減容化装置
【課題】 食品加工工場から出る野菜屑、果実の皮などの廃棄物を処分しやすくするため、その廃棄物の体積を減少させる減容化装置を提供する。
【解決手段】 ミキサー200と固液分離装置300とを有し、ミキサー200のケーシング78の上部開口から、野菜屑などの処理対象物OBを投入し、回転体77を回転させて、その回転体77の周面に突設された歯79によって、処理対象物を細かく砕き、その砕いた処理対象物を、固定板13と、可動板12と、これらを貫通して延びる2本のスクリュー22を有する固液分離装置300によって固液分離する。
【解決手段】 ミキサー200と固液分離装置300とを有し、ミキサー200のケーシング78の上部開口から、野菜屑などの処理対象物OBを投入し、回転体77を回転させて、その回転体77の周面に突設された歯79によって、処理対象物を細かく砕き、その砕いた処理対象物を、固定板13と、可動板12と、これらを貫通して延びる2本のスクリュー22を有する固液分離装置300によって固液分離する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象物から液体を分離して、その体積を減少させる減容化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品加工工場などからは大量の野菜屑や果実の皮などの廃棄物が発生する。これらの廃棄物は、通常、処分場に運搬され、ここで処分されていたが、このような大量の廃棄物を運搬するには多大な費用がかかり、業者にとって大きな経済的負担となっていた。
【0003】
そこで、野菜屑などの廃棄物から水分を分離して、その廃棄物を減容化する固液分離装置が提案され、かつ実用化されている(特許文献1参照)。この固液分離装置は、2本のスクリューによって処理対象物を搬送しながら、その処理対象物から液体を分離するように構成されているので、処理対象物が野菜屑や果実の皮などの廃棄物である場合も、その詰まりを防止しつつ、効率よく固液分離することができる。
【0004】
ところが、本発明者の検討の結果、上述した固液分離装置だけでは、処理対象物の減容率を高めることに限度のあることが明らかとなった。
【0005】
【特許文献1】特許第3565841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、処理対象物の減容率をより一層高めることのできる減容化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、処理対象物を細かく砕くミキサーと、該ミキサーによって砕かれた処理対象物から液体を分離する固液分離装置とを具備し、前記固液分離装置は、複数の可動板と、これらの可動板を貫通して延びる2本のスクリューとを有し、前記可動板は、回転する2本のスクリューによって押動されるように構成されていることを特徴とする減容化装置を提案する(請求項1)。
【0008】
また、上記請求項1に記載の減容化装置において、前記ミキサーは、円錐台状に形成され、かつ周面に多数の歯が突設された回転体と、該回転体の周面から離間して位置する周壁を備えたケーシングを具備し、回転駆動される前記回転体の上方から処理対象物がケーシング内に供給され、該処理対象物が前記回転体と、前記ケーシングの周壁の間を落下する間に、回転する回転体の歯によって処理対象物が細かく砕かれるように構成されていると有利である(請求項2)。
【0009】
さらに、上記請求項1又は2に記載の減容化装置において、前記可動板には、上部が開放した凹部が形成され、前記2本のスクリューは複数の可動板の凹部を貫通して延びていて、該凹部は、回転する2本のスクリューによって可動板が押動される形態に形成されていると共に、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成されていると有利である(請求項3)。
【0010】
また、上記請求項3に記載の減容化装置において、前記固液分離装置は、上部が開放した凹部が形成されている複数の固定板を具備し、各固定板の間に前記可動板がそれぞれ配置され、前記2本のスクリューは、前記固定板に形成された凹部と可動板に形成された凹部を貫通して延び、固定板の凹部も、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成され、可動板と固定板の間の間隙を通して濾液が流下するように構成されていると有利である(請求項4)。
【0011】
さらに、上記請求項3に記載の減容化装置において、前記固液分離装置は、前記可動板の上部を覆う着脱可能なカバーを有していると有利である(請求項5)。
【0012】
また、上記請求項4に記載の減容化装置において、前記固液分離装置は、前記可動板と固定板の上部を覆う着脱可能なカバーを有していると有利である(請求項6)。
【0013】
さらに、上記請求項1又は2に記載の減容化装置において、前記可動板には孔が形成されていて、前記2本のスクリューは複数の可動板の孔を貫通して延びていて、該孔は、回転する2本のスクリューによって可動板が押動される形態に形成されていると有利である(請求項7)。
【0014】
また、上記請求項7に記載の減容化装置において、前記固液分離装置は、孔が形成されている複数の固定板を有し、各固定板の間に前記各可動板がそれぞれ配置され、前記2本のスクリューは、固定板に形成された孔と可動板に形成された孔を貫通して延びていると有利である(請求項8)。
【0015】
さらに、上記請求項1乃至8のいずれかに記載の減容化装置において、前記2本のスクリューは、その羽根の一部が互いに重なった状態で配置されていると有利である(請求項9)。
【0016】
また、上記請求項1乃至9のいずれかに記載の減容化装置において、各スクリューによって、処理対象物がほぼ同じ方向に搬送されるように、各スクリューの羽根の巻き方向と各スクリューの回転方向が設定されていると有利である(請求項10)。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ミキサーによって処理対象物を細かく砕き、その砕かれた処理対象物を、2本のスクリューを有する固液分離装置によって、固液分離するので、処理対象物の減容率を飛躍的に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0019】
図2は、本例の減容化装置100の垂直断面図である。ここに示した減容化装置100は、処理対象物を細かく砕くミキサー200と、このミキサー200によって砕かれた処理対象物から液体を分離する固液分離装置300を具備している。先ず、ミキサー200の構成と作用を明らかにする。
【0020】
ミキサー200は、円錐台状に形成された回転体77と、この回転体77を収容するケーシング78とを有し、回転体77の周面には、突起状の多数の歯79が突設されている。回転体77の中心部には上下方向に延びる軸82が固定され、この軸82は、軸受83を介してベースプレート84に回転自在に支持されている。
【0021】
また、ケーシング78は、回転体77の周面から所定の距離だけ離間し、かつその周面に対してほぼ平行に位置する周壁80と、その周壁80の上端に一体に接続され、かつ上部が開口したほぼ筒状の上壁部81と、周壁80の下端に一体に接続された樋状のガイド85とを有している。かかるケーシング78はベースプレート84に固定支持されている。図13は、ミキサー200をその上方から見た平面図であり、図14はケーシング78の上壁部81と周壁80を除去すると共に、ベースプレートを除去したときのミキサー200の平面図である。図2及び図14から判るように、ガイド85は、回転体77の周面下縁に沿って、その全周に亘って延びている。また、ガイド85とベースプレート84には、処理対象物用の出口開口90が形成され、その下方に、後述する固液分離装置300の投入口4が位置している。
【0022】
一方、ベースプレート84上には、モータ86が支持され、その出力軸には第1のプーリ87が固定されている。また、回転体77に固定された軸82の下部には、第2のプーリ88が固定され、その第2のプーリ88と第1のプーリ87には伝動ベルト89が巻き掛けられている。
【0023】
図示した減容化装置100によって処理される処理対象物としては、例えば食品加工工場にて発生するキャベツなどの野菜屑、柑橘類を絞ってジュースを製造した後に残る皮、パイナップルの皮や芯などが挙げられるが、これらの処理対象物OBは、図2に矢印AAで示すように、ミキサー200におけるケーシング78の上部開口からケーシング78内に投入される。このとき、モータ86が作動し、その回転が第1のプーリ87、伝動ベルト89及び第2のプーリ88を介して軸82に伝えられ、該軸82と回転体77がその中心軸線のまわりに回転している。このように回転駆動される回転体77の上方から処理対象物OBがケーシング78内に供給される。供給された処理対象物は、回転体77とケーシング78の周壁80の間を落下し、その間に、回転する回転体77の多数の歯79によって処理対象物が細かく砕かれ、樋状のガイド85内に落下する。このようにして、細かく砕かれた処理対象物は、ガイド85内に堆積していき、その量が或る程度多くなると、回転体77の回転によってガイド85中を移動し、出口開口90から下方に落下して固液分離装置300の投入口4から固液分離装置300内に投入される。
【0024】
上述のようにしてミキサー200によって細かく砕かれた処理対象物は、例えば、すりおろしたリンゴや、おかゆのようなどろどろな状態にある。
【0025】
次に図示した固液分離装置300の構成と作用を説明する。
【0026】
図1は図2に示したミキサー200と、これを支持するベースプレート84を取り除いた状態で固液分離装置300を示した平面図である。図1及び図2に示すように、本例の固液分離装置は、入口部材1と出口部材2とを有し、これらの部材1,2の間に固液分離部3が配置されている。また、入口部材1と固液分離部3の上部は、着脱可能なカバー5によって覆われている。図3は、このカバー5を取り除いた状態での固液分離装置の平面図である。
【0027】
