説明

液体噴射装置及び液体噴射装置の制御方法

【課題】 裁断機を用いることなく、所望の形状の印刷された図柄製品を短時間に低コス
トで取得することが可能な液体噴射装置及び液体噴射装置の制御方法を提供する。
【解決手段】 接着剤を噴射する接着剤ヘッドと、液体を噴射する液体記録ヘッドと、前
記接着剤が剥離しやすいように表面処理された記録媒体上に、前記接着剤ヘッドから前記
接着剤を噴射して接着剤層を形成した後、前記接着剤層の上に前記液体記録ヘッドから前
記液体を噴射して図柄層を形成する制御部と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置及び液体噴射装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図柄の輪郭データを機械で読取可能なデータとして記憶し、該データに基づき図
柄をシート材上に印刷し、印刷された図柄の輪郭に沿って裁断機で裁断する技術が開示さ
れている(特許文献1)。
【0003】
また、インクジェットヘッドの特定のノズル穴のインクが乾燥、硬化、変質することな
く、長期的に安定したインクジェット画像を形成するために、記録媒体間のエンドレスベ
ルト上に定期的にインクジェットの空吹きを行い、空吹きしたエンドレスベルト上のイン
クをクリーニングする技術が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2905074号公報
【特許文献2】特開2004−291567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術では、シート上に印刷された図柄の輪郭に沿って裁断する
裁断機を使用しており、装置が大型化し、該装置を設置するための大きなスペースが必要
となる。また、印刷された図柄の輪郭を読み取るために、機械で読み取り可能なデータに
変換する必要があるため、制御が複雑となり、製造時間の短縮化に影響する。さらに、印
刷された図柄の輪郭と裁断位置が異なる場合には、対応するデータを記憶しなければなら
ないので、記憶容量の大きなメモリ等が必要となる。
【0006】
また、特許文献2に記載された技術では、エンドレスベルト上にインクを空吹きするた
め、エンドレスベルトの劣化を促進し、エンドレスベルトの寿命が短くなってしまう。ま
た、エンドレスベルト上のインクをクリーニングするための部品が必要となり、部品点数
が多くなってしまう。
【0007】
本発明は、裁断機を用いることなく、所望の形状に印刷された図柄製品を短時間に低コ
ストで取得することが可能な液体噴射装置及び液体噴射装置の制御方法を提供することを
目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる液体噴射装置は、接着剤を噴射する接着剤ヘッドと、液体を噴射する液
体記録ヘッドと、前記接着剤が剥離しやすいように表面処理された記録媒体上に、前記接
着剤ヘッドから前記接着剤を噴射して接着剤層を形成した後、前記接着剤層の上に前記液
体記録ヘッドから前記液体を噴射して図柄層を形成する制御部と、を有することを特徴と
する。
【0009】
また、前記液体記録ヘッドは、第1の液体記録ヘッド及び第2の液体記録ヘッドを有し
、前記制御部は、前記接着剤層を形成した後、前記接着剤層の上に前記第1の液体記録ヘ
ッドから前記第1の液体を噴射して下地層を形成し、前記下地層の上に前記第2の液体記
録ヘッドから前記第2の液体を噴射して図柄層を形成する。
【0010】
また、透明な液体を噴射するクリアヘッドをさらに有し、前記制御部は、前記図柄層の
上に前記クリアヘッドから前記透明な液体を噴射してクリア層を形成する。
【0011】
また、前記制御部は、前記記録媒体上の前記図柄層以外の場所に、前記接着剤ヘッドか
ら前記接着剤を噴射して接着剤層を形成した後、前記接着剤層の上に前記液体記録ヘッド
からフラッシングしてフラッシング層を形成する。
【0012】
また、前記制御部は、前記接着剤層と前記フラッシング層の間に、前記液体記録ヘッド
から前記液体を噴射して下地層を形成する。
【0013】
また、前記記録媒体に向けて紫外線を照射する紫外線照射部をさらに有し、前記液体は
、前記紫外線照射部が紫外線を照射することで硬化する。
【0014】
また、前記接着剤は、前記紫外線照射部が紫外線を照射することで発生する熱により定
着する。
【0015】
さらに、本発明にかかる液体噴射装置の制御方法は、記録媒体上に、接着剤を噴射して
接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層の上に第1の液体を噴射して下地層を形成する
工程と、前記下地層の上に第2の液体を噴射して図柄層を形成する工程と、前記図柄層の
上に透明な液体を噴射してクリア層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明にかかる液体噴射装置によれば、接着剤が剥離しやすいように表面処理された記
録媒体上に、図柄データに基づいて、接着剤を噴射して接着剤層を形成し、前記接着剤層
の上に液体を噴射して図柄層を形成するので、接着剤層を記録媒体から剥離する簡単な作
