説明

液滴吐出装置および液滴吐出装置の洗浄方法

【課題】カラーフィルター用インクの流路における汚れを好適に解消できる液滴吐出装置
およびその洗浄方法を提供すること。
【解決手段】本発明の液滴吐出装置は、液滴吐出方式によるカラーフィルターの製造に用
いられ、顔料粒子が分散媒に分散したカラーフィルター用インクを吐出する液滴吐出装置
であって、前記インクを貯留するインク貯留槽と、前記インク貯留槽から送液された前記
インクを吐出する液滴吐出ヘッドと、前記インク貯留槽から液滴吐出ヘッドへ前記インク
を送液するためのインク搬送路と、液滴吐出装置の洗浄に用いる洗浄液を貯留する洗浄液
貯留槽と、前記洗浄液貯留槽から前記液滴吐出ヘッドへ前記洗浄液を送液するための洗浄
液搬送路と、前記洗浄液を加温する加温手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出装置および液滴吐出装置の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー表示を行う液晶表示装置(LCD)等には、一般に、カラーフィルターが用いら
れている。
カラーフィルターは、従来、着色剤、感光性樹脂、官能性モノマー、重合開始剤等を含
む材料(着色層形成用組成物)で構成された塗膜を基板上に形成し、その後、フォトマス
クを介して光を照射する感光処理、現像処理等を行う、いわゆるフォトリソグラフィー法
を用いて製造されてきた。このような方法では、通常、基板のほぼ全面に、各色に対応す
る塗膜を形成し、その一部のみを硬化させ、それ以外の大部分を除去するという操作を繰
り返すことにより、各色が重なり合わないようにカラーフィルターを製造する。このため
、カラーフィルターの製造の過程で形成される塗膜は、最終的に得られるカラーフィルタ
ーには、その一部のみが着色層として残存するのみで、その大部分が製造工程において除
去されることとなる。このため、カラーフィルターの製造コストが上昇するばかりでなく
、省資源の観点からも好ましくない。
【0003】
一方、近年、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を用いて、カラーフィルターの
着色層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような方法で
は、着色層形成用の材料(着色層形成用組成物)の無駄を少なくすることができるため、
環境への負荷を低減することができ、また、製造コストも抑制することができる。
顔料は、一般に、染料に比べて耐光性等に優れる等の特徴を有しているため、カラーフ
ィルター用インクにおいては、着色剤として、顔料が広く用いられている。また、カラー
フィルターの製造においては、通常、光の三原色(赤色、緑色、青色)に対応する3色の
インク(カラーフィルター用インク)が用いられる。
【0004】
ところで、カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置(産業用)は、プリンターに
適用されるもの(民生用)とは全く異なるものであり、例えば、大量生産を行うため、大
量の液滴を長時間にわたって連続で吐出することが求められる。また、カラーフィルター
の製造に用いるインク(産業用)では、プリンターに適用されるもの(民生用)で用いる
インクに比べて、一般に、高粘度で、固形分の含有率が高いため、インクジェットヘッド
の吐出部(ノズル)や吐出面にインク(固形分)が残存しやすい。この結果、継続して吐
出した場合、インクに含まれる成分が液滴吐出装置のインクの流路に付着し、液滴吐出ヘ
ッドへのインクの供給が不安定になる。また、カラーフィルターの製造に用いるインク(
産業用)は、プリンターに適用されるもの(民生用)で用いるインクに比べて、組成に制
限が多く、一旦析出した固形分の再分散性、再溶解性等の特性が十分ではなく、顔料粒子
等の固形分が析出、あるいは凝集して、液滴吐出ヘッドの吐出部の目詰まりを起こしやす
く、液滴の飛行曲がりを頻発する。このような場合、カラーフィルター用インクを所望の
部位に、所望の量だけ付与することが困難となり、得られるカラーフィルターを用いて表
示される画像において、色むら、濃度むら等を生じてしまうという問題があった。
【0005】
このため、例えば、液滴吐出装置のカラーフィルター製造用の基板のない部分で液滴を
吐出することによる行う方法(つば吐き)により、液滴吐出ヘッドやインクの流路に存在
する凝集物、付着物等を取り除き、インク等による汚れ、目詰まりの解消を行う。しかし
ながら、このような方法のみでは、十分に凝集物、付着物を取り除くことができず、再び
液滴の吐出を行うと比較的短期間で、液滴の吐出量が不安定になったり、吐出部が再び目
詰まりする問題があった。このような場合、液滴吐出ヘッドや他の部材を頻繁に交換する
必要があり、カラーフィルターの生産性を極端に落とすものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−372613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、カラーフィルター用インクの流路における汚れを好適に解消できる液
滴吐出装置およびその洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液滴吐出装置は、液滴吐出方式によるカラーフィルターの製造に用いられ、顔
料粒子が分散媒に分散したカラーフィルター用インクを吐出する液滴吐出装置であって、
前記インクを貯留するインク貯留槽と、
前記インク貯留槽から送液された前記インクを吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記インク貯留槽から前記液滴吐出ヘッドへ前記インクを送液するためのインク搬送路
と、
液滴吐出装置の洗浄に用いる洗浄液を貯留する洗浄液貯留槽と、
前記洗浄液貯留槽から前記液滴吐出ヘッドへ前記洗浄液を送液するための洗浄液搬送路
と、
前記洗浄液を加温する加温手段とを有することを特徴とする。
これにより、カラーフィルター用インクの流路における汚れを好適に解消できる液滴吐
出装置を提供することができる。
【0009】
本発明の液滴吐出装置では、前記加温手段は、前記洗浄液貯留槽に設置されていること
が好ましい。
これにより、カラーフィルター用インクの流路における汚れをより好適に解消すること
ができる。
本発明の液滴吐出装置では、前記加温手段は、前記洗浄液搬送路に設置されていること
が好ましい。
これにより、カラーフィルター用インクの流路における汚れをより好適に解消すること
ができる。
【0010】
本発明の液滴吐出装置では、前記洗浄液搬送路は、第1の搬送路と第2の搬送路とを有
し、
前記加温手段は、前記第1の搬送路または前記第2の搬送路のいずれか一方に設置され
ていることが好ましい。
これにより、カラーフィルター用インクの流路における汚れをより好適に解消すること
ができる。
【0011】
本発明の液滴吐出装置の洗浄方法は、液滴吐出方式によるカラーフィルターの製造に用
いられ、着色剤と当該着色剤を溶解または分散する液性媒体とを含むインクを吐出する液
滴吐出装置の洗浄方法であって、
前記液滴吐出装置は、前記インクを貯留するインク貯留槽と、
前記インク貯留槽から送液された前記インクを吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記インク貯留槽から前記液滴吐出ヘッドへ前記インクを送液するためのインク搬送路
と、
前記液滴吐出装置の洗浄に用いる洗浄液を貯留する洗浄液貯留槽と、
前記洗浄液貯留槽から前記液滴吐出ヘッドへ前記洗浄液を送液するための洗浄液搬送路
と、
前記洗浄液を加温する加温手段とを有し、
前記加温手段によって加温された前記洗浄液を前記液滴吐出ヘッドに送液することによ
