説明

海中曳航体の着水・曳航方法、着水揚収装置及び着水揚収装置を備えた船舶

【課題】従来の海中曳航体の着水・揚収装置は、着脱装置本体等の重量が重たく、複雑となり、且つ、着脱装置本体等を吊下げる門型フレーム等も大掛かりなものとなるという問題があった。
【解決手段】門型フレームと、門型フレームの長手方向に移動可能に門型フレームに配置された着脱台移動用支持台と、門型フレームに取付けられ着脱台移動用支持台を移動させる着脱台移動装置と、着脱台移動用支持台に回転自在に取付けられた曳航体着脱装置と、曳航体着脱装置に回転自在に取付けられた曳航ケーブル用シーブとを備えた。これにより、曳航時に門型フレーム等に加わる張力を軽減でき、門型フレーム等を軽量化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観測機器等の海中曳航体の着水・曳航方法、着水揚収装置及び着水揚収装置を備えた船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の観測機器等の海中曳航体の投入揚収装置が提案されている。
例えば、図13に示す潜水艇109の投入揚収装置は、母船101の甲板102上にて水平軸まわりに回動可能に支持されるクレーンフレーム103と、このクレーンフレーム103を回動させる2本の油圧シリンダ106と、このクレーンフレーム103に回動可能に支持されるストロングバック104と、このストロングバック104から延びる2本のワイヤロープ105と、この各ワイヤロープ105の繰出し及び巻き取りを行うウインチ107とを備える。
なお、108はスタピライザである(例えば、特許文献1。)。
【0003】
また、曳航体収容部の後方に立設された支持柱にその基端部で揺動可能に枢支されたブームフレームと、該ブームフレームの先端に設けられた曳航体保持機構と、ブームフレームを揺動駆動するブーム揺動機構と、曳航索4を所定の張力で巻き取る曳航体収容部の前方に設けられたウインチと、曳航体保持機構の姿勢を保持する姿勢保持機構と、を備え、曳航体保持機構の保持アームの保持部が水面下に位置した状態で、ウインチによる曳航索4の巻き取り駆動によって曳航体を保持部に保持し、ブーム揺動機構によるブームフレームの揺動駆動によってその保持した曳航体を曳航体保持部に移動するよう構成されているものも提案されている(例えば、特許文献2。)。
【0004】
一般的に、曳航体の揚収装置においては、曳航体が着水した状態が最も危険であり、海水の波、揚収装置を備えた船舶の動揺、風、潮の流れ等により、曳航体の姿勢が不安定になり、最悪の場合には曳航体が破損する可能性がある。
そして、上述の従来の特許文献1、2に記載のものでは、いずれも曳航体の着水時においては、ワイヤロープ等により吊下げられた不安定な状態にあり、曳航体の動揺が激しく、曳航体が破損する可能性があり、また、観測作業が終了した後の曳航体の回収時に、気候が急激に悪化した場合には、曳航体が回収できなくなるという問題がある。
【0005】
また、本願の出願人は、船舶上に起倒自在に門型フレームを設け、門型フレームに着脱装置本体を水平軸回りで揺動自在に設け、船舶側のウインチに索体を介して連結される観測機器の索体を着脱することで観測機器の着脱を行う着脱台を備え、船舶の船尾方向に往復移動自在に支持されるスライドベースを着脱装置本体に設け、索体を支持する曳航シーブをスライドベースに互いに交差する軸回りで旋回及び揺動自在に設け、第2索体により着脱台の巻き上げ・巻き下げを行う着脱ウインチを着脱装置本体に設け、押し出し手段により第2索体を押し出して索体に着脱台を押し付ける押し出しローラを着脱装置本体に設けた観測機器の投入揚収装置を提案した(例えば、特許文献3。)。
【0006】
上述の特許文献3に記載のものでは、曳航体が破損する可能性がある、曳航体が回収できなくなるという問題点は解消されたものの、着脱装置本体等の重量が重たく、複雑となり、且つ、着脱装置本体等を吊下げる門型フレーム等も大掛かりなものとなるという問題がある。
即ち、従来のものでは、1台の曳航体しか曳航することができず、曳航体を音源体と受信体との兼用型としなければならないため、曳航体のみならず、着脱装置本体、門型フレーム等も大掛かりなもとなる。
【0007】
また、従来のものでは、曳航体が兼用型であるがゆえに、各々の観測に応じた固有の備品を有する曳航体を用意しなければならないという問題もある。
【0008】
【特許文献1】特開2004−352015号公報
【特許文献2】特開平8−245186号公報
【特許文献3】特許第3615986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するために提案されたものであって、安全に海中曳航体を着水、揚収でき、或いは、海中曳航体を吊下げるアーム(門型フレーム)等を軽量化することのできる着水・曳航方法、着水揚収装置及び着水揚収装置を備えた船舶を提供することを目的とする。
