説明

液体噴射装置

【課題】閉弁時に開閉弁の膜状部が揺動部材から付与される押圧力によって疲弊することを抑制することが可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】インクジェット式プリンタは、インクを噴射する記録ヘッドにインクを供給するための液体供給路と、該液体供給路を開閉する際に可撓性を有する第1膜状部47b及び第2膜状部48bがそれぞれ変位する第1開閉弁47及び第2開閉弁48と、第1開閉弁47及び第2開閉弁48の閉弁時に第1膜状部47b及び第2膜状部48bをそれぞれ閉弁方向へ変位させるための押圧力を付与するために揺動する作動板73及び作動板72と、第1開閉弁47及び第2開閉弁48の閉弁時に作動板73及び作動板72からの押圧力をそれぞれ受けて第1膜状部47b及び第2膜状部48bと直交する方向に移動して該第1膜状部47b及び第2膜状部48bを閉弁方向に変位させる第1中継部材49及び第2中継部材50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインクジェット式プリンタなどの液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体をターゲットに対して噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)が広く知られている。このプリンタは、インク(液体)を噴射する記録ヘッド(液体噴射ヘッド)にインクを収容するインクカートリッジからインクを供給し、そのインクを記録ヘッドのノズル形成面に形成されたノズルからターゲットとしての記録用紙に噴射することにより印刷を行うようになっている。そして、こうしたプリンタでは、記録ヘッドから離れた位置にインクカートリッジが配置されている場合、そのインクカートリッジからプリンタ内部に引き回されたチューブを介してインクが記録ヘッド側に供給されるようになっている。
【0003】
ところで、記録ヘッドのノズルから噴射しているインクを別の種類のインクに変更する場合には、まず、それまで使用していたインクカートリッジからのインクの供給が止められ、その状態からチューブ内の残存インクが記録ヘッドのノズルを介して排出される。そして、残存インクの排出によりチューブ内をきれいにした後に、別の種類のインクが収容されたインクカートリッジからこの別の種類のインクがチューブを介して記録ヘッド側に供給されるようになっている。
【0004】
そのため、このように記録ヘッドのノズルから噴射するインクの種類を変更する場合には、チューブ内に残った変更前のインクを吸引して排出しなければならないので、インクの無駄が多くなってしまうという問題があった。そこで、こうした問題に対処するため、従来から、記録ヘッドの近傍に各インクカートリッジとインクカートリッジ毎に対応したチューブを介して接続されるインクの切換装置を設けたプリンタが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
この特許文献1のプリンタでは、切換装置内において、記録ヘッドに供給するインクの種類が、第1種類のインクと第2種類のインクとの間で切り換え可能になっている。すなわち、切換装置内では、第1種類のインクを供給する第1通路部の下流端と第2種類のインクを供給する第2通路部の下流端とが合流しており、該合流点と記録ヘッドとの間がインクを記録ヘッドに供給するヘッド側供給路により接続されている。さらに、この切換装置内には、第1通路部を開閉する第1ダイアフラム(開閉弁)と第2通路部を開閉する第2ダイアフラム(開閉弁)とが設けられており、一方のダイアフラムを開弁させると共に、他方のダイアフラムを閉弁させることにより、第1種類のインクと第2種類のインクとの供給状態を切り換えるようになっている。
【0006】
すなわち、この切換装置では、記録ヘッドに第1種類のインクを供給する場合には、第1通路部の第1ダイアフラムが開弁されるとともに第2通路部の第2ダイアフラムが閉弁される。一方、記録ヘッドに第2種類のインクを供給する場合には、第2通路部の第2ダイアフラムが開弁されるとともに第1通路部の第1ダイアフラムが閉弁される。
