説明

測定セル、測定装置及びそれらを用いる測定セル取付け判定方法

【課題】測定セルが正しい向きで測定装置に取付けられたことを確認することができる測定セル、測定装置及びそれらを用いる測定セル取付け判定方法を提供する。
【解決手段】4つの壁を有する中空の基体100と、基体100の内部に設けられ、試料を保持するための試料保持部103と、基体100に設けられ、試料保持部103に連通する試料供給口104と、4つの壁のうち第1の壁121に設けられ、試料保持部103の外部から内部に入射光を入射させるための光入射部101と、第1の壁121と隣り合う第2の壁122に設けられ、試料保持部103の内部から試料保持部103の外部に出射光を出射させるための光出射部102と、第2の壁122と対向する第3の壁123の外表面に設けられた電極110と、第1の壁121において、基体100の端部と光入射部101との間に設けられた遮光部112とを備える測定セル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中に含まれる被検物質を測定するための測定セル、測定装置及びそれらを用いる測定セル取付け判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、試料中に含まれる被検物質の光学測定を行うための測定システムとして、試料を供給するための開口部を備えた測定セルと、その測定セルを挿入するための測定セル取付け部、試料を吸引するためのピストン機構、光源及び受光器とを備えた測定装置とから構成され、測定セル取付け部内に挿入された測定セルの開口部を通して測定セル内に尿などの試料を吸引により供給し、光源から出射されて測定セル内の試料を透過または散乱した後、受光器に入射した光を検出する測定システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、測定セルを測定セル取付け部内に挿入したとき、測定装置内に設けられたマイクロスイッチからなる挿入検知スイッチが作動し、CPUが測定セルの挿入を検知することが開示されている。
【特許文献1】国際公開第2005/108960号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、測定セルが正しい向きではなく、誤って裏向きや横向きの状態で測定セル取付け部内に挿入された場合、測定装置が誤挿入を検知することができず、正しい測定結果が得られなくなるおそれがあった。
【0004】
そこで本発明は、前記従来の問題点に鑑み、測定セルが正しい向きで測定装置に取付けられたことを確認することができる測定セル、測定装置及びそれらを用いる測定セル取付け判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記従来の課題を解決するために、本発明の測定セルは、4つの壁を有する中空の基体と、前記基体の内部に設けられ、被検物質を含む試料を保持するための試料保持部と、前記基体に設けられ、前記試料保持部に連通する試料供給口と、前記4つの壁のうち第1の壁に設けられ、前記試料保持部の外部から前記試料保持部の内部に入射光を入射させるための光入射部と、前記第1の壁と隣り合う第2の壁に設けられ、前記試料保持部の内部から前記試料保持部の外部に出射光を出射させるための光出射部と、前記第2の壁と対向する第3の壁の外表面に設けられた電極と、前記第1の壁において、前記基体の端部と前記光入射部との間に設けられた遮光部とを備える。
【0006】
また、本発明の測定装置は、上記測定セルを取付けるための測定セル取付け部と、前記光入射部の外部から内部に入射する入射光を出射するための光源と、前記光出射部の内部から外部に出射した出射光を受光するための受光器と、前記受光器における受光量の変化に基づき、前記測定セル取付け部において前記測定セルが正しく取付けられたことを判定する判定部と、前記受光器における前記受光量に基づき、前記試料中に含まれる前記被検物質を検出または定量するための演算部とを備える。
【0007】
また、本発明の測定セル取付け判定方法は、上記測定セルと、上記測定装置とを用い、
(A)前記測定セル取付け部に前記測定セルを取付ける前より前記光源から光を出射する工程と、
(B)前記測定セル取付け部に前記測定セルを取付ける前に前記受光器における第1の受光量を検出する工程と、
(C)前記測定セル取付け部に前記測定セルを取付けた後に前記受光器における第2の受光量を検出する工程と、
