浄水装置および浄水装置の消毒殺菌方法
【課題】殺菌成分導入口よりも上流側を、構成を簡素化しつつ積極的に消毒殺菌できるようにして、より安全な浄化水を得ることができる浄水装置および浄水装置の消毒殺菌方法を得る。
【解決手段】供給弁(水供給部)2から導入される原水を上下方向に流通させる主配管(流路)3に、浄化部4および電解水生成装置5が配置された浄水装置1において、生成した殺菌成分を主配管3に導入する殺菌装置10を設けるとともに、前記殺菌成分を主配管3の殺菌成分導入口10aよりも上流側に逆流させる排水弁(逆流手段)11を設ける。
【解決手段】供給弁(水供給部)2から導入される原水を上下方向に流通させる主配管(流路)3に、浄化部4および電解水生成装置5が配置された浄水装置1において、生成した殺菌成分を主配管3に導入する殺菌装置10を設けるとともに、前記殺菌成分を主配管3の殺菌成分導入口10aよりも上流側に逆流させる排水弁(逆流手段)11を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道水などの原水を浄化する浄水装置およびその浄水装置を用いた消毒殺菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料水用の浄水装置としては、原水を導入する流路の上流側に濾過機能を有するカートリッジ(浄化部)を配置するとともに、そのカートリッジの下流側に電解水生成装置を配置し、更に、これらカートリッジと電解水生成装置との間に光触媒装置を設けたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この場合、光触媒装置は二酸化チタンに紫外線を照射して触媒作用を生じさせる装置であって、殺菌作用のあるオゾンを生成するための殺菌装置として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−18429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の浄化装置にあっては、殺菌装置で発生したオゾンは、流通する原水に混入して殺菌装置の殺菌成分導入口よりも下流側に位置する流路や電解水生成装置に供給されて、これらを消毒殺菌することができる。
【0006】
しかしながら、殺菌成分導入口よりも上流側となる例えば、カートリッジと殺菌装置との間の流路にはオゾンが供給されずその部分には菌が残存するため、不衛生であるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、殺菌成分導入口よりも上流側を、構成を簡素化しつつ積極的に消毒殺菌できるようにして、より安全な浄化水を得ることができる浄水装置および浄水装置の消毒殺菌方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の浄水装置にあっては、水供給部から導入される原水を上下方向に流通させる流路に、浄化部および電解水生成装置が配置された浄水装置であって、生成した殺菌成分を前記流路に導入する殺菌装置が設けられるとともに、前記殺菌成分を前記流路の殺菌成分導入口よりも上流側に逆流させる逆流手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の浄水装置の消毒殺菌方法にあっては、上記浄水装置を用い、前記逆流手段により前記流路の殺菌成分導入口よりも上流側に殺菌成分を逆流させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の浄水装置およびその浄水装置の消毒殺菌方法によれば、殺菌成分を逆流手段によって流路の殺菌成分導入口よりも上流側に逆流させることができる。これにより、殺菌成分導入口よりも上流側の流路を積極的に消毒殺菌でき、通常使用においてより安全な浄化水を得ることができる。
【0011】
また、逆流手段で殺菌成分を逆流させる際、流路は水を上下方向に流通させるように設けられているため、水の重力や比重を利用して殺菌成分を逆流でき、逆流手段の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明にかかる浄水装置の第1の基本構造において、通常の運転モードの流れ示す模式図である。
【図2】図2は、第1の基本構造において、殺菌装置よりも下流側の殺菌モードの流れを示す模式図である。
【図3】図3は、第1の基本構造において、殺菌装置よりも上流側の殺菌モードの流れを示す模式図である。
【図4】図4は、第1の基本構造の変形例を示し、浄化部が逆流し難い構造の場合の上流側の殺菌モードの流れを示す模式図である。
【図5】図5は、第1の基本構造に用いられる殺菌装置の第1の実施形態を示す模式図である。
【図6】図6は、第1の実施形態の殺菌装置を構成するオゾン発生装置を詳細に示す模式図である。
【図7】図7は、第1の基本構造に用いられる殺菌装置の第2の実施形態を示す模式図である。
【図8】図8は、本発明にかかる浄水装置の第2の基本構造において、通常の運転モードおよび下流側の殺菌モードの流れを示す模式図である。
【図9】図9は、第2の基本構造に用いられる殺菌装置の第3の実施形態を示す模式図である。
【図10】図10は、第2の基本構造に用いられる殺菌装置の第4の実施形態を示す模式図である。
【図11】図11は、第1の基本構造に用いられる殺菌装置の第5の実施形態を示す模式図である。
【図12】図12は、第2の基本構造に用いられる殺菌装置の第6の実施形態を示す模式図である。
【図13】図13は、第2の基本構造に用いられる殺菌装置の第7の実施形態を示す模式図である。
【図14】図14は、本発明にかかる浄水装置を用いた飲水機の実施形態で、通常の運転モードの流れを示す模式図である。
【図15】図15は、図14に示す飲水機で、(a)は殺菌装置よりも上流側の殺菌モードの流れを示す模式図、(b)は上流側の殺菌モードで殺菌した殺菌成分を排出する流れを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
[浄水装置の第1の基本構造]
図1〜図3は、本発明の第1の基本構造となる浄水装置1を示し、この浄水装置1は、図1に示すように、図示省略した水道管から水供給部としての供給弁2を介して原水である水道水を流路としての主配管3に導入するようになっている。この主配管3は、上下方向に配索されて水道水が上流側となる下方から下流側となる上方に向かって流通される。なお、原水を水道水としたが、井戸水や溜め水などの飲用として利用できる水であってもよく、このことは以下同様である。
【0015】
そして、主配管3には、上流側から下流側(図中下方から上方)に向かって浄化部4および電解水生成装置としての電解槽5が順に配置され、浄化部4で浄化した水道水を電解槽5によってアルカリイオン水とし、このアルカリイオン水が吐出弁6を介して図示省略した蛇口などの吐出部へと供給されるようになっている。
【0016】
浄化部4は、活性炭などの濾過材を内蔵して、水道水中のゴミや塩素などの不純物を除去して浄化するようになっている。
【0017】
電解槽5は、一般に知られるように隔膜を隔てて相互に対峙する陰極板と陽極板とを備え、これら両電極板間に電圧を印加することにより、陰極室に電解アルカリ水、陽極室に電解酸性水がそれぞれ生成される。なお、電解により生成される酸性水中には次亜塩素酸が含まれるため、一般に酸性水は次亜水とも呼ばれる場合があるが、ここでは次亜水も酸性水として以下説明するものとする。
【0018】
浄水装置1には、制御装置7が設けられており、この制御装置7によって供給弁2の開閉制御、浄化部4の目詰まり状態の監視、電解槽5の電圧制御および吐出弁6の開閉制御が行われる。
【0019】
ここで、浄水装置1には、生成した殺菌成分を主配管3に導入する殺菌装置10が設けられている。この殺菌装置10は、本基本構成では浄化部4と電解槽5との間、つまり、浄化部4の下流側で電解槽5の上流側に配置され、制御装置7によって作動制御されるようになっている。なお、この殺菌装置10は、主配管3に直接設けることなく、図示省略した分岐管を介して主配管3に連通させるようにしてもよい。
【0020】
更に、浄水装置1には、殺菌成分を主配管3の殺菌成分導入口10aよりも上流側に逆流させる逆流手段としての排水弁11が設けられている。この排水弁11は、開状態となることで殺菌成分を殺菌装置10から浄化部4方向、つまり殺菌装置10から上流側となる下方に逆流させるものであり、浄化部4の上流側で供給弁2の下流側となる位置に設けられている。この排水弁11にあっても制御装置7によって開閉制御される。また、排水弁11は、供給弁2の下流側近傍に配置若しくは連通されていることが好ましい。
【0021】
なお、本基本構成では、殺菌装置10が主配管3に直接設けられているため、殺菌成分導入口10aは殺菌装置10の下流側の出口となるが、上述したように殺菌装置10が分岐管を介して連通される場合には、分岐管と主配管3の接続部分が殺菌成分導入口となる。また、図1では矢印aによって高さ関係を示しているが、制御装置7は高さに関係なく任意の位置に設置される。
【0022】
(1)通常の運転モード
図1は、浄水装置1の通常の運転状態を示す。このとき、供給弁2および吐出弁6は開弁され、かつ、排水弁11は閉弁された状態にあり、また、電解槽5は作動(陰陽両電極板間に電圧を印加)状態にあるが、殺菌装置10は停止状態となっている。
【0023】
そして、この通常の運転モードで蛇口を開けることにより、図1中の矢印に示すように、主配管3に導入された水道水は、まず浄化部4によって浄化された後に、殺菌装置10を単に通過して電解槽5に導入される。この電解槽5で生成された電解アルカリ水は、アルカリイオン水として蛇口から取り出される一方、電解酸性水は廃棄してもよいし別の用途に用いてもよい。
【0024】
(2)下流側の殺菌モード
図2は、浄水装置1の殺菌装置10よりも下流側の殺菌状態を示す。このとき、通常の運転モードと同様に供給弁2および吐出弁6は開弁され、かつ、排水弁11は閉弁された状態にあり、また、電解槽5と殺菌装置10とは共に作動状態となっている。なお、この場合、電解槽5は停止状態であってもよいが、作動状態としておくことが好ましい。