更には、少なくとも2台の曳航体を同時に曳航できるようにすることにより、音源体、或いは受信体のみの機能を有する小型の曳航体を採用することのできる着水・曳航方法、着水揚収装置及び着水揚収装置を備えた船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたもので、特許請求の範囲に記載された各発明は、着水・曳航方法、着水揚収装置及び着水揚収装置を備えた船舶を備えた船舶として、それぞれ以下に述べる各手段を採用したものである。
【0011】
(1)第1の手段の海中曳航体の着水・曳航方法は、船体上に設けられた門型フレームと、前記門型フレームの長手方向に移動可能に配置された曳航体着脱装置と、前記曳航体着脱装置に回転自在に取付けられた曳航ケーブル用シーブと、前記曳航ケーブル用シーブに掛け回された曳航ケーブルとを備え、前記門型フレームを起立した状態で曳航体を前記曳航ケーブルにより吊り上げて前記曳航体着脱装置の下面に固定し、前記曳航体着脱装置、前記曳航ケーブル用シーブ及び前記曳航体を前記門型フレームの先端側に移動し、前記門型フレームを船尾側に旋回して前記曳航体を着水し、前記曳航体着脱装置及び曳航ケーブル用シーブを前記門型フレームの基部側に移動して前記曳航体を曳航することを特徴とする。
【0012】
(2)第2の手段の海中曳航体の着水・曳航方法は、第1の手段において、前記門型フレーム、前記曳航体着脱装置、前記曳航ケーブル用シーブ及び前記曳航ケーブルを前記船体の船尾部の左右舷に2組備え、2台の前記曳航体を同時に曳航することを特徴とする。
【0013】
(3)第3の手段の海中曳航体の着水・曳航方法は、第1又は2の手段において、前記門型フレームを起立した状態で前記曳航体を前記曳航体着脱装置の曳航体着脱台の下面に固定し、前記曳航体を固定した状態で前記門型フレームに取付けられた着脱台移動装置により、前記曳航体着脱装置、前記曳航体着脱台及び前記曳航ケーブル用シーブを前記門型フレームの先端側に移動し、前記門型フレームを旋回して前記曳航体着脱台及び前記曳航体を海面下に移動し、前記曳航体を前記曳航体着脱台から離脱させると共に、前記門型フレームを水平にし、前記着脱台移動装置により前記曳航体着脱装置を前記門型フレームの基部側に移動し、その後、前記曳航ケーブル用シーブに掛け回された前記曳航ケーブルにより前記曳航体を曳航することを特徴とする。
【0014】
(4)第4の手段の海中曳航体の着水・揚収装置は、門型フレームと、前記門型フレームの長手方向に移動可能に前記門型フレームに配置された着脱台移動用支持台と、前記門型フレームに取付けられ前記着脱台移動用支持台を移動させる着脱台移動装置と、前記着脱台移動用支持台に回転自在に取付けられた曳航体着脱装置と、前記曳航体着脱装置に回転自在に取付けられた曳航ケーブル用シーブとを備えたことを特徴とする。
【0015】
(5)第5の手段の海中曳航体の着水・揚収装置は、第4の手段において、前記着脱台移動装置は、前記門型フレームに固定された繰出し用シリンダと、前記繰出し用シリンダの基部側に取付けられた繰出し用固定滑車と、前記繰出し用シリンダの繰出し用ピストンの先端に取付けられた繰出し用動滑車と、前記繰出し用固定滑車及び前記繰出し用動滑車に掛け回されると共に先端が前記着脱台移動用支持台に接続された繰出し用ワイヤと、前記門型フレームに固定された引込み用シリンダと、前記引込み用シリンダの基部側に取付けられた引込み用固定滑車と、前記引込み用シリンダの引込み用ピストンの先端に取付けられた引込み用動滑車と、前記引込み用固定滑車及び前記引込み用動滑車に掛け回されると共に先端が前記着脱台移動用支持台に接続された引込み用ワイヤとを有していることを特徴とする。
【0016】
(6)第6の手段の海中曳航体の着水・揚収装置は、第4又は5の手段において、前記曳航体着脱装置は、前記着脱台移動用支持台に回転自在に取付けられた着脱台回転軸と、前記着脱台回転軸に取付けられた吊下げアームと、前記吊下げアームの下端に取付けられた曳航体着脱台とを有していることを特徴とする。
【0017】
(7)第7の手段の海中曳航体の着水・揚収装置は、第4乃至6のいずれかの手段において、一端が前記船体に回転自在に取付けられた第1の油圧シリンダと、一端が前記第1の油圧シリンダの他端に回転自在に取付けられると共に他端が前記門型フレームに回転自在に取付けられた第2の油圧シリンダと、一端が前記第1の油圧シリンダの他端に回転自在に取付けられると共に他端が前記門型フレームに回転自在に取付けられたリンクと、を有する門型フレーム旋回装置を備えたことを特徴とする。
【0018】
(8)第8の手段の船舶は、前記船体の船尾部に配置された第4乃至7のいずれかの手段に記載の海中曳航体の着水・揚収装置と、前記門型フレームの船首側に配置された曳航ウインチとを備えたことを特徴とする。
【0019】
