説明

液処理方法、液処理装置及び記憶媒体

【課題】エッチング速度が大きく、シリコン酸化物に対するシリコン窒化物のエッチング選択比が高い液処理方法、液処理装置及び前記方法を記憶した記憶媒体を提供する。
【解決手段】シリコン窒化物とシリコン酸化物とが露出した基板をエッチング溶液によりエッチングするにあたり、フッ素イオン源と、水と、沸点調節剤とを混合してエッチング溶液を調製し、このエッチング溶液により前記基板をエッチングしたときにシリコン窒化物のエッチング速度が100Å/分以上となり、シリコン酸化物のエッチング速度に対するシリコン窒化物のエッチング速度の比が75以上となるように、当該エッチング溶液の温度を予め設定した時間140℃以上の温度に維持してから、当該エッチング溶液により前記基板をエッチングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン窒化物をエッチングする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程において、SiN(シリコン窒化物)膜とSiO(シリコン酸化物)膜とが表面に露出した基板について、SiN膜を選択的にエッチングして除去する工程がある。SiN膜の選択的なエッチング方法として特許文献1には、フッ化水素(HF)と硫酸(HSO)と水(HO)とを含むエッチング溶液を沸点温度にまで加熱してエッチングを行う技術が記載されている。しかし、処理時間を短くするために、より高いエッチング速度が求められていると共に、SiO膜のエッチング速度に対するSiN膜のエッチング速度の比(選択比)も十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−246378号公報:請求項16、段落0093〜0098、図18
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような背景の下になされたものであり、エッチング速度が高く、またシリコン酸化物に対するシリコン窒化物のエッチング選択比が高い液処理方法、液処理装置及び前記方法を記憶した記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る液処理方法は、シリコン窒化物とシリコン酸化物とが露出した基板をエッチング溶液によりエッチングする液処理方法であって、
フッ素イオン源と、水と、沸点調節剤とを混合してエッチング溶液を調製する工程と、
このエッチング溶液により前記基板をエッチングしたときにシリコン窒化物のエッチング速度が100Å/分以上となり、シリコン酸化物のエッチング速度に対するシリコン窒化物のエッチング速度の比が75以上となるように、当該エッチング溶液の温度を予め設定した時間140℃以上の温度に維持する工程と、
前記予め設定した時間140℃以上の温度に維持されたエッチング溶液により前記基板をエッチングする工程と、を含むことを特徴とする。
【0006】
前記液処理方法は以下の特徴を備えていてもよい。
(a)前記フッ素イオン源は、フッ化水素またはフッ化アンモニウムであること。
(b)前記沸点調節剤は、硫酸またはジメチルスルホキシドであること。
(c)前記140℃以上の温度は、前記エッチング溶液が沸騰する温度未満であること。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、フッ素イオン源と、水と、沸点調節剤とを混合して調製されたエッチング溶液を140℃以上の温度に維持することにより、当該エッチング溶液がシリコン窒化物を選択的にエッチングするのに好適な状態となり、シリコン窒化物のエッチング速度を100Å/分以上とし、シリコン酸化物のエッチング速度に対するシリコン窒化物のエッチング速度の比を75以上とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るエッチングを行う前のウエハ表面の断面図である。
【図2】前記エッチング後のウエハ表面の断面図である。
【図3】前記エッチングを行う液処理装置の横断平面図である。
【図4】前記液処理装置に設けられている液処理ユニットの縦断側面図である。
【図5】前記液処理ユニットへのエッチング溶液の供給系統を示す説明図である。
【図6】前記エッチング溶液の供給系統に設けられた加熱タンクの動作の流れを示すフロー図である。
【図7】前記加熱タンクの加熱動作、及びここからエッチング溶液を供給する動作のタイムチャートである。
【図8】エッチング溶液の供給系統の他の例を示す説明図である。
【図9】エッチング溶液の供給系統のさらに他の例を示す説明図である。
【図10】実施例の実験結果を示す第1の説明図である。
【図11】実施例の実験結果を示す第2の説明図である。