入口部材1は、図2乃至図4に示すように、下方に向けて凹んだ底壁6と、その底壁6の各端部に一体に接続された平板部7,8と、底壁6及び平板部7,8から下方に垂下した一対の側板9,10とから構成されている。また出口部材2は、図2、図3、図5及び図6に示すように、上部と下部が開口した本体11を有し、その本体11の固液分離部3を向いた側の側壁16と、これに対向して位置する側壁17には、それぞれ切欠37,38が形成され、その各切欠37,38には、仕切板27と軸受板28がそれぞれ配置され、その仕切板27と軸受板28は、ボルト29,75と、これに螺着したナットとによって、本体11に着脱可能に固定されている。ボルト29,75を緩めることにより、仕切板27と軸受板28を、図6に示すように、本体11から分離することができる。また、本体11の下部開口は、脱水処理されて減容化された処理対象物が排出される排出口36を構成している。
【0028】
一方、本例の固液分離装置300は、図2乃至図4に示すように、複数の可動板12と、複数の固定板13を有していて、各可動板12と固定板13には、図7及び図8にも示すように、上部が開放した凹部14,15がそれぞれ形成されている。また、各固定板13の間にはリング状のスペーサ30が配置され、各固定板13に形成された取付孔32,33(図4及び図8)と各スペーサ30とにボルト18,19が挿通されている。図示した例では、各固定板13の凹部15の下方に形成された2つの取付孔32を貫通する2本のボルト18と、凹部15の各側方に形成された2つの取付孔33を貫通する2本のボルト19の合計が4本のボルトが用いられている。図4には、これらのボルトのうちの1本のボルト19とこれが嵌合するスペーサ30だけを示してある。固定板13とスペーサ30を一体に形成することもできる。
【0029】
図2及び図3に示すように、ボルト18,19は、入口部材1の一方の側板9と、出口部材2の本体11の一方の側壁16を貫通し、その各ボルト18,19にナット20が螺着されて締め付けられている。このように、各固定板13は、スペーサ30によって互いに所定の間隙をあけて、その軸線方向に配列され、かつボルト18,19とナット20とによって互いに一体的に固定され、入口部材1と出口部材2に対して固定されている。スペーサによって互いに間隙をあけて配置された各固定板を、わずかに遊動できるように組み付けることもできる。
【0030】
また、各可動板12は、各固定板13の間の間隙にそれぞれ配置され、図7に示すように、各可動板12の厚さTは、各固定板13の間の間隙幅Gよりも小さく設定され、各固定板13の端面と、これに対向する可動板12の端面の間には、例えば0.5乃至1mm程度の濾液排出間隙gが形成される。この濾液排出間隙gは、後述するように処理対象物から分離された液体、すなわち濾液を通過させるものである。可動板12の厚さTは、例えば1.5mm程度に設定され、固定板13の厚さtは、例えば3mm程度に設定される。
【0031】
図8に示すように、各可動板12は、下側の2本のボルト18に嵌合したスペーサ30上に載せられ、しかも、上側の2本のボルト19に嵌合した両スペーサ30の間に配置されている。これにより、各可動板12が下方に落下することが阻止され、しかも各可動板12は、各固定板13の間の隙間において、固定板13の端面と平行な方向に動くことができる。
【0032】
また、図1乃至図3、図7及び図8に示すように、固液分離装置300は、2本のスクリュー21,22を有し、これらのスクリュー21,22は、入口部材1の底壁6により区画された凹所と、固定板13に形成された凹部15と、可動板12に形成された凹部14を貫通して延びている。ここに示した各スクリュー21,22は、軸部23,24と、その各軸部部23,24にそれぞれ一体に形成されたらせん状の羽根25,26を有している。
【0033】
一方、図2、図5及び図6に示すように、出口部材2の仕切板27には、半円状の2つの切欠39,40が形成されていると共に、本体11の一方の側壁16の切欠37は、半円状の2つの切欠部41,42を有している。、これらの切欠39,40と切欠部41,42によって、2つの円形の孔43,44が区画され、その各孔43,44に、図5には示していない各スクリュー21,22の軸部23,24がそれぞれ貫通して延びている。図2から判るように、各孔43,44の径は、軸部23,24の径よりも大きくなっている。
【0034】
また、図1乃至図3、図5及び図6に示すように、出口部材2の他方の側壁17に形成された切欠38に配置された軸受板28には、内部に軸受45,46が収容された軸受カップ47,48が固定されている。図1乃至図3に示すように、各スクリュー21,22の軸部23,24の一方の端部が、各軸受カップ47,48内にそれぞれ挿入され、各軸受45,46を介して、その各軸受カップ47,48に回転自在に支持されている。
【0035】
また、図1乃至図3に示すように、入口部材1には、ギアボックス49が固定され、このギアボックス49の各側壁50,51には、ギア52の固定されたギア軸54が、軸受を介して回転自在に支持されている。また、側壁51にはモータ55が固定支持され、その出力軸56が両側壁50,51を通して延びている。この出力軸56にも、ギア53が固定され、このギア53と上述のギア52は、ギアボックス49の内部で互いに噛み合っている。
【0036】
ギア軸54の一方の端部と、出力軸56の一方の端部は、図2、図3及び図9に示すように、内部が中空に形成され、その中空部57の中央部に係合片58が固定配置されている。一方、図9に示すように、各スクリュー21,22の軸部23,24の他方の端部には、係合溝59が形成され、その各軸部23,24の各端部は図3に示すように、ギア軸54と出力軸56の中空部57に挿入され、各軸部23,24に形成された係合溝59がギア軸54と出力軸56に設けられた係合片58にそれぞれ着脱可能に係合している。従って、モータ55が作動して、出力軸56が回転すると、その回転がギア53,52を介してギア軸54に伝えられると共に、出力軸56とギア軸54の回転は、互いに係合した係合片58と係合溝59を介して、各スクリュー21,22に伝達され、各スクリュー21,22が、その中心軸線X1,X2のまわりに回転する。
【0037】
図7及び図8に示すように、2本のスクリュー21,22は、接触することなく、その羽根25,26の一部が互いに重なった状態で配置されている。すなわち、両スクリュー21,22を、その中心軸線X1,X2の方向に見たとき、両羽根25,26の一部がオーバラップした状態で位置しているのである。図8においては、両スクリュー21,22の羽根25,26の重なった部分に斜線を付し、符号OLを付してある。
【0038】
また、図示した例では、両スクリュー21,22が、図3に示すように互いに平行に並置されているが、これらのスクリュー21,22の中心軸線X1,X2が、小なる角度をもった状態に、両スクリュー21,22を並置してもよい。可動板12と固定板13の凹部14,15の大きさと形態は、2本のスクリュー21,22の回転を阻害しないように設定されていることは当然である。また、本例の固液分離装置においては、各スクリュー21,22の羽根25,26のピッチが、入口部材1の側から出口部材2の側に向けて漸次、小さくなっているが、このピッチを、各スクリューの全長に亘って等しく設定することもできる。
【0039】
図2に示すように、ギアボックス49の一方の側壁50は下方に延び、その下端から水平方向に突出したフランジ部60が、固液分離装置を支持する台枠のステー61に固定されている。同様に出口部材2の一方の側壁16に突設されたフランジ部62も、台枠のステー63に固定されている。さらに、多数の固定板13のうち、図2乃至図4に、特に符号13Aを付して示した固定板は、その下部が、他の固定板よりも大きく下方に延び、その下端から水平に突出したフランジ部64が、台枠のステー65に固定されている。このように、複数のフランジ部60,62,64が台枠のステー61,63,65に固定されることにより、固液分離装置の全体が台枠に支持されている。
【0040】
また、図3及び図4に示すように、支柱としての用をなす固定板13Aの上部には、一対の舌片66,67が突設され、しかも、出口部材2の一方の側壁16にも、一対の舌片68,69が突設されている。これらの舌片66,67,68,69と、入口部材1の各平板部7,8の上に、図1及び図2に示すように、カバー5の各フランジ部70,71が載せられ、ボルト72とナットによって、そのフランジ部70,71が舌片66,67,68,69と平板部7,8に着脱可能に固定されている。また、入口部材1の底壁6に対応するカバー5の部分には、処理対象物を投入するための投入口4が形成されている。
【0041】
次に、固液分離装置300の作用を説明しながら、固液分離装置300の他の構成について明らかにする。
【0042】
図2に示したミキサー200の出口開口90から落下する処理対象物は、矢印Aで示すように、投入口4から入口部材1の底壁6上に投入される。このとき、モータ55の作動によって、出力軸56とスクリュー22が回転駆動され、この回転は、ギア53,52を介してギア軸54に伝えられ、これによってスクリュー21も回転駆動される。このように、2本のスクリュー21,22が、その中心軸線X1,X2の周りに回転することにより、入口部材1上に落下した処理対象物は、図2に矢印Bで示すように、多数の固定板13と可動板12の凹部15,14とカバー5とにより区画された空間Sに移動し、出口部材2の側へ向けて搬送される。なお、固液分離装置に送り込まれた処理対象物の図示は省略してある。
【0043】
上述のように、交互に配置された複数の可動板12と固定板13の凹部14,15と、カバー5により区画された空間S中を処理対象物が移動するとき、その処理対象物から水分が分離され、その分離された水分、すなわち濾液が各固定板13と可動板12の間の濾液排出間隙g(図7)を通して外部に排出される。このように排出された濾液は、図2に矢印C1,C2,C3,C4で示すように下方に流下し、各ステー61,63に固定された受皿35に受け止められ、その受皿35の排出口76を通して下方に排出される。この濾液中には、未だ固形分が含まれているので、当該濾液は、再度、例えば1本のスクリューを有する他の固液分離装置によって脱水処理される。
