説明

液体射出成形を用いた電子部品の製造方法及び電子部品

【課題】ワイヤー流れを最小限に抑えつつ、より高い効率、より低い温度及びより少ない浪費を有する電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】a)シリコーンダイ装着接着剤組成物を基板に塗布すること、b)ダイ装着接着剤組成物を硬化させて、ダイ装着接着剤704を形成すること、c)ダイ装着接着剤の表面をプラズマ処理すること、d)半導体ダイの表面をプラズマ処理すること、e)半導体ダイのプラズマ処理された表面をダイ装着接着剤のプラズマ処理された表面と接触させること、f)半導体ダイを基板の表面にワイヤーボンドすること、g)半導体ダイがオーバーモールド701されるように、ステップf)の製造物上に硬化性液体シリコーン組成物を射出成形すること、及びh)ダイ装着接着剤の反対側の基板の表面上にはんだボール706を形成することを含む、液体射出成形を用いて電子部品700を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は液体射出成形方法を含む電子部品の製造方法に関する。液体射出成形方法は、基板上において、集積回路などの半導体ダイを覆うオーバーモールドを設けるために用いられることができる。
【背景技術】
【0002】
集積回路をオーバーモールドするための種々の方法には、ステンシル(stencil)又はスクリーン印刷、ダムアンドフィル(dam and fill)、及びトランスファー成形が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第03/041130号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、当該技術分野で既知のオーバーモールド方法は欠点を抱えている。たとえば、ステンシル又はスクリーン印刷方法は、遅いことがあり、たとえば70%もの多くの浪費を生み出す場合がある。ダムアンドフィル法は二段階の方法であり、より低い処理能力を招くかもしれない。トランスファー成形法は、たとえば成形材料の50〜70%もの多くの浪費があるかもしれない。より高い効率、より低い温度、及びより少ない浪費の生成を有する電子部品の製造方法の必要性が引き続き存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[概要]
本発明は、液体射出成形を用いて電子部品を製造する方法であって、
a)シリコーンダイ装着接着剤組成物を基板に塗布すること、
b)前記ダイ装着接着剤組成物を硬化させて、ダイ装着接着剤を形成すること、
c)前記ダイ装着接着剤の表面をプラズマ処理すること、
d)半導体ダイの表面をプラズマ処理すること、
e)前記半導体ダイのプラズマ処理された表面を前記ダイ装着接着剤のプラズマ処理された表面と接触させること、
f)前記半導体ダイを前記基板の表面にワイヤーボンドすること、
g)前記半導体ダイがオーバーモールドされるように、前記ステップf)の製造物上に硬化性液体シリコーン組成物を射出成形すること、及び
h)前記ダイ装着接着剤の反対側の前記基板の表面上にはんだボールを形成すること
を含み、
前記ステップg)が、
i)前記ステップf)の製造物を、開いたモールド内に置くこと、
ii)1〜80トンの型締力を加えることにより、前記モールドを閉じてモールドキャビティを形成すること、
iii)前記モールドキャビティを加熱すること、
iv)前記モールドキャビティ内に前記硬化性液体シリコーン組成物を射出成形して、前記基板上の半導体ダイをオーバーモールドすることであって、このステップiv)は、前記モールドキャビティ内に0.3〜7.0MPaの圧力をもたらすのに十分な射出速度で行われること、
v)前記モールドを開け、前記ステップiv)の製造物を取り除くこと、及び
任意に、vi)前記ステップv)の製造物をポストキュアさせること
を含むことによりワイヤー流れを最小限にし、
前記シリコーンダイ装着接着剤組成物と、液体射出成形のための前記硬化性液体シリコーン組成物とが、同様の硬化メカニズムを有する、電子部品の製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の方法において用いられる液体射出成形プロセス装置の概略図である。
【図2a】図1の液体射出成形プロセス装置100において用いられるモールド106の直線108に沿った断面図であり、開いた位置にあるモールド106を示す。
【図2b】図1の液体射出成形プロセス装置100において用いられるモールド106の直線108に沿った断面図であり、閉じた位置にあるモールド106である。
【図3a】図1の液体射出成形プロセス装置100において用いられる別のモールド106の直線108に沿った断面図であり、開いた位置にあるモールドを示す。
【図3b】図1の液体射出成形プロセス装置100において用いられる別のモールド106の直線108に沿った断面図であり、閉じた位置にあるモールド106である。
【図4a】図1の液体射出成形プロセス装置100において用いられる別のモールド106の直線108に沿った断面図であり、開いた位置にあるモールドを示す。
【図4b】図1の液体射出成形プロセス装置100において用いられる別のモールド106の直線108に沿った断面図であり、閉じた位置にあるモールド106である。
