説明

流量制御装置

【課題】流量精度を向上させることができるコンパクトな流量制御装置を提供すること。
【解決手段】熱式流量計2の流量測定値に基づいて流体制御弁3のバルブ開度を制御して流量制御を行う流量制御装置1であって、流出ポート23と入力ポート42とを接続するようにセンサボディ11とバルブボディ41とを面接触させて、熱式流量計2と流体制御弁3とを一体化する。そして、流量を絞るオリフィス流路33が設けられたオリフィス部材31をセンサボディ11の流出ポート23に装着し、オリフィス部材31を熱式流量計2に内蔵させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱式流量計が測定した流量測定値に基づいて流体制御弁のバルブ開度を制御し、流量制御を行う流量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体マイクロマシニングの加工技術(MEMS(Micro Electro Mechanical System))で製造された測定チップをセンサ部として用いた小型の熱式流量計が広く使用されている。この種の熱式流量計では、被測定流体の流量が大きくなると被測定流体の流れが乱れてしまい、流量測定の精度が低下する傾向がある。このため、測定チップが設けられたセンサ流路の他に、そのセンサ流路に対するバイパス流路を設け、センサ流路を流れる一部の流量から全体の流量を検出する、つまり、センサ流路とバイパス流路とのバイパス比から全体の流量を検出する熱式流量計が実用化されている(特許文献1)。
例えば、半導体製造装置では、熱式流量計の下流側に流体制御弁を配置し、制御手段が熱式流量計から入力される流量測定値に基づいて流体制御弁のバルブ開度を制御し、流量を設定流量に制御する流量制御装置が使用されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3637051号公報
【特許文献2】特開2008−233073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、半導体製造産業等では、流体の変質等を防ぐために装置のコンパクト化が進んでいる。発明者は、熱式流量計のセンサボディと流体制御弁のバルブボディとを面接触させて一体化し、流量制御装置のフットスペースを小さくした。しかし、この流量制御装置の流量精度を評価したところ、流量を調整する際の調整時圧力(例えば0.5MPa)と異なる圧力(例えば0.4MPa、0.6MPa)の流体が供給されると、流体制御弁のバルブ開度を大きくして大流量制御する場合に、制御される流量と保証流量との間に生じる流量誤差が大きくなることが判明した。これは、熱式流量計と流体制御弁とを近づけたことにより、流体制御弁の動作により流路内に発生する圧力変動が熱式流量計を流れる流体の流れに影響するためと考えられる。流量制御装置は、使用先で一次圧力が設定されるため、一次圧力が調整時圧力と異なる場合に流量誤差が生じるのは、使い勝手が悪く、好ましくない。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、流量精度を向上させることができるコンパクトな流量制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る流量制御装置は、次のような構成を有している。
(1)流量計の流量測定値に基づいて流体制御弁のバルブ開度を制御して流量制御を行う流量制御装置において、前記流量計は、流量を計測するための抵抗体が架設されたセンサ流路の他に、前記センサ流路に対するバイパス流路を備え、前記抵抗体からの出力信号に基づき流体の流量を算出する流量算出手段を有する熱式流量計であり、前記熱式流量計は、流入ポートと前記バイパス流路とを連通させる流入流路と、流出ポートと前記バイパス流路とを連通させる流出流路と、前記センサ流路と前記バイパス流路を介することなく前記流入流路と前記流出流路とを連通する連通流路とが形成されたセンサボディを有し、
前記流体制御弁は、前記流出ポートに接続される入力ポートと、弁部を内蔵する弁室と、前記入力ポートと前記弁室とを連通されるバルブ流路とを有するバルブボディと、前記バルブボディに連結されて前記弁部に駆動力を与える駆動部と、を有し、前記流出ポートと前記入力ポートとを接続するように前記センサボディと前記バルブボディとを面接触させて、前記熱式流量計と前記流体制御弁とを一体化しており、流量を絞るオリフィス流路が設けられたオリフィス部材を前記流出ポートに装着している。
【0007】
(2)(1)に記載の発明において、前記オリフィス流路の流路断面積が、前記連通流路の流路断面積より小さく、且つ、前記バルブ流路の流路断面積より大きい。
【0008】
(3)(1)又は(2)に記載の発明において、前記流入流路と前記連通流路と前記流出流路と前記オリフィス流路とを同軸上に設けている。
【0009】
(4)(1)乃至(3)の何れか1つに記載する発明において、前記センサ流路と前記バイパス流路に前記流体を分流させると共に整流する流路ブロックを有し、前記センサボディは、前記流路ブロックが配置される流路空間が、前記流入流路と前記流出流路とに連通するように設けられ、前記抵抗体には、前記センサ流路の流れ方向上流側に設けられた上流温度検出抵抗体と、前記センサ流路の流れ方向下流側に設けられた下流温度検出抵抗体と、前記上流温度検出抵抗体と前記下流温度検出抵抗体との間に設けられ、前記上流温度検出抵抗体と前記下流温度検出抵抗体とを加熱する発熱抵抗体と、前記センサ流路を流れる流体の温度を検出する流体温度検出抵抗体とが含まれ、前記流量算出手段は、前記発熱抵抗体と前記流体温度検出抵抗体とが一定の温度差になるように制御し、前記上流温度検出抵抗体と前記下流温度検出抵抗体との温度差に基づき流体の流量を算出する。
【0010】
(5)(1)乃至(4)の何れか1つに記載する発明において、前記バイパス流路を前記流入流路に連通させる第1流路と、前記バイパス流路を前記流出流路に連通させる第2流路とを有し、前記第2流路、又は、前記第1流路と前記第2流路の両方に、オリフィスを設けている。
【発明の効果】
【0011】
上記流量制御装置は、流出ポートと入力ポートとが連通するようにセンサボディとバルブボディとを面接触させて熱式流量計と流体制御弁とを一体化し、装置のフットスペースを小さくしている。オリフィス部材は、流出ポートに装着され、センサボディに内蔵されている。流体は、熱式流量計の流入ポートから流入流路、連通流路、流出流路、オリフィス部材のオリフィス流路、流体制御弁の入力ポート、バルブ流路へと流れ、流体制御弁のバルブ開度に応じて出力される。このとき、流体の一部は、連通流路を通らずに、流入流路からバイパス流路とセンサ流路を介して流出流路へ流れ込む。流体は、抵抗体がセンサ流路を流れる流体の流量を計測して出力する出力信号に基づいて、全体流量が算出される。このようにして算出された全体流量に基づいて流体制御弁のバルブ開度が制御される。流体は、連通流路により流量を絞られてセンサ流路とバイパス流路に流体が確実に流れるようにしている他、オリフィス流路により流量を絞られて流出流路の圧力を一定に維持するようにしている。そのため、流体制御弁の動作により流路に生じた圧力変動が、流出流路に伝播しにくく、センサ流路及びバイパス流路から流出流路へ流れる流体の流れに影響しにくい。その結果、流量制御装置に供給される流体の圧力が流量を調整する場合の調整時圧力と異なる場合でも、制御される流量と保証された流量との間の流量誤差が小さくなる。よって、上記流量制御装置によれば、流量精度を向上させつつ、装置をコンパクトにできる。
