説明

液体噴射装置、メンテナンス方法

【課題】記録品質の低下を抑制しつつ、液体の消費量を低減させることができる液体噴射装置、メンテナンス方法を提供する。
【解決手段】インクを貯留するリザーバー44と複数のノズル23を有し、各ノズル23とリザーバー44が流出孔47及びキャビティ48を介して連通する液体噴射ヘッド18と、液体噴射ヘッド18に当接可能なキャップ50と、キャップ50内を吸引する吸引ポンプ53と、吸引ポンプ53がキャップ50内を吸引してからの経過時間を計時するタイマー62と、排出インクがノズル23からリザーバー44内に流入した場合において流入した排出インクをリザーバー44内のインク中に拡散させるのに必要な拡散時間を記憶する記憶部61と、タイマー62が計時した経過時間が記憶部61に記憶されている拡散時間よりも長いと判断した場合に、各ノズル23から排出インクが拡散したインクを噴射させる制御部60とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインクジェット式プリンターなどの液体噴射装置、液体噴射装置におけるメンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体噴射装置の一つとして、インクジェット式プリンターが広く知られている。このプリンターでは、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)に形成されたノズルから記録媒体にインク(液体)を噴射することにより印刷(記録)を施すようになっている。
【0003】
こうしたプリンターにおいては、例えばインク中にノズルから気泡が混入した状態や、インクが増粘した状態で、そのようなインクを噴射すると、印刷した画像にドット抜けが生じてしまうことがある。そのため、このようなプリンターでは、ノズル形成面に形成された各ノズルをキャップで囲んだ状態で該キャップ内の圧力を低下させることにより、気泡が混入したり増粘したりしたインクを排出させるクリーニングを実行するようになっている(例えば特許文献1)。
【0004】
また、ノズルからインクを噴射して印刷を行うプリンターでは、噴射時以外におけるノズルからのインクの漏出を抑制するために、ノズルから噴射可能なインクに負圧を付与している。そのため、クリーニングに伴ってキャップに排出された排出インク(排出液)が負圧により逆流して再びノズル内に混入してしまうことがある。そして、複数種類のインクが排出されたキャップから排出インクが逆流してノズル内に混入した状態で印刷を行うと、多数のノズルからなるノズル列において排出インクが混入したノズルと混入していないノズルとで色目が変化して印刷品質を低下させてしまうという問題があった。これに対し、クリーニング後にノズルから印刷とは無関係にインクを噴射する所謂フラッシングを行い、ノズル内に混入した排出インクをノズル外に排出した状態で印刷を行うことにより印刷品質の低下を抑制する方法が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−334962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、記録ヘッドには、多数のノズルが形成されており、排出インクが混入したノズルを特定するのは困難である。そのため、一部のノズルに排出インクが混入した場合であっても全てのノズルでフラッシングを行い、当該一部のノズルから混入した排出インクを当該一部のノズルから全て排出し終わるショット分だけ他のノズルからも同様にインクを噴射しなければならず、インクが無駄に消費されてしまっていた。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録品質の低下を抑制しつつ、液体の消費量を低減させることができる液体噴射装置、メンテナンス方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の液体噴射装置は、液体を貯留する液体貯留部と液体を噴射する複数のノズルを有し、該各ノズルと前記液体貯留部が該液体貯留部から前記各ノズルに向けて分岐した分岐部を介して連通する液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドに前記複数のノズルを囲うように当接可能なキャップと、該キャップ内を吸引する吸引手段と、前記キャップが前記液体噴射ヘッドに前記複数のノズルを囲うように当接した状態で前記吸引手段が前記キャップ内を吸引してからの経過時間を計時する計時手段と、前記ノズルから前記キャップ内に排出された排出液が前記ノズルから前記分岐部を介して前記液体貯留部内に流入した場合において当該流入した排出液を前記液体貯留部内の前記液体中に拡散させるのに必要な時間として予め設定した拡散時間を記憶する記憶手段と、前記計時手段が計時した前記経過時間が前記記憶手段に記憶されている前記拡散時間よりも長いと判断した場合に、前記液体噴射ヘッドの前記各ノズルから前記排出液が拡散した前記液体を噴射させる制御手段とを備える。
