説明

液晶表示装置

【課題】電源がオフ状態であってもオン状態であっても、所定の文字や絵、模様等を視認
できるようにした液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の液晶表示装置1Aは、液晶層を挟持した第1基板及び第2基板を有
し、前記第1基板には、複数の走査線及び信号線の交差部近傍に設けられたスイッチング
素子と、前記複数の走査線及び信号線区画された領域毎に形成されたサブ画素と、前記第
2基板の前記第1基板のスイッチング素子、信号線及び走査線と対向する部分に平面視で
重なるように形成された遮光層51と、を備えた液晶表示装置1Aであって、前記液晶表
示装置1Aを非駆動状態としたときに前記表示領域に表示させておきたい模様に対応する
部分は、前記遮光層が少なくとも一部除去されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に電源がオフ状態(液晶表示装置が非駆動状態)で
あってもオン状態(液晶表示装置が駆動状態)であっても、所定の文字や絵、模様等を視
認できるようにした液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、多くはバックライトを使用して液晶層を透過してきた光によって所定
の画像を表示する透過型のものが使用されているが、画像表示に外光を利用する反射型の
もの及び透過型と反射型の性質を併せ持つ半透過型のもの(下記特許文献1〜3参照)も
知られている。このうち、半透過型の液晶表示装置は、一つの画素領域内に画素電極を備
えた光透過領域と画素電極及び反射板の両方を備えた光反射領域を有している。そして、
暗い場所においてはバックライトを点灯して光透過領域を利用して画像を表示し、明るい
場所においてはバックライトを点灯することなく光反射領域において外光を利用して画像
を表示するものである。そのため、半透過型の液晶表示装置は、常時バックライトを点灯
する必要がなくなるので、消費電力を大幅に低減させることができるという利点を有して
いる。この半透過型の液晶表示装置は、携帯電話など、特に中小型の電子機器の表示部と
して広く用いられている。
【特許文献1】特開平11−101992号公報
【特許文献2】特開2006−276111号公報
【特許文献3】特開2006−276112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、近年では、電子機器のデザイン性の向上が強く求められているため、例えば携帯
電話において、待ち受け画面等に任意の画像を表示するだけではなく、メーカーロゴや特
定の模様など、多種多様な画像が表示されている。液晶表示装置の表示部に画像を表示す
る際には、電源がオンの状態で液晶表示装置を駆動して表示する必要がある。しかしなが
ら、従来の液晶表示装置では、電源をオフにしたときには何も表示されない状態になって
しまうため、電源がオフの時には画像を表示することができない。
【0004】
従って、待ち受け画面等を長時間表示するには特定の画素を長時間駆動し続ける必要が
あるため、その分だけ消費電力が多くなってしまう。このように待ち受け画面等を長時間
表示する場合、上述のような半透過型の液晶表示装置であればバックライトを点灯せずに
反射型として駆動すればよいが、それでも表示時間が長くなれば長くなるほどそれに比例
して消費電力は大きくなる。しかも、透過型の液晶表示装置では、待ち受け画面等を表示
する場合であってもバックライトを点灯しないと視認できないため、消費電力は膨大なも
のとなる。このような消費電力の増大は、携帯電話機等の小型の電子機器にとっては重大
な問題となる。
【0005】
近年、電源がオフの時にも所定の文字や絵、模様等を表示しておくことができるように
し、表示部を含めた機器全体のデザイン性を高めようとする提案がなされている。そのた
めには、液晶表示装置の電源がオフの時にも何等かの画像を表示できるようにする必要が
ある。しかしながら、従来は、電源がオンの時に実質的に正常な画像表示ができ、電源が
オフの時に何等かの画像を表示できるような液晶表示装置は知られていなかった。加えて
、より機器全体の表現力を広げるため、電源がオンの時においても通常の表示画像中に社
名のような識別用の記号等を含む所定の模様を表示できるようにすることも要望されるよ
うになってきている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1〜3に示されているような従来の液晶表示装置において
、液晶表示装置の表示部に画像を表示する際には、電源がオンの状態で液晶表示装置を駆
動して表示する必要がある。そのため、この液晶表示装置は、電源をオフにしたときには
何も表示されない状態になってしまう。したがって、このような従来の液晶表示装置では
、電源オフ時に画像を表示するような幅広い表現が実現できない。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、電源がオフ状態のときであっても、オン状
態のときであっても、社名のような識別用の記号等を含む所定の模様を表示することがで
きる、幅広い表現力を備えた表示特性の高い液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る液晶表示装置は、液晶層を挟持した第1基板及
び第2基板を有し、前記第1基板の前記液晶層側には、表示領域にマトリクス状に互いに
