説明

液位検出装置

【課題】液体貯蔵容器(タンク)が振動しても安定して検出が行え、かつ、液体貯蔵容器の底面近傍まで高い分解能で液面の位置を検出できる液位検出装置を提供する。
【解決手段】タンク38内に垂直方向を軸として配置され、下部に液体の出入穴51dを、上部に空気穴51cを備えた筒状部材51と、筒状部材51の上端に配置され、筒状部材51内の液面FLまでの距離を非接触式で検出する超音波センサ(距離センサ)52と、を備え、超音波センサ52の出力を、タンク38内の液面FLの位置を示す信号として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体貯蔵容器内の液面の位置(液位)を検出する液位検出装置に関し、特に、車両に搭載される液体貯蔵容器に好適な液位検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体貯蔵容器内の液面の位置(液位)を検出する液位検出装置として、従来、フロート式の液位検出装置があった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
フロート式の液位検出装置は、電気抵抗体と、液面に追従して昇降可能に設けられたフロートと、前記電気抵抗体に向けて付勢された摺動子と、を備え、摺動子をフロートの変位に従って電気抵抗体に対して摺動させ、摺動子の位置に応じた電気抵抗体の電気抵抗を測定して、液面の位置を検出する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−78410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フロート式の液位検出装置によって、車両に搭載される液体貯蔵容器(各種タンク)内の液面の位置を検出させる場合、車両の振動によって液面が波立ち、この波立ちにフロートが反応して昇降するため、液面の位置(液体残量)を正確に検出することが難しいという問題があった。
【0006】
また、フロート式の液位検出装置では、フロートが円弧を描いて昇降するため、フロートの振れ中心とフロートとを結ぶ線と、液面とがなす角度が大きくなる液面位置が高い領域(残量が多い領域)及び低い領域(残量が少ない領域)では、液面位置の上下変化に対するフロートの振れ角変化が小さくなるため、液面位置の検出分解能が低下するという問題があった。
【0007】
更に、フロート式の液位検出装置では、フロートが液体貯蔵容器の底面に当接すると、正確な検出が行えなくなるため、液体貯蔵容器の底面付近の検出不能域が大きくなってしまうという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、液体貯蔵容器が振動しても安定して検出が行え、かつ、液体貯蔵容器の底面近傍まで高い分解能で液面の位置を検出できる液位検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明では、液体貯蔵容器内に垂直方向を軸として配置され、下部に液体の出入穴を、上部に空気穴を備えた筒状部材と、前記筒状部材の上端に配置され、前記筒状部材内の液面までの距離を非接触式で検出する距離センサと、を含んで液位検出装置を構成し、前記距離センサの出力を、前記液体貯蔵容器内の液面の位置を示す信号として出力する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、筒状部材に対する液体の出入りは、出入穴のみを介して行われるため、筒状部材の外側での液体の波立ちに比べて、筒状部材内での液体の波立ちを小さく抑制でき、波立ちによる検出精度の低下を小さくすることができる。
【0011】
また、筒状部材の上端に配置した距離センサで、筒状部材内の液面までの距離を検出するから、液面位置の違いによる分解能の低下が抑制され、かつ、液体貯蔵容器の底面付近まで高い分解能で液面の位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態において液位検出装置を適用する車両用エンジンのシステム構成図
【図2】本発明に係る液位検出装置の第1実施形態を示す斜視図
【図3】本発明に係る液位検出装置の第1実施形態を示す正面図
【図4】本発明に係る液位検出装置の第2実施形態を示す斜視図
【図5】本発明に係る液位検出装置の第2実施形態を示す正面図
【図6】本発明に係る液位検出装置の第3実施形態を示す斜視図
【図7】本発明に係る液位検出装置の第4実施形態を示す斜視図
【図8】本発明に係る液位検出装置の第4実施形態を示す部分断面図
