説明

液晶表示装置および電子機器

【課題】COM分割駆動を行う際に、共通電極が異常な電位となるのを回避することができる液晶表示装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】画素を構成する共通電極108が複数に分割されており、複数の共通電極108にそれぞれ対応して設けられた単位制御回路Pを有する共通電極駆動回路(制御回路)40を備える。単位制御回路Pは、ラッチ回路Qと選択回路Rとを含んで構成され、選択回路Rは、極性信号POLに応じて電圧VCOML又は電圧VCOMHを共通電極108に供給する電圧供給状態と、共通電極108を電気的に切り離したHi−Z状態(ハイ・インピーダンス状態)とする電圧遮断状態とを切り替え可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素を構成する共通電極が複数に分割された液晶表示装置、及びその液晶表示装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を表示する表示装置として、液晶表示装置が広く用いられている。この液晶表示装置は、素子基板と、この素子基板に対向配置された対向基板と、素子基板と対向基板との間に設けられた液晶とを備える。
このような液晶表示装置として、電圧VCOMLおよび電圧VCOMHを交互に共通電極に供給する制御回路と、選択電圧を複数の走査線に順次供給する走査線駆動回路と、走査線が選択された際に、電圧VCOMLよりも電位の高い正極性の画像信号と、電圧VCOMHよりも電位の低い負極性の画像信号と、を交互に複数のデータ線に供給するデータ線駆動回路とを備えるというものがある(例えば、特許文献1参照)。
ここでは、共通電極を一水平ライン毎に分割し、共通電極毎に制御回路から電圧VCOML又は電圧VCOMHを供給する、所謂、共通電極分割駆動(COM分割駆動)を行っている。このCOM分割駆動を採用することにより、表示品位の低下を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−33298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の液晶表示装置における制御回路は、共通電極と電圧VCOMHの電圧供給線とを接続するスイッチと、共通電極と電圧VCOMLの電圧供給線とを接続するスイッチとのうち、何れか一方が必ずオン状態となる構成となっている。そのため、共通電極には、必ず電圧VCOML及び電圧VCOMHの何れか一方が供給される。
ところで、COM分割駆動を採用する場合、クロストーク対策等により、共通電極の両端に電圧供給源である制御回路を配置する。この場合、必ず共通電極の両端に同じ電位を印加する必要があるが、電源投入時など回路が駆動し始めるまでの不安定期間では、両端の電位が異なってしまう場合がある。すると、共通電極に異常な突入電流が流れ込んでしまう。
そこで、本発明は、COM分割駆動を行う際に、共通電極が異常な電位となるのを回避することができる液晶表示装置及び電子機器を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素と、画像データを前記データ線に供給する駆動回路とを有する表示パネルと、を備える液晶表示装置であって、前記複数の画素は、液晶層を挟んで対向する一対の基板と、液晶層の液晶分子を駆動する共通電極及び画素電極と、で構成され、前記共通電極は複数に分割されており、極性信号に応じて第1電圧及び当該第1電圧よりも電位の高い第2電圧の何れか一方を前記共通電極に供給する電圧供給状態と、前記共通電極をハイインピーダンス状態とする電圧遮断状態とを切替可能な制御回路を備えることを特徴としている。
このように、共通電極を複数に分割し、共通電極毎に第1電圧又は第2電圧を供給するCOM分割駆動を採用するので、例えば、第1電圧と第2電圧とを1水平ライン毎に交互に共通電極に供給すると共に、これら共通電極の電圧に対して、正極性の画像信号と負極性の画像信号とを1水平ライン毎に交互に供給することができる。これにより、画素間のフリッカを相殺し、表示品位の低下を抑制することができる。
【0006】
さらに、制御回路を、共通電極毎に第1電圧又は第2電圧を供給する電圧供給状態と、共通電極をハイインピーダンス状態とする電圧遮断状態とを切替可能に構成するので、回路が不安定状態であるとき等に電圧遮断状態とすることで、共通電極が異常な電位となるのを防止することができる。
また、本発明に係る液晶表示装置は、上記において、前記制御回路は、前記共通電極の両端側にそれぞれ配置されていることを特徴としている。
これにより、共通電極のクロストーク対策を施すことができる。また、回路が不安定状態であるとき等に電圧遮断状態とすることで、共通電極の両端側に配置された制御回路から夫々異なる電位が印加されることに起因して、共通電極に異常な突入電流が流れ込むのを抑制することができる。したがって、当該突入電流による液晶への悪影響を回避することができる。
【0007】
さらに、本発明に係る液晶表示装置は、上記において、前記制御回路は、前記共通電極と前記第1電圧の電圧供給源との間に接続された第1スイッチと、前記共通電極と前記第2電圧の電圧供給源との間に接続された第2スイッチとを備え、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの何れか一方をオン状態とすることで、前記電圧供給状態とし、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを同時にオフ状態とすることで、前記電圧遮断状態とすることを特徴としている。