【特許文献1】特開2006−175626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1のプリンタでは、ダイアフラムの中央部分が可撓性を有する膜状部になっており、この膜状部を揺動部材の先端部に形成された押圧部が直接押圧することで、ダイアフラムを閉弁させるようになっている。このため、ダイアフラムは、その閉弁時に、揺動部材の押圧部によって膜状部が捩られるような応力を受けることになり、膜状部が疲弊してしまうことがあるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、閉弁時に開閉弁の膜状部が揺動部材から付与される押圧力によって疲弊することを抑制することが可能な液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の液体噴射装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドに液体を供給するための液体供給路と、該液体供給路を開閉する際に可撓性を有する膜状部が変位する開閉弁と、該開閉弁の閉弁時に前記膜状部を閉弁方向へ変位させるための押圧力を付与するために揺動する揺動部材と、該揺動部材と前記開閉弁の膜状部との間に介在し、該開閉弁の閉弁時には、前記揺動部材からの押圧力を受けて前記開閉弁の膜状部と直交する方向に移動して該膜状部を閉弁方向に変位させる中継部材とを備える。
【0010】
この発明によれば、開閉弁の閉弁時には、揺動部材からの押圧力が中継部材を介して膜状部に伝達される。すなわち、開閉弁の閉弁時には、膜状部が揺動部材と直接接触することなく該揺動部材からの押圧力を受けることができるので、膜状部が揺動部材から付与される押圧力によって疲弊することを抑制することが可能となる。
【0011】
本発明の液体噴射装置は、前記中継部材における前記膜状部と対向する面と前記膜状部における前記中継部材と対向する面とは平行になっている。
この発明によれば、中継部材が揺動部材からの押圧力を受けて膜状部を閉弁方向に変位させる際に、中継部材における膜状部と対向する面と膜状部における中継部材と対向する面とが平行状態を維持しつつ、中継部材における膜状部と対向する面が膜状部における中継部材と対向する面に当接することで、揺動部材からの押圧力を、中継部材を介して膜状部に均一に伝達することが可能となる。
【0012】
本発明の液体噴射装置は、前記開閉弁が、前記中継部材を前記膜状部と直交する方向に沿って移動するように案内する案内面を有する。
この発明によれば、中継部材が揺動部材からの押圧力を受けて膜状部を閉弁方向に変位させる際に、該中継部材を案内面により確実に膜状部と直交する方向に沿って移動するように案内することが可能となる。
【0013】
本発明の液体噴射装置は、前記開閉弁が、前記中継部材を前記膜状部と直交する方向へ移動自在に挿通させる筒部を備え、該筒部の内側面により前記案内面が構成されている。
この発明によれば、中継部材が揺動部材からの押圧力を受けて膜状部を閉弁方向に変位させる際に、該中継部材を案内面によりバランス良く確実に膜状部と直交する方向に沿って移動するように案内することが可能となる。
【0014】
本発明の液体噴射装置は、前記開閉弁が、前記中継部材を前記膜状部と直交する方向へ移動自在に収容する収容凹部を備え、該収容凹部の底壁により前記膜状部が構成されると共に、前記収容凹部の内側面により前記案内面が構成されている。
【0015】
通常、膜状部の周囲に隙間が形成されると、液体供給路を流れる液体中に含まれる気泡が、この隙間に入り込んで抜けにくくなる。この点、この発明によれば、収容凹部の底壁により膜状部が構成されることで、該膜状部の周囲に隙間が形成されないので、液体供給路を流れる液体中に含まれる気泡が膜状部の周囲に溜まらないようにすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を、インクジェット式プリンタ及びこのプリンタに装着されるインクカートリッジに具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は図1に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
【0017】
図1に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ11は、平面視矩形状をなす本体フレーム12を備えるとともに、該本体フレーム12内にはプラテン13が主走査方向となる左右方向に沿って延びるように設けられている。このプラテン13上には、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての記録用紙(図示略)が副走査方向となる前後方向に沿って給送されるようになっている。また、本体フレーム12内におけるプラテン13の上方には、該プラテン13の長手方向(左右方向)と平行に延びる棒状のガイド軸14が架設されている。
【0018】
このガイド軸14には、キャリッジ15が、該ガイド軸14の軸線方向(左右方向)への往復移動可能な状態で支持されている。キャリッジ15は、本体フレーム12の後壁内面に設けられた一対のプーリ16a間に張設された無端状のタイミングベルト16を介して本体フレーム12の背面に設けられたキャリッジモータ17に連結されている。したがって、キャリッジ15は、キャリッジモータ17の駆動により、ガイド軸14に沿って往復移動されるようになっている。
【0019】
