説明

液体用減圧弁

【課題】液体用減圧弁の二次側圧力の変動幅を抑制する。
【解決手段】弁体23を接離方向に駆動する駆動軸26と、駆動軸を作動桿の動きに応じて駆動するレバー機構を備え、レバー機構は、L字状に形成されたレバー31と、該レバーをレバー面内で遥動可能に曲り部を支持するレバーピン32と、前記レバーの一端が前記作動桿に摺動自由に係合する第1の係合部(32)とを有し、作動桿の軸方向運動を当該レバーの遥動運動に変換する第1のリンク機構と、レバーの他端が長手方向に摺動自由に駆動軸に係合する第2の係合部(36,37)を有し、当該レバーの遥動運動を駆動軸の軸方向運動に変換する第2のリンク機構とを有してなり、レバーピンと係合ピンとの間のアーム寸法Aとレバーピンと作動桿の軸との間のアーム寸法Bとのレバー比K=A/Bが1未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体用減圧弁に係り、特に、給湯システム等の熱供給システムの給水圧を設定水圧に減圧調整するのに好適な液体用減圧弁に関する。
【背景技術】
【0002】
熱供給システムとは、加熱源により水道水などの給水を加熱して給湯あるいは暖房の熱として供給するシステムを指すものとする。例えば、加熱源として太陽熱集熱器、ガス給湯器又はヒートポンプ給湯器等を単独で、又はそれらの加熱源を適宜組み合わせた熱供給システムが知られている。このような熱供給システムにおいて、太陽熱集熱器やヒートポンプ給湯器を加熱源とする場合は、昼間の太陽熱あるいは深夜電力を利用して貯湯槽内の水を沸上げて、例えば1日に必要な湯量を貯湯して運用する。給湯時には、貯湯槽から出湯させた高温の給湯に低温の給水を混合して設定温度に調節した後、台所、洗面、シャワー、ふろなどの使用場所に供給する。また、暖房器などの場合は、貯湯槽内に熱交換器を設け、その熱交換器と暖房器との間で熱媒を循環して熱を供給する。給湯温度を設定温度に調整するために、通常、高温の給湯と低温の給水の混合率を調整する温度調整弁が設けられる。
【0003】
しかし、水道水の圧力、あるいは熱供給システムの各部に供給する給水圧や給水量が変動すると、温度調整動作が安定しなくなる。そのために、設定温度よりも高い温度の給湯が行われることがあり、熱量効率が低下することがある。そこで、水道水などの給水受入ラインに水用減圧弁を設けて給水圧力を所定圧に制御することが望ましい。
【0004】
従来、一般に用いられている水用等の液体用減圧弁は、特許文献1、2に記載されているように、二次側の圧力が作用する調圧室の隔壁にダイヤフラムを設け、そのダイヤフラムを第1の調圧ばねで調圧室側に押圧した調圧機構が知られている。一方、調圧室に連通された開口を有する弁座に接離可能に弁体を設けた調圧弁を一次側の高圧液体の流入口に連通してなり、その弁体を第2の調圧ばねで弁座側に押圧した減圧機構が知られている。そして、調圧機構のダイヤフラムの中心に連結した作動桿を弁体の駆動軸に直結し、調圧室に作用する二次側の液体圧力に応じて変位するダイヤフラムの動きにより弁体を駆動して調圧弁の開度を制御し、流入口から流入される高圧液体を設定圧に減圧して調圧室の流出口から供給場所に送出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−23856号公報
【特許文献2】特開2010−176229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の液体用減圧弁は、ダイヤフラムの作動桿と、減圧弁の弁体の駆動軸が直結されているから、ダイヤフラムと弁体の変位量(ストローク)が同一の関係になる。その結果、調圧室内の二次側圧力の変動幅に応じて、調圧弁の開度が1対1の関係で調整されるので、二次側の圧力の変動幅が大きく、調圧精度が悪いという問題がある。
【0007】
特に、熱供給システムの給水系の水用減圧弁に適用する場合、二次側の給水圧の変動幅が大きいと、給湯と給水を混合して温度を調整する温度調整弁の温度調整が安定せず、給湯温度が設定温度よりも高くなることがあり、熱量効率が低下するという問題がある。
【0008】
