説明

流動床燃焼器内での二酸化炭素と二酸化硫黄の現場捕獲

炭素分が高く、硫黄分が比較的高くて灰分が比較的低い燃料を、潜在的に有害量の二酸化炭素と二酸化硫黄を放出することなく燃焼させる方法と装置が開示される。さらに、該方法と装置は、炭素分が高くて硫黄分が比較的高い炭質燃料の燃焼によって放出される二酸化炭素と二酸化硫黄の有用な生成物としての回収を可能にする手段を提供する。一般的には、炭質燃料は、石油コークス、一定品位の無煙炭、石炭及び天然ガスである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素含有量が高くて灰分量が少ない燃料、例えば、石油コークス、天然ガス及び無煙炭等の燃焼によって発生する燃焼ガスから二酸化炭素と二酸化硫黄を捕獲して回収するための方法と装置に関する。特に、本発明は、石油コークスの燃焼によって発生する二酸化炭素と二酸化硫黄の両方を捕獲することに関連する。
【背景技術】
【0002】
石油コークスは製油工業における副生成物である。石油コークスは炭素を高濃度で含有するが、燃料としては、硫黄分の含有量が比較的高くて揮発性成分の含有量が低い一部の石炭や無煙炭の埋蔵物及び硫黄分のかなり高い入手源からの天然ガスの場合のような望ましくない特性を有する。
【0003】
このため、石油コークスは燃料としては注目すべきものではないが、重油の加工処理度の増大に起因して、石油コークスの生産量は増大している。また、硫黄含有量の高いその他の化石燃料を、環境汚染をもたらすことなく燃焼することも要請されている。石油コークスは入手が容易で、コストが比較的低いという観点からは、燃料として益々注目されるようになっている。
【0004】
しかしながら、燃料としての石油コークスの燃焼および硫黄含有量の高いその他の化石燃料(例えば、石炭、無煙炭及び天然ガス等)の燃焼に直接的に関係する2つの環境問題がある。炭素含有量が高いことに起因して、多量の二酸化炭素が生成し、また、硫黄分の存在に起因して、かなりの量の二酸化硫黄も生成する。さらに、通常の燃焼条件下においては、この種の環境に有害なガス類は煙道ガス中へは比較的低濃度で放出されるために、該ガス類を経済的に捕獲することは困難である。
【0005】
流動床を組み入れた炉を含む種々のタイプの燃焼炉内において二酸化炭素と二酸化硫黄を捕集するために、カルシウム化合物(例えば、石灰石から誘導される炭酸カルシウム若しくは酸化カルシウム)またはドロマイトから誘導される類似のカルシウム/マグネシウム化合物の混合物を使用することが従来から提案されている。このような方法はある程度は有効であるが、いくつかの重大な欠点がある。
【0006】
第1に、カルシウム化合物によるガスの捕獲効率は高くないために、かなりの量の酸化カルシウムが炉灰中に残存する。第2に、この酸化カルシウムの含有量に起因して、酸化カルシウムを除去する別の処理を行うことなく、炉灰を埋め立て地へ簡単に廃棄することはできない。第3に、ガスの捕獲工程の効率が低いことに起因して、カルシウム化合物の必要量は、該捕獲工程において化学的に必要とされる量よりもはるかに多くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、炭素分が高く、硫黄分が比較的高くて灰分が比較的低い燃料を、潜在的に有害量の二酸化炭素と二酸化硫黄を放出することなく燃焼できる方法と装置を提供するためになされたものである。さらに、本発明は、炭素分が高くて硫黄分が比較的高い炭質燃料の燃焼によって放出される二酸化炭素と二酸化硫黄の有用な生成物[例えば、二酸化炭素は、オイルの三次採収プロセスにおいて使用することができ、また、硫酸カルシウムは建築製品(例えば、石膏壁装ボード等)の製造において使用することができる]としての回収を可能にする方法と装置を提供するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の広い観点によれば、炭素分が高く、灰分が低いか若しくは灰分が低くて硫黄分が比較的高い炭質燃料の燃焼方法であって、下記の工程(a)〜(k)を含む該燃焼方法が提供される:
(a)流動床内での燃焼に適合しうる粒径を有する炭質燃料流を主流と副流に分流させ、
(b)該燃料流の主流を、加圧化流動床燃焼器[pressurized fluidized bed combustor(PFBC)]/炭酸塩化器[carbonator(C)](PFBC/C)内へ移送させ、
(c)該燃料流の主流を、PFBC/C内において、空気と酸化カルシウムの存在下において燃焼させ、
