説明

液体容器の収容体

【課題】複数(例えば、7つ以上)の液体容器が並んで収容される場合に、液体容器の損傷の防止または抑制を図ることを目的とする。
【解決手段】 複数のインクカートリッジ100が収容された収容体に、インクカートリッジが並ぶ方向と直交する側面から延びる緩衝用フラップ30が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の液体容器を収容する収容体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体容器の一種としてインクジェット式記録装置に装着されて用いられるインクカートリッジが知られている。このインクカートリッジは、通常減圧パックで包装された一のインクカートリッジが個装箱に収容されている(特許文献1および特許文献2参照)。ここで、インクジェット式記録装置にインクカートリッジを装着したインクの使用初期に高濃度のインクが供給されないように、インクジェット式記録装置の記録ヘッドにインクを供給するインク供給口が上側になるように、カートリッジを個装箱に収容することが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、プリンターに使用される複数のカートリッジを収容する手段として、一方が開口した略直方体上のトレイに仕切り板を配置した包装箱が提案されている(特許文献3参照)。
【0004】
ところで、通常インクジェット式記録装置では複数のインクを用いて記録が行われることが多く、複数種類のインクカートリッジが装着されることがある。そして、一のインクジェット式記録装置に用いられる複数のインクカートリッジをセットで販売することが行われている。また、同一種類の複数のインクカートリッジをセットで販売することも考えられる。
【0005】
このように、複数のインクカートリッジをセットで販売する場合には、複数のインクカートリッジが一の収容箱に収容された状態で包装されているが、近年インクジェット式記録装置の記録に用いられるインクの種類が増加したことにより、一の収容箱に収容すべきインクカートリッジの数も増加している。例えば、7個以上のインクカートリッジが一の収容箱に収容される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−145800号公報
【特許文献2】特開2003−118140号公報
【特許文献3】特開平11−314633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、一の収容箱に収容すべきインクカートリッジが増加すると、その収容箱の運搬の際に発生する急発進、急停止あるいは他の物体との衝突によって収容箱内の複数のカートリッジに大きな慣性力が作用し、並べて配置された複数のインクカートリッジの端に位置するカートリッジは他のカートリッジから強く押されて収容箱の内壁に衝突するおそれがある。そして、この衝突の強さは一の収容箱に収容すべきインクカートリッジが増加するほど強くなる。また、収容箱が他の物体と衝突する場合には、収容箱の衝突した面の変形が他の物体により規制されていることで、収容箱の側面に対する衝撃が端のインクカートリッジにも及ぶことになる。インクカートリッジにはインクに関する情報を管理するために、メモリーやセンサーが搭載されているものもあり、端のインクカートリッジが収容箱に強く衝突したり、他の物体と収容箱の側面との衝突の衝撃が端のカートリッジに及んだりすることで、カートリッジのメモリーやセンサーに損傷が生じるおそれもある。
【0008】
特許文献3のように収容箱内に仕切り板を設ければ、収容箱に収容されるカートリッジの数が増えても、並んで配置された複数のインクカートリッジのうち端に配置されたカートリッジが収容箱の内壁に強く衝突することは回避できるが、収容箱に加えて仕切り板が必要となり、収容箱の構造が複雑になり、かつ、収容箱へのインクカートリッジの収容工程が煩雑なものとなる。
【0009】
本発明は、複数(例えば、7つ以上)の液体容器が並んで収容される場合に、液体容器の損傷の防止または抑制を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の課題の少なくも一部を取り扱うためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0011】
