説明

減圧バルブ

【課題】減圧バルブの周辺部品継手部における流体漏水及び、減圧バルブの高圧動作による部品継手部の破損を防止して、減圧バルブが適用される製品群の寿命を延長させて用いることができるようにすること。
【解決手段】本発明は浄水器、温水洗浄機、ボイラー、瞬間温水器等の製品に適用される減圧バルブに関する。このような本発明は、減圧バルブの構造改善を介して先行技術対比必須構造であるダイヤフラムと金属加工のポペットバルブ及び諸般部品の削除が可能にさせて製品に対する生産性及び部品単価を低めて、減圧バルブの周辺部品継手部における流体漏水及び、減圧バルブの高圧動作による部品継手部の破損を防止して、減圧バルブが適用される製品群の寿命をさらに延長させて用いる減圧バルブに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浄水器、温水洗浄機、ボイラー、瞬間温水器等の製品に適用される減圧バルブに係り、さらに詳細には減圧バルブの構造改善を介して減圧バルブの周辺部品継手部における流体(使用水)漏水を防止することはもちろん、減圧バルブの高圧動作による継手部の破損を防止して製品に対する寿命を延長させることができるようにする減圧バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、水道栓から浄水器、温水洗浄機、ボイラー、瞬間温水器のような製品の給水ライン側に供給される水(流体)の圧力は地域や周辺与件によって変わるが、普通0kgf/cm〜15kgf/cmの圧力を有して不規則的に供給される。
【0003】
この時、前記のように流体が給水ラインに一定に供給されないで不規則的な圧力を有して供給されるため、給水ラインから製品内部に供給される流体が部品周辺の継手部に衝撃を与えて長期間使用時製品に対する使用寿命を短縮させることはもちろん、製品内に供給された流体を用いることにも適切でなくなる問題を発生させるしかなかった。
【0004】
このため、浄水器、温水洗浄機、ボイラー、瞬間温水器等の製品には前記の問題を改善するための減圧バルブが適用され、このような減圧バルブは実用新案登録第20―267751号(以下、特許技術文献1と称する)、実用新案登録第20―248701号(以下、特許技術文献2と称する)、そして特許公開公報第10―2005―0004538号(以下、特許技術文献3と称する)に開示された。
【0005】
この時、前記のような特許技術文献1、2、3の減圧バルブ100において、前記先行技術文献1はダイヤフラム式の一般的な減圧バルブ形態で温水洗浄機入水バルブの構成要素を羅列したものである。
【0006】
しかし、前記の特許技術文献1、2は図1、2のように減圧バルブ100を構成するハウジング101の場合、内部にポペット(poppet)102及びダイヤフラム103を挿入して、流体の入出口を含む関係であって、形状が複雑で、組立工程も単純でなくて製造単価上昇等の問題点がある。
【0007】
前記特許技術文献3は図3のようにゴム材質で構成されたダイヤフラム103の伸縮により減圧量を決定することであって、これはダイヤフラム103及びポペットバルブ(poppet valve)102の製造工程を短縮する効果がある反面、前記ダイヤフラム103は過度な一次側の圧力に常に露出していてその耐久性を確保することに難しさがあって、高強度及び高信頼性のゴム材質を用いなければならないのでこれも製造単価の上昇をもたらすしかなかった。
【0008】
すなわち、減圧バルブはポペットの精密寸法により流量と油圧を制御することによってその加工性を高めて、必然的に流体が狭い流路を通過するように構成されなければならないのに、このような構成を達成するための前記の特許技術文献1、2はその構造が複雑になるしかなくて、前記特許技術文献3はスプリング104のような部品をもう一つ追加しなければならない構造的な短所がある。
【0009】
また、前記の特許技術文献1、2、3は加工性及び強度によってポペットバルブが金属物質で加工されたのに、これも製造単価上昇をもたらすしかなかった。
【0010】
さらに、これらの特許技術文献に開示された減圧バルブは不規則的な圧力で供給される流体によって製品に適用される部品周辺の継手部に衝撃を与える時、その衝撃から継手部で流体の漏水が発生する問題を效果的に防止することはできなかった。
【特許文献1】実用新案登録第20―267751号
【特許文献2】実用新案登録第20―248701号