【0044】
上述のようにして、空間S中を搬送される処理対象物の含水量が下げられ、減容化された処理対象物は、図2に矢印Dで示すように、出口部材2に形成された孔43,44を通して、出口部材2内に排出され、下方に落下する。図1乃至図3に示すように、出口部材2の一方の側壁16と仕切板27に対向して、各軸部23,24に背圧板73,74が固定されており、これによって空間S内の処理対象物に加えられる圧力を高めることができる。
【0045】
上述のように、本例の固液分離装置においては、スクリュー21,22の回転により、処理対象物が入口部材1の側から出口部材2の側へ向けて搬送される。すなわち、各スクリュー21,22によって、処理対象物がほぼ同じ方向に搬送されるように、各スクリュー21,22の羽根25,26の巻き方向と、その各スクリュー21,22の回転方向が設定されているのである。図示した例では、図8に示すように、一方のスクリュー21が時計方向に回転駆動され、他方のスクリュー22が反時計方向に回転駆動される。
【0046】
本例の減容化装置によれば、先ずミキサー200によって処理対象物を細かく砕いてどろどろの状態にし、しかも2本のスクリュー21,22を有する固液分離装置によって、処理対象物から水分を除去するので、処理対象物の減容率を飛躍的に高めることができる。このように効率よく減容化した処理対象物を、低コストで処理場などに運搬することができる。また、減容化後の処理対象物中にも、未だ多量の水分が含まれているので、その処理対象物を、図示していない乾燥装置によって乾燥処理し、その含水量をさらに下げて減容化することもできる。減容化した処理対象物を廃棄する代りに、肥料として利用することも可能である。
【0047】
ところで、固液分離装置の空間S内において、処理対象物の水分と固形分を分離する際、各可動板12と固定板13との間の濾液排出間隙gに固形分がわずかに入り込むことは避けられず、これを放置すると、その間隙gが目詰まりを起こす。ところが、本例の固液分離装置の可動板12は、回転する2本のスクリュー21,22の羽根25,26によって、押し動かされ、各可動板12の端面が、これに対向する固定板13の端面に対して運動し、この掻動作用によって、濾液排出間隙gに入り込んだ固形分が、その間隙gから効率よく排出され、ここに詰まることが阻止される。
【0048】
図10乃至図12は、可動板12が、2本のスクリュー21,22によって押し動かされるときの様子を模式的に示した説明図である。これらの図においては、スクリュー21,22、可動板12及び固定板13を全て実線で表わすと共に、図8に示した各羽根25,26の断面部分25A,26Aを、単なる線で表わしてある。
【0049】
ここで、図8及び図10乃至図12を参照して、可動板12の動きを説明する。各羽根25,26の断面部分25A,26Aを羽根部と称することにすると、図8に示した状態においては、各羽根部25A,26Aは共に図の右方を向いている。このとき、一方の羽根部25Aは、可動板12に接触していないが、他方の羽根部26Aは可動板12を図における右方に押圧し、その可動板12は最も右方の位置を占めている。
【0050】
この状態から、一方のスクリュー21は時計方向に回転し、他方のスクリュー22は反時計方向に回転するが、各羽根部25A,26Aが図10に示す位置にあるときは、羽根部26Aも可動板12から離れ、可動板12は羽根部25A,26Aに押圧されることなく最右方の位置を占めている。
【0051】
ところが、各羽根部25A,26Aが図11に示した位置を占めると、一方のスクリュー21の羽根部25Aが可動板12を図における左方に押圧し、該可動板12が左方に押し動かされる。スクリュー21,22の回転に伴って、可動板12は、羽根部25Aによってさらに左方に押動され、図12に示すように、両羽根部25A,26Aが図における左方を向いたとき、可動板12は最も左方の位置を占める。かかる運動が連続的に繰り返し行われる。このとき、回転するスクリュー21,22の羽根部25A,26Aが固定板13、入口部材1及びカバー5に直に接触することはない。
【0052】
上述のように、可動板12は、ほぼ水平な状態を保ちながら、図8及び図10乃至図12における左右方向に往復運動する。これにより、可動板12は、固定板13に対してほぼ平行な方向に作動し、可動板12と固定板13との間の濾液排出間隙g(図7)が常にクリーニングされ、ここに固形物が入り込んだままとなって、当該間隙gが目詰まりを起こし、濾液の排出が阻害される不具合を阻止することができる。回転する2本のスクリュー21,22の羽根25,26によって、可動板12を押動できるように、可動板12の凹部14の大きさと形態を設定し、可動板12と固定板13との間の間隙を通して濾液が流下するように構成することによって、上述した作用効果を奏することができるのである。
【0053】
上述した固液分離装置によると、2本のスクリュー21,22により、空間S内の処理対象物を搬送することができ、特に2本のスクリュー21,22の羽根25,26の一部を互いに重なった状態で配置することにより、処理対象物が流動性を失いやすい物であるときも、その処理対象物が空間Sの内部で詰まってしまう不具合を阻止できる。空間S内で脱水が進み、流動性が低下した処理対象物が、スクリュー21,22の表面に固着し、ないしは固着しようとしたとき、互いにオーバーラップした羽根25,26の部分が、その処理対象物を掻き取りながら回転し、処理対象物を崩すので、その処理対象物が空間S内で詰まる不具合を阻止できるのである。
【0054】
特に、図示した例のように、各スクリュー21,22が、羽根25,26のオーバラップした部分に上から入り込むように回転すると、処理対象物を、両スクリュー21,22の羽根25,26が、その重なった部分に強制的に送り込むことができ、その処理対象物を滞留させることなく効率よく搬送することができる。
【0055】
ところで、上述の固液分離動作を繰り返し行う間に、可動板12が摩耗するので、これを新たな可動板と交換する必要がある。この交換作業は次に例示するように極く簡単に行うことができる。
【0056】
先ず、モータ55の作動を停止させた状態で、図1に示したボルト72を緩めて、これらを取り外し、カバー5を上方に持ち上げて該カバーを取り外す。これにより、図3に示すように、スクリュー21,22と可動板12と固定板13の上部が開放される。
【0057】
次に図5に示したボルト29,75を緩めて、図6に示すように仕切板27を取り外すと共に、軸受板28を矢印E方向に引いて、各軸受カップ47,48を各スクリュー21,22の軸部23,24の一方の端部から離脱する。これにより、各スクリュー21,22の一方の端部側を拘束するものがなくなる。
【0058】
次いで、各スクリュー21,22を図3に矢印Fで示す方向に引いて、わずかな距離だけその各スクリュー21,22を軸線方向に移動させる。すると、図9に示すように、各スクリュー21,22の軸部23,24の他方の端部が、ギア軸54と出力軸56の中空部57から外れる。これにより、スクリュー21,22の他方の端部側を拘束するものがなくなる。これにより、スクリュー21,22を、これらが図2に示したミキサー200に当らないようにして、上方に持ち上げることができる。可動板12と固定板13に形成された各凹部14,15が、スクリュー21,22を上方に持ち上げることのできる形態に形成されているのである。
【0059】
上述のように、スクリュー21,22を可動板12と固定板13の凹部14,15から取り外せば、各可動板12をそのまま上方に持ち上げて、これを取り外すことができる。全ての可動板12を取り外した後、新たな可動板12を取り付け、上述したところと逆の手順で、スクリュー21,22を組み付けることができる。図2に示したミキサー200と、これを支持するベースプレート84を、例えば水平方向に移動可能に支持し、スクリュー21,22を着脱する際、ミキサー200とベースプレート84を、例えば図2に矢印Kで示した方向に移動させて、スクリュー21,22がミキサー200に当ることを阻止できるように構成すれば、スクリュー21,22の着脱作業を一層容易に行うことができる。
【0060】
上述のように、本例の固液分離装置においては、2本のスクリュー21,22を同時に上方に持ち上げることができるように、可動板12と固定板13の凹部14,15の上部開口幅の大きさが設定されているが、これらの開口幅を図示した例よりも小さく設定し、2本のスクリュー21,22を同時ではなく1本ずつ上方に持ち上げることができるように凹部14,15の上部開口幅の大きさを設定してもよい。いずれの場合も、各凹部14,15は、スクリューを上方に持ち上げることのできる大きさに設定されている。
【0061】
また、前述の形態の各固定板15に、図8に二点鎖線で示し、かつ符号15Aを付して示した板部分を付加した形態に、各固定板15を形成すると共に、図8に二点鎖線で示し、かつ符号5Aを付して示した部分をカバー5に付加して、該カバー5を形成すると、空間S内の処理対象物に加えられる圧力を高め、その脱液効率を高めることが可能である。
【0062】
以上説明した固液分離装置は、可動板12のほかに、上部が開放した凹部15が形成されている複数の固定板13を具備し、各固定板13の間に可動板13がそれぞれ配置され、2本のスクリュー21,22が、固定板13に形成された凹部15と可動板12に形成された凹部14を貫通して延び、固定板13の凹部15も、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成され、可動板12と固定板13の間の間隙を通して濾液が流下するように構成されている。すなわち、可動板12と固定板13が交互に配置され、可動板12が固定板13に対して作動するように構成されているのであるが、本発明は、このような構成に限定されるものではない。例えば、固定板を設けずに、可動板12だけを多数枚重ねて配置し、その多数の可動板12の凹部14に2本のスクリュー21,22を貫通させ、各可動板12の間の間隙を通して濾液を排出させると共に、スクリュー21,22の回転によって、各可動板12を、図8及び図10乃至図12を参照して先に説明したところと同様に作動させ、各可動板12同士の相対運動によって、これらの間に固形物が詰まる不具合を阻止するように構成することもできる。