[適用例1]本適用例に記載の収容体は、複数の液体容器が第1の方向に並んで収容された収容体であって、四辺形状の底面と、前記底面の各辺から延びる互いに連続した4つの側面と、前記4つの側面のうち前記第1の方向に直交する第1の側面および第2の側面のそれぞれから延びる緩衝用フラップと、を備え、前記底面の内壁と前記4つの側面の内壁によって複数の液体容器の収容空間が形成されており、前記緩衝用フラップは、第1の側面の内壁又は第2の側面の内壁に向かって折られており、前記緩衝用フラップの前記第1の側面の内壁または前記第2の側面の内壁と連続する面において少なくとも2以上の折線が形成されて、変形可能であることを特徴とする。
【0012】
このような態様とすれば、複数の液体容器が第1の方向に並んで収容された場合に、収容体の運搬によって、端部の液体容器が収容体の内壁と強く衝突することを、緩衝用フラップが変形することで低減することができる。
【0013】
また、緩衝用フラップは収容体の一部として第1の側面または第2の側面から延びており、収容体の構造および液体容器の収容工程を簡素なものにすることができる。
【0014】
[適用例2]上記適用例に記載の収容体において、前記液体容器は重量が50g以上で、メモリーを備えたインクカートリッジであり、前記インクカートリッジが7個以上前記第1の方向に並んで収容された収容体。
【0015】
重量が50g以上で、メモリーを備えたインクカートリッジが7個以上並んで収容されると、端のカートリッジは重量300g以上の物体による慣性力を受けることになる。通常のインクカートリッジ収容箱の運搬において、200g程度の物体の慣性力が端のインクカートリッジ働いてもメモリーに損傷が生じるような収容体内壁との衝突は発生しにくいが、重量が300g以上となるとメモリーに損傷が生じるおそれがある収容体内壁との衝突が発生するおそれがある。このような態様とすれば、緩衝用フラップが変形することで、インクカートリッジのメモリーの損傷を防止又は低減することができる。
【0016】
[適用例3]上記適用例に記載の収容体において、前記4つの側面のうち前記第1の方向に平行な第3の側面から延び、前記底面と対向するように閉じられた内蓋と、前記第1の方向に平行で、第3の側面と対向する第4の側面から延び、前記内蓋と重なるように閉じられた外蓋と、を備え、前記インクカートリッジは、液体出口が前記内蓋と対向するように収容されており、収容された複数のインクカートリッジの前記液体出口が前記第1の方向に並んで形成されたラインよりも、閉じられた前記内蓋の前記第1の方向に平行に延びる端面が前記第4の側面に近い位置にある、収容体。
【0017】
このような態様とすれば、液体出口が内蓋の第1の方向に平行に延びる端面と擦れることによって傷付くことを防止できる。
【0018】
[適用例4]上記適用例に記載の収容体において、前記外蓋には仮止め用フラップが形成されており、前記内蓋には前記駆仮止め用フラップを挿入可能な切り込みが形成されている、収容体。
【0019】
このような態様とすれば、収容体の開封後に一部のインクカートリッジを使用した場合でも、他の未使用インクカートリッジを収容することができ、収容空間に埃等が入り込むことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施例であるインクカートリッジ包装箱の外観斜視図。
【図2】本実施例であるインクカートリッジ包装箱の外観斜視図。
【図3】外蓋、内蓋及び緩衝フラップを示すインクカートリッジ包装箱の部分斜視図。
【図4】複数のインクカートリッジが並べられたインクカートリッジ包装箱の上面図。
【図5】複数のインクカートリッジが並べられたインクカートリッジ包装箱の断面図。
【図6】内蓋のみを閉じた状態のインクカートリッジ包装箱の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
A.実施例
図1から図6を用いて本発明の収容体にかかる実施例としてのインクカートリッジ包装箱について説明する。
図1は、実施例のインクカートリッジ包装箱1の外観斜視図である。収容体としてのインクカートリッジ包装箱1は略直方体形状であり、四辺形状の底面(不図示)とその底面から延び互いに連続している4つの側面によって包装箱本体50が形成されており、包装箱本体50の内部に底面の内壁と4つの側面の内壁とからなるインクカートリッジ収容空間50a(図2参照)が形成されている。また、4つの側面のうち一の側面である外蓋側面から延びる外蓋10と外蓋側面と対向する内蓋側面から延びる内蓋20が設けられている。また、他の対向する2つの側面からは緩衝用フラップ30(図2参照)が延びている。
【0022】
外蓋10には、互いに平行に延びる二本の切り取り線12が形成されており、切り取り線12で挟まれた部分を切り取り線12に沿って一端から他端に引っ張って切り離すことにより、外蓋10が二つに分離され、外蓋10が開封される。外蓋10には仮止め用フラップ11が設けられている。この仮止め用フラップ11は、切り取り線12で挟まれた部分が切り取り線12に沿って切り離された後でも、外蓋10から切り離されずに外蓋10に残っている。