業で、裁断機を用いることなく、所望の形状の印刷された図柄製品を短時間に低コストで
取得することが可能となる。さらに、剥離後の記録媒体は再利用することができる。
【0017】
また、本発明にかかる液体噴射装置によれば、接着剤層と図柄層の間に下地層を形成す
るので、下地層で接着剤層の色を隠すことができ、接着剤層に直接図柄層を形成する図柄
製品と比較して、高画質の図柄製品を取得することが可能となる。さらに、図柄層の上に
クリア層を形成することで、光沢があり鮮明な図柄製品を取得できると共に、外部の汚れ
等から図柄を守ることが可能となる。
【0018】
また、本発明にかかる液体噴射装置によれば、記録媒体上の図柄層以外の場所に、接着
剤層を形成した後、接着剤層の上にフラッシングするので、フラッシングするためにわざ
わざ記録媒体上からヘッドを移動させる必要がなく、短時間でフラッシングすることがで
きる。さらに、フラッシング後、接着剤層を記録媒体から剥離する簡単な作業で、フラッ
シングされた液体を廃棄することが可能となる。また、接着剤層とフラッシング層の間に
下地層を形成すると、フラッシング部分の強度が強くなり、容易に記録媒体から剥離する
ことができる。
【0019】
また、本発明にかかる液体噴射装置によれば、液体は紫外線照射部が紫外線を照射する
ことで硬化するので、各層毎の表面状態を自由に制御可能となる。
【0020】
また、本発明にかかる液体噴射装置によれば、接着剤は紫外線照射部が紫外線を照射す
ることで発生する熱により定着するので、接着剤の定着のための装置を新たに用いる必要
がなく、紫外線照射部を共通で使用することができ、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る液体噴射装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】記録ヘッドの記録媒体に対向する面を示す図である。
【図3】プリンタの制御システムを示すブロック図である。
【図4】実施例1〜4に対応する記録媒体の図柄領域を示す図である。
【図5】実施例1の記録媒体の図柄領域での断面図である。
【図6】実施例2の記録媒体の図柄領域での断面図である。
【図7】実施例3の記録媒体の図柄領域での断面図である。
【図8】実施例4の記録媒体の図柄領域での断面図である。
【図9】実施例1〜4に対応する図柄製品を記録媒体から剥離した状態を示す図である。
【図10】実施例5又は6に対応する記録媒体の図柄領域とフラッシング領域を示す図である。
【図11】実施例5の記録媒体のフラッシング領域での断面図である。
【図12】実施例6の記録媒体のフラッシング領域での断面図である。
【図13】実施例5又は6に対応するフラッシング層を記録媒体から剥離した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明にかかる実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
本実施形態の液体噴射装置は、例えば、噴射された接着剤が完全に接着せず、容易に剥
離できるように、平滑加工やフッ素加工等の表面処理をされたシート材等の記録媒体Sに
印刷するプリンタ1に適している。
【0024】
図1は、プリンタ1の構成を概略的に示す構成図である。プリンタ1は、液体のインク
を記録媒体Sに対して噴射し、記録媒体Sにインクにより画像を形成するものである。
【0025】
図1に示すように、プリンタ1は、インクを貯留する液体タンクとしてのタンク部2と
、タンク部2に接続されてタンク部2からのインク流路を有する固定流路部3と、固定流
路部3に接続されてインク流路を形成するフレキシブルなチューブ状のフレキシブル流路
部4と、フレキシブル流路部4に接続され液体のインクを噴射する液体噴射ヘッドとして
のヘッド部5と、ヘッド部5に取り付けられ紫外線を照射する紫外線照射部6と、ヘッド
部5をクリーニングするクリーニング部7と、記録媒体Sを搬送支持する搬送部としての
プラテン8と、を有する。
【0026】
本実施形態のプリンタ1にて用いられるインクは、紫外線を受けて硬化する紫外線硬化
インク(以下、UVインク)である。UVインクは、紫外線硬化樹脂を含むビヒクル、光
重合開始剤、及び、顔料の混合物に、消泡剤等の補助剤を添加して調合されたインクであ
り、紫外線を受けると、上記紫外線硬化樹脂において光重合反応が起こることにより硬化
する。なお、本実施形態では、カラー画像を印刷するために、イエローインクY、シアン
インクC、マゼンダインクM、及びブラックインクBkの4色の液体及び第2の液体とし
てのカラーUVインクが用いられる。
【0027】
ここで、UVインクは、ビヒクル、光重合開始剤及び顔料の混合物に、消泡剤、重合禁
止剤等の補助剤を添加して調合される。なお、ビヒクルは、光重合硬化性を有するオリゴ
マー、モノマー等を、反応性希釈剤により粘度調整して調合される。
【0028】
また、本実施形態のプリンタ1では、上記4色のカラーUVインクに加えて、液体及び
第1の液体としての白色のUVインク(以下、白インクW)が用いられる。例えば、透明