これにより、比較的簡易な回路構成で、電圧供給状態と電圧遮断状態との切り替えを行うことができる。
【0008】
さらにまた、本発明に係る液晶表示装置は、上記において、前記制御回路は、電源投入後の所定期間及び電源遮断中に、前記電圧遮断状態とすることを特徴としている。
これにより、共通電極の両端の電位が異なる状態となる可能性が高い、電源投入後の回路が駆動し始めるまでの期間や電源遮断中に、共通電極をハイインピーダンス状態とすることができる。したがって、異常動作を効果的に回避することができる。
また、本発明に係る液晶表示装置は、上記において、前記制御回路は、前記共通電極に供給する電圧を、前記第1電圧と前記第2電圧とで切り替える直前に、前記電圧遮断状態とすることを特徴としている。
【0009】
このように、共通電極に供給する電圧の反転時に共通電極をハイインピーダンス状態とするので、制御回路のスイッチング素子の特性差による遅延に起因して、共通電極の両端の電位が異なる状態となるのを抑制することができる。その結果、上記遅延が原因で発生する貫通電流を抑制することができる。
さらに、本発明に係る電子機器は、上記の何れかの液晶表示装置を備えることを特徴としている。
これにより、表示品位低下の抑制および共通電極の電位異常の抑制を実現した電子機器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態における液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】共通電極駆動回路40Bのラッチ回路LQの具体的構成を示す図である。
【図3】共通電極駆動回路40Bの選択回路LRの具体的構成を示す図である。
【図4】第1の実施形態における動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】一般的な共通電極駆動回路における単位制御回路の構成を示す図である。
【図6】第2の実施形態における単位制御回路LPの構成を示す図である。
【図7】第2の実施形態における動作を説明するタイミングチャートである。
【図8】一般的な共通電極駆動回路を用いた場合のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態における液晶表示装置10の構成を示すブロック図である。
液晶表示装置10は、アクティブマトリクス方式の薄膜トランジスタ(TFT)を用いた液晶パネルを備える。この液晶表示装置10は、図1に示すように、表示領域100を有しており、この表示領域100の周囲に、走査線駆動回路20、データ線駆動回路30、共通電極駆動回路40A,40Bが配置されている。
液晶パネルは、特に図示しないが、素子基板と対向基板とが、一定の間隙を保って貼り合わせられているとともに、この間隙に液晶を封止した構成となっている。
【0012】
液晶パネルが有する表示領域100には、複数の走査線112が行(X)方向に延在するように設けられ、また、複数のデータ線114が列(Y)方向に延在するように、且つ各走査線112と互いに電気的な絶縁を保つように設けられている。そして、走査線112とデータ線114との交差部に対応して、それぞれ画素110が配置されている。
各画素110は、画素スイッチング素子として機能するnチャネル型の薄膜トランジスタ(以下、TFTと称す)116と、画素電極118と、この画素電極118に対向して設けられた共通電極108と、蓄積容量130とを有する。
各画素110については互いに同一構成なので、n行m列に位置するもので代表して説明すると、当該n行m列の画素110において、TFT116のゲート電極はn行目の走査線112に接続される一方、そのソース電極はm列目のデータ線114に接続され、そのドレイン電極は画素電極118に接続されている。
【0013】
また、共通電極108は、走査線112に対応して1水平ライン毎に分割されている。1水平ライン毎に分割された複数の共通電極108は、ITO(Indium Tin Oxide)といった透明導電材料からなり、走査線112に沿って設けられている。そして、これら共通電極108には、共通電極駆動回路40A,40Bから電圧VCOML(第1電圧)と、この電圧VCOMLよりも電位の高い電圧VCOMH(第2電圧)とが、コモン信号Zとして交互に供給されるようになっている。このように、共通電極108毎に共通電極駆動回路40A及び40Bから電圧VCOML又は電圧VCOMHを供給する方式を、以下、COM分割駆動方式という。
なお、共通電極108は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料からなるため、抵抗を低減するために走査線112と同じ材料からなる共通電極配線を、分割された複数の共通電極108毎に設け接続してもよい。
【0014】
共通電極駆動回路40A及び40Bは、クロストーク対策のために、図1における表示領域100の左右両側(共通電極108の両端側)に配置されている。そして、共通電極108にコモン信号Zを供給する際には、共通電極駆動回路40A及び40Bから同じ電位のコモン信号Zを出力する。