【0025】
そして、この下流側の殺菌モードで蛇口を開けることにより、図2中の矢印に示すように、主配管3に導入された水道水は、浄化部4で浄化された後に殺菌装置10に導入され、この殺菌装置10内で水道水中に殺菌成分が混入される。この殺菌成分は水道水とともに下流側に位置する電解槽5に導入された後、吐出弁6を通過して蛇口方向へと供給される。
【0026】
したがって、殺菌成分導入口10aよりも下流側に位置する主配管3、電解槽5、吐出弁6およびその下流側(蛇口側)は、水道水に混入された殺菌成分により効率良く消毒殺菌されることになる。
【0027】
なお、このとき、蛇口からの誤飲を防止するために、吐出弁6の下流側に図示省略した排水管を接続して、この排水管から殺菌成分が混入した水道水を排出してもよいが、排水管を設けることなく、敢えて蛇口から排出することにより、この蛇口も消毒殺菌することができる。この場合、蛇口からの誤飲を防止するために、排水中は警報を鳴らしたり表示で警告したりすることが望ましい。
【0028】
(3)上流側の殺菌モード
図3は、浄水装置1の殺菌装置10よりも上流側の殺菌状態を示す。このとき、供給弁2は閉弁されるとともに、吐出弁6と排水弁11とは開弁されている。また、電解槽5と殺菌装置10とは共に作動状態となっている。なお、この場合、電解槽5は停止状態であってもよいが、殺菌装置10内に水が無くなるまで作動させておくことが好ましい。
【0029】
そして、このように浄水装置1を上流側の殺菌モードに設定することにより、図3中の矢印に示すように、殺菌装置10内の殺菌成分が混入した水道水は、この殺菌装置10よりも上流側の主配管3および浄化部4を自重(水圧)で逆流して排水弁11から排出される。
【0030】
したがって、殺菌成分導入口10aよりも上流側に位置する主配管3および浄化部4は、逆流される水道水に混入された殺菌成分により効率良く消毒殺菌されることになる。
【0031】
ところで、この上流側の殺菌モードは独立して行っても良いが、上述した下流側の殺菌モードに続いて行うことにより、浄水装置1の経路内に保持されている殺菌成分が混入された水道水(以下、殺菌水という)は、蛇口、吐出弁6、電解槽5、殺菌装置10、浄化部4、排水弁11の順に自重で逆流して、主配管3とともに消毒殺菌することができ、浄水装置1内の略全ての水経路を容易に消毒殺菌することができる。
【0032】
図4は、前記第1の基本構造に示す浄水装置1の変形例で上流側の殺菌モードを示し、本変形例の浄水装置1Aは、浄化部4が水の通り難い構造または状態となっている場合である。
【0033】
すなわち、浄化部4がRO膜やNF膜を用いた逆浸透膜などの緻密なフィルタで構成されている場合、また、濾過材を内臓した浄化部4が寿命近くになって目詰まりされている場合などがある。そして、本変形例の浄水装置1Aは、このように浄化部4に水が通り難い場合にあっても、殺菌装置10の上流側の主配管3の消毒殺菌を可能とするものである。
【0034】
すなわち、浄水装置1Aを、第1の基本構造と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとすると、浄化部4の下流側と排水弁11の上流側とを連通するバイパス配管12が設けられるようになっている。この場合、逆流手段は、排水弁11とバイパス配管12とによって構成される。
【0035】
このとき、図4では便宜上、浄化部4と殺菌装置10とを繋ぐ主配管3の略中央にバイパス配管12を接続させているが、バイパス配管12は浄化部4の下流側近傍に接続して設けられることが好ましい。また、バイパス配管12には、浄化部4の下流側から排水弁11の上流側への流れのみを許容し、その逆の流れを阻止する逆止弁13が設けられている。
【0036】
したがって、本変形例の浄水装置1では、通常の運転モード(図1参照)と下流側の殺菌モード(図2参照)は第1の基本構造の浄水装置1と同様であるが、上流側の殺菌モードでは、図4に示すように、殺菌装置10内の殺菌水は、この殺菌装置10と浄化部4との間の主配管3およびバイパス配管12を自重で逆流して排水弁11から排出される。これにより、水の通り難くなった浄化部4をバイパスして殺菌水が流れるため、自重による逆流をスムーズに行うことができる。
【0037】
また、バイパス配管12に逆止弁13が設けられていることにより、通常の運転モードで、供給弁2を通過した水道水が浄化部4を通らずにバイパス配管12から直接に殺菌装置10に導入されてしまうのを防止できる。
【0038】
このように、第1の基本構造およびそれの変形例に示した浄水装置1、1Aでは、上流側の殺菌モードによって、少なくとも殺菌装置10と浄化部4との間の主配管3を消毒殺菌する方法が採られる。
【0039】
以上の構成により、第1の基本構造および変形例に示した浄水装置1、1Aおよびこの浄水装置1、1Aの消毒殺菌方法によれば、殺菌装置10で生成された殺菌成分を、排出弁11または排出弁11およびバイパス配管12によって、少なくとも殺菌装置10と浄化部4との間の主配管3に逆流させることができる。これにより、殺菌成分導入口10aよりも上流側の主配管3を積極的に消毒殺菌できるので、通常使用においてより安全な浄化水を得ることができる。
【0040】
また、第1の基本構造となる浄水装置1では、浄化部4内を逆流させることができるので、この浄化部4内を消毒殺菌して浄化水の更なる安全性を高めることができるとともに、浄化部4の寿命を長くすることができるため、ランニングコストを安くできる。
【0041】
更に、浄水装置1では排出弁11、または浄水装置1Aでは排出弁11およびバイパス配管12によって殺菌水を逆流させる際、水の重力を利用して自重で逆流できるため、逆流手段の構成を簡素化することができる。
【0042】
[第1の実施形態]
図5および図6は、第1の基本構成である浄水装置1(変形例の浄水装置1Aを含む)に用いられる殺菌装置の具体的構成を示す第1の実施形態であって、本実施形態では、殺菌装置10Aをオゾン発生装置で構成したものである。
【0043】
すなわち、浄水装置1は、殺菌装置10Aが、オゾン発生部20、エアポンプ21およびオゾン混合槽22を備えて構成される。そして、オゾン発生部20は、エアポンプ21から供給される空気中の酸素を用いて電気的にオゾンを発生し、この発生したオゾンをオゾン混合槽22内で水と混合することによりオゾン殺菌水が生成されるようになっている。
【0044】
オゾン発生の方法は、例えば、光化学反応法や放電法若しくは電解法などが一般に知られるが、図5に示す形態では放電法を用いたもので、オゾン発生部20の内部は詳細には図示しないが一対の電極間に高電圧を印加し、空気中でコロナ放電や無声放電させることによりオゾンを発生させる装置である。図5に示す形態では、通水時や逆流時にオゾン混合槽22からオゾン発生部20へと水が侵入してしまうのを防止するため、オゾン発生部20とオゾン混合槽22の間の流路(配管27)に逆流防止弁25を設けている。
【0045】
これと別に、電解法を用いた形態を図6に示す。図6に示すように、電圧が印加されることにより水中で電極表面にオゾンを発生するオゾン発生電極20a、20bを備えて構成されている。そして、オゾン発生電極20a、20b間に電圧を印加することにより、オゾンが発生される。図6に示す形態ではオゾン発生部20とオゾン混合槽22を兼用することができ、またエアポンプ21が不要になるため極めて合理的である。図6の形態ではオゾン発生部20とオゾン混合槽22は同一であるため、表記的には20としている。
【0046】
オゾン発生電極20a、20bは、表面電位が酸素発生電位よりも高くできる素材、例えば、ホウ素混合ダイヤモンド電極、ボロン混合ダイヤモンド電極、タンタル電極や鉛電極などで構成されるが、これら素材以外にも表面電位を酸素発生電位よりも高くできる素材であればこれを用いることができる。なお、オゾン発生電極20a、20bは制御装置7によって制御される。
【0047】
以上の構成により、第1の実施形態によれば、殺菌装置10Aがオゾン発生装置であるため、このオゾン発生装置により発生させたオゾンによって、殺菌成分導入口10aよりも上流側の主配管3を積極的に消毒殺菌することができる。
【0048】
[第2の実施形態]
図7は、殺菌装置の第2の実施形態を示す殺菌装置10Bを示し、この殺菌装置10Bは、第1の実施形態と同様にオゾン発生部30を備え、このときの殺菌成分はオゾンとなっている。
【0049】
すなわち、本実施形態の殺菌装置10Bは、図7に示すように、第1の実施形態と同様、オゾン発生部30、エアポンプ31およびオゾン混合槽32によって構成される。
【0050】
本実施形態のオゾン発生部30は、光化学反応法を用いたもので、UVオゾン発生ランプ33と、このランプ33の外側を取り囲む二重管34とを備えて概ね構成される。そして、エアポンプ31から供給される空気中の酸素を二重管34に送るとともに、UVオゾン発生ランプ33を照射することにより、二重管34内にオゾンが発生し、このオゾンをオゾン吐出部35からオゾン混合槽32内に送り込むことによりオゾン殺菌水が生成されるようになっている。なお、オゾン吐出部35には、途中に逆止弁36が設けられて、オゾン混合槽32内の水が二重管34内に逆流されないようになっている。また、エアポンプ31およびUVオゾン発生ランプ33は制御装置7によって制御される。
【0051】
したがって、第2の実施形態にあっても、上記第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
[浄水装置の第2の基本構造]
図8は、本発明の第2の基本構造となる浄水装置1Bを示し、第1の基本構成(図1参照)と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
【0053】
浄水装置1Bは、第1の基本構造と同様に、主配管3が上下方向に配索されて、水道水が下方から上方に向かって流通されるようになっている。そして、主配管3には、上流側から下流側に向かって浄化部4および殺菌装置としての電解殺菌装置5Aが順に配置される。