【図12】実施例の実験結果を示す第3の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係わる液処理装置1の具体的な構成を説明する前に、当該液処理装置1を用いてエッチングが行われるウエハW(基板)の構成例について図1、図2を参照しながら簡単に説明しておく。図1に示したウエハWには、複数の凹部62を備えたシリコン膜61が形成され、このシリコン膜61の上面にはSiO膜63が積層されている。当該SiO膜63の上には別のSiO膜64が積層されていて、これにより前記凹部62内は当該SiO膜64が埋め込まれた状態となっている。この上層側のSiO膜64は、その上部側が凹部62よりも高い位置まで飛び出している。そして、隣り合う凹部62同士の間の凸部上に形成されたSiO膜64が除去され、そこにSiN膜65が埋め込まれている。この結果、このウエハWの表面は、SiN膜65とSiO膜64とが露出した状態となっており、液処理装置1はSiNを選択的にエッチングすることにより、例えば図2に示すようにウエハWの表面からSiN膜65を除去することができる。
【0010】
上述の機能を備えた液処理装置1の構成について図3〜5を参照しながら説明する。図3の横断平面図に示すように、液処理装置1は、複数のウエハWを収容するFOUP100を載置する載置ブロック11と、載置ブロック11に載置されたFOUP100からのウエハWの搬入・搬出を行う搬入出ブロック12と、搬入出ブロック12と後段の液処理ブロック14との間でウエハWの受け渡しを行う受け渡しブロック13と、ウエハWに液処理を施すための液処理ブロック14とを備えている。
【0011】
載置ブロック11は、複数のウエハWを水平状態で収容するFOUP100を載置台111上に載置する。搬入出ブロック12は、ウエハWの搬送を行う。受け渡しブロック13は、ウエハWの受け渡しを行う。
【0012】
搬入出ブロック12は、第1のウエハ搬送機構121を有している。第1のウエハ搬送機構121は、ウエハWを保持する搬送アーム122、及び搬送アーム122を前後に移動させる機構を有している。また第1のウエハ搬送機構121は、FOUP100の配列方向に延びる水平ガイド123に沿って移動する機構、不図示の垂直ガイドに沿って移動する機構、水平面内で搬送アーム122を回転させる機構を有している。この第1のウエハ搬送機構121により、FOUP100と受け渡しブロック13との間でウエハWが搬送される。
【0013】
受け渡しブロック13は、ウエハWを載置可能な受け渡し棚131を有している。受け渡しブロック13では、この受け渡し棚131を介して搬入出ブロック12、液処理ブロック14の搬送機構間(既述の第1のウエハ搬送機構121及び後述する第2のウエハ搬送機機構143間)でウエハWの受け渡しが行われるようになっている。
【0014】
液処理ブロック14は、複数の液処理ユニット2が配置された液処理部141と、ウエハWの搬送が行われる搬送部142とを筐体内に収めた構成となっている。搬送部142は、受け渡しブロック13との接続部を基端として、前後方向に伸びる空間内に第2のウエハ搬送機機構143を配置してなる。第2のウエハ搬送機機構143は、ウエハWを保持する搬送アーム144、及び搬送アーム144を前後に移動させる機構を有している。また、第2のウエハ搬送機機構143は、前後方向に伸びる水平ガイド145に沿って移動する機構、垂直方向に設けられた不図示の垂直ガイドに沿って移動する機構、水平面内で搬送アーム144を回転させる機構を有している。この第2のウエハ搬送機機構143により、既述の受け渡し棚131と各液処理ユニット2との間でウエハWの搬送が行われる。
【0015】
液処理部141には、搬送部142を形成する空間が伸びる方向に沿って、複数台、例えば6台の液処理ユニット2が横方向に並べて配置されている。この液処置部141は搬送部142を挟んで2列設けられており、本例の液処理装置1は合計で12台の液処理ユニット2を備えている。
【0016】
各液処理部141内に設けられている液処理ユニット2はウエハWを水平に保持して鉛直軸周りに回転させながら、その表面(上面)にエッチング溶液を供給することにより、ウエハWの表面に露出しているSiN膜65を選択的にエッチングする役割を果たす。図4に示すように液処理ユニット2は、ウエハWを吸着保持するスピンチャック24と、このスピンチャック24を下面側から支持して回転させる回転軸251と、この回転軸251内に貫挿され、搬送アーム144との間での受け渡し時にウエハWを昇降させるリフター252と、ウエハWの表面側にエッチング溶液を供給するためのノズル部28と、回転するウエハWから振り飛ばされたエッチング溶液を受け止めて外部へ排出するための内カップ23と、スピンチャック24や内カップ23を収容し、液処理ユニット2内の雰囲気の排気が行われる外カップ22と、を備えている。
【0017】