絶縁された状態で配置されたそれぞれ金属材料からなる複数の走査線及び信号線と、複数
の前記走査線及び信号線の交差部近傍に設けられたスイッチング素子と、前記複数の走査
線及び信号線で区画された領域毎に形成されたサブ画素と、前記第2基板の前記第1基板
のスイッチング素子、信号線及び走査線と対向する部分には平面視で重なるように形成さ
れた遮光層を備えた液晶表示装置であって、前記液晶表示装置を非駆動状態としたときに
前記表示領域に表示させておきたい模様に対応する部分は、前記遮光層が少なくとも一部
除去されていることを特徴とする。
【0009】
第2基板の遮光層に対応する位置の第1基板には、アルミニウム等の金属材料からなる
信号線及び走査線や、電極部分に金属材料が使用されているスイッチング素子が形成され
ている。この第2基板の遮光層が除去されている領域では、液晶表示装置が駆動状態であ
っても非駆動状態であっても、外部からの入射光は前記遮光層に対応する位置の第1基板
に形成されているスイッチング素子の電極部分、信号線及び走査線等の金属材料によって
反射されて外部に出てくる。一方、第2基板の遮光層の表面(液晶層側)は、通常この遮
光層に隣接するサブ画素に対応する異なる2色ないし同色のカラーフィルタ層が形成され
ている。そのため、本発明の液晶表示装置によれば、液晶表示装置が駆動状態であっても
非駆動状態であっても、第2基板の遮光層が除去されている領域においては、外部からの
入射光が出射する際に前記遮光層が除去されている部分に配置されているカラーフィルタ
層に対応した色度を有する出射光となって出てくるようにできる。
【0010】
従って、本発明の液晶表示装置によれば、少なくとも液晶表示装置が非駆動状態のとき
に第2基板の遮光層が除去されている領域に応じた所定の模様を所定の色で表示させてお
くことが可能となる。この場合、第2基板の遮光層の一部を除去するか或いは全てを除去
するかによって、反射光の強度や色度を変えることができる。そのため、本発明の液晶表
示装置によれば、液晶表示装置が非駆動状態であっても、それぞれの光反射パターンに応
じた幅広い表現力を有する所定の模様を容易に表示することができるようになる。
【0011】
また、本発明の液晶表示装置によれば、液晶表示装置が駆動状態の場合でも第2基板の
遮光層の一部が除去されている領域からの反射光によって所定の模様が表示されている。
しかしながら、この反射光の強度は表示領域のサブ画素部分の透過光の強度に比すると弱
いため、観察者にはほとんど見えない状態となるので、良好な画像表示を行うことができ
る。更に、本発明の液晶表示装置では、液晶表示装置の駆動状態の際に背景画面を所定の
模様の色度とは異なる色度の表示とすると、所定の模様を目立たせることができる。なお
、本発明における「所定の模様」とは、文字、企業等のロゴマーク、花柄、市松模様など
を含む予め定めた表示させたい画像を意味する。
【0012】
また、本発明の液晶表示装置においては、前記遮光層が除去された位置は、前記信号線
ないし走査線と対向する位置の遮光層であることが好ましい。
【0013】
平面視で液晶表示装置のサブ画素の周囲には信号線及び走査線が形成されている。その
ため、係る態様の液晶表示装置によれば、信号線ないし走査線と対向する位置の遮光層の
除去範囲を変えることにより、所定の模様の明度、色度、彩度等を適宜変えることができ
るようになる。
【0014】
また、本発明の液晶表示装置においては、前記遮光層が除去された位置は、前記スイッ
チング素子の金属材料からなる電極と対向する位置の遮光層であることが好ましい。
【0015】
スイッチング素子の電極は、例えばスイッチング素子が薄膜トランジスタ(Thin Film
Transistor、以下「TFT」という)の場合には、ゲート電極、ソース電極及びドレイン
電極がアルミニウム等の金属材料で形成されている。そのため、これらの金属材料からな
る電極に対向する部分の第2基板の遮光層を適宜除去することにより、液晶表示装置が駆
動状態であっても非駆動状態であっても、所定の模様を表示させておくことが可能となる
。なお、TFTのチャネル領域に外光が照射されるとTFTのオフ時の漏れ電流が大きく
なってコントラストが低下するので、このチャネル領域に対向する部分の第2基板の遮光
層は残しておいた方がよい。
【0016】
また、本発明の液晶表示装置においては、前記遮光層が除去された部分には、前記遮光
層が除去された部分に隣接するカラーフィルタ層とは異なる色のカラーフィルタ層が形成
されているものとすることができる。
【0017】
第2基板の遮光層の表面は、通常この遮光層に隣接するサブ画素に対応する異なる2色
ないし同色のカラーフィルタ層が形成されている。従って、この第2基板の遮光層の表面
に、この遮光層に隣接するサブ画素に対応する色のカラーフィルタ層とは異なる任意の色
のカラーフィルタ層を形成することにより、液晶表示装置が駆動状態であっても非駆動状
態であっても、所定の模様の色度を任意に変更することができるようになる。
【0018】
また、本発明の液晶表示装置においては、前記第1基板の前記表示領域には平坦化膜が
形成されており、前記平坦化膜の表面には前記サブ画素毎に少なくとも1つの透明導電性
材料からなる電極が形成されているものとすることが好ましい。
【0019】
第1基板の表面に平坦化膜を形成すると、その平坦化膜の表面に形成される電極には、