また、給水量を計測する量水器(水道メータ)は、給水の流速により回転する水車の回転数に基づいて給水量を計量しているから、給水圧の変動により給水の流速が変動して量水器の計量値が安定しないという問題がある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、液体用減圧弁の二次側圧力の変動幅を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明の液体用減圧弁は、内部に調圧室が形成されたボディと、前記調圧室の隔壁の一部を構成するダイアフラムと、該ダイヤフラムの中心に連結され摺動自由に支持された作動桿と、前記調圧室に連通して設けられた開口を有する弁座と、該弁座に対向させて設けられた弁体と、該弁体に連結して摺動自由に支持され前記弁座に対して接離方向に駆動する駆動軸と、該駆動軸を前記作動桿の動きに応じて駆動するレバー機構と、前記調圧室に前記弁座を介して連通された液体流入口と、前記調圧室に連通された液体流出口とを備えてなり、前記レバー機構は、L字状に形成されたレバーと、該レバーをレバー面内で遥動可能に曲り部を支持するレバーピンと、前記レバーの一端が前記作動桿に摺動自由に係合する第1の係合部とを有し、前記作動桿の軸方向運動を当該レバーの遥動運動に変換する第1のリンク機構と、前記レバーの他端が長手方向に摺動自由に前記駆動軸に係合する第2の係合部を有し、当該レバーの遥動運動を前記駆動軸の軸方向運動に変換する第2のリンク機構とを有してなり、前記レバーピンと前記係合ピンとの間のアーム寸法Aと前記レバーピンと前記作動桿の軸との間のアーム寸法Bとのレバー比K=A/Bが1未満であることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、調圧機構を構成するダイヤフラムの作動桿に、L字型のレバーをレバーピン周り遥動可能に構成したレバー機構を介して、減圧機構を構成する調圧弁の弁体の駆動棒を連結し、L字型のレバーのレバー比Kを1未満にしたことから、ダイヤフラムの変位量(ストローク)の変化に対する弁体の変位量(ストローク)、つまり調圧弁の開き量(開度)の変化を小さくできる。その結果、調圧室の圧力をきめ細かく制御できるから、二次側の圧力の変動幅を抑えて、調圧精度を向上することができる。なお、水減圧弁の場合、レバー比Kを1/(1.3〜1.5)に設定することが好ましい。
【0012】
上記の場合において、前記第1の係合部は、前記作動桿の軸に交差して形成され前記レバーの一端が挿入される矩形の挿通穴であり、前記挿通穴は、遥動運動により前記レバーが当接する内面が穴に沿って円弧状に形成されてなり、前記第2の係合部は、前記駆動軸の軸に交差して形成された係合ピン37と、前記レバーの他端に当該レバーの長手方向に沿って形成され前記係合ピンが挿入される長穴36とを有して形成することができる。
【0013】
さらに、上記のいずれかの液体用減圧弁において、前記ボディを含む全体を断熱材で覆うことができる。これによれば、冬季の減圧弁凍結防止を簡易に図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、液体用減圧弁の二次側圧力の変動幅を抑制することができるから調圧精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例の水用減圧弁の構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面から見た断面図である。
【図2】図1実施例の水用減圧弁を断熱材で覆った構成を示す図であり、水用減圧弁を側面から見た断面図である。
【図3】駆動軸の支持部材の一例を示す図である。
【図4】図1実施例の二次側圧力の変動幅と、従来の液体用減圧弁の二次側圧力の変動幅とを比較して示す図である。
【図5】本発明の水用減圧弁の適用対象の熱供給システムの一例を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の液体用減圧弁の実施例を、図面を参照して説明する。
【実施例】
【0017】