【0012】
上記流量制御装置は、オリフィス流路の流路断面積が、連通流路の流路断面積より小さく、且つ、バルブ流路の流路断面積より大きくなるように設定され、流体の流量を連通流路、オリフィス流路、バルブ流路の順に段階的に絞るため、流体が連通流路から流出流路、オリフィス流路、バルブ流路へと流れる際に圧損を生じにくく、また、その逆方向へ向かって圧力変動が伝播しにくい。
【0013】
上記流量制御装置は、流入流路と連通流路と流出流路とオリフィス流路とを同軸上に設けているので、流体が流入流路からオリフィス流路へ流れる際の圧損を抑えつつ、センサボディをコンパクトにできる。
【0014】
上記流量制御装置は、熱式流量計により、発熱抵抗体と流体温度検出抵抗体とが一定の温度差になるように制御し、上流温度検出抵抗体と下流温度検出抵抗体との温度差に基づき流量を算出する。そのため、流体制御弁の動作により発生する圧力変動によりセンサ流路とバイパス流路から流出流路へ流れる流体の流れが流量制御装置に供給される流体の一次圧力によって変わると、熱式流量計は、各抵抗体の特性が流量保証された特性と変わり、流量検出精度が低下する。しかし、上述したように、上記流量制御装置は、オリフィス部材を流出ポートに装着することにより、流体制御弁の動作により発生する圧力変動がセンサ流路とバイパス流路から流出流路へ流れる流体の流れに影響しにくいので、熱式流量計の流量検出精度が低下しない。よって、上記流量制御装置は、流体の流量を精度良く制御できる。
【0015】
上記流量制御装置は、バイパス流路を流出流路に連通させる第2流路とバイパス流路を流入流路に連通させる第1流路の両方にオリフィスを設け、又は、第2流路のみにオリフィスを設けることにより、第1流路からバイパス流路、第2流路を介して流出流路へ流れる流体を整流するので、流体制御弁からオリフィス部材を介して流出流路に伝播した流路内の圧力変動がセンサ流路に影響しにくくなり、流量精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る流量制御装置の断面図である。
【図2】流路ブロックの分解斜視図である。
【図3】センサ基板の概略構成を示す分解図である。
【図4】測定チップを示す平面図である。
【図5】評価装置の概略構成図である。
【図6】オリフィスを備えない流量制御装置に流量を400L/minに制御させる場合におけるコマンドと流量誤差との関係を示すグラフであって、縦軸に流量誤差(%F.S./0.1Mpa)を示し、横軸にコマンド(%F.S.)を示す。
【図7】オリフィスを備えない流量制御装置に流量を600L/minに制御させる場合におけるコマンドと流量誤差との関係を示すグラフであって、縦軸に流量誤差(%F.S./0.1Mpa)を示し、横軸にコマンド(%F.S.)を示す。
【図8】オリフィスを備えない流量制御装置に流量を1000L/minに制御させる場合におけるコマンドと流量誤差との関係を示すグラフであって、縦軸に流量誤差(%F.S./0.1Mpa)を示し、横軸にコマンド(%F.S.)を示す。
【図9】オリフィスを備える流量制御装置に流量を400L/minに制御させる場合におけるコマンドと流量誤差との関係を示すグラフであって、縦軸に流量誤差(%F.S./0.1Mpa)を示し、横軸にコマンド(%F.S.)を示す。
【図10】オリフィスを備える流量制御装置に流量を600L/minに制御させる場合におけるコマンドと流量誤差との関係を示すグラフであって、縦軸に流量誤差(%F.S./0.1Mpa)を示し、横軸にコマンド(%F.S.)を示す。
【図11】オリフィスを備える流量制御装置に流量を1000L/minに制御させる場合におけるコマンドと流量誤差との関係を示すグラフであって、縦軸に流量誤差(%F.S./0.1Mpa)を示し、横軸にコマンド(%F.S.)を示す。
【図12】オリフィスを備えない流量制御装置に流体圧0.3MPaの流体を供給して流体制御弁に流量を1000L/minに制御させる場合の流体の流れをシュミレーションした結果を示す。
【図13】オリフィスを備えない流量制御装置に流体圧0.5MPaの流体を供給して流体制御弁に流量を1000L/minに制御させる場合の流体の流れをシュミレーションした結果を示す。
【図14】オリフィスを備える流量制御装置に流体圧0.3MPaの流体を供給して流体制御弁に流量を1000L/minに制御させる場合の流体の流れをシュミレーションした結果を示す。
【図15】オリフィスを備える流量制御装置に流体圧0.5MPaの流体を供給して流体制御弁に流量を1000L/minに制御させる場合の流体の流れをシュミレーションした結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る流量制御装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(第1実施形態)
<流量制御装置の全体構成>
図1は、第1実施形態に係る流量制御装置1の断面図である。
流量制御装置1は、熱式流量計2と流体制御弁3とを一体化したものである。流量制御装置1は、熱式流量計2と流体制御弁3が制御手段4に接続され、熱式流量計2が検出した流量検出値に基づいて流体制御弁3のバルブ開度を調整し、流体の流量を設定流量に制御する。流量制御装置1は、熱式流量計2の流出ポート23にオリフィス部材31を装着し、流体制御弁3の弁開閉動作に伴って発生する流路内の圧力変動が熱式流量計2に流れる流体の流れに影響することを防いでいる点に特徴を有する。このような流量制御装置1は、例えば半導体製造装置に組み付けられ、ガスの流量制御を行う。
【0019】
<熱式流量計の構成>
熱式流量計2は、センサボディ11とセンサ基板12と流路ブロック13と電装部(流量算出手段の一例)14とを有し、センサ基板12からの出力信号を電装部14にて演算処理して、流体の流量を検出するものである。電装部14は、制御手段4に接続され、流量検出値が制御手段4に入力されるようになっている。熱式流量計2には、センサ流路15、センサ流路15に対するバイパス流路16、及びバイパス流路16(及びセンサ流路15)に対する連通流路20とが形成されている。
【0020】
センサボディ11は、SUSなどの耐熱性のある材料を略直方体形状に形成したものである。センサボディ11は、図中左右両端面に流入ポート17と流出ポート23とが形成されている。そして、流入ポート17からセンサボディ11の中央に向かって流入流路19が形成され、同様に流出ポート23からセンサボディ11の中央に向かって流出流路21が形成されている。また、流入流路19の流入ポート17側には、ポートフィルタ29がポートフィルタ配置部18に配置され、流入ポート17から流入流路19へ流れる流体を整流している。また、流出流路21の流出ポート23側にも、ポートフィルタ29がポートフィルタ配置部22に配置され、流出流路21から流出ポート23へ流れる流体を整流している。尚、ポートフィルタ29は、メッシュ26をスペーサ27を介して複数枚積層したものである。ポートフィルタ29は、継手5により流入ポート17に挟み込まれたカラー40にOリング28を介して押圧され、ポートフィルタ配置部18に固定されている。また、ポートフィルタ29は、流体制御弁3のバルブボディ41により流出ポート23に挟み込まれたオリフィス部材31にOリング28を介して押圧され、ポートフィルタ配置部22に固定されている。
【0021】