スピンチャック24は、中央に開口部が設けられた円板状の部材であり、その上面には、ウエハWを裏面(下面)側から吸着保持するための真空ポンプなどに接続された不図示の吸引孔が開孔している。
【0018】
このスピンチャック24を下面側から支える回転軸251は、液処理部141内のベースプレート27上に設けられた軸受け部253に、回転自在な状態で保持されされている。回転軸251は、その下端部がベースプレート27から下方側に突出しており、その下端部にはプーリー部264が形成されている。一方、回転軸251の側方位置にはモーター261が配設されていて、このモーター261の回転軸にもプーリー262が設けられている。そしてこれら2つのプーリー262、264に駆動ベルト263を捲回することにより回転軸251の回転機構が構成され、モーター261を駆動させることで回転軸251を所望の回転速度で回転させることができる。上述のスピンチャック24、回転軸251やその回転機構261〜264は、本実施の形態の基板保持部に相当する。
【0019】
リフター252の上端面には、ウエハWを下面側から支持するための支持ピンが設けられている一方、その下端側にはリフター252を昇降させるための昇降モーター265が設けられている。そしてリフター252全体を上昇、下降させ、スピンチャック24の開口部からリフター252を突没させることにより、支持ピン上にウエハWを支持し、搬送アーム144との間でウエハWの受け渡しを行う位置と、スピンチャック24上の処理位置との間でウエハWを昇降させることができる。
【0020】
内カップ23は、スピンチャック24に保持されたウエハWを囲むように設けられた円環状の部材であり、底面に接続された排液用配管231を介して、内部のエッチング液などを排出することができる。外カップ22は、内カップ23との間の隙間から流れ込んだ気流を排気する役割を果たし、その底面には排気用の排気ライン221が接続されている。外カップ22及び内カップ23の上面には、ウエハWよりも大口径の開口部が形成されており、リフター252に支持されたウエハWは、この開口部を介して上下方向に移動できる。液処理ユニット2は本実施の形態のエッチング部に相当する。
【0021】
ウエハWの上面にエッチング溶液を供給するノズル部28は、ノズルアーム281に支持されており、スピンチャック24に保持されたウエハWの上方の処理位置と、この処理位置から退避した退避位置との間で移動することができる。ノズル部28は、ウエハWの表面にエッチング溶液を供給する系統に接続されている。
【0022】
次いで各液処理ユニット2にエッチング溶液を供給する系統の構成について図5を参照しながら説明する。本実施の形態に係わる液処理装置1は、フッ素イオン源と、水と、沸点調節剤とを含むエッチング溶液を使用する。フッ素イオン源としては、例えばフッ化水素(HF)やフッ化アンモニウム(NHF)が好適であるが、エッチング溶液内にてフッ素イオン(F)供給することが可能であれば他の物質であってもよい。水は、エッチング溶液に水酸化物イオン(OH)を供給する役割を果たし、フッ素イオンと水酸化物イオンとの作用により、SiNがエッチングされるものと考えられている。
【0023】
ここでフッ素イオンと水とを含むエッチング溶液は、温度を高くすることによりフッ素イオンや水酸化物イオンの濃度が高くなり、SiNをエッチングする選択性を高めることができる。一方で、加熱によってエッチング溶液が蒸発すると、この蒸気と共にフッ素イオンが失われ、エッチング速度が低下してしまうことも把握している。沸点調節剤は、エッチング溶液の沸点を高くすることにより、加熱されたエッチング溶液中のフッ素イオン濃度が低下することを抑制する役割を果たす。沸点調節剤としては、硫酸(HSO)やジメチルスルホキシド((CH)SO)など、水溶液の沸点を上昇させる作用を持つ化合物が採用される。
【0024】
エッチング溶液の各成分の濃度は特定の濃度範囲に限定されないが、例えばフッ素イオン源を0.005〜0.02wt%、沸点調節剤を70〜95wt%含み、残部を水により構成する場合などが考えられる。このようにして構成されるエッチング溶液に対し、さらに界面活性剤などを添加して、図1に示したように、SiN膜65が埋め込まれた微細な構造内にエッチング溶液を進入させやすくしてもよい。
【0025】
本例の液処理装置1は、上述のエッチング溶液の原料を保持する原料保持部として、硫酸保持部36及びフッ酸保持部37を備えている。硫酸保持部36には例えば80wt%の濃硫酸が貯留され、フッ酸保持部37には例えば0.01wt%の希フッ酸が貯留されている。硫酸保持部36及びフッ酸保持部37は混合部である混合タンク35に接続されていて、この混合タンク35にてフッ素イオン源(HF)、水、沸点調節剤(HSO)を所望の濃度で含むエッチング溶液が調製され、各液処理ユニット2へと供給される。前記混合タンク35、硫酸保持部36、フッ酸保持部37は本実施の形態のエッチング溶液供給部を構成している。
【0026】
