説明

減圧弁

【課題】弁機構の弁体に連結されるダイヤフラムの一面を臨ませる圧力作用室の容積を減少させる側にダイヤフラムを付勢するばね力を発揮するダイヤフラムばねが、ばね荷重を調整可能としてダイヤフラムカバーおよびダイヤフラム間に設けられる減圧弁において、ダイヤフラムばねのばね荷重を減圧弁の外方から容易には変更できないようにする。
【解決手段】ダイヤフラム16の中央部に結合されるダイヤフラムロッド68に、係合凹部85を有する調整ねじ86が嵌合、支持され、調整ねじ86の回転軸線と同軸の軸線まわりの回転を不能としつつ軸線方向の移動を可能としてばね室82に収容されるばね受け部材87に調整ねじ86が螺合され、コイルばねであるダイヤフラムばね83をばね受け部材87との間に縮設せしめたダイヤフラムカバー22に、キャップ89で閉じられる工具挿入孔88が係合凹部85に対向して設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁機構の弁体に連結されるダイヤフラムと、前記弁機構の弁座よりも下流側の流体圧力を前記ダイヤフラムの一面に作用せしめる圧力作用室を前記ダイヤフラムの一面との間に形成する圧力作用室形成部材と、前記ダイヤフラムの周縁部を前記圧力作用室形成部材との間に挟んで前記圧力作用室形成部材に固定されるとともに前記ダイヤフラムの他面との間にばね室を形成するダイヤフラムカバーと、前記圧力作用室の容積を減少させる側に前記ダイヤフラムを付勢するばね力を発揮して前記ダイヤフラムカバーおよび前記ダイヤフラム間に設けられるダイヤフラムばねとを備え、該ダイヤフラムばねのばね荷重を調整可能とした減圧弁に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイヤフラムカバーおよびダイヤフラム間に形成されるばね室内に、ダイヤフラム側の第1のばね受け部材と、ダイヤフラムから離隔した位置に配置される第2のばね受け部材と、第1および第2のばね受け部材間に縮設されるコイルばねであるダイヤフラムばねとが収容され、第2のばね受け部材にダイヤフラムばねとは反対側から当接して第2のばね受け部材の位置を定める調整ねじが、ダイヤフラムカバーの外方からの回転操作によって進退作動するようにしたダイヤフラムカバーに螺合されるようにした減圧弁が、特許文献1で既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−130560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、減圧弁の出荷時には減圧後の圧力が一定の圧力範囲となるように調整ねじによってダイヤフラムばねのばね荷重が調整されているのであるが、上記特許文献1で開示された構造では、調整ねじをダイヤフラムカバーの外方から回転操作可能となっているので、エンドユーザーによって調整ねじが不所望に回転操作され、減圧後の圧力として所望に圧力が得られなくなる可能性がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ダイヤフラムばねのばね荷重を減圧弁の外方から容易には変更できないようにした減圧弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、弁機構の弁体に連結されるダイヤフラムと、前記弁機構の弁座よりも下流側の流体圧力を前記ダイヤフラムの一面に作用せしめる圧力作用室を前記ダイヤフラムの一面との間に形成する圧力作用室形成部材と、前記ダイヤフラムの周縁部を前記圧力作用室形成部材との間に挟んで前記圧力作用室形成部材に固定されるとともに前記ダイヤフラムの他面との間にばね室を形成するダイヤフラムカバーと、前記圧力作用室の容積を減少させる側に前記ダイヤフラムを付勢するばね力を発揮して前記ダイヤフラムカバーおよび前記ダイヤフラム間に設けられるダイヤフラムばねとを備え、該ダイヤフラムばねのばね荷重を調整可能とした減圧弁において、前記弁体に連なるダイヤフラムロッドが前記ダイヤフラムの中央部を貫通して該ダイヤフラムに結合され、外周面に雄ねじが刻設されるとともに前記ダイヤフラムロッドとは反対側の端面に係合凹部が設けられる調整ねじが、軸線まわりの回転を可能として前記ばね室内で前記ダイヤフラムロッドに嵌合、支持され、前記調整ねじの回転軸線と同軸の軸線まわりの回転を不能として前記ダイヤフラムカバーの内周に係合するものの前記軸線方向の移動を可能として前記ばね室に収容されるばね受け部材の内周に前記調整ねじの外周の雄ねじが螺合され、前記ばね受け部材および前記ダイヤフラムカバー間にコイルばねである前記ダイヤフラムばねが縮設され、前記調整ねじの前記係合凹部が設けられる端面に対向した位置で前記ダイヤフラムカバーに工具挿入孔が設けられ、該工具挿入孔を閉じるキャップが前記ダイヤフラムカバーに取付けられることを特徴とする。
【0007】
なお実施の形態のガス通路用カバー部材18が本発明の圧力作用室形成部材に対応する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の上記特徴によれば、工具挿入孔からばね室内に挿入した工具を調整ねじの係合凹部に係合して回転操作すると、ばね受け部材が、調整ねじの軸線に沿う方向に移動してダイヤフラムばねが伸縮することでダイヤフラムばねのばね荷重が調整されることになるが、調整ねじはばね室内に収容されており、工具挿入孔はキャップで塞がれるので、調整ねじは外観上見えることはなく、エンドユーザーによって調整ねじが不所望に操作されてしまう可能性が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】LPG燃料用減圧弁の縦断面図である。
【図2】LPG燃料用減圧弁の図1とは切断面を異ならせた縦断面図である。
【図3】LPG燃料用減圧弁の斜視図である。
【図4】図1の4矢示部拡大図である。
【図5】PTCヒータユニットの斜視図である。
【図6】内側ケースへのPTC保持部材およびPTC素子の組付け過程を順次示す斜視図である。
【図7】通電部側集合体の組付け過程を順次示す図である。
【図8】図1の8矢示部拡大図である。
【図9】図2の9−9線拡大断面図である。
【図10】ボディからガス通路用カバー部材を取り外した状態での斜視図である。
【図11】ボディから加熱流体通路カバー部材取り外した状態での斜視図である。
【図12】低圧ガス通路内の複数の通路室の配列および連通状態を模式的に示す斜視図である。
【図13】低圧ガス通路内の複数の通路室の配列および連通状態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図13を参照しながら説明すると、先ず図1および図2において、このLPG燃料用減圧弁は、LPG燃料を減圧してエンジン(図示せず)に供給するためのものであり、弁機構15と、該弁機構15を開閉駆動するためのダイヤフラム16とを備える。
【0011】
図3を併せて参照して、弁機構15の弁ハウジング21は、ボディ17と、該ボディ17の一面に締結されるガス通路用カバー部材18と、前記ボディ17の他面に締結される加熱流体通路用カバー部材19と、前記ボディ17に螺合される弁座部材20(図1および図2参照)とで構成され、前記ダイヤフラム16の周縁部を前記ガス通路用カバー部材18との間に挟持するダイヤフラムカバー22と、前記ボディ17、ガス通路用カバー部材18および加熱流体通路用カバー部材19とは複数ずつのボルト23…およびナット24…で共締めされる。
【0012】