(d)炭酸カルシウムと硫酸カルシウムを含む固形分を含有する煙道ガス流をPFBC/Cから回収し、
(e)煙道ガス流から該固形分を分離させ、
(f)燃料流の副流をか焼炉(calciner)内へ移送させ、
(g)燃料流の副流をか焼炉内において、比較的純粋な酸素及び工程(e)で分離された固形分流の存在下で燃焼させることによって、該固形分流中の炭酸カルシウムを酸化カルシウムと二酸化炭素ガスに変換させ、
(h)二酸化炭素ガス流をか焼炉から回収し、
(i)か焼炉内で発生した酸化カルシウムを含む該か焼炉からの固形分流を回収し、
(j)工程(i)において得られた固形分流をPFBC/C内へ移送させることによって、工程(c)において必要な酸化カルシウムを供給し、次いで
(k)PFBC/C内を流通する固形分から硫酸カルシウムと使用済固形分を回収した後、当該燃焼方法における固形分バランスを維持するために、新鮮な炭酸カルシウムをか焼炉内へ添加する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
好ましくは、燃料の炭素分は約85重量%未満である。より好ましくは、燃料の炭素分は80重量%〜約85重量%である。最も好ましくは、燃料の炭素分は約83重量%である。
【0010】
好ましくは、炭質燃料は、石油コークス、石炭、無煙炭及び天然ガスから成る群から選択される化石燃料である。より好ましくは、該燃料は石油コークスである。
【0011】
好ましくは、燃料の硫黄分は約10重量%未満である。より好ましくは、燃料の硫黄分は約3重量%〜約6重量%である。最も好ましくは、燃料の硫黄分は約4重量%である。
【0012】
好ましくは、炭質燃料の灰分は約5%未満である。より好ましくは、炭質燃料の灰分は1%未満である。
【0013】
好ましくは、PFBC/C及びか焼炉は同じ圧力下で作動させる。あるいは、PFBC/Cを加圧下で作動させ、か焼炉を周囲圧下で作動させてもよい。
【0014】
好ましくは、PFBC/C及びか焼炉は約15バール〜約20バールの圧力下で作動させる。あるいは、PFBC/Cを約15バール〜約20バールの圧力下で作動させ、か焼炉を周囲圧下で作動させてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、炭素分が高く、硫黄分が比較的高くて灰分が低い炭質燃料の燃焼装置であって、下記の構成要素(i)〜(xvi)を具備する該燃焼装置が提供される:
(i)流動床燃焼器内で使用するのに適合した粒径を有する炭質燃料流を供給するための炭質燃料供給ライン、
(ii)燃料供給ライン内の燃料流を主流と副流に分流させるように構成されて配設された分流器、
(iii)分流器からの燃料流の主流を受容するように構成されて配設された燃焼器用燃料供給ライン、
(iv)燃焼器用燃料供給ラインからの燃料流の主流を受容して燃焼させるように構成されて配設された加圧流動床燃焼器/炭酸塩化器(PFBC/C)、
(v)PFBC/C内へ燃焼用空気を供給するように構成されて配設された圧搾空気ライン、
(vi)第1端と第2端を具有し、該第1端が、酸化カルシウムを含有する固形分流をPFBC/Cへ供給するように構成されて配設された酸化カルシウム移送ライン、
(vii)PFBC/Cからの炭酸カルシウムを含む同伴固形分を含有する煙道ガス流を、同伴固形分から煙道ガスを分離するように構成されて配設された分離器へ移送するように構成されて配設された分離器用供給ライン、
(viii)分離器からの煙道ガスを受容するように構成されて配設された排出煙道、
(ix)分離器からの炭酸カルシウムを含む同伴固形分を受容するように構成されて配設された炭酸カルシウム移送ライン、
(x)分流器からの燃料流の副流を受容するように構成されて配設されたか焼炉用燃料供給ライン、
(xi)か焼炉用燃料供給ライン内の燃料流の副流及び工程(ix)における炭酸カルシウム移送ラインからの炭酸カルシウムを受容するように構成されて配設されたか焼炉、
(xii)燃焼用酸素をか焼炉へ供給するように構成されて配設された酸素供給ライン、
(xiii)か焼炉からの二酸化炭素流を受容するように構成されて配設された二酸化炭素ライン、
(xiv)か焼炉からの酸化カルシウムを含む固形分流を受容するように構成されて配設された酸化カルシウム移送ラインの第2端、
(xv)循環する固形分からPFBC/C内で生成する硫酸カルシウムと使用済固形分を回収する手段、及び
(xvi)系中の固形分バランスを維持するために十分な量の新鮮な炭酸カルシウムをか焼炉内へ添加するように構成されて配設された手段。
【0016】
