説明

液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置

【課題】角度が異なる被吐出面に良好に液滴を吐出できるようにする。
【解決手段】第1液滴Aを吐出する第1ノズル36Aと、第1液滴Aと空中で接触する方向に第2液滴Bを吐出して第1液滴Aに第2液滴Bを混合させる第2ノズル36Bと、混合液滴が着弾する被吐出面の角度に応じて第1液滴Aと第2液滴Bとの混合比率及び混合液滴の飛翔方向を変更する変更手段と、を備える第1制御部及び第2制御部が、印加する駆動波形を制御することにより、その混合された混合液滴Cが着弾する被吐出面の角度に応じて、第1液滴Aと第2液滴Bとの混合比率及び混合液滴Cの飛翔方向を変更するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴吐出装置としては、特許文献1に開示されるインクジェット記録装置が公知である。特許文献1に開示されるインクジェット記録装置は、先端にオリフィス12Y、12M、12C、12Bを備える複数のインク収容部と、該各インク収容部に収容された各色のインクと、各インク収容部に配設され、各インクをインク滴にして前記オリフィス12Y、12M、12C、12Bから噴出させるインク滴発生手段とを有する。
【0003】
そして、前記インク収容部のうち、少なくとも二つ以上のインク収容部は、インク滴が印刷媒体16に到達するまでの間に合体する方向に向けて配設される。少なくとも二つ以上のインク収容部のオリフィスから噴出させられたインク滴は、印刷媒体16に到達するまでの間に合体して他の色のインク滴になり、印刷媒体16に付着させられる。1回のドットが形成されることによって各色が混合される。
【0004】
特許文献2には、導電性のインク材料を噴射して配線板を製造する製造方法が開示されている。特許文献2の製造方法は、印刷基板1上に搭載され立体的形状部分を有する実装部品3に、インク噴射手段8から導電性のインク材料を噴射して、実装部品3の立体的形状部分に配線に印刷し、印刷基板1上に形成された配線2と、実装部品3の電極部分4とを接続する。
【0005】
また、特許文献3には、液滴吐出法を用いて接続配線を形成する形成方法が開示されている。特許文献3に開示された形成方法では、形成される接続配線34がチップ部品10の側方の段差で断線しないように、チップ部品10の側面に接触するようにしてスロープ材30を形成し、スロープ材30表面の斜面部をもってチップ部品10の能動面12(パッシべーション膜16表面)から回路基板20の実装面まで段差無く連続するようになっている。接続配線34は、パッシべーション膜16の開口部に露出された接続端子14の上面からスロープ材30の斜面上を通って配線パターン22上に至るように形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−141901号公報(図1)
【特許文献2】特開2003−289179号公報(図1)
【特許文献3】特開2006−135236号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、角度が異なる被吐出面に良好に液滴を吐出できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る液滴吐出ヘッドは、第1液滴を吐出する第1ノズルと、前記第1液滴と空中で接触する方向に第2液滴を吐出して前記第1液滴に前記第2液滴を混合させる第2ノズルと、前記第1液滴と前記第2液滴とが混合された混合液滴が着弾する被吐出面の角度に応じて前記第1液滴と前記第2液滴との混合比率及び前記混合液滴の飛翔方向を変更する変更手段と、を備える。
【0009】
本発明の請求項2に係る液滴吐出ヘッドは、請求項1の構成において、前記変更手段は、第1被吐出面と角度の異なる第2被吐出面に前記混合液滴を着弾させる場合に、前記第2被吐出面との角度が垂直に近づくように前記第1液滴及び前記第2液滴の少なくとも一方の運動量を変更することにより前記混合液滴の飛翔方向を変更する。
【0010】
本発明の請求項3に係る液滴吐出ヘッドは、請求項1又は請求項2の構成において、前記第1液滴は、前記第2液滴よりも粘着性が高く、前記変更手段は、第1被吐出面よりも鉛直方向に近い角度である第2被吐出面に前記混合液滴を着弾させる場合に、前記第1被吐出面に着弾される混合液滴よりも前記混合液滴の第1液滴の混合比率を高くする。
【0011】
本発明の請求項4に係る液滴吐出ヘッドは、請求項1〜3のいずれか1項の構成において、前記第2液滴は、前記第1液滴よりも導電性が高く、前記変更手段は、第2被吐出面よりも水平方向に近い角度である第1被吐出面に前記混合液滴を着弾させる場合に、前記第2被吐出面に着弾される混合液滴よりも前記混合液滴の第2液滴の混合比率を高くする。
【0012】
本発明の請求項5に係る液滴吐出ヘッドは、請求項1〜4のいずれか1項の構成において、前記変更手段は、第1被吐出面と角度の異なる第2被吐出面に前記混合液滴を着弾させる場合に、前記第1ノズルから前記第1液滴が吐出される吐出間隔及び前記第2ノズルから前記第2液滴が吐出される吐出間隔を、前記第1被吐出面に向けて吐出する場合の吐出間隔と異なる吐出間隔に変更する。
【0013】