本発明の水用減圧弁が適用される熱供給システムの一例の全体構成図を、図5を参照して説明する。同図に示す熱供給システムは、加熱源として太陽熱の集熱器101及びガス又は石油を燃料とする給湯器102と、貯湯槽103を備えて構成される。集熱器101は図示例では2つの集熱ユニット101a,bを備えて構成され、貯湯槽103の内部に設けられた熱交換器120と熱媒循環路121a、121bを介して連結され、熱媒循環路121aに介装された循環ポンプ123により熱媒を循環して、貯湯槽103内の水を沸上げるようになっている。
【0018】
一方、水道などの給水105は給水管106、水用減圧弁107、給水管108を介して貯湯槽103の底部に給水される。貯湯槽103内の湯は給水管108の水圧で押し出され、給湯管109から電動三方弁110を介して台所などの給湯場所に給湯111するようになっている。また、給湯管109から分岐された給湯管112と給水管108から分岐された給水管114は、それぞれ温度調整弁113に接続されている。温度調整弁113は給湯に給水を混合して湯温を設定温度に調整し、給湯管115を介して手動切換弁116に供給するようになっている。手動切換弁116は、給水管106からの給水と、給湯管115からの給湯のいずれかを切り換えて、給湯器102に供給するようになっている。給湯器102により加熱された湯は、電動三方弁110を介して給湯場所に給湯111するようになっている。なお、図中の符号117は、給湯圧が設定値を超えたときに動作する逃し弁である。
【0019】
ここで、図1、2を参照して、本発明の一実施例の水用減圧弁107の詳細構成について説明する。本実施例の水用減圧弁107は、図1(b)の断面図に示すように、調圧機構と減圧機構とレバー機構を有して構成されている。調圧機構は、内部に調圧室1が形成されたボディ2と、ボディ2の図において上部隔壁に形成された開口を塞いで設けられたカバーボディ3を有して形成されている。ボディ2とカバーボディ3との接合部に、調圧室1の隔壁の一部としてダイアフラム4が設けられている。ボディ2とカバーボディ3はボルト5により締結されている。ダイアフラム4の上面にダイヤフラム受板6が積層され、ダイヤフラム受板6の上面に当接させて調圧ばね7が設けられている。調圧ばね7の他端はカバーボディ3の円筒部に設けられた円盤状の調圧板8に当接されている。調圧板8の中心に調圧ねじ9の一端が回転可能に係合され、調圧ねじ9の外周面に形成されたねじがカバーボディ3の頂部に固定されたインサートナット10に形成されたねじに螺合されている。したがって、調圧板8は、調圧ねじ9を回転することによってカバーボディ3内で上下移動可能に形成されている。また、ダイヤフラム4の中心部に作動桿11の頭部が突出して設けられ、作動桿11の鍔部11aとナット12によりダイヤフラム受板6を挟持して固定されている。作動桿11の脚部は調圧室1に延在して設けられ、その下端は調圧室1の底部壁に起立して設けられた筒状の支持部13に摺動自由に支持されている。筒状の支持部13の底部に近い位置の筒壁に、調圧室1に連通する開口13aが設けられている。これにより、作動桿11の摺動を円滑にして後述するレバー機構の動作の安定化を図っている。
【0020】
一方、減圧機構は、給水の流入口20が調圧弁21を介して調圧室1に連通され、調圧弁21は調圧室1に連通された開口を有する円筒状の弁座22に接離可能に設けられたゴム製の弁体23を有して構成されている。弁体23は、弁カバー24を挟んでねじ25により駆動軸26の一端に固定されている。駆動軸26は、図3に示すように、弁座22の円筒の内面に装着された筒状の支持部材27により軸方向に摺動自由に支持されている。すなわち、支持部材27は、駆動軸26が摺動自由に嵌入される円筒体27aと、円筒体27aの両端に放射状に突出された梁部材27bと、梁部材27bに支持され弁座22の円筒両端の内面に装着された一対の円筒状の支持体27cを有して形成されている。これにより、駆動軸26は、流入口20に流入される高圧の給水圧が弁カバー24に作用して、弁座22方向に付勢されている。また、給水の流入口20と調圧弁21との間に、調圧弁21を覆うようにフィルタ29が設けられ、これにより給水に含まれる異物を除去するようになっている。なお、支持部材27は、駆動軸26を軸方向に摺動自由に支持することができれば、図3に例示した構造に限られるものではない。
【0021】