【0063】
いずれの形態の固液分離装置も、可動板には、上部が開放した凹部が形成され、2本のスクリュー21,22が複数の可動板の凹部を貫通して延びていて、可動板の凹部は、回転する2本のスクリューによって該可動板が押動される形態に形成されていると共に、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成されている。
【0064】
また、本例の固液分離装置は、可動板12と固定板13の上部を覆う着脱可能なカバー5を有しているが、場合によっては、このカバー5を省略することもできる。固定板が設けられない固液分離装置の場合には、着脱可能なカバー5は可動板12の上部を覆う。
【0065】
また、処理対象物の減容率を高める目的で、ミキサーと固液分離装置とを結び付ける構成は、固液分離装置が、可動板と固定板に貫通する孔が形成され、2本のスクリューがその可動板と固定板の孔を貫通して延びている形式の装置であるときにも支障なく適用できる。この形式の固液分離装置は、特許第3565841号公報に詳しく記載されているので、その概略だけを図15乃至図18を参照して簡単に説明する。
【0066】
図15乃至図18に示した固液分離装置300は、孔114が形成されている複数の可動板12と、孔115が形成されている複数の固定板13を有し、各固定板13は、スペーサ30によって互いに間隙をあけて配置され、複数の固定板13とスペーサ30には、ボルト18,19が挿通されている。これらのボルト18,19にはナット20が螺着され、該ボルト18,19と固定板13が入口部材1と出口部材2に対して固定されている。各可動板12は各固定板13の間の間隙にそれぞれ配置されている。2本のスクリュー21,22は、固定板13に形成された孔115と可動板12に形成された孔114を貫通して延び、その各スクリュー21,22に固定されたギア52,53が互いに噛み合っている。入り口部材1にはギアボックス49が固定され、そのギアボックス49にモータ55が支持されている。一方のスクリュー21は、入口部材1と出口部材2に回転可能に支持され、他方のスクリュー22の一方の端部は、出口部材2に回転可能に支持され、他方の端部は、モータ55に連結されている。図示していないミキサー(図2参照)によって細かく砕かれてどろどろの状態となった処理対象物(図示せず)は、入口部材1の投入口4から矢印Aで示すように固液分離装置内に投入され、回転駆動される2本のスクリュー21,22によって矢印B方向に搬送される。このとき、処理対象物から分離された水分は、固定板13と可動板12の間を通して矢印C1,C2,C3で示すように受皿35上に落下して流下する。このようにして減容化された処理対象物は、矢印Dで示すように、出口部材2を通して下方に落下する。この場合も、回転する2本のスクリュー21,22の羽根25,26によって、可動板12が押動されるように、可動板12の孔114の形態が形成されているので、可動板12と固定板13との間に固形物が詰まることが防止される。
【0067】
上述した固液分離装置300も、2本のスクリュー21,22を有しているので、ミキサーにより細かく砕いた処理対象物をこの固液分離装置によって固液分離することにより、処理対象物の減容率を大きく高めることができる。また、図15乃至図18に示した固液分離装置300も、2本のスクリュー21,22は、その羽根25,26の一部が互いに重なった状態で配置され、しかも各スクリュー21,22によって、処理対象物がほぼ同じ方向に搬送されるように、各スクリュー21,22の羽根の巻き方向と各スクリューの回転方向が設定されている。さらに、図15乃至図18に示した固液分離装300においても、可動板12と固定板13が交互に配置され、可動板12が固定板13に対して作動するように構成されているが、固定板を設けずに、可動板12だけを多数枚重ねて配置し、その多数の可動板12の孔14内に2本のスクリュー21,22を貫通させ、各可動板12の間の間隙を通して濾液を排出させると共に、スクリュー21,22の回転によって各可動板12を作動させ、各可動板12同士の相対運動によって、これらの間に固形物が詰まる不具合を阻止するように構成することもできる。いずれの場合も可動板には孔が形成されていて、2本のスクリューは複数の可動板の孔を貫通して延びていて、該孔は、回転する2本のスクリューによって可動板が押動される形態に形成されている。
【0068】
また、上述したいずれの形式の固液分離装置においても、それ自体公知のように、内部空間への処理対象物投入側が、液体分の減少した処理対象物の排出側よりも低くなるように、複数の可動板12を傾斜して配置し、空間S内の処理対象物が排出側に近づくに従って、その処理対象物により一層大きな圧力が加えられるように構成することもできる。
【0069】
以上のように、各実施形態例に示した減容化装置は、処理対象物を細かく砕くミキサーと、該ミキサーによって砕かれた処理対象物から液体を分離する固液分離装置とを具備し、該固液分離装置は、複数の可動板と、これらの可動板を貫通して延びる2本のスクリューとを有し、可動板は、回転する2本のスクリューによって押動されるように構成されている。かかる構成により、処理対象物の減容化を飛躍的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】固液分離装置の平面図である。
【図2】図1に示した固液分離装置とミキサーの垂直断面図である。
【図3】カバーを取り外した状態での固液分離装置の平面図である。
【図4】入口部材と、可動板と、固定板と、スペーサと、ボルトの分解斜視図である。
【図5】出口部材の斜視図である。
【図6】出口部材の本体から仕切板と軸受板を分離した状態を示す斜視図である。
【図7】図1に示した固液分離装置の固液分離部における拡大平面図である。
【図8】図2のVIII−VIII線拡大断面図である。
【図9】ギア軸及び出力軸と、スクリューの軸部の連結状態を示す斜視図である。
【図10】可動板の動きを説明する図である。
【図11】可動板の動きを説明する図である。
【図12】可動板の動きを説明する図である。
【図13】図2に示したミキサーの平面図である。
【図14】ケーシングの上壁部及び周壁と、ベースプレートを除去した状態でミキサーを示した平面図である。
【図15】他の形式の固液分離装置の平面図である。
【図16】図15に示した固液分離装置の部分断面正面図である。
【図17】図15に示した固液分離装置の可動板と固定板とスペーサとボルトとナットの分解斜視図である。
【図18】図15に示した固液分離装置の固液分離部における拡大水平断面図である。
【符号の説明】
【0071】
5 カバー
12 可動板
13 固定板
14,15 凹部
21,22 スクリュー
77 回転体
78 ケーシング
79 歯
80 周壁
100 減容化装置
114,115 孔
200 ミキサー
300 固液分離装置
OB 処理対象物
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象物から液体を分離して、その体積を減少させる減容化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品加工工場などからは大量の野菜屑や果実の皮などの廃棄物が発生する。これらの廃棄物は、通常、処分場に運搬され、ここで処分されていたが、このような大量の廃棄物を運搬するには多大な費用がかかり、業者にとって大きな経済的負担となっていた。
【0003】
そこで、野菜屑などの廃棄物から水分を分離して、その廃棄物を減容化する固液分離装置が提案され、かつ実用化されている(特許文献1参照)。この固液分離装置は、2本のスクリューによって処理対象物を搬送しながら、その処理対象物から液体を分離するように構成されているので、処理対象物が野菜屑や果実の皮などの廃棄物である場合も、その詰まりを防止しつつ、効率よく固液分離することができる。
【0004】
ところが、本発明者の検討の結果、上述した固液分離装置だけでは、処理対象物の減容率を高めることに限度のあることが明らかとなった。
【0005】
【特許文献1】特許第3565841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、処理対象物の減容率をより一層高めることのできる減容化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、処理対象物を細かく砕くミキサーと、該ミキサーによって砕かれた処理対象物から液体を分離する固液分離装置とを具備し、前記固液分離装置は、複数の可動板と、これらの可動板を貫通して延びる2本のスクリューとを有し、前記可動板は、回転する2本のスクリューによって押動されるように構成されていることを特徴とする減容化装置を提案する(請求項1)。
【0008】
また、上記請求項1に記載の減容化装置において、前記ミキサーは、円錐台状に形成され、かつ周面に多数の歯が突設された回転体と、該回転体の周面から離間して位置する周壁を備えたケーシングを具備し、回転駆動される前記回転体の上方から処理対象物がケーシング内に供給され、該処理対象物が前記回転体と、前記ケーシングの周壁の間を落下する間に、回転する回転体の歯によって処理対象物が細かく砕かれるように構成されていると有利である(請求項2)。
【0009】
さらに、上記請求項1又は2に記載の減容化装置において、前記可動板には、上部が開放した凹部が形成され、前記2本のスクリューは複数の可動板の凹部を貫通して延びていて、該凹部は、回転する2本のスクリューによって可動板が押動される形態に形成されていると共に、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成されていると有利である(請求項3)。