画素容量120は、画素電極118と共通電極108とで誘電体の一種である液晶を挟持しており、画素電極118と共通電極108との差電圧を保持する構成となっている。この構成において、画素容量120では、その透過光量が当該保持電圧の実効値に応じて変化する。
本実施形態では、画素電極118と共通電極108とは同一基板(素子基板)上に形成されており、液晶表示装置10の液晶は横電界駆動方式のFFS(Fringe Field Switching)モードで動作するものとする。
【0015】
走査線駆動回路20は、特に図示しないが、シフトレジスタと、出力制御回路及びバッファとを含む。この走査線駆動回路20は、垂直スタート信号STV及び垂直クロック信号CKV1,CKV2に応じて、1フレームの期間にわたって走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y320を、それぞれ1、2、3、…、320行目の走査線112に供給するものである。すなわち、走査線駆動回路20は、走査線112を1、2、3、…、320行目という順番で選択すると共に、選択した走査線112に接続されたTFT116をすべてオン状態(導通状態)とする。
また、データ線駆動回路30は、走査線駆動回路30により選択される走査線112に位置する画素110の表示階調に応じた電圧であるデータ信号X1、X2、X3、…、X240を、1、2、3、…、240列目のデータ線114にそれぞれ供給するものである。
【0016】
ここで、データ線駆動回路30は、共通電極108の電圧よりも電位の高い正極性のデータ信号をデータ線114に供給して、この正極性のデータ信号に基づく画像電圧を画素電極118に書き込む正極性書込と、共通電極108の電圧よりも電位の低い負極性のデータ信号をデータ線114に供給して、この負極性のデータ信号に基づく画像電圧を画素電極118に書き込む負極性書込とを、1水平ライン毎に交互に行う。
以上のように構成された液晶表示装置10の基本動作は次のようになる。
本実施形態では、n行目の走査線112に走査信号Ynが供給される前に、n行目の共通電極108にコモン信号Znを供給する。
まず、共通電極駆動回路40A,40Bから共通電極108に、コモン信号Zとして電圧VCOMLまたは電圧VCOMHを選択的に供給する。
【0017】
具体的には、各共通電極108には、1フレーム期間毎に、電圧VCOMLと電圧VCOMHとが交互に供給される。例えば、ある1フレーム期間において、n行目(nは、1≦n≦320を満たす整数)の共通電極108nに電圧VCOMLを供給した場合、次の1フレーム期間では、共通電極108nに電圧VCOMHを供給する。
また、隣接する共通電極108には、互いに異なる電圧を供給する。例えば、ある1フレーム期間において、共通電極108nに電圧VCOMLを供給した場合、同一の1フレーム期間において、(n−1)行目の共通電極108(n−1)と(n+1)行目の共通電極108(n+1)とには、電圧VCOMHを供給する。
【0018】
次に、走査線駆動回路20から320行の走査線112に走査信号Y1〜Y320を順次供給することで、各走査線112に接続された全てのTFT116を順次オン状態にして、各走査線112に係る全ての画素110を順次選択する。
次に、これら画素110の選択に同期して、共通電極108の電圧に応じて、データ線駆動回路30からデータ線114に、正極性の画像信号と負極性の画像信号とを、1水平ライン毎に交互に供給する。
具体的には、320行の共通電極108のうち、選択した画素110に係る共通電極108nに電圧VCOMLを供給した場合には、正極性の画像信号をデータ線114に供給する。一方、320行の共通電極108のうち、選択した画素110に係る共通電極108nに電圧VCOMHを供給した場合には、負極性の画像信号をデータ線114に供給する。
【0019】
すると、走査線駆動回路20で選択した全ての画素110に、データ線駆動回路30からデータ線114およびオン状態のTFT116を介して画像信号が供給されて、この画像信号に基づく画像電圧が画素電極118に書き込まれる。これにより、画素電極118と共通電極108との間に電位差が生じて、駆動電圧が液晶に印加される。
なお、走査線駆動回路20及びデータ線駆動回路30が駆動回路に対応し、共通電極駆動回路40A及び40Bが制御回路に対応している。
【0020】
(共通電極駆動回路の構成)
次に、共通電極駆動回路40A及び40Bの構成について説明する。
共通電極駆動回路40A及び40Bは、320行の共通電極108に対応して、320個の単位制御回路P1〜P320をそれぞれ備える。各単位制御回路Pは、ラッチ回路Qと選択回路Rとをそれぞれ備える。
【0021】
単位制御回路Pには、電圧VCOMLと、電圧VCOMHと、電圧VCOMLまたは電圧VCOMHを選択するための極性信号POLとが供給される。そして、ラッチ回路Qで極性信号POLを保持すると共に、選択回路Rで、ラッチ回路Qで保持した極性信号POLに応じて電圧VCOMLまたは電圧VCOMHを選択的に出力するようになっている。さらに、選択回路Rは、電圧VCOMLまたは電圧VCOMHを選択的に出力する電圧供給状態と、電圧VCOML及び電圧VCOMHを何れも出力しない電圧遮断状態とを切り替え可能に構成されている。