り、前記液滴吐出装置内を洗浄することを特徴とする。
これにより、カラーフィルター用インクの流路における汚れを好適に解消できる液滴吐
出装置の洗浄方法を提供することができる。
【0012】
本発明の液滴吐出装置の洗浄方法では、前記洗浄液は、セラミックス粒子と、前記セラ
ミックス粒子が分散する分散媒とを含むことが好ましい。
これにより、液滴吐出装置のカラーフィルター用インクの流路における汚れ、液滴吐出
ヘッドの目詰まりをより好適に解消することができる。
本発明の液滴吐出装置の洗浄方法では、前記セラミックス粒子は、金属酸化物を含むこ
とが好ましい。
このような金属酸化物は、化学的に安定であり、安定して洗浄液中で分散される。また
、比較的硬度が高いため、好適にカラーフィルター用インクの流路内の汚れを除去するこ
とができる。
【0013】
本発明の液滴吐出装置の洗浄方法では、前記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジ
ルコニウムまたは酸化チタンであることが好ましい。
これらの化合物は、顔料粒子と比較し、硬度が高いものであり、比較的高い洗浄性を有
している。
本発明の液滴吐出装置の洗浄方法では、前記セラミックス粒子は、ガラス材料を含むこ
とが好ましい。
ガラス材料は、カラーフィルター用インクの流路等の液滴吐出装置内に付着した汚れを
吸着する機能を有しており、一旦削り取られた汚れを吸着して、好適に液滴吐出装置内を
洗浄することができる。
【0014】
本発明の液滴吐出装置の洗浄方法では、前記セラミックス粒子の平均粒子径は、10n
m以上300nm以下であることが好ましい。
これにより、セラミックス粒子の洗浄効果を特に優れたものとすることができる。
本発明の液滴吐出装置の洗浄方法では、前記洗浄液中における前記セラミックス粒子の
含有量は、0.05wt%以上10wt%以下であることが好ましい。
これにより、液滴吐出装置内に顔料粒子等が付着することを防止できるとともに、洗浄
後においてセラミックス粒子が液滴吐出装置内に残存することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】液滴吐出装置(インクジェット装置)の好適な実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッドの概略構成を説明するための模式図である。
【図3】液滴吐出装置の全体構成の一例を示した模式図である。
【図4】カラーフィルターの製造方法を示す断面図である。
【図5】液滴吐出装置の全体構成の他の一例を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《液滴吐出装置および液滴吐出装置の洗浄方法》
まず、本発明の液滴吐出装置、および、当該液滴吐出装置を用いたカラーフィルターの
製造方法の好適な実施形態について説明する。
図1は、液滴吐出装置(インクジェット装置)の好適な実施形態の一例を示す斜視図、
図2は、図1の液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の概略構
成を説明するための模式図、図3は、液滴吐出装置の全体構成の一例を示した模式図、図
4は、カラーフィルターの製造方法を示す断面図である。
図1〜図3に示す液滴吐出装置(インクジェット装置)100は、顔料粒子が分散媒に
分散したカラーフィルター用インク1を吐出することにより、カラーフィルター10の着
色部12を形成するのに用いられる装置である。
【0017】
まず、カラーフィルター10の製造の概要について説明する。図4に示すように、カラ
ーフィルター10は、隔壁(遮光部)13が設けられた基板11を用意する基板用意工程
(1a)と、図1〜図3に示す液滴吐出装置(インクジェット装置)100を用いて、カ
ラーフィルター用インク1を隔壁13で囲まれた領域に付与するインク付与工程(1b)
と、カラーフィルター用インク1から分散媒を除去し、固形状の着色部12とする着色部
形成工程(1c)とを有する方法を用いて製造することができる。このようにして製造さ
れるカラーフィルター10は、通常、複数色の着色部12を有している。図4に示す構成
では、互いに異なる色の第1の着色部12A、第2の着色部12B、および第3の着色部
12Cを有している。
【0018】
図1および図3に示すように、液滴吐出装置100は、図2に示す液滴吐出ヘッド(イ
ンクジェットヘッド。以下、単にヘッドと呼ぶ)110と、ベース130と、テーブル1
40と、インク貯留槽150と、洗浄液貯留槽160と、テーブル位置決め手段170と
、ヘッド位置決め手段180と、制御装置190とを有している。
ベース130は、テーブル140、テーブル位置決め手段170、およびヘッド位置決
め手段180等の液滴吐出装置100の各構成部材を支持する台である。
【0019】
テーブル140は、テーブル位置決め手段170を介してベース130に設置されてい
る。また、テーブル140は、隔壁(遮光部)13が設けられた基板11(以下、単に基
板11ともいう)を載置するものである。
テーブル位置決め手段170は、第1移動手段171と、モータ172とを有している
。テーブル位置決め手段170は、ベース130におけるテーブル140の位置を決定し
、これにより、ベース130における基板11の位置を決定する。
【0020】
第1移動手段171は、Y方向と略平行に設けられた2本のレールと、当該レール上を
移動する支持台とを有している。第1移動手段171の支持台は、モータ172を介して
テーブル140を支持している。そして、支持台がレール上を移動することにより、基板
11を載置するテーブル140は、Y方向に移動および位置決めされる。
モータ172は、テーブル140を支持しており、θz方向にテーブル140を揺動お
よび位置決めする。
【0021】
ヘッド位置決め手段180は、第2移動手段181と、リニアモータ182と、モータ
183、184、185とを有している。ヘッド位置決め手段180は、ヘッド110の
位置を決定する。
第2移動手段181は、ベース130から立設する2本の支持柱と、当該支持柱同士の
間に当該支持柱に支持されて設けられ、2本のレールを有するレール台と、レールに沿っ
て移動可能でヘッド110を支持する支持部材(図示せず)とを有している。そして、支
持部材がレールに沿って移動することにより、ヘッド110は、X方向に移動および位置
決めされる。
【0022】
リニアモータ182は、支持部材付近に設けられており、ヘッド110のZ方向の移動
および位置決めをすることができる。
モータ183、184、185は、ヘッド110を、それぞれα,β,γ方向に揺動お
よび位置決めする。
以上のようなテーブル位置決め手段170およびヘッド位置決め手段180とにより、
インクジェット装置100は、ヘッド110のインク吐出面115Pと、テーブル140
上の基板11との相対的な位置および姿勢を、正確にコントロールできるようになってい
る。
【0023】
図2に示すように、ヘッド110は、インクジェット方式(液滴吐出方式)によってイ
ンク1をノズル(突出部)118から吐出するものである。本実施形態では、ヘッド11
0は、圧電体素子としてのピエゾ素子113を用いてインクを吐出させるピエゾ方式を用
いている。ピエゾ方式は、インク1に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えないな
どの利点を有する。
【0024】
ヘッド110は、ヘッド本体111と、振動板112と、ピエゾ素子113とを有して
いる。
ヘッド本体111は、本体114と、その下端面にノズルプレート115とを有してい
る。そして、本体114を板状のノズルプレート115と振動板112とが挟み込むこと