また、センサボディ11は、円柱状に設けられた流出ポート23にオリフィス部材31が隙間無く装着されている。オリフィス部材31は、取付方向の制限をなくすために、図中左右対称に設けられている。オリフィス部材31は、外径寸法が流出ポート23の内径寸法と同一の円柱状をなす。オリフィス部材31の図中左右端面に開口する流入口32と流出口34は、オリフィス流路33を介して連通している。流入口32と流出口34の流路断面積は、流体の圧損を低減するために、流出流路21の流路断面積とほぼ同じに設定されている。オリフィス流路33の流路断面積は、流入口32と流出口34の流路断面積より小さく設定され、流出流路21を流れる流体の流量を絞って流体制御弁3へ出力するようになっている。オリフィス流路33の流路断面積は、センサボディ11の連通流路20の流路断面積より小さく、後述する流体制御弁3の入力流路43及び弁孔44(バルブ流路の一例)の流路断面積より大きくされている。これにより、流体は、流出流路21から弁孔44へ流れる際の圧損が小さくされ、また、その逆方向に向かって流路内の圧力変動が伝播しにくくなる。オリフィス部材31は、図中左右端面の外周に形成された環状溝35にシールリング36が装着され、流出ポート23と入力ポート42の接続部分から流体漏れするのを防いでいる。
【0022】
センサボディ11の図中上部には、バイパス流路16とセンサ流路15を形成するための流路空間24が形成されている。流路空間24の横断面は、長方形の両短辺を円弧状(半円状)にした形状になっており、その中央部に円弧状の凸部25が形成されている。凸部25は、流路ブロック13の位置決めを行うためのものである。流路空間24は、下面が凸部25を挟んで流入流路19と流出流路21に連通している。すなわち、流入流路19により、流入ポート17と流路空間24とが連通し、流出流路21により、流出ポート23と流路空間24とが連通している。流路空間24は、凸部25により、バイパス流路16を流入流路19に連通させる第1流路24aと、バイパス流路16を流出流路21に連通させる第1,第2流路24a,24bとに分断され、流入流路19から流体を分流させてセンサ流路15、バイパス流路16、流出流路21へと流すようにしている。センサボディ11は、流路空間24の上面開口部外周に沿うようにシールパッキン30が装着されている。
【0023】
さらに、センサボディ11には、流入流路19と流出流路21とを連通する連通流路20が形成されている。この連通流路20は、流路空間24の下方に形成されている。これにより、連通流路20は、流路空間24を介することなくダイレクトに流入流路19と流出流路21とを連通させている。これにより、熱式流量計2内に流れ込んだ流体の大部分が流入流路19から連通流路20を介して流出流路21へと流れるようになっている。この連通流路20の流路断面積は、流入流路19及び流出流路21の流路断面積よりも小さく設定されている。つまり、連通流路20はオリフィスとして機能するようになっており、熱式流量計2内に流れ込んだ流体の一部が流路空間24へ確実に流れ込むようになっている。さらに、連通流路20と流入流路19と流出流路21とが同一直線上に配置され、連通流路20を介して流入流路19から流出流路21へ流れる流体の流れをスムーズにして、流体の圧力低下が抑えられるようになっている。
【0024】
熱式流量計2では、センサボディ11の流路空間24に流路ブロック13が装着されることにより、バイパス流路16が形成されている。図2は、流路ブロック13の分解斜視図である。
図2に示すように、流路ブロック13は、3種類の薄板を合計24枚積層した積層体である。すなわち、流路ブロック13は、下から順に、メッシュ板37、スペーサ38、メッシュ板37、スペーサ38、……、メッシュ板37、両端開口板39が積層されて接着されたものである。これらのメッシュ板37及びスペーサ38は、ともに厚さが0.5mm以下のものであり、エッチングにより各形状の加工がなされたものである。そして、その投影形状は流路空間24の横断面形状と同じになっている。これにより、流路ブロック13が流路空間24に隙間無く装着されるようになっている。
【0025】
スペーサ38は、外周部を残すようにエッチング加工されている。一方、メッシュ板37は、両端に、メッシュを構成するメッシュ孔37Mが形成されている。さらに、両端開口板39は、両端に開口部39A,39Aが形成されている。よって、流路ブロック13を流路空間24に装着すると、メッシュ板37のメッシュ孔37Mによりバイパス流路16が形成される。
【0026】
図1に示すように、センサ流路15は、流路ブロック13が装着されたセンサボディ11にセンサ基板12を配置することにより構成されるようになっている。センサ基板12は、測定流量を電気信号として出力するものである。
【0027】
図3は、センサ基板12の概略構成を示す分解図である。
センサ基板12には、ベースとなるプリント基板81の表面側(センサボディ11への装着面側)において、その中央部に溝88が加工されている。そして、この溝88の両側に、電気回路用電極82,83,84,85,86,87が設けられている。そして、プリント基板81の表面側には、測定チップ71が実装されている。尚、プリント基板81の裏面側には、電装部14に接続される図示しない接続端子が装着されている。
【0028】
図4は、測定チップ71を示す平面図である。
測定チップ71は、シリコンチップ79に対して、半導体マイクロマシニングの加工技術を実施したものであり、このとき、チップ中央に溝78が加工されると共に、抵抗体(熱線)用電極72,73,74,75,76,77がチップ両端に設けられる。
【0029】
また、このとき、上流温度検出抵抗体R1が、抵抗体用電極73,75から延設されると共に溝78上に架設される。さらに、下流温度検出抵抗体R2が、抵抗体用電極75,77から延設されると共に溝78上に架設される。さらにまた、発熱抵抗体Rhが、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との間に、抵抗体用電極74,76から延設されると共に溝78上に架設される。また、測定チップ71においては、センサ流路15の図中矢印に示す順方向上流側に流体温度検出抵抗体Rtが、抵抗体用電極72,74から延設される。そして、抵抗体用電極72〜77をプリント基板81の電気回路用電極82〜87(図3参照)のそれぞれと、半田フロー又は導電性接着剤などで接合することによって、測定チップ71をプリント基板81に実装している。従って、測定チップ71がプリント基板81に実装されると、測定チップ71に設けられた流体温度検出抵抗体Rt、上流温度検出抵抗体R1、下流温度検出抵抗体R2、および発熱抵抗体Rhは、測定チップ71の抵抗体用電極72〜77、プリント基板81の電気回路用電極82〜87、図示しない接続端子を介して、測定チップ71内の電気回路に接続される。この電気回路は、発熱抵抗体Rhを、流体温度検出抵抗体Rtで検出される流体温度と一定の温度差をもつように制御する。またこの他に、電気回路は、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との温度差に相当する電圧値を電装部14へ出力する。
【0030】
また、測定チップ71がプリント基板81に実装されると、測定チップ71の溝78は、プリント基板81の溝88と重なり合う。よって、図1に示すように、測定チップ71が実装されたセンサ基板12を、流路ブロック13が装着されたセンサボディ11に対して、シールパッキン30を介して密着させて固定すると、センサボディ11の流路空間24において、センサ基板12と測定チップ71との間に、測定チップ71の溝78やプリント基板81の溝88などからなる細長い形状のセンサ流路15が形成される。このとき、センサ流路15には、流体温度検出抵抗体Rt、上流温度検出抵抗体R1、下流温度検出抵抗体R2、及び発熱抵抗体Rhが橋を渡すように設けられることになる。電装部14は、センサ基板12からの出力信号に基づいて流体の流量を算出し、その結果を制御