前記弁機構15は、ボディ17に収容されるものであり、高圧ガス通路25に通じる弁室26に臨むとともに弁孔27を中央部に開口させた弁座28に着座可能な弁体29と、弁座28よりも下流側のガス圧力に応じて作動するダイヤフラム16に連結されて弁体29に連なる弁軸30とを有する。
【0013】
前記ボディ17には、該ボディ17の中央部に配置される円筒部17aが設けられ、該円筒部17aには、一端をボディ17の一面側に開放するとともに他端を端壁32で閉じた有底の取付け孔31が、端壁32側に向かうにつれて段階的に小径となる段付き形状で設けられる。
【0014】
前記弁座部材20は、半径方向内方に張り出す鍔部20aを一端に有して円筒状に形成されており、前記鍔部20aの中央に、弁孔27を中央部に開口させた環状の弁座28が形成される。この弁座部材20は、ボディ17に螺合することで前記取付け孔31の軸方向中間部に挿入、固定され、弁座部材20の外周には前記取付け孔31の軸方向中間部内面に弾発的に接触する環状の第1シール部材33が装着される。
【0015】
また前記取付け孔31の他端を閉じる前記端壁32には、一端を前記弁座部材20の軸方向中間部に対応する位置に配置して前記円筒部17a内の中央部に配置される中央円筒部17bの他端が一体に連設されており、この中央円筒部17bの内径よりも小径である有底のガイド孔34が、中央円筒部17bに同軸に連なるようにして前記端壁32に設けられる。
【0016】
前記中央円筒部17bには、半径方向外方に張り出す鍔部29aを一端に有する弁体29が摺動可能に嵌合され、該弁体29の外周に摺接する環状の第2シール部材35が前記中央円筒部17bの一端寄り内面に装着され、第2シール部材35の中央円筒部17bからの離脱を阻止する環状のリテーナ36が中央円筒部17bの開口端に嵌合、固定され、鍔部29aが前記リテーナ36に当接することで弁体29の弁座28から離反する側への移動端が規制される。
【0017】
ところで前記弁体29は、ダイヤフラム16によって軸方向に駆動されるのであるが、ダイヤフラム16の作動に対する弁体29の追従性を高めるために、前記中央円筒部17b内で前記端壁32および前記弁体29間には、前記鍔部29aを前記弁座28に近接させる側に前記弁体29を付勢するコイル状のばね37が縮設され、このばね37のセット荷重は、弁体29をダイヤフラム16に追従させるだけのごく小さな値に設定される。また前記鍔部29aには、前記弁座28に着座し得る環状の第3シール部材38が装着される。
【0018】
前記弁体29には、該弁体29を同軸に貫通する弁軸30の中間部が結合されており、この弁軸30の一端側は前記弁孔27を緩く貫通して前記ダイヤフラム16に連結され、弁軸30の他端部は前記ガイド孔34に摺動可能に嵌合される。
【0019】
而して前記円筒部17aの中間部に気密に挿入、固定される弁座部材20と、前記端壁32との間で前記中央円筒部17bの周囲に弁室26が形成される。一方、ボディ17には、該ボディ17の側面に開口する入口側接続孔40と、該入口側接続孔40の内端に一端を開口するとともに他端を前記弁室26に通じさせる高圧ガス通路25とが設けられる。
【0020】
図4および図5を併せて参照して、前記入口側接続孔40に対応する位置で前記ボディ17の側面には、PTCヒータユニット41が付設される。
【0021】
PTCヒータユニット41は、前記ボディ17の側面に締結される金属製の内側ケース42と、該内側ケース42の外周に配置される複数個たとえば6個のPTC素子43,43…と、通電部材44および筒状の外側ケース45を有するとともに前記PTC素子43,43…を内側ケース42との間に挟んで内側ケース42を覆う通電部側集合体48とから成る。
【0022】
図6を併せて参照して、前記内側ケース42は、前記ボディ17の入口側接続孔40の内周に面一に連なる内周面を有するベース筒部42aと、該ベース筒部42aの一端から半径方向内方に張り出す内向き鍔部42bと、内向き鍔部42bの内周に連なって軸方向外方に突出する接続筒部42cと、前記ベース筒部42aの他端から半径方向外側方に張り出すフランジ部42dとを一体に有し、前記フランジ部42dがボディ17の側面との間に環状の第4シール部材49を介在させるようにして複数のボルト50…で前記ボディ17に締結され、前記ベース筒部42aは,着脱可能として前記ボディ17に直接接続されることになる。
【0023】
前記ベース筒部42aの外周面は、平板状であるPTC素子43,43…を当接、支持するための平坦な複数個たとえば6個の支持面51,51…を形成するようにして多角形状たとえば六角形状に形成されるものであり、ベース筒部42aの外周面に配置される複数の前記PTC素子43,43…もベース筒部42aの軸線に沿う方向から見て多角形状に配置されることになる。
【0024】
また前記支持面51,51…は、前記ベース筒部42aの軸方向一端側に向かうにつれてベース筒部42aの中心に近づくように傾斜した傾斜面として形成される。すなわち図4で示すように、前記ベース筒部42aの軸方向一端側での前記支持面51からベース筒部42aの中心軸線までの距離L1がベース筒部42aの軸方向他端側での前記支持面51からベース筒部42aの中心軸線までの距離L2よりも小さく(L1<L2)なるように設定される。
【0025】
前記フランジ部42dには、図6(a),(b),(c)で示すように、合成樹脂から成る環状のPTC保持部材52がベース筒部42aの軸方向一端側から当接されるものであり、前記ベース筒部42aの外周面の前記各支持面51,51…に配置される前記PTC素子43,43…の前記フランジ部42d側の端部は、図6(c)で示すように、前記PTC保持部材52に当接される。
【0026】
しかも前記ベース筒部42aの外周面の前記各PTC素子43,43…を配置する部分ならびに前記PTC保持部材52の内周は相互に対応した多角形状たとえば六角形状に形成されており、その多角形の各角部に対応した位置に配置されて前記フランジ部42dと反対側に突出する複数の突部52a,52a…が前記PTC保持部材52に突設され、それらの突部52a,52a…は、ベース筒部42aの外周面に配置される複数のPTC素子43,43…相互間に配置される。
【0027】
図7(a)で示すように、前記通電部材44は、前記ベース筒部42aの外周面に配置される複数のPTC素子43,43…に個別にかつ弾発的に接触する複数の電極部44a,44a…と、それらの電極部44a,44a…を共通に接続せしめる環状の集合部44bと、該集合部44bに一端が接続される端子部44cから成り、前記各電極部44a,44a…間の中央部で前記集合部44bには、外側方に突出する位置決め突部44d,44d…が突設される。
【0028】
また合成樹脂製の前記外側ケース45は、複数の前記電極部44a,44a…を内周面で保持するようにして筒状に形成されており、この外側ケース45の一端には前記通電部材44の周方向位置を定めるべく前記位置決め突部44d,44d…を嵌合せしめる複数の位置決め用切欠き53,53…が設けられ、外側ケース45の他端の周方向に等間隔をあけた2箇所から側方に張り出す一対の取付け突部45a,45aが、前記内側ケース42のフランジ部42dにボルト54,54によりそれぞれ取付けられる。
【0029】