【図5】図1によるモールド106の直線109に沿った断面図である。
【図6】図1によるモールド106の直線109に沿った断面図を示す。
【図7】本発明のプロセスによって製造される電子部品700を示す。
【図8】本発明のプロセスによって作られる別の電子部品を示す。
【図9】本発明のプロセスによって製造される別の電子部品900を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[発明の詳細な説明]
特に指示のない限り、すべての量、比、及び百分率は重量である。下記は、本明細書中で用いられている定義のリストである。
【0008】
[定義]
「M」は、式RSiO3/2(ここでRは有機基、水酸基、又は水素原子などの一価基を表す)の単官能性シロキサン単位を意味する。
「D」は、式R2SiO2/2の二官能性シロキサン単位を意味する。
「T」は、式R3SiO3/2の三官能性シロキサン単位を意味する。
「Q」は、式SiO4/2の四官能性シロキサン単位を意味する。
「シリコーン」及び「シロキサン」は本明細書中では同義に用いられる。
「ワイヤー流れ(wire sweep)」とは、たとえば弧などのデザインされた形状の範囲外のワイヤーの運動である。ワイヤー流れが極端すぎると、ワイヤーの破損若しくはワイヤーの接触のいずれか、又は両者を招く。これらのいずれも、欠陥のある電子デバイスをもたらす。
【0009】
[本発明の方法]
本発明は、電子部品の製造方法に関する。この方法は、硬化性液体を半導体デバイス上に液体射出成形することを含み、そしてその硬化性液体が硬化してオーバーモールドを形成する。硬化性液体は半導体デバイス中の空間を満たし、基板を環境暴露から保護する気密封止を基板上に形成する。半導体デバイスは、半導体ダイがマウントされる基板、基板上にマウントされた半導体ダイ(半導体ダイはまだ基板と電気的に接続されていない)、又は基板上にマウントされた半導体ダイ(半導体ダイは基板と電気的に接続されている)を備えてもよい。半導体デバイスが半導体ダイを備える場合、半導体ダイは、いかなる簡便な手段によりダイ装着接着剤によって基板に装着されていてもよい。
【0010】
たとえば、半導体ダイは以下の
a)ダイ装着接着剤組成物を基板に塗布すること、
b)半導体ダイをダイ装着接着剤組成物に装着すること、及び
c)ダイ装着接着剤組成物を硬化させて、ダイ装着接着剤を形成すること、
を含む方法によって基板に装着されてもよい。
【0011】
あるいは、半導体ダイは以下の
a)ダイ装着接着剤組成物を基板に塗布すること、
b)ダイ装着接着剤組成物を硬化させて、ダイ装着接着剤を形成すること、
c)ダイ装着接着剤の表面をプラズマ処理すること、
d)半導体ダイの表面をプラズマ処理すること、及び
e)半導体ダイのプラズマ処理された表面をダイ装着接着剤のプラズマ処理された表面に接触させること、
を含む方法によって基板に装着されてもよい。
【0012】
これらの方法は、半導体ダイがダイ装着接着剤によって基板に装着された後に、半導体ダイを基板に電気的に接続するステップを任意にさらに含んでもよい。半導体ダイを基板に電気的に接続することは、たとえばワイヤーボンディングによって行われてもよい。このとき、ダイ装着接着剤は半導体ダイと基板との間の電気的接続をもたらさない。
【0013】
半導体ダイは、ワイヤーボンディングされてもされなくてもよい半導体ダイ上に硬化性液体を射出成形することによりオーバーモールドされる。
【0014】
[ダイ装着接着剤組成物の塗布]
ダイ装着接着剤組成物は、スクリーン印刷及びステンシル印刷により例示される印刷方法などの、いかなる簡便な手段によって基板に塗布されてもよい。ダイ装着接着剤組成物は、硬化してシリコーンを形成する硬化性シリコーン組成物、硬化してシリコーン−有機コポリマーを形成する硬化性シリコーン−有機組成物、又は硬化して有機ダイ装着接着剤を形成する硬化性有機組成物を含んでもよい。
【0015】
[ダイ装着接着剤]
ダイ装着接着剤組成物は、硬化してダイ装着接着剤を形成する。ダイ装着接着剤組成物の硬化の態様は重要ではなく、縮合反応、付加反応、紫外線開始反応、及びフリーラジカル開始反応などの硬化メカニズムを含むことができる。ダイ装着接着剤組成物の硬化方法は重要ではなく、たとえば、加熱、放射線照射、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
ダイ装着接着剤は、硬化有機樹脂、硬化有機エラストマー、硬化有機ポリマー、又はこれらの組み合わせなどの、硬化有機物であってもよい。適した硬化有機樹脂には硬化エポキシ樹脂が含まれる。適した硬化有機エラストマーにはポリウレタンが含まれる。適した硬化有機ポリマーにはエポキシ、ポリイミド、ポリイミドコポリマー、及びこれらの組み合わせが含まれる。あるいは、ダイ装着接着剤は、ポリ(ジオルガノシロキサン/アミド)コポリマーにより例示されるポリ(ジオルガノシロキサン/有機)ブロックコポリマー及びシルアリーレンなどのシリコーン−有機コポリマーであってもよい。
【0016】
あるいは、ダイ装着接着剤は、硬化シリコーン樹脂、硬化シリコーンエラストマー、硬化シリコーンゴム、又はこれらの組み合わせなどの、硬化シリコーンであってもよい。適した硬化シリコーン樹脂には、T、DT、MT、MQ樹脂、及びこれらの組み合わせが含まれる。
【0017】
