説明

液体チューブポンプ詰め替えユニット付き泡ディスペンサー

【課題】使い捨ての液体のポンプと、より長持ちする空気ポンプとを用いる泡分与装置を得ることを目的とする。
【解決手段】泡ディスペンサー10は、ハウジング12と詰め替えユニット14とを包含する。詰め替えユニット14には発泡可能な液体を送るためのチューブポンプ36が備えられ、ハウジング12には空気を送る空気ポンプ26が備えられている。チューブポンプ36と空気ポンプ26とは、混合ユニット44において予混合チャンバ66に流体的に連通し、泡ディスペンサー10を作動して、チューブポンプ36と空気ポンプ26との両方を作動させると、泡製品を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡可能な液体と空気とを混合して泡製品を生成する泡ディスペンサーの技術に関する。より具体的には、液体チューブポンプが液体を収容している使い捨て詰め替えユニットの一部分として構成されている共に、空気ポンプがディスペンサーのハウジングの一部分として構成されているディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
石鹸、殺菌剤、洗浄剤、消毒剤等の液体を、液体保持しまた液体を吐出するためのポンプ機構を有する詰め替えユニットを有するディスペンサーハウジングから吐出することは、長年にわたり知られている。このようなディスペンサーに用いられているポンプ機構は、一般的に、アクチュエータの動きにより所定量の液体を単に放出させる液体ポンプである。近年、効率性及び経済性の理由により、液体に空気を噴射することにより生成される泡の形態で、液体を吐出することが望ましくなっている。したがって、標準型液体ポンプは泡生成ポンプに取って代わられ、そのため、望ましい泡を生成するように空気と液体とをするための手段が必要となっている。
【0003】
一般的に、泡ポンプは、空気ポンプ部分と液体ポンプ部分とを包含し、最終的に泡を生成するためにこれらの2つのポンプ部分を連通することを必要とする。空気を送る空気ポンプは、液体を送る液体ポンプとは違って、早く損耗しないで、早く品質低下を起こさないことが分かっている。加えて、空気ポンプ部分は主に空気と接触しており、それゆえ、泡ディスペンサーの液体ポンプ部分及び泡発生部分よりも清潔さを保ち、定期的に交換する必要性が低い状態にある。したがって、詰め替えユニットの交換が必要であるときに、空気ポンプの交換は、液体ポンプや泡発生部分の交換ほど必要ではないことがわかっている。それ故、使い捨ての液体のポンプと、より長持ちする空気ポンプとを用いる泡分与装置に関する技術が必要である。
【発明の概要】
【0004】
以上述べたことに鑑み、本発明はハウジングと詰め替えユニットとを包含するディスペンサーを提供する。前記ハウジングは空気ベローズを包含し、この空気ベローズは、拡大した容積と縮小した容積とを有し、ディスペンサーが作動されていないときにはその拡大した容積を保持する。前記ハウジングは、さらに、容器支持体と、ポンプアンビルと、プッシュバーとを包含する。前記プッシュバーは、押板部分と空気ベローズアクチュエータとを備えおり、前記ポンプアンビルに向かい、そして離れる往復移動をすることができる。前記詰め替えユニットは、発泡可能な液体を保持する容器と、この容器中の発泡可能な液体と流体的に連通しているチューブポンプとを包含する。前記チューブポンプは押し出しチューブを包含し、この押し出しチューブへ入りそして出る発泡可能な液体の流量は、チューブポンプ入口弁とチューブポンプ出口弁とにより調節される。前記容器は、前記チューブポンプ入口弁を通して前記押し出しチューブと流体的に連通している。前記詰め替えユニットはさらに混合ユニットを包含し、前記チューブポンプ出口弁を通して前記押し出しチューブは前記混合ユニットと連通する。前記混合ユニットは、空気ベローズ弁を通して空気ベローズと流体的に連通している空気ベローズの空気出口に固定されている空気ベローズアダプターを包含する。ディスペンサーは、前記プッシュバーを前記ポンプアンビルに向かって動かすことにより作動させられ、この動きが前記押板部分と前記ポンプアンビルとの間で前記押し出しチューブを絞り、その中の発泡可能な液体が前記チューブポンプ出口弁を通過して前記混合ユニットに強制的に入れられ、この動きはまた前記空気ベローズアクチュエータが前記空気ベローズをその縮小した容積に動かし、その中の空気が前記空気ベローズ出口弁を通過して前記混合ユニットに強制的に入るようにする。
【0005】