例えばスイッチング素子等の存在による凹凸が均されて平らになるため、セルギャップが
均一化される。そのため、本発明の液晶表示装置によれば、表示画質が良好な液晶表示装
置が得られる。
【0020】
また、本発明の液晶表示装置においては、前記液晶表示装置は、ノーマリーホワイトモ
ードの液晶表示装置とすることができる。
【0021】
ノーマリーホワイトモードの液晶表示装置は、液晶の駆動用電極間に電界が印加されて
いない非駆動状態では、液晶分子は配向膜によって規制されている方向に配向して光を透
過する状態となっており、白(明)表示となる。しかしながら、液晶の駆動用電極間に電
界が印加された駆動状態では、液晶分子は電界によって動かされるので、光を透過しない
状態となり、黒(暗)表示となる。本発明をこのようなノーマリーホワイトモードの液晶
表示装置に適用すると、少なくとも液晶表示装置が非駆動状態の場合には、白色の背景中
に所定の色相の模様を表示させておくことが可能となる。なお、本発明を適用することが
できるノーマリーホワイトモードの液晶表示装置としては、例えば、TN(Twisted Nemat
ic)タイプ、ECB(Electrically Controlled Birefringence)タイプの液晶表示装置が
挙げられる。
【0022】
また、本発明の液晶表示装置においては、前記液晶表示装置は、ノーマリーブラックモ
ードの液晶表示装置とすることができる。
【0023】
ノーマリーブラックモードの液晶表示装置は、液晶の駆動用電極間に電界が印加されて
いない非駆動状態では、液晶分子は配向膜によって規制されている方向に配向して光を透
過しない状態となっており、黒(暗)表示となる。しかし、液晶の駆動用電極間に電界が
印加された駆動状態では、液晶分子は電界によって動かされるので、光を透過する状態と
なり、白(明)表示となる。本発明をこのようなノーマリーブラックモードの液晶表示装
置に適用すると、少なくとも液晶表示装置が非駆動状態での場合には、遮光層が除去され
た部分が識別パターンなどの所定の模様となるように形成されているので、黒色の背景中
に所定の色度の模様を表示させておくことが可能となる。このようなノーマリーブラック
モードの液晶表示装置としては、例えば、TNタイプ、VA(Vertical Alignment)タイ
プ(MVA(Multi-domain Vertical Alignment)タイプのものを含む)等の縦電界方式
の液晶表示装置や、IPS(In-Plane Switching)タイプないしFFS(Fringe Field S
witching)タイプの横電界方式の液晶表示装置が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態
は、本発明の技術思想を具体化するための液晶表示装置としてTNタイプ及びFFSタイ
プの液晶表示装置を例示するものであって、本発明をこのTNタイプ及びFFSタイプの
液晶表示装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他
の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。なお、この明細書における説明のた
めに用いられた各図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとす
るため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例し
て表示されているものではない。
【0025】
図1は第1の実施形態の液晶表示装置の全体構成を示す平面図である。図2は図1のII
−II線に沿った模式断面図である。図3は第1の実施形態の液晶表示装置の非駆動時に表
示させる模様に対応する位置の数サブ画素分の第2基板の模式平面図である。図4Aは図
3のIVA−IVA線に沿った模式断面図であり、図4Bは図3のIVB−IVB線に沿った模式断面
図であり、図4Cは図3のIVC−IVC線に沿った模式断面図である。図5は図3のV−V線
に沿った模式断面図である。図6Aは第1の実施形態の液晶表示装置の非駆動時の表示状
態を示す平面図であり、図6Bは駆動時の表示状態を示す平面図である。図7は第2の実
施形態における図5に対応する模式断面図である。
【0026】
[第1の実施形態]
【0027】
本発明の第1の実施形態として、スイッチング素子としてTFTを用いたTNタイプの
ノーマリーホワイトモードの透過型液晶表示装置を、図1〜図5を用いて説明する。図1
に示すように、この液晶表示装置1Aは、液晶パネル2と、バックライト3とを主体とし
て構成されている。そして、液晶パネル2とバックライト3とは平面視で重なるように配
置されており、図1では液晶パネル2のみが示されている。
【0028】
この液晶パネル2は、アレイ基板(第1基板)4とカラーフィルタ基板(第2基板)5
とがシール材7によって貼り合わされると共に、このシール材7によって区画された領域
内に液晶層6が封入された構成になっている。シール材7の一部には液晶を注入する注入
口7aが設けられており、この注入口7aは封止材7bにより封止されている。シール材
7の内側の領域には、遮光性材料からなる遮光層(周辺見切り)8が設けられている。周
辺見切り8の内側の領域は、画像や動画等を表示する表示領域9になっている。また、表
示領域9には、複数のサブ画素10Aがマトリクス状に設けられている。複数のサブ画素