【0023】
図2は、外蓋10よりもインクカートリッジ収容空間50a側でインク収容空間を覆う内蓋20の詳細を示すインクカートリッジ包装箱1の外観斜視図である。内蓋20には、外蓋10内蓋に糊付けするための貼り付け部21が設けられている。また、外蓋10に設けられた仮止め用フラップ11が挿入される切込み22が設けられている。インクカートリッジ包装箱1を開封した後でも、仮止め用フラップ11と切込み22によって、未使用である一部のインクカートリッジ(不図示)を、内蓋20と外蓋10を閉じた状態でインクカートリッジ包装箱1に収容することができる。内蓋20と外蓋10が閉じられているので、インクカートリッジ収容空間50aに埃等が入ることを防止することができる。
【0024】
図3は、外蓋10、内蓋20、緩衝用フラップ30を広げた状態のインクカートリッジ包装箱1の部分拡大図である。緩衝用フラップ30は、インクカートリッジ収容空間50aの一部を形成する一の側面から延びている。緩衝用フラップ30はその一の側面の内壁に向かって折ることが可能なように当該一の側面と連続している。緩衝フラップ30には一の側面の内壁と連続する面において、3本の折線31が形成されており、内側に折ることができる。
【0025】
図4は減圧パック200に包装されたインクカートリッジ100をインクカートリッジ収容空間50aに収容し、内蓋20と外蓋10を広げた状態のインクカートリッジ包装箱1の上面図である。インクカートリッジ収容空間50aには、インクカートリッジ100のインク出口であるインク供給口110を上に向けた状態で、9つの種類の異なるインクカートリッジが所定の方向(切り取り線12と平行な方向)に並べられている。ここで、9つのインクカートリッジに収容されたインクはいずれも顔料系のインクであり、インクの色は、フォトブラック、マットブラック、シアン、ビビットマゼンタ、イエロー、ライトシアン、ビビットライトマゼンタ、グレー、ライトグレーである。
【0026】
インク供給口110を下向きにしてインクカートリッジ100をインクカートリッジ包装箱1に収容しておくと、顔料成分の沈降により、インクカートリッジ100の使用初期において、インクカートリッジ100が装着されるインクジェット式記録装置の記録ヘッド(不図示)に、高濃度のインクが供給されてしまう。これを低減するために、インク供給口110を上に向けた状態でインクカートリッジ100がインクカートリッジ包装箱1に収容される。また、インクカートリッジ100には、インクカートリッジ100使用時においてインクカートリッジ内部のインク収容部を大気と連通させるための大気導入口を及び連通路が形成されている。使用前のインクカートリッジにおいては大気導入口にシール120が貼られて封止されている。
【0027】
図4に示されているように、緩衝用フラップ30が延びる側面は9つのインクカートリッジ100が並べられた方向と直交している。緩衝用フラップ30は、インクカートリッジ収容空間50a内部に折ってあり、緩衝フラップ30の一部は、9つの並んだインクカートリッジ100のうち両端のインクカートリッジ100と対向している。図5は、この様子をI−I断面図に沿って表したものである。
【0028】
図5に示すように、紙面において左から右の方向(あるいは右から左の方向)に9つのインクカートリッジ100が、インク供給口110を上に向けた状態(底面の反対側を向いている状態)で並んでいる。このうち端のカートリッジ100はインクカートリッジ収容空間50a内で折り曲げられた緩衝用フラップ30と対向している。9つのカートリッジ100が収容された状態で、緩衝用フラップ30と端のカートリッジ100との間に隙間はほとんどなく、カートリッジ100がインクカートリッジ収容空間50a内で9つのインクカートリッジが並んだ方向に傾くことはほとんどない。
【0029】
ここで、緩衝用フラップ30が折り曲げられることで、インクカートリッジ100が並ぶ方向に直交する側面の内壁と端のインクカートリッジ100との間に緩衝空間が形成されている。緩衝用フラップ30は図5の折り曲げられた状態で、緩衝空間内で外力により変形可能であり、緩衝材として機能する。例えば、インクカートリッジ包装箱1の運搬に伴って9つのインクカートリッジ100にそれらが並ぶ方向の慣性力が働き、端のインクカートリッジ100がインクカートリッジ収容空間50aの一部を形成する側面の内壁に向かって衝突しようとしても、緩衝用フラップ30が変形することでその慣性力を緩和することができる。
【0030】