上述したディスペンサーの種々の要素はハウジングあるいは詰め替えユニットのいずれかの一部分として特定の要素を包含するが、本発明はこのような構成にあるいはこのような構成によって限定されるものではなく、種々のディスペンサー要素がここに教示したように相互作用して機能する限り、種々のディスペンサー要素を他の方法により提供することができることを理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明のディスペンサーの実施例の断面図である。
【図2】混合カートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1において、本発明のディスペンサーは符号10によって示されている。ディスペンサー10は詰め替えユニット14を受け入れて保持するように適合されたハウジング12を包含する。ハウジングは他の形式であっても良いが、本実施例におけるハウジング12は後板18に固定されたカバー16を含む普通の形である。容器支持体20は、ここでは水平突出枠22の形態で後板18の一部分として形成されている。ポンプアンビル24が水平突出枠22の下に備えられ、そして空気ベローズ26はポンプアンビル24の下の後板18から外向きに延長される。カバー16はプッシュバー27を包含し、このプッシュバー27は、カバー16が後板18の上に閉じられているとき、ポンプアンビル24と空気ベローズ26との両方に対して整合するように調整される。より具体的には、プッシュバー27は、ポンプアンビル24と整合される押板部分28と、空気ベローズ26に向かって延びて、この空気ベローズに接続する空気ベローズアクチュエータ30とを備える。
【0008】
詰め替えユニット14は発泡可能な液体Sを保持している容器32を包含する。この容器は、従来公知であるコラプシブル容器である。容器32はハウジング1内の容器支持体20上に据えられる。分与チューブ34が容器16から下方に延ばされて、容器16からチューブポンプ36に発泡可能な液体Sを供給する。チューブポンプ36は、ポンプアンビル24とプッシュバー27の押板部分28との間に配置した押し出しチューブ38を包含し、望ましくはプッシュバー27にしっかり固定され、それとともに動くようにされる。チューブポンプ入口弁40が押し出しチューブ38の中への発泡可能な液体Sの流量を調節し、チューブポンプ出口弁42が押し出しチューブ38から出て、混合ユニット44の中へ入る発泡可能な液体Sの流量を調整する。これらの弁は普通のバネ付勢されたボール弁として示されているが、他のバルブを空気源と共に用いてもよい。混合ユニット44は、延びて空気ベローズ26と結合する空気ベローズアダプター46を包含する。
【0009】
空気ベローズ26は、基部50において後板18に対して密封されて排気口52で開いているベローズ本体48を包含する。このベローズ本体48は、峰54と谷56におけるごとく波状で縮小した容積と拡大した容積との間を逆戻り可能なように折りたためて広がる作用をベローズ本体48に与える材料から作られている。
【0010】
混合ユニット44の空気ベローズアダプター46は空気ベローズ26の排気口52の周りで密封され、空気ベローズ26は混合ユニット44の一部分として構成される空気ベローズ弁59(再びボール弁として示されているが、これに限るものではない)を通して混合ユニット44に流体的に連通する。空気ベローズアクチュエータ30は空気ベローズ26に向かって延び、開口部31でチューブポンプ36を迂回する。矢印Aの方向に動かされるとき、空気ベローズアクチュエータ30が最初の峰54に圧力を加えるように、ベローズ本体48の取付け隆起部60が空気ベローズアクチュエータ30で開口部62を通して供給される。
【0011】
詰め替えユニット14がハウジング12とカバー16とに適切に取り付けられているときに、ディスペンサー10は矢印Aの方向へプッシュバー27を動かすことにより泡製品を分与するように作動させられる。矢印Aの方向へプッシュバー27を動かすことによって、押し出しチューブ38はプッシュバー27の押板部分28とポンプアンビル24との間で絞られる。これにより、押し出しチューブ38中の発泡可能な液体が、チューブポンプ出口弁42を通して、混合ユニット44の中へと押し出される。プッシュバー27のこの動作が、空気ベローズアクチュエータ30が同様にベローズ本体48の最初の峰54に対して圧迫し、これにより、縮小した容積に空気ベローズ26を圧縮して、その中の空気を、空気ベローズ46の排気口52を通して、また空気ベローズ弁59を通して、混合ユニット44の予混合流路66の中に押し出す。このように、発泡可能な液体Sと空気とは粗な混合物を形成するために予混合チャンバ66で混合される。作動の間に、この粗い混合物はメッシュスクリーン68を通って均質化させられ、そして出口70において分与される高品質の泡製品を作る。図2で理解することができるごとく、メッシュスクリーン68は混合カートリッジ72と取り換えることができ、この混合カートリッジ72は、メッシュスクリーン76と78とにより両端の境界をなしている中空管74を包含する。