により、空間としてのリザーバ116およびリザーバ116から分岐した複数のインク室
117が形成されている。
【0025】
リザーバ116には、後述するインク貯留槽150よりインク1が供給される。リザー
バ116は、各インク室117にインク1を供給するための流路を形成している。
また、ノズルプレート115は、本体114の下端面に装着されており、インク吐出面
115Pを構成している。このノズルプレート115には、インク1を吐出する複数のノ
ズル118が、各インク室117に対応して開口されている。そして、各インク室117
から対応するノズル(吐出部)118に向かって、インク流路が形成されている。
【0026】
振動板112は、ヘッド本体111の上端面に装着されており、各インク室117の壁
面を構成している。振動板112は、ピエゾ素子113の振動に応じて振動可能となって
いる。
ピエゾ素子113は、その振動板112のヘッド本体111と反対側に、各インク室1
17に対応して設けられている。ピエゾ素子113は、水晶等の圧電材料を一対の電極(
不図示)で挟持したものである。その一対の電極は、駆動回路191に接続されている。
【0027】
そして、駆動回路191からピエゾ素子113に電気信号を入力すると、ピエゾ素子1
13が膨張変形または収縮変形する。ピエゾ素子113が収縮変形すると、インク室11
7の圧力が低下して、リザーバ116からインク室117にインク1が流入する。また、
ピエゾ素子113が膨張変形すると、インク室117の圧力が増加して、ノズル118か
らインク1が吐出される。なお、印加電圧を変化させることにより、ピエゾ素子113の
変形量を制御することができる。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエ
ゾ素子113の変形速度を制御することができる。すなわち、ピエゾ素子113への印加
電圧を制御することにより、インク1の吐出条件を制御し得るようになっている。
【0028】
制御装置190は、インクジェット装置100の各部位を制御する。例えば、駆動回路
191で生成する印加電圧の波形を調節してインク1の吐出条件を制御したり、ヘッド位
置決め手段180およびテーブル位置決め手段170を制御することにより基板11への
インク1の吐出位置を制御する。
インク貯留槽150は、インク1を貯留する。
インク貯留槽150は、図3に示すように、インク搬送路151を介して、ヘッド11
0(リザーバ116)に接続されている。
【0029】
インク搬送路151には、インク貯留槽150側からヘッド110へ向かって順に、コ
ック(分岐)152と、インク1の逆流を防止するための自己封止弁153とが設けられ
ている。
インク貯留槽150に貯留されたインク1は、液滴吐出時等における必要に応じて、イ
ンク搬送路151に送られ、コック152、自己封止弁153を介して、リザーバ116
に供給される。
【0030】
洗浄液貯留槽160は、洗浄液を貯留する。
洗浄液貯留槽160内の洗浄液は、洗浄液搬送路161によってインク流路に搬送され
、インク流路内を洗浄する。
洗浄液搬送路161は、コック152においてインク搬送路151と接続されている。
また、洗浄液貯留槽160には、加温手段(ヒータ)162が設けられている。
【0031】
このような液滴吐出装置100において、その洗浄は、加温手段162によって加温さ
れた洗浄液が、洗浄液搬送路161を介して、インク1の流路(インク搬送路151、ヘ
ッド110等)に送液され、液滴吐出装置100内が洗浄される。これにより、インクの
流路に付着した汚れを容易に除去することができる。
加温手段162によって加温される洗浄液の温度は、30℃以上60℃以下であるのが
好ましく、40℃以上50℃以下であるのがより好ましい。これにより、より効果的にイ
ンク1の流路における汚れを除去することができる。
【0032】
洗浄液の送液速度は、自己封止弁153の下流部において、20mL/min以上20
0mL/min以下であるのが好ましく、50mL/min以上150mL/min以下
であるのがより好ましい。これにより、より効果的にインクの流路内の洗浄を行うことが
できる。
なお、ヘッド110内の洗浄に供した洗浄液は、吸引手段200によってヘッド110
から吸い出され、吸い出された洗浄液は、回収タンク210に回収される。
【0033】
以上、本発明の液滴吐出装置について、好適な実施形態について説明したが、これに限
定されず、例えば、図5に示すような液滴吐出装置であってもよい。
図5は、本発明の液滴吐出装置の全体構成の他の一例を示した模式図である。
本実施形態では、上述した実施形態と異なる点について説明し、同様の構成については
、その説明を省略する。
【0034】
図5に示す液滴吐出装置100では、洗浄液搬送路161が、コック(分岐)163に
おいて、第1の搬送路161aと第2の搬送路161bとに一旦分岐し、その後、コック
152に達する前に、再度合流している。また、図5に示す液滴吐出装置100では、第
2の搬送路161bに加温手段162が設けられている。このような構成とすることによ
り、高温の洗浄液と低温の洗浄液とを切り替えながら洗浄することができ、洗浄液の熱に
よるインク1の流路への影響を小さいものとしつつ、インク1の流路の汚れを容易に除去
することができる。
【0035】
<洗浄液>
次に、本発明の洗浄方法(液滴吐出装置)に好適に適用することが可能な洗浄液につい
て説明する。
本発明に適用される洗浄液(クリーニングインク)は、カラーフィルターの製造に用い
られる液滴吐出装置の洗浄をするものであり、特に、後述するようなカラーフィルター用
インク(以下単にインクともいう)による液滴吐出装置の汚れ、目詰まり等を好適に解消
するものである。
【0036】
本発明の洗浄方法に適用する洗浄液は、特に限定されないが、セラミックス粒子とセラ
ミックス粒子を分散する分散媒を含んでいるものであるのが好ましい。
このセラミックス粒子は、比較的硬度が高いものであり、カラーフィルター用インクの
流路に対して研磨剤として機能する。この結果、液滴吐出ヘッドの吐出部付近において顔
料粒子等が析出した場合であっても、セラミックス粒子が析出した顔料粒子等を速やかに
削り取り、液滴吐出ヘッドの吐出口付近に顔料粒子等が蓄積することが防止される。この
ため、このような洗浄液を用いてカラーフィルター用インクの流路を洗浄した場合、カラ
ーフィルター用インクの飛行曲がりや、液滴の吐出量の不安定化が防止され、液滴の吐出
安定性に優れたものとなる。そして、セラミックス粒子を含む洗浄液を用いてカラーフィ
ルター用インクの流路を洗浄した場合、製造されるカラーフィルターは、色むら、濃度む
ら等の問題が防止された信頼性の高いものとなる。
【0037】
[セラミックス粒子]
上述したように、本実施形態において、洗浄液は、セラミックス粒子を含んでいる。
また、セラミックス粒子は、後述する分散媒中に分散している。
セラミックス粒子として用いることのできるセラミックス材料としては、特に限定され
ないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロン
チウム、酸化バリウム、酸化ランタニウム、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化インジウム、
酸化チタニウム、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の金属
酸化物、ホウケイ酸ガラス、ケイ酸塩、二酸化ケイ素等のガラス材料、炭化ケイ素等の炭
化物、窒化ケイ素等の窒化物、蛍石等のハロゲン化物、酸化アンチモン、酸化ビスマス等
または、これらの混合物等を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を組み
合わせて用いることができる。