さらに、インクカートリッジ包装箱1が9つのインクカートリッジ100が並ぶ方向に動かされているときに周辺の物体とぶつかったとしても、緩衝フラップ30によって形成された緩衝空間によって、他の物体との衝突による衝撃を端のカートリッジ100が受けるのを抑制することができる。
【0031】
インクカートリッジ100にはインクカートリッジ内部のインクに関する情報を管理するために記憶素子(メモリー)(不図示)とインク残量検出に用いられるセンサー(不図示)とが設けられている。そして、インクカートリッジ100には、インクジェット式記録装置のコネクターと電気的に接続される端子が形成されている。インクカートリッジ100が装着された状態で、インクジェット式記録装置の制御部がそのコネクターとその端子を介してその記憶素子(メモリー)に記憶されたインクに関する情報を読み取ることができる。
【0032】
上述したインクカートリッジ包装箱1の運搬やインクカートリッジ包装箱1と周辺の物体との衝突に伴って生じる端のインクカートリッジ100への慣性力または衝撃が、緩衝用フラップ30によって緩和もしくは抑制されないと、端のインクカートリッジ100に設けられたメモリーが損傷してしまうおそれがある。したがって、メモリーを備えるインクカートリッジにおいては、緩衝用フラップ30による慣性力の緩和や衝撃の抑制がより重要となる。
【0033】
1個の未使用のインクカートリッジ100の重量は55gであり、9つのインクカートリッジ100が並んで配置された場合、端のインクカートリッジには他のインクカートリッジによって440g(=55g/個×8個)の重量に起因する慣性力が作用することになる。通常の搬送において、端のインクカートリッジに対して他のインクカートリッジ100の重量が200g程度であれば、他のインクカートリッジ100の重量の和に起因する慣性力によって、端のインクカートリッジまたは端のインクカートリッジのメモリーが損傷することはほとんどない。しかしながら、端のインクカートリッジ100に対して他のインクカートリッジ100の重量の和が300g以上となると、端のインクカートリッジまたは端のインクカートリッジのメモリーが損傷するおそれが出てくる。したがって、例えば重量が50g以上のインクカートリッジを7個以上並べて収容する場合には、インクカートリッジ包装箱1に緩衝用フラップ30を設ける必要がある。
【0034】
図6は、内蓋20を閉じ、外蓋10を開いた状態のインクカートリッジ100を収容したインクカートリッジ包装箱1の上面図である。ここでは、内蓋20を透視した状態を示している。インクカートリッジ包装箱1に並んだ9つのインクカートリッジ100のそれぞれのインク供給口110が形成するライン(II−II線)よりも、9つのインクカートリッジ100が並ぶ方向に平行な内蓋20の端面が内蓋20が延びる側面と対抗する側面、すなわち、外蓋10が伸びる側面の近くに位置している。したがって、内蓋20を閉じた状態では内蓋20の端面とインク供給口が重ならない。これにより、インクカートリッジ包装箱1の天地が逆にされることがあっても、インク供給口110に張られたフィルムが内蓋20の端面によって擦れてインク供給口110からインクが漏れるのを防ぐことができる。
【0035】
上記のとおり、本実施例によれば以下の効果を期待できる。すなわち、インクカートリッジ包装箱1に収容された複数のインクカートリッジ100が並ぶ方向に直交する側面から延びるようにインクカートリッジ包装箱1に緩衝用フラップ30が設けられ、この緩衝フラップ30が変形可能に折り曲げられている。これによって、インクカートリッジの搬送の際に、端に配置されたインクカートリッジ100に他のインクカートリッジ100に起因して作用する複数のインクカートリッジが並ぶ方向の慣性力を緩和することができる。また、緩衝フラップ30が折り曲げられることで形成された緩衝空間が存在することにより、インクカートリッジ包装箱1の、複数のインクカートリッジ100が並ぶ方向に直交する側面が周辺の物体と衝突しても、その衝突による衝撃が端に配置されたインクカートリッジ1に及ぶことを抑制することができる。
【0036】
また、インクカートリッジ包装箱1の一部として緩衝用フラップ30が設けられているので、緩衝材を別途必要としない。これによって、インクカートリッジ包装箱1の構造が複雑にならず、もしくは、インクカートリッジ100のインクカートリッジ包装箱1への収容工程を簡素なものとすることができる。
【0037】