以下、図1における右側に配置した共通電極駆動回路40Aの単位制御回路を符号RP、ラッチ回路を符号RQ、選択回路を符号RRで示す。同様に、図1における左側に配置した共通電極駆動回路40Bの単位制御回路を符号LP、ラッチ回路を符号LQ、選択回路を符号LRで示す。
【0022】
(ラッチ回路の構成)
次に、ラッチ回路Qの構成について具体的に説明する。
図2は、共通電極駆動回路40Bのラッチ回路LQの具体的構成を示す図である。
ラッチ回路LQは、1行目の走査線112と最終行の走査線112のそれぞれに対応して設けられた第1のラッチ回路LQ1及びLQ320と、それ以外の走査線112のそれぞれに対応して設けられた第2のラッチ回路LQ2〜LQ319と、を備える。
先ず、第2のラッチ回路LQ2〜LQ319について説明する。
ここでは、b行目(bは、2≦b≦319を満たす整数)の走査線112(b)に対応して設けられた第2のラッチ回路LQ(b)を用いて説明する。第2のラッチ回路LQ(b)は、否定論理和演算回路(以降、NOR回路と呼ぶ)U1、第1のインバータU2、第2のインバータU3、第1のクロックドインバータU4および第2のクロックドインバータU5を備える。
【0023】
b行目の走査線112(b)に対応する第2のラッチ回路LQにおいて、NOR回路U1の2つの入力端子のうち、一方の入力端子は、1行上で隣接する(b−1)行目の走査線112(b−1)に接続され、他方の入力端子は、1行下で隣接する(b+1)行目の走査線112(b+1)に接続されている。NOR回路U1の出力端子は、第1のインバータU2の入力端子と、第1のクロックドインバータU4の反転入力制御端子と、第2のクロックドインバータU5の非反転入力制御端子とにそれぞれ接続されている。
第1のインバータU2の出力端子は、第1のクロックドインバータU4の非反転入力制御端子と、第2のクロックドインバータU5の反転入力制御端子とにそれぞれ接続されている。
第1のクロックドインバータU4の入力端子には、極性信号POLが入力され、第1のクロックドインバータU4の出力端子は、第2のインバータU3の入力端子に接続されている。
【0024】
第2のインバータU3の入力端子は、第1のクロックドインバータU4の出力端子と、第2のクロックドインバータU5の出力端子とに接続され、第2のインバータU3の出力端子は、b行目の第2のラッチ回路LQにおけるラッチ信号LAT(b)を出力するとともに、第2のクロックドインバータU5の入力端子に接続されている。
また、第1のクロックドインバータU4の出力端子と、第2のクロックドインバータU5の出力端子との接続点からは、ラッチ信号/LAT(b)を出力する。なお、ラッチ信号LATは正論理の信号であり、ラッチ信号/LAT(LATバー)は負論理の信号である。
このように構成されたb行目の第2のラッチ回路LQ(b)は、次のように動作する。
【0025】
すなわち、走査線112(b−1)または走査線112(b+1)のうち、少なくとも一方に選択電圧としてHレベルの信号が供給されると、NOR回路U1は、Lレベルの信号を出力する。このため、第1のクロックドインバータU4は、否定動作が許可されるオン状態となるので、極性信号POLの論理レベルを反転して出力する。この第1のクロックドインバータU4によって論理レベルが反転されて出力された信号は、第2のインバータU3により論理レベルが再度反転されて極性信号POLに戻るので、ラッチ信号LAT(b)は、極性信号POLと同一論理レベルとなる。
一方、走査線112(b−1)および走査線112(b+1)の両方に非選択電圧としてLレベルの信号が供給されると、NOR回路U1は、Hレベルの信号を出力する。このとき、第1のクロックドインバータU4は、否定動作が禁止されるオフ状態となり、第2のクロックドインバータU5が、否定動作が許可されるオン状態となる。
【0026】
したがって、ラッチ信号LAT(b)は、第2のインバータU3および第2のクロックドインバータU5によってラッチされることになる。
このように、b行目の第2のラッチ回路LQ(b)は、走査線112(b−1)または走査線112(b+1)のうち、少なくとも一方に選択電圧が供給されると、極性信号POLを取り込んで、極性信号POLと同一論理レベルのラッチ信号LAT(b)を出力し、走査線112(b−1)および走査線112(b+1)の両方に非選択電圧が供給されると、ラッチ信号LAT(b)を、第2のインバータU3および第2のクロックドインバータU5により保持しつつ出力することになる。
【0027】
次に、第1のラッチ回路LQ1,LQ320について説明する。
第1のラッチ回路LQ1,LQ320は、第2のラッチ回路LQ2〜LQ319と比べて、NOR回路U1を廃して、第1のインバータU2の入力端子、第1のクロックドインバータU4の反転入力制御端子および第2のクロックドインバータU5の非反転入力制御端子をそれぞれLレベルに相当する電圧VLLに固定化したものである。なお、電圧VLLは、実質的には非選択電圧に等しく、電圧基準のゼロ電位である。
このような構成の第1のラッチ回路LQ1,LQ320は、第2のラッチ回路LQ2〜LQ319においてNOR回路U1がLレベルとなる場合と同様の動作をする。すなわち、第1のラッチ回路LQ1,LQ320は、常に極性信号POLを取り込んで、極性信号POLと同一論理レベルのラッチ信号LAT1、LAT320を出力する。
なお、共通電極駆動回路40Aのラッチ回路RQについても、図2に示す共通電極駆動回路40Bのラッチ回路LQと同様の構成を有する。
【0028】