【0054】
ここで、電解殺菌装置5Aとは、電解水生成装置と殺菌装置とを兼ねた構造であり、電極に印加する電圧または電流を制御することにより、電解水生成装置としての機能を発揮させる場合と、殺菌装置としての機能を発揮させる場合とが、通常運転時と殺菌時とで選択的に使い分けることができるようになっている。
【0055】
したがって、本構造の浄水装置1Bによれば、通常運転時は、供給弁2と吐出弁6とを開弁し、排水弁11を閉弁するとともに、電解殺菌装置5Aをアルカリ水生成状態としておく。これにより、水道水は浄化部4で浄化した後に電荷殺菌装置5Aでアルカリイオン水を生成し、これを吐出弁6を介して蛇口へと送給することができる。なお、この場合、電解殺菌装置5Aを非作動として、浄化部4の浄化した水道水が蛇口から供給されるようにしてもよい。
【0056】
下流側の殺菌時は、電解殺菌装置5Aを殺菌剤生成状態としておくことにより、この電解殺菌装置5Aで生成された殺菌水によって、電解殺菌装置5Aよりも下流側の主配管3および吐出弁6、更には蛇口まで消毒殺菌することができる。
【0057】
続いて上流側を殺菌する時は、供給弁2を閉弁するとともに、排水弁11を開弁することにより、電解殺菌装置5Aよりも下流側に溜まった殺菌水が逆流して、電解殺菌装置5Aよりも上流側の主配管3および浄化部4を消毒殺菌しつつ排出弁11から排出される。なお、この場合にあっても、浄化部4が水の通り難い構造または状態となっている場合は、図4に示したと同様に、バイパス配管12や逆止弁13を設けることにより、殺菌水の逆流をスムーズに行うことができる。このことは、以下に述べる各実施形態にあっても同様とする。
【0058】
以上の構成により、第2の基本構造に示した浄水装置1Bによれば、第1の基本構造と同様の効果を奏しつつ、電解水生成装置と殺菌装置とを兼ねた電解殺菌装置5Aを用いたことにより、浄水装置1Bの構成をより簡素化することができる。
【0059】
[第3の実施形態]
図9は、第2の基本構成である浄水装置1Bに用いられる電解殺菌装置5Aの具体的構成を示す第3の実施形態で、本実施形態では、陰極板41と陽極板42とが隔膜43を挟んで対峙した電解槽44を備える。そして、陰極板41と陽極板42との間に電圧を印加することにより、陰極板41を擁する陰極室41R内に電解アルカリ水が生成されるとともに、陽極板42を擁する陽極室42R内に電解酸性水が生成されるようになっている。
【0060】
陰極室41Rは、アルカリ水供給管41Pを介して第1の三方弁45に連通するとともに、陽極室42Rは、酸性水供給管42Pを介して第2の三方弁46に連通する。第1と第2の三方弁45、46は、それぞれの一つの吐出口が連通管47を介して相互に連通して吐出弁6へと繋がるとともに、それぞれの他の吐出口は排水管41D、42Dに繋がる。
【0061】
したがって、本実施形態の浄水装置1Bによれば、通常の運転モードでは、電解槽44の陰極板41と陽極板42との間に低電圧を印加して陰極室41Rに電解アルカリ水を生成させるとともに、第1の三方弁45を連通管47に連通するように切り換える。このとき、第2の三方弁46は配水管42D側に切り換えておく。これにより、浄化部4で浄化された水道水は電解槽44を通過する間にアルカリイオン水となり、吐出弁6を介して蛇口へと供給される。
【0062】
下流側の殺菌モードでは、陰極板41と陽極板42との間に高電圧を印加して、陽極室42Rに殺菌成分である電解酸性水を生成させるとともに、第2の三方弁46を連通管47に連通するように切り換える。このとき、第1の三方弁45は配水管41D側に切り換えておく。これにより、浄化部4を通過した水道水は電解槽44を通過する間に酸性水となり、この酸性水を殺菌水として電解殺菌装置5Aの下流側を消毒殺菌することができる。
【0063】
上流側の殺菌モードでは、第2の基本構成で説明したように、供給弁2を閉弁するとともに、排水弁11を開弁することにより、電解槽44よりも下流側に溜まった電解酸性水が逆流して、電解槽44よりも上流側の主配管3および浄化部4を消毒殺菌しつつ排出弁11から排出される。
【0064】
したがって、第3の実施形態にあっても、第2の基本構成である浄水装置1Bと同様の効果を奏することができる。
【0065】
[第4の実施形態]
図10は、第2の基本構成である浄水装置1Bに用いられる電解殺菌装置5Aの具体的構成を示す第4の実施形態で、本実施形態では、第3の実施形態と同様に、陰極板51と陽極板52とが隔膜53を挟んで対峙した電解槽54を備える。そして、この電解槽54を過酸化水素発生装置として用い、陰極板51と陽極板52との間に高電圧を印加することにより、陰極板51を擁する陰極室51R内に電解過酸化水素水が生成されるとともに、陽極板52を擁する陽極室52R内に電解酸性水が生成されるようになっている。
【0066】
陰極室51Rは、アルカリ水供給管51Pを介して第1の三方弁55に連通するとともに、陽極室52Rは、酸性水供給管52Pを介して第2の三方弁56に連通する。第1と第2の三方弁55、56は、それぞれの一つの吐出口が連通管57を介して相互に連通して吐出弁6へと繋がるとともに、それぞれの他の吐出口は排水管51D、52Dに繋がる。
【0067】
したがって、本実施形態の浄水装置1Bによれば、通常の運転モードでは、電解槽54の陰極板51と陽極板52とに通電しない状態とし、第1の三方弁55および第2の三方弁56共に連通管57に連通しておく。これにより、浄化部4で浄化された水道水は電解槽54では何ら変化することなく吐出弁6を介して蛇口へと供給される。
【0068】
下流側の殺菌モードでは、陰極板51と陽極板52との間に高電圧を印加して陰極室51R内に殺菌成分である電解過酸化水素水を生成させるとともに、第1の三方弁55を連通管57に連通するように切り換える。このとき、陽極室52R内には電解酸性水が生成されるが、第2の三方弁56を配水管52D側に切り換えて廃棄する。これにより、浄化部4を通過した水道水は電解槽54の陰極室51Rを通過する間に過酸化水素水となり、この過酸化水素水を殺菌水として電解殺菌装置5Aの下流側を消毒殺菌することができる。
【0069】
上流側の殺菌モードでは、第2の基本構成で説明したように、供給弁2を閉弁するとともに、排水弁11を開弁することにより、電解槽54よりも下流側に溜まった過酸化水素水が逆流して、電解槽54よりも上流側の主配管3および浄化部4を消毒殺菌しつつ排出弁11から排出される。
【0070】
以上の構成により、第4の実施形態によれば、殺菌装置が過酸化水素発生装置であるため、過酸化水素水によって電解槽54よりも上流側の主配管3および浄化部4を積極的に消毒殺菌することができる。
【0071】
[第5の実施形態]
図11は、第1の基本構成である浄水装置1(変形例の浄水装置1Aを含む)に用いられる殺菌装置の具体的構成を示す第5の実施形態で、本実施形態では、殺菌装置を電気加熱装置としてのヒータ60で構成したものである。
【0072】
ヒータ60は、浄化部4によって浄化された水道水が導入される貯水槽61内に収納されるとともに、制御手段7によって加熱制御されることにより貯水槽61内の水道水を高温化するようになっている。加熱する温度は殺菌できる温度であればよく、一般的に60度以上が好ましい。
【0073】
したがって、本実施形態の浄水装置1によれば、通常の運転モードでは、ヒータ60を加熱しない状態とし、浄化部4から貯水槽61内に導入された浄化された水道水は、そのまま電解水生成装置5へと送給される。なお、以後の流れは第1の基本構成の通常の運転モードで説明したのと同様である。
【0074】
下流側の殺菌モードでは、ヒータ60に通電して貯水槽61内の水道水を加熱して熱水とし、十分に熱水となった時点で下流側に供給する。このとき、殺菌に充分な温度にするため吐出弁6を適当な開度として、熱水を下流側に送給する。これにより、貯水槽61よりも下流側の主配管3および電解水生成装置5、更には吐出弁6や蛇口まで消毒殺菌することができる。
【0075】
上流側の殺菌モードでは、供給弁2を閉弁するとともに、排水弁11を開弁することにより、貯水槽61よりも下流側に溜まった熱水が逆流して、貯水槽61よりも上流側の主配管3および浄化部4を消毒殺菌しつつ排出弁11から排出される。このとき、貯水槽61内で空焚き状態になるのを防止するため、上流側の殺菌モードへの切り替え時や貯水槽61内の水が所定量以下になった場合にヒータ60への通電を遮断することが好ましい。
【0076】
以上の構成により、第5の実施形態によれば、殺菌装置が電気加熱装置としてのヒータ60であるため、このヒータ60により加熱した熱水によって貯水槽61よりも上流側の主配管3および浄化部4を積極的に消毒殺菌することができる。
【0077】
[第6の実施形態]
図12は、第2の基本構成である浄水装置1Bに用いられる殺菌装置の具体的構成を示す第6の実施形態で、本実施形態の電解殺菌装置5Aは、電気加熱手段として電解槽70の陰極板71および陽極板72を用い、これら両電極71、72に通電した際に発生する熱を利用したものであり、このときの殺菌成分は第5の実施形態と同様に熱水となっている。73は隔膜である。この場合にあっても加熱する温度は殺菌できる温度であればよく、一般的に60度以上が好ましい。
【0078】
したがって、本実施形態の浄水装置1Bによれば、通常の運転モードでは、供給弁2および吐出弁6を開弁し、かつ、排水弁11を閉弁した状態で通水することにより、電解槽70は通常の電気分解を行って、陰極室71Rに電解アルカリ水と陽極室72Rに電解酸性水を生成する。
【0079】
そして、電解アルカリ水は、アルカリ水供給管71P、第1の三方弁74および連通管76を介して吐出弁6へと送給される。このとき、電解槽70内では水が流通されるため温度上昇はほとんど無い。なお、電解酸性水は、酸性水供給管72P、第2の三方弁75および配水管72Dを介して排出され、この排出された電解酸性水は廃棄してもよいし別の目的に使用してもよい。
【0080】