【特許文献3】特許公開公報第10―2005―0004538号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は前記のような従来の問題点を解決するために案出したものであって本発明は、減圧バルブの周辺部品継手部における流体漏水及び、減圧バルブの高圧動作による部品継手部の破損を防止して、減圧バルブが適用される製品群の寿命を延長させて用いることができるようにすることをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的達成のための本発明の減圧バルブは、入水流路と出水流路、そして前記出水流路側に圧力室を用意したバルブ本体と;前記バルブ本体内に構成されて入水流路と出水流路を連結する内部流路を有するが、前記入水流路を通した流体の流入量を調節するように流動するポペットバルブと;前記ポペットバルブの外側周り面に構成されるようにするが、前記ポペットバルブの流動によって伸張または圧縮される圧力/流量制御部材と;前記バルブ本体の外部出水流路側に結合されて、前記出水流路の開閉を制御するように駆動するソレノイドと;前記バルブ本体内の一端に構成されて前記入水流路の開かれることによる前記ポペットバルブの流動範囲を制限する流動制御部材と;を含んで構成することを特徴とする。
【0013】
他の一面によって、前記流動制御部材は圧力室内の出口流路側に用意されるストッパーであることを特徴とする。
【0014】
また他の一面によって、前記入水流路は出水流路の直径と同一にまたは小さく構成することを特徴とする。
【0015】
また他の一面によって、前記出水流路の断面積は内部流路の断面積に対して所定の範囲を越えないように構成することを特徴とする。
【0016】
また他の一面によって、前記圧力室に位置するポペットバルブの一面は圧力伝達に速かに反応するように凹半球状で構成することを特徴とする。
【0017】
また他の一面によって、前記圧力/流量制御部材はポペットバルブの両端周り面に用意されるOリングにより密閉されるスプリング室に位置するように構成することを特徴とする。
【0018】
また他の一面によって、前記圧力/流量制御部材はコイルスプリングであることを特徴とする。
【0019】
また他の一面によって、前記スプリング室は真空状態によるポペットバルブの流動性能低下を防止する真空解除部材をさらに含んで構成することを特徴とする。
【0020】
また他の一面によって、前記真空解除部材はスプリング室に位置するバルブ本体に形成される第1通気ホールであることを特徴とする。
【0021】
また他の一面によって、前記真空解除部材はスプリング室と圧力室を連結するようにポペットバルブの一端に形成される第2通気ホールであることを特徴とする。
【0022】
また他の一面によって、前記入水流路側とスプリング室またはスプリング室と圧力室が相互に連結されて前記スプリング室の真空状態が解除されるように、前記ポペットバルブの一端周り面だけでOリングを結合構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
以上で説明したように浄水器、温水洗浄機、ボイラー、瞬間温水器等の製品に適用される本発明の減圧バルブは先行技術対比必須構造であるダイヤフラムと金属加工のポペットバルブ及び諸般部品の削除が可能にさせて製品に対する生産性及び部品単価を低める利点があって、共に減圧バルブの周辺部品継手部における流体漏水及び、減圧バルブの高圧動作による部品継手部の破損を防止して、減圧バルブが適用される製品群の寿命をさらに延長させて用いる効果を得ることができるものである。
【0024】
本発明は上述した特定の望ましい実施形態に限られなく、請求範囲で請求する本発明の要旨を逸れることがなく該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者ならば誰でも多様な変形実施が可能であることはもちろんであって、そのような変更は請求範囲記載の範囲内にあるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付した図面によって本発明の望ましい実施形態を説明すると次のようである。
【0026】
図4は本発明の実施形態による減圧バルブの構造を見せた断面図であって、図5は本発明の実施形態による減圧バルブをビデ入水バルブに適用した状態の平面概略図を示したものである。
【0027】
図4を参照すると、本発明の一実施形態である減圧バルブはバルブ本体10、ポペットバルブ20、圧力/流量制御部材30、ソレノイド40、そして流動制御部材50を含む。
【0028】
前記バルブ本体10は水道栓の入水連結口10aと連結される入水流路11及び、前記ソレノイド40が連結される出水流路12を有しており、その内部にはポペットバルブ20により用意される圧力室Pが形成される。
【0029】
この時、前記入水流路11は前記ポペットバルブ20の動作性能が向上することができるように前記出水流路12の直径と同一にまたは小さく構成することが望ましい。