【0009】
この構成によれば、液体噴射装置は、液体噴射ヘッドにノズルを囲うようにキャップを当接させた状態で吸引手段の駆動に伴いキャップに液体を排出させた後、負圧による逆流でキャップから排出液がノズル内に混入したことを見越して行うノズルからの液体の噴射を排出液の混入があった直後には行わず、予め設定した拡散時間が経過するまで待機する。そのため、液体噴射ヘッドのノズル、分岐部及び液体貯留部内では、キャップから負圧による逆流でノズルを介して混入した排出液が時間の経過と共に拡散し、ノズル、分岐部及び液体貯留部内に元々存在していた液体と混ざり合うようになる。また、各ノズルは、液体貯留部と分岐部を介して連通しているため、排出液は液体貯留部を介して他のノズル内の液体とも混ざり合い、各ノズルから噴射される液体における排出液の混合割合のばらつきが低減される。そして、拡散により排出液の混合割合が全体的に低下した液体が複数のノズルからノズルごとの色目の変化を抑制した状態で噴射される。また、たとえノズルごとの色目の変化が少しばかり存在していたとしても、そのような色目の変化をなくすために必要な噴射回数は、負圧による逆流で排出液がノズル内に混入した直後に噴射する場合よりも、少ない噴射回数ですませることができる。したがって、キャップ内に排出させた排出液が負圧による逆流でノズル内に混入したことにより生じるノズルごとの色目の変化を無くすために行うノズルからの液体の噴射回数をノズル内への排出液の混入があった直後に噴射する場合に比べて減らすことができるため、記録品質の低下を抑制しつつ、液体の消費量を低減させることができる。
【0010】
本発明の液体噴射装置において、前記記憶手段には、前記ノズルから噴射させる液体の種類と前記拡散時間とが対応付けて記憶されている。
ノズルを介して液体貯留部内に混入した排出液の拡散速度は、ノズル、分岐部及び液体貯留部内に元々存在していた液体の濃度や粘度などに応じて異なる。その点、この構成によれば、拡散時間が液体の種類ごとに記憶されているため、液体の種類に関わらずに排出液をノズル、分岐部及び液体貯留部内で十分に拡散させてから、そのような拡散により排出液の混合割合が低下した液体を間欠的に噴射することができる。
【0011】
本発明の液体噴射装置において、前記液体貯留部の容量は、0mmよりも大きく750mm以下であると共に、前記拡散時間は、5秒以上である。
この構成によれば、750mm以下の容量の液体貯留部に対して5秒以上の拡散時間を設定することにより、液体貯留部内の液体と排出液とが混ざり合い、排出液を十分に拡散させることができる。
【0012】
本発明のメンテナンス方法は、液体を貯留する液体貯留部と液体を噴射する複数のノズルを有し、該各ノズルと前記液体貯留部が該液体貯留部から前記各ノズルに向けて分岐した分岐部を介して連通する液体噴射ヘッドに前記複数のノズルを囲うようにキャップを当接させた状態で前記キャップ内を吸引する吸引段階と、前記ノズルから前記キャップ内に排出された排出液が前記ノズルから前記分岐部を介して前記液体貯留部内に流入した場合において当該流入した排出液を前記液体貯留部内の前記液体中に拡散させるのに必要な時間として予め設定した拡散時間が経過するまで待機する待機段階と、前記待機段階の終了後において前記排出液が拡散した前記液体を噴射する噴射段階とを備える。
【0013】
この構成によれば、上記液体噴射装置に係る発明と同様の作用効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態におけるプリンターの概略構成を示す断面図。
【図2】クリーニング時の液体噴射ヘッド及びキャップの模式断面図。
【図3】排出インクの拡散を示す液体噴射ヘッド及びキャップの模式断面図。
【図4】排出インクの拡散を示す液体噴射ヘッド及びキャップの模式断面図。
【図5】排出インクの拡散を示す液体噴射ヘッド及びキャップの模式断面図。
【図6】フラッシング時の液体噴射ヘッド及びキャップの模式断面図。
【図7】インクの種類と排出インクの拡散の関係を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター」という)に具体化した実施形態を図1〜図7を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、図1中に矢印で示すように、鉛直方向における重力方向を下方向、反重力方向を上方向とする。また、鉛直方向と交差する方向であって、プリンターに給送された用紙が画像の形成時において搬送される搬送方向を前方向、その搬送方向の反対方向を後方向とする。さらに鉛直方向および搬送方向の双方と交差する方向であって液体噴射ヘッドが往復移動する方向すなわち走査方向を、前方から見て、それぞれ右方向、左方向と呼ぶことにする。