10Aの間の領域は画素間領域11である。この画素間領域11には、例えば図1中の水
平方向には走査線Gが、垂直方向には信号線S(図4A及び図4B参照。なお、図1
〜図3においては図示省略した。)が、それぞれ互いに絶縁された状態で交差するように
形成されている。この走査線G及び信号線Sは、例えばアルミニウムないしアルミニ
ウム合金等の金属材料で形成される。
【0029】
アレイ基板4の周縁部は、カラーフィルタ基板5から張り出した張出領域になっている
。この張出領域のうち図1中左辺側及び右辺側には、走査信号を生成する走査線駆動回路
12が形成されている。図1の上辺側には、左右の走査線駆動回路12の間を接続する配
線14が引き回されている。図1の中央下辺側には、データ信号を生成する信号線駆動回
路13と、外部の回路等に接続するための接続端子15とが形成されている。走査線駆動
回路12と外部の回路等に接続するための接続端子15との間の領域には、両者を接続す
る配線16が形成されている。また、カラーフィルタ基板5の各角部には、アレイ基板4
とカラーフィルタ基板5との間で電気的に接続するための基板間導通材17が設けられて
いる。
【0030】
アレイ基板4は、図2に示したように、例えばガラスや石英等の透光性の高い材料から
形成された基材4aと、この基材4aの液晶側に形成された画素電極48と、この画素電
極48に電気信号を供給するスイッチング素子47と、スイッチング素子47と画素電極
48との間を絶縁する絶縁層45と、画素電極48及び絶縁層45を覆うように形成され
た配向膜46と、基材4aの外側(液晶層6とは反対側)に貼付された第1の偏光板49
とを主体として構成されている。この第1の偏光板49としてはここでは直線偏光板が使
用されている。なお、基材4aと画素電極48との間に層間膜を形成する場合もある。
【0031】
画素電極48は、サブ画素10Aに平面視で重なる領域に配置されており、例えばIT
O(Indium Tin Oxide)等の透明な導電材料によって形成されている。スイッチング素子
47は、画素間領域11内に配置されており、画素電極48に一対一で対応するように設
けられている。このような構成により、サブ画素10Aごとに独立して液晶層6の配向を
規制することが可能になっている。このスイッチング素子47は、例えばTFTからなる
素子であり、走査線Gや信号線Sに接続されている。配向膜46は、液晶層6との界
面に設けられており、液晶層6を構成する液晶分子の配向を規制する。
【0032】
一方、カラーフィルタ基板5は、基材5aと、カラーフィルタ層50と、遮光層51と
、共通電極58と、配向膜56と、基材5aの外側(液晶層6とは反対側)に貼付された
第2の偏光板59とを主体として構成されている。この第2の偏光板59としてはここで
は直線偏光板が使用され、その透過軸は第1の偏光板49の直線偏光部分の透過軸と直角
になるように配置されている。なお、第1の偏光板49及び第2の偏光板59は、それぞ
れアレイ基板4及びカラーフィルタ基板5の液晶層6側に形成する場合もある。
【0033】
なお、カラーフィルタ基板5の基材5aは、アレイ基板4の基材4aと同様に、例えば
ガラスや石英等の透光性の高い材料から形成された矩形の板状部材である。カラーフィル
タ層50は、基材5aの液晶層6側に平面視でサブ画素10Aに重なるように設けられた
所定の色を有する層である。このカラーフィルタ層50は、例えば赤色層50R、緑色層
50G、青色層50Bの3色の層からなる。ただし、カラーフィルタ層50は3色に限ら
ず、それ以上の色の層で構成することも可能である。1つのサブ画素10Aには3色のう
ち1色のカラーフィルタ層50が設けられており、赤色層50R、緑色層50G、青色層
50Bは各々隣接する列に配置されている。互いに隣接し異なる色のカラーフィルタ層5
0を有する3つのサブ画素10Aが1組になって、1画素(1ピクセル)を構成している
。遮光層51は、光を反射又は吸収可能な材料からなる遮光部材であり、アレイ基板4の
スイッチング素子47と、走査線G及び信号線Sに対向する位置を遮光するように、
1サブ画素毎のカラーフィルタ層50の周囲に設けられている。
【0034】
共通電極58は、例えばITOなどの透明な導電材料によって形成された電極であり、
カラーフィルタ層50及び遮光層51を覆うように設けられている。配向膜56は、液晶
層6との界面に設けられており、配向膜46との間で液晶層6を構成する液晶分子の配向
を規制している。液晶層6は、例えばフッ素系液晶化合物や非フッ素系液晶化合物等の液
晶分子によって構成されており、アレイ基板4側の配向膜46とカラーフィルタ基板5側
の配向膜56との双方に接するように両基板に挟持されている。
【0035】
ここで、第1の実施形態の液晶表示装置1Aにおいて、駆動状態及び非駆動状態におい
て表示させる所定の模様に対応する位置の数サブ画素分の第2基板の模式平面図を図3に
より、走査線及び信号線に対向する位置のカラーフィルタ層の構成を図4A〜図4Cによ
り、更に、その1画素分の模式断面図を図5を用いて説明する。なお、図5においては、
バックライト3については図示省略してある。
【0036】
この第1の実施形態の液晶表示装置1Aでは、第1の偏光板49及び第2の偏光板59
は、それぞれ直線偏光板からなり、互いに透過軸が直交する方向に配置(クロスニコル配
置)されている。画素電極48と共通電極58との間に電圧が印加されていない状態では