手段4へ出力する。
【0031】
<制御手段>
制御手段4は、周知のマイクロコンピュータである。流量制御装置1は、一次圧力をある圧力に制御した状態で流体制御弁3が出力する流量と流体制御弁3のバルブ開度との関係を予め学習して、制御手段4に記憶している。制御手段4は、流量制御指令を入力すると、設定流量に応じたバルブ開度を決定して、流体制御弁3に起動指令を出力する。そして、制御手段4は、流量制御中には、熱式流量計2が測定した流量が入力されると、その流量を設定流量にするようにバルブ開度を決定して流体制御弁3に制御指令を出力する。
【0032】
<流体制御弁の構成>
流体制御弁3は、バルブボディ41に駆動部52を取り付けたものである。バルブボディ41は、図中左右端面に入力ポート42と出力ポート47が左右対称に形成されている。バルブボディ41は、入力ポート42と出力ポート47の開口面積は、オリフィス部材31の流出口34の流路断面積より小さく設定され、流体がオリフィス部材31から流体制御弁3へ流れるのをスムーズにして、流体の圧力低下が抑えられるようにしている。バルブボディ41には、弁部を内蔵する弁室45が設けられている。バルブボディ41は、弁室45と同軸上に弁孔44が形成されている。また、バルブボディ41は、入力ポート42から弁孔44へ向かって斜め下向きに入力流路43が形成され、入力ポート42が入力流路43と弁孔44を介して弁室45に連通している。また、バルブボディ41は、弁室45から出力ポート47へ向かって斜め下向きに出力流路46が形成され、弁室45と出力ポート47が連通している。
【0033】
バルブボディ41は、弁孔44が弁室45の内壁に開口する開口部外周に弁座48が平坦に形成されている。弁室45には、駆動部52から延設された弁ロッド50が配置され、その弁ロッド50の図中下端部に弁体49が装着されている。ベローズ51は、上端部の閉止部51aが弁室45の上方開口部を塞ぎ、下端部が弁ロッド50に固定されている。ベローズ51は、弁ロッド50が図中上下方向へ移動して弁体49を弁座48に当接又は離間させる際に伸縮し、弁ロッド50の摺動部から発生するパーティクルが弁室45を流れる流体に混入しないようにしている。
【0034】
弁ロッド50は、駆動部52によって駆動力を付与される。駆動制御装置53は、制御手段4に電気的に接続され、制御手段4からの指令に従って駆動部52に供給する操作エアを制御し、バルブ開度を制御する。
【0035】
このような流体制御弁3は、バルブボディ41の入力ポート42を、オリフィス部材31が装着された熱式流量計2の流出ポート23に位置合わせするように、バルブボディ41がセンサボディ11に面接触され、図示しないボルトで熱式流量計2に密着固定されている。
【0036】
尚、流量制御装置1は、カバー7が熱式流量計2と流体制御弁3とを覆うように熱式流量計2と流体制御弁3に固定されている。
また、センサボディ11の流入ポート17とバルブボディ41の出力ポート47には、継手5がそれぞれねじ止めされている。
【0037】
<動作説明>
次に、上記流量制御装置1の動作について説明する。
流量制御装置1は、上位装置から流量制御指令が入力されると、制御手段4が、設定流量に応じたバルブ開度を決定し、流体制御弁3を開く。そして、制御手段4は、熱式流量計2が測定した流量を入力し、入力した流量を設定流量にするようにバルブ開度を調整することにより、流量をフィードバック制御する。
【0038】
流入ポート17を介して流入流路19に流れ込んだ流体は、連通流路20と流路空間24に分流される。このとき、連通流路20の流路断面積が流入流路19の流路断面積より小さくされ、連通流路20内で確実に微弱な圧力降下が起きるため、流入ポート17か流れ込んだ流体の一部が流路空間24へ確実に流れ込む。そして、流体は、流路空間24にてバイパス流路16に流れるものとセンサ流路15に流れるものとにさらに分流される。その後、連通流路20、バイパス流路16及びセンサ流路15から流れ出した流体は、流出流路21で合流して、オリフィス部材31を介して流体制御弁3の入力ポート42に出力される。入力ポート42に流れ込んだ流体は、入力流路43、弁座48、弁室45、出力流路46を介して出力ポート47から出力される。このとき、流体は、弁体49が弁座48から離間する距離(バルブ開度)に応じた流量により流体制御弁3から出力される。尚、流体は、ポートフィルタ29を通過してセンサ流路15に流れ込む。よって、熱式流量計2の上流側に接続される配管形状に影響されることなく非常に流れが整えられた状態の流体がセンサ流路15を流れる。
【0039】
流体は、センサ流路15を流れる際にセンサ流路15に橋設された発熱抵抗体Rhから熱を奪う。そうすると、測定チップ71は、流体温度検出抵抗体Rtと発熱抵抗体Rhとが一定温度になるように制御する。また、測定チップ71は、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との温度差を検出し、電気信号を電装部14へ出力する。
【0040】
熱式流量計2は、連通流路20をセンサボディ11に設けている。電装部14は、測定チップ71から電気信号によりバイパス流路16を流れる流量を算出し、連通流路20とバイパス流路16とのバイパス比によってフルスケール流量を決定できる。このため、バイパス流路16を大きく(変更する)ことなく、500L/min程度以上の大きな流量であっても、計測することができる。電装部14は、算出した流量を制御手段4に出力する。制御手段4は、入力された流量を設定流量にするための指令を流体制御弁3に出力し、バルブ開度を調整する。流体制御弁3は、熱式流量計2が連通流路20を設けたことにより500L/min以上の大流量でも制御できるので、500L/min以上の大流量でも流量制御することができる。
【0041】
このような流量制御装置1は、出荷時に、一次圧力をある調整時圧力(例えば0.5MPa)に設定された状態で流量に応じたバルブ開度を設定され、流量保証されている。しかし、流量制御装置1は、使用条件が使用先で決められるため、一次圧力が流量保証された調整時圧力(例えば0.5MPa)と異なる圧力に設定されることがある。流量制御装置1は、オリフィス部材31を流出ポート23に装着しない場合、一次圧力が調整時圧力と異なる圧力に設定された状態で、300L/minから500Lminの大流量制御すると、制御される流量と保証された流量(以下「保証流量」という。)との間に生じる流量誤差が大きかった。これに対して、流量制御装置1の流出ポート23にオリフィス部材31を装着すると、一次圧力が調整時圧力と異なる場合でも、制御される流量と保証流量との流量誤差が小さくなった。
【0042】
<オリフィス部材の効果について>
そこで、発明者は、図5に示す評価装置61を用いて、オリフィス部材31の効果を調べる実験を行った。評価装置61は、パージガス供給源62に調圧器63、フィルタ64、圧力計65、評価対象物となる流量制御装置1(101)、流量計66を接続して構成した。流量制御装置1はオリフィス部材31を備えるのに対して、流量制御装置101は、オリフィス部材31を備えない。流量制御装置1,101は、何れも、一次圧力を0.5MPaに設定された状態で流量調整されている。コントローラ67は、周知のマイクロコンピュータであって、調圧器63、圧力計65、流量制御装置1(101)の