【図9】本発明に係る液位検出装置の第5実施形態を示す斜視図
【図10】本発明に係る液位検出装置の第5実施形態を示す部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。
【0014】
図1は、本発明に係る液位検出装置を含む車両用エンジンのシステム構成図である。
【0015】
図1に示す車両用エンジンはディーゼルエンジン10であり、ディーゼルエンジン10の各気筒には、吸気マニフォールド12を介して吸気が分配供給される。
【0016】
吸気マニフォールド12の上流端には吸気管14を接続してあり、吸気管14には、上流側から下流側に向けて、エアクリーナ16,ターボチャージャ18のコンプレッサ18A,ターボチャージャ18により高温となった吸気を冷却するインタークーラ20,吸気コレクタ22を、この順で配設してある。
【0017】
一方、ディーゼルエンジン10の各気筒からの排気を集める排気マニフォールド24の下流端に、排気管26を接続してある。
【0018】
そして、排気管26には、上流側から下流側に向けて、ターボチャージャ18のタービン18B,連続再生式のディーゼルパティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter:DPF)装置28,尿素水溶液UR(還元剤前駆体)を排気管26中に噴射する噴射ノズル30,尿素水溶液URから生成されるアンモニアを使用して排気中の窒素酸化物NOxを還元浄化する選択還元触媒(Selective Catalytic Reduction:SCR)32,SCR触媒32を通過したアンモニアを酸化させる酸化触媒34を、この順で配設してある。
【0019】
連続再生式DPF装置28は、少なくとも排気中の一酸化窒素NOを酸化し二酸化窒素NO2に転換するディーゼル酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst:DOC)28Aと、排気中のパティキュレートマター(Particulate Matter:PM)を捕集除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter:DPF)28Bと、を含んで構成される。
【0020】
尚、DPF28Bの代わりに、表面に触媒(活性成分及び添加成分)を担持させた触媒付フィルタ(Catalyzed Soot Filter:CSF)を用いることができる。
【0021】
尿素水溶液URは還元剤タンク38(液体貯蔵容器)に貯蔵され、還元剤タンク38からポンプ及び流量制御弁を内蔵した還元剤添加ユニット40を経由して、噴射ノズル30に供給される。
【0022】
ここで、還元剤添加ユニット40としては、ポンプが内蔵されたポンプモジュールと、流量制御弁が内蔵されたドージングモジュールと、に2分割された構成であってもよい。
【0023】
連続再生式DPF装置28と噴射ノズル30との間の排気管26には、排気の温度(排気温度)を測定する温度センサ42を配置してある。
【0024】
温度センサ42の出力信号は、コンピュータを内蔵した還元剤添加コントロールユニット(Dosing Control Unit:DCU)44に入力される。
【0025】
また、DCU44は、車載ネットワークを介して、ディーゼルエンジン10を電子制御するエンジンコントロールユニット(Engine Control Unit:ECU)46に接続され、ECU46から、エンジ運転状態を示すエンジン回転速度及びエンジン負荷のデータを任意の時点で読み込むことができる。
【0026】
そして、DCU44は、内蔵するROM(Read Only Memory)などに予め記憶した制御プログラムを実行することで、排気温度,エンジン回転速度及びエンジン負荷などに応じて還元剤添加ユニット40を制御し、以って、噴射ノズル30から噴射される尿素水溶液URの量を制御する。
【0027】
ここで、エンジン負荷として、例えば、燃料噴射量,吸気流量,吸気圧力,過給圧力,アクセル操作量などのエンジン10の発生トルクと密接に関連する状態量を使用することができる。
【0028】
また、DCU44が制御に用いるエンジン回転速度及びエンジン負荷などのデータは、ECU46から読み込む構成に限らず、DCU44が公知のセンサからの信号を直接入力して演算する構成であってもよい。
【0029】
上記ディーゼルエンジン10において、排気は、排気マニフォールド24,ターボチャージャ18のタービン18Bを経て、連続再生式DPF装置28のDOC28Aに導入される。
【0030】
DOC28Aでは、排気中の一酸化窒素NOを酸化して二酸化窒素NO2に転換し、該酸化処理後の排気は、DPF28Bへと流れる。