さらに本実施の形態に係わる液処理装置1には、混合タンク35と各液処理ユニット2のノズル部28との間に加熱部3A、3Bが設けられており、エッチング溶液を加熱することにより、SiNのエッチング速度及びその選択性を高めた状態でウエハWに供給することができるようになっている。ここでエッチング溶液に含まれるフッ素イオンは、SiOをエッチングする能力も備えており、SiNとSiOとが露出したウエハWの表面に当該エッチング溶液を供給すると、これらSiN、SiOの双方がエッチングされてしまう。
【0027】
そこで本発明者らは、前記エッチング溶液を用い、高いエッチング速度を発揮しつつSiNを選択的にエッチングすることが可能な条件の探索を行った。その結果、後述の実施例に示すように、エッチング溶液を140℃以上に加熱した状態で維持すると、SiNに対して100Å/分以上のエッチング速度を発揮させつつ、SiOのエッチング速度に対するSiNのエッチング速度の比(以下、選択比という)が75以上となるタイミングが存在することを見いだした。
【0028】
このようなタイミングが現れる理由は明らかでないが、エッチング溶液を140℃以上で維持する時間が短いと、フッ素イオンと水酸化物イオンとの存在比が適切でなく、SiNのエッチングとSiOのエッチングとが並行して進行してしまい、高い選択比が得られないのではないかと考えられる。一方で、上記の時間を長くしすぎると、エッチング溶液の蒸発に伴うフッ素イオン濃度の低下が顕著になり、SiNのエッチング速度が低くなってしまうのではないかと推測している。
【0029】
そこで、本例の液処理装置1に設けられた加熱部3A、3Bは、混合タンク35から受け入れたエッチング溶液を加熱し、例えばエッチング速度が100Å/分以上の175Å/分、選択比が75以上の78となるまで、予め設定した時間140℃以上の例えば170℃に維持することが可能な構成となっている。「予め設定した時間」は、事前の実験により把握することができる。
【0030】
上述の作用を得るため、本例の加熱部3A、3Bは加熱中のエッチング溶液を保持する加熱タンク31と、エッチング溶液の加熱を実行する加熱機構33と、これら加熱タンク31と加熱機構33との間でエッチング溶液を循環させる循環ポンプ32と、これらを接続する配管部材とを備えている。図中、34は加熱タンク31内の温度検出部である。
【0031】
加熱タンク31は、加熱されたエッチング溶液を例えば大気圧雰囲気下で保持する役割を果たす。加熱タンク31には不図示の排気管が接続されており、エッチング溶液から蒸発した蒸気はこの排気管を介して除害設備などの外部へ排出される。加熱機構33は、過熱蒸気や高温のオイルなどの熱媒により、エッチング溶液を加熱する熱交換器として構成してもよいし、配管部材にテープヒーターなどを巻き付けてエッチング溶液を加熱してもよく、エッチング溶液を所望の温度に加熱する機能を備えていれば、特定の構成に限定されない。
【0032】
エッチング溶液は、140℃以上、好ましくは165℃以上の温度に加熱することにより、SiNのエッチングに必要なフッ素イオンや水酸化物イオンが生成されやすくなる。加熱温度の上限値は特に存在せず、機器制約まで加熱することが可能であるが、エッチング溶液を沸騰させてしまうとフッ素イオン濃度の低下が激しくなるので、沸点温度以下の例えば190℃以下に維持することが好適である。
【0033】
後述の実施例にも例示するように、SiNのエッチング速度が100Å/分以上、選択比が75以上となる時間は、数分〜数十分程度の時間の範囲であるため、各液処理ユニット2にエッチング溶液を供給可能となるまでに準備時間を要する。そこで本実施の形態の液処理装置1は複数の加熱部3A、3Bを備えており、これらの加熱部3A、3Bで並行してエッチング溶液の準備(エッチング溶液の温度を予め設定した時間140℃以上の温度に維持すること)が実行可能である。図5には、2つの加熱部3A、3Bを設けた例を示してあるが、加熱部3A、3Bの設置数はこれに限定されるものではない。例えば液処理ユニット2の設置台数やエッチング溶液の加熱に要する時間(昇温する時間や140℃以上に維持する時間)、一回の処理におけるエッチング溶液の供給量などによって、加熱部3A、3Bの設置数は適宜選択することができる。
【0034】
各加熱部3A、3Bにて準備されたエッチング溶液は、切替弁301、302により供給先が選択され、処理対象のウエハWを保持した液処理ユニット2のノズル部28へと供給される。
図5に示した4は、処理後のウエハWからエッチング溶液を除去する純水などのリンス液を供給するリンス液供給部であり、401はその切替弁である。
【0035】