図1及び図2に示すように、キャリッジ15におけるプラテン13と対向する面側には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド18が搭載されている。また、キャリッジ15上には、一時貯留した液体としてのインクを記録ヘッド18に供給する複数(本実施形態では4つ)のバルブユニット19a〜19dが設けられている。記録ヘッド18の下面には、複数(本実施形態では3つ)のノズル20a〜20cが形成されており、これら各ノズル20a〜20cからプラテン13上に給送された記録用紙(図示略)にインク滴が噴射されることにより、印刷が行われるようになっている。
【0020】
本体フレーム12内の右端部には、カートリッジホルダ21が設けられるとともに、該カートリッジホルダ21には、互いに種類の異なるインクを収容した複数(本実施形態では4つ)のインクカートリッジ22a〜22dがそれぞれ着脱自在に装着されている。カートリッジホルダ21は、キャリッジ15上の各バルブユニット19a〜19dとそれぞれインク供給チューブ24a〜24dを介して接続されている。そして、カートリッジホルダ21に各インクカートリッジ22a〜22dを装着した場合には、各インクカートリッジ22a〜22dがインク供給チューブ24a〜24dを介して各バルブユニット19a〜19dとそれぞれ連通するようになっている。
【0021】
インクカートリッジ22a及びインクカートリッジ22bには、それぞれ第1液体としてのフォトブラックインク及び第2液体としてのマットブラックインクが収容されている。したがって、バルブユニット19aにはフォトブラックインクが一時貯留されるとともに、バルブユニット19bにはマットブラックインクが一時貯留されるようになっている。
【0022】
この場合、フォトブラックインクは記録用紙が光沢系用紙である場合の印刷に適しており、マットブラックインクは記録用紙がマット系用紙である場合の印刷に適している。そこで、キャリッジ15上における両バルブユニット19a,19bと記録ヘッド18との間には、該両バルブユニット19a,19bから記録ヘッド18に供給されるインクがフォトブラックインク及びマットブラックインクのうちのいずれか一方となるように切り換えるための切換装置25が設けられている。
【0023】
すなわち、切換装置25は、記録ヘッド18のノズル20aから噴射されるインクを、例えば記録用紙が光沢系用紙であるかマット系用紙であるかによって、フォトブラックインクとマットブラックインクとの間で切り換え可能になっている。なお、切換装置25は、インクの切り換えを行う切換ユニット25Aと、該切換ユニット25Aを駆動する駆動ユニット25Bとにより構成されている。
【0024】
また、本体フレーム12内の右端部寄り位置であって、キャリッジ15のホームポジションには、記録ヘッド18のクリーニング等を行うためのメンテナンスユニット26が配設されている。このメンテナンスユニット26は、記録ヘッド18の各ノズル20a〜20cを封止したり、該各ノズル20a〜20cからフラッシングによって吐出されるインクを受容したりするためのキャップ27を備えている。
【0025】
次に、切換装置25を構成する切換ユニット25Aの構成について詳述する。
図3〜図5に示すように、切換ユニット25Aは、左右対称の略ブロック形状をなす本体30を備えているとともに、該本体30の上面には左右方向に所定間隔を置いて対をなすように第1接続管31及び第2接続管32が立設されている。第1接続管31はバルブユニット19aに接続されるとともに、第2接続管32はバルブユニット19bに接続されるようになっている。第1接続管31の前側には左側に開口した有底円筒状の第1弁体収容部33が設けられるとともに、第2接続管32の前側には右側に開口した有底円筒状の第2弁体収容部34が設けられている。
【0026】
第1弁体収容部33と第2弁体収容部34とは、連結部35を介して連結されている。連結部35内には左右方向に直線状に延びる連結路36が形成されており、該連結路36を介して第1弁体収容部33と第2弁体収容部34とがこれらの中心部において互いに連通している。すなわち、第1弁体収容部33及び第2弁体収容部34の中心部には、それぞれ連結路36が開口している。
【0027】
また、本体30には、第1接続管31と第1弁体収容部33内とを連通する第1連絡溝37が形成されている。すなわち、第1連絡溝37は、その基端が第1接続管31に接続され、本体30の左面上、第1弁体収容部33の内周面33a上、第1弁体収容部33の内底面33b上を通って該内底面33b上における連結路36を上側から前方側に回り込むように延びており、その先端が内底面33bにおける連結路36の前斜め下側まで達している。なお、第1弁体収容部33の内底面33b上には、連結路36を囲むように円環状の第1突起33cが突出形成されている。
【0028】