本発明の請求項6に係る液滴吐出ヘッドは、請求項1〜5のいずれか1項の構成において、前記第1ノズルの吐出方向に沿って第2液滴を吐出する第3ノズルと、前記第2液滴と空中で接触する方向に前記第2ノズルの吐出方向に沿って第1液滴を吐出する第4ノズルと、前記第3ノズルからの第2液滴と前記第4ノズルからの前記第1液滴とが混合された混合液滴が着弾する被吐出面の角度に応じて前記第1液滴と前記第2液滴との混合比率及び前記混合液滴の飛翔方向を変更する変更手段と、を備える。
【0014】
本発明の請求項7に係る液滴吐出ヘッドは、請求項1〜5のいずれか1項の構成において、前記第1液滴及び前記第2液滴と空中で接触する方向に第3液滴を吐出して前記第1液滴及び前記第2液滴に前記第3液滴を混合させる第3ノズルを備え、前記変更手段は、その混合された混合液滴が着弾する被吐出面の角度に応じて前記第1液滴と前記第2液滴と前記第3液滴の混合比率及び前記混合液滴の飛翔方向を変更する。
【0015】
本発明の請求項8に係る液滴吐出装置は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドと、前記被吐出面が形成された被吐出物と前記液滴吐出ヘッドとを相対移動させ、第1被吐出面と角度の異なる第2被吐出面に前記混合液滴が着弾される場合に前記第2被吐出面と前記液滴吐出ヘッドとの相対移動速度を前記第1被吐出面と前記液滴吐出ヘッドとの相対移動速度と異なる速度に変更する移動手段と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1の構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、角度が異なる被吐出面に良好に液滴を吐出できる。
【0017】
本発明の請求項2の構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、角度が異なる被吐出面に良好に液滴を吐出できる。
【0018】
本発明の請求項3の構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、角度が異なる被吐出面に良好に液滴を吐出できる。
【0019】
本発明の請求項4の構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、角度が異なる被吐出面に良好に液滴を吐出できる。
【0020】
本発明の請求項5の構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、角度が異なる被吐出面に良好に液滴を吐出できる。
【0021】
本発明の請求項6の構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、角度が異なる被吐出面に良好に液滴を吐出できる。
【0022】
本発明の請求項7の構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、角度が異なる被吐出面に良好に液滴を吐出できる。
【0023】
本発明の請求項8の構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、角度が異なる被吐出面に良好に液滴を吐出できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本実施形態に係る配線描画装置の全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】図2は、液滴吐出ヘッドの構成を示す概略分解斜視図である。
【図3】図3は、液滴吐出ヘッドの構成を示す概略斜視図である。
【図4】図4は、液滴吐出ヘッドの構成を示す概略断面図である。
【図5】図5は、液滴吐出ヘッドをノズル面側から見た概略斜視図である。
【図6】図6は、混合液滴を基板の基板面に着弾させる場合の液滴吐出ヘッドの動作を示した概略図である。
【図7】図7は、混合液滴を電子部品の側面に着弾させる場合の液滴吐出ヘッドの動作を示した概略図である。
【図8】図8は、基板の基板面上を混合液滴の着弾位置が移動する速度と、混合液滴の着弾位置が電子部品の側面を上昇する速度との速度差について説明するための概略図である。
【図9】図9は、混合液滴を、基板面上と斜面に斜めに着弾させる場合の、液滴吐出ヘッドの動作と着弾形状を示した概略図である。
【図10】図10は、第1変形例に係る液滴吐出ヘッドの構成を示す概略図である。
【図11】図11は、第1変形例に係る液滴吐出ヘッドをノズル面側から見た概略斜視図である。
【図12】図12は、第2変形例に係る液滴吐出ヘッドの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0026】
本実施形態では、液滴を吐出する液滴吐出装置の一例として、導電性材料の液滴を基板に吐出して配線を描画する配線描画装置について説明する。
【0027】
なお、液滴吐出装置としては、この配線描画装置に限定されるものではない。液滴吐出装置としては、例えば、インク滴を吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置、フィルムやガラス上にインク等を吐出してカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置、及び液滴を吐出して膜を形成する各種の成膜装置であってもよく、液滴を吐出するものであればよい。