レバー機構は、L字状に形成された平板状のレバー31と、レバー31の曲り部を支持するレバーピン32を有して形成されている。これにより、レバー31はレバーピン32の周りにレバー面内で遥動可能に支持されている。レバー31の一端は、作動桿11の軸に交差(図示例では、直交)して形成された矩形のレバー挿通穴33に挿入されている(図2参照)。矩形のレバー挿通穴33は、レバー31の遥動方向の2つの挿通穴内面33a,33b(図において、上下の内面)は、レバー31の遥動が円滑に行えるように、穴の延在方向に沿って円弧状に形成されている。そして、レバー31の図において上下面がレバー挿通穴33の円弧状の内面を摺動するように接触されている。この構成により、レバー31の一端が係合して作動桿11の軸方向運動をレバー31の遥動運動に変換する第1のリンク機構が形成されている。
一方、レバー31の他端には、レバー31の長手方向に沿って長穴36が形成され、長穴36は調圧弁21の駆動軸26の外面に植設され係合ピン37に係合されている。これにより、レバー31の遥動運動を駆動軸26の軸方向運動に変換する第2のリンク機構が形成されている。また、レバーピン32と係合ピン37との間の寸法をAとし、レバーピン32と作動桿11の軸心との間の寸法をBとする。そして、A/Bの寸法比をレバー比K=A/Bと定義すると、本発明ではK<1に設定される。さらに具体的には、レバー比Kは、1/(1.3〜1.5)の範囲に設定することが好ましい。
【0022】
このように構成される水用減圧弁107の調圧室1は、逆止弁40を介して減圧された給水の流出口41に連通されている。逆止弁40は、流出口41側から調圧室1内に流れ込む水流を遮断するものであり、本発明の特徴には関係しないことから、詳細な説明は省略する。また、水用減圧弁107には、図2に示すように、調圧室1内に所定の設定圧以上の異常水圧が作用したときに、調圧室1内の水を放出するブロー弁42が設けられている。
【0023】
図2は、図1実施例の水用減圧弁107の全体を、断熱材カバー50で覆った構成を示し、水用減圧弁107を側面から見た断面図である。図示のように、断熱材カバー50は、ボディ2とカバーボディ3を包囲するように、上下2つの断熱材カバー50a,bに分割して形成されている。
【0024】
次に、本実施例の水用減圧弁の特徴部の動作及び効果について、図4を参照して説明する。まず、レバー比Kの技術的意味について、本発明の液体用減圧弁の基本原理を説明する。液体用減圧弁の調圧のバランスは次式(1)で表せる。
F1=S×P+K×S×(P−P) (1)
ここで、記号の意味は次のとおりである。
F1:調圧ばね7によりダイヤフラム4に加えられる荷重[kgf]
S :ダイヤフラム4の液体受圧面積[cm
:二次側圧力[kgf/cm
K :レバー比
:弁座22の開口面積[cm
:二次側圧力[kgf/cm
つまり(1)式は、調圧ばね7の荷重と、ダイヤフラム4の受圧面積に二次側圧力を掛けて得られる荷重のバランスを基本に、調圧弁21の弁座22の開き量(開口径と開度)が関係している。
【0025】
弁座22の開き量を算出するために、仮想オリフィスを想定し、仮想オリフィス径Dを次式(2)で算出する。なお、(2)式において、Qmaxは減圧する液体の最大流量、(P−P)は仮想オリフィスの圧力損失、定数0.009は構造的時定数である。なお、仮想オリフィス径Dは、最大流量時のダイヤフラム変位量Hを算出するための前提条件の仮設定である。
【数1】

【0026】
一方、ダイヤフラム4の変位量Hは、仮想オリフィス径Dをもとに、弁座開口径Dと次式(3)の関係がある。同式のαは、ダイヤフラム4の変位量係数であり、流量が大きくなるに従い、数値が大きくなる流量ごとの係数である。これにより、ダイヤフラムの流量ごとの変位量が二次曲線的に増加する傾向となる。
【数2】

【0027】
これらの式(1)〜(3)から明らかなように、ダイヤフラム4の変位量を基に、弁座開口径Dが決まってくる。そして、調圧弁21の弁座22の開き量(開口径と開度)をダイヤフラム4の変位量の相関をレバー比Kで調整し、二次側圧力の変動幅を小さくするように決定する。
【0028】