また、第1連絡溝37と同様に、本体30には、第2接続管32と第2弁体収容部34内とを連通する第2連絡溝38が形成されている。すなわち、第2連絡溝38は、その基端が第2接続管32に接続され、本体30の右面上、第2弁体収容部34の内周面34a上、第2弁体収容部34の内底面34b上を通って該内底面34b上における連結路36を上側から前方側に回り込むように延びており、その先端が内底面34bにおける連結路36の前斜め下側まで達している。なお、第2弁体収容部34の内底面34b上には、連結路36を囲むように円環状の第2突起34cが突出形成されている。
【0029】
図5及び図6に示すように、連結路36の左右方向の中央における前側の位置には、該連結路36内と連結部35の上面に形成された前後方向に延びる凹溝40内における前端部とを連通する第1貫通孔39が形成されている。一方、凹溝40内における後端部には、記録ヘッド18(図2参照)と連通する第2貫通孔41が形成されている。そして、連結部35の上面には、凹溝40の上端開口を封止する図示しない封止部材が配設されている。なお、本実施形態では、第1貫通孔39、凹溝40、及び第2貫通孔41によりヘッド側供給路が構成されている。
【0030】
図5に示すように、連結路36において、左右方向の中央部から左側部分は第1連結路44とされるとともに、左右方向の中央部から右側部分は第2連結路45とされている。したがって、連結路36における中央部は、第1連結路44と第2連結路45との合流点Gとなっており、該合流点Gにおいて第1連結路44、第2連結路45、及び第1貫通孔39が互いに連通している。
【0031】
そして、本実施形態では、第1連絡溝37(図4参照)、第1弁体収容部33内、及び第1連結路44により第1供給路が構成されるとともに、第2連絡溝38、第2弁体収容部34内、及び第2連結路45により第2供給路が構成されている。さらに、本実施形態では、第1供給路、第2供給路、及び上記したヘッド側供給路により液体供給路が構成されている。なお、連結路36の両端部(第1連結路44の左端部及び第2連結路45の右端部)には中央部よりも径の広い拡径部36aが設けられている。
【0032】
図7に示すように、第1連結路44内及び第2連結路45内には、略円柱状の伝達部材46が左右方向に摺動可能にそれぞれ収容されている。ここで、図8に示すように、伝達部材46は、円柱状の小径部46aと、該小径部46aの一端部を該小径部46aよりも径を大きくしてなる大径部46bとを備えている。大径部46bには、伝達部材46の軸線方向を中心に90度程度回転させた分だけ小径部46aと同じ径となる切欠部46cが形成されている。
【0033】
そして、図3及び図7に示すように、2つの伝達部材46のうちの一方の伝達部材46を小径部46a側から第1連結路44内に挿入するとともに、他方の伝達部材46を小径部46a側から第2連結路45内に挿入することで、第1連結路44内及び第2連結路45内にそれぞれ伝達部材46が収容されている。この場合、両伝達部材46の切欠部46cは下側を向いており、両伝達部材46の大径部46bは連結路36の拡径部36a内にそれぞれ収容されている。また、両伝達部材46の小径部46a側の端面は、連結路36における左右方向の中央部において互いに当接している。そして、2つの伝達部材46の長手方向の長さの和は、連結路36の左右方向の長さよりも若干長くなっている。
【0034】
第1弁体収容部33内及び第2弁体収容部34内には、円板状の可撓性を有する開閉弁としての第1開閉弁47及び該第1開閉弁47と同一構成の開閉弁としての第2開閉弁48がそれぞれ遊嵌されている。第1開閉弁47及び第2開閉弁48の外側中央部には、それぞれ円形の収容凹部としての第1凹部47a及び収容凹部としての第2凹部48aが設けられている。第1凹部47a内及び第2凹部48a内には、剛性を有する円板状の中継部材としての第1中継部材49及び中継部材としての第2中継部材50がそれぞれ遊嵌されている。
【0035】
この場合、第1凹部47aと第2凹部48aとは同一構成になっているとともに、第1中継部材49と第2中継部材50とは同一構成になっている。なお、本体30の左面には第1弁体収容部33の開口及び第1連絡溝37の開口を封止するように可撓性フィルム51(図10参照)が取着されており、同様に、本体30の右面には第2弁体収容部34の開口及び第2連絡溝38の開口を封止するように可撓性フィルム51が取着されている。
【0036】
図7及び図10に示すように、第1開閉弁47における第1凹部47aの底壁は膜状部としての第1膜状部47bとされており、第1凹部47aの内底面47c(第1膜状部47bにおける第1中継部材49と対向する面)と第1中継部材49の右面49a(第1中継部材49における第1膜状部47bと対向する面)とは平行になっている。また、第1凹部47aの内周面(内側面)は、内底面47cと直交しているとともに、案内面としての第1案内面47dを構成している。
【0037】