ところで、前記外側ケース45の内側に配置される複数の前記電極部44a,44a…に共通に連なる前記集合部44bが前記外側ケース45の軸方向一端側に配置されるとともに前記端子部44cの一部が前記外側ケース45の外側に位置するように前記通電部材44が配置された状態で、前記外側ケース45の一端側が合成樹脂から成るモールド部47で覆われることによって、少なくとも前記通電部材44、前記外側ケース45および前記モールド部47から成る通電部側集合体48が構成される。
【0030】
而して前記外側ケース45の軸方向一端部には、図7(b),(c)で示すように、前記通電部材44の前記集合部44bを前記外側ケース45の一端との間に挟み込む通電部材保持リング46が嵌合され、前記モールド部47は、前記通電部材保持リング46を覆って形成される。すなわち通電部側集合体48は、前記通電部材44、前記外側ケース45、前記通電部材保持リング46および前記モールド部47から成ることになる。しかも前記モールド部47には、前記端子部44cの一部をコネクタ端子55として配置するコネクタ部47aが一体に形成される。
【0031】
前記通電部側集合体48には、前記PTC素子43,43…を外周面に配置した状態にある内側ケース42の前記ベース筒部42aが、その軸方向一端側から嵌合されるものであり、内側ケース42の両端外周部と、通電部側集合体48の両端との間には、環状の第5および第6シール部材56,57が介装される。
【0032】
前記内側ケース42の一端の接続ケースには、LPG燃料を導く管路部材58が、たとえばねじ込みによってベース筒部42aと同軸にかつ気密に取付けられるものであり、前記管路部材58および前記高圧ガス通路25間を結ぶ加熱用ガス通路59の少なくとも一部を構成する隙間通路60…が、前記ベース筒部42aの内周面と、該ベース筒部42a内に挿入される挿入筒61の外周面との間に形成される。
【0033】
前記挿入筒61は、一端を開放するとともに他端を閉じた有底円筒状に形成されており、ボディ17と反対側を開放するようにして前記ベース筒部42a内に挿入される。しかも挿入筒61の両端には、前記ベース筒部42a内での挿入筒61の軸方向位置を定めるための突部61a…,61bが突設されており、一方の突部61a…は、前記内側ケース42の内向き鍔部42bに当接するようにして挿入筒61の一端の複数箇所に突設され、他方の突部61bは、入口側接続孔40の内端を形成するようにして前記ボディ17に形成される端壁40aに当接するようにして挿入筒61の他端に突設される。
【0034】
しかも前記ベース筒部42aの内周面および前記挿入筒61の外周面の一方、この実施の形態では挿入筒61の外周面に、前記ベース筒部42aの内周面および前記内筒部の外周面の他方、この実施の形態では前記ベース筒部42aの内周面に先端を当接させる複数のリブ62…が周方向に間隔をあけて突設され、それらのリブ62…相互間に前記隙間通路60…がそれぞれ形成される。
【0035】
また前記ベース筒部42aの内周面および前記挿入筒61の外周面が、それらの軸方向一方側に向かうにつれて小径となるテーパ状に形成され、前記挿入筒61はその軸方向一端側から前記ベース筒部42a内に挿入される。
【0036】
而して前記ボディ17および前記挿入筒61間には、ボディ17の高圧ガス通路25に通じる通路部63が前記加熱ガス通路59の一部となるようにして形成されるものであり、前記隙間通路60…は該通路部63を介して前記高圧ガス通路25に通じることになる。
【0037】
ところで前記管路部材58は、前記挿入筒61の内径よりも小さな外径を有して前記挿入筒61内に同軸に挿入される突入管路部58aを一体に備えており、この突入管路部58aの内端部に、金属製のフィルタ64が、たとえば突入管路部58aの内端部内周にフィルタ64の外周部を圧入するようにして、嵌合、固定される。
【0038】
再び図1および図2に注目して、ガス通路用カバー部材18は、ボディ17における円筒部17aの一端部を嵌合せしめるようにしてボディ17の外周部に締結されており、前記円筒部17aの内側で前記ボディ17および前記ガス通路用カバー部材18間には、前記弁孔27に通じる減圧室66が形成される。またガス通路用カバー部材18の中央部には、前記弁孔27と同軸にして減圧室66側に延びる案内筒部18aが一体に設けられる。
【0039】
前記案内筒部18aには、前記ダイヤフラム16の中央部に結合されるダイヤフラムロッド68が摺動可能に嵌合され、ダイヤフラムロッド68の外周には案内筒部18aの内周に摺接する環状の第7シール部材67が装着され、このダイヤフラムロッド68に弁軸30の一端が連結される。
【0040】
図8を併せて参照して、前記ダイヤフラムロッド68は、該ダイヤフラムロッド68とは別体である第1リテーナ69を前記ダイヤフラム16の一面中央部との間に挟むものであり、このダイヤフラムロッド68に同軸に設けられる軸部68aが、前記ダイヤフラム16ならびに該ダイヤフラム16の他面中央部に当接する第2リテーナ70を貫通し、前記軸部68aをかしめて第2リテーナ70に係合することで、ダイヤフラムロッド68が前記ダイヤフラム16の中央部との間に第1および第2リテーナ69,70を挟むようにしてダイヤフラム16の中央部に結合されることになり、前記ダイヤフラム16、第1リテーナ69、第2リテーナ70および前記ダイヤフラムロッド68を少なくとも含むダイヤフラム集合体71が、前記ダイヤフラムロッド68に前記弁軸30を連結する前に予め組み立てられる。
【0041】
前記ダイヤフラムロッド68には、前記弁機構15側に臨む端壁72aを閉塞端に有する挿入凹部72が前記弁機構15側に開放するようにして同軸に設けられ、前記弁軸30の一端部よりも大径の外周を有するとともに前記弁機構15側に開放した有底の連結凹部73を有する笠部材74が前記挿入凹部72に緩く嵌合される。また前記挿入凹部72の開口端内周には、無端状に連なってリング状に形成される環状の保持プレート75がかしめもしくは圧入(この実施の形態ではかしめ)によって固定され、前記笠部材74は前記保持プレート75と前記挿入凹部72の端壁72aとの間に保持される。
【0042】
また前記連結凹部73に嵌合される前記弁軸30の一端部外周ならびに前記連結凹部73の内周には、相互に対応した環状の係合溝76,77が設けられ、前記弁軸30の半径方向に沿う拡縮を可能とした係合リング78が前記両係合溝76,77に係合される。
【0043】
しかも弁軸30を前記ダイヤフラムロッド68に連結するにあたっては、予め組み立てられたダイヤフラム集合体71のダイヤフラムロッド68に弁軸30を連結するものであり、その際、笠部材74を前記ダイヤフラムロッド68の前記挿入凹部72内に前記保持プレート75で挿入、固定した後に、該笠部材74に前記係合リング78を用いて前記弁軸30を連結する。また前記連結凹部73の開口端には、前記弁軸30の端部を嵌入する際のガイド面73aが内方に向かうにつれて小径となるテーパ面として形成される。
【0044】
ところで前記ガス通路用カバー部材18およびダイヤフラム16の一面間には圧力作用室80が形成され、ダイヤフラム16の他面およびダイヤフラムカバー22間にはばね室82が形成されるものであり、前記ダイヤフラム16は前記圧力作用室80の容積を減少させる側にコイル状のダイヤフラムばね83で付勢されるのであるが、ダイヤフラムばね83のばね荷重は調整可能である。
【0045】
前記弁体29に弁軸30を介して連なるとともにダイヤフラム16の中央部に結合されるダイヤフラムロッド68が備える軸部68aには、外周面に雄ねじ84が刻設されるとともに前記ダイヤフラムロッド68とは反対側の端面に係合凹部85が設けられる調整ねじ86が、前記ばね室82内で軸線まわりの回転を可能として嵌合、支持され、前記調整ねじ86の回転軸線と同軸の軸線まわりの回転を不能として前記ダイヤフラムカバー22の内周に係合するものの前記軸線方向の移動を可能として前記ばね室82に収容されるばね受け部材87の内周に前記調整ねじ86の外周の雄ねじ84が螺合される。