(9)第9の手段の船舶は、第8の手段において、前記海中曳航体の着水・揚収装置及び前記曳航ウインチを前記船体の船尾部の左右舷に2組備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
特許請求の範囲に記載の各請求項に係る発明の着水・曳航方法、着水揚収装置及び着水揚収装置を備えた船舶は、上記の各手段を採用しているので、以下の効果を奏する。
【0021】
曳航体が固定された曳航体着脱装置を、着脱台移動装置により門型フレーム上を移動可能にしているので、曳航体を海中に沈めて曳航体着脱装置から離脱或いは曳航体着脱装置に揚収することができ、波の影響を受けず安全に曳航体を着水、揚収できる。
また、曳航体の曳航時には、曳航ケーブルが掛け回された曳航体着脱装置の曳航ケーブル用シーブを、門型フレームの基部側に移動させているので、曳航時に門型フレーム等に加わる張力を軽減でき、門型フレーム等を軽量化することができる。
【0022】
更に、前記門型フレーム、前記着脱台移動用支持台、前記着脱台移動装置、前記曳航体着脱装置、前記曳航ケーブル用シーブ及び前記曳航ケーブルを前記船体の船尾部の左右舷に2組備えることにより、同時に2台の曳航体を曳航することができるため、各曳航体を各種の機能専用(例えば、音源体専用、受信体専用)の小型化のものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図1〜図11に基づいて、本発明の実施の形態に係る着水・曳航方法、着水揚収装置及び着水揚収装置を備えた船舶につき説明する。
図1は、本発明の実施の形態を示す海中曳航体の着水・揚収装置の概略平面図、図2は、同海中曳航体の着水・揚収装置の概略側面図、図3は、同海中曳航体の着水・揚収装置の概略後面図である。
図4は、同海中曳航体の着水・揚収装置における繰出し装置及び引込み装置の詳細模式図、図5は、同海中曳航体の着水・揚収装置における曳航体吊下げ装置の詳細模式図、図6は、同海中曳航体の着水・揚収装置における2段式の門型フレーム旋回油圧シリンダの詳細模式図である。
図7は、同海中曳航体の着水・揚収装置の曳航体格納時の説明図、図8は、同海中曳航体の着水・揚収装置の曳航体吊下げ時の説明図、図9は、同海中曳航体の着水・揚収装置の門型フレーム旋回時の説明図、図10は、同海中曳航体の着水・揚収装置の曳航体着水時の説明図、図11は、同海中曳航体の着水・揚収装置の曳航時の説明図である。
図12は、同海中曳航体の着水・揚収装置における可動台の繰出し引込み装置の他の例を示す側面図である。
【0024】
(全体の構成)
先ず、図1、図2、図3に基づき、本発明の実施の形態に係る海中曳航体の着水・揚収装置の概要につき説明する。
なお、曳航体着脱装置10、着脱台繰出し装置20、着脱台引込み装置30、及び2段式の門型フレーム旋回装置40について、図1、図2、図3はその概要を示すものであり、詳細な構成については図4、図5、図6に基づき説明する。
船体1の船尾部の甲板2上には、2組の海中曳航体の着水・揚収装置が配置されている。
この2組の海中曳航体の着水・揚収装置は同じ大きさであるが、大きさの異なる大小の海中曳航体の着水・揚収装置を配置しても良い。
しかしながら、大きさが異なっても、その構造、駆動機構、機能等は本質的に同じである。
【0025】
即ち、甲板2上の船尾の左右舷には、各々2個の門型フレーム支持台8が固定され、この各門型フレーム支持台8に、各々門型フレーム7が門型フレーム支持軸9を介して船体1の船首尾方向に旋回自在に配置されている。
この門型フレーム7は、基部が門型フレーム支持台8に軸支された2本の門型フレーム基部7aと、各門型フレーム基部7aの先端に並行に固定された直線状の門型フレーム先端部7bと、2本の門型フレーム先端部7bの先端に固定された門型フレーム水平部7cとにより構成されている。
【0026】
また、各門型フレーム基部7aと門型フレーム先端部7bとは、折り曲げられて固定されており、門型フレーム7全体は、くの字(への字)の形状となっている。
なお、各門型フレーム基部7aの形状は、直線状のものに限定されず湾曲したものでも良い。
一方、各門型フレーム先端部7bは、後述する着脱台繰出し装置20及び着脱台引込み装置30(詳細は図4参照)、或いは着脱台移動装置38(図12参照)が組み込まれ、且つ、曳航体着脱装置10(詳細は図5参照)を上下に移動させるため、直線形状とすると共に平行に配置する必要がある。
また、各門型フレーム基部7aには、他端が甲板2に軸支された2段式の門型フレーム旋回装置40(詳細は図6参照)が連結されている。
【0027】
2本の門型フレーム先端部7b間には、着脱台回転軸11、吊下げアーム12及び曳航体着脱台13等により構成された曳航体着脱装置10が上下(門型フレーム7の長手方向)に移動可能に配置されている。
また、着脱台回転軸11の中央には、曳航ケーブル用シーブ15が配設されている。