ダイ装着接着剤の表面をプラズマ処理することは、WO2003/41130号に開示されているようなあらゆる簡便な手段によって行ってもよい。「プラズマ処理」とは、外部から加えられたエネルギーの形態により活性化されたガス状態に基板を暴露することを意味し、コロナ放電、誘電体バリア放電、フレーム、低圧グロー放電、及び大気圧グロー放電処理を含むが、これらに限定されるものではない。プラズマ処理で用いられるガスは、空気、アンモニア、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、ヘリウム、水素、クリプトン、ネオン、窒素、一酸化二窒素、酸素、オゾン、水蒸気、これらの組み合わせ、及びその他であることができる。あるいは、ヘキサメチルジシロキサン、シクロポリジメチルシロキサン、シクロポリハイドロジェンメチルシロキサン類、シクロポリハイドロジェンメチル−コ−ジメチルシロキサン類、反応性シラン類、及びこれらの組み合わせなど、他のより反応し易いガスや蒸気を、工程で加えられる圧力においてガスの標準状態でも、本来の液体状態から適当な装置によって気化させた状態のいずれであっても用いることができる。
【0018】
ダイ装着は、
a)ダイ装着接着剤の表面をプラズマ処理すること、
b)半導体ダイの表面をプラズマ処理すること、及び
c)その後、半導体ダイのプラズマ処理された表面をダイ装着接着剤のプラズマ処理された表面に接触させることによって行ってもよい。ダイ装着接着剤は、プラズマ処理後できる限り速やかに半導体ダイと接触させてもよい。あるいは、この方法は、ステップa)の後且つステップc)の前にダイ装着接着剤を保存すること、又はステップb)の後且つステップc)の前に半導体ダイを保存すること、又は両者を、任意にさらに含んでもよい。
【0019】
ステップa)及びb)は、同時に又はいかなる順序でも順次に行ってもよい。プラズマ処理は、ダイ装着接着剤若しくは半導体、又は両者のすべて若しくは一部の表面上に行うことができる。
【0020】
ダイ装着接着剤は、プラズマ処理後少なくとも0時間、あるいは少なくとも1時間、あるいは少なくとも2時間保存することができる。ダイ装着接着剤は、プラズマ処理後48時間まで、あるいは24時間まで、あるいは8時間まで、あるいは4時間まで保存することができる。同じ保存条件を、ダイ装着接着剤及び半導体用に独立して用いることができる。
【0021】
接着は、室温で数秒間ステップc)を行うことにより得ることができる。あるいは、ステップc)は、より高い温度、より高い圧力、又は両者において行ってもよい。ステップc)のために選ばれる正確な条件は、方法の特殊用途を含む種々の要因に依存するであろう。しかしながら、接触ステップ中の温度は、少なくとも15℃、あるいは少なくとも20℃、あるいは少なくとも100℃であることができる。接触中の温度は、400℃まで、あるいは220℃までであることができる。接触中の圧力は、10MPaまで、あるいは1MPaまでであることができる。接触中の圧力は少なくとも0.1MPaである。接触時間は、少なくとも0.1秒、あるいは少なくとも1秒、あるいは少なくとも5秒、あるいは少なくとも20秒であることができる。接触時間は、24時間まで、あるいは12時間まで、あるいは30分まで、あるいは30秒までであることができる。
【0022】
集積回路は、導電性ダイ装着接着剤の使用によって又はワイヤーボンディングによってなどのあらゆる簡便な手段によって基板に電気的に接続してもよい。ワイヤーボンディング方法は当該技術分野で既知であり、たとえば、Charles A. Harper編、「Package Assembly Process」、Electronic Packaging and Interconnection Handbook、第2版、6.66〜6.77頁、McGraw-Hill、New York、1997年を参照。
【0023】
[液体射出成形用組成物]
半導体ダイは、液体射出成形法を用いてオーバーモールドされる。半導体ダイは、硬化性液体有機組成物、硬化性液体シリコーン−有機コポリマー組成物、又は硬化性液体シリコーン組成物を用いてオーバーモールドされてもよい。選ばれる硬化性液体組成物の種類は、用いられるダイ装着接着剤の種類を含む種々の要因に依存する。理論に縛られることを望まなければ、造形反応に用いられる硬化性液体と反応する反応基をダイ装着接着剤が含むとき、接着性が良くなるかもしれないと考えられる。たとえば、シリコーンダイ装着接着剤が用いられるとき、液体射出成形用硬化性液体と反応性のある基がダイ装着接着剤中に存在するというような同じ又は同様の硬化メカニズムを有する、硬化性液体シリコーン−有機コポリマー組成物又は硬化性液体シリコーン組成物を用いることが、液体射出成形には好ましい。あるいは、シリコーンダイ装着接着剤が用いられるとき、硬化性液体シリコーン組成物が液体射出成形にはより好ましい。
【0024】
適した硬化性液体有機組成物の例には、硬化性液体エポキシ類、硬化性液体シアン酸エステル類、及びこれらの組み合わせが含まれる。適した硬化性液体シリコーン−有機コポリマー組成物の例には、硬化してポリ(ジオルガノシロキサン/アミド)コポリマーなどのポリ(ジオルガノシロキサン/有機)ブロックコポリマーを形成する硬化性液体組成物が含まれる。
【0025】
適した硬化性液体シリコーン組成物には、縮合反応硬化性液体シリコーン組成物、付加反応硬化性液体シリコーン組成物、紫外線開始硬化性液体シリコーン組成物、及びフリーラジカル開始硬化性液体シリコーン組成物が含まれる。