制御手段4、流量計66に電気通信可能に接続されている。コントローラ67には、流体制御弁3に出力するコマンド指令毎に、調整時圧力(0.5MPa)の下で流量制御装置1(101)が制御する流量を基準値としてそれぞれ記憶している。
【0043】
ここで、実験では、流量に幅を持たせて、制御する流量と基準値との流量誤差との関係を調べるために、連通流路20、弁孔44及びオリフィス流路33の内径寸法の異なる複数の流量制御装置1,101を使用している。以下の実験説明では、流量制御弁1,101に添え字「A」、「B」、「C]を付けて装置を区別している。
【0044】
具体的には、流量制御装置1A,101Aは、0L/minから400L/minの範囲で流量制御可能な流体制御弁3を搭載し、オリフィス部材31Aの有無を除き構成が共通する。流量制御装置1A,101Aは、連通流路20の流路内径寸法を直径9.0mm、弁孔44の流路内径寸法を直径5.5mmに設定されている。
流量制御装置1B,101Bは、0L/minから600L/minの範囲で流量制御可能な流体制御弁3を搭載し、オリフィス部材31Bの有無を除き構成が共通する。流量制御装置1B,101Bは、連通流路20の流路内径寸法を直径10.0mm、弁孔44の流路内径寸法を直径6.0mmに設定されている。
流量制御装置1C,101Cは、0L/minから1000L/minの範囲で流量制御可能な流体制御弁3を搭載し、オリフィス部材31Cの有無を除き構成が共通する。流量制御装置1C,101Cは、連通流路20の流路内径寸法を直径12.0mm、弁孔44の流路内径寸法を直径8.5mmに設定されている。
【0045】
流量制御装置1A,1B,1C,101A,101B,101Cは、流出ポート23の流路内径寸法が直径17mmに設定されている。流量制御装置1A,1B,1Cは、オリフィス流路33の流路内径寸法(オリフィス径)の異なるオリフィス部材31A,31B,31Cが流出ポート23に装着されている。すなわち、流量制御装置1Aは、オリフィス径が8.0mmのオリフィス部材31Aが流出ポート23に装着されている。また、流量制御装置1Bは、オリフィス径が10.0mmのオリフィス部材31Bが流出ポート23に装着されている。更に、流量制御装置1Cは、オリフィス径が11.0mmのオリフィス部材31Cが流出ポート23に装着されている。
【0046】
上記評価装置61による実験方法は、以下の通りである。
コントローラ67は、パージガス供給源62から流量制御装置1A(1B,1C,101A,101B,101C)に供給されるパージガスの圧力(一次圧力)が圧力計65から入力され、入力される圧力測定値に基づいて調圧器63により一次圧力を所定圧に一定制御する。その状態で、流量制御装置1A(1B,1C,101A,101B,101C)は、コントローラ67から制御手段4に入力される命令に従って流体制御弁3にコマンド指令を供給して弁を開き、流量制御を行う。コントローラ67は、流量制御装置1A(1B,1C,101A,101B,101C)から出力されるパージガスの流量が流量計66から入力される。コントローラ67は、実験中の一次圧力とコマンド指令に対応する基準値を内蔵するメモリから探索し、探索した基準値と流量計66から入力される流量測定値との流量誤差(%F.S./0.1Mpa)を算出して評価する。
【0047】
実験では、流量制御装置1Aの一次圧力を調整時圧力(0.5MPa)より低圧な0.4MPaに制御した状態で、0%F.S.から100%F.S.までのコマンド指令を流体制御弁3に出力して流量制御装置1Aに0L/minから400L/minまでの流量制御を行わせ、各コマンド指令毎に流量誤差を測定した。
また、実験では、流量制御装置1Aの一次圧力を調整時圧力(0.5MPa)より高圧な0.6MPaに制御した状態で、0%F.S.から100%F.S.までのコマンド指令を流体制御弁3に出力して流量制御装置1Aに0L/minから400L/minまでの流量制御を行わせ、各コマンド指令毎に流量誤差を測定した。
上記と同様の実験を流量制御装置101Aにも行った。
また、流量制御装置1Aと同様の手順で、流量制御装置1B,101Bに一次圧力0.4MPaと0.6MPaの下で0L/minから600L/minまで制御させて流量誤差を測定する実験と、流量制御装置1C,101Cに一次圧力0.4MPaと0.6MPaの下で0L/minから1000L/minまで制御させて流量誤差を測定する実験を行った。
これらの実験結果を図6〜図11に示す。図6〜図8は、オリフィス部材31を備えない流量制御装置101A,101B,101Cの実験結果であり、図9〜図11は、オリフィス部材31を備える流量制御装置1A,1B,1Cの実験結果である。
【0048】
<流量制御装置1A,101Aに関する実験結果>
図9の太線に示すように、流量制御装置1Aは、一次圧力が0.4MPaの場合、0〜100%F.S.コマンド指令の流量誤差が−0.3%F.S/0.1MPa以上0.5%F.S/0.1MPa以下の範囲に抑えられる。
また、図9の点線に示すように、流量制御装置1Aは、一次圧力が0.6MPaの場合、0〜100%F.S.コマンド指令の流量誤差が−0.3%F.S/0.1MPa以上0.3%F.S/0.1MPa以下の範囲に抑えられる。
【0049】
一方、図6の太線に示すように、流量制御装置101Aは、一次圧力が0.4MPaの場合、10〜55%F.S.コマンド指令が入力されてパージガスを40〜220L/minに流量制御するまでは、流量制御装置1Aと同様、流量誤差を−0.3%F.S/0.1MPa以上0.5%F.S/0.1MPa以下の範囲にできる。しかし、55%F.S.を超えるコマンド指令が入力されると、流量制御装置1Aで実現された流量誤差範囲を超えて流量誤差がプラス方向に比例的に大きくなっていく。そして、100%F.S.コマンド指令が入力された場合に至っては、流量誤差が3.6%F.S/0.1MPaで最大になる。
また、図6の点線に示すように、流量制御装置101Aは、一次圧力が0.6MPaの場合、10〜50%F.S.コマンド指令が入力されてパージガスを40〜200L/minに流量制御するまでは、流量制御装置1Aと同様、流量誤差を−0.3%F.S/0.1MPa以上0.3%F.S/0.1MPa以下の範囲にできる。しかし、50%F.S.を超えるコマンド指令が入力されると、流量制御装置1Aで実現された流量誤差範囲を超えて流量誤差がマイナス方向に比例的に大きくなっていく。そして、100%F.S.コマンド指令が入力された場合に至っては、流量誤差が−3.5%F.S/0.1MPaで最大になる。
【0050】
従って、流量制御装置1Aは、オリフィス部材31Aを流出ポート23に装着することにより、一次側圧力が調整時圧力より低圧又は高圧でバルブ開度を50%より大きくして大流量制御する場合でも、制御される流量と保証流量との流量誤差を小さくできる。
【0051】
<流量制御装置1B,101Bに関する実験結果>
図10の太線に示すように、流量制御装置1Bは、一次圧力が0.4MPaの場合、0〜100%F.S.コマンド指令の流量誤差が−0.2%F.S/0.1MPa以上1.6%F.S/0.1MPa以下の範囲に抑えられる。
また、図10の点線に示すように、流量制御装置1Bは、一次圧力が0.6MPaの場合、0〜100%F.S.コマンド指令の流量誤差が−0.5%F.S/0.1MPa以上0.1%F.S/0.1MPa以下の範囲に抑えられる。
【0052】