更に、各門型フレーム7の船首側には、各々曳航ウインチ3が取付けられており、各曳航体5は、各々曳航ケーブル用シーブ15に掛け回された曳航ケーブル4を介して曳航ウインチ3により、着脱、曳航されるようになっている。
なお、船尾端には、凹部が形成され、曳航体5の着水・揚収時に曳航ケーブル4が掛け回される船体付シーブ6が回転自在に取付けられている。
【0028】
(着脱台繰出し装置及び着脱台引込み装置の構成)
次に、図4に基づき、着脱台移動装置としての着脱台繰出し装置20及び着脱台引込み装置30の構成につき詳細に説明する。
なお、図4は、門型フレーム先端部7b及び門型フレーム水平部7cの内部に配置された着脱台繰出し装置20及び着脱台引込み装置30の構成を模式的に図示したものであり、図4の左側を左舷(側)、右側を右舷(側)とする。
【0029】
先ず、着脱台繰出し装置20につき説明する。
左舷側の門型フレーム先端部7b内には、繰出し用シリンダ21が固定して配置されている。
繰出し用シリンダ21の基部(或いは門型フレーム先端部7b内壁)には、複数個の繰出し用固定滑車24が回転自在に取付けられている。
繰出し用シリンダ21の繰出し用ピストン22の先端には、複数個の繰出し用動滑車23が回転自在に取付けられている。
また、2本の門型フレーム先端部7bが対峙する面側には、図示略のガイドに案内されて門型フレーム先端部7b内を上下(門型フレーム先端部7bの長手方向)に移動する2個の着脱台移動用支持台14、14が配設されている。
【0030】
左舷側の門型フレーム水平部7c内の左舷側には、2個のガイドローラ25aが回転自在に取付けられ、その中央寄りには、1個のガイドローラ25bが回転自在に取付けられている。
更に、門型フレーム水平部7c内の右舷側にも、1個のガイドローラ25cが回転自在に回転自在に取付けられている。
【0031】
そして、基部が左舷側の門型フレーム先端部7bに連結された繰出し用ワイヤ26aが、複数個の繰出し用固定滑車24及び複数個の繰出し用動滑車23に、通常3ターン掛け回されている。
この繰出し用ワイヤ26aの先端は、3個の連結部を有するワイヤ接続金物27に連結されている。
ワイヤ接続金物27には、繰出し用ワイヤ26b、26cも連結されており、繰出し用ワイヤ26bは、ガイドローラ25a及びガイドローラ25bに掛け回され、その先端は、左舷側の着脱台移動用支持台14の上端に連結されている。
また、繰出し用ワイヤ26cは、ガイドローラ25a及びガイドローラ25cに掛け回され、その先端は、右舷側の着脱台移動用支持台14の上端に連結されている。
【0032】
次に、着脱台引込み装置30につき説明する。
右舷の門型フレーム先端部7b内には、引込み用シリンダ31が固定して配置されている。
引込み用シリンダ31の基部(或いは門型フレーム先端部7b内壁)には、複数個の引込み用固定滑車34が回転自在に取付けられている。
引込み用シリンダ31の引込み用ピストン32の先端には、複数個の引込み用動滑車33が回転自在に取付けられている。
また、2本の門型フレーム先端部7bが対峙する面側には、図示略のガイド内を移動する着脱台移動用支持台14が回転自在に取付けられている。
【0033】
右舷側の門型フレーム先端部7bの基部には、ガイドローラ35a,35bが回転自在に取付けられている。
門型フレーム水平部7c内の右舷側には、ガイドローラ35cが回転自在に取付けられ、門型フレーム水平部7c内の左舷側には、ガイドローラ35dが回転自在に取付けられている。
更に、左舷側の門型フレーム先端部7bの基部には、ガイドローラ35e,35fが回転自在に取付けられている。
【0034】
そして、基部が右舷側の門型フレーム先端部7bに連結された引込み用ワイヤ36aが、複数個の引込み用固定滑車34及び複数個の引込み用動滑車33に、通常3ターン掛け回されている。
この引込み用ワイヤ36aの先端は、3個の連結部を有するワイヤ接続金物37に連結されている。
ワイヤ接続金物37には、引込み用ワイヤ36b、36cも連結されており、引込み用ワイヤ36bは、ガイドローラ35c、ガイドローラ35d、ガイドローラ35e,ガイドローラ35fに掛け回され、その先端は、左舷側の着脱台移動用支持台14の下端に連結されている。
また、引込み用ワイヤ36cは、ガイドローラ35a及びガイドローラ35bに掛け回され、その先端は、右舷側の着脱台移動用支持台14の下端に連結されている。
【0035】
そして、左右舷の着脱台移動用支持台14、14間には、曳航体着脱装置10の着脱台回転軸11が回転自在に取付けられている。
【0036】
上述の構成により、繰出し用ピストン22を伸ばすと共に、引込み用ピストン32を縮めることにより、着脱台移動用支持台14、14及び曳航体着脱装置10の着脱台回転軸11は上方(船尾側、或いは門型フレーム先端部7bの先端側)へ繰出される。