【0031】
DPF28Bでは、排気中のパティキュレートマターPMを捕集すると共に、DOC28Aにより生成されたNO2を使用してパティキュレートマターPMを酸化(焼却)する。
【0032】
また、エンジン運転状態に応じて噴射ノズル30から噴射される尿素水溶液URは、排気熱及び排気中の水蒸気を使用して加水分解され、還元剤として機能するアンモニアへと転化する。
【0033】
そして、このアンモニアは、SCR触媒32において排気中のNOxと選択還元反応し、NOxを無害な水H2O及び窒素N2に転換する。
【0034】
このとき、DOC28Aによって排気中のNOがNO2へと酸化され、排気中のNOとNO2との比率が選択還元反応に適したものに改善されるため、SCR触媒32におけるNOx浄化率を向上させることができる。
【0035】
一方、SCR触媒32を通過したアンモニアは、その下流側に配設した酸化触媒34で酸化され、アンモニアが大気中に放出されることを抑制する。
【0036】
還元剤タンク38(液体貯蔵容器)には、本発明に係る液位検出装置50を設けてあり、液位検出装置50の検出信号はDCU44に出力され、DCU44では、液位検出装置50の検出信号に基づき、還元剤タンク38内の尿素水溶液UR(液体)の残量を検出し、車両の運転者に残量を知らせるためのインジケータランプ60の点灯を制御する。
【0037】
インジケータランプ60は、複数のランプ60aを備え、ランプの点灯数で残量レベルを複数段階に示す計器であるが、例えば、残量に応じて針を回転させるアナログ式の計器を用いたり、残量データを数値として表示する計器を用いたりすることができる。
【0038】
ここで、液位検出装置50の第1実施形態を、図2及び図3に基づいて説明する。
【0039】
液位検出装置50は、還元剤タンク38内の尿素水溶液URの液面FLの高さ(液体レベル)を検出することで、尿素水溶液URの残量を検出する装置であり、還元剤タンク38内に垂直方向を軸として配置される筒状部材51と、筒状部材51の上端部に配置される超音波センサ(距離センサ)52とを備える。
【0040】
筒状部材51は、内部空間の直径が50mm程度の円筒状の有底部材であり、上端側を還元剤タンク38の天井壁38aに貫通させて支持して還元剤タンク38内に吊り下げられ、その底壁51aが隙間Sを有して還元剤タンク38の底面38bに対向するように設けられる。
【0041】
筒状部材51の還元剤タンク38の外側に飛び出た先端部に、超音波センサ52を設け、該超音波センサ52によって筒状部材51の上端部が閉塞されるようにしてある。
【0042】
尚、前記筒状部材51及び超音波センサ52を含む液位検出装置50の全体を、還元剤タンク38に内設させ、超音波センサ52の出力信号を取り出すためのリード線を、還元剤タンク38の外側に引き出す構成とすることができる。また、前記筒状部材51を、還元剤タンク38の側壁の内側に固定してもよい。
【0043】
また、還元剤タンク38内に位置する筒状部材51の周壁51bであって、かつ、還元剤タンク38内に尿素水溶液URを規定の最大容量だけ貯えた状態(以下、満タン状態という)での液面FLmaxよりも上位となる位置に、直径5mm程度の空気穴51cを開口させてあり、尿素水溶液URの満タン状態であっても、前記空気穴51cを介し筒状部材51内の空間に対して空気が出入りできるようになっている。
【0044】
更に、筒状部材51の底壁51aに、尿素水溶液URを筒状部材51内の空間に対して出入りさせるための直径5mm程度の液体出入穴51dを開口させてある。
【0045】
この液体出入穴51dを介して尿素水溶液URが筒状部材51内の空間に対して出入りし、かつ、この尿素水溶液URの出入りによる筒状部材51内の空間における液面FLの上下に応じて空気が空気穴51cを介して出入りすることで、筒状部材51内の液面と、筒状部材51の外側での液面とが一致するようになっている。
【0046】
尚、筒状部材51に対し、空気穴51c及び/又は液体出入穴51dを、複数開口させてもよい。
【0047】
また、超音波センサ52は、送波器により超音波を対象物に向け発信し、その反射波を受波器で受信することによって、対象物までの距離を検出する、公知の非接触式距離センサであり、本実施形態では、オーミック電子株式会社のアンプ内蔵超音波センサOM7−1Sを用いた。
【0048】
尚、非接触式の距離センサとしては、超音波センサ52の他、レーザ距離センサを用いることができる。
【0049】
前記超音波センサ52は、筒状部材51内の空間における尿素水溶液URの液面FLまでの距離を計測するための狭指向性のセンサであって、検出できる最小距離よりも、満タン時の液面FLmaxまでの距離が長くなるように配置されている。