【0010】
また、上記請求項3に記載の減容化装置において、前記固液分離装置は、上部が開放した凹部が形成されている複数の固定板を具備し、各固定板の間に前記可動板がそれぞれ配置され、前記2本のスクリューは、前記固定板に形成された凹部と可動板に形成された凹部を貫通して延び、固定板の凹部も、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成され、可動板と固定板の間の間隙を通して濾液が流下するように構成されていると有利である(請求項4)。
【0011】
さらに、上記請求項3に記載の減容化装置において、前記固液分離装置は、前記可動板の上部を覆う着脱可能なカバーを有していると有利である(請求項5)。
【0012】
また、上記請求項4に記載の減容化装置において、前記固液分離装置は、前記可動板と固定板の上部を覆う着脱可能なカバーを有していると有利である(請求項6)。
【0013】
さらに、上記請求項1又は2に記載の減容化装置において、前記可動板には孔が形成されていて、前記2本のスクリューは複数の可動板の孔を貫通して延びていて、該孔は、回転する2本のスクリューによって可動板が押動される形態に形成されていると有利である(請求項7)。
【0014】
また、上記請求項7に記載の減容化装置において、前記固液分離装置は、孔が形成されている複数の固定板を有し、各固定板の間に前記各可動板がそれぞれ配置され、前記2本のスクリューは、固定板に形成された孔と可動板に形成された孔を貫通して延びていると有利である(請求項8)。
【0015】
さらに、上記請求項1乃至8のいずれかに記載の減容化装置において、前記2本のスクリューは、その羽根の一部が互いに重なった状態で配置されていると有利である(請求項9)。
【0016】
また、上記請求項1乃至9のいずれかに記載の減容化装置において、各スクリューによって、処理対象物がほぼ同じ方向に搬送されるように、各スクリューの羽根の巻き方向と各スクリューの回転方向が設定されていると有利である(請求項10)。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ミキサーによって処理対象物を細かく砕き、その砕かれた処理対象物を、2本のスクリューを有する固液分離装置によって、固液分離するので、処理対象物の減容率を飛躍的に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0019】
図2は、本例の減容化装置100の垂直断面図である。ここに示した減容化装置100は、処理対象物を細かく砕くミキサー200と、このミキサー200によって砕かれた処理対象物から液体を分離する固液分離装置300を具備している。先ず、ミキサー200の構成と作用を明らかにする。
【0020】
ミキサー200は、円錐台状に形成された回転体77と、この回転体77を収容するケーシング78とを有し、回転体77の周面には、突起状の多数の歯79が突設されている。回転体77の中心部には上下方向に延びる軸82が固定され、この軸82は、軸受83を介してベースプレート84に回転自在に支持されている。
【0021】
また、ケーシング78は、回転体77の周面から所定の距離だけ離間し、かつその周面に対してほぼ平行に位置する周壁80と、その周壁80の上端に一体に接続され、かつ上部が開口したほぼ筒状の上壁部81と、周壁80の下端に一体に接続された樋状のガイド85とを有している。かかるケーシング78はベースプレート84に固定支持されている。図13は、ミキサー200をその上方から見た平面図であり、図14はケーシング78の上壁部81と周壁80を除去すると共に、ベースプレートを除去したときのミキサー200の平面図である。図2及び図14から判るように、ガイド85は、回転体77の周面下縁に沿って、その全周に亘って延びている。また、ガイド85とベースプレート84には、処理対象物用の出口開口90が形成され、その下方に、後述する固液分離装置300の投入口4が位置している。
【0022】
一方、ベースプレート84上には、モータ86が支持され、その出力軸には第1のプーリ87が固定されている。また、回転体77に固定された軸82の下部には、第2のプーリ88が固定され、その第2のプーリ88と第1のプーリ87には伝動ベルト89が巻き掛けられている。
【0023】
図示した減容化装置100によって処理される処理対象物としては、例えば食品加工工場にて発生するキャベツなどの野菜屑、柑橘類を絞ってジュースを製造した後に残る皮、パイナップルの皮や芯などが挙げられるが、これらの処理対象物OBは、図2に矢印AAで示すように、ミキサー200におけるケーシング78の上部開口からケーシング78内に投入される。このとき、モータ86が作動し、その回転が第1のプーリ87、伝動ベルト89及び第2のプーリ88を介して軸82に伝えられ、該軸82と回転体77がその中心軸線のまわりに回転している。このように回転駆動される回転体77の上方から処理対象物OBがケーシング78内に供給される。供給された処理対象物は、回転体77とケーシング78の周壁80の間を落下し、その間に、回転する回転体77の多数の歯79によって処理対象物が細かく砕かれ、樋状のガイド85内に落下する。このようにして、細かく砕かれた処理対象物は、ガイド85内に堆積していき、その量が或る程度多くなると、回転体77の回転によってガイド85中を移動し、出口開口90から下方に落下して固液分離装置300の投入口4から固液分離装置300内に投入される。
【0024】
上述のようにしてミキサー200によって細かく砕かれた処理対象物は、例えば、すりおろしたリンゴや、おかゆのようなどろどろな状態にある。
【0025】
次に図示した固液分離装置300の構成と作用を説明する。
【0026】
図1は図2に示したミキサー200と、これを支持するベースプレート84を取り除いた状態で固液分離装置300を示した平面図である。図1及び図2に示すように、本例の固液分離装置は、入口部材1と出口部材2とを有し、これらの部材1,2の間に固液分離部3が配置されている。また、入口部材1と固液分離部3の上部は、着脱可能なカバー5によって覆われている。図3は、このカバー5を取り除いた状態での固液分離装置の平面図である。
【0027】
入口部材1は、図2乃至図4に示すように、下方に向けて凹んだ底壁6と、その底壁6の各端部に一体に接続された平板部7,8と、底壁6及び平板部7,8から下方に垂下した一対の側板9,10とから構成されている。また出口部材2は、図2、図3、図5及び図6に示すように、上部と下部が開口した本体11を有し、その本体11の固液分離部3を向いた側の側壁16と、これに対向して位置する側壁17には、それぞれ切欠37,38が形成され、その各切欠37,38には、仕切板27と軸受板28がそれぞれ配置され、その仕切板27と軸受板28は、ボルト29,75と、これに螺着したナットとによって、本体11に着脱可能に固定されている。ボルト29,75を緩めることにより、仕切板27と軸受板28を、図6に示すように、本体11から分離することができる。また、本体11の下部開口は、脱水処理されて減容化された処理対象物が排出される排出口36を構成している。
【0028】
一方、本例の固液分離装置300は、図2乃至図4に示すように、複数の可動板12と、複数の固定板13を有していて、各可動板12と固定板13には、図7及び図8にも示すように、上部が開放した凹部14,15がそれぞれ形成されている。また、各固定板13の間にはリング状のスペーサ30が配置され、各固定板13に形成された取付孔32,33(図4及び図8)と各スペーサ30とにボルト18,19が挿通されている。図示した例では、各固定板13の凹部15の下方に形成された2つの取付孔32を貫通する2本のボルト18と、凹部15の各側方に形成された2つの取付孔33を貫通する2本のボルト19の合計が4本のボルトが用いられている。図4には、これらのボルトのうちの1本のボルト19とこれが嵌合するスペーサ30だけを示してある。固定板13とスペーサ30を一体に形成することもできる。
【0029】
図2及び図3に示すように、ボルト18,19は、入口部材1の一方の側板9と、出口部材2の本体11の一方の側壁16を貫通し、その各ボルト18,19にナット20が螺着されて締め付けられている。このように、各固定板13は、スペーサ30によって互いに所定の間隙をあけて、その軸線方向に配列され、かつボルト18,19とナット20とによって互いに一体的に固定され、入口部材1と出口部材2に対して固定されている。スペーサによって互いに間隙をあけて配置された各固定板を、わずかに遊動できるように組み付けることもできる。
【0030】
また、各可動板12は、各固定板13の間の間隙にそれぞれ配置され、図7に示すように、各可動板12の厚さTは、各固定板13の間の間隙幅Gよりも小さく設定され、各固定板13の端面と、これに対向する可動板12の端面の間には、例えば0.5乃至1mm程度の濾液排出間隙gが形成される。この濾液排出間隙gは、後述するように処理対象物から分離された液体、すなわち濾液を通過させるものである。可動板12の厚さTは、例えば1.5mm程度に設定され、固定板13の厚さtは、例えば3mm程度に設定される。
【0031】
図8に示すように、各可動板12は、下側の2本のボルト18に嵌合したスペーサ30上に載せられ、しかも、上側の2本のボルト19に嵌合した両スペーサ30の間に配置されている。これにより、各可動板12が下方に落下することが阻止され、しかも各可動板12は、各固定板13の間の隙間において、固定板13の端面と平行な方向に動くことができる。
【0032】
また、図1乃至図3、図7及び図8に示すように、固液分離装置300は、2本のスクリュー21,22を有し、これらのスクリュー21,22は、入口部材1の底壁6により区画された凹所と、固定板13に形成された凹部15と、可動板12に形成された凹部14を貫通して延びている。ここに示した各スクリュー21,22は、軸部23,24と、その各軸部部23,24にそれぞれ一体に形成されたらせん状の羽根25,26を有している。
【0033】