また、インクカートリッジ100にはインクに関する情報を管理するためのメモリー(不図示)が設けられているので、緩衝用フラップ30によって、インクカートリッジ包装箱1に収容された複数のインクカートリッジ100のうち、端に配置されたインクカートリッジのメモリーが上記の慣性力または衝撃によって損傷する可能性を低減できる。さらに、重量が50g以上のカートリッジが7個以上並んで配置されている場合に、端のインクカートリッジ100のメモリーの損傷の可能性を低減できる。
【0038】
また、内蓋20が閉じられた状態において、収容された複数のインクカートリッジ100のインク供給口110が形成するラインよりも内蓋20の端面が外蓋の延びる側面に近い位置にあるので、インクカートリッジ包装箱1の天地が逆にされてもインク供給口110が内蓋20の端面と擦れて、傷付くのを防ぐことができる。
【0039】
また、外蓋10に仮止め用のフラップ11が、内蓋20に切り込み22が形成されているので、インクカートリッジ包装箱1を開封した後でも未使用のカートリッジを内蓋20と外蓋10を閉じた状態でインクカートリッジ収容空間50aに収容できる。
【0040】
B.変形例1
上記実施例では、液体容器としてインクカートリッジ100を示したが、様々な形態の液体容器に適用できる。たとえば、試薬や薬品が収容された液体容器でも適用できる。
【0041】
C.変形例2
上記実施例では緩衝用フラップ30に3本の折線31が形成されていることとしたが、折線31はさらに多く設けられていてもよい。折線が多数設けられていると緩衝用フラップ30の折り曲げ方の態様を増やすことができ、緩衝用フラップ30が形成する緩衝空間のインクカートリッジ100が並ぶ方向に対する幅を適宜変更することができる。これによって、一部の未使用インクカートリッジをインクカートリッジ包装箱1に収容する場合でも、緩衝空間の幅を適当な幅に容易に調整して収容することができる。例えば、折線31が6本以上あると2通りの緩衝空間を形成することが可能になる。
【0042】
D.変形例3
上記実施例では、外蓋10に仮止め用フラップ11を内蓋20に切り込み22を形成するようにしたが、外蓋10に切り込みを設け、内蓋20に仮止め用フラップを設けてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…インクカートリッジ包装箱、10…外蓋、11…仮止め用フラップ、12…切り取り線、20…内蓋、21…貼り付け部、22…切り込み、30…緩衝用フラップ、31…折線、50…包装箱本体、50a…インクカートリッジ収容空間、100…インクカートリッジ、110…インク供給口、120…シール、200…減圧パック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の液体容器が第1の方向に並んで収容された収容体であって、
四辺形状の底面と、
前記底面の各辺から延びる互いに連続した4つの側面と、
前記4つの側面のうち前記第1の方向に直交する第1の側面および第2の側面のそれぞれから延びる緩衝用フラップと、を備え、
前記底面の内壁と前記4つの側面の内壁によって複数の液体容器の収容空間が形成されており、
前記緩衝用フラップは、第1の側面の内壁又は第2の側面の内壁に向かって折られており、前記緩衝用フラップの前記第1の側面の内壁または前記第2の側面の内壁と連続する面において少なくとも2以上の折線が形成されて、変形可能であることを特徴とする、収容体。
【請求項2】
請求項1の収容体であって、
前記液体容器は重量が50g以上で、メモリーを備えたインクカートリッジであり、
前記インクカートリッジが7個以上前記第1の方向に並んで収容された収容体。
【請求項3】
請求項2の収容体であって、
前記4つの側面のうち前記第1の方向に平行な第3の側面から延び、前記底面と対向するように閉じられた内蓋と、
前記第1の方向に平行で、第3の側面と対向する第4の側面から延び、前記内蓋と重なるように閉じられた外蓋と、を備え、
前記インクカートリッジは、液体出口が前記内蓋と対向するように収容されており、
収容された複数のインクカートリッジの前記液体出口が前記第1の方向に並んで形成されたラインよりも、閉じられた前記内蓋の前記第1の方向に平行に延びる端面が前記第4の側面に近い位置にある、収容体。
【請求項4】
請求項3の収容体であって、
前記外蓋には仮止め用フラップが形成されており、
前記内蓋には前記駆仮止め用フラップを挿入可能な切り込みが形成されている、収容体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−171667(P2012−171667A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36819(P2011−36819)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】