説明

液晶表示装置

【課題】座標位置検出装置の挿入を容易にする構造を有する液晶表示装置を提供する
【解決手段】複数の画素PXが配列された表示領域11を備えた液晶表示パネル10と、液晶表示パネル10に電気的に接続され、駆動信号を供給する回路基板18と、液晶表示パネル10と対向し面状光を液晶表示パネル10に向けて出射する出射面及びこの出射面とは反対側に位置する背面とを有する面光源装置20と、表示領域11上で指示された位置の座標を検出する座標位置検出装置30と、液晶表示パネル10と面光源装置20とを支持するとともに、座標位置検出装置30の厚さ分の間隔をおいて面光源装置20の背面に沿って延びる突出部42A、42Bを一体に有するフレーム40と、を備え、座標位置検出装置30は、突出部42A、42Bと面光源装置20との間に配置され、突出部42A、42Bによって保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座標位置検出装置を備えた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置は、複数の表示画素が配列された表示領域を有する液晶表示パネルと、液晶表示パネルに電気的に接続されて駆動信号を供給する回路基板と、液晶表示パネルを背面から照明する面光源装置と、液晶表示パネルと面光源装置とを支持するフレームと、を有している。回路基板は、例えばフレキシブル基板によって液晶表示パネルの一側縁に接続され、フレキシブル基板を湾曲させて面光源装置の背面側に配置される。
【0003】
近年は、液晶表示パネルの表示領域上での入力機能を有する液晶表示装置が開発されている。この液晶表示装置は、液晶表示パネルの表示領域上で位置指示装置によって選択された位置の座標を検出する座標位置検出装置をさらに有する場合がある。一般的に、座標位置検出装置は、面光源装置の背面側で回路基板と面光源装置との間に挿入される。しかし、通常のフレームは、座標位置検出装置及び回路基板を保持するための構造になっていない場合があり、座標位置検出装置を保持することが難しい。
【0004】
従来、座標位置検出装置及び回路基板をフレームに固定するため、固定用の板材を有する液晶表示装置が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−212973号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の方法では、回路基板と座標位置検出装置とをある所定の位置に置いてから板材によってそれらを固定するため、回路基板と座標位置検出装置との位置決めが難しかった。また、座標位置検出装置と回路基板とに板材を重ねて固定するため、液晶表示装置が板材の分だけ厚くなる場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、回路基板と座標位置検出装置とを所定位置に位置決めし、かつ薄型化を実現する液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の様態による液晶表示装置は、複数の画素が配列された表示領域を備えた液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに電気的に接続され、駆動信号を供給する回路基板と、前記液晶表示パネルと対向し面状光を前記液晶パネルに向けて出射する出射面及びこの出射面とは反対側に位置する背面とを有する面光源装置と、前記表示領域上で指示された位置の座標を検出する座標位置検出装置と、前記液晶表示パネルと前記面光源装置とを支持するとともに、前記座標位置検出装置の厚さ分の間隔をおいて前記面光源装置の背面に沿って延びる突出部を一体に有するフレームと、を備え、前記座標位置検出装置は、前記突出部と前記面光源装置との間に配置され、前記突出部によって保持される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回路基板と座標位置検出装置とを所定位置に位置決めし、かつ薄型化を実現する液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の一実施形態に係る液晶表示装置100について図面を参照して説明する。図1に示すように、液晶表示装置100は、液晶表示パネル10と、液晶表示パネル10を背面から照明する面光源装置20と、面光源装置20の背面側に配置された座標位置検出装置30と、を備えている。
【0010】
液晶表示パネル10は、対向配置された一対の基板すなわちアレイ基板12及び対向基板14と、アレイ基板12と対向基板14との間に保持された液晶層LQと、を備えている。液晶表示パネル10は、画像を表示する略矩形状の表示領域11を有している。
【0011】
表示領域11は、マトリクス状に配置された複数の画素PXによって構成されている。アレイ基板12は、表示領域11において、画素PXの行方向(X方向)に沿って延在する複数の走査線Sc、画素PXの列方向(Y方向)に沿って延在する複数の信号線Sg、これら走査線Scと信号線Sgとの交差部付近において画素PX毎に配置されたスイッチング素子SW、及びスイッチング素子SWに接続された画素電極PE等を備えている。対向基板14は、表示領域11において、全画素PXに共通の対向電極CEなどを備えている。
【0012】
これらアレイ基板12及び対向基板14は、画素電極PEと対向電極CEとを対向させた状態で配設され、これらの間にギャップを形成している。液晶層LQは、アレイ基板12と対向基板14とのギャップに封止された液晶組成物によって形成されている。
【0013】
回路基板18は、フレキシブル基板16を介して、液晶表示パネル10の一側縁に電気的に接続され、液晶表示パネル10に駆動信号を供給する。回路基板18は、面光源装置20の背面側に向けてフレキシブル基板16を湾曲させることにより、面光源装置20の背面側に配置される。
【0014】
