される流動ガスの流量を増加または減少させて、全体的に反応管250の内部により均一に流動ガスが供給されることができる。
【0101】
流動ガスチャンネルと連結される流動ガス流入部の数は、流動ガス流量制御方法の容易性によって調節されることができる。例えば、1つの流動ガスチャンネルに1つの流動ガス流入部と連結されることができ、1つの流動ガスチャンネルに複数の流動ガス流入部と連結されることができる。
【0102】
図5は、本発明の実施形態による流動層反応器の流動ガス供給部の組み立て構造を示す。
【0103】
図5に示されたように、流動ガス供給部600には、流動ガス供給部600の固定のための係止突起610が形成される。流動層反応器の底面部400には、流動ガス供給部600を装着させることができるホール405が形成される。流動ガス供給部600の係止突起610の上下に第1パッキング620と第2パッキング630とが位置するように、第1パッキング620と第2パッキング630とが流動ガス供給部600に嵌められる。第1パッキング620及び第2パッキング630は、流動ガス供給部600の組み立てを堅固にして堅固なシーリングを提供することができる。
【0104】
底面部400に形成されたホール405の表面の一部または全体には、ネジ山が形成され、流動ガス供給部600がパッキング620、630とともにホール405に装着された後、外面にネジ山を有するブッシング640がホール405の表面のネジ山によってネジ結合される。ネジ結合されるブッシング640によって流動層反応器の運転途中に高圧流動ガスによる流動ガス供給部600の離脱や移動が防止されることができる。
【0105】
図6は、本発明の実施形態による流動層反応器の流動ガス供給ノズルの多様な変形例を示す。
【0106】
図6の(a)及び(b)は、一定の厚さのフランジ部610を有した流動ガス供給ノズル600を示す。図6の(c)は、底面部400と接触する流動ガス供給ノズルの下部に行くほど厚さが増加するフランジ部を有した流動ガス供給ノズルを示す。図6の(d)は、流動ガス供給ノズルの下部に行くほど厚さが減少するフランジ部を有した流動ガス供給ノズルを示す。図6の(e)は、一定の厚さを有した複数のフランジ部を有した流動ガス供給ノズルを示す。
【0107】
第2反応管350と底面部400とによって形成された空間のうち、各種ノズルとヒーター700とが占める空間を除いた残りの空間にビーズが充填される。ビーズ間の空間は、流動ガスが通るチャンネル役割をするため、ビーズは、流動ガスを流動層反応器の内部に均一に分散させる。ビーズの形態は、球、楕円形、ペレット、ナゲット、チューブ、ロッド、リングまたは前記形態の複合形態であることができる。ビーズの材質は、高純度シリコンや反応管250、350の材質と同一であることがある。ビーズの大きさは、多結晶シリコンが流動層反応器の外部に排出される生産物排出口の直径より大きいことができ、このとき、ビーズの平均直径は、5mm以上50mm以下であることができる。これによって、ビーズが生産物排出口を通して外部に排出されないこともできる。
【0108】
本発明の実施形態による流動層反応器は、第1ボディ部200と第2ボディ部300とを含み、流動層反応器の組み立て、設置及びメンテナンスが容易である。第1ボディ部200と第2ボディ部300とが組み立てされた状態でビーズが充填される場合に第1ボディ部200と第2ボディ部300との全体高さが大きいため、ビーズの充填が困難であり、落ちるビーズによって流動層反応器の内部に位置するヒーター700やノズルまたは第1反応管250及び第2反応管350が破損されることがある。これによって、本発明の実施形態においては、第1ボディ部200と第2ボディ部300とが組み立てられる前に、第2反応管350と底面部400とによって形成された空間にビーズが充填されることによって、ビーズの充填が安定的に行われることができる。
【0109】
ビーズの充填以後、第2ボディ部300と第1ボディ部200とが組み立てられる。第2ボディ部300と第1ボディ部200との組み立てによって、第1ボディ部200と第2ボディ部300とに挿入された第1反応管250と第2反応管300とが互いに連結される。
【0110】
図7a及び図7bは、本発明の実施形態による第1反応管と第2反応管との連結構造を示す。
【0111】
図7aに示されたように、第1反応管250及び第2反応管350は、それぞれ、前記第1反応管及び第2反応管の端で前記第1ボディ部200と第2ボディ部300との方向に突出された突出部250a、350aを含み、第1反応管250の突出部250aと第2反応管350の突出部350aとは、互いに向き合うように位置する。これによって、第1反応管250と第2反応管350との間の接触面積が広くなるため、第1反応管250と第2反応管350との連結の際に破損危険が減る。
【0112】
図7bに示されたように、第1反応管250と第2反応管350との耐久的脆弱性を考慮して、支持リング(supporting ring)270を第1反応管250と第2反応管350との間に嵌める。支持リング270の材質は、高温で変形しにくい無機材料からなることができ、石英、シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、炭化ケイ素、黒鉛、シリコン、ガラス質炭素、またはこのような材料が混合した複合体などのような無機材料からなることができる。支持リング270が炭化ケイ素、黒鉛、ガラス質炭素などの炭素含有材質からなった場合、炭素含有材質は多結晶シリコンを汚染させる恐れがあるため、多結晶シリコンが接触できる支持リング270の表面は、シリコン、シリカ、石英、窒化ケイ素などでコーティングまたはライニングされることができる。支持リング270は、シーリング材275で仕上げをする。
【0113】
図7aに示されたように、第1反応管250と第2反応管350との間の部分や、図7bに示されたように、支持リング270と第1反応管250との間と、支持リング270と第2反応管350と の間とに、シート(sheet)、ニット(knit)、あるいはフェルト(felt)形状のシーリング材275が位置することができる。
【0114】
シーリング材275は、高温で耐えることができ、かつ汚染を防止することができるように、シリコンを含んでいる纎維状の材質からなることができる。