フィルム等の記録媒体Sにカラー画像を印刷する際に、白インクWを当該透明フィルム上
にベタ打ちし、白色の背景画像(所謂下地)を印刷するために用いるとよい。つまり、白
インクWによって構成される背景画像上にカラーUVインクを重ね打ちすることにより、
当該背景画像の上に高画質のカラー画像を印刷することが可能となる。
【0029】
また、白インクWは、第2の液体として色の付いた記録媒体に画像中の白い部分を印刷
する際に用いてもよい。なお、第1の液体として下地層を形成するために、イエローイン
クY、シアンインクC、マゼンダインクM、及びブラックインクBkのいずれかを用いて
もよい。この場合、背景画像を色つきとすることができる。
【0030】
さらに、本実施形態では、上記5色のUVインクの他に、クリアインクCLが用いられ
る。クリアインクCLは、無色透明なUVインクであり、例えば、カラーUVインクや白
インクWにより構成された画像上に塗布されることにより、当該画像の光沢性を高め、鮮
明な図柄製品を取得できると共に、外部の汚れ等から図柄を守ることが可能となる。なお
、クリアインクCLを、下地層を形成する第1の液体として使用してもよい。
【0031】
さらに、本実施形態では、接着剤ADが用いられる。接着剤ADは、例えば、溶剤に液
体や固体の接着主剤又は硬化剤を内包した約0.1〜600μmの中空樹脂からなるマイ
クロカプセルを混入させたものである。接着剤ADは、記録媒体Sに噴射後、紫外線放射
器によって放射される紫外線の熱等によってマイクロカプセルが破壊され、破壊されたマ
イクロカプセルから接着主剤又は硬化剤が取り出され、溶剤と混ざりながら、接着力を得
る。
【0032】
タンク部2は、例えば、イエローインクYが充填されているイエロータンク2Y、シア
ンインクCが充填されているシアンタンク2C、マゼンダインクMが充填されているマゼ
ンダタンク2M、ブラックインクBkが充填されているブラックタンク2Bk、クリアイ
ンクCLが充填されているクリアタンク2CL、及び接着剤ADが充填されている接着剤
タンク2ADを有している。
【0033】
イエロータンク2Y、シアンタンク2C、マゼンダタンク2M、ブラックタンク2Bk
、ホワイトタンク2W、クリアタンク2CL、及び接着剤タンク2ADは、それぞれイエ
ロータンク接続部21Y、シアンタンク接続部21C、マゼンダタンク接続部21M、ブ
ラックタンク接続部21Bk、クリアタンク接続部21CL、及び接着剤タンク接続部2
1ADを介して、それぞれ固定流路部3のイエロー流路31Y、シアン流路31C、マゼ
ンダ流路31M、ブラック流路31Bk、クリア流路31CL、及び接着剤流路31AD
に接続されている。
【0034】
イエロー流路31Y、シアン流路31C、マゼンダ流路31M、ブラック流路31Bk
、クリア流路31CL、及び接着剤流路31ADは、それぞれ図示しないイエローチュー
ブ接続部、シアンチューブ接続部、マゼンダチューブ接続部、ブラックチューブ接続部、
クリアチューブ接続部、及び接着剤チューブ接続部を有するチューブ接続部32において
、それぞれ対応する図示しないイエローチューブ、シアンチューブ、マゼンダチューブ、
ブラックチューブ、クリアチューブ、及び接着剤チューブを有するフレキシブル流路部4
に接続される。
【0035】
フレキシブル流路部4は、ヘッド部5に接続する。ヘッド部5は、フレキシブル流路部
4に連結され、液体の噴射を行う記録ヘッド51と、記録ヘッド51を取り付けたキャリ
ッジ52とを有する。
【0036】
記録ヘッド51は、記録媒体Sに画像を印刷するために該記録媒体Sに各UVインクを
噴射するものである。本実施形態に係る記録ヘッド51は、インク別に設けられたイエロ
ーヘッド51Y、シアンヘッド51C、マゼンダヘッド51M、ブラックヘッド51Bk
、ホワイトヘッド51W、クリアヘッド51CL、及び接着剤ヘッド51ADを有する。
複数の各記録ヘッド51は、上下方向において略同一位置に固定され、かつ、水平方向に
おいて隣接して、又は一定間隔毎に、並んでいる。ここで、イエローヘッド51Y、シア
ンヘッド51C、マゼンダヘッド51M、ブラックヘッド51Bkが液体記録ヘッド及び
第2の液体記録ヘッドに対応し、ホワイトヘッド51Wが液体記録ヘッド及び第1の液体
記録ヘッドに対応する。
【0037】
図2は、記録ヘッド51の記録媒体Sに対向する面を示す図である。イエローヘッド5
1Y、シアンヘッド51C、マゼンダヘッド51M、ブラックヘッド51Bk、ホワイト
ヘッド51W、クリアヘッド51CL、及び接着剤ヘッド51ADの下面には、各記録ヘ
ッド51の長手方向に沿って列状に並ぶ複数のノズルNが形成されている。なお、各ノズ
ルNには不図示のインクチャンバ及びピエゾ素子が設けられている。各ノズルNは、ピエ
ゾ素子が駆動してインクチャンバが収縮・膨張されることにより、UVインク及び接着剤
等を滴状に噴射する。噴射された滴状のUVインク及び接着剤等は、記録媒体Sに着弾す
るとドットを形成する。そして、記録媒体S上の図柄領域が各記録ヘッド51と対向する
位置を通過する際に、各記録ヘッド51の複数のノズルNからUVインクが噴射され、図
柄領域に記録媒体Sの幅分のドットが一度に形成される。