、第1の偏光板49を透過した直線偏光光は液晶層6で偏光方向が90°回転させられる
ため、第2の偏光板59を透過することができるので、白(明)表示となる。また、画素
電極48と共通電極58との間に電圧が印加された状態では、液晶分子が垂直に立ち上が
るため、第1の偏光板49を透過した直線偏光光は、その偏光状態を維持したまま第2の
偏光板59に至るが、第2の偏光板59の透過軸は第1の偏光板49の透過軸とは直交し
ているため、第2の偏光板59を透過できず、黒(暗)表示となる。そのため、第1の実
施形態の液晶表示装置1Aはノーマリーホワイトモードで作動する。
【0037】
この第1の実施形態の液晶表示装置1Aでは、通常の表示領域9においては、従来例の
液晶表示装置の場合と同様に、遮光層51はアレイ基板4のスイッチング素子47と走査
線G及び信号線Sに対向する位置を遮光するように、1サブ画素毎のカラーフィルタ
層50の周囲に設けられている。この走査線G及び信号線Sに対向する位置に形成さ
れている遮光層51は、隣接するサブ画素同志の色が混ざらないようにしてコントラスト
を向上させるために形成されるものである。すなわち、図4Aに示したように、信号線S
に対応する位置では、遮光層51の表面には隣接するサブ画素のカラーフィルタ層50
R及び50Gの境界が位置している。そのため、隣接するサブ画素のカラーフィルタ層5
0R及び50Gの境界に遮光層51が存在しないと、信号線Sに対向する位置ではカラ
ーフィルタ層50R及び50Gを透過した光が混合してしまうため、コントラストの低下
として現れてしまう。なお、走査線Gに対向する位置では、図4Bに示したように、同
色のカラーフィルタ層50Bが連続的に形成されている。
【0038】
そして、第1の実施形態の液晶表示装置1Aでは、表示させる所定の模様に対応する位
置のカラーフィルタ基板5の遮光層51には、図3及び図4Cに示したように、遮光層の
除去部分52が形成されている。なお、ここではこの遮光層の除去部分52に対応する位
置のカラーフィルタ基板4には例えばマゼンタ色のカラーフィルタ層50Mが形成されて
いる例を示している。なお、遮光層の除去部分52のカラーフィルタ層50の色度をどの
ようにするかは任意であり、例えば図4Aに示したように赤色層50Rと緑色層50Gの
両者が形成されているものとしてもよく、カラーフィルタ層を形成しなくてもよい。
【0039】
次に、サブ画素10Aの周囲の遮光層の除去部分52の動作について説明する。図5に
示すように、この遮光層の除去部分52に対向する第1基板4には、信号線Sが存在し
ているが、画素電極は存在していない。従って、液晶表示装置1Aが非駆動状態であって
も駆動状態であっても、サブ画素10Aの遮光層の除去部分52においては液晶層6が駆
動されることはない。一方、信号線Sは、アルミニウムないしアルミニウム合金等の金
属材料で形成されているため、光反射性である。
【0040】
カラーフィルタ基板5の外側(上方)から遮光層の除去部分52に入射した光は、最初
に第2の偏光板59を透過するときに直線偏光光に変換される。この直線偏光光は、その
後にカラーフィルタ層50のマゼンタ色層50M、共通電極58、液晶層6を経て信号線
に入射するが、液晶表示装置1Aが駆動状態であっても非駆動状態であっても、液晶
層6を透過するときに偏光方向が90°回転される。更に、信号線Sの表面で反射され
た反射光は、再度液晶層6を透過するときに偏光方向が90°回転されて最初の直線偏光
状態に戻り、共通電極58及びカラーフィルタ層50のマゼンタ色層50Mを透過して再
度第2の偏光板59に入射する。この第2の偏光板59に入射した反射光は、その偏光方
向が第2の偏光板59の透過軸と平行になっているので、マゼンタ色の色調の光となって
外部に出てくることができる。
【0041】
このように第1の実施形態の液晶表示パネル1Aによれば、液晶表示装置1Aが駆動状
態であっても非駆動状態であっても、遮光層の除去部分52においては、常に外部からの
入射光が信号線Sにより反射されて外部に出てくる。そのため、液晶表示装置1Aが非
駆動状態の時には、遮光層の除去部分52が形成された部分においては外部からの入射光
が出射する際に識別パターンなどの模様に応じた色相となって出射することになるので、
白色の背景中に所定の色相の模様を表示させておくことが可能となる。この色相は、遮光
層の除去部分52のカラーフィルタ層のマゼンタ層50Mの色度を変えることにより任意
に変更することができる。また、液晶表示装置1Aが駆動状態の時は、遮光層の除去部分
52によって所定の模様が表示されているが、遮光層の除去部分52からの反射光は弱い
ために表示領域9を利用して良好な画像表示を行うことができる。なお、この液晶表示装
置1Aの駆動状態の時に、背景画面を所定の模様の色度とは異なる色度の表示とすると、
所定の模様を目立たせることができる。
【0042】
この第1の実施形態に係るTNタイプの液晶表示装置1Aの電源がオフの時及び電源が
オンの時の表示領域9の状態の一例を図6A及び図6Bを用いて説明する。図6Aは液晶
表示装1Aの電源をオフにした状態、つまり画素電極48と共通電極58との間の液晶層
6に電圧が印加されていない非駆動状態を示す。なお、この第1の実施形態においては、
図6Aに示すように、識別パターン70としてABCDEからなる記号を表示させている
。すなわち、液晶表示装置1Aの非駆動時には、背景60は白表示となるが、遮光層の除