面光源装置20は、液晶表示パネル10と対向し面状光を液晶表示パネル10に向けて出射する出射面と、この出射面とは反対側に位置する背面とを有している。面光源装置20は、その出射面側に照明光を出射する略矩形状の出射領域20Aを有している。この面光源装置20は、出射領域20Aと液晶表示パネル10の表示領域11とが対応するように液晶表示パネル10の背面に重ねられる。
【0015】
図2に示すように、面光源装置20は、光源としての冷陰極管22と、冷陰極管22からの入射光を液晶表示パネル10に向けて出射する導光体24と、冷陰極管22の出射光を導光体24に入射させるリフレクタ26とを有している。導光体24は、透光性を持つ樹脂により形成され、冷陰極管22から入射された光を出射する光出射面24Aと、光出射面24Aに対向した対向面24Bとを備えている。導光体24は、光入射面24Cの法線方向に向かって徐々に厚さが薄くなる楔形に形成されている。このような形状にすることによって、面光源装置20の裏面側に回路基板18を収容するスペースを確保している。
【0016】
導光体24の光出射面24A側には、光学シート27が配置される。光学シート27は導光体24の光出射面24Aから出射された面状光に対して、所定の光学特性を付与するもので、例えば、導光体24の出射光を集光する集光シート、および出射光を拡散する拡散シート等である。導光体24の対向面24B側には光学シートとしての反射シート28が配置されている。反射シート28は、導光体24の対向面24Bから外部へ出た光を導光体24に戻すべく反射する。反射シート28、導光体24、および光学シート27は重ねられて、フレーム40に収容される。
【0017】
フレーム40は、液晶表示パネル10に対応した矩形状に形成され、それぞれパネルの辺に対応した略直線状の4つの枠部41を有している。フレーム40の1つの枠部41、例えば、フレキシブル基板16と一部で対向する枠部41には、互いに略平行に延びた2つの突出部42A、42Bが一体に突設されている。
【0018】
図1に示すように、座標位置検出装置30は、液晶表示パネル10の表示領域11に対応したセンサ領域34を有するとともに、センサ領域34と液晶表示パネル10の表示領域11とが対応するように面光源装置20の背面側に配置される。座標位置検出装置30は、表示領域11上で位置指示装置32によって指示された位置の座標を検出する。センサ領域34には、例えばX方向及びY方向に複数のコイルセンサ36が並列に配置されている。このコイルセンサ36の近傍に位置指示装置32があると、座標位置検出装置30は、位置指示装置32の共振回路32Aからの電磁波をコイルセンサ36で受信し、受信した信号の強度から座標を算出する。
【0019】
図3(a)に示すように、座標位置検出装置30は、面光源装置20の背面と回路基板18との間に挿入され、その一端部を2つの突出部42A、42Bによって保持されている。回路基板18は、Y方向に延びる2つの端辺18A、18Bを有するとともに、2つの突出部42A、42Bの間に配置されている。2つの突出部42A、42Bは、回路基板18の2つの端辺18A、18Bと略平行に延びている。以下、突出部42Aについて説明する。
【0020】
図3(b)及び図4に示すように、突出部42Aは面光源装置20の背面と、座標位置検出装置30の厚さ(W方向の長さ)分の間隔をおいて、面光源装置20の背面に沿ってY方向に延びている。回路基板18は、突出部42AとX方向に並ぶとともに、面光源装置20の背面と略平行な同一平面上に配置される。つまり、突出部42Aは面光源装置20の背面と略平行な平面状に延びている。
【0021】
回路基板18は、端辺18Aを含む側面18Cを有している。回路基板18と突出部42Aとは、側面18Cと突出部42Aの側面44Aとが対向するようにX方向に並んでいる。突出部42Aと回路基板18との背面側には、突出部42Aと回路基板18とに渡って絶縁シート50が配置されている。突出部42Aと回路基板18とは、両面テープ60によって絶縁シート50に固定されている。すなわち、回路基板18と突出部42Aとは、絶縁シート50及び両面テープ60を介して互いに固定されている。このとき、突出部42Aと回路基板18との厚さ(W方向の長さ)をほぼ等しくすると、突出部42Aと回路基板18とは絶縁シート50とより確実に固定される。
【0022】
なお、突出部42Bについても上記の突出部42Aの場合と同様に、座標位置検出装置30の厚さ分の間隔をおいて、面光源装置20の背面に沿ってY方向に延びている。突出部42Bは、突出部42Aに対し、X方向に所定の間隔をおいて設けられ、回路基板18の突出部42Aと固定される端部に対向する端部で回路基板18と両面テープ60によって絶縁シート50と固定されている。
【0023】
上記のように、フレーム40が突出部42A、42Bを有することで、座標位置検出装置30を面光源装置20の背面側に保持するとともに、面光源装置20の背面側に座標位置検出装置30を配設するスペースを確保している。このことにより、座標位置検出装置30を面光源装置20と回路基板18との間に容易に配設することができ、回路基板18と座標位置検出装置30の位置決めが容易になる。さらに、新しい部品を追加することなく、フレーム40の枠部41に設けられた突出部42A、42Bによって回路基板18と座標位置検出装置30とを固定することができる。
【0024】
また、回路基板18が、突出部42A、42BとX方向に並んで、面光源装置20の背面と略平行な同一平面上に配置されるため、突出部42A、42Bが座標位置検出装置30と回路基板18とに重ならない。このことによって、液晶表示装置100を突出部42A、42Bの分だけ厚くなることがなく、薄型化を実現できる。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様に、フレーム40の1つの枠部41、例えば、フレキシブル基板16と一部で対向する枠部41には、互いに略平行に延びた2つの突出部42A、42Bが突設されている。以下、突出部42Aについて説明する。
【0026】