【0038】
各色記録ヘッド51の位置関係については、本実施形態の位置関係に限定されるもので
はない。また、ホワイトヘッド51Wやクリアヘッド51CLについては、設けられてい
なくてもよい。
【0039】
キャリッジ52は、各記録ヘッド51を支持し、図示しないガイド等に案内され、プラ
テン9上の記録媒体Sの表面と平行又は略平行に、記録媒体Sの移動方向である副走査方
法と直交した主走査方向Mで往復移動することが可能である。
【0040】
紫外線照射部6は、記録ヘッド51及びキャリッジ52の主走査方向Mの両側に支持さ
れている。紫外線照射部6は、各記録ヘッド51が噴射したUVインクが記録媒体Sに着
弾してドットを形成した後に、当該ドットを記録媒体Sに定着させるために、記録媒体S
と対向して記録媒体Sに着弾したUVインクからなるドットに紫外線を照射する。
【0041】
なお、紫外線照射部6が紫外線を照射する際の光源は、UV−LED、メタルハライド
ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水
銀ランプ等が使用可能である。
【0042】
クリーニング部7は、カップ状のケース内にスポンジ等のインクを吸収する部材を入れ
て形成され記録ヘッド51の記録媒体Sと対向する面にある各ノズルNを覆うことが可能
な吸引キャップ71と、吸引キャップ71から吸引されたインクが流れる吸引流路72と
、空吹きした際のインクを回収するフラッシングボックス73と、フラッシングボックス
73が回収したインクが流れるフラッシング流路74と、吸引流路72及びフラッシング
流路74にそれぞれ接続されてインクを吸引する吸引ポンプ75と、吸引ポンプ75が吸
引したインクが流れる廃液流路76と、廃液流路76に接続されて回収したインクを貯留
する廃液タンク77等と、を有している。廃液タンク77は、プリンタ1に対して着脱可
能に取り付けられている。
【0043】
図3は、プリンタの制御システムを示すブロック図である。制御部100は、メモリ1
03に格納されているプログラムに従って、CPU102によりユニット制御回路104
を介して、プリンタ1のヘッド部5、紫外線照射部6、クリーニング部7、及び搬送部8
等を制御する。制御部100は、インターフェイス101を介してコンピュータ等の入力
部110と通信可能であり、入力部110から印刷データを受信すると、該印刷データに
基づいてヘッド部5、紫外線照射部6、クリーニング部7、及び搬送部8等を制御して該
印刷データに応じた画像を記録媒体Sに印刷する。なお、プリンタ1内の状況は検出部1
05によって監視されており、検出部105は検出結果に応じた信号を制御部100に向
けて出力する。
【0044】
次に、プリンタ1により画像を印刷する印刷動作を実施例に基づいて説明する。
【0045】
コンピュータ等の入力部101はプリンタ1の制御部100に印刷データを送信する。
次に、制御部100は、受信した印刷データ中の各種コマンドの内容を解析しプリンタ1
の各部を制御する。
【0046】
例えば、まず、記録媒体Sが搬送部8により搬送されて、画像領域と記録媒体Sが対向
する。記録媒体Sにヘッド部5のノズルNからUVインク等が噴射され記録媒体にドット
が形成される。次に、記録媒体Sが搬送部8により搬送されて、噴射されたUVインク等
と紫外線照射部6が対向し、紫外線照射部6が紫外線を照射する。この結果、UVインク
により形成されたドットが画像領域に定着する。その後、他のUVインクも同様に画像領
域に定着し、記録媒体S上にカラー画像、白画像、クリア光沢層、及び接着剤層等が印刷
される。
【0047】
また、本実施形態のプリンタ1では、記録ヘッド51のインク噴射部がインク等で汚れ
たとき、又は、所定量の記録を行った場合に、記録ヘッド51は、クリーニング部7の吸
引キャップ71又はフラッシングボックス73の上方の位置に移動させられ、インクノズ
ルに付着したインクを排除することが可能である。
【0048】
クリーニング処理では、吸引キャップ71が、図示を省略する昇降機構により記録ヘッ
ド51に向けて上昇し、各ノズルNを吸引キャップ71により覆う。吸引キャップ71は
各ノズルNに対して付勢された状態で当接され、一定の当接力を保持した状態で各ノズル
Nを覆う。記録ヘッド51の各ノズルNを吸引キャップ71により覆った状態で、吸引ポ
ンプ75を駆動して、各ノズルNを吸引し、ノズル内に負圧を発生させる。このように、
ノズル内に負圧を発生させた状態で、各ノズルから、連続吸引するクリーニングが行われ
る。また、クリーニング処理として、フラッシングボックス73にインクを連続噴射する
フラッシングが行われることもある。このようにクリーニング処理を行うことで、ノズル
内から増粘されたインクを排除することができ、ノズルの目詰まりを防止することができ
る。
【0049】
次に、本実施形態のプリンタ1の記録方法について実施例1〜4に基づいて説明する。
図4は実施例1〜4に対応する記録媒体Sの図柄領域P1を示す図、図5は実施例1の記
録媒体Sの図柄領域P1での断面図、図6は実施例2の記録媒体Sの図柄領域P1での断