(選択回路の構成)
次に、選択回路Rの構成について具体的に説明する。
図3は、共通電極駆動回路40Bの選択回路LRの具体的構成を示す図である。
選択回路LRは、電圧供給回路LRaと、Hi−Z選択回路LRbとをそれぞれ備えた構成となっている。
電圧供給回路LRaは、n型トランジスタTr1,Tr2と、インバータ41〜44と、を備える。また、Hi−Z選択回路LRbは、n型トランジスタTr3,Tr4と、抵抗R1,R2と、を備える。
トランジスタTr1のゲート電極は、インバータ41及び42を介してトランジスタTr3のドレイン電極に接続されている。また、トランジスタTr1のソース電極は電圧VCOMH又は電圧VCOMLの電圧供給線に接続され、ドレイン電極は共通電極108に接続されている。
【0029】
ここで、偶数行目に対応して設けられた電圧供給回路LRaのトランジスタTr1のソース電極は、電圧VCOMHの電圧供給線に接続され、奇数行目に対応して設けられた電圧供給回路LRaのトランジスタTr1のソース電極は、電圧VCOMLの電圧供給線に接続されている。
トランジスタTr2のゲート電極は、インバータ43及び44を介してトランジスタTr4のドレイン電極に接続されている。また、トランジスタTr2のソース電極は電圧VCOMH又は電圧VCOMLの電圧供給線に接続され、ドレイン電極は共通電極108に接続されている。
ここで、偶数行目に対応して設けられた電圧供給回路LRaのトランジスタTr2のソース電極は、電圧VCOMLの電圧供給線に接続され、奇数行目に対応して設けられた電圧供給回路LRaのトランジスタTr2のソース電極は、電圧VCOMHの電圧供給線に接続されている。
【0030】
トランジスタTr3及びTr4のゲート電極には、選択信号INTが印加される。また、トランジスタTr3のソース電極にはラッチ回路RQからのラッチ信号LATが印加され、トランジスタTr4のソース電極にはラッチ回路RQからのラッチ信号/LATが印加される。
ここで、選択信号INTは、図4に示すように、電源投入後の所定期間や電源立ち下げ時(電源遮断時)においてLレベルとなり、それ以外の期間ではHレベルとなる信号である。
抵抗R1及びR2は、トランジスタTr3のドレイン電極とトランジスタTr4のドレイン電極との間に直列に接続されている。そして、抵抗R1と抵抗R2との接続ノードが接地された構成となっている。
【0031】
選択信号INTがLレベルであるときには、トランジスタTr3及びTr4がオフ状態となり、これに伴ってトランジスタTr1及びTr2がオフ状態となる。したがって、各共通電極108は、共通電極駆動回路40Bと電気的に切り離されて電圧供給が遮断された状態、所謂Hi−Z状態(ハイ・インピーダンス状態)となる。
一方、選択信号INTがHレベルであるときには、トランジスタTr3及びTr4がオン状態となる。したがって、トランジスタTr1及びTr2は、ラッチ回路LQからのラッチ信号LAT及び/LATに応じて何れか一方がオン状態となり、共通電極108には電圧VCOMH又は電圧VCOMLが供給される、所謂電圧供給状態となる。
【0032】
すなわち、偶数行目に対応して設けられた選択回路LRは、ラッチ信号LATがHレベルであれば、共通電極108にコモン信号Zとして電圧VCOMHを供給し、ラッチ信号LATがLレベルであれば、共通電極108にコモン信号Zとして電圧VCOMLを供給する。
一方、奇数行目に対応して設けられた選択回路LRは、ラッチ信号LATがHレベルであれば、共通電極108にコモン信号Zとして電圧VCOMLを供給し、ラッチ信号LATがLレベルであれば、共通電極108にコモン信号Zとして電圧VCOMHを供給する。
この図3において、トランジスタTr1が第1スイッチに対応し、トランジスタTr2が第2スイッチに対応している。
なお、共通電極駆動回路40Aの選択回路RRについても、図3に示す共通電極駆動回路40Bの選択回路LRと同様の構成を有する。
【0033】
次に、共通電極駆動回路40の動作について説明する。
先ず、安定動作時における共通電極駆動回路40の動作について説明する。
この安定動作時には、選択信号INTをHレベルとする。したがって、各選択回路RのトランジスタTr3及びTr4はそれぞれオン状態となる。
極性信号POLがHレベルであるとすると、1行目及び320行目のラッチ回路RQ1,LQ1及びRQ320,LQ320は、Hレベルの極性信号POLを取り込んで、Hレベルのラッチ信号LAT及びLレベルのラッチ信号/LATを出力する。したがって、1行目の選択回路RR1,LR1は、コモン信号Z1として電圧VCOMLを出力し、320行目の選択回路RR320,LR320は、コモン信号Z320として電圧VCOMHを出力する。これにより、1行目の共通電極108の電位はVCOMLとなり、320行目の共通電極108の電位はVCOMHとなる。
【0034】
この状態で、走査信号Y1がHレベルとなると、2行目のラッチ回路RQ2,LQ2は、Hレベルとなるラッチ信号LAT2を出力する。すると、2行目の選択回路RR2,LR2は、コモン信号Z2として電圧VCOMHを出力する。これにより、2行目の共通電極108の電位はVCOMHとなる。
その後、走査信号Y1がLレベルとなり、走査信号Y2がHレベルとなると、2行目のラッチ回路RQ2,LQ2は、Hレベルのラッチ信号LAT2を保持し、出力する。したがって、2行目の共通電極108の電位はVCOMHに保たれる。