一方、図2、図5及び図6に示すように、出口部材2の仕切板27には、半円状の2つの切欠39,40が形成されていると共に、本体11の一方の側壁16の切欠37は、半円状の2つの切欠部41,42を有している。、これらの切欠39,40と切欠部41,42によって、2つの円形の孔43,44が区画され、その各孔43,44に、図5には示していない各スクリュー21,22の軸部23,24がそれぞれ貫通して延びている。図2から判るように、各孔43,44の径は、軸部23,24の径よりも大きくなっている。
【0034】
また、図1乃至図3、図5及び図6に示すように、出口部材2の他方の側壁17に形成された切欠38に配置された軸受板28には、内部に軸受45,46が収容された軸受カップ47,48が固定されている。図1乃至図3に示すように、各スクリュー21,22の軸部23,24の一方の端部が、各軸受カップ47,48内にそれぞれ挿入され、各軸受45,46を介して、その各軸受カップ47,48に回転自在に支持されている。
【0035】
また、図1乃至図3に示すように、入口部材1には、ギアボックス49が固定され、このギアボックス49の各側壁50,51には、ギア52の固定されたギア軸54が、軸受を介して回転自在に支持されている。また、側壁51にはモータ55が固定支持され、その出力軸56が両側壁50,51を通して延びている。この出力軸56にも、ギア53が固定され、このギア53と上述のギア52は、ギアボックス49の内部で互いに噛み合っている。
【0036】
ギア軸54の一方の端部と、出力軸56の一方の端部は、図2、図3及び図9に示すように、内部が中空に形成され、その中空部57の中央部に係合片58が固定配置されている。一方、図9に示すように、各スクリュー21,22の軸部23,24の他方の端部には、係合溝59が形成され、その各軸部23,24の各端部は図3に示すように、ギア軸54と出力軸56の中空部57に挿入され、各軸部23,24に形成された係合溝59がギア軸54と出力軸56に設けられた係合片58にそれぞれ着脱可能に係合している。従って、モータ55が作動して、出力軸56が回転すると、その回転がギア53,52を介してギア軸54に伝えられると共に、出力軸56とギア軸54の回転は、互いに係合した係合片58と係合溝59を介して、各スクリュー21,22に伝達され、各スクリュー21,22が、その中心軸線X1,X2のまわりに回転する。
【0037】
図7及び図8に示すように、2本のスクリュー21,22は、接触することなく、その羽根25,26の一部が互いに重なった状態で配置されている。すなわち、両スクリュー21,22を、その中心軸線X1,X2の方向に見たとき、両羽根25,26の一部がオーバラップした状態で位置しているのである。図8においては、両スクリュー21,22の羽根25,26の重なった部分に斜線を付し、符号OLを付してある。
【0038】
また、図示した例では、両スクリュー21,22が、図3に示すように互いに平行に並置されているが、これらのスクリュー21,22の中心軸線X1,X2が、小なる角度をもった状態に、両スクリュー21,22を並置してもよい。可動板12と固定板13の凹部14,15の大きさと形態は、2本のスクリュー21,22の回転を阻害しないように設定されていることは当然である。また、本例の固液分離装置においては、各スクリュー21,22の羽根25,26のピッチが、入口部材1の側から出口部材2の側に向けて漸次、小さくなっているが、このピッチを、各スクリューの全長に亘って等しく設定することもできる。
【0039】
図2に示すように、ギアボックス49の一方の側壁50は下方に延び、その下端から水平方向に突出したフランジ部60が、固液分離装置を支持する台枠のステー61に固定されている。同様に出口部材2の一方の側壁16に突設されたフランジ部62も、台枠のステー63に固定されている。さらに、多数の固定板13のうち、図2乃至図4に、特に符号13Aを付して示した固定板は、その下部が、他の固定板よりも大きく下方に延び、その下端から水平に突出したフランジ部64が、台枠のステー65に固定されている。このように、複数のフランジ部60,62,64が台枠のステー61,63,65に固定されることにより、固液分離装置の全体が台枠に支持されている。
【0040】
また、図3及び図4に示すように、支柱としての用をなす固定板13Aの上部には、一対の舌片66,67が突設され、しかも、出口部材2の一方の側壁16にも、一対の舌片68,69が突設されている。これらの舌片66,67,68,69と、入口部材1の各平板部7,8の上に、図1及び図2に示すように、カバー5の各フランジ部70,71が載せられ、ボルト72とナットによって、そのフランジ部70,71が舌片66,67,68,69と平板部7,8に着脱可能に固定されている。また、入口部材1の底壁6に対応するカバー5の部分には、処理対象物を投入するための投入口4が形成されている。
【0041】
次に、固液分離装置300の作用を説明しながら、固液分離装置300の他の構成について明らかにする。
【0042】
図2に示したミキサー200の出口開口90から落下する処理対象物は、矢印Aで示すように、投入口4から入口部材1の底壁6上に投入される。このとき、モータ55の作動によって、出力軸56とスクリュー22が回転駆動され、この回転は、ギア53,52を介してギア軸54に伝えられ、これによってスクリュー21も回転駆動される。このように、2本のスクリュー21,22が、その中心軸線X1,X2の周りに回転することにより、入口部材1上に落下した処理対象物は、図2に矢印Bで示すように、多数の固定板13と可動板12の凹部15,14とカバー5とにより区画された空間Sに移動し、出口部材2の側へ向けて搬送される。なお、固液分離装置に送り込まれた処理対象物の図示は省略してある。
【0043】
上述のように、交互に配置された複数の可動板12と固定板13の凹部14,15と、カバー5により区画された空間S中を処理対象物が移動するとき、その処理対象物から水分が分離され、その分離された水分、すなわち濾液が各固定板13と可動板12の間の濾液排出間隙g(図7)を通して外部に排出される。このように排出された濾液は、図2に矢印C1,C2,C3,C4で示すように下方に流下し、各ステー61,63に固定された受皿35に受け止められ、その受皿35の排出口76を通して下方に排出される。この濾液中には、未だ固形分が含まれているので、当該濾液は、再度、例えば1本のスクリューを有する他の固液分離装置によって脱水処理される。
【0044】
上述のようにして、空間S中を搬送される処理対象物の含水量が下げられ、減容化された処理対象物は、図2に矢印Dで示すように、出口部材2に形成された孔43,44を通して、出口部材2内に排出され、下方に落下する。図1乃至図3に示すように、出口部材2の一方の側壁16と仕切板27に対向して、各軸部23,24に背圧板73,74が固定されており、これによって空間S内の処理対象物に加えられる圧力を高めることができる。
【0045】
上述のように、本例の固液分離装置においては、スクリュー21,22の回転により、処理対象物が入口部材1の側から出口部材2の側へ向けて搬送される。すなわち、各スクリュー21,22によって、処理対象物がほぼ同じ方向に搬送されるように、各スクリュー21,22の羽根25,26の巻き方向と、その各スクリュー21,22の回転方向が設定されているのである。図示した例では、図8に示すように、一方のスクリュー21が時計方向に回転駆動され、他方のスクリュー22が反時計方向に回転駆動される。
【0046】
本例の減容化装置によれば、先ずミキサー200によって処理対象物を細かく砕いてどろどろの状態にし、しかも2本のスクリュー21,22を有する固液分離装置によって、処理対象物から水分を除去するので、処理対象物の減容率を飛躍的に高めることができる。このように効率よく減容化した処理対象物を、低コストで処理場などに運搬することができる。また、減容化後の処理対象物中にも、未だ多量の水分が含まれているので、その処理対象物を、図示していない乾燥装置によって乾燥処理し、その含水量をさらに下げて減容化することもできる。減容化した処理対象物を廃棄する代りに、肥料として利用することも可能である。
【0047】
ところで、固液分離装置の空間S内において、処理対象物の水分と固形分を分離する際、各可動板12と固定板13との間の濾液排出間隙gに固形分がわずかに入り込むことは避けられず、これを放置すると、その間隙gが目詰まりを起こす。ところが、本例の固液分離装置の可動板12は、回転する2本のスクリュー21,22の羽根25,26によって、押し動かされ、各可動板12の端面が、これに対向する固定板13の端面に対して運動し、この掻動作用によって、濾液排出間隙gに入り込んだ固形分が、その間隙gから効率よく排出され、ここに詰まることが阻止される。
【0048】
図10乃至図12は、可動板12が、2本のスクリュー21,22によって押し動かされるときの様子を模式的に示した説明図である。これらの図においては、スクリュー21,22、可動板12及び固定板13を全て実線で表わすと共に、図8に示した各羽根25,26の断面部分25A,26Aを、単なる線で表わしてある。
【0049】
ここで、図8及び図10乃至図12を参照して、可動板12の動きを説明する。各羽根25,26の断面部分25A,26Aを羽根部と称することにすると、図8に示した状態においては、各羽根部25A,26Aは共に図の右方を向いている。このとき、一方の羽根部25Aは、可動板12に接触していないが、他方の羽根部26Aは可動板12を図における右方に押圧し、その可動板12は最も右方の位置を占めている。
【0050】
この状態から、一方のスクリュー21は時計方向に回転し、他方のスクリュー22は反時計方向に回転するが、各羽根部25A,26Aが図10に示す位置にあるときは、羽根部26Aも可動板12から離れ、可動板12は羽根部25A,26Aに押圧されることなく最右方の位置を占めている。
【0051】
