説明

液体充填送達システム、好ましくはグリセロールを充填したHPMCカプセル

本発明は、(a)少なくとも1種の多糖または多糖誘導体を含む被膜形成組成物から得られる成形体である容器、(b)極性でもあり吸湿性でもある少なくとも1種の溶媒または各々が極性でもあり吸湿性でもある溶媒の混合物のマトリックス組成物を含む液体充填物、ならびに(c)活性剤または活性剤の混合物(活性剤は、前記極性であり、吸湿性である溶媒または極性であり、吸湿性である溶媒の混合物に可溶である)を含む送達システムおよび前記送達システムを調製するための方法を提供する。送達システムは、グリセロールおよびL−カルニチンなどの活性剤を含むマトリックス組成物を充填したHPMCカプセルであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも、被膜形成組成物から得られる成形体である容器、極性でもあり吸湿性でもある少なくとも1種の溶媒またはそのような溶媒のうちの2種以上の混合物のマトリックス組成物を含む液体充填物、およびマトリックス組成物に可溶な活性剤またはその混合物を含む送達システムに関する。併せ考えられるマトリックス組成物および活性剤は、澄明で、かつ/または透明で、かつ/または液体形態であることが好ましい。容器は、カプセルであることが好ましい。また、本発明は、少なくとも、被膜形成組成物から得られる成形体である容器、少なくとも1種の極性であり、吸湿性である溶媒またはその混合物のマトリックス組成物を含む液体充填物、およびマトリックス組成物に可溶な活性剤またはその混合物を含む送達システムを調製するための方法に関する。さらに、本発明は、1種または複数の活性剤を送達するための容器の使用に関する。活性剤は、薬草、食品、医薬品、化粧品、または香味剤であってよい。
【背景技術】
【0002】
米国特許第4,727,109号は、水および胃液への溶解度が低い活性物質を有する医薬品調製物に関する。活性物質は、植物油などの疎水性成分、ポリエチレングリコールなどの親水性成分およびクエン酸トリエチルなどの可溶化剤からなる担体システムに溶解させる。医薬品調製物は、硬質ゼラチンカプセルに入れる。
【0003】
EP0127297は、ビタミンまたはミネラルおよび少なくともポリオキシエチレンソルビタンエステルを含むビタミンまたはミネラル組成物に関する。場合により、組成物は、無毒性アルコールまたは植物油および誘導体などの他の希釈剤を含有することがある。組成物は、硬質シェルカプセルまたは軟質弾性カプセルなどの固体単位剤形に入れる。カプセルは、ゼラチン製であることが好ましい。
【0004】
米国特許第6,056,971号は、例えば、補酵素Q10(ユビキノン)であってよい栄養補助食品の溶解および生物学的利用能特性を増強するための方法に関する。補酵素Q10は、単位剤形ゼラチンカプセルに入れる。
【0005】
カプセルは、医薬品産業において、ならびに健康食品補助食品市場において広く使用される。その主な用法は、固体、半固体、液体、ペレットまたは薬草調製物のための剤形としてである。これらの剤形の主目的は、適切な消化器における活性物質の速やかな溶解を可能にするため、投与された後に良好な崩壊性を有することである。したがって、崩壊の遅延は、薬物の効果を遅らせるか、または低下させることさえあるであろう。したがって、この崩壊特性は、完成品が使用に先立って貯蔵される場合、長期にわたり変化しないままでなければならない。
【0006】
カプセルシェルを作るための伝統的な材料がゼラチンであるのは、ゼラチンが、正しく極めて理想的な特性を有するためである。従来の硬質カプセルは、ディップ成形法によりゼラチンで作られる。医薬品カプセルの工業的製造の場合、ゼラチンは、そのゲル化、被膜形成および界面活性特性のために最も好ましい。伝統的に、ゼラチンは、特にブタ皮膚およびウシ骨などの、コラーゲンを含有する哺乳動物の組織からの抽出により製造される。
【0007】
しかしながら、ゼラチンは、利用可能な他のカプセルシェル材料を有することを必要とさせるいくつかの不利益を有する。主な好ましくない側面は、ゼラチンの動物起源である。他の不利益は、比較的高い含水量(10〜17%)の不便さおよび含水量の低下に伴う弾性の喪失である。さらに、ゼラチンカプセルは、製品の使用性に影響を及ぼす熱および湿度に対して敏感である。特に、軟質ゼラチンカプセルは、高温湿潤条件下で凝集することが知られている。乾燥条件下で、ゼラチン被膜は、静電気蓄積を引き起こし、その後の加工に影響を及ぼすことがある。
【0008】
ゼラチンカプセルが、それらの含水量の一部を失う場合、脆くなることは長い間認識されてきた。水は、ゼラチン被膜中で可塑剤として働き、そのレベルが約10%未満に下がる場合、ゼラチンは、極めて脆くなる。一方、含水量が増加する場合、カプセルシェルは、弱体化することがあり、最終的に、漏出が起きるであろう。
【0009】
薬物を軟質ゼラチンカプセルに製剤化することは、この剤形の多くの利点のため、過去10年間を通して人気を得てきた。疎水性薬物の生物学的利用能は、軟質ゼラチンカプセルに製剤化される場合、著しく高められることがある。圧縮不足および含量または重量均一性の欠如を含む錠剤化に伴う多くの問題は、薬物がこの剤形中に組み入れられる場合、排除することができる。
【0010】
一般的に、軟質ゼラチンカプセルは、油または親水性液体に溶解または分散させた医薬品(すなわち、充填液(fill liquid))を含む。軟質ゼラチンカプセルの固有の柔軟性は、カプセルシェル中の可塑剤および残留水分の存在に起因する。軟質ゼラチンカプセルの不利益は、大気中の水分が、カプセルシェルまたは充填物に浸透することがあることである。軟質ゼラチンカプセル中の揮発性成分は、大気中に逃げることがある。これらの液体混合物は、特に胃腸管において生物学的利用能の低下を示す分散剤であることが極めて多い。これらの問題を克服するため、ゼラチンカプセル中でより複雑な溶媒系を使用することが示唆されてきた。