一方、第2開閉弁48における第2凹部48aの底壁は膜状部としての第2膜状部48bとされており、第2凹部48aの内底面48c(第2膜状部48bにおける第2中継部材50と対向する面)と第2中継部材50の左面50a(第2中継部材50における第2膜状部48bと対向する面)とは平行になっている。また、第2凹部48aの内周面(内側面)は、内底面48cと直交しているとともに、案内面としての第2案内面48dを構成している。
【0038】
次に、切換装置25を構成する駆動ユニット25Bの構成について詳述する。
図9に示すように、駆動ユニット25Bは、卵形をなす板カム71と、揺動部材としての2つの作動板72,73とを備えている。板カム71の中央部からは、該板カム71と直交する方向へ軸74が延設され、該軸74の先端には、カムモータ75が連結されている。そして、カムモータ75の駆動により、軸74を介して板カム71が、軸74を中心に正転方向または逆転方向(図中の矢印で示す方向)に回動されるようになっている。
【0039】
2つの作動板72,73は、同一形状であり、これらはともに略Z字板状をなしている。両作動板72,73は、これらのうち一方のみを裏返しにした状態で、これらの中央部において互いに交差するように重ね合わせられている。そして、両作動板72,73は、これらと直交する方向に延びる軸76により、互いにこれらの中央部において揺動自在に支持されている。すなわち、両作動板72,73は、それぞれが軸76を中心に正転方向または逆転方向に揺動されるようになっている。
【0040】
両作動板72,73は、軸76を境として、一端側がそれぞれ従動部72a,73aとされ、他端側がそれぞれ押圧作動部72b,73bとされている。そして、これら従動部72a,73a間に挟まれるように板カム71が配置されている。従動部72a,73aは、その先端側がそれぞれ板カム71側に屈曲した形状をなし、従動部72a,73aの先端はそれぞれ板カム71の周縁部に摺接している。
【0041】
従動部72aと押圧作動部73bとの間にはコイルバネ77が介在され、該コイルバネ77により従動部72aと押圧作動部73bとが常に離間する方向に付勢されるようになっている。また、同様に、従動部73aと押圧作動部72bとの間にはコイルバネ77が介在され、該コイルバネ77により従動部73aと押圧作動部72bとが常に離間する方向に付勢されるようになっている。したがって、両従動部72a,73aの先端は、2つのコイルバネ77の付勢力により、それぞれ常に板カム71の周縁部に押し付けられている。
【0042】
両押圧作動部72b,73bの先端部には、互いに対向するように内側に向かって延びる凸部72c,73cがそれぞれ設けられている。そして、両押圧作動部72b,73b間には、切換ユニット25Aが配置されている。この場合、切換ユニット25Aは、第2中継部材50の右面が押圧作動部72bの凸部72cの先端面と対向する一方、第1中継部材49の左面が押圧作動部73bの凸部73cの先端面と対向するように配置されている。
【0043】
そして、板カム71を回動させることで、凸部72cが可撓性フィルム51を介して第2中継部材50を右側から左側に向かって押圧したり、凸部73cが可撓性フィルム51を介して第1中継部材49を左側から右側に向かって押圧したりするように、両作動板72,73が揺動するようになっている。なお、図9は、凸部72cが可撓性フィルム51を介して第2中継部材50を右側から左側に向かって押圧している状態を示している。
【0044】
次に、切換装置25の作用について説明する。
図10及び図11は、本体30の連結部35及び該連結部35付近における下側から見たときの断面図である。
【0045】
さて、図9及び図10に示すように、記録ヘッド18に供給するインクをマットブラックインクからフォトブラックインクに切り換える場合には、まず、板カム71を回動させて、凸部72cにより可撓性フィルム51を介して第2中継部材50を右側から左側に向かって押圧する。このとき、作動板72は軸76を中心に揺動するため、凸部72cは直線状ではなく円弧状の軌道を描きながら第2中継部材50を押圧する。このため、第2中継部材50の右面には凸部72cからの押圧力が左方向に対してやや斜めの方向から加えられるが、第2中継部材50は第2案内面48dに案内されて第2凹部48aの内底面48c(第2膜状部48bの左面)と直交する左方向に向かって移動する。
【0046】
すると、第2中継部材50の左面50aが第2凹部48aの内底面48cとの平行状態を維持したまま該第2凹部48aの内底面48cに当接し、第2中継部材50によって第2膜状部48b(第2開閉弁48)が閉弁方向である左方向に変位させられる。すると、第2膜状部48bが第2突起34cに密着するとともに、第1開閉弁47が両伝達部材46を介して左方向に向かって押圧されて該第1開閉弁47と第1突起33cとが離間された状態になる。この状態では、第1連絡溝37と第1連結路44とが第1弁体収容部33内を介して連通状態になるとともに第2連絡溝38と第2連結路45とが非連通状態、すなわち、第1開閉弁47が開くとともに第2開閉弁48が閉じた状態(図10に示す状態)になる。