【0012】
以上述べたことから、本発明が空気のポンプ装置、すなわち、空気ベローズとは別であって異なっている液体チューブポンプ詰め替えユニットを有する泡ディスペンサーを提供することにより、技術を改善することは明白である。本発明を開示する目的で本発明の特定の実施例に注目しているが、本発明はここに教示する一般概念を逸脱しない範囲で、様々な方法で変形することができることが理解されるべきである。したがって、本発明は以上述べた特定の実施例に限定され、又はこの実施例によって限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載が本発明を限定するものである。
【符号の説明】
【0013】
10 ディスペンサー
12 ハウジング
14 詰め替えユニット
16 カバー
18 後板
20 容器支持体
22 水平突出枠
24 ポンプアンビル
26 空気ベローズ
27 プッシュバー
28 押板部分
30 空気ベローズアクチュエータ
31 開口部
32 容器
34 分与チューブ
36 チューブポンプ
38 押し出しチューブ
40 チューブポンプ入口弁
42 チューブポンプ出口弁
44 混合ユニット
46 空気ベローズアダプター
48 ベローズ本体
50 基部
52 排気口
54 峰
56 谷
59 空気ベローズ弁
60 取り付け隆起部
62 開口部
66 予混合流路
68 メッシュスクリーン
70 出口
72 混合カートリッジ
74 中空管
76 メッシュスクリーン
78 メッシュスクリーン
S 液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンサーにおいて、
拡大した容積と縮小した容積とを有し、ディスペンサーが作動されていないときには前記拡大した容積を保持する空気ベローズであって、空気出口を形成する空気ベローズと、
容器支持体と、
ポンプアンビルと、
押板部分と空気ベローズアクチュエータとを有するプッシュバーであって、前記ポンプアンビルに向かい、そして離れる往復運動ができるプッシュバーと、
前記ハウジングの前記容器支持体の上に設置されている、発泡可能な液体を保持する容器と、
前記空気ベローズの前記空気出口に固定され、前記空気ベローズと流体的に連通する空気ベローズアダプターを有し、空気ベローズ弁を形成する混合ユニットと、
チューブポンプと、
を包含し、前記チューブポンプが、
前記ポンプアンビルと前記プッシュバーの前記押板部分との間に配置されている押し出しチューブと、
チューブポンプ入口弁であって、このチューブポンプ入口弁を通して前記容器が前記押し出しチューブと流体的に連通しているチューブポンプ入口弁と、
チューブポンプ出口弁であって、このチューブポンプ出口弁を通して前記押し出しチューブが前記混合ユニットと流体的に連通しているチューブポンプ出口弁と、
を包含し、
前記プッシュバーを前記ポンプアンビルに向かって動かすことによりディスペンサーが作動させられ、この動きが前記押板部分と前記ポンプアンビルとの間で前記押し出しチューブを絞り、その中の発泡可能な液体を前記チューブポンプ出口弁を通して前記混合ユニットに押し出し、この動きはまた前記空気ベローズアクチュエータが前記空気ベローズをその縮小した容積へと動かして、その中の空気が前記空気ベローズ出口弁を通して前記混合ユニットに押し出されるようにしたことを特徴とするディスペンサー。
【請求項2】
請求項1記載のディスペンサーにおいて、前記空気ベローズ、前記容器支持体、前記ポンプアンビル及び前記プッシュバーが前記ハウジングの一部分として設けられていると共に、前記容器、前記混合ユニット及び前記チューブポンプが前記ハウジングとは別個であって異なる前記詰め替えユニットの一部分として設けられていることを特徴とするディスペンサー。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−168030(P2009−168030A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8908(P2009−8908)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(506190555)ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド (44)
【Fターム(参考)】