下流側の殺菌モードでは、供給弁2を一旦閉弁した状態で電解槽70の陰極板71と陽極板72に通電し、電解槽70内の水を加熱する。そして、加熱により殺菌するに充分な温度に達した時点で吐出弁6を適当な開度とし、この状態で供給弁2を開弁することにより電解槽70の下流側を消毒殺菌することができる。
【0081】
上流側の殺菌モードでは、供給弁2を閉弁するとともに、排水弁11を開弁することにより、電解槽70よりも下流側に溜まった熱水が逆流して、電解槽70よりも上流側の主配管3および浄化部4を消毒殺菌しつつ排出弁11から排出される。このとき、電解槽70内で空焚き状態になるのを防止するため、上流側の殺菌モードへの切り替え時や電解槽70内の水が所定量以下になった場合に陰極板71および陽極板72への通電を遮断することが好ましい。
【0082】
したがって、第6の実施形態にあっても、第2の基本構成である浄水装置1Bと同様の効果を奏することができる。
【0083】
[第7の実施形態]
図13は、第2の基本構成である浄水装置1Bに用いられる殺菌装置の具体的構成を示す第7の実施形態で、本実施形態の電解殺菌装置5Aは、電解槽80を強酸性水または強アルカリ水を生成する電解ユニットとして用いたものであり、殺菌成分は強PH水となっている。
【0084】
電解槽80は、陰極板81と陽極板82とが隔膜83を挟んで対峙しており、これら陰極板81と陽極板82との間に高電圧を印加することにより、陰極室81Rに強アルカリ水が生成されるとともに、陽極室82Rに強酸性水が生成されるようになっている。
【0085】
したがって、本実施形態の浄水装置1Bによれば、通常の運転モードでは、供給弁2および吐出弁6を開弁し、かつ、排水弁11を閉弁するとともに、電解槽80は低電圧の印加によって通常の電気分解を行わさせるようにする。このときに陰極室81Rに生成される電解アルカリ水が、アルカリ水供給管81P、第1の三方弁84および連通管86を介して吐出弁6へと送給されて飲用となる。もちろん、陽極室82Rに生成される電解酸性水は、酸性水供給管82P、第2の三方弁85を介して配水管82Dから排水される。
【0086】
下流側の殺菌モードでは、電解槽80の陰極板81と陽極板82とに高電圧を印加し、そのときに生成される陰極室81Rの強アルカリ水および陽極室82Rの強酸性水のいずれか一方が殺菌水として用いられる。このとき、強アルカリ水および強酸性水は、いずれも生菌の繁殖を効果的に抑制できる強PH値としておく。
【0087】
すなわち、強アルカリ水を殺菌水として用いる場合は、供給弁2および吐出弁6を開弁し、かつ、排水弁11を閉弁した状態で、アルカリ水供給管81Pを第1の三方弁84および連通管86を介して吐出弁6へと送給することにより、電解槽80の下流側を強アルカリ水で殺菌消毒することができる。なお、このとき、第2の三方弁85は配水管82Dに切り替えておくことにより、強酸性水は廃棄されることになる。
【0088】
一方、強酸性水を殺菌水として用いる場合は、酸性水供給管82Pを第2の三方弁85および連通管86を介して吐出弁6へと送給することにより、電解槽80の下流側を強酸性水で殺菌消毒することができる。なお、このとき、第1の三方弁84は配水管81Dに切り替えておくことにより、強アルカリ水は廃棄されることになる。
【0089】
上流側の殺菌モードでは、上述した強アルカリ水による下流側の殺菌モードおよび強酸性水による下流側の殺菌モードのいずれのモードであっても、供給弁2を閉弁するとともに排水弁11を開弁することにより、下流側に溜まっている強PH水が逆流して、前述した各実施形態と同様に電解槽80の上流側を消毒殺菌することができる。
【0090】
なお、強PH水で消毒殺菌する際には、強アルカリ水のみや強酸性水のみで行うのではなく、両方の強PH水による殺菌を交互に組み合わせて行うこともできる。たとえば、強アルカリ水で一定時間殺菌した後に強酸性水に切り替えて一定時間殺菌し、また、その逆に切り替えたりもでき、殺菌に必要なレベルに応じて使い分けすることができる。
【0091】
以上の構成により、第7の実施形態によれば、殺菌装置が強酸性水または強アルカリ性水を生成する電解ユニットであるため、強PH水によって電解槽80よりも上流側の主配管3および浄化部4を積極的に消毒殺菌することができる。
【0092】
[飲水機]
図14および図15は、本発明の浄水装置を飲水機としてのボトルサーバ100に応用した場合を示し、最上方位置に水供給部としてのボトルタンク101が配置され、このボトルタンク101から下方(下流)に向かって主配管102が配索される。
【0093】
主配管102には、上方(上流)から下方(下流)に向かって順に、浄化部103、電解槽104、UV発生装置105および殺菌装置としての光触媒付きUV発生装置106が配置される。この最下方に配置された光触媒付きUV発生装置106には、蛇口などの吐水弁107および殺菌水を排出する際の排水弁108が設けられている。
【0094】
UV発生装置106としては、たとえばUVランプなどが有り、紫外線を発生させて水道水を殺菌するようになっている。このUV発生装置106で発生された紫外線は殺菌作用があるが人体には無害であり、通常の運転モードで作動される。
【0095】
光触媒付きUV発生装置107としては、例えば第2の実施形態に示したUVオゾン発生ランプ33などが有り、オゾンが発生される。このオゾンは専ら消毒殺菌に用いられ、殺菌した後のオゾン水は廃棄される。
【0096】
したがって、本実施形態のボトルサーバ100によれば、通常の運転モードでは、排水弁108を閉弁するとともに、電解槽104をオン状態とし、光触媒付きUV派生装置106をOFF状態としておく。そして吐水弁107を開くことにより、ボトルタンク101内の水は、浄化部103で浄化した後、電解槽104でアルカリイオン水とし、次いでUV発生装置105で紫外線による通常の殺菌を行った後、光触媒付きUV発生装置106を単に通過して吐水弁107から取り出すことができる。もちろん、この通常の運転モードでは、水の自重による自然落下で吐水弁107から取り出すことができるため、装置の簡素化を達成することができる。
【0097】
図15(a)に示す上流側の殺菌モードでは、吐水弁107および排水弁108を共に閉弁し、かつ、光触媒付きUV発生装置106をオンするとともに、UV派生装置105および電解槽104を共にオフする。すると、光触媒付きUV装置106で発生したオゾンが気泡化して、水との比重の違いにより上昇(逆流)し、この光触媒付きUV装置106よりも上流側に位置するUV発生装置105、電解槽104および浄化部103をオゾン気泡によって順に消毒殺菌する。したがって、本実施形態の逆流手段は、オゾン気泡と水との比重差となっている。
【0098】
なお、このとき、オゾン気泡がボトルタンク101に侵入して貯留した水がオゾン水にあるのを避けるため、ボトルタンク101と浄化部103との間には、逆止弁109および余剰オゾンを系外に排出するエアベント110が設けられている。
【0099】
そして、光触媒付きUV装置106よりも上流側を殺菌した後、図15(b)に示すように、吐水弁107を閉弁した状態で排水弁108を開弁する。すると、光触媒付きUV装置106よりも上流側に溜まったオゾン気泡やオゾン水は逆流して排水弁108から排出される。このとき、光触媒付きUV装置106はオン、UV発生装置105はオフにした状態が維持される。
【0100】
したがって、排水弁108から殺菌水を排出する際、ボトルタンク101内の水も同時に流下するが、そのボトルタンク101内の水で系内を洗浄できる。このとき、洗浄するボトルタンク101内の水をアルカリ化するため、電解槽104はオンに切り替えておくことが好ましい。
【0101】
本実施形態のボトルサーバ100では、図15(a)、(b)に示す殺菌モードを、ボトルサーバ100を使用しない待機時に実行することにより、通常の使用時に支障が来されるのをほとんど無くすことができる。
【0102】
したがって、本実施形態のボトルサーバ100にあっても、上述した浄水装置1、1A、1Bと同様に、通常使用においてより安全な浄化水を得ることができる。
【0103】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。たとえば、主配管には各実施形態に示したそれぞれの浄水化手段、例えば浄化部、殺菌装置、電解槽、電解殺菌装置など以外に、他の浄水化手段を配置した場合にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0104】
1、1A、1B 浄水装置
2 供給弁(水供給部)
3 主配管(流路)
4 浄化部
5 電解槽(電解水生成装置)
5A 電解殺菌装置
54 電解槽(過酸化水素発生装置)
10、10A、10B、10C 殺菌装置
10a 殺菌成分導入口
11 排水弁(逆流手段)
12 バイパス配管(逆流手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道水などの原水を浄化する浄水装置およびその浄水装置を用いた消毒殺菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料水用の浄水装置としては、原水を導入する流路の上流側に濾過機能を有するカートリッジ(浄化部)を配置するとともに、そのカートリッジの下流側に電解水生成装置を配置し、更に、これらカートリッジと電解水生成装置との間に光触媒装置を設けたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この場合、光触媒装置は二酸化チタンに紫外線を照射して触媒作用を生じさせる装置であって、殺菌作用のあるオゾンを生成するための殺菌装置として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−18429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の浄化装置にあっては、殺菌装置で発生したオゾンは、流通する原水に混入して殺菌装置の殺菌成分導入口よりも下流側に位置する流路や電解水生成装置に供給されて、これらを消毒殺菌することができる。