【0047】
この状態で記録ヘッド18のノズル20aから前回使用していたインクであるマットブラックインクをフラッシングによってキャップ27内に吐出すると、フォトブラックインクが第1連絡溝37から第1弁体収容部33内を介して第1連結路44内に流れ込む。この場合のフラッシングでは、選択的にノズル20aからのみインクが吐出される。そして、図10中の矢印で示すように、第1連結路44内に流れ込んだフォトブラックインクは、第1貫通孔39に流れ込むようになり、記録ヘッド18に供給されるインクがマットブラックインクからフォトブラックインクに切り換えられる。
【0048】
一方、図9及び図11に示すように、記録ヘッド18に供給するインクをフォトブラックインクからマットブラックインクに切り換える場合には、まず、板カム71を回動させて、凸部73cにより可撓性フィルム51を介して第1中継部材49を左側から右側に向かって押圧する。このとき、作動板73は軸76を中心に揺動するため、凸部73cは直線状ではなく円弧状の軌道を描きながら第1中継部材49を押圧する。このため、第1中継部材49の左面には凸部73cからの押圧力が右方向に対してやや斜めの方向から加えられるが、第1中継部材49は第1案内面47dに案内されて第1凹部47aの内底面47c(第1膜状部47bの左面)と直交する右方向に向かって移動する。
【0049】
すると、第1中継部材49の右面49aが第1凹部47aの内底面47cとの平行状態を維持したまま該第1凹部47aの内底面47cに当接し、第1中継部材49によって第1膜状部47b(第1開閉弁47)が閉弁方向である右方向に変位させられる。すると、第1膜状部47bが第1突起33cに密着するとともに、第2開閉弁48が両伝達部材46を介して右方向に向かって押圧されて該第2開閉弁48と第2突起34cとが離間された状態になる。この状態では、第2連絡溝38と第2連結路45とが第2弁体収容部34内を介して連通状態になるとともに第1連絡溝37と第1連結路44とが非連通状態、すなわち、第1開閉弁47が閉じるとともに第2開閉弁48が開いた状態(図11に示す状態)になる。
【0050】
この状態で記録ヘッド18のノズル20aから前回使用していたインクであるフォトブラックインクをフラッシングによってキャップ27内に吐出すると、マットブラックインクが第2連絡溝38から第2弁体収容部34内を介して第2連結路45内に流れ込む。この場合のフラッシングでは、選択的にノズル20aからのみインクが吐出される。そして、図11中の矢印で示すように、第2連結路45内に流れ込んだマットブラックインクは、第1貫通孔39に流れ込むようになり、記録ヘッド18に供給されるインクがフォトブラックインクからマットブラックインクに切り換えられる。
【0051】
このように、フォトブラックインクとマットブラックインクとの間で使用インクを切り換える場合、凸部72cによって第2膜状部48b(第2開閉弁48)を閉弁方向に押圧するか、または、凸部73cによって第1膜状部47b(第1開閉弁47)を閉弁方向に押圧する必要がある。
【0052】
この場合、可撓性を有する第2膜状部48bは剛性を有する第2中継部材50を介して押圧されるため、該第2膜状部48bには凸部72cからの閉弁方向に対してやや斜めの方向の押圧力が直接加わることがない。したがって、第2膜状部48bが凸部72cから付与される押圧力によって疲弊することが抑制される。一方、可撓性を有する第1膜状部47bは剛性を有する第1中継部材49を介して押圧されるため、該第1膜状部47bには凸部73cからの閉弁方向に対してやや斜めの方向の押圧力が直接加わることがない。したがって、第1膜状部47bが凸部73cから付与される押圧力によって疲弊することが抑制される。
【0053】
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)フォトブラックインクとマットブラックインクとの間で使用インクを切り換える場合には、凸部72c及び凸部73cからの押圧力が第2中継部材50及び第1中継部材49を介して第2膜状部48b及び第1膜状部47bにそれぞれ伝達される。すなわち、第2開閉弁48及び第1開閉弁47の閉弁時には、第2膜状部48b及び第1膜状部47bが凸部72c及び凸部73cとそれぞれ直接接触することなく該凸部72c及び凸部73cからの押圧力をそれぞれ受けることができるので、これら第2膜状部48b及び第1膜状部47bが凸部72c及び凸部73cから付与される押圧力によって疲弊することを抑制することができる。つまりこの場合、凸部72c及び凸部73cから第2膜状部48b及び第1膜状部47bに対してそれぞれ捩るような力が直接働くことはない。
【0054】