去部分52においては外光が信号線Sによって反射された反射光が外部に出てくる。
【0043】
この反射光の色度は、遮光層の除去部分52に形成されたカラーフィルタ層50の色度
によって定まるから、遮光層の除去部分52に形成するカラーフィルタ層50の色度を適
宜選択することにより所望の色度の反射光を生じさせることができる。また、遮光層の除
去部分52に形成するカラーフィルタ層50を無色のものとすると、無彩色の反射光を生
じさせることができ、所定の模様を白黒で表示させることも可能となる。このように、液
晶表示装置1Aの非駆動時には、遮光層の除去部分52からの反射光が使用者に観察され
るので、白色の背景パターン60に識別パターン70が浮かび上がって観察されることに
なる。
【0044】
また、第1の実施形態に係るTNタイプの液晶表示装置1Aの電源をオンにした状態、
つまり画素電極48と共通電極58との間の液晶層6に電圧が印加された駆動状態の表示
領域9の表示状態を図6Bに示す。液晶表示装置1Aの駆動時には、画素電極48を透過
したバックライト3からの光によって通常の動画や静止画などの様々な画像61を表示さ
せることが可能となる。しかしながら、カラーフィルタ基板5には遮光層の除去部分52
が形成されているため、液晶表示装置1Aが駆動時であっても、遮光層の除去部分52で
は外部からの入射光が出射する際に識別パターン70などの模様に応じた色相の出射光と
なって出射する。
【0045】
このように、第1の実施形態に係るTNタイプの液晶表示装置1Aの駆動時には、遮光
層の除去部分52からの反射光が使用者により観察されるので、様々な画像61と識別パ
ターン70の両者が同時に使用者に観察されることになる。ただ、液晶表示装置1Aが駆
動状態においては、遮光層の除去部分52からの反射光は弱いために、画素電極48を透
過したバックライト3からの光を利用して画像表示を行えば良好な画像表示を行うことが
できる。また、この液晶表示装置1Aが駆動状態の時に背景画面を識別パターン70の色
度とは異なる色度の表示とすると、識別パターン70を目立たせることができる。
【0046】
なお、この実施形態においては識別パターン70としてアルファベットを表示した例を
示したが、このようなアルファベットなどの文字に限定されるものではない。本発明によ
れば、文字だけでなく、企業等のロゴマーク、花柄、市松模様などを含む多様な模様につ
いて、液晶表示装置1Aの電源がオン状態でもオフ状態でも、使用者に観察させることが
可能となる。このように本発明の第1の実施形態のTNタイプの液晶表示装置1Aでは、
電源がオンの時であってもオフ時であっても、任意の識別パターン70を表示させておく
ことができるようになるので、幅広い表現力を備えた表示特性の高い液晶表示装置1Aが
得られる。また、電源がオフの時にも任意の識別パターン70を表示させておくことがで
きるので、消費電力を大幅に減少させることができるようになる。
【0047】
なお、ここでは直線偏光板を使用したノーマリーホワイトモードで作動するTNタイプ
の液晶表示装置1Aの場合について説明したが、ECBタイプの液晶表示装置に対しても
同様に適用可能である。また、第1の実施形態の液晶表示装置1Aとしては、遮光層の除
去部分52が信号線Sに対向する位置のものについて説明したが、走査線Gに対向す
る位置の遮光層51或いはTFTの電極、例えばゲート電極、ソース電極、ドレイン電極
等に対向する位置の遮光層51に除去部分を形成しても同様に作動する。ただし、TFT
のチャネル領域に光が当たると、TFTの漏れ電流が大きくなってコントラストが低下す
るため、少なくともTFTのチャネル領域に対向する部分には遮光層を形成しておいた方
がよい。
【0048】
[第2の実施形態]
第1の実施形態においては、本発明をノーマリーホワイトモードで作動するTNモード
の液晶表示装置1Aに適用した場合について説明したが、本発明はノーマリーブラックモ
ードで作動する液晶表示装置に対しても適用可能である。そこで、第2の実施形態として
は、本発明をノーマリーブラックモードで作動するFFSタイプの液晶表示装置1Bに適
用した例を図7を用いて説明する。なお、FFSタイプの液晶表示装置1Bの基本的構成
は当業者に周知であり、第2の実施形態の液晶表示装置1Bと第1の実施形態における液
晶表示装置1Aとは、図2及び図4に示された共通電極58及び画素電極48部分の構成
が相違するが、その他の図1及び図3に示した部分の構成は実質的に同一である。そのた
め、図7においては、第1の実施形態の液晶表示装置1Aと同一の構成部分には同一の参
照符号を付与してその詳細な説明は省略する。なお、図7は、第2の実施形態の液晶表示
装置における図5に対応する図面である。
【0049】
この第2の実施形態の液晶表示装置1Bのサブ画素10Bのアレイ基板4は、図7に示
したように、例えばガラスや石英等の透光性の高い材料から形成された基材4aと、この
基材4aの液晶層6側の表面に形成されたスイッチング素子47と、スイッチング素子4
7の表面を被覆する絶縁層45と、絶縁層45の表面に形成された共通電極に対応する下
電極58'と、下電極58'の表面に形成された電極間絶縁層45'と、電極間絶縁層45'
の表面に形成された複数の平行なスリットが形成された画素電極に対応する上電極48'
と、上電極48'及び電極間絶縁層45'の表面を被覆する配向膜46と、基材4aの外側
(液晶層6とは反対側)に貼付された第1の偏光板49とを主体として構成されている。