【0050】
ここで、超音波センサ52と還元剤タンク38との相対位置は固定であるから、超音波センサ52で検出した超音波センサ52から液面FLまでの距離に基づいて、還元剤タンク38の底から液面FLまでの高さH(液面の位置)を検出でき、この高さHから尿素水溶液URの残量を検出することができる。
【0051】
DCU44では、超音波センサ52の出力信号から、超音波センサ52から液面FLまでの距離を求め、該距離を尿素水溶液URの残量データに変換して、前記インジケータランプ60の点灯を制御する。
【0052】
液位検出装置50においては、還元剤タンク38を搭載した車両が悪路を走行するなどして、還元剤タンク38が振動し、還元剤タンク38内の尿素水溶液URが大きく揺れ動くようになっても、筒状部材51内に対する尿素水溶液URの出入りは、底壁51aに開口させた液体出入穴51dにおいてのみ行われるため、筒状部材51内の液面FLの急激な変動が抑えられる。
【0053】
従って、筒状部材51内での尿素水溶液URの波立ちを、外側に比べて小さくでき、悪路走行状態であっても安定的に液面位置の検出を行える
また、筒状部材51内の尿素水溶液URの液面FLの位置を、超音波センサ52による非接触式の距離計測で検出するので、液面位置による検出精度のばらつきが小さく、かつ、底面付近まで液面位置の検出を行える。
【0054】
図2及び図3に示した第1実施形態では、筒状部材51の底壁51aに液体出入穴51dを開口させたが、図4及び図5に示す第2実施形態のように、液体出入穴51dを、筒状部材51の下端に近い周壁51bに開口させることができる。
【0055】
上記構成の第2実施形態では、筒状部材51の底壁51aと、還元剤タンク38の底壁38bとの間に隙間Sを設ける必要はなく、逆に、隙間Sを小さくすることで、測定可能な液面の最低位置を低くすることができる。
【0056】
従って、第2実施形態では、筒状部材51の取り付け基準を、還元剤タンク38の底壁38bとし、筒状部材51の下端を底壁38bに固定する構成とすることができる。
【0057】
この第2実施形態においても、悪路走行状態で安定的に液面位置の検出を行え、液面位置による検出精度のばらつきが小さく、かつ、底面付近まで液面位置の検出を行えると共に、筒状部材51の取り付け基準を還元剤タンク38の底壁38bとすることで、還元剤タンク38の底から液面FLまでの高さHの検出精度をより高くできる。
【0058】
図6は、液位検出装置50の第3実施形態を示し、図2に示した第1実施形態に対して、筒状部材51の空気穴51cを、尿素水溶液URを透過させずに、空気を透過させるフィルタ部材51eで覆ったことが異なる。
【0059】
即ち、フィルタ部材51eは、空気穴51cを介した尿素水溶液UR(液体)の出入りを阻害する障害部材であり、前記フィルタ部材51eの材料として、例えば、WLゴア&アソシエイツ社製のゴアテックス(商品名)を用いることができる。
【0060】
フィルタ部材51eで空気穴51cを覆ってあれば、筒状部材51の外側で尿素水溶液URが波立ち、空気穴51cが開口する高さにまで尿素水溶液URが到達することがあっても、フィルタ部材51eによって筒状部材51内への尿素水溶液URの流入が遮断され、空気穴51cから尿素水溶液URが筒状部材51内に入り込むことがない。
【0061】
従って、空気穴51cの部分に尿素水溶液URが被るような波立ちが発生しても、空気穴51cから尿素水溶液URが筒状部材51内に入り込んで、筒状部材51内の液面を急激に上下させることがなく、安定して液面の位置を検出できる。
【0062】
尚、筒状部材51の底壁51aに近い周壁51bに、液体出入穴51dを開口させる第2実施形態において、空気穴51cをフィルタ部材51eで覆うようにしても良く、この場合も、第3実施形態と同様な作用・効果を奏する。
【0063】
また、フィルタ部材51eは、空気穴51cを介した尿素水溶液UR(液体)の出入りを阻害できればよく、例えば、目の細かい網状のものなどであってもよい。
【0064】
更に、空気穴51cを覆うルーバや、一端が空気穴51cに接続され、他端開口が還元剤タンク38の天井壁38aに近接して対向するダクトなどを、空気穴51cを介した尿素水溶液URの出入りを阻害する障害部材として設けても良いし、前記ダクトの開口端にフィルタ部材51eやルーバなどを設けてもよい。
【0065】
図7及び図8は、液位検出装置50の第4実施形態を示す。
【0066】
第4実施形態は、筒状部材51内に、尿素水溶液URの液面に浮いて液面の昇降に応じて上下動するフロート53を設けてある。