【0028】
(本実施形態に係る配線描画装置の全体構成)
まず、本実施形態に係る配線描画装置の全体構成を説明する。図1は、本実施形態に係る配線描画装置の全体構成を示す概略斜視図である。
【0029】
本実施形態に係る配線描画装置10は、図1に示すように、液滴の吐出を受ける被吐出物の一例としての基板12を移動させる基板移動機構14と、基板12へ液滴を吐出する液滴吐出ヘッド16と、液滴吐出ヘッド16を移動させるヘッド移動機構18と、を備えている。
【0030】
基板移動機構14は、基板12を載せる台の一例としてのステージ20と、ステージ20を案内する案内部材の一例としてのレール22と、を備えている。レール22は、一方向(図1におけるY方向)に沿って延び設けられている。ステージ20は、レール22に沿って両方向(図1におけるY方向)に移動可能にレール22に支持されている。
【0031】
ステージ20は、図示しない駆動装置から駆動力を付与され、レール22に沿って移動する。これにより、基板12と液滴吐出ヘッド16とは相対移動する。なお、基板12には、電子部品13が、被吐出面の一例としての基板面12Aに取り付けられている。
【0032】
ヘッド移動機構18は、ステージ20の移動方向と直交する直交方向(図1におけるX方向)に移動可能に液滴吐出ヘッド16を支持する支持部材24を備えている。液滴吐出ヘッド16は、図示しない駆動装置から駆動力を付与され、直交方向(図1におけるX方向)に沿って両方向に移動する。これにより、基板12と液滴吐出ヘッド16とは、相対移動する。
【0033】
以上のように、基板移動機構14及びヘッド移動機構18は、基板12と液滴吐出ヘッド16とを相対移動させる移動手段として機能するが、基板12と液滴吐出ヘッド16とが相対移動すればよいので、例えば、液滴吐出ヘッド16が固定されてステージ20のみが図1におけるY方向及びX方向に移動する構成であってもよい。また、例えば、ステージ20が固定されて液滴吐出ヘッド16のみが図1におけるY方向及びX方向に移動する構成であってもよい。
【0034】
また、基板移動機構14及びヘッド移動機構18は、上記に示した構成に限られず、種々の構成とすることが可能である。
【0035】
(本実施形態に係る液滴吐出ヘッドの構成)
次に、本実施形態に係る液滴吐出ヘッドの構成について説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの構成を示す概略分解斜視図である。図3は、液滴吐出ヘッドの構成を示す概略斜視図である。図4は、液滴吐出ヘッドの構成を示す概略断面図である。図5は、液滴吐出ヘッドをノズル面側から見た概略斜視図である。
【0036】
本実施形態に係る液滴吐出ヘッド16は、図2、図3及び図4に示すように、ノズル板26と、供給孔板28と、圧力室板30と、振動板32と、圧電素子からなる駆動部34と、を備えている。これらのノズル板26、供給孔板28、圧力室板30、振動板32、駆動部34が、この順で積層され、各板体が接合されている。
【0037】
ノズル板26には、インク滴を吐出するノズル36が複数形成されている。このノズル36は、ノズル板26を貫通する円孔であり、第1ノズル36Aと第2ノズル36Bとで構成されている。第1ノズル36Aと第2ノズル36Bは、それぞれがノズル板26に1列に配列されている。
【0038】
また、ノズル板26には、第1共通流路40Aが、第1ノズル36A側に第1ノズル36Aの配列方向に沿って形成され、第2共通流路40Bが、第2ノズル36B側に第2ノズル36Bの配列方向に沿って形成されている。
【0039】
供給孔板28には、ノズル板26の第1ノズル36Aと通じる第1流通路38Aと、ノズル板26の第2ノズル36Bと通じる第2流通路38Bと、がそれぞれ形成されている。これにより、第1流通路38Aから第1ノズル36Aへ液体が流通可能とされ、第2流通路38Bから第2ノズル36Bへ液体が流通可能となっている。
【0040】
また、供給孔板28には、ノズル板26の第1共通流路40Aの一端部と通じる第1供給路46Aと、ノズル板26の第1共通流路40Aの他端部と通じる第1戻し路47Aと、が形成されている。これにより、第1供給路46Aから第1共通流路40Aへ液体が流通可能とされ、第1共通流路40Aから第1戻し路47Aへ液体が流通可能となっている。
【0041】
また、供給孔板28には、ノズル板26の第2共通流路40Bの一端部と通じる第2供給路46Bと、ノズル板26の第2共通流路40Bの他端部と通じる第2戻し路47Bと、が形成されている。これにより、第2供給路46Bから第2共通流路40Bへ液体が流通可能とされ、第2共通流路40Bから第2戻し路47Bへ液体が流通可能となっている。
【0042】
また、供給孔板28には、ノズル板26の第1共通流路40Aと通じる第1供給孔42Aが、第1供給路46Aと第1戻し路47Aとの間に、第1共通流路40Aに沿って複数形成されている。これにより、第1共通流路40Aから第1供給孔42Aへ液体が流通可能となっている。
【0043】