【0026】
付加反応硬化性シリコーン組成物は、他の種類の硬化性液体シリコーン組成物と比べて、硬化時に形成される副産物を最小限に抑えるために用いられてもよい。付加反応硬化性液体シリコーン組成物は、(A)1分子当たり平均少なくとも2つのアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子当たり平均少なくとも2つのケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(C)ヒドロシリル化触媒を含んでもよい。付加反応硬化性液体シリコーン組成物は、(D)フィラー、(E)フィラー用の処理剤、(F)触媒阻害剤、(G)溶媒、(H)接着促進剤、(I)光増感剤、(J)顔料、(K)柔軟剤、及びこれらの組み合わせから選ばれる一つ以上の任意の成分をさらに含んでもよい。
【0027】
成分(D)はフィラーである。適したフィラーには、シリカ(たとえば、ヒュームドシリカ、石英ガラス、及び粉末シリカ)、チタニア、及びこれらの組み合わせなどの補強フィラーが含まれる。あるいは、成分(D)は、熱伝導性、導電性、又は両者であってもよい。あるいは、成分(D)は、導電性及び非導電性フィラーの組み合わせを含んでもよい。成分(D)は、DRAMグレードフィラー、又はDRAMグレードフィラー及びDRAMグレードフィラーより純度の低いフィラーの混合物を含んでもよい。成分(K)は、たとえば14個以上の炭素原子を有するオレフィンなどの長鎖アルファ−オレフィンを含んでもよい。
【0028】
硬化性液体は、一部組成物、又は二部組成物などの複数部組成物であってもよい。付加反応硬化性液体シリコーン組成物が一部組成物として調合されるとき、ヒドロシリル化触媒阻害剤(F)が含まれてもよい。付加反応硬化性液体シリコーン組成物が複数部組成物として調合されるとき、いかなるSi−H含有成分はいかなるヒドロシリル化触媒からも離して保存される。
【0029】
硬化性液体は、液体射出成形条件下でワイヤー流れを最小限に抑えるであろう粘度を有するように調合される。理論に縛られることを望まなければ、高すぎる粘度はワイヤー流れに寄与するだろうが、低すぎる粘度は硬化性液体をモールドから漏れさせてしまうかもしれないと考えられる。いくつかの付加反応硬化性液体シリコーン組成物に対しては、粘度は80〜3,000ポアズ(8〜300Pa・s)であってよい。
【0030】
硬化性液体は、液体射出成形条件下でワイヤー流れを最小限に抑えるであろう硬化速度を有するように調合され得る。理論に縛られることを望まなければ、速すぎる硬化速度はワイヤー流れに寄与するかもしれないが、遅すぎる硬化速度はプロセスを不十分にするかもしれないと考えられる。いくつかの付加反応硬化性液体シリコーン組成物に対しては、硬化速度は、80〜240℃で30〜120秒、あるいは80〜180℃で30〜60秒、あるいは80〜150℃で30〜60秒であってもよい。
【0031】
硬化性液体は硬化して、JEDECスタンダードJ−STD−020Bにより定義されるような耐湿性試験、レベル2Aの最低限度に電子デバイスが合格することができるであろう弾性率及び熱膨張係数(CTE)を有するオーバーモールドを形成するように調合されてもよい。硬化性液体は硬化して、JEDECスタンダードJESD22−A、104−B、条件Bにより定義されるようなJEDEC温度サイクル試験に電子デバイスが合格することがさらにできるであろう弾性率及びCTEを有するオーバーモールドを形成するように、且つ半導体デバイスの製造が完了した後、ワイヤーボンドされた半導体ダイ中のワイヤーの十分な保護を与えるように、調合されてもよい。理論に縛られることを望まなければ、弾性率が低すぎる場合、ワイヤーは、電子部品の製造が完了した後に十分な保護を有さないかもしれないと考えられる。いくつかの付加反応硬化性液体シリコーン組成物に対しては、弾性率は25〜1,000MPaであってもよい。いくつかの有機硬化性液体組成物に対しては、弾性率は最大3,000MPaであってもよい。CTEが高すぎ、弾性率が低すぎる場合、ワイヤーは、電子部品の製造が完了した後十分な保護を有さないかもしれないとも考えられる。さらに、CTE及び弾性率の両者が高すぎる場合、ワイヤーへのストレスは高すぎるかもしれず、その結果として信頼性が低下すると考えられる。いくつかの付加反応硬化性液体シリコーン組成物に対しては、CTEは、80〜300ppm/℃、あるいは80〜150ppm/℃、あるいは80〜100ppm/℃であってもよい。液体エポキシ類などのいくつかの硬化性有機組成物に対しては、CTEは10〜30ppm/℃であってもよい。
【0032】
[液体射出成形方法]
本発明の液体射出成形方法は、
i)開いたモールド(open mold)内に上述した半導体デバイスを置くこと、
ii)モールドを閉じて、半導体デバイスを覆うモールドキャビティを形成すること、
iii)モールドキャビティを加熱すること、
iv)モールドキャビティ内に上述した硬化性液体を射出成形して、半導体デバイスをオーバーモールドすること、
v)モールドを開け、且つステップiv)の製造物を取り除くこと、及び
任意に、vi)ステップv)の製造物をポストキュアさせることを含む。
【0033】