(D)前記測定セルの取付け前後における前記受光量の変化に基づき、前記測定セル取付け部に前記測定セルが正しく取付けられたことを判定する工程とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、測定セルが正しい向きで測定装置に取付けられたことを確認することができる測定セル、測定装置及びそれらを用いる測定セル取付け判定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の測定セルは、4つの壁を有する中空の基体と、前記基体の内部に設けられ、被検物質を含む試料を保持するための試料保持部と、前記基体に設けられ、前記試料保持部に連通する試料供給口と、前記4つの壁のうち第1の壁に設けられ、前記試料保持部の外部から前記試料保持部の内部に入射光を入射させるための光入射部と、前記第1の壁と隣り合う第2の壁に設けられ、前記試料保持部の内部から前記試料保持部の外部に出射光を出射させるための光出射部と、前記第2の壁と対向する第3の壁の外表面に設けられた電極と、前記第1の壁において、前記基体の端部と前記光入射部との間に設けられた遮光部とを備える。
【0010】
測定セルの材料は、光学的に透明な材料または可視光を実質的に吸収しない材料で形成されていることが好ましい。例えば、石英、ガラス、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル等が挙げられる。測定セルを使い捨てにする場合には、コストの観点からポリスチレンが好ましい。
【0011】
また、遮光部は測定セルに入射する光を遮断する機能を有する。ここで、遮光部は、基体の端部と前記光入射部との間の第1の壁の表面上に、光を反射または吸収する部材を設けることにより形成することができる。具体的には、例えば、第1の壁の表面上にクロム、ニッケル等の光吸収物質や、またはアルミニウム、金、銀などの反射物質を蒸着し形成する方法が挙げられる。
【0012】
本発明の測定セルは、さらに試料中の被検物質と特異的に反応する試薬を試料保持部内に備えていてもよい。試薬は、試料保持部内に乾燥状態で備えられ、試料保持部内に試料が供給されたときに、試料に溶解するように配置されていることが好ましい。例えば、ガラス繊維や濾紙等からなる多孔性の担体に試薬の溶液を含浸させた後、乾燥させることにより試薬を担持させ、その多孔性の担体を試料保持部内に設ければよい。また、試料保持部を構成する壁面に、試薬の溶液を直接塗布した後、乾燥することにより試薬を配置してもよい。
【0013】
試薬としては、例えば、酵素、抗体、ホルモンレセプター、化学発光試薬、DNA等が挙げられる。特に抗体は、公知の方法により産生することができるので、試薬を作製しやすいという点で有利である。例えば、アルブミンなどの蛋白や、hCG、LHなどのホルモンを抗原として、マウス・ウサギ等に免疫することにより、前記抗原に対する抗体を得ることができる。
【0014】
本発明における試料としては、尿、血清、血漿、血液等の体液及び培地の上清液等の液体の試料が挙げられる。これらの中で、試料として尿が好ましい。試料が尿であると、非侵襲的に在宅での日常の健康管理を行うことができる。
【0015】
被検物質としては、アルブミン、hCG、LH、CRP、IgG等が挙げられる。
【0016】
健康管理の最初の段階で行われる尿の定性検査では、pH、比重、蛋白、糖、潜血、ケトン体、ビリルビン、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、アスコルビン酸、アミラーゼ、食塩の13項目について検査が行われる。また、腎機能を分析するという目的では微量アルブミンが、妊娠検査等のマーカーとしては、hCG、LH等のホルモンがある。蛋白、微量アルブミン、hCGやLH等のホルモンの測定には、抗原抗体反応に基づいた光学測定が適している。抗原抗体反応に基づいた光学測定としては、免疫比ろう法、免疫比濁法、ラテックス免疫凝集法などが挙げられる。
【0017】
また、本発明の測定装置は、上記測定セルを取付けるための測定セル取付け部と、前記光入射部の外部から内部に入射する入射光を出射するための光源と、前記光出射部の内部から外部に出射した出射光を受光するための受光器と、前記受光器における受光量の変化に基づき、前記測定セル取付け部において前記測定セルが正しく取付けられたことを判定する判定部と、前記受光器における前記受光量に基づき、前記試料中に含まれる前記被検物質を検出または定量するための演算部とを備える。
【0018】
本構成によれば、測定前に、測定セルが正しい向きで測定装置に取付けられたことを確認することができるため、測定セル設置不良による誤測定を防ぐことができる。
【0019】
なお、本発明の測定セルは着脱可能な状態で測定装置に取付けられることが好ましい。さらには、測定セルは使い捨てであることが好ましい。
【0020】
また、判定部が、測定セル取付け部において測定セルが正しく取付けられていないと判定したときに、その旨を報知する報知部を備えることが好ましい。報知部としては、測定セル取付け部において測定セルが正しく取付けられていないことを音で報知するブザー、音声によるメッセージを出力するスピーカー、文字や記号によるメッセージを出力するディスプレイ等の表示部などが挙げられる。
【0021】
また、前記測定セル取付け部に取付けられた前記測定セルの前記試料保持部に前記試料を吸引により供給するための吸引部をさらに備えることが好ましい。