【0038】
また、セラミックス粒子は、上述した中でも、金属酸化物を含むことが好ましい。この
ような化合物は、化学的に安定であり、安定して洗浄液中で分散される。また、比較的硬
度が高いため、好適に吐出口の汚れを除去し、この結果、カラーフィルター用インクの液
滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
特に、金属酸化物としてセラミックス粒子が、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムま
たは酸化チタンを含む場合、以下のような効果が得られる。これらの化合物は、硬度が高
いものであり、比較的高い洗浄性を有している。
【0039】
また、セラミックス粒子は、上述した中でも、ガラス材料を含むことが好ましく、二酸
化ケイ素またはケイ酸塩を含むことがより好ましい。ガラス材料は、インクの流路に付着
した汚れを吸着する機能を有しており、一旦削り取られた汚れを吸着して、好適にインク
の流路を洗浄することができる。
また、セラミックス粒子の平均粒子径は、10nm以上300nm以下であることが好
ましく、20nm以上280nm以下であることがより好ましい。これにより、インクの
流路に付着した顔料粒子等を取り除くことができる。すなわち、セラミックス粒子の洗浄
効果を特に優れたものとすることができる。
【0040】
なお、本明細書では、「平均粒径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒径の
ことを指すものとする。
また、洗浄液中におけるセラミックス粒子の含有量は、0.1wt%以上10wt%以
下であることが好ましく、0.1wt%以上3wt%以下であることがより好ましい。こ
れにより、インクの流路に顔料粒子等が付着することを防止できるとともに、洗浄後にお
いてセラミックス粒子がインクの流路に残存することを防止することができる。
【0041】
[分散剤]
洗浄液は、分散剤を含むことが好ましい。
分散剤は、インクの流路に付着した顔料粒子等をセラミックス粒子が削り取った際に、
遊離した顔料粒子等に付着して微分散させる。このため、一旦、分散した顔料粒子等が再
度インクの流路に付着することを防止することができ、洗浄液の洗浄効果を高めることが
できる。
【0042】
分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系
、フッ素系等の界面活性剤が挙げられる。
分散剤のより具体的な例としては、例えば、ディスパービック101、ディスパービッ
ク102、ディスパービック103、ディスパービックP104、ディスパービックP1
04S、ディスパービック220S、ディスパービック106、ディスパービック108
、ディスパービック109、ディスパービック110、ディスパービック111、ディス
パービック112、ディスパービック116、ディスパービック140、ディスパービッ
ク142、ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162
、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディス
パービック167、ディスパービック168、ディスパービック170、ディスパービッ
ク171、ディスパービック174、ディスパービック180、ディスパービック182
、ディスパービック183、ディスパービック184、ディスパービック185、ディス
パービック2000、ディスパービック2001、ディスパービック2050、ディスパ
ービック2070、ディスパービック2095、ディスパービック2150、ディスパー
ビックLPN6919、ディスパービック9075、ディスパービック9077(以上、
ビックケミー社製);EFKA 4008、EFKA 4009、EFKA 4010、
EFKA 4015、EFKA 4020、EFKA 4046、EFKA 4047、
EFKA 4050、EFKA 4055、EFKA 4060、EFKA 4080、
EFKA 4400、EFKA 4401、EFKA 4402、EFKA 4403、
EFKA 4406、EFKA 4408、EFKA 4300、EFKA 4330、
EFKA 4340、EFKA 4015、EFKA 4800、EFKA 5010、
EFKA 5065、EFKA 5066、EFKA 5070、EFKA 7500、
EFKA 7554(以上、チバスペシャリティ−社製);ソルスパース3000、ソル
スパース9000、ソルスパース13000、ソルスパース16000、ソルスパース1
7000、ソルスパース18000、ソルスパース20000、ソルスパース21000
、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルス
パース28000、ソルスパース32000、ソルスパース32500、ソルスパース3
2550、ソルスパース33500、ソルスパース35100、ソルスパース35200
、ソルスパース36000、ソルスパース36600、ソルスパース38500、ソルス
パース41000、ソルスパース41090、ソルスパース20000(以上、ルーブリ
ゾール社製);アジスパーPA111、アジスパーPB711、アジスパーPB821、
アジスパーPB822、アジスパーPB824(以上、味の素ファインテクノ社製);デ
ィスパロン1850、ディスパロン1860、ディスパロン2150、ディスパロン70
04、ディスパロンDA−100、ディスパロンDA−234、ディスパロンDA−32
5、ディスパロンDA−375、ディスパロンDA−705、ディスパロンDA−725
、ディスパロンPW−36(以上、楠本化成社製);および、フローレン DOPA−1
4、フローレン DOPA−15B、フローレン DOPA−17、フローレン DOP
A−22、フローレン DOPA−44、フローレン TG−710、フローレン D−
90(以上、共栄化学社製)、Anti−Terra−205(ビックケミー社製)、ヒ
ノアクトKF−1000、KF−1525、ヒノアクト1300M、ヒノアクトT905
0、ヒノアクトT6000、ヒノアクトT7000、ヒノアクトT8000、ヒノアクト
T8000E(以上、川研ファインケミカル社製)等が挙げられ、これらから選択される
1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0043】
洗浄液中に含まれる分散剤は、カラーフィルター用インク中に含まれる分散剤を構成す
る成分の少なくとも一部を含むことが好ましく、カラーフィルター用インク中に含まれる
分散剤と組成が同一であることがより好ましい。析出した付着物は、カラーフィルター用
インクの元の分散剤が付着していると考えられるため、セラミックス粒子によって遊離し
た付着物に、さらに、カラーフィルター用インクに含まれる分散剤と同一の洗浄液中にあ
る分散剤が付着することにより、容易に遊離した付着物が洗浄液中に好適に分散すること
ができる。このため、洗浄液は、より洗浄性に優れたものとなる。また、洗浄後において
、インクの流路中の洗浄液とカラーフィルター用インクとの置換を素早く行うことができ
る。
【0044】
洗浄液中における分散剤の含有量は、特に限定されないが、0.1wt%以上20wt
%以下であることが好ましく、0.3wt%以上10wt%以下であることがより好まし
い。これにより、上述したようなセラミックス粒子や除去された付着物の分散効果を顕著
に発揮できるとともに、分散剤が多すぎて、洗浄後において分散剤が残存し、洗浄液とカ
ラーフィルター用インクとの置換に時間がかかることを防止することができる。
【0045】
[分散媒]
次に、分散媒について説明する。