【0011】
他の不利益は、カプセルシェル/内容物相互作用または許容できない味および匂いに関連する問題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、消費者の食事の志向(例えば、菜食主義者)および宗教的志向に合わせて容器を提供し、同時に、その高い可溶化能力の中でも、非動物性容器および低溶性物質とも適合する適切な溶媒を提供することにより低溶性物質の生物学的利用能を高めることが必要である。
【0013】
したがって、本発明の目的は、従来技術としての組成物の上述の欠点を克服する、容器および液体充填物を含む改善された送達システムの提供である。
【0014】
この目的は、独立請求項に記載の送達システム、それを調製するための方法、および用途に従って解決される。
【0015】
本発明の他の有利な特徴、態様および詳細は、従属請求項、および説明から明らかである。請求項は、一般的用語で本発明を定義するための最初の非限定的アプローチとして理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、
(a)少なくとも1種の多糖または多糖誘導体を含む被膜形成組成物から得られる成形体である容器、
(b)極性でもあり吸湿性でもある少なくとも1種の溶媒または各々が極性でもあり吸湿性でもある溶媒の混合物からなるマトリックス組成物を含む液体充填物、ならびに
(c)活性剤または活性剤の混合物(活性剤は、前記極性であり、吸湿性である溶媒または極性であり、吸湿性である溶媒の混合物に可溶である)を含む送達システムを提供する。
【0017】
液体充填物と一緒に容器を提供することができる送達システムを提供することは、本発明の一目的であり、活性成分は、1種または複数の極性であり、吸湿性である溶媒に可溶化されている。
【0018】
本発明の他の目的は、簡単な溶媒系、好ましくは1種または2種の異なる極性であり、吸湿性である溶媒のみを使用する送達システムを提供することである。
【0019】
本発明による液体充填容器は、活性剤の生物学的利用能を改善することにより容器に入っている活性剤の性能を改善する。
【0020】
本発明の送達システムは、低用量化合物の改善された溶解特性および改善された含量均一性を提供する。さらに、容器は、軟質ゼラチンカプセルと比較して、低い酸素透過性を示す。
【0021】
本送達システムの容器は、カプセル、ケーシング、バッグ、ボール、ボックス、カン、キャニスター、パッケージ、パケット、レセプタクル、サック(sac)、サック(sack)、ベセル、およびバイアルであってよい。容器は、硬質または軟質カプセルであることが好ましい。容器は、硬質カプセルであることがより好ましい。
【0022】
本発明による送達システムは、従来の装置を用いることにより容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
活性剤の生物学的利用能は、活性剤と賦形剤、溶媒、担体または容器壁との適合性によって影響を受けることがある。
【0024】
本発明は、活性剤との適合性が高いマトリックス組成物および容器を含む液体充填物を提供する。容器は、約3%〜16%、好ましくは4%〜6%の含水量を有するが、驚いたことに、本発明の吸湿性マトリックス組成物は、水分シンクとして働かないこと、および水分は、容器壁から液体充填物中に、または液体充填物から容器壁中に移動しないことが判明した。さらに、驚いたことに、極性であり、吸湿性である溶媒またはその混合物は、容器壁中に移動せず、容器壁と相互作用しないことが判明した。
【0025】
容器は、少なくとも1種の多糖または多糖誘導体を含む被膜形成組成物から得られる成形体である。多糖またはその誘導体は、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、加工デンプン、プルラン、デキストランまたは同種のものおよび上記のうちのいずれかの混合物であってよい。
【0026】
適当なセルロース誘導体は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセチルフタレート(CAP)、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび上記のうちのいずれかの混合物からなる群から選択されるメンバーを含むがそれらに限定されない、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキル−アルキルセルロースからなる群から選択される。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が特に好ましい。
【0027】
追加のセルロース誘導体には、セルロースエーテルが含まれる。適当なセルロースエーテルは、アルキル鎖に1〜4個の炭素原子を含むアルキル−および/またはヒドロキシアルキル置換セルロースエーテルからなる群から選択され、メチルセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロースエーテル、ヒドロキシエチルメチルセルロースエーテル、ヒドロキシエチルエチルセルロースエーテル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテルまたは同種のもの、および上記のうちのいずれかの混合物からなる群から選択されることが好ましい。ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテルが特に好ましい。
【0028】