また、供給孔板28には、ノズル板26の第2共通流路40Bと通じる第2供給孔42Bが、第2供給路46Bと第2戻し路47Bとの間に、第2共通流路40Bに沿って複数形成されている。これにより、第2共通流路40Bから第2供給孔42Bへ液体が流通可能となっている。
【0044】
圧力室板30には、一端部で第1流通路38Aと通じ、他端部で第1供給孔42Aと通じる第1圧力室44Aが形成されている。これにより、第1供給孔42Aから第1圧力室44Aへ液体が流通可能とされ、第1圧力室44Aから第1流通路38Aへ液体が流通可能となっている。
【0045】
圧力室板30には、一端部で第2流通路38Bと通じ、他端部で第2供給孔42Bと通じる第2圧力室44Bが形成されている。これにより、第2供給孔42Bから第2圧力室44Bへ液体が流通可能とされ、第2圧力室44Bから第2流通路38Bへ液体が流通可能となっている。
【0046】
また、圧力室板30には第1供給路46Aと通じる第1供給路48Aと、第1戻し路47Aと通じる第1戻し路49Aとが形成されている。これにより、第1供給路46Aから第1供給路48Aへ液体が流通可能とされ、第1戻し路47Aから第1戻し路49Aへ液体が流通可能となっている。
【0047】
また、圧力室板30には第2供給路46Bと通じる第2供給路48Bと、第2戻し路47Bと通じる第2戻し路49Bが形成されている。これにより、第2供給路46Bから第2供給路48Bへ液体が流通可能とされ、第2戻し路47Bから第2戻し路49Bへ液体が流通可能となっている。
【0048】
また、振動板32には第1供給路48Aと通じる第1供給路50Aと、第1戻し路49Aと通じる第1戻し路51Aが形成されている。これにより、第1供給路48Aから第1供給路50Aへ液体が流通可能とされ、第1戻し路49Aから第1戻し路51Aへ液体が流通可能となっている。
【0049】
また、振動板32には第2供給路48Bと通じる第2供給路50Bと、第2戻し路49Bと通じる第2戻し路51Bが形成されている。これにより、第2供給路48Bから第2供給路50Bへ液体が流通可能とされ、第2戻し路49Bから第2戻し路51Bへ液体が流通可能となっている。
【0050】
第1供給路50A及び第1戻し路51Aは、第1液体を貯留する第1貯留部(図示省略)と通じている。これにより、第1貯留部から第1液体が第1供給路50Aに供給される。第1供給路50Aに供給された第1液体は、第1供給路48A、第1供給路46A、第1共通流路40A、第1供給孔42A、第1圧力室44A、第1流通路38Aを介して、第1ノズル36Aに供給され、第1ノズル36Aに充填される。
【0051】
また、第1供給路50Aから第1共通流路40Aに供給された第1液体は、第1戻し路47A及び第1戻し路49Aを通じて、第1戻し路51Aから第1貯留部に第1液体が戻される。このように、第1液体は循環するようになっている。
【0052】
第2供給路50B及び第2戻し路51Bは、第2液体を貯留する第2貯留部(図示省略)と通じている。これにより、第2貯留部から第2液体が第2供給路50Bに供給される。第2供給路50Bに供給された第2液体は、第2供給路48B、第2供給路46B、第2共通流路40B、第2供給孔42B、第2圧力室44B、第2流通路38Bを介して、第2ノズル36Bに供給され、第2ノズル36Bに充填される。
【0053】
また、第2供給路50Bから第2共通流路40Bに供給された第2液体は、第2戻し路47B及び第2戻し路49Bを通じて、第2戻し路51Bから第2貯留部に第2液体が戻される。このように、第2液体は循環するようになっている。
【0054】
第2液体は、例えば、第1液体より導電性が高く、第1液体は、第2液体よりも粘着性が高いものが使用される。第2液体としては、例えば、導電性を有する金属粒子を溶媒に第1液体よりも多く分散させたものが用いられ、第1液体としては、例えば、金属粒子よりも粘着性があるバインダー剤を溶媒に第2液体よりも多く分散させたものが用いられる。
【0055】
具体的には、例えば、第2液体及び第1液体として、金属粒子としての酸化銀及びバインダー剤としての有機銀化合物を有機溶剤に分散させたものが用いられ、第2液体は、第1液体よりも酸化銀が多く分散されたものが用いられ、第1液体は、第2液体よりも有機銀化合物が多く分散されたものが用いられる。
【0056】
また、第2液体及び第1液体として、金属粒子としての第1金属粉、第1金属粉の表面をコートする第1コート剤、分散助剤及びバインダー剤を、第1溶媒に分散させたものを用い、第2液体は、第1液体よりもバインダー剤が少なく分散されたものを用い、第1液体は、第2液体よりもバインダー剤が多く分散されたものを用いてもよい。
【0057】
第1金属粉としては、例えば、ニッケル粉、銀粉、金粉、銅粉、パラジウム粉が用いられる。第1コート剤としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化ジルコニウム、酸化チタンが用いられる。分散助剤としては、例えば、ポリアクリル酸、有機基置換水酸化アンモニウム、ヒドロキシル基含有アミン化合物が用いられる。バインダー剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニアカップリング剤、アルミニウムカップリング剤が用いられる。第1溶媒としては、例えば、水、アルコール類が用いられる。