また、洗浄液中に含まれる分散媒(洗浄液分散媒)は、後述するカラーフィルター用イ
ンクを構成する分散媒(カラーフィルター用インク分散媒)と共通の成分を含むものであ
るのが好ましく、同じ組成のものであるのがより好ましい。これより、インクとの置換性
が特に優れたものとなり、残存したインクと素早く混合、置換することができる。
【0046】
分散媒としては、例えば、エステル化合物、エーテル化合物、ヒドロキシケトン、炭酸
ジエステル、環状アミド化合物等を用いることができ、中でも、〔1〕多価アルコール(
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン
等)の縮合物としてのエーテル(多価アルコールエーテル)や、多価アルコールまたは多
価アルコールエーテルのアルキルエーテル(例えば、メチルエーテル、エチルエーテル、
ブチルエーテル、ヘキシルエーテル等)、エステル(例えば、ホルメート、アセテート、
プロピオネート等)、〔2〕多価カルボン酸(例えば、こはく酸、グルタル酸等)のエス
テル(例えば、メチルエステル等)、〔3〕分子内に少なくとも1つの水酸基と少なくと
も1つのカルボキシル基とを有する化合物(ヒドロキシ酸)のエーテル、エステル等、〔
4〕多価アルコールとホスゲンとの反応で得られるような化学構造を有する炭酸ジエステ
ルが好ましい。分散媒として用いることのできる化合物としては、例えば、2−(2−メ
トキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエチルアセテート、トリエチレングリコール
ジメチルエーテル、トリエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビス(2−ブ
トキシエチル)エーテル、グルタル酸ジメチル、エチレングリコールジn−ブチレート、
1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルア
セテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、1,6−ジアセトキシヘキサン
、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブトキシプロパノール、ジエチレング
リコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル、トリエチ
レングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルブチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテ
ル、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、オクタン
酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、酢酸シクロヘキシル、こはく酸ジエチル、エチレングリコールジアセテ
ート、プロピレングリコールジアセテート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノ
ン、こはく酸ジメチル、1−ブトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、3−メトキシ−n−ブチルアセテート、ジアセチン、ジプロピレングリ
コールモノn−プロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ブチル
グリコレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
n−ブチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、トリエチレングリコールブチルメチ
ルエーテル、ビス(2−プロポキシエチル)エーテル、ジエチレングリコールジアセテー
ト、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールブチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールエチルプ
ロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール
プロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールメチルエーテルアセテート、トリ
エチレングリコールエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールプロピルエーテ
ルアセテート、トリエチレングリコールブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコ
ールブチルエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールエチルプロピルエーテル、トリエチレングリコールメチルプロピルエーテル
、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、n−ノニルアルコール、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコール2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル
、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリプロピレングリコ
ールモノn−ブチルエーテル、ブチルセロソルブアセテート等が挙げられ、これらから選
択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、洗浄液中における分散媒の含有量は、65wt%以上95wt%以下であること
が好ましく、70wt%以上85wt%以下であることがより好ましい。これにより、洗
浄液の粘度を好適なものとすることができ、洗浄液としての特性をより高いものとするこ
とができる。
【0047】
[その他の成分]
洗浄液は、その他の成分を含むものであってもよい。
このような成分としては、例えば、表面張力調整剤、エチレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコー
ル、チオ尿素等が挙げられる。
【0048】
上述したような洗浄液は、後述するカラーフィルター用インクより25℃での表面張力
が低いものであることが好ましい。これにより、洗浄時において、液滴吐出装置の洗浄部
位に好適に洗浄液が濡れ広がることができる。このため、洗浄後における洗浄部位に残存
する汚れが特に少ないものとなる。
洗浄液は、後述するカラーフィルター用インクより25℃における粘度が低いものであ
ることが好ましい。これにより、洗浄時において、液滴吐出装置の洗浄部位に好適に洗浄
液が濡れ広がることができる。また、洗浄時において、洗浄液は、インクの流路内での流
速を早いものとすることができる。このため、洗浄後における洗浄部位に残存する汚れが
特に少ないものとなる。
【0049】
以下、カラーフィルター用インクについて説明する。
《カラーフィルター用インク》
次に、本発明の洗浄方法に適用される液滴吐出装置から吐出されるカラーフィルター用
インクについて説明する。
カラーフィルター用インクは、基板上に着色部を形成するのに用いるインクであり、特
に、液滴吐出法によってカラーフィルターの着色部を形成するのに用いるインクである。
【0050】
以下、カラーフィルター用インクの各構成成分について詳細に説明する。
[顔料]
カラーフィルターは、通常、異なる複数色の着色部(一般に、RGBに対応する3色の