【0022】
また、本発明の測定セル取付け判定方法は、上記測定セルと、上記測定装置とを用い、
(A)前記測定セル取付け部に前記測定セルを取付ける前より前記光源から光を出射する工程と、
(B)前記測定セル取付け部に前記測定セルを取付ける前に前記受光器における第1の受光量を検出する工程と、
(C)前記測定セル取付け部に前記測定セルを取付けた後に前記受光器における第2の受光量を検出する工程と、
(D)前記測定セルの取付け前後における前記受光量の変化に基づき、前記測定セル取付け部に前記測定セルが正しく取付けられたことを判定する工程とを含む。
【0023】
本構成によれば、測定前に、測定セルが正しい向きで測定装置に取付けられたことを確認することができるため、測定セル設置不良による誤測定を防ぐことができる。
【0024】
なお、工程(D)において、測定セル取付け部に測定セルが正しく取付けられていないと判定されたときに、その旨を報知する工程(E)をさらに含むことが好ましい。
【0025】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態をさらに詳細に説明する。本実施の形態では、試料が尿で、被検物質がヒトアルブミンである場合について説明する。
【0026】
(実施の形態1)
1.測定セル
まず、図1〜図3を用いて、本発明の実施の形態1に係る測定セル1の構成を説明する。図1は、同測定セルの構成を示す斜視図、図2は、図1におけるA−A線断面図、図3は、図1におけるB−B線断面図である。
【0027】
図1〜図3に示すように、本発明の測定セル1は、第1の測定セル部材107、第2の測定セル部材108、及び第3の測定セル部材109から構成されている。第1の測定セル部材107、第2の測定セル部材108、及び第3の測定セル部材109を組み合わせることにより、試料を保持するための試料保持部103として機能する空間を有する基体100が形成されている。試料保持部103は、底面が5〜12mm角程度、高さが50〜100mm程度の四角柱形状である。
【0028】
基体100を構成する第1の壁121、第2の壁122、第3の壁123、及び第4の壁124のうち、第1の壁121は、試料保持部103の外部から試料保持部103の内部に入射光を入射させるための光入射部101として機能し、第1の壁121と隣り合う第2の壁122は、試料保持部103の内部から試料保持部103の外部に出射光を出射させるための光出射部102として機能する。
【0029】
第2の壁122と対向する第3の壁123の外表面には一対の電極110が設けられ、一対の電極110上には、一対の電極110の上下両端部が露出するように、絶縁性の樹脂からなるカバー111が設けられている。
【0030】
第3の壁123には、一対の電極110の間の、カバー111に覆われない、第3の測定セル部材109に近い位置に、試料保持部103に連通して、試料保持部103内に試料を供給するための試料供給口104が設けられている。
【0031】
基体100の上端、すなわち、第3の測定セル部材109とは反対側の端部は開放されており、試料供給時に測定装置内の吸引部により試料保持部103内の空気を吸引するための吸引口105として機能する。
【0032】
また、第1の壁121の外表面上の、基体100の上端部と光入射部101の上端部との間には、光を遮断する遮光部112が設けられている。本実施の形態1における遮光部112は、第1の壁121の外表面上にアルミニウム層が形成されることにより、光入射部101よりも反射率が高くなっている。遮光部112の大きさは、幅10mm程度、長さ20mm程度、厚さ100nm程度である。
【0033】
以下に、本実施の形態1の測定セルの作製方法について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態1に係る測定セルの分解斜視図である。
【0034】
第1の測定セル部材107は、透明のポリスチレン製であり、金型を用いた成形によって得ることができる。成型には、公知の樹脂成型技術を用いればよい。第1の測定セル部材107は、上下両端が開口しており、凹部を有している。第1の測定セル部材107は、互いに対向する第1の壁121及び第4の壁124と、その2つの壁を繋ぐ第3の壁123とから構成されている。第1の測定セル部材107の寸法は、厚みが1mmで、凹部の内側寸法は、幅が8mm、深さが8mm、長さが96mmである。
【0035】
第1の測定セル部材107の第1の壁121の上端側には、所定の大きさの遮光部112が設けられている。例えば、遮光部112と同様の形状の空隙を有するアクリル樹脂性のマスクを第1の測定セル部材107上に配置し、それを介してアルミニウムを真空蒸着法により蒸着した後、マスクを除去することにより、遮光部112を形成することができる。真空蒸着法に代えて、スパッタ法でも同様の手順で形成することができる。
【0036】