以下、本発明の一つの実施態様を図1に基づいて説明する。図1は、本発明による燃焼方法を実施するための模式的な工程図を示す。この系の残りの部分については後述する。
【0017】
図1において使用する硫黄分の高い炭質燃料は、流動床内での燃焼に適合した粒径を有する石油コークスである。この種のコークスの一般的な分析値(重量%)は以下の通りである:
炭素 83
水素 5
硫黄 4
酸素 3
水分 5
灰分 <0.5
【0018】
石油コークス供給ライン10へ誘導される石油コークスは分流器11内へ供給される。コークスの主流部分は分流器11から離れて燃焼炉コークス供給ライン12内へ移送され、一方、コークスの副流は分流器から離れてか焼炉用コークス供給ライン13内へ移送される。
【0019】
該ライン12内のコークスは、加圧流動床燃焼器と炭酸塩化器から構成される燃焼器(PFBC/C)14内へ供給される。圧搾空気ライン15内の空気及び酸化カルシウム移送ライン16内の酸化カルシウムもPFBC/C 14内へ供給される。酸化カルシウム並びに後述する炭酸カルシウム及び硫酸カルシウムは、PFBC/C内で循環する固体床内で流動化されるのに適合した粒径を有する。
【0020】
同伴する炭酸カルシウムと硫酸カルシウムを含有する煙道ガスはPFBC/C 14を離れて分離器用供給ライン17内へ移送された後、分離器18内へ流入する。排出煙道ガスは分離器18を離れて排出煙道19内へ移送され、一方、分離器18内で回収されて同伴する炭酸カルシウムは、炭酸カルシウム移送ライン20を経由してか焼炉21内へ供給される。また、か焼炉用コークス供給ライン13内のコークスの副流部分はか焼炉内へ供給される。
【0021】
さらに、酸素供給ライン22を経由して、比較的純粋な酸素もか焼炉21内へ供給される。か焼炉21内で生成する二酸化炭素は、二酸化炭素ライン23を経由して回収される。
【0022】
図示する装置が作動されると、燃焼反応のほかに、酸化カルシウム移送ライン16内へ送給される酸化カルシウムを保有するPFBC/C内において次の2種の反応がおこなわれる:

CaO + CO → CaCO + 熱・・・・・・・・・・・・1
2CaO + 2SO + O → 2CaSO + 熱・・・・・2
【0023】
PFBC/C内を加圧条件(一般的には、約15バール〜約20バールの加圧)にすることによって、酸化カルシウムによる二酸化炭素と二酸化硫黄の吸収効率を高めることができる。
【0024】
炭酸カルシウムと硫酸カルシウムは、分離器用供給ライン17内の煙道ガスと共に分離器18内へ流入する。分離器(一般的には、高温のサイクロンである)内においては、煙道ガスとこれらの固形分は分離される。煙道ガスは排出煙道19内へ放出され、分離された固形分(PFBC/C内において生成された炭酸カルシウムと硫酸カルシウムを含む)は、炭酸カルシウム移送ライン20を経由してか焼炉21内へ流入する。
【0025】
か焼炉21内においては、石油コークスの副流は実質上純粋な酸素雰囲気下で燃焼する。この燃焼反応によって、炭酸カルシウムがか焼されて酸化カルシウムを生成するのに十分な熱が発生し、得られる酸化カルシウムは、硫酸カルシウムと共に、酸化カルシウム移送ライン16を経由してPFBC/C内へ送給される。か焼炉内の温度は、硫酸カルシウムが分解されて酸化カルシウムと二酸化硫黄が生成するのに十分な高温又は酸化カルシウムの活性を低減させるのに十分な高温にすべきではない。
【0026】
通常の実施態様の場合のように、PFBC/Cとか焼炉を含む系内の固形分バランスは、循環する固形分の一部を、一般的には燃焼器14の位置24において除去すると共に、これに相当する量の固形分(新鮮な炭酸カルシウムを含む)を、一般的にはか焼炉21の位置25において供給する。
【0027】
石油コークスの副流はか焼炉21内において比較的純粋な酸素雰囲気下で燃焼するので、か焼炉21から二酸化炭素ライン23内へ送給される二酸化炭素はほぼ純粋な二酸化炭素である。該二酸化炭素の一部は石油コークスの燃焼から誘導され、また、該二酸化炭素の一部は、炭酸カルシウム移送ライン20からか焼炉21内へ移送される炭酸カルシウムの熱分解から誘導される。
【0028】
石油コークスに含まれる硫黄分に起因して、酸素供給ライン22からか焼炉21内へ供給される酸素の一部(少量)は二酸化硫黄として消費される。しかしながら、該二酸化硫黄は、前記の反応2に従って硫酸カルシウムとして、か焼炉21内で捕獲されるので、か焼炉21から二酸化炭素ライン23へ送給される二酸化炭素の汚染は実質上回避される。
【0029】