着色部)を有している。顔料は、通常、形成すべき着色部の色調に応じて選択される。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,
9,10,11,12,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30
,31,32,37,38,40,41,42,48:1,48:2,48:3,48:
4,49:1,49:2,50:1,52:1,53:1,57,57:1,57:2,
58:2,58:4,60:1,63:1,63:2,64:1,81,81:1,83
,88,90:1,97,101,102,104,105,106,108,108:
1,112,113,114,122,123,144,146,149,150,15
1,166,168,170,171,172,174,175,176,177,17
8,179,180,185,187,188,190,193,194,202,20
6,207,208,209,215,216,220,224,226,242,24
3,245,254,255,264,265;C.I.ピグメントグリーン7,36,
15,17,18,19,26,50,58;C.I.ピグメントブルー1,15,15
:1,15:2,15:3,15:4,15:6,17:1,18,60,27,28,
29,35,36,60,80;C.I.ピグメントイエロー1,3,12,13,14
,15,16,17,20,24,31,34,35,35:1,37,37:1,42
,43,53,55,60,61,65,71,73,74,81,83,93,94,
95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113
,114,116,117,119,120,126,127,128,129,138
,139,150,151,152,153,154,155,156,157,166
,168,175,180,184,185;C.I.ピグメントバイオレット1,3,
14,16,19,23,29,32,36,38,50;C.I.ピグメントオレンジ
1,5,13,14,16,17,20,20:1,24,34,36,38,40,4
3,46,49,51,61,63,64,71,73,104;C.I.ピグメントブ
ラウン7,11,23,25,33;C.I.ピグメントブラック1,7や、これらの誘
導体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0051】
また、特に、カラーフィルター用インクが、顔料(緑色顔料)として、C.I.ピグメ
ントグリーン58(臭素化亜鉛フタロシアニン顔料)を含むものであると、当該カラーフ
ィルター用インク(緑色のカラーフィルター用インク)の発色性を特に優れたものとする
ことができる。また、C.I.ピグメントグリーン58は、明度に優れるという特徴を有
しているものの、各種顔料の中でも、特に分散性の低い材料であるため、従来において液
滴吐出に供するインクに適用する場合には、液滴吐出装置のインクの流路への付着、液滴
吐出ヘッドの吐出部の目詰まり等の問題を特に生じ易かった。これに対し、本発明では、
カラーフィルター用インクがC.I.ピグメントグリーン58を含む場合であっても、上
記のような問題を好適に解消することができる。すなわち、カラーフィルター用インクが
C.I.ピグメントグリーン58を含むものであると、本発明の効果がより顕著に発揮さ
れる。
【0052】
カラーフィルター用インク中における顔料の含有率は、2wt%以上25wt%以下で
あるのが好ましく、3wt%以上20wt%以下であるのがより好ましい。
カラーフィルター用インク中に含まれる顔料の平均粒径は、10nm以上200nm以
下であるのが好ましく、20nm以上180nm以下であるのがより好ましい。これによ
り、カラーフィルター用インク中における顔料の分散安定性や、カラーフィルターインク
の吐出安定性を十分に優れたものとしつつ、カラーフィルター用インクを用いて製造され
るカラーフィルターの耐久性(耐光性等)を十分に優れたものとし、カラーフィルターに
おける発色性、コントラスト等を特に優れたものとすることができる。
【0053】
[分散媒]
分散媒(カラーフィルター用インク分散媒)としては、上述した、洗浄液の分散媒(洗
浄液分散媒)と同様の液体を用いることができる。
カラーフィルター用インク中における分散媒の含有率は、50wt%以上98wt%以
下であるのが好ましく、55wt%以上95wt%以下であるのがより好ましく、65w
t%以上93wt%以下であるのがさらに好ましい。
【0054】
[樹脂材料]
カラーフィルター用インクは、形成される着色部の基盤に対する密着性向上等の目的で
、通常、樹脂材料を含んでいる。
樹脂材料としては、硬化性樹脂を用いるのが好ましい。
カラーフィルター用インクが硬化性樹脂を含むものであると、カラーフィルター用イン
クを用いて製造されるカラーフィルターの耐久性を特に優れたものとすることができる等
の効果が得られるが、カラーフィルター用インクが顔料に加え、硬化性樹脂を含むもので
あると、従来においては、液滴吐出装置のインクの流路への固形分の付着、液滴吐出ヘッ
ドの吐出部の目詰まり等の問題を特に生じ易かった。これに対し、本発明では、カラーフ
ィルター用インクが硬化性樹脂を含む場合であっても、上記のような問題を好適に解消す
ることができる。すなわち、カラーフィルター用インクが硬化性樹脂を含むものであると
、本発明の効果がより顕著に発揮される。
【0055】
硬化性樹脂は、例えば、エポキシ構造を有するものであるのが好ましい。
このような構造を有する硬化性樹脂を含むものであると、カラーフィルター用インクを
用いて製造されるカラーフィルターの耐久性を特に優れたものとすることができる等の効
果が得られるが、カラーフィルター用インクが顔料に加え、硬化性樹脂を含むものである
と、従来においては、液滴吐出装置のインクの流路への固形分の付着、液滴吐出ヘッドの
吐出部の目詰まり等の問題を特に生じ易かった。これに対し、本発明では、カラーフィル
ター用インクが上記のような構造を有する硬化性樹脂を含む場合であっても、上記のよう
な問題を好適に解消することができる。すなわち、カラーフィルター用インクが上記のよ
うな構造を有する硬化性樹脂を含むものであると、本発明の効果がより顕著に発揮される

また、カラーフィルター用インク中における樹脂材料の含有率は、0.5wt%以上1
8wt%以下であるのが好ましく、1.0wt%以上15wt%以下であるのがより好ま
しく、3.0wt%以上12wt%以下であるのがさらに好ましい。
【0056】
[分散剤]
カラーフィルター用インクは、分散剤を含むものであるのが好ましい。これにより、カ
ラーフィルター用インク中における顔料粒子の分散安定性を優れたものとすることができ
、より長期間にわたって安定的な液滴吐出を行うことができる。分散剤としては、上述し
た、洗浄液の構成成分としての分散剤と同様の材料を用いることができる。
カラーフィルター用インク中における分散剤の含有率は、0.5wt%以上15wt%
以下であるのが好ましく、0.6wt%以上8.0wt%以下であるのがより好ましい。
【0057】
[その他の成分]
カラーフィルター用インクは、上記以外の成分(その他の成分)を含むものであっても
よい。
このような成分としては、例えば、各種架橋剤、熱酸発生剤、光酸発生剤、各種重合開
始剤、酸架橋剤、界面活性剤、増感剤、光安定剤、各種染料、各種分散剤、発光材料、レ
ベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、各種重合促進剤、各種光安定化
剤、ガラス、ジルコニア、アルミナ、酸化チタン等のセラミックス、密着促進剤、紫外線
吸収剤、凝集防止剤等を用いることができる。