一方、図7の太線に示すように、流量制御装置101Bは、一次圧力が0.4MPaの場合、10〜75%F.S.コマンド指令が入力されてパージガスを60〜450L/minに流量制御するまでは、流量制御装置1Bと同様、流量誤差を−0.2%F.S/0.1MPa以上1.6%F.S/0.1MPa以下の範囲にできる。しかし、75%F.S.を超えるコマンド指令が入力されると、流量制御装置1Bで実現された誤差範囲を越えて流量誤差がプラス方向に比例的に大きくなっていく。そして、100%F.S.コマンド指令が入力された場合に至っては、流量誤差が3.1%F.S/0.1MPaで最大になる。
また、図7の点線に示すように、流量制御装置101Bは、一次圧力が0.6MPaの場合、10〜75%F.S.コマンド指令が入力されてパージガスを60〜450L/minに流量制御するまでは、流量制御装置1Bと同様、流量誤差を−0.5%F.S/0.1MPa以上0.1%F.S/0.1MPa以下の範囲にできる。しかし、75%F.S.を超えるコマンド指令が入力されると、流量制御装置1Bで実現された誤差範囲を越えて流量誤差がマイナス方向に比例的に大きくなっていく。そして、100%F.S.コマンド指令が入力された場合に至っては、流量誤差が−1.1%F.S/0.1MPaで最大になる。
【0053】
従って、流量制御装置1Bは、オリフィス部材31Bを流出ポート23に装着することにより、一次側圧力が調整時圧力より低圧又は高圧でバルブ開度を75%より大きくして大流量制御する場合でも、制御される流量と保証流量との流量誤差を小さくできる。
【0054】
<流量制御装置1C,101Cに関する実験結果>
図11の太線に示すように、流量制御装置1Cは、一次圧力が0.4MPaの場合、0〜100%F.S.コマンド指令の流量誤差が−0.1%F.S/0.1MPa以上0.1%F.S/0.1MPa以下の範囲に抑えられる。
また、図11の点線に示すように、流量制御装置1Cは、一次圧力が0.6MPaの場合、0〜100%F.S.コマンド指令の流量誤差が−0.1%F.S/0.1MPa以上0.1%F.S/0.1MPa以下の範囲に抑えられる。
【0055】
一方、図8の太線に示すように、流量制御装置101Cは、一次圧力が0.4MPaの場合、10〜40%F.S.コマンド指令が入力されてパージガスを100〜400L/minに流量制御するまでは、流量制御装置1Cと同様、流量誤差を−0.1%F.S/0.1MPa以上0.1%F.S/0.1MPa以下の範囲にできる。しかし、40%F.S.を超えるコマンド指令が入力されると、流量制御装置1Cで実現された流量誤差を超えて流量誤差がプラス方向に比例的に大きくなっていき、100%F.S.コマンド指令が入力された場合に至っては、流量誤差が2.1%F.S/0.1MPaで最大になる。
また、図8の点線に示すように、流量制御装置101Cは、一次圧力が0.6MPaの場合、10〜15%F.S.コマンド指令が入力されてパージガスを100〜150L/minに流量制御する場合、又は、95〜100%F.S.コマンド指令が入力されてパージガスを950〜1000L/minに流量制御する場合には、流量制御装置1Cと同様、流量誤差を−0.1%F.S/0.1MPa以上0.1%F.S/0.1MPa以下の範囲にできる。しかし、15%F.S.より大きく95%F.S.未満のコマンド指令が入力されると、流量誤差が流量制御装置1Cで実現された誤差範囲を超える。そして、50%F.S.コマンド指令が入力された場合(パージガスを500L/minに流量制御する場合)に至っては、流量誤差が0.3%F.S/0.1MPaで最大になる。
【0056】
従って、流量制御装置1Cは、オリフィス部材31Cを流出ポート23に装着することにより、一次側圧力が調整時圧力より低圧でパージガスを400L/min以上に流量制御する場合でも、制御される流量と保証流量との流量誤差を小さくできる。また、流量制御装置1Cは、オリフィス部材31Cを流出ポート23に装着することにより、一次側圧力が調整時圧力より高圧でパージガスを500L/minに流量制御する場合でも、制御される流量と保証流量との流量誤差を小さくできる。
【0057】
<実験まとめ>
以上の実験結果より、流量制御装置1は、オリフィス部材31を流出ポート23に装着することにより、一次圧力が調整時圧力と異なる条件で使用されても、調整時圧力で流量保証された場合とほぼ同様に流量制御を行えることが分かった。これは、オリフィス部材31の流出口34がオリフィス流路33より流路断面積が小さく、流体制御弁3の動作により発生した圧力変動がオリフィス流路33から上流側に伝播しにくいためと考えられる。
【0058】
<シミュレーションについて>
発明者は、オリフィス部材31が流量制御に与える影響を考察するため、上記実験で使用した流量制御装置1C,101Cの流体の流れをシミュレーションした。試験では、上述の実験で使用した流量制御装置1C,101Cのそれぞれについて、一次圧力を調整時圧力(0.5MPa)に一定制御した状態で流体を1000L/minに流量制御する場合の流体の流れと、一次圧力を調整時圧力(0.5MPa)より低圧に一定制御した状態で流体を1000L/minに流量制御する場合の流体の流れをシミュレーションした。シミュレーション結果を図12〜図15に示す。尚、図12〜図15には、シュミレーション部位と流量制御装置1C,101Cの対応関係が分かるように、図1に記載する流路の符号を便宜的に付している。
【0059】
図12〜図15のP11,P21,P31,P41に示すように、流量制御装置101C,1Cは、一次圧力が異なっても、センサボディ11の連通流路20までの領域と、流入流路19から流路空間24を介してセンサ流路15とバイパス流路16に流れ込むまでの領域の流体の流れがほぼ同じである。しかし、流量制御装置101C,1Cとは、連通流路20から下流側の流体の流れ特性、及び、センサ流路15とバイパス流路16から流路空間24を介して流出流路21に流れる流体の流れ特性が異なる。
【0060】
具体的には、図12のP12及び図13のP22に示すように、流量制御装置101Cは、オリフィス部材31Cが流出ポート23に装着されていないため、流出ポート23から流体制御弁3の入力ポート42まで流体が一定速度で流れている。入力流路43と弁孔44は、流出ポート23より流量断面積が小さいため、流体は入力流路43と弁孔44で加速されて弁室45へ流れる。
【0061】
また、流量制御装置101Cは、センサ流路15とバイパス流路16から流出流路21への流体の流れが、一次圧力によって異なっている。すなわち、図13のP23に示すように、保証された条件(一次圧力0.5MPa,制御流量1000L/min)で使用される流量制御装置101Cは、熱式流量計2のセンサ流路15とバイパス流路16を流れた流体が流路空間24の流体制御弁3側の内壁に沿って集中的に流れ、流出流路21に合流している。これは、流路空間24の流体が流出流路21の流体に引っ張られるためと考えられる。これに対して、図13に示すように、保証されていない条件(一次圧力0.3MPa,制御流量1000L/min)で使用される流量制御装置101Cは、熱式流量計2のセンサ流路15とバイパス流路16を流れた流体が流路空間24に広がって流れ、調整時圧力使用時よりも低速で流出流路21に合流している。これば、一次圧力が調整時圧力より低いため、流路空間24の流体が流出流路21の流体に引っ張られにくいためと考えられる。
【0062】
一方、図14のP32及び図15のP42に示すように、流量制御装置1Cは、オリフィス部材31Cが流出ポート23に装着されているため、流出流路21からオリフィス部材31Cに流れた流体が、オリフィス流路33で加速されて流出口34から流体制御弁3の入力ポート42に流れ込んでいる。そして、その流速は、流体が入力流路43から弁孔44を介して弁室45へ流れる際にも維持されている。