面図、図7は実施例3の記録媒体Sの図柄領域P1での断面図、図8は実施例4の記録媒
体Sの図柄領域P1での断面図、図9は実施例1〜4に対応する図柄製品Pを記録媒体S
から剥離した状態を示す図である。
【0050】
本実施形態のプリンタ1では、図4に示すような記録媒体Sの図柄領域P1に図柄を記
録する。プリンタ1は、キャリッジ3の移動、記録ヘッド2のインクの噴射、及び記録媒
体Sの搬送等を制御することで、所望の画像を記録媒体Sに対して記録する。
【0051】
図5は、実施例1の記録媒体Sの図柄領域P1での断面図である。
【0052】
実施例1では、まず、図4に示した図柄領域P1のデータに基づいて、記録媒体Sの図
柄領域P1に向けて接着剤ヘッド51ADのノズルNから接着剤ADを噴射し、その後、
紫外線照射部6から紫外線を照射することにより、接着剤ADの接着作用を引き出し、接
着剤層PADを形成する。
【0053】
次に、記録媒体Sの図柄領域P1に噴射された接着剤層PADの上に重ねて、図柄領域P
1のデータに基づいて、図1及び2に示した各記録ヘッド51のノズルNからイエローイ
ンクY、シアンインクC、マゼンダインクM、ブラックインクBk等の液体としてのカラ
ーUVインクを記録媒体Sの図柄領域P1に向けて噴射し、その後、紫外線照射部6から
紫外線を照射することにより硬化させ、図柄層PPを形成する。なお、図柄層PPを形成す
る際に液体としてのホワイトインクWを使用してもよい。
【0054】
その後、図9に示すように、記録媒体Sから図柄製品Pを剥離し、記録媒体Sはそのま
ま再利用し、図柄製品Pは、シールとして貼付することができる。
【0055】
なお、実施例1では、記録媒体Sから剥離した後の図柄製品Pの強度が保持できる程度
に、図柄層PPを厚く形成することが好ましい。
【0056】
実施例1のプリンタ1によれば、接着剤層PADを記録媒体Sから剥離する簡単な作業で
、裁断機を用いることなく、所望の形状の印刷された図柄製品Pを短時間に低コストで取
得することが可能となる。さらに、剥離後の記録媒体Sは再利用することができ、コスト
を削減でき、環境にも優しいものとなる。
【0057】
図6は、実施例2の記録媒体Sの図柄領域P1での断面図である。
【0058】
実施例2では、図4に示した図柄領域P1のデータに基づいて、記録媒体Sの図柄領域
P1に向けて接着剤ヘッド51ADのノズルNから接着剤ADを噴射し、その後、紫外線
照射部6から紫外線を照射することにより、接着剤ADの接着作用を引き出し、接着剤層
ADを形成する。
【0059】
次に、記録媒体Sの図柄領域P1に噴射された接着剤層PADの上に重ねて、図柄領域P
1のデータに基づいて、図1及び2に示したホワイトヘッド51WのノズルNから第1の
液体としてのホワイトインクWを記録媒体Sの図柄領域P1に向けて噴射し、その後、紫
外線照射部6から紫外線を照射することにより硬化させ、下地層PWを形成する。
【0060】
次に、記録媒体Sの図柄領域P1に噴射された下地層PWの上に重ねて、図柄領域P1
のデータに基づいて、図1及び2に示した各記録ヘッド51のノズルNからイエローイン
クY、シアンインクC、マゼンダインクM、ブラックインクBk等の第2の液体としての
カラーUVインクを記録媒体Sの図柄領域P1に向けて噴射し、その後、紫外線照射部6
から紫外線を照射することにより、硬化した図柄層PPを形成する。なお、図柄層PPを形
成する際に第1の液体としてのホワイトインクWを使用してもよい。
【0061】
その後、図9に示すように、記録媒体Sから図柄製品Pを剥離し、記録媒体Sはそのま
ま再利用し、図柄製品Pは、シールとして貼付することができる。
【0062】
なお、実施例2では、記録媒体Sから剥離した後の図柄製品Pの強度が保持できる程度
に、少なくとも図柄層PP又は下地層PWのどちらか一方を厚く形成することが好ましい。
【0063】
実施例2のプリンタ1によれば、接着剤層PADを記録媒体Sから剥離する簡単な作業で
、裁断機を用いることなく、所望の形状の印刷された図柄製品Pを短時間に低コストで取
得することが可能となる。さらに、剥離後の記録媒体Sは再利用することができ、コスト
を削減でき、環境にも優しいものとなる。また、接着剤層PADと図柄層PPの間に下地層
Wを形成するので、下地層PWで接着剤層PADの色を隠すことができ、接着剤層PADに直
接図柄層PPを形成する実施例1の図柄製品Pと比較して、高画質の図柄製品Pを取得す
ることが可能となる。
【0064】
図7は、実施例3の記録媒体Sの図柄領域P1での断面図である。
【0065】
実施例3では、まず、図4に示した図柄領域P1のデータに基づいて、記録媒体Sの図
柄領域P1に向けて接着剤ヘッド51ADのノズルNから接着剤ADを噴射し、その後、
紫外線照射部6から紫外線を照射することにより、接着剤ADの接着作用を引き出し、接
着剤層PADを形成する。
【0066】
次に、記録媒体Sの図柄領域P1に噴射された接着剤層PADの上に重ねて、図柄領域P
1のデータに基づいて、図1及び2に示した各記録ヘッド51のノズルNからイエローイ
ンクY、シアンインクC、マゼンダインクM、ブラックインクBk等の液体としてのカラ