【0058】
また、第2液体及び第1液体として、金属粒子としての第2金属粉、第2金属粉の表面をコートする第2コート剤及びバインダー剤としての熱硬化性樹脂成分を、第2溶媒に分散させたものを用い、第2液体は、第1液体よりもバインダー剤が少なく分散されたものを用い、第1液体は、第2液体よりもバインダー剤が多く分散されたものを用いてもよい。
【0059】
第2金属粉としては、例えば、銀粉、金粉、銅粉、白金粉が用いられる。第2コート剤としては、例えば、C8〜C18のアルキルアミン、アルカンチオール、アルカンジオールが用いられる。第2溶媒としては、例えば、テルピネオール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンが用いられる。熱硬化性樹脂成分としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が用いられる。なお、第1液体及び第2液体は、上記の構成に限られず、種々の構成とすることが可能である。
【0060】
駆動部34は、第1駆動部34Aと第2駆動部34Bとで構成されている。第1駆動部34Aは、振動板32を挟んで第1圧力室44Aに対向配置されており、第2駆動部34Bは、振動板32を挟んで第2圧力室44Bに対向配置されている。
【0061】
第1駆動部34Aには、第1駆動部34Aの駆動を制御する第1制御部56Aが接続されており、第2駆動部34Bには、第2駆動部34Bの駆動を制御する第2制御部56Bが接続されている。
【0062】
第1駆動部34A及び第2駆動部34Bは、第1制御部56A及び第2制御部56Bのそれぞれから駆動波形(駆動信号)が印加されて駆動する。
【0063】
第1駆動部34Aと第2駆動部34Bは、第1制御部56A及び第2制御部56Bのそれぞれから駆動波形(駆動信号)が印加されると、それぞれが第1圧力室44A及び第2圧力室44Bの容積を減少させるように振動板32を変形させ、第1圧力室44A内の第1液体及び第2圧力室44B内の第2液体へ圧力を付与する。これにより、第1圧力室44Aと通じる第1ノズル36Aから第1液体が第1液滴Aとして吐出され、第2圧力室44Bと通じる第2ノズル36Bから第2液体が第2液滴Bとして吐出される(図6(A)参照)。
【0064】
ここで、第1ノズル36Aは、第1ノズル36A及び第2ノズル36Bが形成されたノズル板26のノズル面(吐出面)26Aに対して斜め方向に形成されている。なお、基板12の基板面12Aに対しても斜め方向とされている。
【0065】
第2ノズル36Bは、第1ノズル36Aが吐出する第1液滴Aと空中で接触する方向に第2液滴Bを吐出するようになっている。
【0066】
具体的には、第2ノズル36Bは、第2ノズル36Bから吐出される液滴の軌道と第1ノズル36Aから吐出される液滴の軌道とが交わるように、ノズル板26のノズル面(吐出面)26Aに対して斜め方向に形成されている。なお、基板12の基板面12Aに対しても斜め方向とされている。
【0067】
これにより、第1ノズル36Aから吐出される第1液滴Aと、第2ノズル36Bから吐出される第2液滴Bとを空中で混合して、その混合された混合液滴Cが基板面12Aに着弾するようになっている。第1ノズル36Aと第2ノズル36Bとは、ノズル面26Aに対する角度が同じとされている。なお、第1ノズル36Aと第2ノズル36Bとは、ノズル面26Aに対して、異なる角度とされていてもよい。
【0068】
本実施形態では、第1制御部56A及び第2制御部56Bが、印加する駆動波形を制御することにより、その混合された混合液滴Cが着弾する被吐出面の角度に応じて、第1液滴Aと第2液滴Bとの混合比率及び混合液滴Cの飛翔方向を変更するようになっている。すなわち、第1制御部56A及び第2制御部56Bは、その混合された混合液滴Cが着弾する被吐出面の角度に応じて、第1液滴Aと第2液滴Bとの混合比率及び混合液滴Cの飛翔方向を変更する変更手段として機能する。なお、この第1液滴Aと第2液滴Bとの混合比率及び混合液滴Cの飛翔方向を変更した場合の吐出動作について、後述する。
【0069】
なお、ノズル板26には、図4及び図5に示すように、ノズル面26A側のノズル36部分にノズル36の配列方向に沿って、断面三角形状の凹部54が形成されている。凹部54の底面54Aは、それぞれ、第1ノズル36A及び第2ノズル36Bの軸方向に直交している。
【0070】
また、第1液滴Aと第2液滴Bとが混合されるには、第1液滴Aと第2液滴Bとの全体が衝突する必要は無く、第1液滴Aと第2液滴Bとの一部が接触すれば、その表面張力により第1液滴Aと第2液滴Bとが混合される。
【0071】
また、第1液滴Aと第2液滴Bとが混合されればよいので、第1ノズル36A及び第2ノズル36Bの一方が、ノズル面26Aに対して垂直方向に形成されていてもよい。
【0072】
また、第1ノズル36A及び第2ノズル36Bから液滴を吐出させるための構成として、圧電方式によって液滴を吐出させる構成を用いたが、これに限られず、サーマル方式等の他の方式によって液滴を吐出させる構成であっても良い。サーマル方式の場合においては、液滴を吐出させるための圧力を発生させる圧力発生素子として、発熱素子が用いられる。
(第1ノズル36A及び第2ノズル36Bの吐出動作の一例)