以上に説明した構成を備えた液処理装置1には、図3、5に示すように制御部5が接続されている。制御部5は例えば図示しないCPUと記憶部とを備えたコンピュータからなり、記憶部には液処理装置1の作用、つまり、液処理装置1内にウエハWを搬入し、ウエハWのエッチングを行ってからリンス洗浄の後、ウエハWを搬出するまでの動作に係わる制御についてのステップ(命令)群が組まれたプログラムが記録されている。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
【0036】
特に本例の液処理装置1に係わる制御部5は、図5に示すように加熱部3A、3Bの循環ポンプ32、加熱機構33、温度検出部34や切替弁301、302と接続されており、エッチング溶液を140℃以上の設定温度まで加熱し、予め設定した時間この温度状態を維持するように各部に制御信号を出力する役割を果たす。各加熱タンク31内のエッチング溶液の温度は、温度検出部34にて検出され、制御部5に入力される。
【0037】
以上に説明した構成を備えた液処理装置1の作用について説明すると、まず載置ブロック11に載置されたFOUP100から第1のウエハ搬送機構121により1枚のウエハWを取り出して受け渡し棚131に載置し、この動作を連続的に行う。受け渡し棚131に載置されたウエハWは、搬送部142内の第2のウエハ搬送機機構143により順次搬送されて、いずれかの液処理ユニット2に搬入され、スピンチャック24に保持される。
【0038】
これらの動作と並行して、エッチング溶液供給部側では、図6のフローチャートに示す動作が実行される。即ち、混合タンク35では硫酸保持部36及びフッ酸保持部37から硫酸及びDHFを所定の混合比で受け入れて不図示のミキサーなどで混合し、フッ素イオン源(HF)と水と沸点調節剤(HSO)とが予め設定した混合比で含まれる常温のエッチング溶液を調製しておく。そして、加熱部3A、3B側にてエッチング溶液を受け入れることが可能な状態となったら(スタート)、混合タンク35から加熱タンク31へとエッチング溶液を移送する(ステップS101)。
【0039】
加熱部3A、3Bでは、所定量のエッチング溶液を受け入れ、循環ポンプ32及び加熱機構33を稼働させて加熱タンク31内のエッチング溶液を加熱する(ステップS102)。そして、加熱タンク31内のエッチング溶液が140℃以上の設定温度(例えば170℃)に到達するまで加熱を行い(ステップS103;NO)、その温度が設定温度に到達したら(ステップS103;YES)、加熱機構33の出力を調整してエッチング溶液の温度を設定温度に維持すると共に計時を開始する(ステップS104)。
【0040】
こうして、エッチング速度が100Å/分以上(例えば175Å/分)、選択比が75以上(例えば78)となる設定時間(例えば6分)が経過するまでこの状態を維持し(ステップS105;NO)、設定時間が経過したら(ステップS105;YES)、液処理ユニット2内のウエハWにエッチング溶液を供給可能な状態で待機する(ステップS106、エンド)。
【0041】
このとき液処理ユニット2では、回転軸251を作動させて、スピンチャック24に保持されたウエハWを回転させ、その回転速度が設定値に到達したらエッチング溶液の供給準備が整った加熱部3A、3Bの切替弁301、302を作動させてノズル部28からウエハWの表面の中央部にエッチング溶液を供給する。ウエハWに供給されたエッチング溶液は、遠心力の作用によりウエハWの全面に広がって、その表面に露出したSiN及びSiOと接触する。このときエッチング溶液は、加熱部3A、3Bにて予め設定された時間140℃以上の温度に維持されていることにより、エッチング速度が100Å/分以上、選択比が75以上でSiNを選択的にエッチングすることができる。
【0042】
ここで加熱部3A、3Bにてエッチング溶液の供給準備を行うタイミングと、各液処理ユニット2での処理タイミングとを調整する手法の例として、加熱部3A、3Bは、各液処理ユニット2へのウエハWの処理、搬送スケジュールに基づき、ウエハWへエッチング溶液を供給することが可能となるタイミングから逆算してエッチング溶液の移送、加熱及び加熱状態の維持を行う。これにより、SiNのエッチングに最適な状態となるように準備されたエッチング溶液の活性が低下しないうちにウエハWの表面にエッチング溶液を供給することができる。
【0043】
そして例えば3Aを「第1の加熱部」、3Bを「第2の加熱部」としたとき、図7のタイムチャートに示すように、第1の加熱部3A、第2の加熱部3Bへのエッチング溶液の送液、加熱機構33による加熱、ノズル部28へのエッチング溶液の供給は、各液処理ユニット2へのウエハWの搬送タイミングに対応した時間差を設けて実行される。実際には液処理装置1は、液処理部141に設けられた液処理ユニット2の台数に対応する十分な数の加熱部3A、3Bを備えている。こうして液処理ユニット2側でウエハWが搬送され、エッチングが開始可能となったタイミングと、加熱部3A、3B側でエッチング溶液の供給準備が完了したタイミングとを一致させることが可能となる。この結果、SiNに対する高いエッチング速度と選択比を有するエッチング溶液がウエハWの処理、搬送スケジュールに沿って各液処理ユニットに供給される。