(2)第2中継部材50及び第1中継部材49が凸部72c及び凸部73cからの押圧力を受けて第2膜状部48b及び第1膜状部47bをそれぞれ閉弁方向に変位させる際には、第1凹部47aの内底面47cと第1中継部材49の右面49aとの平行状態、及び第2凹部48aの内底面48cと第2中継部材50の左面50aとの平行状態は維持される。このため、凸部72c及び凸部73cからの押圧力を第2中継部材50及び第1中継部材49を介して第2膜状部48b及び第1膜状部47bにそれぞれ均一に伝達することができる。
【0055】
(3)第2案内面48d及び第1案内面47dは、第2膜状部48b及び第1膜状部47bの閉弁方向に対して平行になっている。このため、第2中継部材50及び第1中継部材49が凸部72c及び凸部73cからの押圧力を受けて移動する際に、これら第2中継部材50及び第1中継部材49を、第2案内面48d及び第1案内面47dによって第2膜状部48b及び第1膜状部47bの閉弁方向に沿ってそれぞれ確実に案内することができる。
【0056】
(4)例えば、図13に示すように、第2膜状部48b及び第1膜状部47bの周囲に隙間が形成されるように切換ユニット25Aが構成されると、液体供給路を流れるインク中に含まれる気泡が、この隙間に入り込んで抜けにくくなる。この点、本実施形態では、第2凹部48aの底壁によって第2膜状部48bが構成されるとともに第2凹部48aの内周面(内側面)によって第2案内面48dが構成されている。そして、第1凹部47aの底壁によって第1膜状部47bが構成されるとともに第1凹部47aの内周面(内側面)によって第1案内面47dが構成されている。このため、第2膜状部48b及び第1膜状部47bの周囲に隙間が形成されないので、液体供給路を流れるインク中に含まれる気泡が第2膜状部48b及び第1膜状部47bの周囲に溜まらないようにすることができる。
【0057】
(5)第1中継部材49及び第2中継部材50は、剛性を有しているため、繰り返し凸部73c及び凸部72cによってそれぞれ押圧されたとしても、疲弊しにくくすることができる。すなわち、第1中継部材49及び第2中継部材50は、剛性を有しているため、耐久性を向上することができる。
【0058】
(6)マットブラックインクとフォトブラックインクとの間でのインクの切り換えは、選択的にノズル20aからのみインクが吐出されるフラッシングによって行われるため、インクの切り換え時に、マットブラックインク及びフォトブラックインク以外のインクを消費しないようにすることができる。因みに、全ノズル20a〜20cをまとめて覆う一体型のキャップ27を用いて、クリーニングによってマットブラックインクとフォトブラックインクとの間でのインクの切り換えを行った場合には、マットブラックインク及びフォトブラックインク以外のインクを無駄に消費してしまう。
【0059】
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図12に示すように、切換ユニット25Aにおいて、第1開閉弁47(第2開閉弁48)を、第1中継部材49(第2中継部材50)と第1膜状部47b(第2膜状部48b)との2層構造となるように構成してもよい。この場合、第1弁体収容部33の内周面33a(第2弁体収容部34の内周面34a)が第1案内面47d(第2案内面48d)を構成している。さらに、この場合、第1中継部材49(第2中継部材50)と第1膜状部47b(第2膜状部48b)とは、接着剤などで接着してもよいし、接着しなくてもよい。
【0060】
・図13に示すように、切換ユニット25Aにおいて、第1開閉弁47(第2開閉弁48)から第1膜状部47b(第2膜状部48b)を分離した構成としてもよい。すなわち、第1開閉弁47(第2開閉弁48)の中央部に筒部60を貫通形成し、該筒部60内に、第1中継部材49(第2中継部材50)と第1膜状部47b(第2膜状部48b)とを2層構造とした状態で遊嵌してもよい。この場合、第1中継部材49(第2中継部材50)は第1膜状部47b(第2膜状部48b)と直交する方向である閉弁方向に沿って移動自在になっているとともに、筒部60の内周面(内側面)が第1案内面47d(第2案内面48d)を構成している。さらに、この場合、第1中継部材49(第2中継部材50)と第1膜状部47b(第2膜状部48b)とは、接着剤などで接着してもよいし、接着しなくてもよい。
【0061】
このようにすれば、第1中継部材49(第2中継部材50)が凸部73c(凸部72c)からの押圧力を受けて第1膜状部47b(第2膜状部48b)を閉弁方向に移動させる際に、該第1中継部材49(第2中継部材50)を第1案内面47d(第2案内面48d)によってバランス良く確実に案内することができる。
【0062】
・第1中継部材49及び第2中継部材50は、必ずしも剛性を有している必要はなく、可撓性を有していてもよい。
・本実施形態では、切換装置25により、マットブラックインクとフォトブラックインクとの間でインクの切り換えを行うようにしているが、同色インクにおける濃色インクと淡色インクとの間でインクの切り換えを行うようにしてもよい。例えば、シアンインクとライトシアンインクとの間、あるいはマゼンタインクとライトマゼンタインクとの間でインクの切り換えを行うようにしてもよい。