次に、第1ノズル36A及び第2ノズル36Bの吐出動作の一例を説明する。
【0073】
ここでは、第1被吐出面としての基板12の基板面12Aと、第1被吐出面とは角度の異なる第2被吐出面としての電子部品13の側面13Aとに混合液滴Cを着弾させる場合を取り上げて説明する。
【0074】
基板12の基板面12Aは、水平方向に沿った水平面であり、電子部品13の側面13Aは、鉛直方向に沿った鉛直面である。なお、第1被吐出面としては、水平面である必要はなく、第2被吐出面としては、鉛直面である必要はなく、第1被吐出面と第2被吐出面とが異なる角度であれば良い。また、第1被吐出面と第2被吐出面の角度差が、90度である必要もない。
【0075】
混合液滴Cを基板面12Aに着弾させる場合には、図6(B)に示すように、第1制御部56A及び第2制御部56Bは、それぞれ第1駆動部34A及び第2駆動部34Bに、同様のタイミングで同程度の電圧で形成される駆動波形を印加する。
【0076】
これにより、第1液滴Aと第2液滴Bは、図6(A)に示すように、同じ運動量で同じタイミングで衝突し、基板面12Aに対して垂直方向に吐出される。このとき、第1液滴Aと第2液滴Bとは、液滴量が1対1となる。
【0077】
混合液滴Cを電子部品13の上面13Bに着弾させる場合にも同様に、図6(B)に示すように、駆動波形を印加して、混合液滴Cを着弾させてもよい。なお、電子部品13の上面13Bは、水平方向に沿った水平面とされている。
【0078】
次に、混合液滴Cを電子部品13の側面13Aに着弾させる場合には、図7(B)に示すように、第1制御部56Aは、第2制御部56Bが印加した駆動波形より、波形の振幅が大きく、遅れたタイミングで駆動波形を印加する。また、第2制御部56Bは、第1制御部56Aが印加する駆動波形より、波形の振幅が小さく、早いタイミングで駆動波形を印加する。
【0079】
これにより、図7(A)に示すように、第1液滴Aの運動量が第2液滴Bの運動量よりも大きいので、第2ノズル36B側に混合液滴Cの飛翔方向が変更される。すなわち、混合液滴Cの側面13Aとの角度が垂直に近づくように混合液滴Cの飛翔方向が変更される。
【0080】
また、第1液滴Aが第2液滴Bよりも液滴量が多くなる。第1液滴Aは、第2液滴Bよりも粘着性が高いので液だれしにくくなる。
【0081】
なお、第1液滴Aの速度が第2液滴Bよりも速いので、第2液滴Bよりも遅れたタイミングでも第1液滴Aは第2液滴Bと衝突が可能となる。
【0082】
ところで、液滴吐出ヘッド16の移動速度(基板12の基板面12A上を混合液滴Cの着弾位置が移動する速度)をVcとし、混合液滴Cの飛翔軌道と電子部品13の側面13Aとでなす角度をθとしたとき、混合液滴Cの着弾位置が電子部品13の側面13Aを上昇する速度Vtは、以下の式で求められる(図8(A)参照)。
【0083】
Vt=Vc/Tanθ
従って、θが45°の場合には、Vt=Vcとなる。
【0084】
また、θが45°を超える場合には、Vt>Vcとなり、電子部品13の側面13Aにおける混合液滴Cの着弾位置間隔が、基板12の基板面12Aにおける混合液滴Cの着弾位置間隔よりも広くなる。
【0085】
この場合においては、図8(B)に示すように、混合液滴Cを電子部品13の側面13Aに着弾させる場合に、液滴吐出ヘッド16の移動速度を低下させ、第1制御部56A及び第2制御部56Bの駆動周波数を上昇させる。なお、液滴吐出ヘッド16の移動速度と第1制御部56A及び第2制御部56Bの駆動周波数とのどちらか一方を調整すればよく、両方を調整する必要はない。
【0086】
また、θが45°未満の場合には、Vt<Vcとなり、電子部品13の側面13Aにおける混合液滴Cの着弾位置間隔が、基板12の基板面12Aにおける混合液滴Cの着弾位置間隔よりも狭くなる。
【0087】
この場合においては、混合液滴Cを電子部品13の側面13Aに着弾させる場合に、液滴吐出ヘッド16の移動速度を上昇させ、第1制御部56A及び第2制御部56Bの駆動周波数を低下させる。なお、液滴吐出ヘッド16の移動速度と第1制御部56A及び第2制御部56Bの駆動周波数とのどちらか一方を調整すればよく、両方を調整する必要はない。
【0088】
なお、第1液滴A及び第2液滴Bの滴量、混合比も変化しているので、単純に上式に従って、液滴吐出ヘッド16の移動速度と第1制御部56A及び第2制御部56Bの駆動周波数を調整することに限定するものではない。
【0089】
上記の例では、混合液滴Cが被吐出面に垂直に近づくように飛翔方向を変更した例であったが、それに限定するものではない。図9(A)に示すように、第1ノズル36Aから吐出される第1液滴Aと、第2ノズル36Bから吐出される第2液滴Bの運動量を変え、混合液滴Cが、基板12の基板面12A上に対して、垂直より浅い角度で着弾するようにしても良い。さらに、図9(B)に示すように、基板12上に斜面14Aをもつ凸部14があった場合、斜面14Aに対して、混合液滴Cが垂直より浅い角度で着弾するように、飛翔方向を調整してもよい。
【0090】
このように垂直より浅い角度で着弾することによって、図9(C)に示すように、基板面12A及び斜面14Aにおいて着弾液滴15が楕円形状となる。これにより、被吐出面の角度が変わった部分においても、線のつながりがよくなり、線幅が一定となる。