【0006】
しかしながら、殺菌成分導入口よりも上流側となる例えば、カートリッジと殺菌装置との間の流路にはオゾンが供給されずその部分には菌が残存するため、不衛生であるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、殺菌成分導入口よりも上流側を、構成を簡素化しつつ積極的に消毒殺菌できるようにして、より安全な浄化水を得ることができる浄水装置および浄水装置の消毒殺菌方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の浄水装置にあっては、水供給部から導入される原水を上下方向に流通させる流路に、浄化部および電解水生成装置が配置された浄水装置であって、生成した殺菌成分を前記流路に導入する殺菌装置が設けられるとともに、前記殺菌成分を前記流路の殺菌成分導入口よりも上流側に逆流させる逆流手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の浄水装置の消毒殺菌方法にあっては、上記浄水装置を用い、前記逆流手段により前記流路の殺菌成分導入口よりも上流側に殺菌成分を逆流させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の浄水装置およびその浄水装置の消毒殺菌方法によれば、殺菌成分を逆流手段によって流路の殺菌成分導入口よりも上流側に逆流させることができる。これにより、殺菌成分導入口よりも上流側の流路を積極的に消毒殺菌でき、通常使用においてより安全な浄化水を得ることができる。
【0011】
また、逆流手段で殺菌成分を逆流させる際、流路は水を上下方向に流通させるように設けられているため、水の重力や比重を利用して殺菌成分を逆流でき、逆流手段の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明にかかる浄水装置の第1の基本構造において、通常の運転モードの流れ示す模式図である。
【図2】図2は、第1の基本構造において、殺菌装置よりも下流側の殺菌モードの流れを示す模式図である。
【図3】図3は、第1の基本構造において、殺菌装置よりも上流側の殺菌モードの流れを示す模式図である。
【図4】図4は、第1の基本構造の変形例を示し、浄化部が逆流し難い構造の場合の上流側の殺菌モードの流れを示す模式図である。
【図5】図5は、第1の基本構造に用いられる殺菌装置の第1の実施形態を示す模式図である。
【図6】図6は、第1の実施形態の殺菌装置を構成するオゾン発生装置を詳細に示す模式図である。
【図7】図7は、第1の基本構造に用いられる殺菌装置の第2の実施形態を示す模式図である。
【図8】図8は、本発明にかかる浄水装置の第2の基本構造において、通常の運転モードおよび下流側の殺菌モードの流れを示す模式図である。
【図9】図9は、第2の基本構造に用いられる殺菌装置の第3の実施形態を示す模式図である。
【図10】図10は、第2の基本構造に用いられる殺菌装置の第4の実施形態を示す模式図である。
【図11】図11は、第1の基本構造に用いられる殺菌装置の第5の実施形態を示す模式図である。
【図12】図12は、第2の基本構造に用いられる殺菌装置の第6の実施形態を示す模式図である。
【図13】図13は、第2の基本構造に用いられる殺菌装置の第7の実施形態を示す模式図である。
【図14】図14は、本発明にかかる浄水装置を用いた飲水機の実施形態で、通常の運転モードの流れを示す模式図である。
【図15】図15は、図14に示す飲水機で、(a)は殺菌装置よりも上流側の殺菌モードの流れを示す模式図、(b)は上流側の殺菌モードで殺菌した殺菌成分を排出する流れを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
[浄水装置の第1の基本構造]
図1〜図3は、本発明の第1の基本構造となる浄水装置1を示し、この浄水装置1は、図1に示すように、図示省略した水道管から水供給部としての供給弁2を介して原水である水道水を流路としての主配管3に導入するようになっている。この主配管3は、上下方向に配索されて水道水が上流側となる下方から下流側となる上方に向かって流通される。なお、原水を水道水としたが、井戸水や溜め水などの飲用として利用できる水であってもよく、このことは以下同様である。
【0015】
そして、主配管3には、上流側から下流側(図中下方から上方)に向かって浄化部4および電解水生成装置としての電解槽5が順に配置され、浄化部4で浄化した水道水を電解槽5によってアルカリイオン水とし、このアルカリイオン水が吐出弁6を介して図示省略した蛇口などの吐出部へと供給されるようになっている。
【0016】
浄化部4は、活性炭などの濾過材を内蔵して、水道水中のゴミや塩素などの不純物を除去して浄化するようになっている。
【0017】
電解槽5は、一般に知られるように隔膜を隔てて相互に対峙する陰極板と陽極板とを備え、これら両電極板間に電圧を印加することにより、陰極室に電解アルカリ水、陽極室に電解酸性水がそれぞれ生成される。なお、電解により生成される酸性水中には次亜塩素酸が含まれるため、一般に酸性水は次亜水とも呼ばれる場合があるが、ここでは次亜水も酸性水として以下説明するものとする。
【0018】
浄水装置1には、制御装置7が設けられており、この制御装置7によって供給弁2の開閉制御、浄化部4の目詰まり状態の監視、電解槽5の電圧制御および吐出弁6の開閉制御が行われる。
【0019】
ここで、浄水装置1には、生成した殺菌成分を主配管3に導入する殺菌装置10が設けられている。この殺菌装置10は、本基本構成では浄化部4と電解槽5との間、つまり、浄化部4の下流側で電解槽5の上流側に配置され、制御装置7によって作動制御されるようになっている。なお、この殺菌装置10は、主配管3に直接設けることなく、図示省略した分岐管を介して主配管3に連通させるようにしてもよい。
【0020】
更に、浄水装置1には、殺菌成分を主配管3の殺菌成分導入口10aよりも上流側に逆流させる逆流手段としての排水弁11が設けられている。この排水弁11は、開状態となることで殺菌成分を殺菌装置10から浄化部4方向、つまり殺菌装置10から上流側となる下方に逆流させるものであり、浄化部4の上流側で供給弁2の下流側となる位置に設けられている。この排水弁11にあっても制御装置7によって開閉制御される。また、排水弁11は、供給弁2の下流側近傍に配置若しくは連通されていることが好ましい。
【0021】
なお、本基本構成では、殺菌装置10が主配管3に直接設けられているため、殺菌成分導入口10aは殺菌装置10の下流側の出口となるが、上述したように殺菌装置10が分岐管を介して連通される場合には、分岐管と主配管3の接続部分が殺菌成分導入口となる。また、図1では矢印aによって高さ関係を示しているが、制御装置7は高さに関係なく任意の位置に設置される。
【0022】
(1)通常の運転モード
図1は、浄水装置1の通常の運転状態を示す。このとき、供給弁2および吐出弁6は開弁され、かつ、排水弁11は閉弁された状態にあり、また、電解槽5は作動(陰陽両電極板間に電圧を印加)状態にあるが、殺菌装置10は停止状態となっている。
【0023】
そして、この通常の運転モードで蛇口を開けることにより、図1中の矢印に示すように、主配管3に導入された水道水は、まず浄化部4によって浄化された後に、殺菌装置10を単に通過して電解槽5に導入される。この電解槽5で生成された電解アルカリ水は、アルカリイオン水として蛇口から取り出される一方、電解酸性水は廃棄してもよいし別の用途に用いてもよい。
【0024】
(2)下流側の殺菌モード
図2は、浄水装置1の殺菌装置10よりも下流側の殺菌状態を示す。このとき、通常の運転モードと同様に供給弁2および吐出弁6は開弁され、かつ、排水弁11は閉弁された状態にあり、また、電解槽5と殺菌装置10とは共に作動状態となっている。なお、この場合、電解槽5は停止状態であってもよいが、作動状態としておくことが好ましい。
【0025】
そして、この下流側の殺菌モードで蛇口を開けることにより、図2中の矢印に示すように、主配管3に導入された水道水は、浄化部4で浄化された後に殺菌装置10に導入され、この殺菌装置10内で水道水中に殺菌成分が混入される。この殺菌成分は水道水とともに下流側に位置する電解槽5に導入された後、吐出弁6を通過して蛇口方向へと供給される。
【0026】
したがって、殺菌成分導入口10aよりも下流側に位置する主配管3、電解槽5、吐出弁6およびその下流側(蛇口側)は、水道水に混入された殺菌成分により効率良く消毒殺菌されることになる。
【0027】
なお、このとき、蛇口からの誤飲を防止するために、吐出弁6の下流側に図示省略した排水管を接続して、この排水管から殺菌成分が混入した水道水を排出してもよいが、排水管を設けることなく、敢えて蛇口から排出することにより、この蛇口も消毒殺菌することができる。この場合、蛇口からの誤飲を防止するために、排水中は警報を鳴らしたり表示で警告したりすることが望ましい。
【0028】
(3)上流側の殺菌モード
図3は、浄水装置1の殺菌装置10よりも上流側の殺菌状態を示す。このとき、供給弁2は閉弁されるとともに、吐出弁6と排水弁11とは開弁されている。また、電解槽5と殺菌装置10とは共に作動状態となっている。なお、この場合、電解槽5は停止状態であってもよいが、殺菌装置10内に水が無くなるまで作動させておくことが好ましい。
【0029】
そして、このように浄水装置1を上流側の殺菌モードに設定することにより、図3中の矢印に示すように、殺菌装置10内の殺菌成分が混入した水道水は、この殺菌装置10よりも上流側の主配管3および浄化部4を自重(水圧)で逆流して排水弁11から排出される。
【0030】
したがって、殺菌成分導入口10aよりも上流側に位置する主配管3および浄化部4は、逆流される水道水に混入された殺菌成分により効率良く消毒殺菌されることになる。
【0031】
ところで、この上流側の殺菌モードは独立して行っても良いが、上述した下流側の殺菌モードに続いて行うことにより、浄水装置1の経路内に保持されている殺菌成分が混入された水道水(以下、殺菌水という)は、蛇口、吐出弁6、電解槽5、殺菌装置10、浄化部4、排水弁11の順に自重で逆流して、主配管3とともに消毒殺菌することができ、浄水装置1内の略全ての水経路を容易に消毒殺菌することができる。