【0058】
カラーフィルター用インクの25℃における粘度(振動式粘度計を用いて測定される粘
度)は、特に限定されないが、4mPa・s以上12mPa・s以下であるのが好ましく
、5mPa・s以上11mPa・s以下であるのがより好ましい。カラーフィルター用イ
ンクの粘度が前記範囲内の値であると、後述するようなインクジェット方式による液滴吐
出において、吐出されるカラーフィルター用インクの液適量のばらつきを特に小さいもの
としつつ、液滴吐出ヘッドにおける目詰まりの発生等をより確実に防止することができる
。なお、カラーフィルター用インクの粘度の測定は、例えば、振動式粘度計を用いて行う
ことができ、特に、JIS Z8809に準拠して行うことができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
例えば、液滴吐出装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、ま
たは、その他の構成を追加することもできる。
【実施例】
【0059】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。
[1]洗浄液およびカラーフィルター用インクの調製
各実施例および比較例における洗浄液およびカラーフィルター用インクは、以下のよう
にして製造した。
【0060】
[洗浄液の調製]
(洗浄液1)
セラミックス粒子としての二酸化ケイ素と、分散媒としてのジエチレングリコールモノ
ブチルエーテルアセテートと、分散剤としてのディスパービック166とを表1に示す配
合量で混合することにより、洗浄液1を得た。なお、セラミックス粒子の粒径の調整は分
散強度の調整により適宜行った。
(洗浄液2〜13)
洗浄液の各材料の種類および配合量を表1に示すように変更した以外は、前記洗浄液1
と同様にして洗浄液2〜13を得た。
【0061】
表1に、製造した各洗浄液の組成を示す。なお、表中、二酸化ケイ素(日本エアロジル
社製、商品名「A300」、気相法球状SiO)を「A300」、二酸化ケイ素(日本
エアロジル社製、商品名「R972」)を「R972」、二酸化ケイ素(日本エアロジル
社製、商品名「A−380」)を「A380」、二酸化ケイ素(日本エアロジル社製、商
品名「R104」)を「R104」、酸化アルミニウム(日本エアロジル社製、商品名「
アルミナC」)を「Al」、酸化チタン(日本エアロジル社製、商品名「AERO
XIDE TiOP25S」)を「TiO2」、酸化ジルコニウム(日本エアロジル社
製、商品名「Zirconium Oxide PH」)を「ZrO」、ジエチレング
リコールモノブチルエーテルアセテートを「S1」、1,3−ブチレングリコールジアセ
テートを「S2」、2−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエチルアセ
テートを「S3」、イソホロン(CAS78−59−1)を「S4」、ディスパービック
111を「DA1」、ディスパービック166を「DA2」、ヒノアクトT8000Eを
「DA3」で示した。
【0062】
【表1】

【0063】
[カラーフィルター用インクの調製]
(カラーフィルター用インク1)
顔料としてのC.I.ピグメントグリーン58と、分散媒としてのジエチレングリコー
ルモノブチルエーテルアセテートと、分散剤としてのディスパービック111と、熱硬化
性樹脂としての樹脂a1(エポキシ構造を有する熱硬化性樹脂)とを所定の割合で配合し
、カラーフィルター用インク1(インク1)とした。
【0064】
樹脂a1の合成は以下のようにして行った。
まず、四つ口フラスコに、n−ヘキサン:320重量部、メタアクリル酸:86重量部
、トリエチルアミン:111重量部を投入した後、この四つ口フラスコに、温度計、還流
冷却器、撹拌機および窒素ガス導入口を取り付けた。この四つ口フラスコを、氷水で冷却
しつつ、トリメチルクロルシラン:120重量部を滴下した。この際、反応系内の温度が
25℃以下となるようにした。その後、25℃で1時間反応を続けた。次に、トリエチル
アミンの塩酸塩を濾別し、得られたろ液から減圧下でn−ヘキサンを除去した後、減圧蒸
留にて精製し、シリルアセテート構造を有するエチレン性不飽和単量体を得た。
【0065】
次に、温度計、還流冷却器、撹拌機および窒素ガス導入口が取り付けられ、溶媒として
のジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート:100重量部を仕込んだ四つ口
フラスコを用意した。この四つ口フラスコ内のジエチレングリコールモノブチルエーテル
アセテートを攪拌しつつ60℃まで昇温した後、上記エチレン性不飽和単量体:27重量
部と、メタアクリル酸グリシジル:30重量部と、スチレン:38重量部と、2,2′−
アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル):6重量部との混合物を1時間かけて滴
下した。滴下後60℃にて1時間保持した後、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチル
バレロニトリル):0.08重量部を加え、さらに60℃で6時間反応させ、その後、未
反応のモノマーを減圧処理により除去することにより、エポキシ構造とを有するエポキシ
系樹脂としての樹脂a1を得た。
【0066】
(カラーフィルター用インク2〜9)
カラーフィルター用インクの各材料の種類および配合量を表1に示すように変更した以
外は、前記カラーフィルター用インク1と同様にしてカラーフィルター用インク2〜9(
インク2〜インク9)を得た。
【0067】
表2に、製造した各カラーフィルター用インクの組成を示す。なお、表中、C.I.ピ
グメントグリーン58を「PG58」、C.I.ピグメントグリーン36を「PG36」
、C.I.ピグメントレッド254を「PR254」、C.I.ピグメントレッド177
を「PR177」、C.I.ピグメントイエロー150を「PY150」、C.I.ピグ
メントブルー15:6を「PB15:6」、C.I.ピグメントバイオレット23を「P
V23」、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを「S1」、1,3−ブ
チレングリコールジアセテートを「S2」、2−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)
−1−メチルエチルアセテートを「S3」、ディスパービック111を「DA1」、ディ
スパービック166を「DA2」、ヒノアクトT8000Eを「DA3」、樹脂a1を「
a1」で示した。
【0068】
【表2】

【0069】
[液滴吐出装置に用いる洗浄液およびカラーフィルター用インクの選定]
(実施例1〜19)
上記のように製造した各洗浄液および各カラーフィルター用インクのうち、表3に示す
ように洗浄液およびカラーフィルター用インクをそれぞれ選定し、各実施例における洗浄
液およびカラーフィルター用インクとした。
【0070】
(比較例)
上記のように製造した各洗浄液および各カラーフィルター用インクのうち、表3に示す
ように洗浄液およびカラーフィルター用インクをそれぞれ選定し、比較例における洗浄液
およびカラーフィルター用インクとした。
前記各カラーフィルター用インクの25℃における粘度(振動式粘度計を用いて測定さ
れる粘度)は、いずれも、5mPa・s以上11mPa・s以下であった。また、前記の
洗浄液とカラーフィルター用インクの組み合わせでは、いずれも、洗浄液の25℃での表
面張力が、カラーフィルター用インクの25℃での表面張力よりも低いものであった。ま
た、前記各実施例は、いずれも、洗浄液の25℃における粘度が、カラーフィルター用イ
ンクの25℃における粘度よりも低いものであった。