ーUVインクを記録媒体Sの図柄領域P1に向けて噴射し、その後、紫外線照射部6から
紫外線を照射することにより硬化させ、図柄層PPを形成する。なお、図柄層PPを形成す
る際に液体としてのホワイトインクWを使用してもよい。
【0067】
次に、記録媒体Sの図柄領域P1に噴射された図柄層PPの上に重ねて、図柄領域P1
のデータに基づいて、図1及び2に示したクリアヘッド51CLのノズルNからクリア剤
CLを記録媒体Sの図柄領域P1に向けて噴射し、クリア層PCLを形成する。
【0068】
その後、図9に示すように、記録媒体Sから図柄製品Pを剥離し、記録媒体Sはそのま
ま再利用し、図柄製品Pは、シールとして貼付することができる。
【0069】
なお、実施例3では、記録媒体Sから剥離した後の図柄製品Pの強度が保持できる程度
に、少なくとも図柄層PP又はクリア層PCLのどちらか一方を厚く形成することが好まし
い。
【0070】
実施例3のプリンタ1によれば、接着剤層PADを記録媒体Sから剥離する簡単な作業で
、裁断機を用いることなく、所望の形状の印刷された図柄製品Pを短時間に低コストで取
得することが可能となる。さらに、剥離後の記録媒体Sは再利用することができ、コスト
を削減でき、環境にも優しいものとなる。また、図柄層PPの上にクリア層PCLを形成す
ることで、光沢があり鮮明な図柄製品Pを取得できると共に、外部の汚れ等から図柄を守
ることが可能となる。
【0071】
図6は、実施例4の記録媒体Sの図柄領域P1での断面図である。
【0072】
実施例4では、図4に示した図柄領域P1のデータに基づいて、記録媒体Sの図柄領域
P1に向けて接着剤ヘッド51ADのノズルNから接着剤ADを噴射し、その後、紫外線
照射部6から紫外線を照射することにより、接着剤ADの接着作用を引き出し、接着剤層
ADを形成する。
【0073】
次に、記録媒体Sの図柄領域P1に噴射された接着剤層PADの上に重ねて、図柄領域P
1のデータに基づいて、図1及び2に示したホワイトヘッド51WのノズルNから第1の
液体としてのホワイトインクWを記録媒体Sの図柄領域P1に向けて噴射し、その後、紫
外線照射部6から紫外線を照射することにより硬化させ、下地層PWを形成する。
【0074】
次に、記録媒体Sの図柄領域P1に噴射された下地層PWの上に重ねて、図柄領域P1
のデータに基づいて、図1及び2に示した各記録ヘッド51のノズルNからイエローイン
クY、シアンインクC、マゼンダインクM、ブラックインクBk等の第2の液体としての
カラーUVインクを記録媒体Sの図柄領域P1に向けて噴射し、その後、紫外線照射部6
により紫外線を照射することにより硬化させ、図柄層PPを形成する。なお、図柄層PP
形成する際に第1の液体としてのホワイトインクWを使用してもよい。
【0075】
次に、記録媒体Sの図柄領域P1に噴射された図柄層PPの上に重ねて、図柄領域P1
のデータに基づいて、図1及び2に示したクリアヘッド51CLのノズルNからクリア剤
CLを記録媒体Sの図柄領域P1に向けて噴射し、クリア層PCLを形成する。
【0076】
その後、図9に示すように、記録媒体Sから図柄製品Pを剥離し、記録媒体Sはそのま
ま再利用し、図柄製品Pは、シールとして貼付することができる。
【0077】
なお、実施例4では、記録媒体Sから剥離した後の図柄Pの強度が保持できる程度に、
少なくとも下地層PW、図柄層PP又はクリア層PCLのいずれか1つを厚く形成することが
好ましい。
【0078】
実施例4のプリンタ1によれば、接着剤層PADを記録媒体Sから剥離する簡単な作業で
、裁断機を用いることなく、所望の形状の印刷された図柄製品Pを短時間に低コストで取
得することが可能となる。さらに、剥離後の記録媒体Sは再利用することができ、コスト
を削減でき、環境にも優しいものとなる。また、下地層PWで接着剤層PADの色を隠すこ
とができ、接着剤層PADに直接図柄層PPを形成する図柄製品Pと比較して、光沢があり
鮮明で高画質な図柄製品Pを取得できると共に、外部から図柄を守ることが可能となる。
【0079】
次に、本実施形態のプリンタ1のフラッシング方法について説明する。
【0080】
図10は実施例5又は6に対応する記録媒体の図柄領域P1及びフラッシング領域FL
1を示す図、図11は実施例5の記録媒体Sのフラッシング領域FL1での断面図、図1
2は実施例6の記録媒体Sのフラッシング領域FL1での断面図、図13は実施例5又は
6に対応するフラッシング成形品FLを記録媒体Sから剥離した状態を示す図である。
【0081】
本実施形態では、フラッシング方法として、フラッシングボックス83にインクを噴射
する方法の他に、図10に示すように、記録媒体Sにフラッシングする方法がある。記録
媒体Sにフラッシングする際は、図柄領域P1のデータに基づいて図柄領域P1以外のフ
ラッシング領域FLに空吹き噴射する。例えば、シリアル印刷の場合には記録媒体Sの図
柄領域P1の左右両端、ライン印刷の場合には記録媒体Sの図柄領域P1の上下にフラッ
シングすると好ましい。
【0082】
図5は、実施例5の記録媒体Sのフラッシング領域FL1での断面図である。
【0083】
実施例5では、まず、記録媒体Sに図柄領域P1のデータに基づいて、図柄領域P1以