【0032】
図4は、前記第1の基本構造に示す浄水装置1の変形例で上流側の殺菌モードを示し、本変形例の浄水装置1Aは、浄化部4が水の通り難い構造または状態となっている場合である。
【0033】
すなわち、浄化部4がRO膜やNF膜を用いた逆浸透膜などの緻密なフィルタで構成されている場合、また、濾過材を内臓した浄化部4が寿命近くになって目詰まりされている場合などがある。そして、本変形例の浄水装置1Aは、このように浄化部4に水が通り難い場合にあっても、殺菌装置10の上流側の主配管3の消毒殺菌を可能とするものである。
【0034】
すなわち、浄水装置1Aを、第1の基本構造と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとすると、浄化部4の下流側と排水弁11の上流側とを連通するバイパス配管12が設けられるようになっている。この場合、逆流手段は、排水弁11とバイパス配管12とによって構成される。
【0035】
このとき、図4では便宜上、浄化部4と殺菌装置10とを繋ぐ主配管3の略中央にバイパス配管12を接続させているが、バイパス配管12は浄化部4の下流側近傍に接続して設けられることが好ましい。また、バイパス配管12には、浄化部4の下流側から排水弁11の上流側への流れのみを許容し、その逆の流れを阻止する逆止弁13が設けられている。
【0036】
したがって、本変形例の浄水装置1では、通常の運転モード(図1参照)と下流側の殺菌モード(図2参照)は第1の基本構造の浄水装置1と同様であるが、上流側の殺菌モードでは、図4に示すように、殺菌装置10内の殺菌水は、この殺菌装置10と浄化部4との間の主配管3およびバイパス配管12を自重で逆流して排水弁11から排出される。これにより、水の通り難くなった浄化部4をバイパスして殺菌水が流れるため、自重による逆流をスムーズに行うことができる。
【0037】
また、バイパス配管12に逆止弁13が設けられていることにより、通常の運転モードで、供給弁2を通過した水道水が浄化部4を通らずにバイパス配管12から直接に殺菌装置10に導入されてしまうのを防止できる。
【0038】
このように、第1の基本構造およびそれの変形例に示した浄水装置1、1Aでは、上流側の殺菌モードによって、少なくとも殺菌装置10と浄化部4との間の主配管3を消毒殺菌する方法が採られる。
【0039】
以上の構成により、第1の基本構造および変形例に示した浄水装置1、1Aおよびこの浄水装置1、1Aの消毒殺菌方法によれば、殺菌装置10で生成された殺菌成分を、排出弁11または排出弁11およびバイパス配管12によって、少なくとも殺菌装置10と浄化部4との間の主配管3に逆流させることができる。これにより、殺菌成分導入口10aよりも上流側の主配管3を積極的に消毒殺菌できるので、通常使用においてより安全な浄化水を得ることができる。
【0040】
また、第1の基本構造となる浄水装置1では、浄化部4内を逆流させることができるので、この浄化部4内を消毒殺菌して浄化水の更なる安全性を高めることができるとともに、浄化部4の寿命を長くすることができるため、ランニングコストを安くできる。
【0041】
更に、浄水装置1では排出弁11、または浄水装置1Aでは排出弁11およびバイパス配管12によって殺菌水を逆流させる際、水の重力を利用して自重で逆流できるため、逆流手段の構成を簡素化することができる。
【0042】
[第1の実施形態]
図5および図6は、第1の基本構成である浄水装置1(変形例の浄水装置1Aを含む)に用いられる殺菌装置の具体的構成を示す第1の実施形態であって、本実施形態では、殺菌装置10Aをオゾン発生装置で構成したものである。
【0043】
すなわち、浄水装置1は、殺菌装置10Aが、オゾン発生部20、エアポンプ21およびオゾン混合槽22を備えて構成される。そして、オゾン発生部20は、エアポンプ21から供給される空気中の酸素を用いて電気的にオゾンを発生し、この発生したオゾンをオゾン混合槽22内で水と混合することによりオゾン殺菌水が生成されるようになっている。
【0044】
オゾン発生の方法は、例えば、光化学反応法や放電法若しくは電解法などが一般に知られるが、図5に示す形態では放電法を用いたもので、オゾン発生部20の内部は詳細には図示しないが一対の電極間に高電圧を印加し、空気中でコロナ放電や無声放電させることによりオゾンを発生させる装置である。図5に示す形態では、通水時や逆流時にオゾン混合槽22からオゾン発生部20へと水が侵入してしまうのを防止するため、オゾン発生部20とオゾン混合槽22の間の流路(配管27)に逆流防止弁25を設けている。
【0045】
これと別に、電解法を用いた形態を図6に示す。図6に示すように、電圧が印加されることにより水中で電極表面にオゾンを発生するオゾン発生電極20a、20bを備えて構成されている。そして、オゾン発生電極20a、20b間に電圧を印加することにより、オゾンが発生される。図6に示す形態ではオゾン発生部20とオゾン混合槽22を兼用することができ、またエアポンプ21が不要になるため極めて合理的である。図6の形態ではオゾン発生部20とオゾン混合槽22は同一であるため、表記的には20としている。
【0046】
オゾン発生電極20a、20bは、表面電位が酸素発生電位よりも高くできる素材、例えば、ホウ素混合ダイヤモンド電極、ボロン混合ダイヤモンド電極、タンタル電極や鉛電極などで構成されるが、これら素材以外にも表面電位を酸素発生電位よりも高くできる素材であればこれを用いることができる。なお、オゾン発生電極20a、20bは制御装置7によって制御される。
【0047】
以上の構成により、第1の実施形態によれば、殺菌装置10Aがオゾン発生装置であるため、このオゾン発生装置により発生させたオゾンによって、殺菌成分導入口10aよりも上流側の主配管3を積極的に消毒殺菌することができる。
【0048】
[第2の実施形態]
図7は、殺菌装置の第2の実施形態を示す殺菌装置10Bを示し、この殺菌装置10Bは、第1の実施形態と同様にオゾン発生部30を備え、このときの殺菌成分はオゾンとなっている。
【0049】
すなわち、本実施形態の殺菌装置10Bは、図7に示すように、第1の実施形態と同様、オゾン発生部30、エアポンプ31およびオゾン混合槽32によって構成される。
【0050】
本実施形態のオゾン発生部30は、光化学反応法を用いたもので、UVオゾン発生ランプ33と、このランプ33の外側を取り囲む二重管34とを備えて概ね構成される。そして、エアポンプ31から供給される空気中の酸素を二重管34に送るとともに、UVオゾン発生ランプ33を照射することにより、二重管34内にオゾンが発生し、このオゾンをオゾン吐出部35からオゾン混合槽32内に送り込むことによりオゾン殺菌水が生成されるようになっている。なお、オゾン吐出部35には、途中に逆止弁36が設けられて、オゾン混合槽32内の水が二重管34内に逆流されないようになっている。また、エアポンプ31およびUVオゾン発生ランプ33は制御装置7によって制御される。
【0051】
したがって、第2の実施形態にあっても、上記第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
[浄水装置の第2の基本構造]
図8は、本発明の第2の基本構造となる浄水装置1Bを示し、第1の基本構成(図1参照)と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
【0053】
浄水装置1Bは、第1の基本構造と同様に、主配管3が上下方向に配索されて、水道水が下方から上方に向かって流通されるようになっている。そして、主配管3には、上流側から下流側に向かって浄化部4および殺菌装置としての電解殺菌装置5Aが順に配置される。
【0054】
ここで、電解殺菌装置5Aとは、電解水生成装置と殺菌装置とを兼ねた構造であり、電極に印加する電圧または電流を制御することにより、電解水生成装置としての機能を発揮させる場合と、殺菌装置としての機能を発揮させる場合とが、通常運転時と殺菌時とで選択的に使い分けることができるようになっている。
【0055】
したがって、本構造の浄水装置1Bによれば、通常運転時は、供給弁2と吐出弁6とを開弁し、排水弁11を閉弁するとともに、電解殺菌装置5Aをアルカリ水生成状態としておく。これにより、水道水は浄化部4で浄化した後に電荷殺菌装置5Aでアルカリイオン水を生成し、これを吐出弁6を介して蛇口へと送給することができる。なお、この場合、電解殺菌装置5Aを非作動として、浄化部4の浄化した水道水が蛇口から供給されるようにしてもよい。
【0056】
下流側の殺菌時は、電解殺菌装置5Aを殺菌剤生成状態としておくことにより、この電解殺菌装置5Aで生成された殺菌水によって、電解殺菌装置5Aよりも下流側の主配管3および吐出弁6、更には蛇口まで消毒殺菌することができる。
【0057】
続いて上流側を殺菌する時は、供給弁2を閉弁するとともに、排水弁11を開弁することにより、電解殺菌装置5Aよりも下流側に溜まった殺菌水が逆流して、電解殺菌装置5Aよりも上流側の主配管3および浄化部4を消毒殺菌しつつ排出弁11から排出される。なお、この場合にあっても、浄化部4が水の通り難い構造または状態となっている場合は、図4に示したと同様に、バイパス配管12や逆止弁13を設けることにより、殺菌水の逆流をスムーズに行うことができる。このことは、以下に述べる各実施形態にあっても同様とする。
【0058】
以上の構成により、第2の基本構造に示した浄水装置1Bによれば、第1の基本構造と同様の効果を奏しつつ、電解水生成装置と殺菌装置とを兼ねた電解殺菌装置5Aを用いたことにより、浄水装置1Bの構成をより簡素化することができる。
【0059】
[第3の実施形態]
図9は、第2の基本構成である浄水装置1Bに用いられる電解殺菌装置5Aの具体的構成を示す第3の実施形態で、本実施形態では、陰極板41と陽極板42とが隔膜43を挟んで対峙した電解槽44を備える。そして、陰極板41と陽極板42との間に電圧を印加することにより、陰極板41を擁する陰極室41R内に電解アルカリ水が生成されるとともに、陽極板42を擁する陽極室42R内に電解酸性水が生成されるようになっている。