【0044】
加熱タンク31内のエッチング溶液を、所定の供給速度及び供給時間で供給し、ウエハW表面に露出しているSiN膜65を取り除き、図2に示す状態としたら、ウエハWへのエッチング溶液の供給を終える。次いで、リンス液供給部4の切替弁401を切り替えて、回転するウエハWにリンス液を供給し、ウエハWの表面に残っているエッチング溶液をリンス洗浄する。しかる後、リンス液の供給を停止する一方、ウエハWの回転を継続してリンス液の振切乾燥を行い、液処理ユニット2における一連の液処理を終了する。
【0045】
搬送アーム144は、液処理を終了した液処理ユニット2からウエハWを搬出して受け渡し棚131に載置し、第1のウエハ搬送機構121により受け渡し棚131からFOUP100にウエハWを戻す。そして液処理装置1に設けられた複数の液処理ユニット2により、複数枚のウエハWに対する液処理が順次行われる。
【0046】
本実施の形態に係わる液処理ユニット2によれば、フッ素イオン源(HFやNHFなど)と、水と、沸点調節剤(HSOや(CH)SOなど)とを混合して調製されたエッチング溶液を140℃以上の温度に維持することにより、エッチング溶液がシリコン窒化物を選択的にエッチングするのに好適な状態となり、SiNのエッチング速度を100Å/分以上とし、選択比を75以上とすることができる。ここでエッチング溶液を利用したエッチングはプラズマなどを利用したエッチングと比較して半導体の積層構造が形成されたウエハWに与えるダメージが少なく、且つ、より高い選択比を得ることができることが分かっている。
【0047】
液処理ユニット2へのエッチング溶液の供給系統の構成は、図5に示した例に限られるものではない。例えば、図8に示すようにウエハW複数枚分のエッチング溶液を保持可能な加熱タンク31を備えた加熱部3Cを設け、この加熱部3Cに複数台の液処理ユニット2を接続してもよい。この場合は、加熱部3Cに接続された全ての液処理ユニット2へのウエハWの搬送が完了するタイミングに合わせてエッチング溶液の準備を行い、搬送が完了したら開閉弁303を開いて各液処理ユニット2へ並行してエッチング溶液を供給してSiNのエッチングを行う。
【0048】
また、1枚のウエハWへエッチング溶液を供給する時間が長くなる場合には、その間にSiNのエッチング速度や選択比が低下してしまう場合も考えられる。そこで図9に示すように、1台の液処理ユニット2に複数台の加熱部3A、3Bを接続し、これらの加熱部3A、3B間で時間差を設けてエッチング溶液の準備を行ってもよい。この場合には、開閉弁304、305を開いてノズル部28にエッチング溶液を供給するタイミングをずらすことにより、エッチングの時間が長時間にわたる場合でも、SiNのエッチング速度や選択比が高い状態のエッチング溶液を供給することが可能となる。説明を簡単にするため、図9では1台の液処理ユニット2に複数の加熱部3A、3Bを設けた例を示したが、1台の液処理ユニット2に供給されるエッチング溶液を複数の加熱部3A、3Bを用い、時間をずらして準備する手法は、図5に示した複数台の液処理ユニット2に対して各々複数台の加熱部3A、3Bが接続された供給系統においても実現可能である。
【0049】
また、図5、8、9に示した例では、加熱機構33を加熱タンク31から分離して設けた例を示したが、加熱機構の構成はこれに限られない。例えば加熱タンク31にテープヒーター等を巻き付けて、加熱タンク31の本体を加熱してもよい。
【0050】
さらに、例えば混合タンク35において、エッチング溶液を140℃以下の例えば50〜100℃程度の温度まで予熱しておくことにより、加熱部3A、33B内における昇温時間を短くしてもよい。
さらにまた、エッチング溶液が140℃以上になってから、この温度を維持する時間の期間中、当該温度は一定でもよいし、変化してもよい。この温度を変化させる場合には、エッチング溶液の温度が140℃に到達した時点から時間の計測を開始してもよいし、予め設定した温度(例えば170℃)に到達してから計測を開始してもよい。エッチング溶液の昇温プロファイルと、SiNのエッチング速度、選択比との関係を予備実験などにより把握しておけば、前記時間は特定することができる。
【0051】
この他、エッチング溶液供給部の一部を構成する混合タンク35は必須の構成要素ではなく、例えば硫酸保持部36、フッ酸保持部37から加熱部3A、3Bの加熱タンク31に直接、硫酸やDHFを供給してエッチング溶液を調製した後、液処理ユニット2へ供給する準備を行ってもよい。
【0052】