また、第1の測定セル部材107の第3の壁123上には、一対の電極110を配置する。例えば、一対の電極110と同様の形状の空隙を有するアクリル樹脂性のマスクを第1の測定セル部材107上に配置し、それを介して金をスパッタした後、マスクを除去することにより、一対の電極110を形成することができる。スパッタ法に代えて、蒸着法でも同様の手順で形成することができる。
【0037】
一対の電極110の寸法は、それぞれ幅4mm程度、長さ96mm程度、厚さ5μm程度であればよい。また、電極110の上下両端部を除く中間部が覆われるように、絶縁性の樹脂からなるカバー111を貼付する。カバー111としては、幅10mm程度、長さ87mm程度、厚さ0.1mm程度の、アクリル系の接着剤が塗布されたPET製のフィルムを用いることができる。露出された電極110の上下両端部の長さは、上端部が4mm、下端部が5mmとなるように、カバー111を配置する。
【0038】
その後、一対の電極110の先端部の表面には、酵素であるグルコースオキシダーゼ及び電子伝達体であるオスミウム錯体を、公知の方法を用いて固定化担持する。例えば、塩化ジビピリジミウムオスミウムが配位結合したポリビニルイミダゾールの溶液を、グルコースオキシダーゼの溶液と混合して、一対の電極110の先端部に塗布し、一対の電極110の先端部上の上記溶液へアミン架橋剤であるポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを添加して混合する。1時間程度静置の後、蒸留水を用いて、一対の電極110の先端部の表面を洗浄する。
【0039】
なお、電極110の材料、面積、厚さ、形状及び位置等は、必要とするデバイスの特性、光学測定系の位置などに鑑みて、適宜調整することができる。
【0040】
また、第2の測定セル部材108は、透明のポリスチレン製の板状の部材であり、第1の測定セル部材107と同様に、金型を用いた成形によって得ることができる。また、それに代えて、板状の樹脂を所望の形状に切削することによっても作製することができる。第2の測定セル部材108の寸法は、厚みが1mm、幅が10mm、長さが96mmである。
【0041】
第3の測定セル部材109は、透明のポリスチレン製の板状の部材であり、第1の測定セル部材107、第2測定セル部材108と同様にして、金型を用いた成形によって得ることができる。また、それに代えて、板状の樹脂を所望の形状に切削することによっても作製することができる。第3の測定セル部材109の寸法は、厚みが1mmで10mm角の正方形である。
【0042】
次に、第2の測定セル部材108上に、試薬保持部106を形成する。光学測定のための試薬であるヒトアルブミンに対する抗体の水溶液を、マイクロシリンジなどを用いて第2の測定セル部材108の上面に一定量滴下することにより塗布し、これを室温〜30℃程度の環境に静置して水分を蒸発させることにより、乾燥状態で試薬を担持することができる。抗体水溶液の濃度、滴下量、及び滴下する部分の面積は、例えば、濃度が8mg/dL、滴下量が1.05mL、滴下する部分の面積が6.5cmである。塗布する試薬を含む水溶液の濃度及び量は、必要とする測定セルの特性や第2の測定セル部材108における形成位置の空間的な制限に応じて、適切な値が選択される。また、第2の測定セル部材108における試薬保持部106の位置や面積は、試薬の試料に対する溶解性や光学窓部の位置などを鑑みて、適宜適切な位置が選択される。
【0043】
なお、ヒトアルブミンに対する抗体は、従来公知の方法により得ることができる。例えば、ヒトアルブミンを免疫したウサギ抗血清を、プロテインAカラムクロマトグラフィーにより精製した後、透析チューブを用いて透析することにより、抗ヒトアルブミン抗体が得られる。
【0044】
上記のようにして得られる第1の測定セル部材107と、第2の測定セル部材108と第3の測定セル部材109を、図4に記した破線で示す位置関係をもって接合し、測定セル本体を組み立てる。各部材の接合部にエポキシ樹脂などの接着剤を塗布した後、各部材を張り合わせ静置し、接合部を乾燥させることにより組み立てる。また、それに代えて、接着剤を用いずに各部材を接合した後、市販の溶着機を用いて、接合部分を熱または超音波によって溶着させてもよい。
【0045】
以上のようにして、図1に示すような測定セル1を得ることができる。
【0046】
なお、本発明の測定セル1の各寸法は、上記に限られることはなく、本実施の形態1における測定セル1の特性・効果などが得られるものであればよい。
【0047】
2.測定装置
次に、本実施の形態1に係る測定装置2の構成について、図5〜図8を用いて説明する。図5は、本実施の形態1に係る測定装置を示す斜視図、図6は、図5におけるC−C線断面図、図7は、図6におけるD−D線断面図、図8は、同測定装置の構成を示すブロック図である。
【0048】