以上説明したように、本実施例によれば、調圧機構を構成するダイヤフラムの作動桿に、L字型のレバーをレバーピン周り遥動可能に構成したレバー機構を介して、減圧機構を構成する調圧弁の弁体の駆動棒を連結し、L字型のレバーのレバー比Kを1未満にしたことから、ダイヤフラムの変位量(ストローク)の変化に対する弁体の変位量(ストローク)、つまり調圧弁の開き量の変化を小さくできる。その結果、調圧室の圧力をきめ細かく制御できるから、二次側の圧力の変動幅を抑えて、調圧精度を向上することができる。
【0029】
特に、レバー比Kを1/(1.3〜1.5)に設定した水用減圧弁の場合、図4の曲線Iに示すように、設定圧に対する二次側水圧の変動幅を±3%に抑えることができた。これに対して、ダイヤフラムにより調圧弁の弁体を直接駆動する方式の従来の液体用減圧弁の場合は、図4の曲線IIに示すように、±8%の変動幅が生じている。このように、本発明によれば、液体用減圧弁の二次側の圧力変動幅を、大幅に低減できるから、調圧精度を向上することができるという効果がある。
【0030】
また、ボディを含む全体を断熱材で覆った水用減圧弁によれば、冬季の凍結防止を簡易に図ることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 調圧室
2 ボディ
3 カバーボディ
4 ダイヤフラム
6 ダイヤフラム受板
7 調圧ばね
8 調圧板
9 調圧ねじ
11 作動桿
13 支持部
13a 開口
20 流入口
21 調圧弁
22 弁座
23 弁体
26 駆動軸
27 支持部材
29 フィルタ
31 レバー
32 レバーピン
33 レバー挿通穴
33a,b 挿通穴内面
36 長穴
37 ピン
50 断熱材カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に調圧室が形成されたボディと、前記調圧室の隔壁の一部を構成するダイアフラムと、該ダイヤフラムの中心に連結され摺動自由に支持された作動桿と、前記調圧室に連通して設けられた開口を有する弁座と、該弁座に対向させて設けられた弁体と、該弁体に連結して摺動自由に支持され前記弁座に対して接離方向に駆動する駆動軸と、該駆動軸を前記作動桿の動きに応じて駆動するレバー機構と、前記調圧室に前記弁座を介して連通された液体流入口と、前記調圧室に連通された液体流出口とを備えてなり、前記レバー機構は、L字状に形成されたレバーと、該レバーをレバー面内で遥動可能に曲り部を支持するレバーピンと、前記レバーの一端が前記作動桿に摺動自由に係合する第1の係合部とを有し、前記作動桿の軸方向運動を当該レバーの遥動運動に変換する第1のリンク機構と、前記レバーの他端が長手方向に摺動自由に前記駆動軸に係合する第2の係合部を有し、当該レバーの遥動運動を前記駆動軸の軸方向運動に変換する第2のリンク機構とを有してなり、前記レバーピンと前記係合ピンとの間のアーム寸法Aと前記レバーピンと前記作動桿の軸との間のアーム寸法Bとのレバー比K=A/Bが1未満である液体用減圧弁。
【請求項2】
請求項1に記載の液体用減圧弁において、
前記第1の係合部は、前記作動桿の軸に交差して形成され前記レバーの一端が挿入される矩形の挿通穴であり、前記挿通穴は、遥動運動により前記レバーが当接する内面が穴に沿って円弧状に形成されてなり、
前記第2の係合部は、前記駆動軸の軸に交差して形成された係合ピンと、前記レバーの他端に当該レバーの長手方向に沿って形成され前記係合ピンが挿入される長穴とを有して形成してなることを特徴とする液体用減圧弁。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液体用減圧弁において、
前記レバー比Kが1/(1.3〜1.5)であることを特徴とする液体用減圧弁。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体用減圧弁において、
前記ボディを含む全体を断熱材で覆ってなる液体用減圧弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−178029(P2012−178029A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40275(P2011−40275)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】