PFBC/C内へコークスの主流部分を供給すると共に、か焼炉内へコークスの副流部分を供給するための分流器18に対して選択される分流重量比にはある程度の可変性がある。該重量比は種々の工程における化学反応によって決定されるものであって、PFBC/C内でのコークスの燃焼から誘導される熱量及び炭酸カルシウムをか焼するのに必要な熱量との間にバランスがとれるように選択すべきである。従って、該重量比は使用する燃料の分析値によってある程度左右される。ここで問題としている石油コークスの場合、主流部分と副流部分との重量比は約2:1が適当であると考えられるが、該燃料とは異なる分析値を示す燃料に対しては異なる重量比が必要になると考えられる。
【0030】
図1に示す装置においては、PFBC/C14及びか焼炉21は実質上同じ圧力下で作動させ、これによって、石油コークスを分流器11内へ供給するために必要な装置及びその他の固形分を該装置内において移動させるのに必要な装置を簡単化することができる。一般的には、該作動圧は約15バール〜約20バールである。
【0031】
この系は、か焼炉を周囲圧下で作動させて全効率が改良されるように改変することができる。しかしながら、か焼炉を周囲圧下で作動させる態様には、二酸化炭素ライン23内の圧力も周囲圧になるという難点がある。このような低圧が許容されるかどうかは、二酸化炭素流の最終的な使用目的によって左右される。
【0032】
図1においては、PFBC/C、か焼炉及びこれらに関連する物質移動系(mass transfer system)のみが模式的に示されている。実際には、図示するユニットは、より大型の系の一部である。一般的には、この大型の系は、熱効率を最大にするための数個の熱交換器及び2つの燃焼工程において発生する熱を有効に利用するための単数若しくは複数の装置を具備する。この種の発生熱の代表的な利用例は、少なくとも1つの発電用ガスタービンを作動させることである。この種の装置類に必要な関連技術は当該分野においては周知であって、当業者の理解するところである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
上述の本発明による燃焼方法と燃焼装置は、石油コークスの燃焼だけでなく、かなりの量の硫黄分を含むと共に炭素分が高くて灰分が低い燃料の燃焼に対しても適している。このような燃料としては、一定の品位を有する石炭、一定の品位を有する天然ガス及び一定の品位を有する無煙炭等が例示される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による燃焼方法の一態様を実施するための模式的な工程図である。
【符号の説明】
【0035】
10 石油コークス供給ライン
11 分流器
12 燃焼器用コークス供給ライン
13 か焼炉用コークス供給ライン
14 燃焼器
15 圧搾空気ライン
16 酸化カルシウム移送ライン
17 分離器用供給ライン
18 分離器
19 排出用煙道
20 炭酸カルシウム移送ライン
21 か焼炉
22 酸素供給ライン
23 二酸化炭素ライン



【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素分が高く、硫黄分が比較的高くて灰分が低い炭質燃料の燃焼方法であって、下記の工程(a)〜(k)を含む該燃焼方法:
(a)流動床内での燃焼に適合しうる粒径を有する炭質燃料流を主流と副流に分流させ、
(b)該燃料流の主流を、加圧化流動床燃焼器/炭酸塩化器(PFBC/C)内へ移送させ、
(c)該燃料流の主流を、PFBC/C内において、空気と酸化カルシウムの存在下において燃焼させ、
(d)炭酸カルシウムと硫酸カルシウムを含む固形分を含有する煙道ガス流をPFBC/Cから回収し、
(e)煙道ガス流から該固形分を分離させ、
(f)燃料流の副流をか焼炉内へ移送させ、
(g)燃料流の副流をか焼炉内において、比較的純粋な酸素及び工程(e)で分離された固形分流の存在下で燃焼させることによって、該固形分流中の炭酸カルシウムを酸化カルシウムと二酸化炭素ガスに変換させ、
(h)二酸化炭素ガス流をか焼炉から回収し、
(i)か焼炉内で発生した酸化カルシウムを含む該か焼炉からの固形分流を回収し、
(j)工程(i)において得られた固形分流をPFBC/C内へ移送させることによって、工程(c)において必要な酸化カルシウムを供給し、次いで
(k)PFBC/C内を流通する固形分から硫酸カルシウムと使用済固形分を回収した後、当該燃焼方法における固形分バランスを維持するために、新鮮な炭酸カルシウムをか焼炉内へ添加する。
【請求項2】
燃料中の炭素分が約85重量%未満である請求項1記載の方法。
【請求項3】