【0115】
本発明の実施形態は、組み立て、設置及びメンテナンスの便宜性のために、第1反応管250と第2反応管350とを含む。したがって、第1反応管250と第2反応管350との間に間隙があり得る。
【0116】
本発明の実施形態におけるシーリング材275は、第1反応管250と第2反応管350との間の間隙を塞ぎ、シリコン粒子が外部に漏出されることを防止することができる。また、シーリング材275は、第1反応管250と第2反応管350との連結の際に破損危険を減らすことができる。
【0117】
第1ボディ部200と第1反応管250との間の空間、及び第2ボディ部300と第2反応管350との間の空間には、水素、窒素やあるいはアルゴン、ヘリウムのように多結晶シリコンと反応しない不活性ガスで満たされることができる。
【0118】
流動層反応器の内部に加えられる熱が外部に放出されることを遮断するために、第1ボディ部200と第1反応管250との間の空間、第2ボディ部300と第2反応管350との間の空間、または以外の必要な空間に、無機材質の断熱材が設けられることができる。断熱材の形態は、シリンダー、ブロック、布地(Fabric)、毛布、フェルト(Felt)、発泡体、充填層などであることができる。
【0119】
本発明の権利は、上述した実施形態に限定されず、請求範囲に記載したものにより定義され、本発明の分野における通常の知識を有した者が請求範囲に記載した権利範囲内で多様な変形と改作ができるということは自明である。
【符号の説明】
【0120】
100 延長ヘッド
200 第1ボディ部
250 第1反応管
300 第2ボディ部
270 支持リング
350 第2反応管
400 底面部
410 基底プレート
420 第1プレート
430 第2プレート
430a、430b、431a、433a、431b、433b 単位プレート
440 第3プレート
440a、440b、p1、p2、p3、p11、p12、p21、p22、p31、p32 単位プレート
450 固定手段
500 流動層反応器
600 流動ガス供給部
610 係止突起
620 流動ガスチャンネル
630 流動ガスノズル
650 反応ガス供給部
405 ホール
620 第1パッキング
630 第2パッキング
640 ブッシング
700 ヒーター
710 ヒーターキャップ
730 絶縁体
720 固定部
800 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応管と、
独立的に制御して流動ガスを前記反応管の内部に供給する流動ガス供給部と、
前記反応管の内部に反応ガスを供給する反応ガス供給部と、
を含む流動層反応器。
【請求項2】
前記流動ガス供給部の個数は、複数個であることを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器。
【請求項3】
前記流動ガス供給部のそれぞれによって前記反応管の内部に供給される流動ガスの量は、同一であるか異なることを特徴とする、請求項1または2に記載の流動層反応器。
【請求項4】
前記流動ガス供給部は、外部から流動ガスが流入される流動ガス流入部と、前記流動ガス流入部の一側と連結された流動ガスチャンネルと、前記流動ガスチャンネルと連結された複数の流動ガスノズルと、を含み、
前記複数の流動ガスノズルの出口の面積は、互いに同一であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の流動層反応器。
【請求項5】
前記流動ガスチャンネルの全体体積は、前記流動ガス流入部の全体体積より大きいか同一であることを特徴とする、請求項4に記載の流動層反応器。
【請求項6】
前記流動ガスチャンネルが内部に配置される基底プレートをさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の流動層反応器。
【請求項7】
前記複数の流動ガスノズルは、前記基底プレートの全領域にわたって均一に配置されたことを特徴とする、請求項6に記載の流動層反応器。
【請求項8】
前記基底プレート領域は、複数個に分けられ、各領域に配置された前記流動ガスノズルの個数は、互いに同一であることを特徴とする、請求項7に記載の流動層反応器。
【請求項9】
前記基底プレート領域のそれぞれに対応されて前記基底プレートの内部に配置された前記流動ガスチャンネルをさらに含み、
前記流動ガスチャンネルは、それぞれ、前記複数の流動ガスノズルと連結されることを特徴とする、請求項8に記載の流動層反応器。
【請求項10】
前記流動ガスチャンネルは、それぞれ、互いに同一の体積を有することを特徴とする、請求項9に記載の流動層反応器。
【請求項11】
前記流動ガス流入部と前記流動ガスチャンネルとは、複数個で互いにそれぞれ対応されて連結され、前記流動ガスチャンネルのそれぞれに連結された流動ガスノズルの個数は、互いに同一であることを特徴とする、請求項4に記載の流動層反応器。
【請求項12】
前記流動ガスチャンネルそれぞれの体積は、互いに同一であることを特徴とする、請求項11に記載の流動層反応器。
【請求項13】
前記流動ガス流入部の入口の面積は、前記流動ガスノズルの出口の面積より大きいか同じであることを特徴とする、請求項4に記載の流動層反応器。
【請求項14】
前記流動ガス流入部の個数は、複数個であることを特徴とする、請求項13に記載の流動層反応器。
【請求項15】
前記流動ガス流入部の個数は、単一個あるいは複数個であり、前記各流動ガス流入部と連通されて連結された前記流動ガスノズルの個数は、少なくとも1つ以上であることを特徴とする、請求項4に記載の流動層反応器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate


【公開番号】特開2012−223751(P2012−223751A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217188(P2011−217188)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(511237715)シリコンバリュー有限会社 (5)
【Fターム(参考)】