また、このとき、3行目のラッチ回路RQ3,LQ3は、Hレベルとなるラッチ信号LAT3を出力する。すると、3行目の選択回路RR3,LR3は、コモン信号Z3として電圧VCOMLを出力する。これにより、3行目の共通電極108の電位はVCOMLとなる。
【0035】
このように、共通電極駆動回路40は、1行目の走査線112にHレベルとなる走査信号Y1が供給されるのに同期して2行目の共通電極108に電圧VCOMHを供給する。すなわち、同一の1フレーム期間において、p行目(pは1≦p≦320を満たす偶数)の共通電極108には、Hレベルの走査信号Y(p−1)が供給されるのに同期して、電圧VCOMHが供給される。そして、以降、次のフレームの期間においてHレベルの走査信号Y(p−1)が再び供給されるまで、p行目の共通電極108の電位を電圧VCOMHに保持する。
【0036】
また、同一の1フレーム期間において、q行目(qは1≦q≦320を満たす奇数)の共通電極108には、Hレベルの走査信号Y(q−1)が供給されるのに同期して、電圧VCOMLが供給される。そして、以降、次のフレームの期間においてHレベルの走査信号Y(q−1)が再び供給されるまで、q行目の共通電極108の電位を電圧VCOMLに保持する。
このように、共通電極108の電位は、対応する走査線112にHレベルの走査信号が印加されるタイミングよりも前(ここでは、1水平走査期間前)に、電圧VCOMHまたは電圧VCOMLの一方から他方へと切り替わる構成となっている。
【0037】
次に、不安定動作時における共通電極駆動回路40の動作について説明する。
今、液晶表示装置1に電源が投入されていない状態であるものとする。このとき、選択信号INTはLレベルであるため、各選択回路RのトランジスタTr3及びTr4はそれぞれオフ状態となっている。したがって、各共通電極108はHi−Z状態となっている。
そして、図4の時刻t1で電源が投入されると、電源投入から所定時間が経過した時刻t2で、選択信号INTがHレベルとなる。ここで、上記所定時間は、電源を投入してから各回路が安定して駆動し始めるまでの期間に設定する。
選択信号INTがHレベルとなると、各選択回路RのトランジスタTr3及びTr4がそれぞれオン状態となる。これにより、その後は上述した安定動作時の動作を行う。
【0038】
その後、時刻t3で電源を立ち下げると、選択信号INTがLレベルとなる。これにより、再び共通電極108をHi−Z状態に遷移する。
このように、本実施形態における選択回路Rは、電圧VCOMH又は電圧VCOMLを選択し出力する電圧供給状態と、共通電極108を切り離しHi−Z状態とする電圧遮断状態とを切り替え可能に構成されている。
ところで、一般的な選択回路Rでは、電圧供給状態とする機能だけを有する構成となっている。
【0039】
図5は、一般的な共通電極駆動回路における単位制御回路LPの構成を示す図である。
この図5に示す単位制御回路LPは、選択回路LRの構成が図3に示す選択回路LRと異なる。なお、ここでは、奇数行目に対応して設けられた単位制御回路LPを示している。
この選択回路LRは、p型トランジスタTr5と、n型トランジスタTr6とを備える。トランジスタTr5及びTr6のゲート電極には、ラッチ回路LQからのラッチ信号LATが印加される。
また、トランジスタTr5のソース電極は電圧VCOMHの電圧供給線に接続され、ドレイン電極は共通電極108に接続されている。そして、トランジスタTr6のソース電極は電圧VCOMLの電圧供給線に接続され、ドレイン電極は共通電極108に接続されている。
【0040】
一方、ここでは図示しないが、偶数行目に対応して設けられた単位制御回路LPでは、トランジスタTr5のソース電極を電圧VCOMLの電圧供給線に接続し、トランジスタTr6のソース電極を電圧VCOMHの電圧供給線に接続する。
このように、一般的な共通電極駆動回路40では、ラッチ信号LATに応じてトランジスタTr5及びTr6の何れか一方が必ずオン状態となり、電圧VCOMH又は電圧VCOMLが必ず出力される構成となっている。
共通電極駆動回路40を共通電極108の両端側に配置する場合、必ず両端から同じ電位のコモン信号Zを供給しなければならない。しかしながら、電源投入後における回路の動作が不安定になる期間や電源遮断中などでは、共通電極駆動回路40内のスイッチングの不具合等により、共通電極108の両端から異なる電位のコモン信号Zが供給されるおそれがある。すると、共通電極108に異常な突入電流が流れ込んでしまう。
【0041】
これに対して、上記第1の実施形態では、共通電極駆動回路40の選択回路Rを、電圧VCOMH又は電圧VCOMLを選択的に出力する電圧供給回路Raと、共通電極108をHi−Z状態とするHi−Z選択回路Rbとを含んだ構成とする。そして、電源投入後の所定期間や電源遮断中などの不安定状態時に、共通電極108をHi−Z状態(電圧遮断状態)とする。これにより、共通電極108が異常な電位となるのを防止することができる。
また、共通電極駆動回路40を共通電極108の両端側にそれぞれ配置するので、電圧供給状態では共通電極108の両端から同じ電位のコモン信号Zを供給することで、クロストーク対策を施したCOM分割駆動とすることができる。
【0042】
さらに、不安定状態時に電圧遮断状態とすることで、共通電極108の両端の電位が異なる状態となることに起因して、共通電極108に異常な突入電流が流れ込むのを抑制することができる。したがって、当該突入電流による液晶への悪影響を回避することができる。