外のフラッシング領域FL1に、図1及び図2に示した接着剤ヘッド51ADのノズルN
から接着剤ADを噴射し、その後、紫外線照射部6から紫外線を照射することにより、接
着剤ADの接着作用を引き出し、接着剤層PADを形成する。
【0084】
次に、記録媒体Sのフラッシング領域FL1に噴射された接着剤層PADの上に重ねて、
イエローヘッド51Y、シアンヘッド51C、マゼンダヘッド51M、ブラックヘッド5
1Bk、ホワイトヘッド51W、クリアヘッド51CL、及び接着剤ヘッド51ADのう
ち、所望のノズルNを空吹き噴射し、その後、紫外線照射部6から紫外線を照射すること
により硬化させ、フラッシング層PFLを形成する。なお、所望のノズルNは複数でもよい

【0085】
その後、図13に示すように、記録媒体Sから接着剤層PAD及びフラッシング層PFL
らなるフラッシング成形品FLを剥離し、記録媒体Sはそのまま再利用し、フラッシング
成形品FLは、廃棄する。
【0086】
また、実施例5のプリンタ1によれば、記録媒体S上の図柄層PPから外れたフラッシ
ング領域FL1に、接着剤層PADを形成した後、接着剤層PADの上にフラッシングするの
で、印刷の途中でもフラッシングすることが可能となり、フラッシングするためにわざわ
ざ記録媒体Sに対向する位置から対向しない位置へ、ヘッド部5を移動させる必要がなく
、短時間でフラッシングすることができる。さらに、フラッシング後、接着剤層PADを記
録媒体Sから剥離する簡単な作業で、フラッシング後硬化された液体からなるフラッシン
グ成形品FLを廃棄することが可能となる。
【0087】
図12は、実施例6の記録媒体Sのフラッシング領域FL1での断面図である。
【0088】
実施例6では、まず、記録媒体Sに図柄領域P1のデータに基づいて図柄領域P1以外
のフラッシング領域FL1に、図1及び2に示した接着剤ヘッド51ADのノズルNから
接着剤ADを噴射し、その後、紫外線照射部6から紫外線を照射することにより、紫外線
の熱で接着剤ADの定着し、接着剤層PADを形成する。
【0089】
次に、記録媒体Sのフラッシング領域FL1に噴射された接着剤層PADの上に重ねて、
図1及び2に示したホワイトヘッド51WのノズルNから第1の液体としてのホワイトイ
ンクWを噴射し、その後、紫外線照射部6から紫外線を照射することにより硬化させ、下
地層PWを形成する。
【0090】
次に、記録媒体Sのフラッシング領域FL1に噴射された下地層PWの上に重ねて、イ
エローヘッド51Y、シアンヘッド51C、マゼンダヘッド51M、ブラックヘッド51
Bk、ホワイトヘッド51W、クリアヘッド51CL、及び接着剤ヘッド51ADのうち
、所望のノズルNを空吹き噴射し、その後、紫外線照射部6から紫外線を照射することに
より硬化させ、フラッシング成形品FLを形成する。なお、所望のノズルNは複数でもよ
い。
【0091】
その後、図13に示すように、記録媒体Sから接着剤層PAD、下地層PW及びフラッシ
ング層PFLからなるフラッシング成形品FLを剥離し、記録媒体Sはそのまま再利用し、
フラッシング成形品FLは、廃棄する。
【0092】
実施例6のプリンタ1によれば、記録媒体S上の図柄層PPから外れたフラッシング領
域FL1に、接着剤層PADを形成した後、接着剤層PADの上にフラッシングするので、印
刷の途中でもフラッシングすることが可能となり、フラッシングするためにわざわざ記録
媒体Sに対向する位置から対向しない位置へ、ヘッド部5を移動させる必要がなく、短時
間でフラッシングすることができる。さらに、フラッシング後、接着剤層PADを記録媒体
Sから剥離する簡単な作業で、フラッシング後硬化された液体からなるフラッシング成形
品FLを廃棄することが可能となる。また、接着剤層PADとフラッシング層PFLの間に下
地層PWを形成するので、フラッシング成形品FLの強度が強くなり、容易に記録媒体S
から剥離することができる。
【0093】
なお、実施例1〜6において、イエローインクY、シアンインクC、マゼンダインクM
、ブラックインクBk等のカラーUVインク、ホワイトインクW及びクリアインクCLは
紫外線照射部6が紫外線を照射することで硬化するので、各層毎の表面状態を自由に制御
可能となる。
【0094】
また、接着剤ADは紫外線照射部6が紫外線を照射することで発生する熱により定着す
るので、接着剤ADの定着のための装置を新たに用いる必要がなく、インクを硬化させる
ための紫外線照射部6を共通で使用することができ、コストを削減することができる。
【0095】
以上、上記の実施形態に基づき本発明に係る液体噴射装置、及び液体噴射装置の制御方
法について説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするための
ものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、
変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0096】
また、上記の実施形態では、記録ヘッド51の各々から噴射されるインクは、紫外線を