ステップii)は、モールドに型締力(clamping force)を加えることにより行われてもよい。理論に縛られることを望まなければ、型締力が高すぎる場合、半導体デバイスは液体射出成形中に破損されてしまうかもしれないが、型締力が低すぎる場合、硬化性液体がモールドから漏れるかもしれないと考えられる。いくつかの付加反応硬化性シリコーン組成物に対しては、ステップii)は、1〜80トン、あるいは1〜27トン、あるいは10〜25トンの型締力をモールドに加えることにより行われてもよい。ステップiii)は、80〜240℃において30〜120秒、あるいは80〜180℃において30〜60秒、あるいは80〜150℃において30〜60秒の時間と温度で行われてもよい。
【0034】
ステップiv)は、モールドキャビティ内に0.3〜7.0MPaの圧力をもたらすのに十分な射出速度で行われてもよい。ステップiv)は、米国カリフォルニア州プラセンティアのカイプモールド社(Kipe Molds, Inc.)製のモールドを装備した米国コネチカット州ニューイントンのアーブルグ社(Arburg, Inc.)製の液体射出成形装置、型番270S 250−60などの市販の液体射出成形装置を用いて行われてもよい。液体射出成形装置の正確な構成は、モールド及び半導体デバイスの正確な構成を含む種々の要因に依存する。
【0035】
図1は、本発明の方法において用いられる液体射出成形プロセス装置100の概略図である。液体射出成形プロセス装置100は、上述のとおり、二部硬化性液体シリコーン組成物の二つの部分への供給システム101を備える。二つの部分は供給タンク102、103から固定ミキサー104へ供給され、固定ミキサーが二つの部分を混合する。その結果得られた硬化性液体シリコーン組成物は押出機105へ入り、モールド106にインレット107を通って送り込まれ、スプルー・ランナーシステム(図示されていない)に到達する。モールド106には、以下で述べるように、図2a〜図4b(断面線108に沿った断面図を示す)、及び図5〜6(断面線109に沿った断面図を示す)に示されるように、種々の構成がある。
【0036】
あるいは、一部硬化性液体を押出機105内へ供給タンク102から(固定ミキサー104を迂回して)直接供給することができる。
【0037】
図2aは、図1の液体射出成形プロセス装置100において用いられるモールド106の直線108に沿った断面図である。図2aは、開いた位置にあるモールドを示す。モールド106は、三部モールドであり、その内部では第一部分(section:部材)201がインレット107及びスプルー210を収容する。第二部分202はランナーシステム211を収容する。第三部分は、モールドキャビティ206内の基板204の表面に装着された半導体ダイス205を有する基板204を保持するモールドリテイナー203である。硬化性液体は半導体ダイス205の上部でゲート207を通ってモールドキャビティ206に入る。図2bは、閉めた位置にある図2aのモールド106である。図2a及び図2bのモールド106は、ランナーシステム211へのヒーター(図示されていない)を備える。
【0038】
図3aは、図1の液体射出成形プロセス装置100において用いられる別のモールド106の直線108に沿った断面図である。図3aは、開いた位置にあるモールドを示す。モールド106は、二部モールドであり、その内部では第一部分301がインレット107、スプルー310及びランナーシステム311を収容する。第二部分は、モールドキャビティ306内の基板の表面に装着された半導体ダイス305を有する基板304を保持するモールドリテイナー303である。硬化性液体は半導体ダイス305の上部でゲート307を通ってモールドキャビティ306に入る。図3bは、閉めた位置にある図3aのモールド106である。図3a及び図3bのモールド106は、スプルー310及びランナーシステム311への、たとえば冷水システムなどのクーラー(図示されていない)を有する。
【0039】
図4aは、図1の液体射出成形プロセス装置100において用いられる別のモールド106の直線108に沿った断面図である。図4aは、開いた位置にあるモールド106を示す。モールド106は、二部モールドであり、その内部では第一部分401がモールドキャビティ406及びランナーシステム(図示されていない)を収容する。モールドリテイナー403は、モールドキャビティ406内の基板404の表面に装着された半導体ダイス405を有する基板404を保持する。モールドリテイナー403はインレット107及びスプルー410を収容する。図4bは、閉めた位置にある図4aのモールド106を示す。
【0040】
硬化性液体は図1のモールド106を用いた異なる構成にゲートされてもよい。たとえば、硬化性液体は、図5に示されるようにチップの側部か、又は図6に示されるようなチップの上部にゲートされてもよい。
【0041】
図5は、図1によるモールド106の直線109に沿った断面図である。モールド106は、スプルー410、ランナー411、及びゲート407を備える。ゲート407は、モールドキャビティ406内の各半導体ダイ(図示されていない)のサイドコーナーでモールドキャビティ406に硬化性液体を導入する。
【0042】
図6は、図1によるモールド106の直線109に沿った断面図を示す。モールド106は、スプルー410、ランナー411、及びゲート407を備える。ゲート407は、モールドキャビティ406内の各半導体ダイ(図示されていない)の上部のモールドキャビティ406に硬化性液体を導入する。
【0043】