第1実施形態と同様に、突出部42Aは、座標位置検出装置30の厚さ分の間隔をおいて面光源装置20の背面に沿って延びるとともに、面光源装置20の背面と略平行な平面上で回路基板18と並んでいる。図5に示すように、突出部42Aは回路基板18と座標位置検出装置30との間に伸びた凸部43Aを有している。突出部42Aは、凸部43Aの上面45Aと、回路基板18の側面18Cと対向する側面44Aとで、回路基板18をX方向及びW方向に位置決めしている。回路基板18と突出部42Aとの背面側には、絶縁シート50が配置され、回路基板18と突出部42Aとは、両面テープ60によって絶縁シート50と固定されている。このとき、側面44Aの厚さ方向の長さを、回路基板18の厚さとほぼ等しくすると、回路基板18と突出部42Aとは、絶縁シート50により確実に固定される。
【0027】
なお、突出部42Bについても上記の突出部42Aの場合と同様に、回路基板18と座標位置検出装置30との間に伸びた凸部43Bを有している。突出部42Bは、突出部42Aに対し、X方向に所定の間隔をおいて設けられ、突出部42Aと固定された端部と対向する端部で回路基板18と両面テープ60によって絶縁シート50と固定されている。
【0028】
上記のような、突出部42A、42Bをフレーム40に設けることによって、第1実施形態と同様に、座標位置検出装置30を面光源装置20の背面と回路基板18との間に配設することが容易になり、回路基板18と座標位置検出装置30とを容易に位置決めできる。また、突出部42A、42Bが座標位置検出装置30と回路基板18とに重ならないため、液晶表示装置100を薄型化することができる。さらに、突出部42A、42Bが凸部43A、43Bを有することによって、回路基板18のX方向及びW方向の動きが抑制されるため、回路基板18の位置決めをより容易にすることができる。
【0029】
なお、第2実施形態の他の構成は、前述した第1実施形態と同一であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0030】
また、上記2つの実施形態では、座標位置検出装置30の厚さは0.75mm以下で、突出部42の厚さは0.4mm以上となっている。
【0031】
この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0032】
例えば、上記の実施形態では、フレームが回路基板の端辺に沿った2つの突出部を有しているが、どちらか一方の突出部を削除して1つの突出部を有しても良い。また、上記の実施形態では、1本の両面テープで回路基板と突出部とを絶縁シートに固定しているが、回路基板と突出部を個々に絶縁シートに固定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の分解斜視図。
【図2】図1に示す面光源装置の分解斜視図。
【図3】図1に示す液晶表示パネルを背面側から見た図とその突出部付近の拡大図。
【図4】図3に示す突出部付近をA−Aで切断した断面の一例を示す図。
【図5】図3に示す突出部付近をA−Aで切断した断面の他の例を示す図。
【符号の説明】
【0034】
10…液晶表示パネル、11…表示領域、18…回路基板、画素…PX、20…面光源装置、30…座標位置検出装置、32…位置指示装置、34…センサ領域、36…コイルセンサ、40…フレーム、41…枠部、42A、42B…突出部、43A、43B…凸部、50…絶縁シート、60…両面テープ、100…液晶表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が配列された表示領域を備えた液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに電気的に接続され、駆動信号を供給する回路基板と、
前記液晶表示パネルと対向し面状光を前記液晶パネルに向けて出射する出射面及びこの出射面とは反対側に位置する背面とを有する面光源装置と、
前記表示領域上で指示された位置の座標を検出する座標位置検出装置と、
前記液晶表示パネルと前記面光源装置とを支持するとともに、前記座標位置検出装置の厚さ分の間隔をおいて前記面光源装置の背面に沿って延びる突出部を一体に有するフレームと、を備え、
前記座標位置検出装置は、前記突出部と前記面光源装置との間に配置され、前記突出部によって保持される液晶表示装置。
【請求項2】
前記回路基板は、前記面光源装置の背面側に配置されるとともに、前記面光源装置の背面と略平行な平面上で前記突出部と並び、前記突出部に固定されるとともに、前記突出部と略平行に延びた端辺を有する請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記フレームの1辺から2つの前記突出部が略平行に延びて形成され、
前記回路基板は、前記2つの突起部の間に配置されるとともに、両端で前記突出部に固定される請求項2記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記突出部は前記回路基板と前記座標位置検出装置との間に延びた凸部を有する請求項2または請求項3記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記回路基板の背面側に配置された絶縁シートをさらに備え、
前記回路基板と前記突出部とは前記絶縁シートに固定される請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記回路基板はテープによって前記突出部に固定される請求項2乃至請求項5記載のいずれか1項に液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−208563(P2006−208563A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−18241(P2005−18241)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】