【0046】
前記ダイヤフラムカバー22は、横断面形状を図9で示すように非円形とした筒部22aを有するとともに一端を端壁22bで閉じた帽状に形成されており、前記ばね受け部材87は、前記筒部22aの軸線に沿う方向の移動を可能としつつ軸線まわりの回転を不能として前記筒部22aの内周に係合される。
【0047】
前記ばね受け部材87および前記ダイヤフラムカバー22の前記端壁22b間にコイルばねである前記ダイヤフラムばね83が縮設され、前記調整ねじ86の前記係合凹部85が設けられる端面に対向した位置で前記ダイヤフラムカバー22の前記端壁22bに工具挿入孔88が設けられ、該工具挿入孔88を閉じるキャップ89が前記ダイヤフラムカバー22の前記端壁22bに取付けられる。
【0048】
また前記ダイヤフラムカバー22には、ばね室82内に通じる負圧導入管91が設けられており、この負圧導入管91には、エンジンの吸気負圧を導く管路(図示せず)が接続される。
【0049】
図10を併せて参照して、前記ボディ17には、該ボディ17に一体に設けられた前記円筒部17aを囲む円形のガス通路用溝92がボディ17の一面に開口するようにして設けられ、このガス通路用溝92を覆うようにしてボディ17の一面に取付けられるガス通路用カバー部材18と、前記ガス通路用溝92とで低圧ガス通路93が構成され、該低圧ガス通路93よりも外方でボディ17およびガス通路用カバー部材18間には、環状の第8シール部材94が介装される。
【0050】
しかも前記円筒部17aの周方向一箇所には、該円筒部17a内に形成される減圧室66を前記低圧ガス通路93に連通せしめるようにした開口部95が円筒部17aの一部を切欠くようにして設けられ、その開口部95の一側で円筒部17aに一端部を連ならせて接線方向に延びる延長壁部96が、その他端部をボディ17の外周部に接続するようにしてボディ17に一体に設けられる。一方、前記ガス通路用カバー部材18に、前記円筒部17aおよび前記延長壁部96の一端を嵌合せしめる嵌合溝97を形成する突部98が、相互に連なった前記円筒部17aおよび前記延長壁部96の形状に対応した形状を有するように突設される。
【0051】
前記減圧室66から前記低圧ガス通路93に流出したLPG燃料は、前記円筒部17aの周囲をほぼ一周するように低圧ガス通路93内を流通するものであり、低圧ガス通路93の始点PSが、前記開口部95が配置される側である前記延長壁部96の一側に設定され、低圧ガス通路93の終点PEが前記延長壁部96の他側に設定される。
【0052】
しかも前記ガス通路用カバー部材18には、前記低圧ガス通路93の終点PEに通じるガス出口管99が設けられる。また前記ガス通路用カバー部材18には、前記終点PE付近で低圧ガス通路93内に突入されるリリーフ弁100が設けられており、このリリーフ弁100は、前記低圧ガス通路93内に通じる弁孔101を先端閉塞部に有して有底円筒状に形成されて低圧ガス通路93内に突入するようにして前記ガス通路用カバー部材18に一体に設けられる弁ハウジング102と、前記弁孔101を閉じ得るシール部103を先端に有して前記弁ハウジング102に摺動可能に嵌合される弁体104と、接続管部105aを一致に有して前記弁ハウジング102の開口端に圧入等で嵌合、固定される蓋部材105と、該蓋部材105および前記弁体104間に縮設されるばね106とで構成され、前記弁体104は、前記弁孔101を開放した状態では弁孔101から放出されるLPG燃料を前記接続管部105a側に流通させ得るように形成される。
【0053】
また前記低圧ガス通路93内の圧力を、前記ダイヤフラム16の一面が臨む圧力作用室80に作用せしめるための連通路108を形成するようにして前記低圧ガス通路93内に突入する筒部109が、たとえば前記終点PE付近の低圧ガス通路93に通じるようにして前記ガス通路用カバー部材18に一体に設けられる。
【0054】
図11を併せて参照して、前記弁ハウジング21には、前記低圧ガス通路93の外側で熱源となるエンジン冷却水を流通させる加熱流体通路110が形成されるものであり、前記ボディ17の前記低圧ガス通路93とは反対側の他面には加熱流体通路用溝111が設けられ、前記加熱流体通路用溝111を覆って前記ボディ17の他面に取付けられる加熱流体通路用カバー部材19と、前記加熱流体通路用溝111とで加熱流体通路110が形成される。
【0055】
前記ボディ17の他面側には、前記ガス通路用溝92よりも直径を大きくした凹部112が設けられており、ボディ17には、前記ガス通路用溝92の外周に略対応した位置で円弧状に形成されて前記凹部112内に配置される外側円弧壁113と、前記ガス通路用溝92の内周に略対応した位置で円弧状に形成されて前記凹部112内に配置される内側円弧壁114とが一体に設けられており、外側円弧壁113の一端113aよりも周方向一方にずれた位置に内側円弧壁114の一端114aが配置され、外側円弧壁113の他端113bよりも周方向一方にずれた位置に内側円弧壁114の他端が114b配置される。
【0056】
しかも外側円弧壁113の一端113aには、前記内側円弧壁114の一端114aの周方向他側に配置されるようにして前記凹部112の半径方向に延びる第1半径方向壁115の外端が直角に連設され、この第1半径方向壁115の内端は、前記取付け孔31の他端を閉じる前記端壁32に連設される。また内側円弧壁114の他端114bには、前記外側円弧壁113の他端113bの周方向一側に配置されるようにして第1半径方向壁115と平行に延びる第2半径方向壁116の内端が直角に連設され、第2半径方向壁116の外端は前記凹部112の外周でボディ17に直角に連設される。さらに前記外側円弧壁113の中間部外周および凹部112の外周間を直角に結ぶ隔壁117がボディ17に設けられる。
【0057】
而して前記加熱流体通路用溝111は、前記凹部112、前記外側円弧壁113、内側円弧壁114、第1半径方向壁115、第2半径方向壁116および隔壁117によって形成されるものであり、この加熱流体通路用溝111および加熱流体通路用カバー部材19間に形成される加熱流体通路110は、前記隔壁117の一側で該加熱流体通路110に流入したエンジン冷却水を外側円弧壁113の外周に沿って第2半径方向壁116まで流通させる通路部と、第1および第2半径方向壁115,116でガイドされて内側円弧壁114の内方までエンジン冷却水を流通させる通路部と、内側円弧壁114および外側円弧壁113間を第2半径方向壁116までエンジン冷却水を流通させる通路部と、外側円弧壁113の外周に沿って前記隔壁117の他側まで流通させる通路部とから成る。
【0058】
前記ボディ17の側部には、前記加熱流体通路110にエンジン冷却水を導入するようにして前記隔壁117の一側で前記加熱流体通路110に通じる冷却水入口管118と、前記加熱流体通路110からエンジン冷却水を導出するようにして前記隔壁117の他側で前記加熱流体通路110に通じる冷却水出口管119とが液密に嵌合されており、冷却水入口管118および冷却水出口管119のボディ17への嵌合状態を共通に保持する嵌合保持板120がボルト121でボディ17に締結される。また前記加熱流体通路110の外側で前記ボディ17および加熱流体通路用カバー部材19間に環状の第9シール部材122が介装される。