ステップiv)で用いられるモールドの正確な構成は半導体デバイス及び選ばれる硬化性液体の種類を含む種々の要因に依存する。理論に縛られることを望まなければ、モールドキャビティ内の各半導体デバイスの上部の中央上のモールドキャビティに硬化性液体を導入するために構成されたゲートを有するモールドは、図7に示される半導体デバイスなど、半導体デバイスが基板にワイヤーボンドされた半導体ダイのときに用いるのに適していると考えられる。理論に縛られることを望まなければ、モールドキャビティ内の各半導体デバイスのサイドコーナーのモールドキャビティに硬化性液体を導入するように構成されたゲートを有するモールドは、図8に示される半導体デバイスなど、半導体デバイスが基板にワイヤーボンドされていない半導体ダイのときに用いるのに適していると考えられる。
【0044】
図7は、本発明のプロセスにより製造された電子部品700を示す。電子部品700は、ダイ装着接着剤704によって回路基板705の表面に装着された集積回路703を備える。集積回路703は、ワイヤー702によって回路基板705に電気的に接続される。液体射出成形は、硬化してオーバーモールド701を形成する硬化性液体を用いて集積回路703上に行われる。はんだボール706は、ダイ装着接着剤704の反対側の回路基板705の表面に装着される。
【0045】
図8は、本発明のプロセスにより作られる別の電子部品を示す。デバイス800は、ダイ装着接着剤804によって回路基板805の表面に装着され且つ電気的に接続された集積回路803を備える。ダイ装着接着剤804は、導電性材料802を含み、導電性材料は集積回路803を回路基板805に電気的に接続する。液体射出成形は、硬化してオーバーモールド801を形成する硬化性液体を用いて集積回路803上に行われる。はんだボール806は、ダイ装着接着剤803の反対側の回路基板805の表面に装着される。
【0046】
図9は、本発明のプロセスにより製造される別の電子部品900を示す。電子部品900は、ダイ装着接着剤904によって回路基板905の表面に装着された集積回路903を備える。集積回路903は、図7に示される構成と別の構成においてワイヤー902によって回路基板905に電気的に接続される。液体射出成形は、硬化してオーバーモールド901を形成する硬化性液体を用いて集積回路903上に行われる。別個の封止剤910がワイヤーを損傷から保護するために用いられる。はんだボール906は、ダイ装着接着剤904の反対側の回路基板905の表面に装着される。
【0047】
[基板]
上述の方法において用いられる基板は特に限定されない。選ばれる基板は、たとえば、製造される半導体デバイスの種類など、上述の方法の使用を含む種々の要因に依存する。基板は、回路基板(たとえば、プリント回路基板、PCB又はPWB)など、電子デバイス又は電子デバイスパッケージの製造において用いられるいかなる材料であることもできる。基板は、たとえば、電子デバイスパッケージにおいて一般的に用いられるセラミック基板、フレキシブル基板、又はリジッド基板であることができる。適した基板の例には、セラミック、金属、金属コート表面、ポリマー、及びこれらの組み合わせが含まれる。
【0048】
金属及び金属コーティングには、アルミニウム、クロム、銅、金、鉛、ニッケル、白金、はんだ、ステンレス鋼、錫、チタン、これらの合金、及び二種以上の金属を含む組み合わせが含まれる。
【0049】
セラミックには、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、これらの組み合わせ、及びその他が含まれる。あるいは、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、及びこれらの組み合わせが含まれる。
【0050】
ポリマーには、ベンゾシクロブテン、ビスマレイミド、シアン酸エステル、エポキシ、ポリベンゾオキサゾール、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリフェニレンエーテル、ポリ塩化ビニリデン、及びこれらの組み合わせが含まれる。
【0051】
[半導体]
上述の方法において用いられる半導体デバイスは特に限定されない。半導体は当該技術分野で既知であり、市販されている。たとえば、J. Kroschwitz編、「Electronic Materials」、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第9巻、219〜229頁、John Wiley & Sons、New York、1994年を参照。一般的な半導体には、シリコン、シリコン合金、及びガリウムヒ素が含まれる。半導体デバイスは、たとえば、ベアダイ、集積回路(IC)チップなどのチップ、又はウエハーなど、いかなる便利な形態を有することもできる。
【実施例】
【0052】
これらの実施例は本発明を当業者に説明するものであり、特許請求の範囲に記述された本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0053】
<参考例1−射出成形装置>
28mmのスクリュー径で1〜90トンの型締圧で稼動できるエンジェル(Engel)シリコーン液体射出成形機(M/N:CC−90)が射出成形に用いられる。この装置及び類似の装置は、米国ペンシルバニア州ヨーク5番道路ボードロード3740のエンジェルマシナリー社(ENGEL Machinery Inc.)から市販されている。