デンプンの他に、デンプンエーテルおよび酸化デンプン、カルボキシメチルデンプン、ヒドロキシアルキル化デンプン、およびコハク酸デンプンなどの加工デンプンを使用することができ、より詳細には、ヒドロキシプロピル化デンプン(HPS)もしくはヒドロキシエチル化デンプン(HES)またはそれらの混合物を、本発明による容器を得るための被膜形成組成物中の被膜形成材料として使用することができる。米国特許第6,635,275B1号に開示されている加工デンプンは、本発明に適している。最も好ましい加工デンプンは、HPSである。
【0029】
ある特定の実施形態において、容器は、最終容器の約90重量%〜99重量%の少なくとも1種の多糖もしくは多糖誘導体またはそれらの混合物を含む被膜形成組成物から得られる成形体である。多糖、多糖誘導体またはその混合物の粘度は、20℃にて2%水溶液において3〜15cps、好ましくは5〜10cps、より好ましくは6cpsである。
【0030】
ある特定の実施形態において、容器は、水溶液の約5%〜約40%の少なくとも1種の多糖もしくは多糖誘導体またはそれらの混合物を含む被膜形成組成物から得られる成形体である。最も好ましい容器は、水溶液の約17%から得られる成形体である。
【0031】
本発明による好ましい実施形態において、容器は、硬質HPMCカプセルである。カプセルは、ツーピース硬質カプセルであってよく、浸漬法により製造するか、または射出成形法により製造することができる。カプセルは、単一コンパートメント剤形ならびに多コンパートメント剤形であってよい。そのようなツーピースカプセルを製造するのに適している方法には、当技術分野において見出される方法が含まれる。例えば、ツーピースカプセルは、Fridrun PodczeckおよびBrian E Jones他による「Pharmaceutical Capsules」第2版、80〜84ページに記載されている浸漬法により製造することができる。
【0032】
本発明による他の好ましい実施形態において、容器は、軟質カプセルであり、当技術分野において見出される任意の方法により製造することができる。例えば、軟質カプセルは、1993年にSchererにより特許を取得され、Swarbrick J.による「Encyclopedia of pharmaceutical technology」、第2版、第1巻、320〜323ページに記載されている回転式ダイプロセスを用いて得ることができる。
【0033】
本発明の容器を得るための被膜形成組成物は、知られているゲル化剤から選択される適当なゲル化剤を場合により含むことができるが、ただし、そのようなゲル化剤は、カプセルのゲル化能力を改善し、マトリックス組成物および/または1種または複数の活性剤を含む液体充填物と相互作用しないこととする。適当なゲル化剤の例には、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、寒天、カラギーナン、カロブガム、およびゲランガムが含まれる。最も好ましいゲル化剤は、ゲランガムである。
【0034】
カプセルは、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、メタクリル酸ゼラチン、ヒプロメロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシアルキルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートおよびそれらの混合物からなる群から選択されるメンバーなどの適当なコーティング剤で場合によりコーティングし、例えば、腸溶特性を提供することができる。
【0035】
本発明の他の実施形態において、バンディングまたは液体シーリング技術などの当技術分野において知られている手段を用い、カプセルをさらにシールすることができる。適当なシーリング技法の例は、WO01/08631、米国特許第2,962,851号、およびFridrun PodczeckおよびBrian E Jones他による「Pharmaceutical capsules」第2版、182〜184ページに記載されている技法である。カプセルは、例えば、WO01/08631に記載されているように、水性アルコール溶液を用いてシールされることがより好ましい。
【0036】
本発明による液体充填物は、各々が極性でもあり吸湿性でもある少なくとも1種または複数の溶媒のマトリックス組成物を含む。
【0037】
マトリックス組成物は、液体充填物組成物を基準にして20重量%〜80重量%の量で、極性でもあり吸湿性でもある少なくとも1種の溶媒を含むことが好ましく、マトリックス組成物は、液体充填物組成物を基準にして40重量%〜60重量%の少なくとも1種の溶媒を含有することがより好ましい。
【0038】
液体充填物は、溶液であって、分散液ではないことが最も好ましい。用語液体は、室温(20℃)における物理的状態を指す。
【0039】
溶媒および溶質は、極性(親水性)および非極性(親油性または疎水性)に広く分類することができる。極性は、化合物の誘電定数または双極子モーメントとして測定することができる。極性溶媒はさらに、極性プロトン性および極性非プロトン性溶媒に細分することができる。極性プロトン性溶媒は、ヒドロキシ(−OH)またはアミノ(−NH)基におけるような酸性水素原子を含有する。水(H−O−H)、エタノール(CH−CH−OH)、または酢酸(CH−C(=O)OH)は、代表的な極性プロトン性溶媒である。水がその一例である極性溶媒は、その電荷が不均等に配分されている分子を有し、各分子の一方の端を他方に比べてよりプラスにしている。極性溶媒の最も簡単な定性的定義は、ある極性溶媒が、双極性の、または荷電した溶質を溶解し安定化することである。ある溶媒の極性は、その溶媒がどのタイプの化合物を溶解することができるか、および、その溶媒が、他の溶媒または液体化合物と混和可能であるかを決定する。
【0040】
本発明による吸湿性は、空気から水分を容易に吸収する特性を有する物質を記述する。
【0041】