【0071】
[3]液滴吐出の安定性評価(安定吐出性評価)
[3.1]着弾位置精度評価
室温25℃、相対湿度50%、クラス100のクリーンルーム内に設置した図1〜3に
示すようなインクジェット装置100に、前記各実施例および比較例のカラーフィルター
用インクを充填し、ピエゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、インクジェットヘッドの
各ノズルから、200000発(200000滴)の液滴の連続吐出を行い、その後、6
0分間、液滴の吐出を中断した(1シーケンス目)。その後、同様に、液滴の連続吐出、
および、滴々の吐出の中断の操作を繰り返し行った。30シーケンス目の液滴吐出の後、
20時間放置した。その後、前記各実施例の洗浄液にて、インクの流路を洗浄した。洗浄
は、洗浄液貯留槽160から、洗浄液搬送路161を介して、加温手段162によって表
3の温度に加温した洗浄液を搬送路151へ投入し、インクの搬送方向とは反対方向に向
かって、表3で示した速度で洗浄液を流した。洗浄は、100秒間行った。
【0072】
洗浄後、インクジェット装置のインクの流路に同じインクを再び充填した。充填は、イ
ンクの流路内に、カラーフィルター用インクを1.0ml/minの流速で、300秒間
流すことによって行った。その後、引き続きインクジェットヘッドの各ノズルから、30
0000発(300000滴)の液滴の連続吐出を行った。カラーフィルター用インクを
充填した後の、インクジェットヘッドの中央部付近の指定したノズルから吐出された30
0000発の液滴について、着弾した各液滴の中心位置の中心狙い位置からのズレ量dの
平均値を求め、以下の6段階の基準に従い、評価した。この値が小さいほど飛行曲がりの
発生が効果的に防止されていると言える。なお、比較例については、加温手段162を取
り外した液滴吐出装置を用いて洗浄を行った。
【0073】
A:ズレ量dの平均値が0.05μm未満。
B:ズレ量dの平均値が0.05μm以上、0.09μm未満。
C:ズレ量dの平均値が0.09μm以上、0.12μm未満。
D:ズレ量dの平均値が0.12μm以上、0.14μm未満。
E:ズレ量dの平均値が0.14μm以上、0.16μm未満。
F:ズレ量dの平均値が0.16μm以上。
これらの結果を表3に合わせて示す。
【0074】
【表3】

【0075】
表3から明らかなように、本発明の液滴吐出装置では、インクの流路における汚れを容
易に除去することができ、インクの吐出安定性に優れていた。これに対し、比較例では、
満足な結果が得られなかった。
なお、液滴吐出装置を図5に示すものに変更して、上記と同様の評価をしたところ、同
様の結果が得られた。
【符号の説明】
【0076】
1…カラーフィルター用インク(インク) 10…カラーフィルター 11…基板 1
2…着色部 12A…第1の着色部 12B…第2の着色部 12C…第3の着色部 1
3…隔壁(バンク、遮光部) 100…インクジェット装置(液滴吐出装置) 110…
インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド、ヘッド) 111…ヘッド本体 112…振動
板 113…ピエゾ素子 114…本体 115…ノズルプレート 115P…インク吐
出面 116…リザーバ 117…インク室 118…ノズル(突出部) 130…ベー
ス 140…テーブル 150…インク貯留槽 151…インク搬送路 152…コック
153…自己封止弁 160…洗浄液貯留槽 161…洗浄液搬送路 161a…第1
の搬送路 161b…第2の搬送路 162…加温手段(ヒータ) 163…コック 1
70…テーブル位置決め手段 171…第1移動手段 172…モータ 180…ヘッド
位置決め手段 181…第2移動手段 182…リニアモータ 183、184、185
…モータ 190…制御装置 191…駆動回路 200…吸引手段 210…回収タン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴吐出方式によるカラーフィルターの製造に用いられ、顔料粒子が分散媒に分散した
カラーフィルター用インクを吐出する液滴吐出装置であって、
前記インクを貯留するインク貯留槽と、
前記インク貯留槽から送液された前記インクを吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記インク貯留槽から前記液滴吐出ヘッドへ前記インクを送液するためのインク搬送路
と、
液滴吐出装置の洗浄に用いる洗浄液を貯留する洗浄液貯留槽と、
前記洗浄液貯留槽から前記液滴吐出ヘッドへ前記洗浄液を送液するための洗浄液搬送路
と、
前記洗浄液を加温する加温手段とを有することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
前記加温手段は、前記洗浄液貯留槽に設置されている請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記加温手段は、前記洗浄液搬送路に設置されている請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
前記洗浄液搬送路は、第1の搬送路と第2の搬送路とを有し、
前記加温手段は、前記第1の搬送路または前記第2の搬送路のいずれか一方に設置され
ている請求項3に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
液滴吐出方式によるカラーフィルターの製造に用いられ、着色剤と当該着色剤を溶解ま
たは分散する液性媒体とを含むインクを吐出する液滴吐出装置の洗浄方法であって、
前記液滴吐出装置は、前記インクを貯留するインク貯留槽と、
前記インク貯留槽から送液された前記インクを吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記インク貯留槽から前記液滴吐出ヘッドへ前記インクを送液するためのインク搬送路
と、
前記液滴吐出装置の洗浄に用いる洗浄液を貯留する洗浄液貯留槽と、
前記洗浄液貯留槽から前記液滴吐出ヘッドへ前記洗浄液を送液するための洗浄液搬送路
と、
前記洗浄液を加温する加温手段とを有し、
前記加温手段によって加温された前記洗浄液を前記液滴吐出ヘッドに送液することによ
り、前記液滴吐出装置内を洗浄することを特徴とする液滴吐出装置の洗浄方法。
【請求項6】
前記洗浄液は、セラミックス粒子と、前記セラミックス粒子が分散する分散媒とを含む
請求項5に記載の液滴吐出装置の洗浄方法。
【請求項7】
前記セラミックス粒子は、金属酸化物を含む請求項6に記載の液滴吐出装置の洗浄方法

【請求項8】
前記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは酸化チタンである請求
項7に記載の液滴吐出装置の洗浄方法。
【請求項9】
前記セラミックス粒子は、ガラス材料を含む請求項6ないし8のいずれかに記載の液滴
吐出装置の洗浄方法。
【請求項10】
前記セラミックス粒子の平均粒子径は、10nm以上300nm以下である請求項6な
いし9のいずれかに記載の液滴吐出装置の洗浄方法。
【請求項11】
前記洗浄液中における前記セラミックス粒子の含有量は、0.05wt%以上10wt
%以下である請求項6ないし10のいずれかに記載の液滴吐出装置の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−180201(P2011−180201A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41695(P2010−41695)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】