【0091】
(液滴吐出ヘッド16の第1変形例)
次に、液滴吐出ヘッド16の第1変形例について説明する。図10は、第1変形例に係る液滴吐出ヘッドの構成を示す概略図である。図11は、第1変形例に係る液滴吐出ヘッドをノズル面側から見た概略斜視図である。
【0092】
第1変形例に係る液滴吐出ヘッド16は、図10及び図11に示すように、第1ノズル36A及び第2ノズル36Bに加えて、第1ノズル36Aの吐出方向に沿って第2液滴Bを吐出する第3ノズル36Cと、第2液滴Bと空中で接触する方向に第2ノズル36Bの吐出方向に沿って第1液滴Aを吐出する第4ノズル36Dとを有している。
【0093】
ノズル板26には、ノズル面26A側の第3ノズル36C及び第4ノズル36D部分に第3ノズル36C及び第4ノズル36Dの配列方向に沿って、断面三角形状の凹部55が形成されている。凹部55の底面55Aは、それぞれ、第3ノズル36C及び第4ノズル36Dの軸方向に直交している。
【0094】
第3ノズル36Cは、第2液体が貯留される第2貯留部と通じており、第2貯留部から第2液体が供給されるようになっており、第4ノズル36Dは、第1液体が貯留される第1貯留部と通じており、第1貯留部から第1液体が供給されるようになっている。
【0095】
また、第3ノズル36C及び第4ノズル36Dは、ノズル板26を貫通する円孔であり、それぞれがノズル板26に1列に配列されている。この構成では、基板12と相対移動方向に沿って、第2ノズル36B、第1ノズル36A、第4ノズル36D及び第3ノズル36Cの順で配置されている。
【0096】
この第4ノズル36D及び第3ノズル36Cに対しても、制御部(図示省略)から駆動波形(駆動信号)が印加されて駆動する駆動部(図示省略)が設けられている。この制御部が、印加する駆動波形を制御することにより、第4ノズル36Dからの第1液滴Aと第3ノズル36Cからの第2液滴Bとが混合された混合液滴Cが着弾する被吐出面の角度に応じて、その第1液滴Aと第2液滴Bとの混合比率及び混合液滴Cの飛翔方向を変更するようになっている。すなわち、前記制御部は、その混合された混合液滴Cが着弾する被吐出面の角度に応じて、第1液滴Aと第2液滴Bとの混合比率及び混合液滴Cの飛翔方向を変更する変更手段として機能する。
【0097】
ここで、混合液滴Cを電子部品13の側面13A(図10における右側面)に着弾させる場合には、図10(A)に示すように、第1ノズル36Aからの第1液滴Aの運動量を、第2ノズル36Bからの第2液滴Bの運動量よりも大きくして、第2ノズル36B側に混合液滴Cの飛翔方向が変更される。すなわち、混合液滴Cの側面13Aとの角度が垂直に近づくように混合液滴Cの飛翔方向が変更される。
【0098】
混合液滴Cを電子部品13の側面13C(図10における左側面)に着弾させる場合には、図10(B)に示すように、第4ノズル36Dからの第1液滴Aの運動量を、第3ノズル36Cからの第2液滴Bの運動量よりも大きくして、第3ノズル36C側に混合液滴Cの飛翔方向が変更される。すなわち、混合液滴Cの側面13Cとの角度が垂直に近づくように混合液滴Cの飛翔方向が変更される。
【0099】
このように、第1変形例に係る液滴吐出ヘッド16では、電子部品13の両側面(側面13A及び側面13C)において、混合液滴Cの飛翔方向が変更される。
【0100】
(液滴吐出ヘッド16の第2変形例)
次に、液滴吐出ヘッド16の第2変形例について説明する。図12は、第2変形例に係る液滴吐出ヘッドの構成を示す概略図である。
【0101】
第2変形例に係る液滴吐出ヘッド16は、図12(A)(B)に示すように、第1ノズル36A及び第2ノズル36Bに加えて、第3液滴Eを吐出する第3ノズル36Eを有している。
【0102】
図12(B)に示すように、第1ノズル36A、第2ノズル36B及び第3ノズル36Eをノズル面26A側から見ると、その中心を結ぶ線が三角形状をなすように配列されている。
【0103】
第1ノズル36Aは、第1ノズル36A及び第2ノズル36Bが形成されたノズル板26のノズル面(吐出面)26Aに対して斜め方向に形成されている。なお、基板12の基板面12Aに対しても斜め方向とされている。
【0104】
第2ノズル36Bは、第1ノズル36Aが吐出する第1液滴Aと空中で接触する方向に第2液滴Bを吐出するようになっている。
【0105】
さらに、第3ノズル36Eは、第1ノズル36Aが吐出する第1液滴A及び第2ノズル36Bが吐出する第2液滴Bと空中で接触する方向に第3液滴Eを吐出するようになっている。
【0106】
具体的には、第3ノズル36Eは、第3ノズル36Eから吐出される液滴の軌道と第2ノズル36Bから吐出される液滴の軌道と第1ノズル36Aから吐出される液滴の軌道とが交わるように、ノズル板26のノズル面(吐出面)26Aに対して斜め方向に形成されている。なお、基板12の基板面12Aに対しても斜め方向とされている。
【0107】
これにより、第1ノズル36Aから吐出される第1液滴Aと、第2ノズル36Bから吐出される第2液滴Bと、第3ノズル36Eから吐出される第3液滴Eとを空中で混合して、その混合された混合液滴Cが基板面12Aに着弾するようになっている。第1ノズル36Aと第2ノズル36Bと第3ノズル36Eとは、ノズル面26Aに対する角度が同じとされている。なお、第1ノズル36Aと第2ノズル36Bと第3ノズル36Eとは、ノズル面26Aに対して、異なる角度とされていてもよい。