【0063】
・切換装置25は、第1連結路44と第2連結路45とがV字状またはU字状をなすように接続されるように構成してもよい。すなわち、切換装置25は、連結路36をV字状またはU字状をなすように構成してもよい。この場合、伝達部材46の形状は、連結路36の形状に合わせて適宜変更する必要がある。
【0064】
・上記実施形態においては、液体噴射装置として、インクを噴射するインクジェット式プリンタ(ファクス、コピア等を含む印刷装置)について説明したが、他の液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施形態のインクジェット式プリンタの平面概略図。
【図2】同プリンタのキャリッジの正面簡略図。
【図3】同プリンタの切換ユニットの分解斜視図。
【図4】同プリンタの切換ユニットの要部斜視図。
【図5】切換ユニットの連結部の要部拡大断面図。
【図6】切換ユニットの平面図。
【図7】切換ユニットの要部断面図。
【図8】伝達部材の斜視図。
【図9】切換ユニットと駆動ユニットとの位置関係を示す概略図。
【図10】第1開閉弁が開くとともに第2開閉弁が閉じた状態の切換装置の要部拡大断面図。
【図11】第1開閉弁が閉じるとともに第2開閉弁が開いた状態の切換装置の要部拡大断面図。
【図12】変更例の切換ユニットの要部拡大断面図。
【図13】変更例の切換ユニットの要部拡大断面図。
【符号の説明】
【0066】
11…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、18…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、33…液体供給路としての第1供給路を構成する第1弁体収容部、34…液体供給路としての第2供給路を構成する第2弁体収容部、37…液体供給路としての第1供給路を構成する第1連絡溝、38…液体供給路としての第2供給路を構成する第2連絡溝、39…液体供給路としてのヘッド側供給路を構成する第1貫通孔、40…液体供給路としてのヘッド側供給路を構成する凹溝、41…液体供給路としてのヘッド側供給路を構成する第2貫通孔、44…液体供給路としての第1供給路を構成する第1連結路、45…液体供給路としての第2供給路を構成する第2連結路、47…開閉弁としての第1開閉弁、47a…収容凹部としての第1凹部、47b…膜状部としての第1膜状部、47d…案内面としての第1案内面、48…開閉弁としての第2開閉弁、48a…収容凹部としての第2凹部、48b…膜状部としての第2膜状部、48d…案内面としての第2案内面、49…中継部材としての第1中継部材、50…中継部材としての第2中継部材、60…筒部、72,73…揺動部材としての作動板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
該液体噴射ヘッドに液体を供給するための液体供給路と、
該液体供給路を開閉する際に可撓性を有する膜状部が変位する開閉弁と、
該開閉弁の閉弁時に前記膜状部を閉弁方向へ変位させるための押圧力を付与するために揺動する揺動部材と、
該揺動部材と前記開閉弁の膜状部との間に介在し、該開閉弁の閉弁時には、前記揺動部材からの押圧力を受けて前記開閉弁の膜状部と直交する方向に移動して該膜状部を閉弁方向に変位させる中継部材と
を備えることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記中継部材における前記膜状部と対向する面と前記膜状部における前記中継部材と対向する面とは平行になっていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記開閉弁は、前記中継部材を前記膜状部と直交する方向に沿って移動するように案内する案内面を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記開閉弁は、前記中継部材を前記膜状部と直交する方向へ移動自在に挿通させる筒部を備え、該筒部の内側面により前記案内面が構成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記開閉弁は、前記中継部材を前記膜状部と直交する方向へ移動自在に収容する収容凹部を備え、該収容凹部の底壁により前記膜状部が構成されると共に、前記収容凹部の内側面により前記案内面が構成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−132675(P2008−132675A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320705(P2006−320705)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】