【0030】
前記ポペットバルブ20は前記バルブ本体10内に構成されて流体の流入量を調節するためのことであって、前記圧力/流量制御部材30により出水流路12側に移動したり、または前記圧力室Pの圧力により入水流路11側にその流動が行われ、前記入水流路11と出水流路12を連結する内部流路21が構成される。
【0031】
この時、前記ポペットバルブ20の一面すなわち、圧力室Pに位置するポペットバルブ20の一面は前記圧力室Pで発生する圧力伝達に速かに反応することができるように凹半球状を有するように構成することが望ましい。
【0032】
また、前記出水流路12の断面積は内部流路21の断面積に対して所定の範囲、すなわち約1.5倍を越えないように構成することが望ましい。
【0033】
前記圧力/流量制御部材30は前記ポペットバルブ20の流動によって伸張または圧縮されるコイルスプリングであって、前記ポペットバルブ20の外側周り面に構成される。
【0034】
この時、前記コイルスプリングはポペットバルブ20の両端周り面に設けられるOリング31により密閉されたスプリング室S内に位置することが望ましいが、前記スプリング室Sは真空解除部材から真空状態によるポペットバルブ20の流動性能低下を防止するように構成することもできる。
【0035】
すなわち、前記真空解除部材は前記スプリング室Sに位置するバルブ本体10に形成される第1通気ホール61、または前記スプリング室Sと圧力室Pを連結するようにポペットバルブ20の一端に形成される第2通気ホール62のうちいずれか一つを構成したことであって、望ましくは前記第1通気ホール61を構成することが良いし、前記第1通気ホール61は前記Oリング31により両端が密閉されるスプリング室Sを構成する時さらに望ましい実施形態で活用されることである。
【0036】
この時、前記第2通気ホール62の場合には第1通気ホール61を適用時発生することができる漏水の問題を考慮して構成したものである。
【0037】
一方、本発明の他の実施形態で、前記入水流路11側とスプリング室Sまたはスプリング室Sと圧力室Pが相互に連結されて前記スプリング室Sの真空状態が解除されるように、前記ポペットバルブ20の一端周り面だけでOリング31を結合構成することもできるが、これは微細な圧力まで制御しにくくて、したがって本発明の一実施形態では複数のOリング31により密閉構造を有するスプリング室Sに対してだけ説明する。
【0038】
前記ソレノイド40は前記出水流路12の開閉を制御するために駆動するものであって、前記バルブ本体10の外部出水流路12側に結合構成される。
【0039】
前記流動制御部材50は前記入水流路11の開かれることによる前記ポペットバルブ20の流動範囲を制限するストッパーであり、前記バルブ本体10内の一端に構成される。
【0040】
このように構成された本発明の実施形態に対する作用を添付された図4及び図5を参照しながら説明すれば次のようである。
【0041】
まず、ソレノイド40が駆動して出水流路12を開放させれば、水道栓の入水連結口10aに連結されたバルブ本体10の入水流路11を介して、前記バルブ本体10の内部では所定量の流体が流入される。
【0042】
この時、前記入水流路11を先端部が塞いでいたポペットバルブ20は前記流入する流体及び、その周り面に形成された圧力/流量制御部材30であるコイルスプリングの弾性力により出水流路12側に流動するようになる。
【0043】
これにより、前記ポペットバルブ20の先端部が入水流路11から遠くなりながら、前記入水流路11の開放面積は最大限に広くなる。
【0044】
ここで、前記ポペットバルブ20が出水流路12側に移動する時、その流動はバルブ本体10の一端に設けられた流動制御部材50であるストッパーにより停止するようになし、これは入水流路11が過度に開かれて瞬間的に図5のようにビデ機のような製品に過度な圧力が伝えられることを防止するためである。
【0045】
一方、前記入水流路11の開放でバルブ本体10内に流入した流体はポペットバルブ20の内部流路21を介して圧力室Pに到達されると同時に開放された出水流路12を介してビデ機の浄水フィルターと殺菌フィルター内部にその出水が行われる。
【0046】
この時、前記出水流路12を介して出水されない流体は前記圧力室P内の圧力を上昇させて、前記のように上昇した圧力はすぐOリング31により両端が密閉構造を形成するスプリング室S内のコイルスプリングすなわち、圧力/流量制御部材30の弾性力に打ち勝ちながら、前記ポペットバルブ20を入水流路11側に押すようになる。
【0047】
そうすれば、前記ポペットバルブ20の先端部は入水流路11の開放面積を狭めるようになって、これに伴い流体の圧力及び流量は適切に調節することができることである。