【0063】
また、図15のP43及び図14のP33に示すように、流量制御装置1Cは、保証された条件(一次圧力0.5MPa、制御流量1000L/min)で流量制御する場合も、保証されていない条件(一次圧力0.3MPa、制御流量1000L/min)で流量制御する場合も、熱式流量計2のセンサ流路15とバイパス流路16を流れた流体が流路空間24全体に均一な速度で流れ、流出流路21に合流している。これは、オリフィス部材31Cのオリフィス流路33により圧力低下が抑えられ、流出流路21を流れる流体の流れが一次圧力の変化の影響を受けにくいためと考えられる。
【0064】
以上のシミュレーション結果より、以下のことが考えられる。
流量制御装置101C,1Cは共に、制御手段4がセンサ基板12で測定される流量測定値に基づいて流体制御弁3のバルブ開度を制御し、流量制御を行う。従って、熱式流量計2の流量測定値が流量制御装置101C,1Cの信頼性に影響する。熱式流量計2は、上述したように、流体がセンサ流路15を流れる際に上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との温度差により流量を測定する。そのため、センサ流路15及びバイパス流路16から流路空間24を介して流出流路21へ流れる流体の流れが変わると、流体制御弁3が同じ流量を制御する場合でも、センサ基板12が検出する温度差が変わってしまい、流量測定誤差が生じる。この観点では、流量制御装置101Cは、保証条件と異なる条件で使用される場合と保証条件で使用される場合とで流体の流れが異なるので、一次圧力が調整時圧力からずれると熱式流量計2が精度良く流量を測定できなくなる。その結果、流量制御装置101Cは、流量を精度良く制御できなくなる。これに対して、流量制御装置1Cは、保証条件と異なる条件で使用される場合でも保証条件で使用される場合でも流体の流れが同じなので、一次圧力が調整時圧力であるか否かに関係なく、熱式流量計2が精度良く流量を測定する。その結果、流量制御装置1Cは、精度良く流量を制御できる。
【0065】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の流量制御装置1は、流出ポート23と入力ポート42とが連通するようにセンサボディ11とバルブボディ41とを面接触させて熱式流量計2と流体制御弁3とを一体化し、装置のフットスペースを小さくしている。オリフィス部材31は、流出ポート23に装着され、センサボディ11に内蔵されている。流体は、熱式流量計2の流入ポート17から流入流路19、連通流路20、流出流路21、オリフィス部材31のオリフィス流路33、流体制御弁3の入力ポート42、入力流路43、弁孔44へと流れ、流体制御弁3のバルブ開度に応じて出力される。このとき、流体の一部は、連通流路20を通らずに、流入流路19からバイパス流路16とセンサ流路15を介して流出流路21へ流れ込む。流体は、センサ基板12がセンサ流路15を流れる流体の流量を計測して出力する出力信号に基づいて、全体流量が算出される。このようにして算出された全体流量に基づいて流体制御弁3のバルブ開度が制御される。流体は、連通流路20により流量を絞られてセンサ流路15とバイパス流路16に流体が確実に流れるようにしている他、オリフィス流路33により流量を絞られて流出流路21の圧力を一定に維持するようにしている。そのため、流体制御弁3の動作により流路に生じた圧力変動が、オリフィス流路33に塞き止められて流出流路21に伝播しにくく、センサ流路15及びバイパス流路16から流出流路21へ流れる流体の流れに影響しない。その結果、流量制御装置1に供給される流体の圧力が調整時圧力と異なる場合でも、制御される流量と保証流量との間の流量誤差が小さくなる。よって、上記流量制御装置1によれば、流量精度を向上させつつ、装置をコンパクトにできる。
【0066】
上記流量制御装置1は、オリフィス流路33の流路断面積が、連通流路20の流路断面積より小さく、且つ、入力流路43及び弁孔44の流路断面積より大きくなるように設定され、流体の流量を連通流路20、オリフィス流路33、入力流路43の順に段階的に絞るため、流体が連通流路20から流出流路21、オリフィス流路33、入力流路43、弁孔44へと流れる際に圧損を生じにくく、また、その逆方向へ向かって圧力変動が伝播しにくい。
【0067】
上記流量制御装置1は、流入流路19と連通流路20と流出流路21とオリフィス流路33とを同軸上に設けているので、流体が流入流路19からオリフィス流路33へ流れる際の圧損を抑えつつ、センサボディ11をコンパクトにできる。
【0068】
上記流量制御装置1は、熱式流量計2により、発熱抵抗体Rhと流体温度検出抵抗体Rtとが一定の温度差になるように制御し、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との温度差に基づき流量を算出する。そのため、流体制御弁3の動作により発生する圧力変動によりセンサ流路15とバイパス流路16から流出流路21へ流れる流体の流れが流量制御装置1に供給される流体の一次圧力によって変わると、熱式流量計2は、各抵抗体Rh,Rt,R1,R2の特性が流量保証時の特性と変わり、流量検出精度が低下する。しかし、上述したように、上記流量制御装置1は、オリフィス部材31を流出ポート23に装着することにより、流体制御弁3の動作により発生する圧力変動がセンサ流路15とバイパス流路16から流出流路21へ流れる流体の流れに影響しにくいので、熱式流量計2の流量検出精度が低下しない。よって、上記流量制御装置1は、流体の流量を精度良く制御できる。
【0069】
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の流体制御装置1は、バイパス流路16と流出流路21とを連通させる第2流路24bの内径寸法を、流入流路19とバイパス流路16とを連通させる第1流路24aの内径寸法より細くしてオリフィスを設けている点が第1実施形態と相違し、その他の点は第1実施形態と共通している。尚、第2流路24bのオリフィス径は、例えば、バイパス流路16と流出流路21との間とを接続する流路にオリフィス部材を配置したり、凸部25の形状を変えることにより、第1流路24aより細く設定されている。
【0070】
発明者は、第2実施形態の流量調整装置を用いて、第1実施形態と同様にオリフィス部材31の効果について調べる実験を行った。実験では、第1及び第2流路24a,24bの内径寸法を直径3mmとする流量制御装置(以下、流量制御装置1Dとする。)と、第1流路24aの内径寸法を直径3mmとすると共に第2流路24bの内径寸法を直径2.5mmとする流量制御装置(以下「流量制御装置1E」とする。)とを用いた。実験方法は、流量制御装置1Dの一次圧力を調整時圧力(0.5MPa)より低圧な0.4MPaに制御した状態で、0%F.S.から100%F.S.までのコマンド指令を流体制御弁3に出力して流量制御装置1Dに0L/minから600L/minまでの流量制御を行わせ、各コマンド指令毎に保証流量との流量誤差を測定した。尚、流量制御装置1Eについても、同一の実験条件で実験を行った。
【0071】
実験の結果、流量制御装置1Dは、一次圧力を0.4MPaに制御した状態で流体制御弁3に100%F.S.コマンド指令を入力されて制御する流量と、一次圧力を調整時圧力(0.5MPa)に制御した状態で保証される保証流量との間に生じる流量誤差が、1.59%F.S/0.1MPaであった。一方、流量制御装置1Eは、一次圧力を0.4MPaに制御した状態で流体制御弁3に100%F.S.コマンド指令を入力されて制御する流量と、一次圧力を調整時圧力(0.5MPa)に制御した状態で保証される保証流量との間に生じる流量誤差が、1.06%F.S/0.1MPaであった。よっ