【0060】
陰極室41Rは、アルカリ水供給管41Pを介して第1の三方弁45に連通するとともに、陽極室42Rは、酸性水供給管42Pを介して第2の三方弁46に連通する。第1と第2の三方弁45、46は、それぞれの一つの吐出口が連通管47を介して相互に連通して吐出弁6へと繋がるとともに、それぞれの他の吐出口は排水管41D、42Dに繋がる。
【0061】
したがって、本実施形態の浄水装置1Bによれば、通常の運転モードでは、電解槽44の陰極板41と陽極板42との間に低電圧を印加して陰極室41Rに電解アルカリ水を生成させるとともに、第1の三方弁45を連通管47に連通するように切り換える。このとき、第2の三方弁46は配水管42D側に切り換えておく。これにより、浄化部4で浄化された水道水は電解槽44を通過する間にアルカリイオン水となり、吐出弁6を介して蛇口へと供給される。
【0062】
下流側の殺菌モードでは、陰極板41と陽極板42との間に高電圧を印加して、陽極室42Rに殺菌成分である電解酸性水を生成させるとともに、第2の三方弁46を連通管47に連通するように切り換える。このとき、第1の三方弁45は配水管41D側に切り換えておく。これにより、浄化部4を通過した水道水は電解槽44を通過する間に酸性水となり、この酸性水を殺菌水として電解殺菌装置5Aの下流側を消毒殺菌することができる。
【0063】
上流側の殺菌モードでは、第2の基本構成で説明したように、供給弁2を閉弁するとともに、排水弁11を開弁することにより、電解槽44よりも下流側に溜まった電解酸性水が逆流して、電解槽44よりも上流側の主配管3および浄化部4を消毒殺菌しつつ排出弁11から排出される。
【0064】
したがって、第3の実施形態にあっても、第2の基本構成である浄水装置1Bと同様の効果を奏することができる。
【0065】
[第4の実施形態]
図10は、第2の基本構成である浄水装置1Bに用いられる電解殺菌装置5Aの具体的構成を示す第4の実施形態で、本実施形態では、第3の実施形態と同様に、陰極板51と陽極板52とが隔膜53を挟んで対峙した電解槽54を備える。そして、この電解槽54を過酸化水素発生装置として用い、陰極板51と陽極板52との間に高電圧を印加することにより、陰極板51を擁する陰極室51R内に電解過酸化水素水が生成されるとともに、陽極板52を擁する陽極室52R内に電解酸性水が生成されるようになっている。
【0066】
陰極室51Rは、アルカリ水供給管51Pを介して第1の三方弁55に連通するとともに、陽極室52Rは、酸性水供給管52Pを介して第2の三方弁56に連通する。第1と第2の三方弁55、56は、それぞれの一つの吐出口が連通管57を介して相互に連通して吐出弁6へと繋がるとともに、それぞれの他の吐出口は排水管51D、52Dに繋がる。
【0067】
したがって、本実施形態の浄水装置1Bによれば、通常の運転モードでは、電解槽54の陰極板51と陽極板52とに通電しない状態とし、第1の三方弁55および第2の三方弁56共に連通管57に連通しておく。これにより、浄化部4で浄化された水道水は電解槽54では何ら変化することなく吐出弁6を介して蛇口へと供給される。
【0068】
下流側の殺菌モードでは、陰極板51と陽極板52との間に高電圧を印加して陰極室51R内に殺菌成分である電解過酸化水素水を生成させるとともに、第1の三方弁55を連通管57に連通するように切り換える。このとき、陽極室52R内には電解酸性水が生成されるが、第2の三方弁56を配水管52D側に切り換えて廃棄する。これにより、浄化部4を通過した水道水は電解槽54の陰極室51Rを通過する間に過酸化水素水となり、この過酸化水素水を殺菌水として電解殺菌装置5Aの下流側を消毒殺菌することができる。
【0069】
上流側の殺菌モードでは、第2の基本構成で説明したように、供給弁2を閉弁するとともに、排水弁11を開弁することにより、電解槽54よりも下流側に溜まった過酸化水素水が逆流して、電解槽54よりも上流側の主配管3および浄化部4を消毒殺菌しつつ排出弁11から排出される。
【0070】
以上の構成により、第4の実施形態によれば、殺菌装置が過酸化水素発生装置であるため、過酸化水素水によって電解槽54よりも上流側の主配管3および浄化部4を積極的に消毒殺菌することができる。
【0071】
[第5の実施形態]
図11は、第1の基本構成である浄水装置1(変形例の浄水装置1Aを含む)に用いられる殺菌装置の具体的構成を示す第5の実施形態で、本実施形態では、殺菌装置を電気加熱装置としてのヒータ60で構成したものである。
【0072】
ヒータ60は、浄化部4によって浄化された水道水が導入される貯水槽61内に収納されるとともに、制御手段7によって加熱制御されることにより貯水槽61内の水道水を高温化するようになっている。加熱する温度は殺菌できる温度であればよく、一般的に60度以上が好ましい。
【0073】
したがって、本実施形態の浄水装置1によれば、通常の運転モードでは、ヒータ60を加熱しない状態とし、浄化部4から貯水槽61内に導入された浄化された水道水は、そのまま電解水生成装置5へと送給される。なお、以後の流れは第1の基本構成の通常の運転モードで説明したのと同様である。
【0074】
下流側の殺菌モードでは、ヒータ60に通電して貯水槽61内の水道水を加熱して熱水とし、十分に熱水となった時点で下流側に供給する。このとき、殺菌に充分な温度にするため吐出弁6を適当な開度として、熱水を下流側に送給する。これにより、貯水槽61よりも下流側の主配管3および電解水生成装置5、更には吐出弁6や蛇口まで消毒殺菌することができる。
【0075】
上流側の殺菌モードでは、供給弁2を閉弁するとともに、排水弁11を開弁することにより、貯水槽61よりも下流側に溜まった熱水が逆流して、貯水槽61よりも上流側の主配管3および浄化部4を消毒殺菌しつつ排出弁11から排出される。このとき、貯水槽61内で空焚き状態になるのを防止するため、上流側の殺菌モードへの切り替え時や貯水槽61内の水が所定量以下になった場合にヒータ60への通電を遮断することが好ましい。
【0076】
以上の構成により、第5の実施形態によれば、殺菌装置が電気加熱装置としてのヒータ60であるため、このヒータ60により加熱した熱水によって貯水槽61よりも上流側の主配管3および浄化部4を積極的に消毒殺菌することができる。
【0077】
[第6の実施形態]
図12は、第2の基本構成である浄水装置1Bに用いられる殺菌装置の具体的構成を示す第6の実施形態で、本実施形態の電解殺菌装置5Aは、電気加熱手段として電解槽70の陰極板71および陽極板72を用い、これら両電極71、72に通電した際に発生する熱を利用したものであり、このときの殺菌成分は第5の実施形態と同様に熱水となっている。73は隔膜である。この場合にあっても加熱する温度は殺菌できる温度であればよく、一般的に60度以上が好ましい。
【0078】
したがって、本実施形態の浄水装置1Bによれば、通常の運転モードでは、供給弁2および吐出弁6を開弁し、かつ、排水弁11を閉弁した状態で通水することにより、電解槽70は通常の電気分解を行って、陰極室71Rに電解アルカリ水と陽極室72Rに電解酸性水を生成する。
【0079】
そして、電解アルカリ水は、アルカリ水供給管71P、第1の三方弁74および連通管76を介して吐出弁6へと送給される。このとき、電解槽70内では水が流通されるため温度上昇はほとんど無い。なお、電解酸性水は、酸性水供給管72P、第2の三方弁75および配水管72Dを介して排出され、この排出された電解酸性水は廃棄してもよいし別の目的に使用してもよい。
【0080】
下流側の殺菌モードでは、供給弁2を一旦閉弁した状態で電解槽70の陰極板71と陽極板72に通電し、電解槽70内の水を加熱する。そして、加熱により殺菌するに充分な温度に達した時点で吐出弁6を適当な開度とし、この状態で供給弁2を開弁することにより電解槽70の下流側を消毒殺菌することができる。
【0081】
上流側の殺菌モードでは、供給弁2を閉弁するとともに、排水弁11を開弁することにより、電解槽70よりも下流側に溜まった熱水が逆流して、電解槽70よりも上流側の主配管3および浄化部4を消毒殺菌しつつ排出弁11から排出される。このとき、電解槽70内で空焚き状態になるのを防止するため、上流側の殺菌モードへの切り替え時や電解槽70内の水が所定量以下になった場合に陰極板71および陽極板72への通電を遮断することが好ましい。
【0082】
したがって、第6の実施形態にあっても、第2の基本構成である浄水装置1Bと同様の効果を奏することができる。
【0083】
[第7の実施形態]
図13は、第2の基本構成である浄水装置1Bに用いられる殺菌装置の具体的構成を示す第7の実施形態で、本実施形態の電解殺菌装置5Aは、電解槽80を強酸性水または強アルカリ水を生成する電解ユニットとして用いたものであり、殺菌成分は強PH水となっている。
【0084】
電解槽80は、陰極板81と陽極板82とが隔膜83を挟んで対峙しており、これら陰極板81と陽極板82との間に高電圧を印加することにより、陰極室81Rに強アルカリ水が生成されるとともに、陽極室82Rに強酸性水が生成されるようになっている。
【0085】
したがって、本実施形態の浄水装置1Bによれば、通常の運転モードでは、供給弁2および吐出弁6を開弁し、かつ、排水弁11を閉弁するとともに、電解槽80は低電圧の印加によって通常の電気分解を行わさせるようにする。このときに陰極室81Rに生成される電解アルカリ水が、アルカリ水供給管81P、第1の三方弁84および連通管86を介して吐出弁6へと送給されて飲用となる。もちろん、陽極室82Rに生成される電解酸性水は、酸性水供給管82P、第2の三方弁85を介して配水管82Dから排水される。
【0086】
下流側の殺菌モードでは、電解槽80の陰極板81と陽極板82とに高電圧を印加し、そのときに生成される陰極室81Rの強アルカリ水および陽極室82Rの強酸性水のいずれか一方が殺菌水として用いられる。このとき、強アルカリ水および強酸性水は、いずれも生菌の繁殖を効果的に抑制できる強PH値としておく。