本発明の好ましい実施形態において、液体充填物において使用される1種または複数の極性であり、吸湿性である溶媒は、20℃にて少なくとも6.0の誘電定数を有する。
【0042】
一実施形態において、本発明のマトリックス組成物は、特に2個からの炭素原子を有する多価アルコールまたは多価アルコール誘導体である。多価アルコールまたは多価アルコール誘導体は、2〜10個の炭素および2〜10個のヒドロキシル基、好ましくは2〜6個のヒドロキシル基を有することが好ましい。多価アルコール誘導体は、例えば、エーテル、エステルである。
【0043】
好ましい実施形態において、マトリックス組成物の溶媒は、エチレングリコール、プロピレングリコール(PG)、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マルチトール、ラクチトール、プロピリン(propylin)グリコールおよび上記のうちのいずれかの混合物からなる群から選択される。より好ましい実施形態において、溶媒は、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マルチトール、ラクチトール、プロピレングリコール(PG)、ポリエチレングリコール(PEG)および上記のうちのいずれかの混合物からなる群から選択される。
【0044】
溶媒は、グリセロールまたはグリセロールと水の混合物であることが好ましい。溶媒は、グリセロールであることが最も好ましい。グリセロールは、無色、無臭、吸湿性および甘い味のする粘稠な液体である。グリセロールは、3つの親水性アルコール性ヒドロキシル基(−OH)を有する。
【0045】
本発明による液体充填物は、活性剤または活性剤の混合物をさらに含み、活性剤は、1種または複数の前記極性であり、吸湿性である溶媒に可溶である。本発明の一実施形態において、活性剤は、栄養補助食品(例えば、L−カルニチン、L−カルニチンアセチル、L−カルニチン酒石酸塩、L−カルニチン塩酸塩、S−アデノシルメチオニン(SAM−e)、S−アデノシルメチオニントシレート、ニンニク、および人参など)、医薬品(例えば、鎮痛薬、抗炎症剤、抗不整脈剤、抗喘息剤など)、アミノ酸(例えば、L−オルニチン、L−アルギニン、L−リシン、L−ヒスチジン、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、L−セリン、L−グルタミン酸、L−プロリンなど)およびビタミン(例えば、ビタミンA、B1、B2、B3、B5、B6、B9、B12、C、D2、D3、Eなど)からなる群から選択される。
【0046】
本発明の好ましい実施形態において、栄養補助食品は、カルシウム補助食品、ミネラル補助食品(例えば、Mg、Zn、Mn、Su、Se、Fe、Moを含む)、ニンニク、人参、ギンコビローバ、エキナセアパープレア(Echinacea purpurea)、エキナセアアングスティフォリア(Echinacea angustifolia)、セントジョーンズワート、ロイヤルゼリー、補酵素Q10、アーティチョーク、アロエベラ、レッドクローバー、カルニチン、L−カルニチン、L−カルニチンアセチル、L−カルニチン酒石酸塩、L−カルニチン塩酸塩、S−アデノシルメチオニン(SAM−e)、S−アデノシルメチオニントシレート、グリコサミンまたはその塩、およびコンドロイチンからなる群から選択される。栄養補助食品は、L−カルニチン、L−カルニチンアセチル、L−カルニチン酒石酸塩、L−カルニチン塩酸塩、およびS−アデノシルメチオニン(SAM−e)ならびに上記のうちのいずれかの混合物から選択されることが好ましい。栄養補助食品は、L−カルニチンまたはカルニチンの誘導体およびS−アデノシルメチオニン(SAM−e)であることがより好ましい。
【0047】
L−カルニチン(L−3−ヒドロキシ−4−アミノブチロベタインまたはL−3−ヒドロキシ−4−N−トリメチルアミノブタン酸)は、脂肪酸の代謝にとって不可欠な化合物であることに留意されたい。カルニチンは、動物細胞中で新たに合成することができるが、大部分は、食事に由来すると考えられている。その主な機能は、脂肪酸がエネルギー生産のために酸化されるミトコンドリア中で脂肪酸の輸送および代謝を支援することである。L−カルニチンの液体製剤を充填した送達システムは、栄養補助食品送達システムとして使用することができる。適合性のある容器は、減量への主要なプレイヤーであるL−カルニチンの生物学的利用能および有効性の改善を可能にする。
【0048】
本発明の他の好ましい実施形態において、栄養補助食品は、アーティチョーク、ギンコビローバ、およびキノコからなる群から選択することができる薬草抽出物から選択することができる。
【0049】
本発明の好ましい実施形態において、ビタミンは、ビタミンA、B1、B2、B3、B5、B6、B9、B12、C、D2、D3、Eおよび上記のうちのいずれかの混合物からなる群から選択される。
【0050】
本発明の好ましい実施形態において、活性物質は、医薬品、特に、鎮痛薬、抗炎症剤、抗寄生虫薬(antihelminthics)とも呼ばれる駆虫薬(anthelmintics)、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗凝血薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗てんかん薬、抗真菌剤、抗痛風剤、抗高血圧剤、抗マラリア薬、抗片頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗新生物剤、免疫抑制薬、抗原虫剤、抗チロキシン薬、鎮咳薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、神経遮断薬、βブロッカー、心臓変力剤、コルチコステロイド、利尿薬、抗パーキンソン病剤、胃腸剤、ヒスタミンH受容体拮抗薬、脂質調節剤、筋弛緩薬、抗狭心症剤、栄養剤、性ホルモン、刺激薬、サイトカイン、ペプチド模倣薬、ペプチド、タンパク質、血清、抗体、ワクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、遺伝材料、核酸、および上記のうちのいずれかの混合物からなる群から選択されるメンバーであってよい。