図5に示すように、測定装置2は、電源ボタン214、測定セル1を着脱可能に取付けるための測定セル取付け部201、測定セル1への試料の供給を開始するための試料供給ボタン202、測定後に測定セル1内の試料を紙カップ等に排出するための試料排出ボタン203、並びに測定結果及び測定セル1の設置状態を表示するための表示部207である液晶ディスプレイを備えている。
【0049】
図6に示すように、測定セル取付け部201の内側には、測定セル着脱口211が設けられており、測定セル1を取り付ける際に、測定セル着脱口211に測定セル1の吸引口105が挿入される。このとき、測定セル着脱口211と吸引口105の接合部における空気の漏れが発生しないよう、例えばテフロン(登録商標)やイソプレンゴムなどの弾性を有する樹脂製の封止リングを測定セル着脱口211の周囲に設け、測定セル着脱口211と吸引口105との密着性を高めることが好ましい。
【0050】
また、図6に示すように、測定装置2は、シリンダ210の内側に設けられたプランジャー209を、プランジャージョイント212を介して動かすためのモーター208、測定セル1の光入射部101に入射する入射光を出射するための光源205、及び測定セル1の光出射部102から出射した出射光を受光するための受光器206を備えている。モーター208、プランジャー209及びシリンダ210が、試料を測定セル1の試料保持部103に吸引するための吸引部403に相当する。シリンダ210の内部にはOリング213が設けられ、シリンダ210とプランジャー209との間で気密性が保持されるようにしている。
【0051】
また、図7に示すように、光源205と受光器206とは互いに直交する方向を向くように配置されており、測定セル1を測定セル取り付け部201に正確に設置した際、光入射部101と光源205、光出射部102と受光器206とがそれぞれ対向する。
【0052】
また、図8に示すように、測定装置2の内部には、受光器206における受光量の変化に基づき、測定セル取付け部201において測定セル1が正しく取付けられたことを判定する判定部、及び受光器206により受光された出射光の受光量に基づき、試料中に含まれる被検物質を検出または定量するための演算部として機能するCPU401、並びに被検物質であるヒトアルブミンの濃度と受光器206により受光される出射光強度との関係を表す検量線を格納した記憶部であるメモリ402が設けられている。
【0053】
本実施の形態1における光源205としては、650nmの波長の光を出射する半導体レーザを用いる。なお、本実施の形態1においては、免疫比ろう法による測定を適用し、650nmの照射及び受光波長を選択するが、上記波長の値は測定法や測定対象に応じて適宜適切に選択され得る。
【0054】
本実施の形態1における受光器206としては、フォトダイオードを用いる。あるいは、これに代えて、フォトマルチメーターなどを用いてもよい。
【0055】
本実施の形態1における吸引部403は、シリンダ210内のプランジャー209をリニア型のステップモーターであるモーター208により作動させる構成となっている。
【0056】
ステップモーターとは、入力された1パルス信号あたりに特定の回転角度分を回転するモーターであり、パルス数で回転角度を決定できるため、位置決めのためのエンコーダーを必要としない。すなわち、入力パルス数により、プランジャー(ピストン)の動作距離を制御できる。プランジャーを作動させるには、モーターの回転運動が、歯車機構と、雄ネジと雌ネジを組み合わせた直進機構等に直進運動させることにより可能となる。また、リニア型のステップモーターは、モーター内に雄ネジと雌ネジを組み合わせた直進機構が組み入れられており、入力パルス数に依存して、棒状の可動部であるプランジャージョイントが直進運動するように構成されている。このため、このプランジャージョイントに直接、プランジャーを連結すればよく、構成が簡単となる。
【0057】
3.測定方法
次に、本実施の形態1の測定セル1及び測定装置2を用いて、試料中の被検物質を測定する手順について、図9〜図14を参照しながら説明する。図9〜図14は、本実施の形態1の測定セル1及び測定装置2を用いて、試料中の被検物質を測定する手順を示す概略図である。なお、図9〜図14は、図5におけるC−C線を基準にした断面図であり、試料として尿を用いた例を示している。また、図9〜図14における測定セル1は、カバー111側正面から見た上記C−C線に対応する断面図を示し、測定セル1内の構造を見やすくするため、測定装置2に対する測定セル1の大きさは、実際よりも相対的に大きく記載している。
【0058】
まず、測定装置2の電源ボタン214を押す。電源ボタン214が押されると、図9に示すように、光源205からレーザ光215が矢印で示す方向に出射される。この状態で、CPU401は、受光器206において検出された受光量を、測定セル取付け部201に測定セル1が取付けられる前の受光量である第1の受光量として、受光器206から取得する。取得された第1の受光量は、メモリ402に格納される。
【0059】