【0016】
図1に示すように、液体噴射装置としてのプリンター11の本体ケース12内には、媒体となる用紙Pに対してインク(液体)を噴射して印刷(記録)を施す記録部13と、インクの噴射機構をメンテナンスするためのメンテナンス装置14が左右方向に並ぶように収容されている。また、本体ケース12内には、左右方向に延びる棒状のガイド軸15と、用紙Pを支持する支持台16とが収容されている。
【0017】
記録部13は、ガイド軸15に左右方向への往復移動可能な状態で支持されたキャリッジ17と、キャリッジ17の下面側に支持された液体噴射ヘッド18とを備える。キャリッジ17は、図示しない駆動機構により、左右方向に往復移動するようになっている。なお、本実施形態においては、本体ケース12内の右端側をホームポジション側とするとともに、ホームポジション側から印刷領域となる左側に向かう左方向を移動方向Xとして図示している。
【0018】
キャリッジ17には、インクを収容したインクカートリッジ19が着脱可能に装着されるとともに、液体噴射ヘッド18側となる下流側に向けてインクを供給するインク供給路20が設けられている。インクカートリッジ19及びインク供給路20は、インクの色数等(本実施形態では4色)に対応して複数設けられている。
【0019】
液体噴射ヘッド18には、各インク供給路20を通じて供給されたインクを噴射する複数のノズル23が設けられているとともに、液体噴射ヘッド18の下面側からなるノズル形成面24には、ノズル23のノズル開口25が形成されている。また、支持台16上には、図示しない搬送機構によって後方から前方に向けて用紙Pが搬送される。そして、キャリッジ17が移動方向Xに沿って直線移動(走査)しながら、ノズル23から支持台16上の用紙Pにインク滴を噴射することにより、印刷(記録)が行われるようになっている。
【0020】
なお、液体噴射ヘッド18においては、各色に対応するノズル23が移動方向Xに沿って配置されるとともに、同一色のインクを噴射する複数のノズル23が用紙Pの搬送方向と一致するノズル列方向Yに沿って延びるノズル列N(図2参照)を形成している。すなわち、液体噴射ヘッド18には、複数のノズル23からなるノズル列Nが複数列設けられている。そして、キャリッジ17の走査毎にノズル列Nの長さに対応する幅の印刷が行われるとともに、間欠的に用紙Pが搬送されるようになっている。
【0021】
次に、液体噴射ヘッド18の構成について詳述する。
図1の一部拡大断面図に示すように、液体噴射ヘッド18は、上下方向に積層された流路形成部材40、振動板41、流路形成部材42及びノズルプレート43を備えている。
【0022】
流路形成部材40には液体貯留部としてのリザーバー44と、収容室45とが形成されている。なお、本実施形態におけるリザーバー44は、ノズル列方向Yにおける幅0.5m、キャリッジ17の移動方向Xにおける奥行0.5m、上下方向における高さ3mmを有した容量750mmの空間である。
【0023】
また、流路形成部材40には、リザーバー44内にインクカートリッジ19から供給されたインクを流入させるための流入孔46が形成されている。また、振動板41には、リザーバー44内のインクを各ノズル23に向けて供給する複数の流出孔47が設けられている。
【0024】
図2に示すように、リザーバー44は、インクを一時貯留するために一方向(ノズル列方向Y)に沿って延びるように設けられている。そして、流入孔46は、リザーバー44のノズル列方向Yにおける中央付近に設けられているとともに、複数の流出孔47はノズル列方向Yに沿って並ぶように配置されている。なお、図2においては、簡略化のため、それぞれノズル列Nを構成するノズル23の数を省略して図示している。
【0025】
図1に示すように、流路形成部材42には、流出孔47を通じてリザーバー44と連通するキャビティ48が形成されている。また、収容室45内において振動板41の上面側には、キャビティ48の上方となる位置に圧電素子49が配設されている。
【0026】
また、ノズルプレート43にはキャビティ48と連通するノズル23が貫通形成されている。すなわち、キャビティ48は、リザーバー44からノズル23に向けて分岐するように形成されている。そして複数のノズル23は、リザーバー44、流出孔47、キャビティ48を介してそれぞれ連通し、流出孔47及びキャビティ48が分岐部として機能している。
【0027】
また、液体噴射ヘッド18のノズル形成面24は、ノズルプレート43の下面(底面)によって構成されている。すなわち、複数のノズル23のノズル開口25は、一平面としてのノズル形成面24上に並ぶように配置されている。