また、図3〜5に示した液処理装置1では、ウエハWを鉛直軸周りに回転させながらエッチング溶液を供給する、いわゆるスピン塗布によりエッチングを行う液処理ユニット2の例を示したが、エッチング部の構成はこれに限られない。例えば水平保持されたウエハWの上方に、幅広の開口部を備えたノズル部28を配置し、ノズル部28を移動させながらエッチング溶液を吐出することにより、静止した状態のウエハWの全面にエッチング溶液を供給してもよい(スキャン塗布)。
【0053】
また、処理槽内にエッチング溶液を準備し、ここにウエハWを水平方向に横置きの状態、または垂直方向に縦置きの状態で1枚、または複数枚浸漬させてエッチングを行う浸漬方式のエッチング部を採用することも可能である。この場合には、エッチング部の処理槽と、加熱部3A、3Bの加熱タンク31とを共通化してもよい。
【0054】
そして、図1、2に示したウエハWの例では、ウエハWの表面にSiO膜64やSiN膜65が全て露出した状態となっているが、これらの膜64、65の一部をレジスト膜などで覆って、SiN膜65の一部をエッチングすることにより、パターニングを行ってもよいことは勿論である。
【実施例】
【0055】
フッ素イオン源と水と沸点調節剤とを混合してエッチング溶液を調製し、140℃以上に維持する時間を変更してSiN及びSiOの露出したウエハWの表面にスピン塗布によりエッチング溶液を供給してエッチングを行った。
【0056】
A.実験条件
下記の組成のエッチング溶液を170℃に加熱し、当該温度を維持する時間を0〜12分(実施例3では0〜9分)の範囲で変化させ、ウエハWに供給してSiN及びSiOのエッチング速度、選択比を計測した。各エッチングにおいては、100rpmで回転するウエハWの表面に、1000mlのエッチング溶液を3分にわたって供給した。
(実施例1)
エッチング溶液の組成
フッ素イオン源:HF(0.05wt%)、NHF(0.05wt%)
水(14.21wt%)
沸点調節剤:HSO(85.69wt%)
(実施例2)
エッチング溶液の組成
フッ素イオン源:HF(0.12wt%)、NHF(0.12wt%)
水(23.61wt%)
沸点調節剤:HSO(76.15wt%)
(実施例3)
エッチング溶液の組成
フッ素イオン源:HF(0.12wt%)、NHFは添加せず
水(24.4wt%)
沸点調節剤:HSO(75.48wt%)
【0057】
(実施例1〜3)に係わるエッチング溶液の各成分濃度を(表1)まとめた。
【表1】

【0058】
B.実験結果
(実施例1〜3)に係わる実験の結果を図10〜12に示す。各グラフの横軸はエッチング溶液の加熱を開始してからの時間を示しており、エッチング溶液の温度が170℃に達してからの経過時間(170℃の温度に維持した時間)を括弧内に併記してある。左側の縦軸は、SiN及びSiOのエッチング速度[Å/分]、右側の縦軸は「(SiNのエッチング速度)/(SiOのエッチング速度)」で計算される選択比を示している。
各経過時間におけるSiNのエッチング速度は右上がりの斜線でハッチングしたカラムで示し、SiOのエッチング速度は右下がりの右上がりの斜線でハッチングしたカラムで示してある。一方、選択比黒塗りの三角「▲」プロットしてある。
【0059】
図10に示した(実施例1)の結果によれば、このエッチング溶液は、SiOよりもSiNをエッチングする能力が高いことが分かる。そして、エッチング溶液の温度が170℃に到達してからの経過時間が長くなるにつれて、SiN、SiOのいずれのエッチング速度も低下している。これは、加熱後の時間の経過に伴い、エッチング溶液中のフッ素イオン濃度が低下しているためではないかと考えられる。一方、選択比は、経過時間の増大につれて上に突の曲線を描いて増減している。そして、経過時間が9分のタイミングで、SiNのエッチング速度が100Å/分以上、選択比が75以上の性能が発揮される状態となっていることが確認できる。
【0060】
図11に示した(実施例2)の結果においても(実施例1)とほぼ同様の傾向がみられ、SiN、SiOのエッチング速度はエッチング溶液の温度が170℃に到達してからの経過時間が長くなるにつれて低下し、選択比は、経過時間の増大につれて上に突の曲線を描いて増減している。そして、経過時間が9分のタイミングで、SiNのエッチング速度が100Å/分以上、選択比が75以上の性能が発揮される状態となった。
【0061】
図12に示した(実施例3)の結果では、170℃に到達してからの時間の経過につれてSiN、SiOのエッチング速度が低下している点は(実施例1、2)と同じであった。一方、選択比については経過時間の増大につれて大きくなる傾向が見られ、実験を行った時間範囲では図10、11に示したピークは見られなかった。但し、SiNのエッチング速度が下限値(100Å/分)を下回った9分よりも長い時間加熱することは行っていないので、さらに長い時間加熱を行えば、(実施例1、2)と同様の傾向を示す可能性もある。この(実施例3)においては、経過時間が6分のタイミングで、SiNのエッチング速度が100Å/分以上、選択比が75以上の性能が発揮される状態となっていることが確認できた。