【0059】
減圧弁の弁ハウジング21には、前記低圧ガス通路93の始点PSから終点PEに向けての前記LPG燃料の基準流通方向124に沿って円弧状に延びる単一の通路長手方向突出壁125と、前記基準流通方向124と直交して前記低圧ガス通路93の幅方向に延びる複数の通路幅方向突出壁126…とが、低圧ガス通路93内に突入するようにして設けられる。
【0060】
図12および図13を併せて参照して、前記低圧ガス通路93内には、複数の通路室127…と、それらの通路室127…を前記LPG燃料が順次流通するようにして相互に隣接する通路室127…間を連通する複数の第1および第2連通路128…,129…とが、前記弁ハウジング21のボディ17およびガス通路用カバー部材18、前記通路長手方向突出壁125および前記通路幅方向突出壁126…の協働により形成され、第1および第2連通路128…,129…は、複数の前記通路室127…を順次ジグザグに経由して前記低圧ガス通路93の始点PSから終点PEに至るまで前記LPG燃料を流通させるように配置される。
【0061】
第1連通路128…は、前記通路長手方向突出壁125を相互間に挟んで隣接する通路室127,127間を結ぶものであり、第2連通路129…は前記通路幅方向突出壁126を相互間に挟んで隣接する通路室127,127間を結ぶものであるが、第1および第2連通路128…,129…は、前記通路長手方向突出壁125の突出方向で相互に反対側に配置される。
【0062】
ところで、低圧ガス通路93は、ボディ17に設けられるガス通路用溝92と、該ガス通路用溝92を覆う前記ガス通路用カバー部材18とで構成されるものであり、ガス通路用溝92の底壁92aおよびガス通路用カバー部材18に、前記通路長手方向突出壁125および前記通路幅方向突出壁126…のいずれかがそれぞれ突設されるものであり、しかも前記ガス通路用溝92の底壁92aおよび前記ガス通路用カバー部材18の一方に前記通路長手方向突出壁125および前記通路幅方向突出壁126…の一方が突設され、前記ガス通路用溝92の底壁92aおよび前記ガス通路用カバー部材18の他方に前記通路長手方向突出壁125および前記通路幅方向突出壁126…の他方が突設される。
【0063】
而してこの実施の形態では、ガス通路用溝92の底壁92aおよび前記ガス通路用カバー部材18の一方であるガス通路用溝92の底壁92aに前記通路長手方向突出壁125が突設され、前記ガス通路用溝92の底壁92aおよび前記ガス通路用カバー部材19の他方である前記低圧ガス通路用カバー部材1に、前記通路長手方向突出壁125を跨ぐように形成される前記通路幅方向突出壁126…が突設される。
【0064】
前記通路長手方向突出壁125の先端と、前記ガス通路用カバー部材18との間に第1連通路128…が形成され、前記通路幅方向突出壁126…の先端に、前記ガス通路用溝92の底壁92aとの間に第2連通路129…を形成するための切欠き130…が設けられる。すなわち前記通路長手方向突出壁125は、第2連通路129…が配置される側でガス通路溝92の底壁92aに突設されることになる。
【0065】
ところで前記基準流通方向124での各通路室127…の長さは、前記低圧ガス通路93の幅方向での各通路室127…の幅よりも大きく設定されており、前記エンジン冷却水を流通させる加熱流体通路110が、前記通路長手方向突出壁125の突出方向で前記低圧ガス通路93に臨む一対のガス通路壁であるガス通路用カバー部材18およびガス通路溝9の底壁92aのうち第2連通路129…側のガス通路壁である前記底壁92aを前記低圧ガス通路93との間に挟む位置に配置される。
【0066】
また前記通路長手方向突出壁125および前記通路幅方向突出壁126…の少なくとも一方内には熱源となるエンジン冷却水が導かれるものであり、この実施の形態では、ボディ17に突設される突出壁、すなわちガス通路溝92の底壁92aに突設される前記通路長手方向突出壁125が、その内部にエンジン冷却水を導入するようにして加熱流体通路110側に開放した中空状に形成される。
【0067】
また前記低圧ガス通路93の一側面を形成するガス通路壁であるガス通路用カバー部材18から突設される前記通路幅方向突出壁126…と、前記通路長手方向突出壁125との間、ならびに前記通路幅方向突出壁126…と、前記低圧ガス通路93の側面のうち前記ガス通路用カバー部材18を除く側面との間には、微小間隙131…が形成される。
【0068】
而して上述のように低圧ガス通路93内に、通路長手方向突出壁125と、通路幅方向突出壁126…とが突入され、ボディ17およびガス通路用カバー部材18、前記通路長手方向突出壁125および前記通路幅方向突出壁126…の協働によって、複数の通路室127…と、それらの通路室127…間を連通する複数の第1および第2連通路128…,129…とが低圧ガス通路93内に形成されることにより、LPG燃料は、図12および図13の白抜き矢印で示すように、低圧ガス通路93の幅方向に沿う流れと、低圧低圧ガス通路93の幅方向に直交する方向の流れとが組み合わされて成る三次元的な流通経路を経るようにして低圧ガス通路93内をジグザグに流通することになる。
【0069】
ところで弁機構15において、ボディ17の小径円筒部17b内において、前記端壁32および弁体29間には、該弁体29の背面を臨ませる背圧室132が形成されており、この背圧室132を前記低圧ガス通路93に連通させるための連通孔133が、前記低圧ガス通路93を貫通するようにして前記ボディ17に設けられ、この連通孔133の外端開口部は蓋部材134で気密に閉じられる。しかも前記連通孔133は前記通路長手方向突出壁125をも貫通するものであり、通路長手方向突出壁125はその内部にエンジン冷却水を導入するようにして基本的には中空状に形成されるのであるが、通路長手方向突出壁125の前記連通孔133が設けられる部分だけは中実に形成される。
【0070】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、LPG燃料用減圧弁が備える弁ハウジング21の一部を構成するボディ17の側面には、前記ボディ17に設けられた高圧ガス通路25と、減圧すべきLPG燃料を導く管路部材58との間の加熱用ガス通路59を流通するLPG燃料を加熱するためのPTCヒータユニット41が取り付けられており、このPTCヒータユニット41では、加熱用ガス通路59の少なくとも一部を構成する隙間通路60…が、外周面にPTC素子43が配設されたベース筒部42aの内周面と、該ベース筒部42a内に挿入される挿入筒61の外周面との間に形成されており、隙間通路60…の外側壁面であるベース筒部42aの内周面を放熱面とし、加熱用ガス通路59を流通する全てのLPG燃料がその放熱面の近傍を流通するようにしてLPG燃料の加熱効率を高めることができる。
【0071】
また複数の平板状のPTC素子43…が、ベース筒部42aの外周面に、該ベース筒部42aの軸線に沿う方向から見て多角形状となるように配置されるので、ベース筒部42aを覆うように複数の平板状である安価なPTC素子43…を配置することを可能とし、LPG燃料の加熱効率を高めることができる。
【0072】
また挿入筒61の外周面に、前記ベース筒部42aの内周面に先端を当接させる複数のリブ62…が周方向に間隔をあけて突設され、それらのリブ62…相互間に前記隙間通路60…がそれぞれ形成されるので、ベース筒部42aおよび挿入筒61間に隙間通路60…を確実に形成するようにしてベース筒部42aに対する挿入筒61の半径方向位置を容易に定めることができる。