【0054】
<参考例2−射出成形装置>
18mmのスクリュー径で1〜27トンの型締圧で稼動できるアーブルグ(Arburg)シリコーン液体射出成形機(M/N:ALLROUNDER 270S 250−60)が射出成形に用いられる。この装置は、米国コネチカット州06111ニューイントンロックウェルロード125のアーブルグ社から市販されている。
【0055】
<参考例3−成形>
米国ミシガン州マジソンハイツスティーブンソン(Stephenson)ハイウェイ29111のD−M−E社製のナンバー#2スチールで製造された標準モールドベース(カタログ:812A−13−13−2)は、1×6アレイパッケージを収容するように、米国カリフォルニア州92870プラセンティアイーストクラウザーアベニュー340のKipe Molds社によって製造されている。モールドは、ホットランナーシステムとしてデザインされている。
【0056】
<参考例4−1×6 BGAストリップ>
1×6アレイストリップを有し、下記の寸法の電子BGAストリップが製造される:長さ=187.5mm、幅=40.0mm、高さ=0.36mm又は0.61mm。
【0057】
<実施例1〜3>
試料1〜3は、参考例2の装置、参考例3のモールド、及び参考例4のBGAストリップを用いて評価される。試料は、120℃の温度、30〜240秒の硬化時間で、10〜27トンの型締圧でモールド内で硬化される。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
試料1は、ヒドロシリル化を介して硬化する樹脂状シリコーンマトリクスである。樹脂状シリコーンマトリクスは硬化すると光学的に透明な材料を形成する。試料1は、樹脂/架橋剤A 97重量部及び触媒/阻害剤A 3重量部の組み合わせである。樹脂/架橋剤Aは、ビニル末端のシルセスキオキサン樹脂 81部、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン 17部、ヒドロキシ末端のジメチル、メチルビニルシロキサンと(グリシドキシプロピル)トリメトキシシランとの反応生成物 1部、及びエチレングリコールとテトラエチルオルトケイ酸塩との反応からの生成物 1部の組み合わせである。触媒/阻害剤Aは、ジビニルテトラメチルジシロキサン及びトリフェニルホスフィン白金錯体 3.6部、トルエン 93.3部、トリフェニルホスフィン 3.0部、及びテトラメチルジビニルジシロキサン 0.1部の組み合わせである。
【0060】
試料2は、市販の付加反応硬化性液体シリコーン組成物、米国ミシガン州ミッドランドのダウコーニングコーポレイションから市販されているダウコーニング(DOW CORNING)(登録商標)6820マイクロエレクトロニック封止剤である。
【0061】
試料3は、試料1の組成物 40部及び石英ガラス 60部の組み合わせである。
【0062】
試料1〜3は、異なる液体シリコーン組成物が液体射出成形プロセスに適していることを示す。試料2は、接着を得ることができることを示す。
【符号の説明】
【0063】
100 液体射出成形プロセス、101 供給システム、102 供給タンク、103 供給タンク、104 固定ミキサー、105 押出機、106 モールド、107 インレット、108 断面線、109 断面線、201 第一部分、202 第二部分、203 モールドリテイナー、204 基板、205 半導体ダイス、206 モールドキャビティ、210 スプルー、211 ランナーシステム、301 第一部分、303 モールドリテイナー、304 基板、305 半導体ダイス、306 モールドキャビティ、307 ゲート、310 スプルー、311 ランナーシステム、401 第一部分、403 モールドリテイナー、404 基板、405 半導体ダイス、406 モールドキャビティ、407 ゲート、410 スプルー、411 ランナー、700 電子部品、701 オーバーモールド、702 ワイヤー、703 集積回路、704 ダイ装着接着剤、705 回路基板、706 はんだボール、800 電子部品、801 オーバーモールド、802 導電性材料、803 集積回路、804 ダイ装着接着剤、805 回路基板、806 はんだボール、900 電子部品、901 オーバーモールド、902 ワイヤー、903 集積回路、904 ダイ装着接着剤、905 回路基板、906 はんだボール、910 封止剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体射出成形を用いて電子部品を製造する方法であって、
a)シリコーンダイ装着接着剤組成物を基板に塗布すること、
b)前記ダイ装着接着剤組成物を硬化させて、ダイ装着接着剤を形成すること、
c)前記ダイ装着接着剤の表面をプラズマ処理すること、
d)半導体ダイの表面をプラズマ処理すること、
e)前記半導体ダイのプラズマ処理された表面を前記ダイ装着接着剤のプラズマ処理された表面と接触させること、
f)前記半導体ダイを前記基板の表面にワイヤーボンドすること、
g)前記半導体ダイがオーバーモールドされるように、前記ステップf)の製造物上に硬化性液体シリコーン組成物を射出成形すること、及び
h)前記ダイ装着接着剤の反対側の前記基板の表面上にはんだボールを形成すること
を含み、
前記ステップg)が、