次に、図10、図11に示すように、ユーザーが測定セル1の吸引口105を測定装置2の測定セル取付け部201に挿入する。ここで、図10は、測定セル1が測定セル取付け部201に挿入される途中の状態を示しており、図11は、測定セル取付け部201への測定セル1の挿入が完了した状態を示している。
【0060】
次に、図12に示すように、ユーザーが紙カップ3に排出された尿301中に、測定セル1の試料供給口104を浸漬させる。この状態で、ユーザーが試料供給ボタン202を押すと、CPU401は、尿の吸引を開始する前に、受光器206において検出された受光量を、測定セル取付け部201に測定セル1が取付けられた後の受光量である第2の受光量として、受光器206から取得し、メモリ402から第1の受光量を読み出して、第1の受光量に対する受光量の変化量Zを算出する。
【0061】
図15は、測定セル1の測定セル取付け部201への挿入方向が正しい場合に、測定セル1の測定セル取付け部201への挿入量と受光器206で検出される受光量との関係を表す模式図である。測定セル1が測定セル取付け部201に挿入され始めた状態においては、図10に示すように、遮光部112によってレーザ光215が遮断されるため、受光器206において検出される受光量は、図15のAで示すような低い値となる。次に、測定セル1の光入射部101が、図11に示すように、光源205と対向する位置まで挿入された場合、レーザ光215は光入射部101の表面または内部で散乱し、一部の光が散乱光として光出射部102を透過して、受光器206で受光される。このとき、受光器206において検出される第2の受光量は、図15のBで示すような高い値となる。したがって、受光量Bは、受光量Aよりも高くなり、受光量Aとの間に差が生じる。この受光量Aと受光量Bとの差を、受光量の変化量Zとする。
【0062】
メモリ402には、上記受光量の変化量Zに関する第1の閾値Zと第2の閾値Zとが格納されている。第1の閾値Zと第2の閾値Zとは、Z<Z<Zという関係を満たすように設定されている。
【0063】
CPU401は、メモリ402から第1の閾値Zと第2の閾値Zとを読み出し、試料供給ボタン202が押された後に、算出した受光量の変化量Zと比較する。その結果、Z<Z<Zという関係が満たされていた場合、測定セル取付け部201に測定セル1が正しい向きで正しい位置まで挿入され、正しく取付けられたと判定することができる。その後、吸引部403が作動して試料の吸引が開始され、その判定結果が表示部207に表示される。
【0064】
一方、CPU401による比較の結果、Z<Z<Zという関係が満たされていなかった場合は、測定セル取付け部201に測定セル1が正しく取付けられていないと判定することができる。この場合、吸引部403は作動せず、試料の吸引は開始されない。また、表示部207において、測定セルが設置不良であることを示す記号や文字等を含むメッセージが表示される。
【0065】
ユーザーが測定セル1の向きを間違えて測定装置2に挿入した場合について、図16〜図18を用いて説明する。図16〜図18は、測定セル1が誤った向きで測定セル取付け部201に挿入されたときの状態を示す断面図である。
【0066】
図16は、光源205と第2の壁122、受光器206と第4の壁124とが互いに対向する向きで誤って測定セル1が測定セル取付け部201に挿入された場合を示す。図16の状態では、第2の壁122の表面または内部で発生した第1の散乱光に加えて、レーザ光215が第2の壁122を透過して、第2の壁122と対向する第3の壁123の外表面に設けられた電極110で反射し、第3の壁123の表面または内部で散乱することにより発生した第2の散乱光が、受光器206で受光される。そのため、図16における第2の受光量は、受光量Bよりも高い値Cとなる。ここで、受光量Cと受光量Aとの差である受光量の変化量ZがZ<Zとなるように、第2の閾値Zが設定されるため、図16に示す状態の場合、Z<Z<Zという関係が満たされず、受光量の変化量の測定結果に基づいて、CPU401は、測定セル取付け部201に測定セル1が正しく取付けられていないと判定することができる。
【0067】
図17は、光源205と第4の壁124、受光器206と第3の壁123とが互いに対向する向きで誤って測定セル1が測定セル取付け部201に挿入された場合を示す。図17の状態では、受光器206と対向する第3の壁123の外表面上には電極110が設けられているため、光源205と対向する第4の壁124の表面または内部で発生した散乱光は、受光器206に到達しない。したがって、図17における第2の受光量は、測定セル取付け部201に測定セル1が取付けられる前の受光量である第1の受光量と同じ値Aとなるため、受光量の変化量Zは観測されない。そのため、図17に示す状態の場合、Z<Z<Zという関係が満たされず、受光量の変化量の測定結果に基づいて、CPU401は、測定セル取付け部201に測定セル1が正しく取付けられていないと判定することができる。