【0073】
しかもベース筒部42aの内周面および挿入筒61の外周面が、それらの軸方向一方側に向かうにつれて小径となるテーパ状に形成され、挿入筒61がその軸方向一端側から前記ベース筒部42a内に挿入されるので、ベース筒部42aへの挿入筒61の挿入ならびにベース筒部42a内での挿入筒61の位置決めが容易となる。
【0074】
また前記ベース筒部42aは、前記ボディ17に締結されるフランジ部42dを有する内側ケース42の一部を構成するものであり、隙間通路60…に連なる通路部63を形成するボディ17に直接接続されるので、PTCヒータユニット41をコンパクトにLPG燃料用減圧弁に取り付けることができる。
【0075】
また挿入筒61の軸方向両端に突設される突部61a,61bが、前記ベース筒部42a内での挿入筒61の軸方向位置を定めるようにして、ベース筒部42aに設けられる内向き鍔部42bならびにボディ17に形成される端壁40aにそれぞれ当接されるので、挿入筒61の軸方向位置決めが容易となる。
【0076】
また挿入筒61は、軸方向一端を開放するとともに軸方向他端を閉じる有底円筒状に形成されており、ベース筒部42aに同軸に取付けられる管路部材58が一体に備える突入管路部58aが、前記挿入筒61の内径よりも小さな外径を有して前記挿入筒61内に挿入され、この突入管路部58aの内端部にフィルタ64が嵌合、固定されるので、ベース筒部42aおよび挿入筒61の軸線に沿う方向でPTCヒータユニット41が大型化することを避けながら、隙間通路60…内に導かれるLPG燃料を濾過するフィルタ64を配置することができる。しかも金属製であるフィルタ64の外周部が、突入管路部58aの内端部内周に圧入されるので、フィルタ64を簡易な構成で突入管路部58aの内端部に嵌合、固定することができる。
【0077】
ところで前記PTCヒータユニット41は、前記ベース筒部42aを有する内側ケース42と、ベース筒部42aの外周面に配置される複数のPTC素子…と、それらのPTC素子43…に個別にかつ弾発的に接触する複数の電極部44a…を有する通電部材44と、ベース筒部42aの外周面との間に前記各PTC素子43…を挟む複数の電極部44a…を内周面で保持する筒状の外側ケース45とを備えるものであり、前記通電部材44は、複数の前記電極部44a…と、それらの電極部44a…を共通に接続せしめる環状の集合部44bと、集合部44bに一端が接続される端子部44cから成るものである。而して前記外側ケース45の内側に配置される複数の前記電極部44a…に共通に連なる前記集合部44bが前記外側ケース45の軸方向一端側に配置されるとともに前記端子部44cの一部が前記外側ケース45の外側に位置するように前記通電部材44が配置された状態で、前記外側ケース45の一端側が合成樹脂から成るモールド部47で覆われ、少なくとも前記通電部材44、前記外側ケース45および前記モールド部47から成る通電部側集合体48に、前記ベース筒部42aの外周面に前記PTC素子43…を配置した状態にある前記内側ケース42が嵌合される。
【0078】
したがって複数のPTC素子43…と、それらのPTC素子43…に個別に接触する複数の電極とを組立時に保持するための部材が不要であり、部品点数を低減することができ、通電部側集合体48を予め形成しておくことによって組立工数を低減しつつ容易に組立可能となる。
【0079】
また前記モールド部47には、端子部44cの一部をコネクタ端子55として配置するコネクタ部47aが一体に形成されるので、コネクタ部47aを生産性高く形成することができる。
【0080】
しかも内側ケース42の両端外周部と、前記通電部側集合体48の両端との間に、環状の第6および第7シール部材56,57がそれぞれ介装されるので、コネクタ部47aを防水性とすることで、コネクタ部47aに電源側のコネクタが接続された状態であれば内側ケース42および通電部側集合体48間への水等の浸入を防止することができる。
【0081】
また外側ケース45の軸方向一端部には、通電部材44の集合部44bを外側ケース45の一端との間に挟み込む通電部材保持リング46が嵌合され、モールド部47が、通電部材保持リング46を覆って形成されるので、通電部材保持リング46を外側ケース45の一端部に嵌合して通電部材44を外側ケース45に保持した状態でモールド部47を形成することができ、またモールド部47の成形時に溶融樹脂が外側ケース45の内側に入ることは通電部材保持リング46によって阻止されるので、モールド部47の成形が容易となる。
【0082】
またベース筒部42aの外周面のうちPTC素子43…が配置される部分は、ベース筒部42aの軸方向一端側に向かうにつれてベース筒部42aの中心軸線に近づくように傾斜した傾斜面として形成されており、通電部側集合体48にベース筒部42aがその軸方向一端側から嵌合されるので、内側ケース42を通電部側集合体48に嵌合してPTCヒータユニット41を組み立てる際に、各PTC素子43…に各電極部44a…を容易に接触させることができ、組立が容易となる。
【0083】
また金属製である内側ケース42の軸方向他端側に、ベース筒部42aから半径方向外方に張り出すフランジ部42dが一体に設けられ、合成樹脂から成る環状のPTC保持部材52がフランジ部42dにベース筒部42aの軸方向一端側から当接され、前記各PTC素子43…の前記フランジ部42d側の端部がPTC保持部材52に当接されるので、PTC保持部材52によって各PTC素子43…の軸方向位置決めを行いつつ、通電時に電極部44a…からPTC素子43…を経てフランジ部42d側に流れようとする電流をPTC保持部材52で遮断することができ、PTC素子43…の発熱効率を高めることができる。
【0084】
さらにベース筒部42aの外周面の各PTC素子43を配置する部分ならびにPTC保持部材52の内周が相互に対応した多角形状に形成されており、その多角形の各角部に対応した位置に配置されてフランジ部42dと反対側に突出する複数の突部52aがPTC保持部材52に突設されており、ベース筒部42aの外周面に配置される複数のPTC素子43…相互間に前記各突部52aが配置されるので、PTC保持部材52に、前記ベース筒部42aの周方向に沿う各PTC素子43…の位置決め機能をも持たせることができ、一部品に多機能を持たせて部品点数の増大を抑えることができる。
【0085】
ところで弁機構15の弁軸30はダイヤフラム16の中央部に結合されるダイヤフラムロッド68に連結されるのであるが、ダイヤフラムロッド68には、弁機構15側に臨む端壁72aを閉塞端に有する挿入凹部72が弁機構15側に開放するようにして同軸に設けられ、弁軸30の一端部よりも大径の外周を有するとともに弁機構15側に開放した有底の連結凹部73を有して挿入凹部72に緩く嵌合される笠部材74が、挿入凹部72の開口端内周にかしめもしくは圧入(この実施の形態ではかしめ)によって固定される環状の保持プレート75と端壁72aとの間に保持され、連結凹部73に嵌合される弁軸30の一端部外周ならびに連結凹部73の内周に相互に対応して設けられた環状の係合溝76,77に、弁軸30の半径方向に沿う拡縮を可能とした係合リング78が係合されるので、加工容易であって製造コストを安価としたダイヤフラムロッド68、笠部材74、保持プレート75を用いた単純な構造で、弁軸方向と直角な面に対するダイヤフラム16の傾き、ならびにダイヤフラム16側の軸心および弁体29側の軸心のずれを許容しつつ、笠部材74をダイヤフラムロッド68に連結することができる。