ところが、各羽根部25A,26Aが図11に示した位置を占めると、一方のスクリュー21の羽根部25Aが可動板12を図における左方に押圧し、該可動板12が左方に押し動かされる。スクリュー21,22の回転に伴って、可動板12は、羽根部25Aによってさらに左方に押動され、図12に示すように、両羽根部25A,26Aが図における左方を向いたとき、可動板12は最も左方の位置を占める。かかる運動が連続的に繰り返し行われる。このとき、回転するスクリュー21,22の羽根部25A,26Aが固定板13、入口部材1及びカバー5に直に接触することはない。
【0052】
上述のように、可動板12は、ほぼ水平な状態を保ちながら、図8及び図10乃至図12における左右方向に往復運動する。これにより、可動板12は、固定板13に対してほぼ平行な方向に作動し、可動板12と固定板13との間の濾液排出間隙g(図7)が常にクリーニングされ、ここに固形物が入り込んだままとなって、当該間隙gが目詰まりを起こし、濾液の排出が阻害される不具合を阻止することができる。回転する2本のスクリュー21,22の羽根25,26によって、可動板12を押動できるように、可動板12の凹部14の大きさと形態を設定し、可動板12と固定板13との間の間隙を通して濾液が流下するように構成することによって、上述した作用効果を奏することができるのである。
【0053】
上述した固液分離装置によると、2本のスクリュー21,22により、空間S内の処理対象物を搬送することができ、特に2本のスクリュー21,22の羽根25,26の一部を互いに重なった状態で配置することにより、処理対象物が流動性を失いやすい物であるときも、その処理対象物が空間Sの内部で詰まってしまう不具合を阻止できる。空間S内で脱水が進み、流動性が低下した処理対象物が、スクリュー21,22の表面に固着し、ないしは固着しようとしたとき、互いにオーバーラップした羽根25,26の部分が、その処理対象物を掻き取りながら回転し、処理対象物を崩すので、その処理対象物が空間S内で詰まる不具合を阻止できるのである。
【0054】
特に、図示した例のように、各スクリュー21,22が、羽根25,26のオーバラップした部分に上から入り込むように回転すると、処理対象物を、両スクリュー21,22の羽根25,26が、その重なった部分に強制的に送り込むことができ、その処理対象物を滞留させることなく効率よく搬送することができる。
【0055】
ところで、上述の固液分離動作を繰り返し行う間に、可動板12が摩耗するので、これを新たな可動板と交換する必要がある。この交換作業は次に例示するように極く簡単に行うことができる。
【0056】
先ず、モータ55の作動を停止させた状態で、図1に示したボルト72を緩めて、これらを取り外し、カバー5を上方に持ち上げて該カバーを取り外す。これにより、図3に示すように、スクリュー21,22と可動板12と固定板13の上部が開放される。
【0057】
次に図5に示したボルト29,75を緩めて、図6に示すように仕切板27を取り外すと共に、軸受板28を矢印E方向に引いて、各軸受カップ47,48を各スクリュー21,22の軸部23,24の一方の端部から離脱する。これにより、各スクリュー21,22の一方の端部側を拘束するものがなくなる。
【0058】
次いで、各スクリュー21,22を図3に矢印Fで示す方向に引いて、わずかな距離だけその各スクリュー21,22を軸線方向に移動させる。すると、図9に示すように、各スクリュー21,22の軸部23,24の他方の端部が、ギア軸54と出力軸56の中空部57から外れる。これにより、スクリュー21,22の他方の端部側を拘束するものがなくなる。これにより、スクリュー21,22を、これらが図2に示したミキサー200に当らないようにして、上方に持ち上げることができる。可動板12と固定板13に形成された各凹部14,15が、スクリュー21,22を上方に持ち上げることのできる形態に形成されているのである。
【0059】
上述のように、スクリュー21,22を可動板12と固定板13の凹部14,15から取り外せば、各可動板12をそのまま上方に持ち上げて、これを取り外すことができる。全ての可動板12を取り外した後、新たな可動板12を取り付け、上述したところと逆の手順で、スクリュー21,22を組み付けることができる。図2に示したミキサー200と、これを支持するベースプレート84を、例えば水平方向に移動可能に支持し、スクリュー21,22を着脱する際、ミキサー200とベースプレート84を、例えば図2に矢印Kで示した方向に移動させて、スクリュー21,22がミキサー200に当ることを阻止できるように構成すれば、スクリュー21,22の着脱作業を一層容易に行うことができる。
【0060】
上述のように、本例の固液分離装置においては、2本のスクリュー21,22を同時に上方に持ち上げることができるように、可動板12と固定板13の凹部14,15の上部開口幅の大きさが設定されているが、これらの開口幅を図示した例よりも小さく設定し、2本のスクリュー21,22を同時ではなく1本ずつ上方に持ち上げることができるように凹部14,15の上部開口幅の大きさを設定してもよい。いずれの場合も、各凹部14,15は、スクリューを上方に持ち上げることのできる大きさに設定されている。
【0061】
また、前述の形態の各固定板15に、図8に二点鎖線で示し、かつ符号15Aを付して示した板部分を付加した形態に、各固定板15を形成すると共に、図8に二点鎖線で示し、かつ符号5Aを付して示した部分をカバー5に付加して、該カバー5を形成すると、空間S内の処理対象物に加えられる圧力を高め、その脱液効率を高めることが可能である。
【0062】
以上説明した固液分離装置は、可動板12のほかに、上部が開放した凹部15が形成されている複数の固定板13を具備し、各固定板13の間に可動板13がそれぞれ配置され、2本のスクリュー21,22が、固定板13に形成された凹部15と可動板12に形成された凹部14を貫通して延び、固定板13の凹部15も、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成され、可動板12と固定板13の間の間隙を通して濾液が流下するように構成されている。すなわち、可動板12と固定板13が交互に配置され、可動板12が固定板13に対して作動するように構成されているのであるが、本発明は、このような構成に限定されるものではない。例えば、固定板を設けずに、可動板12だけを多数枚重ねて配置し、その多数の可動板12の凹部14に2本のスクリュー21,22を貫通させ、各可動板12の間の間隙を通して濾液を排出させると共に、スクリュー21,22の回転によって、各可動板12を、図8及び図10乃至図12を参照して先に説明したところと同様に作動させ、各可動板12同士の相対運動によって、これらの間に固形物が詰まる不具合を阻止するように構成することもできる。
【0063】
いずれの形態の固液分離装置も、可動板には、上部が開放した凹部が形成され、2本のスクリュー21,22が複数の可動板の凹部を貫通して延びていて、可動板の凹部は、回転する2本のスクリューによって該可動板が押動される形態に形成されていると共に、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成されている。
【0064】
また、本例の固液分離装置は、可動板12と固定板13の上部を覆う着脱可能なカバー5を有しているが、場合によっては、このカバー5を省略することもできる。固定板が設けられない固液分離装置の場合には、着脱可能なカバー5は可動板12の上部を覆う。
【0065】
また、処理対象物の減容率を高める目的で、ミキサーと固液分離装置とを結び付ける構成は、固液分離装置が、可動板と固定板に貫通する孔が形成され、2本のスクリューがその可動板と固定板の孔を貫通して延びている形式の装置であるときにも支障なく適用できる。この形式の固液分離装置は、特許第3565841号公報に詳しく記載されているので、その概略だけを図15乃至図18を参照して簡単に説明する。
【0066】
図15乃至図18に示した固液分離装置300は、孔114が形成されている複数の可動板12と、孔115が形成されている複数の固定板13を有し、各固定板13は、スペーサ30によって互いに間隙をあけて配置され、複数の固定板13とスペーサ30には、ボルト18,19が挿通されている。これらのボルト18,19にはナット20が螺着され、該ボルト18,19と固定板13が入口部材1と出口部材2に対して固定されている。各可動板12は各固定板13の間の間隙にそれぞれ配置されている。2本のスクリュー21,22は、固定板13に形成された孔115と可動板12に形成された孔114を貫通して延び、その各スクリュー21,22に固定されたギア52,53が互いに噛み合っている。入り口部材1にはギアボックス49が固定され、そのギアボックス49にモータ55が支持されている。一方のスクリュー21は、入口部材1と出口部材2に回転可能に支持され、他方のスクリュー22の一方の端部は、出口部材2に回転可能に支持され、他方の端部は、モータ55に連結されている。図示していないミキサー(図2参照)によって細かく砕かれてどろどろの状態となった処理対象物(図示せず)は、入口部材1の投入口4から矢印Aで示すように固液分離装置内に投入され、回転駆動される2本のスクリュー21,22によって矢印B方向に搬送される。このとき、処理対象物から分離された水分は、固定板13と可動板12の間を通して矢印C1,C2,C3で示すように受皿35上に落下して流下する。このようにして減容化された処理対象物は、矢印Dで示すように、出口部材2を通して下方に落下する。この場合も、回転する2本のスクリュー21,22の羽根25,26によって、可動板12が押動されるように、可動板12の孔114の形態が形成されているので、可動板12と固定板13との間に固形物が詰まることが防止される。
【0067】