受けて硬化するUVインクであることとしたが、これに限定されるものではない。例えば
、一般的な水性インク及び油性インク(すなわち、非紫外線硬化型のインク)であっても
よい。記録ヘッド51が一般的な水性インク及び油性インクを噴射する場合であっても、
印字間距離を変更することにより、画質のバリエーションを増やすことは可能である。具
体的に説明すると、上記のインクが記録ヘッド51から噴射されて媒体に着弾すると、当
該インクは前記媒体上で滲み広がる。当該インクの滲み度合いは、プリンタ1が再現可能
な色に影響を及ぼし、また、前記印字間隔を調整することにより調整可能である。したが
って、印字間距離を変更して前記印字間隔を調整すれば、インクの滲み度合いが調整され
る結果、プリンタ1が再現可能な色についてバリエーションを増やすことが可能になる。
【符号の説明】
【0097】
1…プリンタ(液体噴射装置)、2…タンク部、3…固体流路、4…フレキシブル流路、
5…ヘッド部、51…記録ヘッド、51AD…接着剤ヘッド、51CL…クリアヘッド、
51W…ホワイトヘッド(液体記録ヘッド、第1の液体記録ヘッド)、51Y…イエロー
ヘッド(液体記録ヘッド、第2の液体記録ヘッド)、51C…シアンヘッド(液体記録ヘ
ッド、第2の液体記録ヘッド)、51M…マゼンダヘッド(液体記録ヘッド、第2の液体
記録ヘッド)、51Bk…ブラックヘッド(液体記録ヘッド、第2の液体記録ヘッド)、
52…キャリッジ、6…紫外線照射部、7…クリーニング部、8…搬送部、AD…接着剤
、CL…クリアインク(透明な液体)、W…白インク(液体及び第1の液体)、Y…イエ
ローインク(液体及び第2の液体)、C…シアンインク(液体及び第2の液体)、M…マ
ゼンダインク(液体及び第2の液体)、Bk…ブラックインク(液体及び第2の液体)S
…記録媒体、P1…図柄領域、PAD…接着剤層、PP…図柄層、PW…下地層、PCL…クリ
ア層、P…図柄製品、FL1…フラッシング領域、PFL…フラッシング層、FL…フラッ
シング成形品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤を噴射する接着剤ヘッドと、
液体を噴射する液体記録ヘッドと、
前記接着剤が剥離しやすいように表面処理された記録媒体上に、前記接着剤ヘッドから
前記接着剤を噴射して接着剤層を形成した後、前記接着剤層の上に前記液体記録ヘッドか
ら前記液体を噴射して図柄層を形成する制御部と、
を有することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記液体記録ヘッドは、第1の液体記録ヘッド及び第2の液体記録ヘッドを有し、
前記制御部は、前記接着剤層を形成した後、前記接着剤層の上に前記第1の液体記録ヘ
ッドから前記第1の液体を噴射して下地層を形成し、前記下地層の上に前記第2の液体記
録ヘッドから前記第2の液体を噴射して図柄層を形成する
請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
透明な液体を噴射するクリアヘッドをさらに有し、
前記制御部は、前記図柄層の上に前記クリアヘッドから前記透明な液体を噴射してクリ
ア層を形成する
請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記記録媒体上の前記図柄層以外の場所に、前記接着剤ヘッドから前記
接着剤を噴射して接着剤層を形成した後、前記接着剤層の上に前記液体記録ヘッドからフ
ラッシングしてフラッシング層を形成する
請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記接着剤層と前記フラッシング層の間に、前記液体記録ヘッドから前
記液体を噴射して下地層を形成する
請求項4に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記記録媒体に向けて紫外線を照射する紫外線照射部をさらに有し、
前記液体は、前記紫外線照射部が紫外線を照射することで硬化する
請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の液体噴射装置。
【請求項7】
前記接着剤は、前記紫外線照射部が紫外線を照射することで発生する熱により定着する
請求項6に記載の液体噴射装置。
【請求項8】
記録媒体上に、
接着剤を噴射して接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層の上に第1の液体を噴射して下地層を形成する工程と、
前記下地層の上に第2の液体を噴射して図柄層を形成する工程と、
前記図柄層の上に透明な液体を噴射してクリア層を形成する工程と、
を有することを特徴とする液体噴射装置の制御方法

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−91095(P2012−91095A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239337(P2010−239337)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】