【0068】
図18は、光源205と第3の壁123、受光器206と第1の壁121とが互いに対向する向きで誤って測定セル1が測定セル取付け部201に挿入された場合を示す。図18の状態では、光源205と対向する第3の壁123の外表面上には電極110が設けられているため、レーザ光215が光源205と対向する第3の壁123の表面または内部で散乱することがない。したがって、図18における第2の受光量は、測定セル取付け部201に測定セル1が取付けられる前の受光量である第1の受光量と同じ値Aとなるため、受光量の変化量Zは観測されない。そのため、図18に示す状態の場合、Z<Z<Zという関係が満たされず、受光量の変化量の測定結果に基づいて、CPU401は、測定セル取付け部201に測定セル1が正しく取付けられていないと判定することができる。
【0069】
上記CPU401による判定結果の末、測定セル取付け部201に測定セル1が正しく取付けられたと判定されると、CPU401は吸引部403を作動させる。具体的には、測定装置2内のモーター208が駆動し、シリンダ210の内側にあるプランジャー209がプランジャージョイント212を介して引き上げられる。これにより、図13に示すように、測定セル1の試料供給口104から試料保持部103内に所定量(例えば、4.5mL)の尿301が供給される。プランジャー209を引き上げた位置に保持することにより、試料保持部103内の尿301が保持され、試料供給口104から漏れ出したり、シリンダ210内に吸引されたりすることがない。
【0070】
CPU401は、試料保持部103内に所定量の尿301が供給されたと判断すると、モーター208を停止させ、吸引部403による吸引動作を終了する。そして、CPU401は、試料保持部103内への試料の供給が完了したことを通知するメッセージを表示部207に表示させるとともに、計時部404であるタイマーによる計時を開始させる。なお、試料の供給が完了した後は、試料供給口104を尿301中から引き上げてもよい。
【0071】
試料保持部103内に供給された尿は、試薬保持部106に担持された乾燥状態の試薬である抗ヒトアルブミン抗体を溶解し、尿中の抗原であるヒトアルブミンと抗ヒトアルブミン抗体との免疫反応が進行する。
【0072】
計時部404からの信号によって、試料保持部103内への試料の供給完了から所定時間(例えば、2分)経過したことをCPU401が判断すると、CPU401はメモリ402に格納されている出射光強度とヒトアルブミン濃度との関係を表す検量線を読み出し、それを参照することにより、CPU401が受光器206により受光された出射光強度を、ヒトアルブミン濃度に換算する。得られたヒトアルブミン濃度は、表示部207に表示される。これにより、ユーザーはヒトアルブミン濃度測定が完了したことがわかる。
【0073】
また、好ましくは、得られたヒトアルブミン濃度を、計時部404により計時された時刻とともにメモリ402に保存することができる。
【0074】
さらに、得られたヒトアルブミン濃度を、記録部405によりSDカードなどの取り外し可能な記憶媒体に記録することができる。これにより、測定結果を測定装置2から容易に取り出すことができるので、前記記憶媒体を病院内の分析関連部門または分析専門業者等に持参または郵送して、分析を依頼することができる。
【0075】
さらに、得られたヒトアルブミン濃度を、送信部406により測定装置2外に送信することができる。これにより、測定結果を、病院内の分析関連部門または分析関連業者等に送信し、それを前記分析関連部門または分析関連業者等において分析することができるので、測定から分析までの時間を短縮することができる。
【0076】
さらにまた、前記分析関連部門または分析関連業者等において分析した結果を受信するための受信部407を備えている。これにより、分析結果を迅速にユーザーにフィードバックすることができる。
【0077】
測定完了後、ユーザーは、紙カップ3の上方に測定セル1の試料供給口104が位置するように、測定セル1が装着された測定装置2または紙カップ3を動かす。その状態で、試料排出ボタン203を押すと、モーター208が駆動し、シリンダ210の内側にあるプランジャー209がプランジャージョイント212を介して押し下げられる。これにより、図14に示すように、試料保持部103内の尿301が紙カップ3内に排出される。その後、ユーザーにより、紙カップ3内に排出された尿301は流し捨てられ、その後、紙カップ3も廃棄され、測定セル1が測定装置2から抜き取られる。
【0078】
なお、上記実施の形態1において、吸引部403として、シリンダ210内のプランジャー209をリニア型のステップモーターであるモーター208により作動させる構成を用いたが、これに限らない。リニア型以外のステップモーターや、直流モーター等を用いてもよい。また、吸引部は手動であってもよい。
【0079】
また、紙カップ3に尿を採取したが、これに限らず、プラスティック製のカップ等の運搬可能な容器や、便器内に設けられた受尿容器等を用いてもよい。