上述した固液分離装置300も、2本のスクリュー21,22を有しているので、ミキサーにより細かく砕いた処理対象物をこの固液分離装置によって固液分離することにより、処理対象物の減容率を大きく高めることができる。また、図15乃至図18に示した固液分離装置300も、2本のスクリュー21,22は、その羽根25,26の一部が互いに重なった状態で配置され、しかも各スクリュー21,22によって、処理対象物がほぼ同じ方向に搬送されるように、各スクリュー21,22の羽根の巻き方向と各スクリューの回転方向が設定されている。さらに、図15乃至図18に示した固液分離装300においても、可動板12と固定板13が交互に配置され、可動板12が固定板13に対して作動するように構成されているが、固定板を設けずに、可動板12だけを多数枚重ねて配置し、その多数の可動板12の孔14内に2本のスクリュー21,22を貫通させ、各可動板12の間の間隙を通して濾液を排出させると共に、スクリュー21,22の回転によって各可動板12を作動させ、各可動板12同士の相対運動によって、これらの間に固形物が詰まる不具合を阻止するように構成することもできる。いずれの場合も可動板には孔が形成されていて、2本のスクリューは複数の可動板の孔を貫通して延びていて、該孔は、回転する2本のスクリューによって可動板が押動される形態に形成されている。
【0068】
また、上述したいずれの形式の固液分離装置においても、それ自体公知のように、内部空間への処理対象物投入側が、液体分の減少した処理対象物の排出側よりも低くなるように、複数の可動板12を傾斜して配置し、空間S内の処理対象物が排出側に近づくに従って、その処理対象物により一層大きな圧力が加えられるように構成することもできる。
【0069】
以上のように、各実施形態例に示した減容化装置は、処理対象物を細かく砕くミキサーと、該ミキサーによって砕かれた処理対象物から液体を分離する固液分離装置とを具備し、該固液分離装置は、複数の可動板と、これらの可動板を貫通して延びる2本のスクリューとを有し、可動板は、回転する2本のスクリューによって押動されるように構成されている。かかる構成により、処理対象物の減容化を飛躍的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】固液分離装置の平面図である。
【図2】図1に示した固液分離装置とミキサーの垂直断面図である。
【図3】カバーを取り外した状態での固液分離装置の平面図である。
【図4】入口部材と、可動板と、固定板と、スペーサと、ボルトの分解斜視図である。
【図5】出口部材の斜視図である。
【図6】出口部材の本体から仕切板と軸受板を分離した状態を示す斜視図である。
【図7】図1に示した固液分離装置の固液分離部における拡大平面図である。
【図8】図2のVIII−VIII線拡大断面図である。
【図9】ギア軸及び出力軸と、スクリューの軸部の連結状態を示す斜視図である。
【図10】可動板の動きを説明する図である。
【図11】可動板の動きを説明する図である。
【図12】可動板の動きを説明する図である。
【図13】図2に示したミキサーの平面図である。
【図14】ケーシングの上壁部及び周壁と、ベースプレートを除去した状態でミキサーを示した平面図である。
【図15】他の形式の固液分離装置の平面図である。
【図16】図15に示した固液分離装置の部分断面正面図である。
【図17】図15に示した固液分離装置の可動板と固定板とスペーサとボルトとナットの分解斜視図である。
【図18】図15に示した固液分離装置の固液分離部における拡大水平断面図である。
【符号の説明】
【0071】
5 カバー
12 可動板
13 固定板
14,15 凹部
21,22 スクリュー
77 回転体
78 ケーシング
79 歯
80 周壁
100 減容化装置
114,115 孔
200 ミキサー
300 固液分離装置
OB 処理対象物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象物を細かく砕くミキサーと、該ミキサーによって砕かれた処理対象物から液体を分離する固液分離装置とを具備し、前記固液分離装置は、複数の可動板と、これらの可動板を貫通して延びる2本のスクリューとを有し、前記可動板は、回転する2本のスクリューによって押動されるように構成されていることを特徴とする減容化装置。
【請求項2】
前記ミキサーは、円錐台状に形成され、かつ周面に多数の歯が突設された回転体と、該回転体の周面から離間して位置する周壁を備えたケーシングを具備し、回転駆動される前記回転体の上方から処理対象物がケーシング内に供給され、該処理対象物が前記回転体と、前記ケーシングの周壁の間を落下する間に、回転する回転体の歯によって処理対象物が細かく砕かれるように構成されている請求項1に記載の減容化装置。
【請求項3】
前記可動板には、上部が開放した凹部が形成され、前記2本のスクリューは複数の可動板の凹部を貫通して延びていて、該凹部は、回転する2本のスクリューによって可動板が押動される形態に形成されていると共に、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成されている請求項1又は2に記載の減容化装置。
【請求項4】
前記固液分離装置は、上部が開放した凹部が形成されている複数の固定板を具備し、各固定板の間に前記可動板がそれぞれ配置され、前記2本のスクリューは、前記固定板に形成された凹部と可動板に形成された凹部を貫通して延び、固定板の凹部も、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成され、可動板と固定板の間の間隙を通して濾液が流下するように構成されている請求項3に記載の減容化装置。
【請求項5】
前記固液分離装置は、前記可動板の上部を覆う着脱可能なカバーを有している請求項3に記載の減容化装置。
【請求項6】
前記固液分離装置は、前記可動板と固定板の上部を覆う着脱可能なカバーを有している請求項4に記載の減容化装置。
【請求項7】
前記可動板には孔が形成されていて、前記2本のスクリューは複数の可動板の孔を貫通して延びていて、該孔は、回転する2本のスクリューによって可動板が押動される形態に形成されている請求項1又は2に記載の減容化装置。
【請求項8】
前記固液分離装置は、孔が形成されている複数の固定板を有し、各固定板の間に前記各可動板がそれぞれ配置され、前記2本のスクリューは、固定板に形成された孔と可動板に形成された孔を貫通して延びている請求項7に記載の減容化装置。
【請求項9】
前記2本のスクリューは、その羽根の一部が互いに重なった状態で配置されている請求項1乃至8のいずれかに記載の減容化装置。
【請求項10】
各スクリューによって、処理対象物がほぼ同じ方向に搬送されるように、各スクリューの羽根の巻き方向と各スクリューの回転方向が設定されている請求項1乃至9のいずれかに記載の減容化装置。
【請求項1】
処理対象物を細かく砕くミキサーと、該ミキサーによって砕かれた処理対象物から液体を分離する固液分離装置とを具備し、前記固液分離装置は、複数の可動板と、これらの可動板を貫通して延びる2本のスクリューとを有し、前記可動板は、回転する2本のスクリューによって押動されるように構成されていることを特徴とする減容化装置。
【請求項2】
前記ミキサーは、円錐台状に形成され、かつ周面に多数の歯が突設された回転体と、該回転体の周面から離間して位置する周壁を備えたケーシングを具備し、回転駆動される前記回転体の上方から処理対象物がケーシング内に供給され、該処理対象物が前記回転体と、前記ケーシングの周壁の間を落下する間に、回転する回転体の歯によって処理対象物が細かく砕かれるように構成されている請求項1に記載の減容化装置。
【請求項3】
前記可動板には、上部が開放した凹部が形成され、前記2本のスクリューは複数の可動板の凹部を貫通して延びていて、該凹部は、回転する2本のスクリューによって可動板が押動される形態に形成されていると共に、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成されている請求項1又は2に記載の減容化装置。
【請求項4】
前記固液分離装置は、上部が開放した凹部が形成されている複数の固定板を具備し、各固定板の間に前記可動板がそれぞれ配置され、前記2本のスクリューは、前記固定板に形成された凹部と可動板に形成された凹部を貫通して延び、固定板の凹部も、スクリューを上方に持ち上げることのできる形態に形成され、可動板と固定板の間の間隙を通して濾液が流下するように構成されている請求項3に記載の減容化装置。
【請求項5】
前記固液分離装置は、前記可動板の上部を覆う着脱可能なカバーを有している請求項3に記載の減容化装置。
【請求項6】
前記固液分離装置は、前記可動板と固定板の上部を覆う着脱可能なカバーを有している請求項4に記載の減容化装置。
【請求項7】
前記可動板には孔が形成されていて、前記2本のスクリューは複数の可動板の孔を貫通して延びていて、該孔は、回転する2本のスクリューによって可動板が押動される形態に形成されている請求項1又は2に記載の減容化装置。
【請求項8】
前記固液分離装置は、孔が形成されている複数の固定板を有し、各固定板の間に前記各可動板がそれぞれ配置され、前記2本のスクリューは、固定板に形成された孔と可動板に形成された孔を貫通して延びている請求項7に記載の減容化装置。
【請求項9】
前記2本のスクリューは、その羽根の一部が互いに重なった状態で配置されている請求項1乃至8のいずれかに記載の減容化装置。
【請求項10】
各スクリューによって、処理対象物がほぼ同じ方向に搬送されるように、各スクリューの羽根の巻き方向と各スクリューの回転方向が設定されている請求項1乃至9のいずれかに記載の減容化装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−150199(P2006−150199A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343108(P2004−343108)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(591007022)アムコン株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(591007022)アムコン株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
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