i)前記ステップf)の製造物を、開いたモールド内に置くこと、
ii)1〜80トンの型締力を加えることにより、前記モールドを閉じてモールドキャビティを形成すること、
iii)前記モールドキャビティを加熱すること、
iv)前記モールドキャビティ内に前記硬化性液体シリコーン組成物を射出成形して、前記基板上の半導体ダイをオーバーモールドすることであって、このステップiv)は、前記モールドキャビティ内に0.3〜7.0MPaの圧力をもたらすのに十分な射出速度で行われること、
v)前記モールドを開け、前記ステップiv)の製造物を取り除くこと、及び
任意に、vi)前記ステップv)の製造物をポストキュアさせること
を含むことによりワイヤー流れを最小限にし、
前記シリコーンダイ装着接着剤組成物と、液体射出成形のための前記硬化性液体シリコーン組成物とが、同様の硬化メカニズムを有する、電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記ダイ装着接着剤が、液体射出成形のための前記硬化性液体シリコーン組成物と反応性のある基を含む請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記硬化性液体シリコーン組成物が硬化して25〜1,000MPaの弾性率を有するオーバーモールドを形成し、且つ前記硬化性液体シリコーン組成物が、80〜3,000ポアズ(8〜300Pa・s)の粘度及び80〜240℃の温度において30〜120秒で硬化するような硬化プロファイルを有する請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記ステップii)が1〜27トンの型締力を加えることによって行われる請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項5】
前記硬化性液体シリコーン組成物が硬化すると光学的に透明な材料を形成する請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項6】
前記ステップiii)が80〜180℃の温度において行われる請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項7】
前記ステップiv)が、前記モールドキャビティ内に0.6〜2.0MPaの圧力をもたらすのに十分な射出速度で行われる請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項8】
前記硬化性液体シリコーン組成物の硬化生成物が100〜1,000MPaの弾性率を有する請求項5に記載の電子部品の製造方法。
【請求項9】
基板と、前記基板の表面上のダイ装着接着剤と、前記ダイ装着接着剤に装着された半導体ダイと、前記半導体ダイを前記基板に接続するワイヤーボンドと、前記半導体ダイを覆うオーバーモールドと、前記ダイ装着接着剤の反対側の前記基板の表面上のはんだボールとを備える電子部品であって、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法によって製造される電子部品。
【請求項10】
液体射出成形を用いて電子部品を製造する方法であって、
a)シリコーンダイ装着接着剤組成物を基板に塗布すること、
b)半導体ダイを前記ダイ装着接着剤組成物に装着すること、
c)前記ダイ装着接着剤組成物を硬化させて、ダイ装着接着剤を形成すること、
d)前記半導体ダイを前記基板にワイヤーボンドすること、及び
e)前記ステップd)の製造物として形成された半導体デバイス上に硬化性液体シリコーン組成物を射出成形することであって、ワイヤー流れを最小限にする射出成形は、
i)開いたモールド内に前記半導体デバイスを置くこと、
ii)前記モールドを閉じて、モールドキャビティを形成すること、
iii)前記モールドキャビティを加熱すること、
iv)前記モールドキャビティ内に硬化性液体シリコーン組成物を射出成形して、前記半導体デバイスをオーバーモールドすること、
v)前記モールドを開け、前記ステップiv)の製造物を取り除くこと、及び
任意に、vi)前記ステップv)の前記製造物をポストキュアさせること
を含む方法によって行われ、
前記シリコーンダイ装着接着剤組成物と、液体射出成形のための前記硬化性液体シリコーン組成物とが、同様の硬化メカニズムを有し、前記硬化性液体シリコーン組成物が、80〜3,000ポアズ(8〜300Pa・s)の粘度を有し、且つ前記硬化性液体シリコーン組成物の硬化生成物が100〜1,000MPaの弾性率を有する、電子部品の製造方法。
【請求項11】
前記ダイ装着接着剤が、液体射出成形のための前記硬化性液体シリコーン組成物と反応性のある基を含む請求項10に記載の電子部品の製造方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−193023(P2011−193023A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123494(P2011−123494)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【分割の表示】特願2006−523225(P2006−523225)の分割
【原出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】