下電極58'及び上電極48'は共にITO等の透明な導電材料によって形成されている。
この第1の偏光板49としてはここでは直線偏光板が使用されている。なお、絶縁層45
と下電極58'との間に層間膜を形成する場合もあり、また、下電極58'をスイッチング
素子に接続して画素電極として機能させる場合もある。
【0050】
一方、カラーフィルタ基板5は、基材5aと、カラーフィルタ層50と、遮光層51と
、配向膜56と、基材5aの内側(液晶層6側)に形成された第2の偏光板59とを主体
として構成されている。この第2の偏光板59は直線偏光板からなり、第1の偏光板49
とは互いに透過軸が直交する方向に配置されている。
【0051】
ここで、第2の実施形態の液晶表示装置1Bにおいて、駆動状態及び非駆動状態におい
て表示させる所定の模様に対応する位置の1サブ画素10Bの具体的構成を図7を用いて
説明する。なお、図7においては、バックライト3については図示省略してある。
【0052】
サブ画素10Bにおいて、上電極48'と下電極58'との間に電圧が印加されていない
状態では、第1の偏光板49を透過した直線偏光光はその偏光方向を維持したまま液晶層
6を透過する。しかしながら、第2の偏光板59は第1の偏光板49の透過軸とは直交し
ているため、第1の偏光板49を透過した直線偏光光は、第2の偏光板を透過することが
できず、黒(暗)表示となる。また、上電極48'と下電極58'との間に電圧が印加され
た状態では、液晶分子が水平方向に回転するため、第1の偏光板49を透過した直線偏光
光は、液晶層6を透過する間にその偏光状態が90°回転されて第2の偏光板59に至る
。このとき、第2の偏光板59の透過軸は第1の偏光板49の透過軸とは直交しているた
め、液晶層6を透過した直線偏光光の偏光方向は第2の偏光板59の透過軸と平行になる
ので、第2の偏光板59を透過し、白(明)表示となる。そのため、第2の実施形態の液
晶表示装置1Bはノーマリーブラックモードで作動する。
【0053】
この第2の実施形態の液晶表示装置1Bでは、通常の表示領域においては、従来例の液
晶表示装置の場合と同様に、遮光層51はアレイ基板4のスイッチング素子47と走査線
及び信号線Sに対向する位置を遮光するように、1サブ画素毎のカラーフィルタ層
50の周囲に設けられている。そして、第2の実施形態の液晶表示装置1Bでは、第1の
実施形態の液晶表示装置1Aの場合と同様に、表示させる所定の模様に対応する位置のカ
ラーフィルタ基板5の遮光層51には、図3及び図4Cに示したように、遮光層の除去部
分52が形成されている。なお、ここではこの遮光層の除去部分52に対応する位置のカ
ラーフィルタ基板4には例えばマゼンタ色のカラーフィルタ層50Mが形成されている例
を示している。なお、遮光層の除去部分52のカラーフィルタ層50の色度をどのように
するかは任意であり、例えば図4Aに示したように赤色層50Rと緑色層50Gの両者が
形成されているものとしてもよく、カラーフィルタ層を形成しなくてもよい。
【0054】
次に、サブ画素10Bの周囲の遮光層の除去部分52の動作について説明する。この遮
光層の除去部分52に対向するアレイ基板4には、信号線Sが存在しているが、画素電
極としての上電極48'は存在していない。従って、液晶表示装置1Bが非駆動状態であ
っても駆動状態であっても、サブ画素10Bの遮光層の除去部分52においては液晶層6
が駆動されることはない。一方、信号線Sは、アルミニウムないしアルミニウム合金等
の金属材料で形成されているため、光反射性である。
【0055】
カラーフィルタ基板5の外側(上方)から遮光層の除去部分52に入射した光は、最初
に第2の偏光板59を透過するときに直線偏光光に変換される。この直線偏光光は、その
後にカラーフィルタ層50のマゼンタ色層50M、液晶層6を経てその偏光状態を維持し
たまま信号線Sに入射する。更に、信号線Sの表面で反射された反射光は、再度偏光
状態を維持したまま液晶層6を透過し、カラーフィルタ層50のマゼンタ色層50Mを透
過して再度第2の偏光板59に入射する。この第2の偏光板59に入射した反射光は、そ
の偏光方向が第2の偏光板59の透過軸と平行になっているので、マゼンタ色の色調の光
となって外部に出てくることができる。
【0056】
このように第2の実施形態の液晶表示パネル1Bによれば、液晶表示装置1Bが駆動状
態であっても非駆動状態であっても、遮光層の除去部分52においては、常に外部からの
入射光が信号線Sにより反射されて外部に出てくる。そのため、液晶表示装置1Bが非
駆動状態の時には、遮光層の除去部分52が形成された部分においては外部からの入射光
が出射する際に識別パターンなどの模様に応じた色相となって出射することになるので、
黒色の背景中に所定の色相の模様を表示させておくことが可能となる。この色相は、遮光
層の除去部分52のカラーフィルタ層におけるマゼンタ層50Mの色度を変えることによ
り任意に変更することができる。また、液晶表示装置1Bが駆動状態の時は、遮光層の除
去部分52によって所定の模様が表示されているが、遮光層の除去部分52からの反射光
は弱いために表示領域9を利用して良好な画像表示を行うことができる。この第2の実施
形態の液晶表示装置1Bの表示状態は、背景の色が逆になるだけで第1の実施形態の液晶
表示装置1Aの場合と同様になる。
【0057】
なお、ここではFFSタイプの液晶表示装置1Bの場合について説明した。しかしなが