【0051】
本発明の好ましい実施形態において、アミノ酸は、L−オルニチン、L−アルギニン、L−リシン、L−ヒスチジン、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、L−セリン、L−グルタミン酸、L−プロリン、L−トリプトファン、L−アラニン、L−シスチン、L−グリシン、L−バリン、L−メチオニン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−システイン、L−ノルロイシン、L−グルタミン、L−アスパラギン、グルタチオンおよび上記のうちのいずれかの混合物からなる群から選択される。アミノ酸は、L−グリシンであることが好ましい。
【0052】
本発明のより好ましい実施形態は、硬質HPMCカプセルおよびL−カルニチンのような栄養補助食品を含む液体充填物、および溶媒としてのグリセロールを含む送達システムである。別のまたも好ましい実施形態において、液体充填物は、0%〜20%の範囲などの量で水をさらに含む。これら2つの後者の実施形態は、その他の成分を含まないことが最も好ましい。
【0053】
本発明の送達システムは、少なくとも、容器、マトリックス組成物および活性剤を含む。マトリックス組成物および活性剤は、容器が硬質HPMCカプセルである場合、下述の量で容器中に存在することができ、マトリックス組成物は、グリセロールであり、活性剤は、S−アデノシルメチオニン(SAM−e)、L−カルニチンL−酒石酸塩(LCLT)L−カルニチンまたは上記のうちのいずれかの混合物である。
【0054】
送達システムは、経口送達システムであることが好ましい。
【0055】
具体的実施形態の例
硬質HPMCカプセルに封入されたS−アデノシルメチオニン(SAM−e)およびグリセロールの液体充填物
SAM−e 0〜700mg 好ましくは400〜500mg
グリセロール 200〜1000mg 好ましくは500〜800mg
【0056】
硬質HPMCカプセルに封入されたL−カルニチンL−酒石酸塩(LCLT)およびグリセロールの液体充填物
LCLT 0〜700mg 好ましくは300〜400mg
グリセロール 200〜1000mg 好ましくは500〜800mg
【0057】
硬質HPMCカプセルに封入されたL−カルニチンおよびグリセロールの液体充填物
L−カルニチン 0〜700mg 好ましくは300〜400mg
グリセロール 200〜1000mg 好ましくは500〜800mg
【0058】
液体充填物は、薬学的または食品として許容できる成分である着色剤またはその混合物を場合により含有することができる。着色剤は、液体組成物の重量を基準として0%〜4%の範囲であってよい。着色剤は、アゾ−、キノフタロン−、トリフェニルメタン−、キサンテン−またはインジゴイド色素、鉄の酸化物および水酸化物、二酸化チタン天然色素ならびにそれらの混合物からなる群から選択することができる。他の着色剤の例は、パテントブルーV、酸性ブリリアントグリーンBS、レッド2G、アゾルビン、ポンソー4R、アマランス、D+Cレッド33、D+Cレッド22、D+Cレッド26、D+Cレッド28、D+Cイエロー10、イエロー2G、FD+Cイエロー5、FD+Cイエロー6、FD+Cレッド3、FD+Cレッド40、FD+Cブルー1、FD+Cブルー2、FD+Cグリーン3、ブリリアントブラックBN、カーボンブラック、酸化鉄ブラック、酸化鉄レッド、酸化鉄イエロー、二酸化チタン、リボフラビン、カロテン、アントシアニン、ターメリック、コチニール抽出物、クロロフィリン、カンタキサンチン、カラメル、およびベタニンである。
【0059】
本発明は、
a)少なくとも1種の極性であり、吸湿性である溶媒または極性であり、吸湿性である溶媒の混合物を含むマトリックス組成物と活性剤または活性剤の混合物(活性剤は、前記極性であり、吸湿性である溶媒または極性であり、吸湿性である溶媒の混合物に可溶である)を攪拌下で混ぜ合わせるステップと、
b)ブレンドを100℃以下の温度まで加熱するステップと、
c)ブレンドを4℃以上の温度まで冷却するステップと、
d)ブレンドを容器(前記容器は、少なくとも1種の多糖または多糖誘導体を含む被膜形成組成物から得られる成形体である)に充填するステップと、
e)場合により容器をシールするステップとを含む、送達システムを調製するための方法も提供する。
【0060】
容器は、例えば、Fridrun PodczeckおよびBrian E Jones他による「Pharmaceutical Capsules」第2版、178〜182ページに記載されているように、当技術分野においてよく知られている任意の普通の方法により充填される。
【0061】
次に、本発明を、実施例を参照して詳細に説明するが、本発明がそれらに限定されないことに留意されたい。
【実施例】
【0062】
以下の実施例は、本発明の説明として提供されるものであり、本発明に対する制限と見なされるべきではない。実施例および本発明の説明における他の場所において、化学記号および専門用語は、それらの普通の慣習的な意味を有する。本出願における他の場所のように実施例において、式、分子量およびエトキシル化またはプロポキシル化の程度におけるn、mなどに関する値は、平均値である。温度は、他に指示がない限り、摂氏度で表される。成分の量は、記載される標準を基準として重量パーセントで表され、他の標準が記載されない場合、組成物の総重量が推測されるべきである。当然のことながら、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、多くの追加製剤を調製することができる。用語含む(comprising)は、からなる(consisting of)および本質的にからなる(consisting essentially of)を含むと理解される。