【0086】
また保持プレート75が、無端状に連なってリング状に形成されるので、ダイヤフラムロッド68および笠部材74の連結構造を強固なものとすることができる。
【0087】
また弁軸30をダイヤフラムロッド68に連結するにあたっては、ダイヤフラムロッド68とは別体である第1リテーナ69をダイヤフラム16の一面中央部との間に挟むダイヤフラムロッド68に、ダイヤフラム16ならびに該ダイヤフラム16の他面中央部に当接する第2リテーナ70を貫通する軸部68aを同軸に設けておき、該軸部68aをかしめて第2リテーナ70に係合することでダイヤフラム16、第1リテーナ69、第2リテーナ70およびダイヤフラムロッド68を少なくとも含むダイヤフラム集合体71を予め組み立てておき、そのダイヤフラム集合体71の前記ダイヤフラムロッド68に、笠部材74、保持プレート75および係合リング78を用いて弁軸30の一端部を連結するので、減圧弁の製造にあたってダイヤフラム集合体71をかしめによって予め大量に組み立てておき、そのダイヤフラム集合体71のダイヤフラムロッド68に弁軸30の一端部を連結することで、弁軸方向と直角な面に対するダイヤフラム16の傾き、ならびにダイヤフラム16側の軸心および弁体29側の軸心のずれを許容しつつ、減圧弁の組み立てを容易とすることができる。
【0088】
さらに笠部材74をダイヤフラムロッド68の挿入凹部72内に保持プレート75で挿入、固定した後に、該笠部材74に係合リング78を用いて弁軸30を連結するようにしているので、ダイヤフラムロッド68および弁軸30の連結が容易となる。
【0089】
また弁体29に連なるダイヤフラムロッド68がダイヤフラム16の中央部を貫通して該ダイヤフラム16に結合されており、外周面に雄ねじ84が刻設されるとともに前記ダイヤフラムロッド68とは反対側の端面に係合凹部85が設けられる調整ねじ86が、軸線まわりの回転を可能としてばね室82内でダイヤフラムロッド68に嵌合、支持され、調整ねじ86の回転軸線と同軸の軸線まわりの回転を不能として前記ダイヤフラムカバー22の内周に係合するものの前記軸線方向の移動を可能としてばね室82に収容されるばね受け部材87の内周に調整ねじ86の外周の雄ねじ84が螺合され、前記ばね受け部材87およびダイヤフラムカバー22間にコイルばねであるダイヤフラムばね83が縮設される。
【0090】
したがってダイヤフラム16を圧力作用室80の容積を減少させる側に付勢するばね力を発揮するダイヤフラムばね83のばね荷重は、前記ばね受け部材87の軸方向位置を変更すべく係合凹部85に工具を係合して調整ねじ86を回転操作することで、ばね受け部材87を調整ねじ86の軸線に沿う方向に移動させてダイヤフラムばね83を伸縮させればよいのであるが、調整ねじ86の係合凹部85が設けられる端面に対向した位置でダイヤフラムカバー22に工具挿入孔88が設けられ、該工具挿入孔88を閉じるキャップ89が前記ダイヤフラムカバー22に取付けられている。すなわち調整ねじ86はばね室82内に収容されており、工具挿入孔88はキャップ89で塞がれているので、調整ねじ87は外観上見えることはなく、エンドユーザーによって調整ねじ87が不所望に操作されてしまう可能性が低くなる。
【0091】
また熱源であるエンジン冷却水で低圧ガス通路93を流通するLPG燃料を加熱するために、低圧ガス通路93の始点PSから終点PEに向けてのLPG燃料の基準流通方向124に延びる通路長手方向突出壁125と、基準流通方向124と直交して低圧ガス通路93の幅方向に延びる複数の通路幅方向突出壁126…とが、低圧ガス通路93内に突入するようにして弁ハウジング21に設けられ、複数の通路室127…と、それらの通路室127…をLPG燃料が順次流通するようにして相互に隣接する通路室127…間を連通する複数の第1および第2連通路128…,129…とが、弁ハウジング21、通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126…の協働により前記低圧ガス通路93内に形成され、複数の通路室127…を順次ジグザグに経由して低圧ガス通路93の始点PSから終点PEに至るまでLPG燃料を流通させるように第1および第2連通路128…,129…が配置されている。
【0092】
したがって低圧ガス通路93内のLPG燃料の流通経路が長くなり、弁ハウジング21、通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126…へのLPG燃料の接触面積が増大し、LPG燃料への伝熱効率が向上する。しかも従来のフィンを用いた技術と比べると、単位時間当たりの流量が多いときの伝熱効率を顕著に向上することができる。
【0093】
また通路長手方向突出壁125を相互間に挟んで隣接する通路室127,127間を結ぶ第1連通路128…と、通路幅方向突出壁126を相互間に挟んで隣接する通路室127,127間を結ぶ第2連通路129…とが、通路長手方向突出壁125の突出方向で相互に反対側に配置されるので、LPG燃料が、低圧ガス通路93内をジグザグに流通するだけでなく、低圧ガス通路93の幅方向と直交する方向でも屈曲した経路をたどることになる。すなわち低圧ガス通路93が、該低圧ガス通路93の幅方向に沿う流れと、低圧ガス通路93の幅方向に直交する方向の流れとが組み合わされて成る三次元的な流通経路を経てLPG燃料が流通するように構成されることになるので、LPG燃料の流通経路を長くし、LPG燃料の伝熱面への接触面積が増大し、LPG燃料への伝熱効率が向上することになる。
【0094】
また基準流通方向124での通路室127…の長さが、低圧ガス通路93の幅方向での通路室127…幅よりも大きく設定され、前記熱源が、通路長手方向突出壁125の突出方向で低圧ガス通路93に臨むガス通路用カバー部材18およびガス通路用溝92の底壁92aのうち第2連通路129側である底壁92aを低圧ガス通路93との間に挟むよにして、エンジン冷却水を流通させる加熱流体通路110が配置されるので、第2連通路129…を通過して基準流通方向124に流通するLPG燃料をより長く前記外壁92aに近接させて伝熱効率をより高めることができる。
【0095】
また通路長手方向突出壁125が、第2連通路129側のガス通路壁である前記底壁92aに突設されるものであるので、通路長手方向突出壁125にエンジン冷却水からの熱が伝わり易くし、低圧ガス通路93の基準流通方向124に長く延びる通路長手方向突出壁125からより多くの熱をLPG燃料に伝えるようにして伝熱効率を高めることができる。
【0096】
ところでボディ17と、該ボディ17の一面に取付けられるガス通路用カバー部材18とで弁ハウジング21の少なくとも一部が構成され、低圧ガス通路93が、ボディ17の一面に設けられるガス通路用溝92と、該ガス通路用溝92を覆う前記ガス通路用カバー部材18とで構成され、ガス通路用溝92の底壁92aおよび前記ガス通路用カバー部材18に、通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126のいずれかがそれぞれ突設されるので、通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126…の形成が容易となる。
【0097】