【0028】
なお、ノズル23には、インクカートリッジ19に設けられた弁(図示略)により、負圧が付与された状態のインクが供給されるようになっている。そのため、インクはノズル23からの漏出が抑制されてノズル23内に保持され、ノズル開口25の付近にメニスカスMを形成するようになっている。なお、メニスカスMとは、毛細管現象によってインクの中央部がノズル開口25から見て凹面形状をなすように盛り上がってできる曲面のことである。
【0029】
また、振動板41は上下方向に振動可能に貼り付けられているとともに、圧電素子49は駆動信号を受けて伸縮することで、振動板41を上下方向に振動させるようになっている。また、振動板41が上下方向に振動すると、キャビティ48の容積が拡縮するようになっている。そして、キャビティ48の容積が縮小されると、キャビティ48内のインクがノズル23からインク滴として噴射されるようになっている。
【0030】
なお、ノズル23からインク滴が噴射されると、ノズル23内にはキャビティ48内から毛管力によってインクが補充される。すなわち、各インクカートリッジ19からインク供給路20を通じて液体噴射ヘッド18に供給されたインクはリザーバー44に一時貯留され、リザーバー44から流出孔47及びキャビティ48を通じて各ノズル23に供給されるようになっている。
【0031】
次に、メンテナンス装置14について説明する。
図1に示すように、メンテナンス装置14は、キャップ50と、キャップ50を移動させるための移動機構51と、廃液タンク52と、廃液チューブ53aと、吸引手段としての吸引ポンプ53と、ワイパー部材54とを備えている。なお、廃液チューブ53aはキャップ50と廃液タンク52とを接続するとともに、その途中位置には吸引ポンプ53が設けられている。
【0032】
ワイパー部材54は、移動機構51によってノズル形成面24に当接するワイピング位置まで上昇移動することが可能となっている。そして、ワイパー部材54をワイピング位置に移動させた状態でキャリッジ17を移動させることで、液体噴射ヘッド18のノズル形成面24をワイピング(払拭)するようになっている。
【0033】
図2に示すように、キャップ50は、上側が開口した有底箱状をなし、その開口部50aがノズル形成面24に当接(キャッピング)することにより、ノズル23を囲む空間RSが形成されるようになっている。また、キャップ50の内底部には、廃液チューブ53aの上流端が開口するとともに、側壁部50bには、空間RSを大気に連通させるための大気開放弁55が設けられている。そして、キャップ50は、移動機構51によって上下方向に移動されることにより、液体噴射ヘッド18のノズル形成面24に当接する当接位置と、ノズル形成面24から離間した非当接位置(最下位置)との間を移動するようになっている。
【0034】
また、図1に示すように、プリンター11は、プリンター11の稼動状態を統括制御する制御手段としての制御部60を備えている。なお、制御部60は、記憶手段としての記憶部61に記憶されたプログラムに基づいて圧電素子49、移動機構51、吸引ポンプ53、大気開放弁55の駆動を制御し、キャッピング、クリーニング及びワイピングなどのメンテナンス動作を実行するようになっている。また、制御部60は、計時手段としてのタイマー62を備えている。
【0035】
さらに、表1に示すように、記憶部61には、拡散時間がインクの種類(本実施形態では、顔料インクと染料インク)に対応付けて記憶されている。すなわち、本実施形態では、インクが顔料インクの場合には、インクが染料インクの場合よりも、長さが2倍の拡散時間が設定されている。なお、拡散時間とは、ノズル開口25からノズル23内に排出インクが混入し、さらに流出孔47及びキャビティ48を経由してリザーバー44内に流入した場合において流入した排出インクをリザーバー44内に存在するインク中に拡散させるのに必要な時間であって、リザーバー44の大きさ(容量)に応じて設定されている。すなわち、リザーバー44の容量が大きいほど、リザーバー44内に貯留されるインクの量が多くなり、排出インクがリザーバー44内の全域に均一に拡散するのに時間を要するため、拡散時間は長く設定される。因みに、本実施形態での実験条件としては、リザーバー容量を750mmとしている。
【0036】
【表1】

次に、メンテナンス装置14が液体噴射ヘッド18のメンテナンスを行う場合の作用について図2〜図6に基づいて説明する。
【0037】
さて、制御部60は、インクカートリッジ19がキャリッジ17に装着された際に、インクカートリッジ19に設けられた図示しない記憶素子に記憶されたインクの種類(本実施形態では染料インクもしくは顔料インク)を取得する。なお、本実施形態では、キャリッジ17に染料インクが収容されたインクカートリッジ19が装着され、ノズル23に対して染料インクが供給されるものとする。したがって、制御部60は、表1に基づいて拡散時間を染料インクと対応づけて記憶されている5秒に設定する。