ら、ノーマリーブラックモードの液晶表示装置であれば、TFTの金属材料からなる電極
、信号線及び走査線に対向する位置に遮光層の除去部分52を形成することにより、常時
外光を反射させることができる。そのためノーマリーブラックモードの液晶表示装置の場
合、液晶表示装置が駆動状態であっても非駆動状態であっても、遮光層の除去部分52が
識別パターンなどの所定の模様となるように形成されていれば、黒色の背景中に所定の模
様を表示させておくことが可能となる。このようなノーマリーブラックモードで作動する
液晶表示装置としては、TNタイプ、VAタイプ等の縦電界方式の液晶表示装置や、IP
Sタイプ等の横電界方式の液晶表示装置が挙げられる。
【0058】
以上、本発明の各実施形態としてノーマリーホワイトモード及びノーマリーブラックモ
ードの液晶表示装置の例を説明した。このような本発明の液晶表示装置は、パーソナルコ
ンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末、携帯音楽再生機などの電子機器に使用すること
ができる。ただし、これらの電子機器の基本的構成は当業者に周知であるので、詳細な説
明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第1の実施形態の液晶表示装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った模式断面図である。
【図3】第1の実施形態の液晶表示装置の非駆動時に表示させる模様に対応する位置の数サブ画素分の第2基板の模式平面図である。
【図4】図4Aは図3のIVA−IVA線に沿った模式断面図であり、図4Bは図3のIVB−IVB線に沿った模式断面図であり、図4Cは図3のIVC−IVC線に沿った模式断面図である。
【図5】図3のV−V線に沿った模式断面図である。
【図6】図6Aは第1の実施形態の液晶表示装置の非駆動時の表示状態を示す平面図であり、図6Bは駆動時の表示状態を示す平面図である。
【図7】図7は第2の実施形態における図5に対応する模式断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1A、1B:液晶表示装置 2:液晶パネル 3:バックライト 4:アレイ基板(第
1基板) 41:基材 5:カラーフィルタ基板(第2基板) 5a:基材6:液晶層
9:表示領域 10A、10B:サブ画素 45:絶縁層 46:配向膜 48:画素電
極 48':上電極 49:第1の偏光板 50、50R、50G、50B、50M:カ
ラーフィルタ層 51:遮光層 52:遮光層の除去部分 56:配向膜 58:共通電
極 58':下電極59:第1の偏光板 G:走査線 S:信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶層を挟持した第1基板及び第2基板を有し、
前記第1基板の前記液晶層側には、
表示領域にマトリクス状に互いに絶縁された状態で配置されたそれぞれ金属材料からな
る複数の走査線及び信号線と、
複数の前記走査線及び信号線の交差部近傍に設けられたスイッチング素子と、
前記複数の走査線及び信号線で区画された領域毎に形成されたサブ画素と、を備え、
前記第2基板の前記第1基板のスイッチング素子、信号線及び走査線と対向する部分に
は平面視で重なるように形成された遮光層を備えた液晶表示装置であって、
前記液晶表示装置を非駆動状態としたときに前記表示領域に表示させておきたい模様に
対応する部分は、前記遮光層が少なくとも一部除去されていることを特徴とする液晶表示
装置。
【請求項2】
前記遮光層が除去された位置は、前記信号線ないし走査線と対向する位置であることを
特徴とする請求項1記載の液晶表示装置
【請求項3】
前記遮光層が除去された位置は、前記スイッチング素子の金属材料からなる電極と対向
する位置であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置
【請求項4】
前記遮光層が除去された部分には、前記遮光層が除去された部分に隣接するカラーフィ
ルタ層とは異なる色のカラーフィルタ層が形成されていることを特徴とする請求項1に記
載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1基板の前記表示領域には平坦化膜が形成されており、前記平坦化膜の表面には
前記サブ画素毎に少なくとも1つの透明導電性材料からなる電極が形成されていることを
特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記液晶表示装置はノーマリーホワイトモードで作動するものであることを特徴とする
請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示装置
【請求項7】
前記液晶表示装置はノーマリーブラックモードで作動するものであることを特徴とする
請求項1〜5のいずれか記載の液晶表示装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−198635(P2009−198635A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38363(P2008−38363)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】