【0063】
(実施例1)
液体充填物の例:
【0064】
【表1】

グリセロール(液体形態)およびL−カルニチン(粉末形態)を秤量し、300rpm〜500rpmの攪拌下で混ぜ合わせる。次いで、組成物を、ブレンドが完全に可溶化するまで、60℃まで加熱する。ブレンドを40℃まで冷却する。ブレンドを、40℃にて100rpm〜300rpmでさらに攪拌する。最後に、組成物を、窒素下で室温にて72時間置く。次いで、液体充填物を、標準的な方法を用い、硬質HPMCカプセル中に封入する。最後に、カプセルを、水性アルコール溶液を用いる液体シーリング技術によりシールする。
【0065】
(実施例2)
【0066】
【表2】

グリセロール(液体形態)およびL−カルニチン(粉末形態)を秤量し、300rpm〜500rpmの攪拌下で混ぜ合わせる。次いで、組成物を、ブレンドが完全に可溶化するまで、60℃まで加熱する。ブレンドを40℃まで冷却する。ブレンドを、40℃にて100rpm〜300rpmでさらに攪拌する。最後に、組成物を、窒素下で室温にて72時間置く。次いで、液体充填物を、標準的な方法を用い、硬質HPMCカプセル中に封入する。最後に、カプセルを、水性アルコール溶液を用いる液体シーリング技術によりシールする。
【0067】
(実施例3)
【0068】
【表3】

グリセロール(液体形態)およびL−カルニチン(粉末形態)を秤量し、300rpm〜500rpmの攪拌下で混ぜ合わせる。次いで、組成物を、ブレンドが完全に可溶化するまで、60℃まで加熱する。ブレンドを40℃まで冷却する。ブレンドを、40℃にて100rpm〜300rpmでさらに攪拌する。最後に、組成物を、窒素下で室温にて72時間置く。次いで、液体充填物を、標準的な方法を用い、硬質HPMCカプセル中に封入する。最後に、カプセルを、水性アルコール溶液を用いる液体シーリング技術によりシールする。
【0069】
適合性試験:
この試験の主要目的は、L−カルニチン、L−カルニチンL−酒石酸塩、またはS−アデノシルメチオニンp−トシレートを充填したHPMC硬質カプセルの貯蔵安定性を評価することである。機械的(脆性破損、崩壊)、化学的(水交換)特性を検討する。
【0070】
試験の実施
− 上記の実施例1〜3におけるように液体充填物を調製する。
− 上記の製剤(実施例1〜3)の各々を硬質HPMCカプセル中に封入する。
− 水性アルコール溶液を用いる液体シーリング技術により、充填した硬質HPMCカプセルをシールする。
− 乾燥貯蔵条件に対応する2.5%および10%、湿潤貯蔵条件に対応する65%および75%の湿潤環境で、充填した硬質HPMCカプセルを貯蔵する。30%〜50%の湿潤環境は、普通の貯蔵条件に対応する。
− 重量変化を測定し、外面を評価し、崩壊速度を測定する。試験したカプセルの重量は、精密スケールで測定する。試験カプセルの外面の評価は、視覚的評価により行う。カプセル崩壊は、カプセルを、欧州薬局方07/2005:0016および01/2006:20901(2.9.1)に開示されているような実験条件で液体媒体に入れ、所定時間内に測定する。
【0071】
性能試験結果
【0072】
【表4】

符号「−」は、水の損失を意味する。符号なしは、水の増加を意味する。RHは、相対湿度を意味する。
【0073】
水交換の欄は、相対湿度の様々な条件(2.5%および65%)下での封入された製剤とカプセルシェルの間の水分交換に関する。吸湿性材料は、カプセルに充填された場合、シェルから水分を抜き取り、それによって脆化を引き起こすか、またはシェルの中に移動し、それによってシェルを弱体化することがある。結果は、水交換が、2.5%のRHにてほとんど存在しないことを示している。他のカプセルは、今回の場合である2.5%RHおよび35%RHにおける貯蔵後、目に見える変形が観察されない限りは、許容される。
【0074】
破損カプセルの欄は、乾燥貯蔵条件(2.5%および10%RH)下での液体充填物と硬質HPMCカプセルの間の水分交換の影響に関する。カプセルは、破損カプセルが、2.5%RHで試験したカプセルの合計の30%を超えない場合、適合と見なされる。結果は、破損カプセルの量が、8%を決して超えないことを示している。
【0075】
硬質HPMCカプセルシェル中の含水量が1%未満に減少する場合、カプセルは容易に破損し得ることに留意すべきである。
【0076】
崩壊の欄は、特定の貯蔵条件下での硬質HPMCカプセルの崩壊速度に関する。崩壊特性は、主に、水または胃液などの液体の存在下で容器が膨潤する能力に基づいている。この膨潤は、カプセル構造の連続性を崩壊させ、したがって、様々な成分が溶液または懸濁液に入ることを可能にする。崩壊速度は、カプセルがどれほど速く溶媒に溶解するかを指す。
【0077】
カプセルは、薬局方の方法により、崩壊時間が45分未満である場合、適合と見なされる。
【0078】
安定性試験
この試験の主要目的は、L−カルニチン、L−カルニチンL−酒石酸塩、およびSAM−eを充填したHPMC硬質カプセルの貯蔵安定性を評価することである。
【0079】
試験手順
− 上記の実施例1〜3におけるように液体充填物を調製する。
− 上記の製剤を硬質HPMCカプセル中に封入する。
− 水性アルコール溶液を用いる液体シーリング技術により、硬質HPMCカプセルをシールする。
− 室内湿潤条件で、充填した硬質HPMCカプセルを貯蔵する。
− L−カルニチンおよびL−カルニチンL−酒石酸塩については欧州薬局方01/2005:1339を、SAM−eについてはHPLC計量(dosage)法を用いる安定性特性の評価。
【0080】