【0067】
図7及び図8に示すフロート53は、外形が筒状部材51の内径よりも小さい直径の円盤状に形成され、尿素水溶液URよりも比重の軽い材質で形成されるか、又は、内部に気体室を有することで、尿素水溶液URの液面FLに浮くように設定される。
【0068】
前記フロート53を筒状部材51内の液面に浮かせることで、フロート53が筒状部材51内の液面の波立ちを抑制し、車両が悪路を走行している状態であっても、安定的に液面位置の検出を行える。
【0069】
尚、フロート53の形状は、円盤状に限定されるものではなく、例えば、球状のものや、複数のフロートを、可撓性を有する材質の部材で相互に連結させたものであってもよい。
【0070】
図9及び図10は、液位検出装置50の第5実施形態を示し、この第5実施形態では、第4実施形態で設けた円盤状(平板状)のフロート53の上面、即ち、超音波センサ52に対向する面を、超音波の反射率が高い金属面とするために、フロート53を、浮力を発生する浮力発生部53aと、該浮力発生部53aの上面に積層させたアルミニウムなどから形成される金属部53bとの2層構造としてある。
【0071】
上記第5実施形態によると、フロート53によって筒状部材51内の液面の波立ちを抑制でき、更に、超音波センサ52から発信される超音波は、フロート53の金属部53bで反射させることで、反射波の強度が高くなり、距離検出の精度・安定性を高めることができる。
【0072】
また、筒状部材51の底壁51aに近い周壁51bに、液体出入穴51dを開口させる第2実施形態の構造において、第4及び第5実施形態に示したフロート53を設けることができ、この場合も、第4,第5実施形態と同様な作用・効果を奏する。
【0073】
上記実施形態では、液位検出装置50によって、還元剤タンク38に貯められる尿素水溶液URの液面FLを検出させたが、液位検出装置50によって液面位置の検出を行う液体は、尿素水溶液URに限定されず、例えば、エンジンの燃料を貯える燃料タンク(液体貯蔵容器)内の燃料(ガソリン、軽油、アルコールなど)の液面位置の検出に用いることができる。
【0074】
また、筒状部材51の断面形状を円形に限定するものではなく、楕円形や四角形などであってもよく、更に、空気穴51cや液体出入穴51dの開口形状も適宜変更でき、例えばスリット状に設けるなどしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
38 還元剤タンク(液体貯蔵容器)
50 液位検出装置
51 筒状部材
51c 空気穴
51d 液体出入穴
51e フィルタ部材(障害部材)
52 超音波センサ(距離センサ)
53 フロート
FL 液面
UR 尿素水溶液(液体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体貯蔵容器内に垂直方向を軸として配置され、下部に液体の出入穴を、上部に空気穴を備えた筒状部材と、
前記筒状部材の上端に配置され、前記筒状部材内の液面までの距離を非接触式で検出する距離センサと、を含み、
前記距離センサの出力を、前記液体貯蔵容器内の液面の位置を示す信号として出力することを特徴とする液位検出装置。
【請求項2】
前記空気穴に、前記液体の出入りを阻害する障害部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の液位検出装置。
【請求項3】
前記障害部材が、空気は透過し、前記液体は透過しない材料で形成されるフィルタ部材であることを特徴とする請求項2記載の液位検出装置。
【請求項4】
前記筒状部材内の液面に浮き、液面の位置の変化に応じて前記筒状部材内を上下に移動するフロートを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の液位検出装置。
【請求項5】
前記フロートが平板状に形成され、かつ、前記距離センサに対向する面が金属で形成されることを特徴とする請求項4記載の液位検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−123012(P2011−123012A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282916(P2009−282916)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000003908)UDトラックス株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】