【0038】
さらに、キャリッジ17は、印刷が終了すると、支持台16上の印刷領域から右方に移動して、メンテナンス装置14の上方となるホームポジションに停止する。そして、大気開放弁55が閉弁された状態(図2では塗りつぶし表示)でキャップ50が当接位置に位置してノズル23を囲むようになる。
【0039】
この状態において、メンテナンス動作が実行されると、制御部60は、吸引ポンプ53を駆動して空間RS内の空気を吸引して該空間RS内に負圧を生じさせた後、吸引ポンプ53の駆動を停止する(吸引段階)。すると、ノズル23からは、ドット抜けの要因となる気泡や増粘インクがキャップ50内に排出されるとともに、インクの排出に伴って空間RSの負圧が徐々に解消されてインクの排出が停止する。さらに、制御部60は、タイマー62を駆動して計時を開始し、吸引ポンプ53がキャップ内を吸引してからの経過時間を計測(計時)する。
【0040】
キャップ50内にインクが排出されると、図3に示すように、制御部60は、大気開放弁55を開弁し(図3では白抜き表示)、再び吸引ポンプ53を駆動する。すると、キャップ50内には大気開放弁55を介して空気が吸い込まれるとともに、排出インクが廃液チューブ53aを介して廃液タンク52に排出され、キャップ50内の負圧も解消される。
【0041】
ところで、ノズル23内に存在するインクにはインクカートリッジ19側から負圧が付与されている。そのため、例えば図2に示すように、キャップ50内に排出された排出液としての排出インクがノズル開口25に接触すると共に、そのときのインクカートリッジ19側からの負圧力が廃液タンク52側からの吸引圧よりも強い場合には、排出インクがノズル23内にキャップ50内から逆流して混入してしまうことがある(図2では排出インクを網掛け表示)。そして、混入した排出インクは、ノズル23、キャビティ48、流出孔47、リザーバー44内に元々存在していたインクと混ざり合い、リザーバー44内において徐々に拡散する(図3参照)。ただし、図2〜図6では、網掛けの濃さに応じて排出インクの拡散度合を模式的に示している。すなわち、網掛けが濃いところほど排出インクの混合割合が大きく、網掛けが薄いところほどインクの混合割合が小さくなっているものとする。
【0042】
具体的には、図2に示すように、ノズル23内に混入した排出インクは、時間の経過に伴って図3に示すようにリザーバー44内のインクと混ざり合うように拡散する。さらに、図4に示すように、リザーバー44には、複数のノズル23が流出孔47及びキャビティ48を介して連通しているため、リザーバー44内に拡散した排出インクは該排出インクが元々混入したノズル(図2〜図4では右側から1番目と2番目の2つのノズル)23に近い流出孔47及びキャビティ48から順に内部に存在するインクと混ざり合う。
【0043】
そして、図5に示すように、経過時間の計時が開始されてからインクの種別及びリザーバー44の容量の違いに応じて設定された拡散時間が経過する頃には、排出インクは、リザーバー44内の全域に拡散するとともに、排出インクが元々混入していなかった他のノズル(図5では右側から1番目と2番目の2つのノズル以外のノズル)23内のインクとも混ざり合う。
【0044】
そのため、制御部60は、タイマー62が計測した経過時間に基づいて、クリーニングが行われてから拡散時間が経過するまで待機する(待機段階)。そして、制御部60は、経過時間と拡散時間とを比較し、経過時間が拡散時間よりも長いと判断した場合に、移動機構51を制御してキャップ50を当接位置と非当接位置との間となるフラッシング位置(図6参照)に移動させる。さらに、制御部60は、圧電素子49を制御して全てのノズル23から間欠的にインクを噴射させるフラッシングを実行する(噴射段階)。
【0045】
すると、図5に示すように、例えば排出インクが元々混入したノズル23内のノズル開口25付近に、他のノズル23よりも排出インクの混合割合が大きなインクが残ってしまっている場合であっても、図6に示すように、全ノズルの一斉フラッシングに伴って排出インクの混合割合が大きなインクが排出される。
【0046】
なお、このとき他のノズル23から噴射されるインクと色目が異なるためにフラッシングにより排出しなければいけない排出インクの混合割合が大きなインクの量F1(図5参照)は、クリーニング直後にフラッシングを行うとした場合に排出しなければいけない排出インクの混合割合が大きなインクの量F2(図3参照)に比べて少ない。したがって、プリンター11は、拡散時間が経過するまで待機することにより、必要となるフラッシングの回数を減らすことができるようになっている。