HPLCによる計量は、参照SAM−eを0,0001M HCl溶液に可溶化することにより行う。試験したカプセルを開け、内容物を0.0001M HCl溶液に可溶化する。参照および試験SAM−eを、メタノール水性緩衝液60/40 V/Vを用いるHPLCで254nmにて検出する。SAM−eの量は、すべての試料について計算し、お互いに比較する。
【0081】
性能試験結果
【0082】
【表5】

結果は、全体的に、液体充填硬質HPMCカプセルが安定であり、室温にて貯蔵できることを示している。
【0083】
上記に記載した実施例からの試験結果は、本発明の容器が、極性であり、吸湿性である溶媒に耐容性があり適合することを示している。さらに、活性剤は、マトリックス組成物および容器中で安定であり、それらに適合する。最後に、活性剤は、マトリックス組成物に極めて可溶であることが観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種の多糖または多糖誘導体を含む被膜形成組成物から得られる成形体である容器、
(b)極性でもあり吸湿性でもある少なくとも1種の溶媒または各々が極性でもあり吸湿性でもある溶媒の混合物のマトリックス組成物を含む液体充填物、ならびに
(c)活性剤または活性剤の混合物(活性剤は、前記極性であり、吸湿性である溶媒または極性であり、吸湿性である溶媒の混合物に可溶である)を含む送達システム。
【請求項2】
成形体を得るための皮膜形成組成物の前記多糖または多糖誘導体が、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、加工デンプン、プルラン、デキストランおよび上記のうちのいずれかの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記セルロース誘導体が、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキル−アルキルセルロース、およびセルロースエーテルからなる群から選択される請求項1または2のいずれかに記載の送達システム。
【請求項4】
セルロース誘導体が、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセチルフタレート(CAP)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロースエーテル、ヒドロキシエチルメチルセルロースエーテル、ヒドロキシエチルエチルセルロースエーテル、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテルからなる群から選択される請求項3に記載の送達システム。
【請求項5】
前記セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)から選択される前記請求項のいずれかに記載の送達システム。
【請求項6】
前記加工デンプンが、デンプンエーテル、酸化デンプン、カルボキシメチルデンプン、ヒドロキシアルキル化デンプン、コハク酸デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン(HPS)、ヒドロキシエチル化デンプン(HES)およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1または2のいずれかに記載の送達システム。
【請求項7】
前記容器が、カプセル、ケーシング、バッグ、ボール、ボックス、カン、キャニスター、パッケージ、パケット、レセプタクル、サック、サック、ベセル、およびバイアルからなる群から選択される前記請求項のいずれかに記載の送達システム。
【請求項8】
前記容器が、硬質または軟質カプセルから選択される請求項7に記載の送達システム。
【請求項9】
前記容器が、硬質カプセルである請求項8に記載の送達システム。
【請求項10】
前記硬質カプセルが、硬質HPMCカプセルである請求項9に記載の送達システム。
【請求項11】
前記送達システムが、経口送達システムである前記請求項のいずれかに記載の送達システム。
【請求項12】
極性であり、吸湿性である溶媒が、多価アルコール、多価アルコール誘導体、水、または上記のうちのいずれかの混合物である前記請求項のいずれかに記載の送達システム。
【請求項13】
(a)多価アルコールまたは多価アルコール誘導体が、エチレングリコール、プロピレングリコール(PG)、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マルチトール、ラクチトール、プロピリングリコールからなる群から選択され、(b)システムが、水をさらに含む請求項12に記載の送達システム。
【請求項14】
多価アルコールまたは多価アルコール誘導体が、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マルチトール、ラクチトール、プロピレングリコール(PG)または水からなる群から選択される請求項12に記載の送達システム。
【請求項15】
(a)多価アルコールまたは多価アルコール誘導体が、グリセロールから選択され、(b)システムが、水をさらに含む請求項12に記載の送達システム。
【請求項16】
活性剤が、栄養補助食品、医薬品、アミノ酸、ビタミン、および薬草からなる群から選択される前記請求項のいずれかに記載の送達システム。
【請求項17】
栄養補助食品が、カルシウム補助食品、ミネラル補助食品、ニンニク、人参、ギンコビローバ、エキナセアパープレア、エキナセアアングスティフォリア、セントジョーンズワート、ロイヤルゼリー、アーティチョーク、アロエベラ、レッドクローバー、カルニチン、L−カルニチン、L−カルニチンアセチル、L−カルニチン酒石酸塩、L−カルニチン塩酸塩、S−アデノシルメチオニン(SAM−e)、S−アデノシルメチオニントシレート、グリコサミンまたはその塩およびコンドロイチンからなる群から選択される請求項16に記載の送達システム。