しかもガス通路用溝92の底壁92aおよびガス通路用カバー部材18の一方に通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126…の一方が突設され、ガス通路用溝92の底壁92aおよびガス通路用カバー部材18の他方に通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126…の他方が突設されるので、通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126…が、ガス通路用溝92の底壁92aおよびガス通路用カバー部材18に分けて突設されることになり、通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126…の形成がより容易となる。
【0098】
また通路長手方向突出壁125の先端と、ガス通路用溝92の底壁92aまたは前記ガス通路用カバー部材18との間に第1連通路128…が形成され、通路幅方向突出壁126…の先端に、ガス通路用カバー部材18またはガス通路用溝92の底壁92aとの間に第2連通路129…を形成するための切欠き130…が設けられるので、第1および第2連通路128…,129…の形成が容易となる。
【0099】
またボディ17の低圧ガス通路93とは反対側の他面に加熱流体通路用溝111が設けられており、エンジン冷却水を流通させる加熱流体通路110を加熱流体通路用溝111との間に形成する加熱流体通路用カバー部材19が、加熱流体通路用溝111を覆ってボディ17の他面に取付けられるので、加熱流体通路110を容易に形成することができ、低圧ガス通路93に近接して加熱流体通路110を配置することを可能として伝熱効率を高め、加熱装置をコンパクトに構成することができる。
【0100】
また通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126…の少なくとも一方内にエンジン冷却水が導かれるので、通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126…の少なくとも一方をエンジン冷却水で効果的に加熱し、通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126…の少なくとも一方をLPG燃料への伝熱面として有効に機能させ、伝熱効率をさらに高めることができる。
【0101】
しかも通路長手方向突出壁125および通路幅方向突出壁126のうちボディ17に突設される突出壁内、この実施の形態では、ガス通路用溝92の底壁92aに突設される通路長手方向突出壁125内にエンジン冷却水が導かれるので、通路長手方向突出壁125内にエンジン冷却水を導く構造を容易に構成することができる。
【0102】
ところで通路幅方向突出壁126…のうち基準流通方向124の下流側に臨む壁面側ではLPG燃料が淀み易くなるが、低圧ガス通路93の一側面を形成するガス通路壁であるガス通路用カバー部材18から突設される前記通路幅方向突出壁126と、前記通路長手方向突出壁125ならびに前記低圧ガス通路93の他のガス通路壁との間に微小間隙131…が形成されるので、前記微小間隙131…を、図12および図13の細線矢印で示すように少量のLPG燃料が流通するようにして淀みが生じ難くなるようにし、通路幅方向突出壁126…のうち基準流通方向124の下流側に臨む壁面側を伝熱面として有効に活用することで伝熱効率の向上に寄与することができる。
【0103】
しかも減圧後のLPG燃料を流通させる低圧ガス通路93を有する減圧弁に上述のようなエンジン冷却水による加熱構造を適用することで、伝熱効率の優れたLPG燃料用減圧弁を得ることができ、また弁機構15が収容されるボディ17が低圧ガス通路93を形成する通路形成体である弁ハウジング21の一部として構成されるので、加熱装置が付設されたLPG燃料用減圧弁をコンパクトに構成することができる。
【0104】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0105】
たとえば上記実施の形態では、ボディ17との間に減圧室66を形成するとともにダイヤフラム16との間に圧力作用室80を形成するガス通路用カバー18を圧力作用室形成部材として用いた減圧弁について説明したが、ガス通路用カバー18を省略し、圧力作用室を兼ねる減圧室をダイヤフラムの一面に臨ませるようにして、弁機構を収容したボディおよびダイヤフラムカバー間にダイヤフラム16の周縁部を挟持するようにした減圧弁にも本発明を適用可能であり、その場合、ボディが圧力作用室形成部材に対応する。
【符号の説明】
【0106】
15・・・弁機構
16・・・ダイヤフラム
18・・・圧力作用室形成部材であるガス通路用カバー部材
22・・・ダイヤフラムカバー
28・・・弁座
29・・・弁体
68・・・ダイヤフラムロッド
80・・・圧力作用室
82・・・ばね室
83・・・ダイヤフラムばね
84・・・雄ねじ
85・・・係合凹部
86・・・調整ねじ
87・・・ばね受け部材
88・・・工具挿入孔
89・・・キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁機構(15)の弁体(29)に連結されるダイヤフラム(16)と、前記弁機構(15)の弁座(28)よりも下流側の流体圧力を前記ダイヤフラム(16)の一面に作用せしめる圧力作用室(80)を前記ダイヤフラム(16)の一面との間に形成する圧力作用室形成部材(18)と、前記ダイヤフラム(16)の周縁部を前記圧力作用室形成部材(18)との間に挟んで前記圧力作用室形成部材(18)に固定されるとともに前記ダイヤフラム(16)の他面との間にばね室(82)を形成するダイヤフラムカバー(22)と、前記圧力作用室(80)の容積を減少させる側に前記ダイヤフラム(16)を付勢するばね力を発揮して前記ダイヤフラムカバー(22)および前記ダイヤフラム(16)間に設けられるダイヤフラムばね(83)とを備え、該ダイヤフラムばね(83)のばね荷重を調整可能とした減圧弁において、前記弁体(29)に連なるダイヤフラムロッド(68)が前記ダイヤフラム(16)の中央部を貫通して該ダイヤフラム(16)に結合され、外周面に雄ねじ(84)が刻設されるとともに前記ダイヤフラムロッド(68)とは反対側の端面に係合凹部(85)が設けられる調整ねじ(86)が、軸線まわりの回転を可能として前記ばね室(82)内で前記ダイヤフラムロッド(68)に嵌合、支持され、前記調整ねじ(86)の回転軸線と同軸の軸線まわりの回転を不能として前記ダイヤフラムカバー(22)の内周に係合するものの前記軸線方向の移動を可能として前記ばね室(82)に収容されるばね受け部材(87)の内周に前記調整ねじ(86)の外周の雄ねじ(84)が螺合され、前記ばね受け部材(87)および前記ダイヤフラムカバー(22)間にコイルばねである前記ダイヤフラムばね(83)が縮設され、前記調整ねじ(86)の前記係合凹部(85)が設けられる端面に対向した位置で前記ダイヤフラムカバー(22)に工具挿入孔(88)が設けられ、該工具挿入孔(88)を閉じるキャップ(89)が前記ダイヤフラムカバー(22)に取付けられることを特徴とする減圧弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−76423(P2011−76423A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227904(P2009−227904)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000141901)株式会社ケーヒン (1,140)
【Fターム(参考)】