【0047】
また、フラッシングに伴って排出インクが混ざったインクが排出されると、リザーバー44には流入孔46からインクが供給される。そして、供給されたインクは排出インクと混ざったインクとさらに混ざり合うため、リザーバー44内のインクは更に排出インクの混合割合が小さくなっていく。
【0048】
次に、本実施形態のリザーバー44を有する液体噴射ヘッド18において、インクの種類と排出インクの拡散との関係についての実験結果を図7に基づいて説明する。なお、記号は、バツ(×)が拡散なし、三角(△)がリザーバー44内の一部に拡散、丸(○)がリザーバー44内の全域に排出インクが拡散したことをそれぞれ示すものとする。
【0049】
図7に示すように、まず顔料インクと染料インクは、共にクリーニングが実行されてノズル23内に排出インクが混入した直後(0秒後)では、未だリザーバー44内に拡散していない。そして、2秒が経過すると、リザーバー44の一部に排出インクの拡散を確認することができた。
【0050】
また、5秒経過時には、染料インクではリザーバー44内の全域に排出インクの拡散が確認されたのに対し、顔料インクでは、排出インクがリザーバー44内の全域に拡散するのに10秒必要であった。したがって、表1に示す拡散時間は、排出インクがリザーバー44内の全域に拡散する時間に基づいて設定されている。
【0051】
なお、排出インクは、リザーバー44内に拡散するとともに、流出孔47、キャビティ48、ノズル23内のインクとも混ざり合うため、時間が経過するほど各ノズルから噴射されるインクの色目のばらつきが徐々に低減されていった。
【0052】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)プリンター11は液体噴射ヘッド18にノズル23を囲うようにキャップ50を当接させた状態で吸引ポンプ53の駆動に伴い、キャップ50にインクを排出させた後、負圧による逆流でキャップ50から排出インクがノズル23内に混入したことを見越して行うノズル23からのインクの噴射を排出インクの混入があった直後には行わず、予め設定した拡散時間が経過するまで待機する。そのため、液体噴射ヘッド18のノズル23、流出孔47、キャビティ48及びリザーバー44内では、キャップ50から負圧による逆流でノズル23を介して混入した排出インクが時間の経過と共に拡散し、ノズル23、流出孔47、キャビティ48及びリザーバー44内に元々存在していたインクと混ざり合うようになる。また、各ノズル23は、リザーバー44と流出孔47及びキャビティ48を介して連通しているため、排出インクはリザーバー44を介して他のノズル23内のインクとも混ざり合い、各ノズル23から噴射されるインクにおける排出液の混合割合のばらつきが低減される。そして、拡散により排出インクの混合割合が全体的に低下したインクが複数のノズル23からノズル23ごとの色目の変化を抑制した状態で間欠的に噴射される。また、たとえノズル23ごとの色目の変化が少しばかり存在していたとしても、そのような色目の変化をなくすために必要な噴射回数は、負圧による逆流で排出インクがノズル23内に混入した直後に噴射する場合よりも、少ない噴射回数ですませることができる。したがって、キャップ50内に排出させた排出インクが負圧による逆流でノズル23内に混入したことにより生じるノズル23ごとの色目の変化を無くすために行うノズル23からのインクの噴射回数をノズル23内への排出インクの混入があった直後に噴射する場合に比べて減らすことができるため、印刷品質の低下を抑制しつつ、インクの消費量を低減させることができる。
【0053】
(2)ノズル23を介してリザーバー44内に混入した排出インクの拡散速度は、ノズル23、流出孔47、キャビティ48及びリザーバー44内に元々存在していたインクの濃度や粘度などに応じて異なる。その点、本実施形態では、拡散時間がインクの種類ごとに記憶されているため、インクの種類に関わらずに排出インクを、流出孔47、キャビティ48及びリザーバー44内で十分に拡散させてから、そのような拡散により排出インクの混合割合が低下したインクを間欠的に噴射することができる。
【0054】
(3)ノズル23内に混入した排出インクは、混入したノズル23から、流出孔47及びキャビティ48を介してリザーバー44内に流入し、そのリザーバー44内で徐々に拡散していくため、リザーバー44の容量が大きいほどリザーバー44の全域に均一に拡散するのに時間を要する。その点、リザーバー44の容量が大きい場合には、リザーバー44の容量が小さい場合に比べて記憶部61に記憶される拡散時間が長く設定されているため、リザーバー44内の全域に十分に排出液を拡散させてから、そのような拡散により排出インクの混合割合が低下したインクを間欠的に噴射することができる。
【0055】