【請求項18】
栄養補助食品が、L−カルニチン、L−カルニチンアセチル、L−カルニチン酒石酸塩、L−カルニチン塩酸塩、およびS−アデノシルメチオニン(SAM−e)からなる群から選択される請求項16または17のいずれかに記載の送達システム。
【請求項19】
活性剤が、アーティチョーク、ギンコビローバ、およびキノコなどの薬草である請求項16に記載の送達システム。
【請求項20】
医薬品が、鎮痛薬、抗炎症剤、駆虫薬、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗凝血薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗てんかん薬、抗真菌剤、抗痛風剤、抗高血圧剤、抗マラリア薬、抗片頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗新生物剤、免疫抑制薬、抗原虫剤、抗チロキシン薬、鎮咳薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、神経遮断薬、βブロッカー、心臓変力剤、コルチコステロイド、利尿薬、抗パーキンソン病剤、胃腸剤、ヒスタミンH受容体拮抗薬、脂質調節剤、筋弛緩薬、抗狭心症剤、栄養剤、性ホルモン、刺激薬、サイトカイン、ペプチド模倣薬、ペプチド、タンパク質、血清、抗体、ワクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、遺伝材料、核酸、およびそれらの混合物からなる群から選択されるメンバーである請求項16に記載の送達システム。
【請求項21】
アミノ酸が、L−オルニチン、L−アルギニン、L−リシン、L−ヒスチジン、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、L−セリン、L−グルタミン酸、L−プロリン、L−トリプトファン、L−アラニン、L−シスチン、L−グリシン、L−バリン、L−メチオニン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−チロシン、L−フェニルアラニン、L−システイン、L−ノルロイシン、L−グルタミン、L−アスパラギン、グルタチオンからなる群から選択される請求項16に記載の送達システム。
【請求項22】
アミノ酸が、L−グリシンである請求項21に記載の送達システム。
【請求項23】
液体充填物組成物が、組成物の重量を基準として約0〜10%の範囲で着色剤またはその混合物をさらに含む前記請求項のいずれかに記載の送達システム。
【請求項24】
着色剤または着色剤の混合物が、アゾ−、キノフタロン−、トリフェニルメタン−、キサンテン−またはインジゴイド色素、鉄の酸化物および水酸化物、二酸化チタンまたは天然色素、パテントブルーV、酸性ブリリアントグリーンBS、レッド2G、アゾルビン、ポンソー4R、アマランス、D+Cレッド33、D+Cレッド22、D+Cレッド26、D+Cレッド28、D+Cイエロー10、イエロー2G、FD+Cイエロー5、FD+Cイエロー6、FD+Cレッド3、FD+Cレッド40、FD+Cブルー1、FD+Cブルー2、FD+Cグリーン3、またはブリリアントブラックBN、カーボンブラック、酸化鉄ブラック、酸化鉄レッド、酸化鉄イエロー、リボフラビン、カロテン、アントシアニン、ターメリック、コチニール抽出物、クロロフィリン、カンタキサンチン、カラメル、およびベタニンからなる群から選択される請求項23に記載の送達システム。
【請求項25】
容器が、コーティングされている前記請求項のいずれかに記載の送達システム。
【請求項26】
コーティングが、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、メタクリル酸ゼラチン、ヒプロメロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシアルキルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートおよびそれらの混合物からなる群から選択される請求項25に記載の送達システム。
【請求項27】
容器(容器は、HPMCを含む被膜形成組成物から得られるカプセルである)、グリセロールを含むマトリックス組成物、およびL−カルニチンまたはその誘導体を含む活性剤を含む請求項1に記載の送達システム。
【請求項28】
請求項1に記載の送達システムを調製するための方法であって、
a)少なくとも1種の極性であり、吸湿性である溶媒または極性であり、吸湿性である溶媒の混合物を含むマトリックス組成物と活性剤または活性剤の混合物(活性剤は、前記極性であり、吸湿性である溶媒または極性であり、吸湿性である溶媒の混合物に可溶である)を攪拌下で混ぜ合わせるステップと、
b)ブレンドを100℃以下の温度まで加熱するステップと、
c)ブレンドを4℃以上の温度まで冷却するステップと、
d)ブレンドを容器(前記容器は、少なくとも1種の多糖または多糖誘導体を含む被膜形成組成物から得られる成形体である)に充填するステップと、
e)場合により容器をシールするステップとを含む方法。
【請求項29】
薬草、食品、医薬品、化粧品または香味剤を送達するための請求項1から27のいずれか一項に記載の送達システムの使用。

【公表番号】特表2009−507817(P2009−507817A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529706(P2008−529706)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002447
【国際公開番号】WO2007/029098
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】