さらに、Hi−Z選択回路Rbは、共通電極108と電圧VCOMH(又はVCOML)の電圧供給源との間に接続されたトランジスタTr1と、共通電極108と電圧VCOML(又はVCOMH)の電圧供給源との間に接続されたトランジスタTr2とを含む。そして、トランジスタTr1とトランジスタTr2とを同時にオフ状態とすることで、共通電極108をHi−Z状態とする。したがって、比較的簡易な回路構成で、電圧供給状態と電圧遮断状態との切り替えを行うことができる。
【0043】
また、Hi−Z選択回路Rbは、上記トランジスタTr1及びTr2のゲート電極へ印加する信号を遮断するトランジスタTr3及びTr4と、上記トランジスタTr1及びTr2のゲート電極の電位をプルダウンするための抵抗R1及びR2を含む。そして、トランジスタTr3及びTr4を選択信号INTによってオフ状態に制御することで、トランジスタTr1及びTr2を同時にオフ状態とする。したがって、比較的簡易な回路構成で、確実に電圧遮断状態とすることができる。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において電源投入時などの不定状態時にHi−Z状態を選択しているのに対し、共通電極108の電圧がVCOMHからVCOML(又はその逆)に反転するタイミングで、Hi−Z状態を選択するようにしたものである。
図6は、第2の実施形態における単位制御回路LPの構成を示す図である。なお、ここでは、奇数行目に対応して設けられた単位制御回路LPを示している。
図6のラッチ回路LQは、図2に示す第1の実施形態におけるラッチ回路LQと同様の構成を有する。また、選択回路LRは、図3に示す第1の実施形態における選択回路LRにおいて、否定論理積演算回路(NAND回路)45を追加したことを除いては、図3の選択回路LRと同様の構成を有する。
【0045】
n行目の走査線112に対応して設けられた選択回路LR(n)におけるNAND回路45の2つの入力端子のうち、一方の入力端子には選択信号INTが入力され、他方の入力端子には1段前の(n−1)行目の走査線112に供給される走査信号Ynが入力される。
ここで、選択信号INTは、共通電極108をHi−Z状態とする期間だけHレベルとなり、それ以外の期間においてLレベルとなる信号である。本実施形態では、各共通電極108の電圧を電圧VCOMHから電圧VCOML(又はその逆)に反転させるタイミングで、選択信号INTをHレベルとする。
【0046】
次に、第2の実施形態における動作について説明する。
図7は、第2の実施形態における動作を説明するタイミングチャートである。
図7の時刻t11で、(n−1)行目の走査信号Y(n−1)がHレベルからLレベルとなると、時刻t12で選択信号INTがHレベルとなり、その直後の時刻t13でn行目の走査信号YnがLレベルからHレベルに切り替わる。すると、(n+1)行目の選択回路RR(n+1),LR(n+1)におけるNAND回路45の出力信号がLレベルとなり、選択回路RR(n+1),LR(n+1)のトランジスタTr3及びTr4が同時にオフ状態となる。これにより、(n+1)行目の共通電極108がHi−Z状態となる。
【0047】
その後、時刻t14で選択信号INTがLレベルとなると、選択回路RR(n+1),LR(n+1)におけるNAND回路45の出力信号がHレベルとなり、選択回路RR(n+1),LR(n+1)のトランジスタTr3及びTr4はオン状態へ切り替わる。したがって、このときラッチ回路RQ(n+1),LQ(n+1)から出力されるラッチ信号LATに応じた電圧(ここではVCOML)が(n+1)行目の共通電極108に供給される。
このように、走査信号YnがHレベルとなる時刻t13から選択信号INTがLレベルとなる時刻t14までの間、(n+1)行目の共通電極108をHi−Z状態とし、その後、Hi−Z状態から電圧供給状態へ切り替えて(n+1)行目の共通電極108の電位を反転する。
【0048】
図8は、図5に示す一般的な共通電極駆動回路を用いた場合のタイミングチャートである。
この図8に示すように、図5に示す共通電極駆動回路を用いた場合、1段前の走査信号Yをトリガとして共通電極の電位が反転する。すなわち、時刻t21で(n−1)行目の走査信号Y(n−1)がHレベルからLレベルとなった直後、時刻t22でn行目の走査信号YnがLレベルからHレベルとなると、このタイミングで(n+1)行目の共通電極の電位がVCOMHからVCOMLへ反転する。
しかしながら、この場合、共通電極108の両端に配置した共通電極駆動回路40A,40BのトランジスタTr1及びTr2に特性差があると、共通電極電位の反転に遅延が生じ、共通電極108の両端の電位が異なる状態となるおそれがある。
【0049】
これに対して、第2の実施形態では、共通電極108の電位を反転するタイミングで共通電極108をHi−Z状態とする。したがって、上記特性差による遅延に起因して共通電極108の両端の電位が異なる状態となるのを抑制することができる。その結果、共通電極108に貫通電流が流れ込むのを抑制することができる。