(4)0mmより大きく750mm以下の容量のリザーバー44に対して5秒以上の拡散時間を設定することにより、リザーバー44内のインクと排出インクとが混ざり合い、排出液インク十分に拡散させることができる。
【0056】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、拡散時間を記憶部61に記憶されている時間よりも長い時間の範囲でユーザーに選択させるようにしてもよい。また印刷指令が入力されるまで待機するようにしてもよい。すなわち、染料インクではクリーニングから5秒経過時にリザーバー44内の全域に排出インクが拡散する。そのため、拡散時間(例えば5秒)以上待機すればノズル23から噴射されるインクの色目のばらつきを抑制するために必要となるインクの噴射回数を低減することができる。さらに、リザーバー44内の全域に拡散した排出インクは、時間の経過に伴ってさらに流出孔47、キャビティ48、ノズル23内のインクと混ざり合い、排出インクが混入したノズル23と、それ以外のノズル23とにおける噴射するインクの色目のばらつきが徐々に低減される。したがって、拡散時間が長いほど必要となるフラッシングの回数を減少させることができる。
【0057】
また、拡散時間よりも長い時間であってクリーニング後に待機する時間を複数段階に設定し、各待機時間とフラッシングの回数とを対応付けて記憶しておいてもよい。また、クリーニングを行ってから、ノズル23から噴射するインクの色目のばらつきが十分に低減される時間だけ待機した場合には、キャップ50へのインクの噴射を行わずに、用紙Pにインクを間欠的に噴射して印刷を行うようにしてもよい(噴射段階)。
【0058】
・上記実施形態のように、液体噴射ヘッド18に複数種類のインクを噴射する複数のノズル列Nが形成されている場合には、各種のインクごとに拡散時間を設定してもよい。すなわち、インクは色などの種類によっても拡散のしやすさが異なるため、各インクの拡散時間のうち、一番長い拡散時間が経過した後、フラッシングを行うようにしてもよい。なお、このときの拡散時間が例えば第1インクはフラッシングが不要な時間であるのに対し、第2インクはフラッシングが必要な時間である場合には、第1インクのフラッシングは行わずに第2インクのフラッシングを行うようにしてもよい。
【0059】
・上記実施形態において、リザーバー44の容量及び拡散時間は、液体噴射ヘッド18のサイズやリザーバー44の形状などに応じて任意に変更することができる。すなわち、拡散時間が経過した際に、リザーバー44に形成された流出孔47まで排出インクが拡散していればフラッシング回数を減らすことができる。そのため、例えば同じ容量のリザーバー44であっても、流出孔47が形成された範囲が小さい(ノズル列Nの長さが短い)リザーバー44ほど拡散時間を短くするようにしてもよい。そして、このように流出孔47が形成された範囲が小さなリザーバー44では、容量が750mmであっても拡散時間を5秒以下に設定してもよい。さらに、小さな容量のリザーバーに形成された流出孔47の範囲が大きな容量のリザーバーに形成された流出孔47の範囲よりも大きい場合には、小さな容量のリザーバーの拡散時間を大きな容量のリザーバーに比べて長く設定してもよい。
【0060】
・上記実施形態において、リザーバー44の大きさが異なる場合であっても、拡散時間を一定に設定するようにしてもよい。
・上記実施形態において、クリーニングを行ってからフラッシングを行うまでの間に、ワイパー部材54でノズル形成面24を払拭するワイピングを行うようにしてもよい。また、ワイピングの後に拡散時間だけ待機し、その後にフラッシングを行うようにしてもよい。すなわち、ノズル形成面24に付着したミストや排出インクが、ワイピングに伴ってノズル開口25からノズル23内に押し込まれてしまうことがある。そのため、この場合には、タイマー62は、ワイピングが終了してから計測を開始し、タイマー62が計測した経過時間が拡散時間よりも長くなった場合に、フラッシングを行うようにしてもよい。さらに、クリーニング後にワイピングを行う場合には、ワイピングによってさらに排出インクが混入してしまう虞があるため、クリーニングを行う場合の拡散時間とは別に拡散時間を設定するようにしてもよい。
【0061】
・上記実施形態において、キャップ50内を吸引する強さもしくは排出インクの量に応じて拡散時間を変更してもよい。すなわち、クリーニングの際にキャップ50内に蓄圧される負圧の大きさにより、キャップ50内に排出される排出インクの量は変化する。そして、排出インクの量が多いほどノズル形成面24に排出インクが接触しやすくなるとともに、排出インクがより多くのノズル23内に混入する確率も高くなる。したがって、キャップ50内に付与する負圧が大きく、ノズル23内に排出インクが入り込みやすい場合ほど拡散時間を長く設定することにより、リザーバー44内において排出インクを十分に拡散させることができる。