一方、繰出し用ピストン22を縮めると共に、引込み用ピストン32を伸ばすことにより、着脱台移動用支持台14、14及び曳航体着脱装置10の着脱台回転軸11は下方(船首側、或いは門型フレーム先端部7bの基部側)へ繰込まれる。
【0037】
なお、着脱台繰出し装置20及び着脱台引込み装置30は、どちらを右舷側、或いは左舷側の門型フレーム基部7aに設けても良い。
また、繰出し用シリンダ21、繰出し用ピストン22、繰出し用動滑車23、繰出し用固定滑車24、引込み用シリンダ31、引込み用ピストン32、引込み用動滑車33、引込み用固定滑車34等を、門型フレーム基部7a内に配設し、門型フレーム基部7aと門型フレーム先端部7bとの接続部に方向変換用のガイドローラを追設した構成としても良い。
また、着脱台繰出し装置20及び着脱台引込み装置30は、上述のごとく、門型フレーム先端部7bの内部に配置しても良く、更には、門型フレーム先端部7bの外部側面或いは外部上面に配置しても良い。
【0038】
(曳航体着脱装置の構成)
次に、図5に基づき、曳航体着脱装置10の構成につき詳細に説明する。
各門型フレーム7の門型フレーム先端部7b内には、上述のごとく各々着脱台移動用支持台14、14が、各門型フレーム先端部7bの長手方向に移動(スライド)可能に配置されている。
各着脱台移動用支持台14、14は、軸受を備えており、着脱台移動用支持台14、14間には、着脱台回転軸11が回転自在に取付けられている。
この着脱台回転軸11の中央には、ユニバーサルジョイント17を介して、シーブ支持金物18が連結され、シーブ支持金物18には、曳航ケーブル4が掛け回される曳航ケーブル用シーブ15が回転自在に取付けられている。
このユニバーサルジョイント17は、船首尾方向に回転する回転軸16aと、水平面内で回転する回転軸16bと,左右舷方向に回転する回転軸16cとにより構成されている。
【0039】
更に、着脱台回転軸11の両端部には、吊下げアーム12が回転軸16aを介して連結されている。
吊下げアーム12の下端には、板状の曳航体着脱台13が固定されている。
曳航体着脱台13の中央には、曳航体5を着座させるための凹部が船首尾方向に形成されている。
曳航体着脱台13の下面には、曳航体5を保護するためのクッション材19が貼り付けられている。
曳航体着脱台13の後部には、図1に図示のように、曳航ケーブル4が、船尾側から進入するための切込みが形成されている。
【0040】
なお、各着脱台移動用支持台14、14及び着脱台回転軸11の構造としては、上述のものに替えて、2個の着脱台移動用支持台14、14を図示略の連結棒にて固定接続し、この連結棒に、着脱台回転軸11を回転自在に取付けるようにしても良い。
また、着脱台回転軸11と吊下げアーム12とは一体的に構成しても良い。
【0041】
(門型フレーム旋回油圧シリンダの構成)
次に、図6に基づき、門型フレーム旋回装置40の構成につき詳細に説明する。
各門型フレーム基部7aには、各々、第1の油圧シリンダ41、第2の油圧シリンダ42、及びリンク43から構成された門型フレーム旋回装置40が取付けられている。
即ち、第1の油圧シリンダ41の基部(一端)は、図2に図示のように、甲板2に回転自在に取付けられている。
第1の油圧シリンダ41のピストンの先端(他端)には、回転軸44が取付けられている。
この回転軸44には、第2の油圧シリンダ42の基部(一端)及びリンク43の基部(一端)も回転自在に取付けられている。
なお、リンク43の基部は、第2の油圧シリンダ42と干渉しないように、凹部が形成され、この凹部に回転軸44が配置されている。
【0042】
そして、第2の油圧シリンダ42のピストンの先端(他端)は、門型フレーム基部7aの上部、或いは、門型フレーム基部7aと門型フレーム先端部7bとの接続部に、回転軸46を介して回転自在に取付けられている。
また、リンク43の先端(他端)も、門型フレーム基部7aの下部に回転軸45を介して、或いは、門型フレーム支持軸9に回転自在に取付けられている。
なお、第2の油圧シリンダ42及びリンク43の取付け位置は、逆にしても良い。
更には、リンク43に替えて、第3の油圧シリンダを設けるようにしても良い。
【0043】
門型フレーム旋回装置40を、上述のように第1の油圧シリンダ41及び第2の油圧シリンダ42からなる2段式にすることにより、門型フレーム7の旋回角度は大きくなり、略水平状態を越えて、門型フレーム7の先端が海面付近に届くまで門型フレーム7を旋回させることができる。
【0044】
(曳航体の着水・揚収動作)
次に、図7〜図11に基づき、曳航体の着水・揚収の動作につき、詳細に説明する。
なお、図7〜図11は、門型フレーム旋回装置40の図示を省略している。
また、曳航ウインチ3は、オートテンション機能を有しており、曳航体5の着水迄の作業工程、回収時の作業工程においては、曳航ウインチ3により、曳航体5は曳航体着脱台13の下面に所定の力で常に密着するように制御されている。