【0108】
本実施形態では、第3ノズル36Eに対しても、制御部(図示省略)から駆動波形(駆動信号)が印加されて駆動する駆動部(図示省略)が設けられている。この制御部(図示省略)が、印加する駆動波形を制御することにより、混合された混合液滴Cが着弾する被吐出面の角度に応じて、第1液滴Aと第2液滴Bと第3液滴Eの混合比率及び混合液滴Cの飛翔方向を変更するようになっている。すなわち、前記制御部は、その混合された混合液滴Cが着弾する被吐出面の角度に応じて、第1液滴Aと第2液滴Bと第3液滴Eとの混合比率及び混合液滴Cの飛翔方向を変更する変更手段として機能する。
【0109】
この構成では、混合液滴Cの飛翔方向は、第1ノズル36A及び第2ノズル36Bの配列方向だけでなく、それに直交する方向にも変更される。
【0110】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0111】
10 配線描画装置(液滴吐出装置)
16 液滴吐出ヘッド
18 ヘッド移動機構(移動手段)
36A 第1ノズル
36B 第2ノズル
36C 第3ノズル
36D 第4ノズル
36E 第3ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1液滴を吐出する第1ノズルと、
前記第1液滴と空中で接触する方向に第2液滴を吐出して前記第1液滴に前記第2液滴を混合させる第2ノズルと、
前記第1液滴と前記第2液滴とが混合された混合液滴が着弾する被吐出面の角度に応じて前記第1液滴と前記第2液滴との混合比率及び前記混合液滴の飛翔方向を変更する変更手段と、
を備える液滴吐出ヘッド。
【請求項2】
前記変更手段は、
第1被吐出面と角度の異なる第2被吐出面に前記混合液滴を着弾させる場合に、前記第2被吐出面との角度が垂直に近づくように前記第1液滴及び前記第2液滴の少なくとも一方の運動量を変更することにより前記混合液滴の飛翔方向を変更する請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項3】
前記第1液滴は、前記第2液滴よりも粘着性が高く、
前記変更手段は、第1被吐出面よりも鉛直方向に近い角度である第2被吐出面に前記混合液滴を着弾させる場合に、前記第1被吐出面に着弾される混合液滴よりも前記混合液滴の第1液滴の混合比率を高くする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項4】
前記第2液滴は、前記第1液滴よりも導電性が高く、
前記変更手段は、第2被吐出面よりも水平方向に近い角度である第1被吐出面に前記混合液滴を着弾させる場合に、前記第2被吐出面に着弾される混合液滴よりも前記混合液滴の第2液滴の混合比率を高くする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項5】
前記変更手段は、
第1被吐出面と角度の異なる第2被吐出面に前記混合液滴を着弾させる場合に、前記第1ノズルから前記第1液滴が吐出される吐出間隔及び前記第2ノズルから前記第2液滴が吐出される吐出間隔を、前記第1被吐出面に向けて吐出する場合の吐出間隔と異なる吐出間隔に変更する請求項1〜4のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項6】
前記第1ノズルの吐出方向に沿って第2液滴を吐出する第3ノズルと、
前記第2液滴と空中で接触する方向に前記第2ノズルの吐出方向に沿って第1液滴を吐出する第4ノズルと、
前記第3ノズルからの第2液滴と前記第4ノズルからの前記第1液滴とが混合された混合液滴が着弾する被吐出面の角度に応じて前記第1液滴と前記第2液滴との混合比率及び前記混合液滴の飛翔方向を変更する変更手段と、
を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項7】
前記第1液滴及び前記第2液滴と空中で接触する方向に第3液滴を吐出して前記第1液滴及び前記第2液滴に前記第3液滴を混合させる第3ノズルを備え、
前記変更手段は、その混合された混合液滴が着弾する被吐出面の角度に応じて前記第1液滴と前記第2液滴と前記第3液滴の混合比率及び前記混合液滴の飛翔方向を変更する請求項1〜5のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドと、
前記被吐出面が形成された被吐出物と前記液滴吐出ヘッドとを相対移動させ、第1被吐出面と角度の異なる第2被吐出面に前記混合液滴が着弾される場合に前記第2被吐出面と前記液滴吐出ヘッドとの相対移動速度を前記第1被吐出面と前記液滴吐出ヘッドとの相対移動速度と異なる速度に変更する移動手段と、
を備える液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−194399(P2010−194399A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39287(P2009−39287)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】