【0062】
・上記実施形態において、例えば流出孔47までしか排出インクが拡散していない場合には、キャビティ48及びノズル23内のインクをフラッシングにより排出しなければならないのに対し、キャビティ48内の全域まで排出インクが拡散している場合には、ノズル23内のインクのみフラッシングすればよい。そして、拡散のしやすさはインクの種類などによって変化する。そのため、インクの種類が異なる場合でも拡散時間を一定に設定し、さらにインクの種類に応じてクリーニング後に行うフラッシングの回数を変更するようにしてもよい。
【0063】
・上記実施形態において、排出インクを廃液タンク52に排出する時点においてタイマー62による計時を開始するようにしてもよい。すなわち、ノズル23には、クリーニング後に大気開放弁55を開弁してキャップ50内の排出インクを廃液タンク52に排出するまで排出インクが混入する可能性がある。そのため、キャップ50内の排出インクを排出してノズル23内に排出インクが混入する虞がなくなった状態で計時を開始することにより、拡散時間が経過後にリザーバー44内で十分に排出インクを拡散させることができる。
【0064】
・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式プリンター11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に具体化してもよい。例えば微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
11…プリンター(液体噴射装置)、18…液体噴射ヘッド、23…ノズル、44…リザーバー(液体貯留部)、47…流出路(分岐部)、48…キャビティ(分岐部)、50…キャップ、53…吸引ポンプ(吸引手段)、60…制御部(制御手段)、61…記憶部(記憶手段)、62…タイマー(計時手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する液体貯留部と液体を噴射する複数のノズルを有し、該各ノズルと前記液体貯留部が該液体貯留部から前記各ノズルに向けて分岐した分岐部を介して連通する液体噴射ヘッドと、
該液体噴射ヘッドに前記複数のノズルを囲うように当接可能なキャップと、
該キャップ内を吸引する吸引手段と、
前記キャップが前記液体噴射ヘッドに前記複数のノズルを囲うように当接した状態で前記吸引手段が前記キャップ内を吸引してからの経過時間を計時する計時手段と、
前記ノズルから前記キャップ内に排出された排出液が前記ノズルから前記分岐部を介して前記液体貯留部内に流入した場合において当該流入した排出液を前記液体貯留部内の前記液体中に拡散させるのに必要な時間として予め設定した拡散時間を記憶する記憶手段と、
前記計時手段が計時した前記経過時間が前記記憶手段に記憶されている前記拡散時間よりも長いと判断した場合に、前記液体噴射ヘッドの前記各ノズルから前記排出液が拡散した前記液体を噴射させる制御手段と
を備えることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記記憶手段には、前記ノズルから噴射させる液体の種類と前記拡散時間とが対応付けて記憶されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記液体貯留部の容量は、0mmよりも大きく750mm以下であると共に、前記拡散時間は、5秒以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
液体を貯留する液体貯留部と液体を噴射する複数のノズルを有し、該各ノズルと前記液体貯留部が該液体貯留部から前記各ノズルに向けて分岐した分岐部を介して連通する液体噴射ヘッドに前記複数のノズルを囲うようにキャップを当接させた状態で前記キャップ内を吸引する吸引段階と、
前記ノズルから前記キャップ内に排出された排出液が前記ノズルから前記分岐部を介して前記液体貯留部内に流入した場合において当該流入した排出液を前記液体貯留部内の前記液体中に拡散させるのに必要な時間として予め設定した拡散時間が経過するまで待機する待機段階と、
前記待機段階の終了後において前記排出液が拡散した前記液体を噴射する噴射段階と
を備えることを特徴とするメンテナンス方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−179745(P2012−179745A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42833(P2011−42833)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】