【0045】
先ず、図7に図示の格納状態において、門型フレーム先端部7bは、ほほ垂直状態に起立している。
この時、図6に図示のように、門型フレーム旋回装置40の第1の油圧シリンダ41及び第2の油圧シリンダ42は縮んだ状態にある。
この状態で、曳航体5を曳航体着脱装置10の曳航体着脱台13の下方に移動させた後、曳航体5を曳航ケーブル4により吊上げ、曳航体着脱台13の下面に着座させる。
【0046】
その後、図4に図示の繰出し用ピストン22を伸ばし引込み用ピストン32を縮めて着脱台移動用支持台14、14を門型フレーム先端部7bの先端側に移動させると共に、曳航ウインチ3により曳航ケーブル4を若干繰出し、図8に図示のように、曳航体着脱台13を含む曳航体着脱装置10及び曳航体5を、門型フレーム7の上端まで吊上る。
【0047】
曳航体着脱装置10及び曳航体5が門型フレーム7の上端まで吊上げられた状態で、図6に図示の第1の油圧シリンダ41のピストンを伸ばすことにより、門型フレーム7は船尾側に旋回し、図9に図示のように水平状態となる。
更に、図6に図示の第2の油圧シリンダ42を伸ばすことにより、門型フレーム7は下方に向かって旋回し、図10に図示のように、曳航体着脱台13及び曳航体5は海面下に沈んだ状態となる。
なお、第1の油圧シリンダ41、第2の油圧シリンダ42の可動順序は、上述のものに限定されるものではなく、先に第2の油圧シリンダ42を可動させても良い。
このとき、曳航ケーブル4は、船体付シーブ6に掛け回される。
【0048】
なお、曳航体5は、図5に図示の曳航体着脱台13、吊下げアーム12及び着脱台回転軸11を介して門型フレーム7に、船首尾方向にのみ動揺するように固定されている。
そして、門型フレーム7及び曳航体着脱装置10の吊下げアーム12の長さは、曳航体5がどのように旋回しても、船体1の船尾に衝突しないように設定されている。
【0049】
このように、曳航体着脱台13及び曳航体5を海面下に沈めることにより、波の影響を受けにくくなり、従来のように、海面上にワイヤ等により着水させるものと比べて格段に安全性が向上する。
なお、図10に図示の曳航体着脱台13及び曳航体5が海面下に沈んだ状態において、船体1を微速前進させつつ、曳航ウインチ3により曳航ケーブル4に適正なテンションを掛けておくことにより、曳航体着脱台13及び曳航体5を略水平に保持することができる。
【0050】
図10の状態から、船体1を前進させるとともに、曳航ウインチ3により曳航ケーブル4を繰出し、曳航体5を曳航体着脱台13から離脱させる。
その後、第2の油圧シリンダ42を縮める。
これと同時に、或いは前後して、図4に図示の繰出し用ピストン22を縮めると共に、引込み用ピストン32を伸ばすことにより、着脱台移動用支持台14、14、曳航体着脱装置10及び曳航ケーブル用シーブ15は船首側へ移動する。
そして、図11に図示のような曳航状態にする。
【0051】
このとき、曳航ケーブル4が掛け回された曳航体着脱装置10の曳航ケーブル用シーブ15は、門型フレーム7の中央付近まで引き込まれているので、曳航体5の曳航時に生じる張力、門型フレーム7への曲げモーメント、及び第1の油圧シリンダ41及び第2の油圧シリンダ42に加わる力は、門型フレーム7の先端で支持する場合に比べて大幅(約半分程度)に低減される。
【0052】
なお、曳航している曳航体5の揚収(回収)は、上述の逆の順序にて行われる。
即ち、図11に図示の曳航状態から、曳航ウインチ3により曳航ケーブル4を巻き込む。
そして、図6に図示の第2の油圧シリンダ42を伸ばして、門型フレーム7をその先端が海面付近になるまで旋回さる。
次に、図4に図示の繰出し用ピストン22を伸ばす共に引込み用ピストン32を縮めて、曳航体着脱装置10を門型フレーム7の先端に移動させて、曳航体着脱台13を海面下に沈める。
【0053】
次に、更に曳航ケーブル4を巻き込み、曳航体5を曳航体着脱台13の下面に着座させて図10に図示の状態にする。
次に、図6に図示の第2の油圧シリンダ42を縮めて図9に図示の状態にし、更に、第1の油圧シリンダ41を縮めて図8に図示の状態にする。
その後、曳航ウインチ3により曳航ケーブル4を繰出し、図4に図示の繰出し用ピストン22を縮めると共に引込み用ピストン32を伸ばして、曳航体着脱装置10を降下させて図7に図示の状態にして、曳航体5を回収する。
【0054】
次に、図12に基づき、着脱台移動装置の他の例につき説明する。
図12に図示のものは、図4に図示の着脱台繰出し装置20及び着脱台引込み装置30から構成される着脱台移動装置に替えて、着脱台移動装置としての着脱台移動シリンダ38により、着脱台移動用支持台14及び曳航体着脱装置10を直接移動させるようにしたものである。
即ち、図12に図示のように、各門型フレーム基部7a内には、着脱台移動用支持台14の下端に接続された着脱台移動シリンダ38のピストンが配置されている。