【0062】
以上の実験結果から、フッ素イオン源、水、沸点調節剤を含むエッチング溶液の組成を変更した場合であっても、それぞれのエッチング溶液には、170℃に加熱してその状態を維持したとき、SiNのエッチング速度が100Å/分以上、選択比が75以上となる時間が存在することが確認できた。そして、エッチング溶液の加熱温度が140℃の場合においても、このような時間が存在することは確認してある。
【符号の説明】
【0063】
W ウエハ
1 液処理装置
2 液処理ユニット
3A〜3C 加熱部
35 混合タンク
36 硫酸保持部
37 フッ酸保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン窒化物とシリコン酸化物とが露出した基板をエッチング溶液によりエッチングする液処理方法であって、
フッ素イオン源と、水と、沸点調節剤とを混合してエッチング溶液を調製する工程と、
このエッチング溶液により前記基板をエッチングしたときにシリコン窒化物のエッチング速度が100Å/分以上となり、シリコン酸化物のエッチング速度に対するシリコン窒化物のエッチング速度の比が75以上となるように、当該エッチング溶液の温度を予め設定した時間140℃以上の温度に維持する工程と、
前記予め設定した時間140℃以上の温度に維持されたエッチング溶液により前記基板をエッチングする工程と、を含むことを特徴とする液処理方法。
【請求項2】
前記フッ素イオン源は、フッ化水素またはフッ化アンモニウムであることを特徴とする請求項1に記載の液処理方法。
【請求項3】
前記沸点調節剤は、硫酸またはジメチルスルホキシドであることを特徴とする請求項1または2に記載の液処理方法。
【請求項4】
前記140℃以上の温度は、前記エッチング溶液が沸騰する温度未満であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の液処理方法。
【請求項5】
シリコン窒化物とシリコン酸化物とが露出した基板をエッチング溶液によりエッチングするための液処理装置であって、
フッ素イオン源と、水と、沸点調節剤とを混合して調製されたエッチング溶液を供給するためのエッチング溶液供給部と、
このエッチング溶液供給部から供給されるエッチング溶液を加熱するための加熱部と、
前記加熱部にて加熱されたエッチング溶液を基板に供給してエッチングを行うエッチング部と、
このエッチング溶液により前記基板をエッチングしたときにシリコン窒化物のエッチング速度が100Å/分以上となり、シリコン酸化物のエッチング速度に対するシリコン窒化物のエッチング速度の比が75以上となるように、当該エッチング溶液の温度を予め設定した時間140℃以上の温度に維持するように制御信号を出力する制御部と、を備えることを特徴とする液処理装置。
【請求項6】
前記エッチング溶液供給部は、少なくともフッ素イオン源と、沸点調節剤とを別々に保持する原料保持部と、
前記加熱部による加熱が行われる前にこれら別々に保持されたフッ素イオン源と、沸点調節剤とを混合してエッチング溶液を調製する混合部と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の液処理装置。
【請求項7】
前記フッ素イオン源は、フッ化水素またはフッ化アンモニウムであることを特徴とする請求項5または6に記載の液処理装置。
【請求項8】
前記沸点調節剤は、硫酸またはジメチルスルホキシドであることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか一つに記載の液処理装置。
【請求項9】
前記加熱部は、140℃以上であり、前記エッチング溶液が沸騰する温度未満の温度範囲で当該エッチング溶液を加熱することを特徴とする請求項5ないし8のいずれか一つに記載の液処理装置。
【請求項10】
前記エッチング部は、基板を水平に保持して鉛直軸周りに回転させる基板保持部と、前記加熱部にて加熱されたエッチング溶液を回転する基板の上面に吐出するノズル部とを備えることを特徴とする請求項5ないし9のいずれか一つに記載の液処理装置。
【請求項11】
シリコン窒化物とシリコン酸化物とが露出した基板をエッチング溶液によりエッチングする液処理装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記プログラムは請求項1ないし4のいずれか一つに記載された液処理方法を実行するためにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−156270(P2012−156270A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13473(P2011−13473)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】