【0087】
すなわち、強アルカリ水を殺菌水として用いる場合は、供給弁2および吐出弁6を開弁し、かつ、排水弁11を閉弁した状態で、アルカリ水供給管81Pを第1の三方弁84および連通管86を介して吐出弁6へと送給することにより、電解槽80の下流側を強アルカリ水で殺菌消毒することができる。なお、このとき、第2の三方弁85は配水管82Dに切り替えておくことにより、強酸性水は廃棄されることになる。
【0088】
一方、強酸性水を殺菌水として用いる場合は、酸性水供給管82Pを第2の三方弁85および連通管86を介して吐出弁6へと送給することにより、電解槽80の下流側を強酸性水で殺菌消毒することができる。なお、このとき、第1の三方弁84は配水管81Dに切り替えておくことにより、強アルカリ水は廃棄されることになる。
【0089】
上流側の殺菌モードでは、上述した強アルカリ水による下流側の殺菌モードおよび強酸性水による下流側の殺菌モードのいずれのモードであっても、供給弁2を閉弁するとともに排水弁11を開弁することにより、下流側に溜まっている強PH水が逆流して、前述した各実施形態と同様に電解槽80の上流側を消毒殺菌することができる。
【0090】
なお、強PH水で消毒殺菌する際には、強アルカリ水のみや強酸性水のみで行うのではなく、両方の強PH水による殺菌を交互に組み合わせて行うこともできる。たとえば、強アルカリ水で一定時間殺菌した後に強酸性水に切り替えて一定時間殺菌し、また、その逆に切り替えたりもでき、殺菌に必要なレベルに応じて使い分けすることができる。
【0091】
以上の構成により、第7の実施形態によれば、殺菌装置が強酸性水または強アルカリ性水を生成する電解ユニットであるため、強PH水によって電解槽80よりも上流側の主配管3および浄化部4を積極的に消毒殺菌することができる。
【0092】
[飲水機]
図14および図15は、本発明の浄水装置を飲水機としてのボトルサーバ100に応用した場合を示し、最上方位置に水供給部としてのボトルタンク101が配置され、このボトルタンク101から下方(下流)に向かって主配管102が配索される。
【0093】
主配管102には、上方(上流)から下方(下流)に向かって順に、浄化部103、電解槽104、UV発生装置105および殺菌装置としての光触媒付きUV発生装置106が配置される。この最下方に配置された光触媒付きUV発生装置106には、蛇口などの吐水弁107および殺菌水を排出する際の排水弁108が設けられている。
【0094】
UV発生装置106としては、たとえばUVランプなどが有り、紫外線を発生させて水道水を殺菌するようになっている。このUV発生装置106で発生された紫外線は殺菌作用があるが人体には無害であり、通常の運転モードで作動される。
【0095】
光触媒付きUV発生装置107としては、例えば第2の実施形態に示したUVオゾン発生ランプ33などが有り、オゾンが発生される。このオゾンは専ら消毒殺菌に用いられ、殺菌した後のオゾン水は廃棄される。
【0096】
したがって、本実施形態のボトルサーバ100によれば、通常の運転モードでは、排水弁108を閉弁するとともに、電解槽104をオン状態とし、光触媒付きUV派生装置106をOFF状態としておく。そして吐水弁107を開くことにより、ボトルタンク101内の水は、浄化部103で浄化した後、電解槽104でアルカリイオン水とし、次いでUV発生装置105で紫外線による通常の殺菌を行った後、光触媒付きUV発生装置106を単に通過して吐水弁107から取り出すことができる。もちろん、この通常の運転モードでは、水の自重による自然落下で吐水弁107から取り出すことができるため、装置の簡素化を達成することができる。
【0097】
図15(a)に示す上流側の殺菌モードでは、吐水弁107および排水弁108を共に閉弁し、かつ、光触媒付きUV発生装置106をオンするとともに、UV派生装置105および電解槽104を共にオフする。すると、光触媒付きUV装置106で発生したオゾンが気泡化して、水との比重の違いにより上昇(逆流)し、この光触媒付きUV装置106よりも上流側に位置するUV発生装置105、電解槽104および浄化部103をオゾン気泡によって順に消毒殺菌する。したがって、本実施形態の逆流手段は、オゾン気泡と水との比重差となっている。
【0098】
なお、このとき、オゾン気泡がボトルタンク101に侵入して貯留した水がオゾン水にあるのを避けるため、ボトルタンク101と浄化部103との間には、逆止弁109および余剰オゾンを系外に排出するエアベント110が設けられている。
【0099】
そして、光触媒付きUV装置106よりも上流側を殺菌した後、図15(b)に示すように、吐水弁107を閉弁した状態で排水弁108を開弁する。すると、光触媒付きUV装置106よりも上流側に溜まったオゾン気泡やオゾン水は逆流して排水弁108から排出される。このとき、光触媒付きUV装置106はオン、UV発生装置105はオフにした状態が維持される。
【0100】
したがって、排水弁108から殺菌水を排出する際、ボトルタンク101内の水も同時に流下するが、そのボトルタンク101内の水で系内を洗浄できる。このとき、洗浄するボトルタンク101内の水をアルカリ化するため、電解槽104はオンに切り替えておくことが好ましい。
【0101】
本実施形態のボトルサーバ100では、図15(a)、(b)に示す殺菌モードを、ボトルサーバ100を使用しない待機時に実行することにより、通常の使用時に支障が来されるのをほとんど無くすことができる。
【0102】
したがって、本実施形態のボトルサーバ100にあっても、上述した浄水装置1、1A、1Bと同様に、通常使用においてより安全な浄化水を得ることができる。
【0103】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。たとえば、主配管には各実施形態に示したそれぞれの浄水化手段、例えば浄化部、殺菌装置、電解槽、電解殺菌装置など以外に、他の浄水化手段を配置した場合にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0104】
1、1A、1B 浄水装置
2 供給弁(水供給部)
3 主配管(流路)
4 浄化部
5 電解槽(電解水生成装置)
5A 電解殺菌装置
54 電解槽(過酸化水素発生装置)
10、10A、10B、10C 殺菌装置
10a 殺菌成分導入口
11 排水弁(逆流手段)
12 バイパス配管(逆流手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水供給部から導入される原水を上下方向に流通させる流路に、浄化部および電解水生成装置が配置された浄水装置であって、
生成した殺菌成分を前記流路に導入する殺菌装置が設けられるとともに、前記殺菌成分を前記流路の殺菌成分導入口よりも上流側に逆流させる逆流手段が設けられていることを特徴とする浄水装置。
【請求項2】
前記殺菌装置がオゾン発生装置であることを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項3】
前記電解水生成装置が前記殺菌装置を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項4】
前記殺菌装置が過酸化水素発生装置であることを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項5】
前記殺菌装置が電気加熱装置であることを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項6】
前記殺菌装置が強酸性水または強アルカリ性水を生成する電解ユニットであることを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうち何れか1項に記載の浄水装置を用い、前記逆流手段により前記流路の殺菌成分導入口よりも上流側に殺菌成分を逆流させるようにしたことを特徴とする浄水装置の消毒殺菌方法。
【請求項1】
水供給部から導入される原水を上下方向に流通させる流路に、浄化部および電解水生成装置が配置された浄水装置であって、
生成した殺菌成分を前記流路に導入する殺菌装置が設けられるとともに、前記殺菌成分を前記流路の殺菌成分導入口よりも上流側に逆流させる逆流手段が設けられていることを特徴とする浄水装置。
【請求項2】
前記殺菌装置がオゾン発生装置であることを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項3】
前記電解水生成装置が前記殺菌装置を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項4】
前記殺菌装置が過酸化水素発生装置であることを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項5】
前記殺菌装置が電気加熱装置であることを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項6】
前記殺菌装置が強酸性水または強アルカリ性水を生成する電解ユニットであることを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうち何れか1項に記載の浄水装置を用い、前記逆流手段により前記流路の殺菌成分導入口よりも上流側に殺菌成分を逆流させるようにしたことを特徴とする浄水装置の消毒殺菌方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−101177(P2012−101177A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251925(P2010−251925)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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