この着脱台移動シリンダ38は、門型フレーム基部7aの前面壁を斜めに貫通して、外部に突出すように取付けられている。
【0055】
この場合、第2の油圧シリンダ42及びリンク43は、門型フレーム基部7aの左右舷壁に設けられた回転軸45、46に回転自在に取付けられており、着脱台移動シリンダ38と第2の油圧シリンダ42及びリンク43等とが干渉しないようになっている。
なお、門型フレーム基部7aを、左右方向に幅の広いものとすれば、着脱台移動シリンダ38と第2の油圧シリンダ42及びリンク43とを干渉しないように、ずらして配置することも可能である。
【0056】
上述の本発明の実施の形態に係る着水・曳航方法、着水揚収装置及び着水揚収装置を備えた船舶によれば、曳航体5が固定された曳航体着脱装置10を、着脱台繰出し装置20及び着脱台引込み装置30、或いは着脱台移動シリンダ38からなる着脱台移動装置により門型フレーム7の門型フレーム先端部7b上を移動可能にしているので、曳航体5を海中に沈めて曳航体着脱装置10から離脱或いは曳航体着脱装置10に揚収することができ、波の影響を受けず安全に曳航体5を着水、揚収できる。
また、曳航体5の曳航時には、曳航ケーブル4が掛け回された曳航体着脱装置の曳航ケーブル用シーブ15を、門型フレーム先端部7bの基部側(即ち、門型フレーム7の中央付近)に移動させているので、曳航体5に門型フレーム7等に加わる張力を軽減でき、門型フレーム7、門型フレーム旋回装置40等を軽量化することができる。
また、門型フレーム7を旋回させる門型フレーム旋回装置40を、第1の油圧シリンダ41、第2の油圧シリンダ42及びリンク43により構成することにより、門型フレーム7を、その先端が海面付近まで届くように旋回させることが可能となる。
【0057】
更に、前記門型フレーム7、前記着脱台移動用支持台14、前記着脱台移動装置、前記曳航体着脱装置10、前記曳航ケーブル用シーブ15、前記曳航ケーブル4、及び曳航ウインチ3を前記船体1の船尾部の左右舷に2組備えることにより、同時に2台の曳航体5を曳航することができるため、各曳航体5を各種の機能専用(例えば、音源体専用、受信体専用)の小型化のものとすることができる。
【0058】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は上記の各実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態を示す海中曳航体の着水・揚収装置の概略平面図である。
【図2】同海中曳航体の着水・揚収装置の概略側面図である。
【図3】同海中曳航体の着水・揚収装置の概略後面図である。
【図4】同海中曳航体の着水・揚収装置における繰出し装置及び引込み装置の詳細模式図である。
【図5】同海中曳航体の着水・揚収装置における曳航体吊下げ装置の詳細模式図である。
【図6】同海中曳航体の着水・揚収装置における2段式の門型フレーム旋回油圧シリンダの詳細模式図である。
【図7】同海中曳航体の着水・揚収装置の曳航体格納時の説明図である。
【図8】同海中曳航体の着水・揚収装置の曳航体吊下げ時の説明図である。
【図9】同海中曳航体の着水・揚収装置の門型フレーム旋回時の説明図である。
【図10】同海中曳航体の着水・揚収装置の曳航体着水時の説明図である。
【図11】同海中曳航体の着水・揚収装置の曳航時の説明図である。
【図12】同海中曳航体の着水・揚収装置における可動台の繰出し引込み装置の他の例を示す側面図である。
【図13】従来の海中曳航体の着水・揚収装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
1 船体
2 甲板
3 曳航ウインチ
4 曳航ケーブル
5 曳航体
6 船体付シーブ
7 門型フレーム
7a 門型フレーム基部
7b 門型フレーム先端部
7c 門型フレーム水平部
8 門型フレーム支持台
9 門型フレーム支持軸
10 曳航体着脱装置
11 着脱台回転軸
12 吊下げアーム
13 曳航体着脱台
14 着脱台移動用支持台
15 曳航ケーブル用シーブ
16a,16b,16c 回転軸
17 ユニバーサルジョイント
18 シーブ支持金物
19 クッション材
20 着脱台繰出し装置
21 繰出し用シリンダ
22 繰出し用ピストン
23 繰出し用動滑車
24 繰出し用固定滑車
25a,25b,25c ガイドローラ
26a,26b、26c 繰出し用ワイヤ
27 ワイヤ接続金物
30 着脱台引込み装置
31 引込み用シリンダ
32 引込み用ピストン
33 引込み用動滑車
34 引込み用固定滑車
35a,35b,35c,35d,35e ガイドローラ
36a,36b、36c 引込み用ワイヤ
37 ワイヤ接続金物
38 着脱台移動シリンダ
40 門型フレーム旋回装置
41 第1の油圧シリンダ
42 第2の油圧シリンダ
43 リンク