て、流量制御装置1Eは、第2流路24bの流路径を第1流路24aの流路径より小さく
したことにより、一次圧力を調整時圧力より低圧にした状態で流体制御弁3に100%F.S.コマンド指令を入力されて流量を600L/minに制御させた場合の流量誤差が、流量制御装置1Dより小さくなる。これは、流体が第1流路24aからセンサ流路15、バイパス流路16へ流れた流体が第2流路24bで流量を絞られることにより整流され、流体制御弁3からオリフィス部材31を介して流出流路21に伝播した流体の圧力変動が第2流路24bを介してセンサ流路15へ伝播して熱式流量計2の流量測定に影響しにくくなるためと考えられる。
【0072】
よって、第2実施形態の流量制御装置によれば、バイパス流路16を流出流路21に連通させる第2流路24bの流路断面積を、バイパス流路16を流入流路19に連通させる第1流路24aの流路断面積より小さくすることにより、第2流路24bにオリフィスを設け、第1流路24aからバイパス流路16、第2流路24bを介して流出流路21へ流れる流体を整流するので、流体制御弁3からオリフィス部材31を介して流出流路21に伝播した流路内の圧力変動がセンサ流路15に影響しにくくなり、流量精度を向上させることができる。具体的には、第2実施形態の流量制御装置によれば、一次圧力を調整時圧力より低圧にした状態で流体制御弁3に100%F.S.コマンド指令を入力されて流量を600L/minに制御する場合の流量誤差が、第1実施形態の実験で使用した流量制御装置1Bと比べて改善される。
【0073】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、制御手段4をカバー7内に内蔵したが、熱式流量計2と流体制御弁3を上位装置のコントローラに接続し、そのコントローラを制御手段の一例としても良い。
例えば、上記実施形態では、流入ポート17と流入流路19との間、及び、流出流路21と流出ポート23との間にポートフィルタ29を配置するためのポートフィルタ配置部18,22を設けたが、ポートフィルタ配置部18,22を省略して流入ポート17と流入流路19及び流出流路21と流出ポート23をそれぞれ直接連通させても良い。
例えば、上記第2実施形態では、第2流路24bの流路断面積を第1流路24aの流路断面積より小さくしてオリフィスを設けたが、第1流路24aを第2流路24bと同様に流路断面積を小さくしてオリフィスを設けても良い。この場合も、オリフィスは、オリフィス部材を第1及び第2流路24a,24bにそれぞれ配置して設けてもよいし、凸部25の形状により第1及び第2流路24a,24bの流路径を絞ることにより設けてもよい。この場合、第2実施形態のものと比べ、流体が第1及び第2流路で絞られ、第2流路24bから第1流路24aへ伝播しにくくなり、より一層流量制御精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 流量制御装置
2 熱式流量計
3 流体制御弁
11 センサボディ
13 流路ブロック
14 電装部(流量算出手段の一例)
15 センサ流路
16 バイパス流路
17 流入ポート
19 流入流路
21 流出流路
23 流出ポート
24 流路空間
24a 第1流路
24b 第2流路
31 オリフィス部材
33 オリフィス流路
41 バルブボディ
43 入力流路(バルブ流路の一例)
44 弁孔(バルブ流路の一例)
45 弁室
Rh 発熱抵抗体(抵抗体の一例)
Rt 流体温度検出抵抗体(抵抗体の一例)
R1 上流温度検出抵抗体(抵抗体の一例)
R2 下流温度検出抵抗体(抵抗体の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量計の流量測定値に基づいて流体制御弁のバルブ開度を制御して流量制御を行う流量制御装置において、
前記流量計は、流量を計測するための抵抗体が架設されたセンサ流路の他に、前記センサ流路に対するバイパス流路を備え、前記抵抗体からの出力信号に基づき流体の流量を算出する流量算出手段を有する熱式流量計であり、
前記熱式流量計は、流入ポートと前記バイパス流路とを連通させる流入流路と、流出ポートと前記バイパス流路とを連通させる流出流路と、前記センサ流路と前記バイパス流路を介することなく前記流入流路と前記流出流路とを連通する連通流路とが形成されたセンサボディを有し、
前記流体制御弁は、前記流出ポートに接続される入力ポートと、弁部を内蔵する弁室と、前記入力ポートと前記弁室とを連通されるバルブ流路とを有するバルブボディと、前記バルブボディに連結されて前記弁部に駆動力を与える駆動部と、を有し、
前記流出ポートと前記入力ポートとを接続するように前記センサボディと前記バルブボディとを面接触させて、前記熱式流量計と前記流体制御弁とを一体化しており、
流量を絞るオリフィス流路が設けられたオリフィス部材を前記流出ポートに装着している
ことを特徴とする流量制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載する流量制御装置において、
前記オリフィス流路の流路断面積が、前記連通流路の流路断面積より小さく、且つ、前記バルブ流路の流路断面積より大きい
ことを特徴とする流量制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する流量制御装置において、
前記流入流路と前記連通流路と前記流出流路と前記オリフィス流路とを同軸上に設けている
ことを特徴とする流量制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載する流量制御装置において、
前記センサ流路と前記バイパス流路に前記流体を分流させると共に整流する流路ブロックを有し、
前記センサボディは、前記流路ブロックが配置される流路空間が、前記流入流路と前記流出流路とに連通するように設けられ、
前記抵抗体には、
前記センサ流路の流れ方向上流側に設けられた上流温度検出抵抗体と、
前記センサ流路の流れ方向下流側に設けられた下流温度検出抵抗体と、
前記上流温度検出抵抗体と前記下流温度検出抵抗体との間に設けられ、前記上流温度検出抵抗体と前記下流温度検出抵抗体とを加熱する発熱抵抗体と、
前記センサ流路を流れる流体の温度を検出する流体温度検出抵抗体とが含まれ、
前記流量算出手段は、前記発熱抵抗体と前記流体温度検出抵抗体とが一定の温度差になるように制御し、前記上流温度検出抵抗体と前記下流温度検出抵抗体との温度差に基づき流体の流量を算出する
ことを特徴とする流量制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載する流量制御装置において、
前記バイパス流路を前記流入流路に連通させる第1流路と、前記バイパス流路を前記流出流路に連通させる第2流路とを有し、
前記第2流路、又は、前記第1流路と前記第2流路の両方に、オリフィスを設けた
ことを特徴とする流量制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−27553(P2011−27553A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173691(P2009−173691)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】