燃料中の炭素分が約80重量%〜約85重量%である請求項2記載の方法。
【請求項4】
燃料中の炭素分が約83重量%である請求項3記載の方法。
【請求項5】
炭質燃料が、石油コークス、無煙炭、石炭及び天然ガスから成る群から選択される燃料である請求項1記載の方法。
【請求項6】
炭質燃料が石油コークスである請求項5記載の方法。
【請求項7】
炭質燃料が約3%未満の灰分を含有する請求項1記載の方法。
【請求項8】
炭質燃料が約1%未満の灰分を含有する請求項7記載の方法。
【請求項9】
PFBC/Cとか焼炉を同圧下で作動させる請求項1記載の方法。
【請求項10】
PFBC/Cを加圧下で作動させ、か焼炉を周囲圧下で作動させる請求項1記載の方法。
【請求項11】
PFBC/Cとか焼炉を約15バール〜約20バールの圧力下で作動させる請求項1記載の方法。
【請求項12】
PFBC/Cを約15バール〜約20バールの圧力下で作動させ、か焼炉を周囲圧下で作動させる請求項1記載の方法。
【請求項13】
燃料中の硫黄分が約10重量%未満である請求項1記載の方法。
【請求項14】
燃料中の硫黄分が約3重量%〜約6重量%である請求項13記載の方法。
【請求項15】
燃料中の硫黄分が約4重量%である請求項14記載の方法。
【請求項16】
主流中の燃料と副流中の燃料の重量比が約2:1である請求項1記載の方法。
【請求項17】
炭素分が高く、硫黄分が比較的高くて灰分が低い炭質燃料の燃焼装置であって、下記の構成要素(i)〜(xvi)を具備する該燃焼装置:
(i)流動床燃焼器内で使用するのに適合した粒径を有する炭質燃料流を供給するための炭質燃料供給ライン、
(ii)燃料供給ライン内の燃料流を主流と副流に分流させるように構成されて配設された分流器、
(iii)分流器からの燃料流の主流を受容するように構成されて配設された燃焼器用燃料供給ライン、
(iv)燃焼器用燃料供給ラインからの燃料流の主流を受容して燃焼させるように構成されて配設された加圧流動床燃焼器/炭酸塩化器(PFBC/C)、
(v)PFBC/C内へ燃焼用空気を供給するように構成されて配設された圧搾空気ライン、
(vi)第1端と第2端を具有し、該第1端が、酸化カルシウムを含有する固形分流をPFBC/Cへ供給するように構成されて配設された酸化カルシウム移送ライン、
(vii)PFBC/Cからの炭酸カルシウムを含む同伴固形分を含有する煙道ガス流を、同伴固形分から煙道ガスを分離するように構成されて配設された分離器へ移送するように構成されて配設された分離器用供給ライン、
(viii)分離器からの煙道ガスを受容するように構成されて配設された排出煙道、
(ix)分離器からの炭酸カルシウムを含む同伴固形分を受容するように構成されて配設された炭酸カルシウム移送ライン、
(x)分流器からの燃料流の副流を受容するように構成されて配設されたか焼炉用燃料供給ライン、
(xi)か焼炉用燃料供給ライン内の燃料流の副流及び工程(ix)における炭酸カルシウム移送ラインからの炭酸カルシウムを受容するように構成されて配設されたか焼炉、
(xii)燃焼用酸素をか焼炉へ供給するように構成されて配設された酸素供給ライン、
(xiii)か焼炉からの二酸化炭素流を受容するように構成されて配設された二酸化炭素ライン、
(xiv)か焼炉からの酸化カルシウムを含む固形分流を受容するように構成されて配設された酸化カルシウム移送ラインの第2端、
(xv)循環する固形分からPFBC/C内で生成する硫酸カルシウムと使用済固形分を回収する手段、及び
(xvi)系中の固形分バランスを維持するために十分な量の新鮮な炭酸カルシウムをか焼炉内へ添加するように構成されて配設された手段。



【図1】
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【公表番号】特表2006−524790(P2006−524790A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−571209(P2004−571209)
【出願日】平成15年4月29日(2003.4.29)
【国際出願番号】PCT/CA2003/000616
【国際公開番号】WO2004/097297
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(593005895)コンセホ・スペリオール・デ・インベスティガシオネス・シエンティフィカス (67)
【氏名又は名称原語表記】CONSEJO SUPERIOR DE INVESTIGACIONES CIENTIFICAS
【Fターム(参考)】