また、Hi−Z選択回路Rbは、上記トランジスタTr1及びTr2のゲート電極へ印加する信号を遮断するトランジスタTr3及びTr4と、上記トランジスタTr1及びTr2のゲート電極の電位をプルダウンするための抵抗R1及びR2と、トランジスタTr3及びTr4のオン/オフ制御をするためのNAND回路45とを含む。そして、トランジスタTr3及びTr4を選択信号INTと走査信号Yとによってオフ状態に制御することで、トランジスタTr1及びTr2を同時にオフ状態とする。したがって、比較的簡易な回路構成で、確実に電圧遮断状態とすることができる。
【0050】
さらに、1段前の走査信号Yを用いてトランジスタTr3及びTr4オフ状態に制御するので、共通電極108の電位が反転するタイミングで、確実に電圧遮断状態とすることができる。
なお、上記各実施形態においては、共通電極駆動回路の選択回路Rにおいて、共通電極108と電圧VCOMH,VCOMLの電圧供給線とを接続するスイッチとして、n型トランジスタTr1及びTr2を適用する場合について説明したが、p型トランジスタやその他スイッチング素子を適用することもできる。
また、上記各実施形態においては、共通電極駆動回路の選択回路Rにおいて、トランジスタTr1及びTr2をオフ状態とするためのスイッチとして、n型トランジスタTr3及びTr4を適用する場合について説明したが、p型トランジスタやその他スイッチング素子を適用することもできる。
【0051】
さらに、上記各実施形態においては、Hi−Z状態選択回路Rbにおいて、プルダウン抵抗R1及びR2を設ける場合について説明したが、例えば、トランジスタTr1及びTr2がp型トランジスタ等のアクティブ・ローのスイッチである場合には、プルアップ抵抗を設ければよい。
さらにまた、上記各実施形態においては、液晶の駆動方式としてFFS方式を採用する場合について説明したが、TN方式やIPS方式等を採用することもできる。
また、上記各実施形態においては、1水平ライン毎に正極性書込と負極性書込とを交互に行う場合について説明したが、複数の水平ライン毎に正極性書込と負極性書込とを交互に行うこともできる。
【0052】
さらに、上記各実施形態においては、共通電極108を1水平ライン毎に分割する場合について説明したが、複数水平ライン毎に分割することもできる。
さらに、上記各実施形態の液晶表示装置は、電子機器に搭載される表示装置として用いることができる。電子機器とは具体的にはモニター、TV、ノートパソコン、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話機、携帯フォトビューワー、携帯ビデオプレイヤー、携帯DVDプレイヤー、携帯オーディオプレイヤーなどである。
【符号の説明】
【0053】
10…液晶表示装置、20…走査線駆動回路、30…データ線駆動回路、40A,40B…共通電極駆動回路、100…表示領域、108…共通電極、110…画素、112…走査線、114…データ線、116…TFT、118…画素電極、120…画素容量、130…蓄積容量、P…単位制御回路、Q…ラッチ回路、R…選択回路、Ra…電圧供給回路、Rb…Hi−Z選択回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素と、画像データを前記データ線に供給する駆動回路とを有する表示パネルと、を備える液晶表示装置であって、
前記複数の画素は、液晶層を挟んで対向する一対の基板と、液晶層の液晶分子を駆動する共通電極及び画素電極と、で構成され、
前記共通電極は複数に分割されており、
極性信号に応じて第1電圧及び当該第1電圧よりも電位の高い第2電圧の何れか一方を前記共通電極に供給する電圧供給状態と、前記共通電極をハイインピーダンス状態とする電圧遮断状態とを切替可能な制御回路を備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記共通電極の両端側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記共通電極と前記第1電圧の電圧供給源との間に接続された第1スイッチと、前記共通電極と前記第2電圧の電圧供給源との間に接続された第2スイッチとを備え、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの何れか一方をオン状態とすることで、前記電圧供給状態とし、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを同時にオフ状態とすることで、前記電圧遮断状態とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記制御回路は、電源投入後の所定期間及び電源遮断中に、前記電圧遮断状態とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記共通電極に供給する電圧を前記第1電圧と前記第2電圧とで切り替える直前に、前記電圧遮断状態とすることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記請求項1〜5の何れか1項に記載の液晶表示装置を備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−224215(P2010−224215A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71423(P2009−71423)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】