44、45、46 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体上に設けられた門型フレームと、
前記門型フレームの長手方向に移動可能に配置された曳航体着脱装置と、
前記曳航体着脱装置に回転自在に取付けられた曳航ケーブル用シーブと、
前記曳航ケーブル用シーブに掛け回された曳航ケーブルとを備え、
前記門型フレームを起立した状態で曳航体を前記曳航ケーブルにより吊り上げて前記曳航体着脱装置の下面に固定し、
前記曳航体着脱装置、前記曳航ケーブル用シーブ及び前記曳航体を前記門型フレームの先端側に移動し、
前記門型フレームを船尾側に旋回して前記曳航体を着水し、
前記曳航体着脱装置及び曳航ケーブル用シーブを前記門型フレームの基部側に移動して前記曳航体を曳航することを特徴とする海中曳航体の着水・曳航方法。
【請求項2】
前記門型フレーム、前記曳航体着脱装置、前記曳航ケーブル用シーブ及び前記曳航ケーブルを前記船体の船尾部の左右舷に2組備え、
2台の前記曳航体を同時に曳航することを特徴とする請求項1に記載の海中曳航体の着水・曳航方法。
【請求項3】
前記門型フレームを起立した状態で前記曳航体を前記曳航体着脱装置の曳航体着脱台の下面に固定し、
前記曳航体を固定した状態で前記門型フレームに取付けられた着脱台移動装置により、前記曳航体着脱装置、前記曳航体着脱台及び前記曳航ケーブル用シーブを前記門型フレームの先端側に移動し、
前記門型フレームを旋回して前記曳航体着脱台及び前記曳航体を海面下に移動し、
前記曳航体を前記曳航体着脱台から離脱させると共に、前記門型フレームを水平にし、前記着脱台移動装置により前記曳航体着脱装置を前記門型フレームの基部側に移動し、
その後、前記曳航ケーブル用シーブに掛け回された前記曳航ケーブルにより前記曳航体を曳航することを特徴とする請求項1又は2に記載の海中曳航体の着水・曳航方法。
【請求項4】
門型フレームと、
前記門型フレームの長手方向に移動可能に前記門型フレームに配置された着脱台移動用支持台と、
前記門型フレームに取付けられ前記着脱台移動用支持台を移動させる着脱台移動装置と、
前記着脱台移動用支持台に回転自在に取付けられた曳航体着脱装置と、
前記曳航体着脱装置に回転自在に取付けられた曳航ケーブル用シーブとを備えたことを特徴とする海中曳航体の着水・揚収装置。
【請求項5】
前記着脱台移動装置は、
前記門型フレームに固定された繰出し用シリンダと、
前記繰出し用シリンダの基部側に取付けられた繰出し用固定滑車と、
前記繰出し用シリンダの繰出し用ピストンの先端に取付けられた繰出し用動滑車と、
前記繰出し用固定滑車及び前記繰出し用動滑車に掛け回されると共に先端が前記着脱台移動用支持台に接続された繰出し用ワイヤと、
前記門型フレームに固定された引込み用シリンダと、
前記引込み用シリンダの基部側に取付けられた引込み用固定滑車と、
前記引込み用シリンダの引込み用ピストンの先端に取付けられた引込み用動滑車と、
前記引込み用固定滑車及び前記引込み用動滑車に掛け回されると共に先端が前記着脱台移動用支持台に接続された引込み用ワイヤとを有していることを特徴とする請求項4に記載の海中曳航体の着水・揚収装置。
【請求項6】
前記曳航体着脱装置は、
前記着脱台移動用支持台に回転自在に取付けられた着脱台回転軸と、
前記着脱台回転軸に取付けられた吊下げアームと、
前記吊下げアームの下端に取付けられた曳航体着脱台とを有していることを特徴とする請求項4又は5に記載の海中曳航体の着水・揚収装置。
【請求項7】
一端が前記船体に回転自在に取付けられた第1の油圧シリンダと、
一端が前記第1の油圧シリンダの他端に回転自在に取付けられると共に他端が前記門型フレームに回転自在に取付けられた第2の油圧シリンダと、
一端が前記第1の油圧シリンダの他端に回転自在に取付けられると共に他端が前記門型フレームに回転自在に取付けられたリンクと、
を有する門型フレーム旋回装置を備えたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の海中曳航体の着水・揚収装置。
【請求項8】
前記船体の船尾部に配置された請求項4乃至7のいずれかに記載の海中曳航体の着水・揚収装置と、
前記門型フレームの船首側に配置された曳航ウインチとを備えたことを特徴とする船舶。
【請求項9】
前記海中曳航体の着水・揚収装置及び前記曳航ウインチを前記船体の船尾部の左右舷に2組備えたことを特徴とする請求項8に記載の船舶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−112167(P2007−112167A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−302461(P2005−302461)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】