【0048】
すなわち、本発明は入水流路11の直径が出水流路12の直径より小さかったり同じであって、前記出水流路12の断面積はポペットバルブ20の内部流路21に対する断面積の1.5倍を越えないように構成される。
【0049】
これにより、前記入水流路11に流体の流入が行われたり、または出水流路12を介して流体の出水が行われながら圧力室Pに所定の圧力が発生する時、前記ポペットバルブ20は入水流路11側または出水流路12側に流動が円滑に行われることはもちろん、前記圧力室P内の圧力損失は発生しないようにすることによって減圧バルブによる流体の圧力及び流量を適切に調節する特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】先行技術1に対する減圧バルブの構造を示す図である。
【図2】先行技術2に対する減圧バルブの構造を示す図である。
【図3】先行技術3に対する減圧バルブの構造を示す図である。
【図4】本発明の実施形態による減圧バルブの構造を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態による減圧バルブをビデ入水バルブに適用した状態の概略平面図である。
【符号の説明】
【0051】
10;バルブ本体
11;入水流路
12;出水流路
20;ポペットバルブ
21;内部流路
30;圧力/流量制御部材
31;Oリング
40;ソレノイド
50;流動制御部材
61;第1通気ホール
62;第2通気ホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入水流路と出水流路、そして前記出水流路側に圧力室を用意したバルブ本体と;
前記バルブ本体内に構成されて入水流路と出水流路を連結する内部流路を有するが、前記入水流路を通した流体の流入量を調節するように流動するポペットバルブと;
前記ポペットバルブの外側周り面に構成されるようにするが、前記ポペットバルブの流動によって伸張または圧縮される圧力/流量制御部材と;
前記バルブ本体の外部出水流路側に結合されて、前記出水流路の開閉を制御するように駆動するソレノイドと;、
前記バルブ本体内の一端に構成されて前記入水流路の開かれることによる前記ポペットバルブの流動範囲を制限する流動制御部材と;を含んで構成することを特徴とする減圧バルブ。
【請求項2】
前記流動制御部材は圧力室内の出口流路側に用意されるストッパーであることを特徴とする、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項3】
前記入水流路は出水流路の直径と同一にまたは小さく構成することを特徴とする、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項4】
前記出水流路の断面積は内部流路の断面積に対して所定の範囲を越えないように構成することを特徴とする、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項5】
前記圧力室に位置するポペットバルブの一面は圧力伝達に速かに反応するように凹半球状で構成することを特徴とする、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項6】
前記圧力/流量制御部材はポペットバルブの両端周り面に用意されるOリングにより密閉されるスプリング室に位置するように構成することを特徴とする、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項7】
前記圧力/流量制御部材はコイルスプリングであることを特徴とする、請求項6に記載の減圧バルブ。
【請求項8】
前記スプリング室は真空状態によるポペットバルブの流動性能低下を防止する真空解除部材をさらに含んで構成することを特徴とする、請求項6に記載の減圧バルブ。
【請求項9】
前記真空解除部材はスプリング室に位置するバルブ本体に形成される第1通気ホールであることを特徴とする、請求項8に記載の減圧バルブ。
【請求項10】
前記真空解除部材はスプリング室と圧力室を連結するようにポペットバルブの一端に形成される第2通気ホールであることを特徴とする、請求項8に記載の減圧バルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−218424(P2007−218424A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−281879(P2006−281879)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(505026848)株式会社ノビタ (13)
【Fターム(参考)】