【0080】
また、試料保持部103内への試料の供給が完了したことを通知するメッセージを表示部207に表示させたが、これに代えて、ブザー等の音声により通知してもよい。
【0081】
また、測定セル1の正確な設置及び設置不良を表示部207に表示させたが、これに代えて、ブザー等の音声により通知しても良い。
【0082】
以上、本発明の実施の形態の一例について説明したが、測定セル1の形状は、本発明の構成要件を満たし、かつ本発明の効果を得られるものであれば、上記実施の形態1において述べたものに限定されない。
【0083】
4.測定セルの変形例
以下、本実施の形態1に係る測定セルの変形例を、図19、図20を用いて説明する。図19は、本実施の形態1の測定セルの変形例を示す斜視図であり、図20は、図19におけるE−E線断面図である。図1、図2と同様の構成要素については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0084】
図19に示すように、本実施の形態1の変形例である測定セル500は、透明のポリスチレン製の中空四角柱部分510aと中空四角錐部分510bからなる中空の基体510を備えている。基体510の両端部は外部に開放され、中空四角柱部分510aの上端部が吸引口105、中空四角錐部分510bの下端部が試料供給口104として機能する点で、図1に示す測定セル1と異なる。
【0085】
基体510の中空四角柱部分510aの下端部および中空四角錐部分510bの上端部は一体化され、基体510の内部空間は試料保持部103として機能する。また、図20に示すように、試料保持部103を囲む内壁面のうち、中空四角柱部分510aの第2の壁522の内表面上には、試薬保持部106が設けられている。
【0086】
中空四角柱部分510aを構成する4つの壁のうち、第1の壁521が光入射部101、第2の壁522が光出射部102としてそれぞれ機能する。第1の壁521の外表面上の、中空四角柱部分510aの上端部と光入射部101の上端部との間には、遮光部112が設けられている。第3の壁523の外表面上には、一対の電極110が設けられ、一対の電極110上には、一対の電極110の両端が露出するように、カバー111が設けられている。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明によれば、測定セルが正しい向きで測定装置に取付けられたことを確認することができる。そのため、本発明は、医療及び医療関連の検査分野で、特に尿検体を測定する場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の形態1に係る測定セルの構成を示す斜視図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】図1のB−B線断面図
【図4】本発明の実施の形態1に係る測定セルの構成を示す分解斜視図
【図5】本発明の実施の形態1に係る測定装置を示す斜視図
【図6】図5のC−C線断面図
【図7】図6のD−D線断面図
【図8】本発明の実施の形態1に係る測定装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態1の被検物質の測定手順において、電源ON時の状態を示す概略図
【図10】本発明の実施の形態1の被検物質の測定手順において、測定セルが測定セル取付け部へ挿入される途中の状態を示す概略図
【図11】本発明の実施の形態1の被検物質の測定手順において、測定セル取付け部への測定セルの挿入が完了した状態を示す概略図
【図12】本発明の実施の形態1の被検物質の測定手順において、試料中へ測定セル試料供給口を浸漬させた状態を示す概略図
【図13】本発明の実施の形態1の被検物質の測定手順において、試料供給口から試料保持部に試料が供給された状態を示す概略図
【図14】本発明の実施の形態1の被検物質の測定手順において、試料保持部の試料が排出された状態を示す概略図
【図15】本発明の実施の形態1に係る測定セルの測定セル取付け部への挿入方向が正しい場合に、測定セルの測定セル取付け部への挿入量と受光器で検出される受光量との関係を表す模式図
【図16】本発明の実施の形態1の測定セルが誤った向きで測定セル取付け部に挿入されたときの状態を示す断面図
【図17】本発明の実施の形態1の測定セルが誤った他の向きで測定セル取付け部に挿入されたときの状態を示す断面図
【図18】本発明の実施の形態1の測定セルが誤ったさらに他の向きで測定セル取付け部に挿入されたときの状態を示す断面図
【図19】本発明の実施の形態1に係る測定セルの変形例の構成を示す斜視図
【図20】図19のE−E線断面図
【符号の説明】
【0089】
1,500 測定セル
2 測定装置
3 紙カップ
100,510 基体
101 光入射部
102 光出射部
103 試料保持部
104 試料供給口
105 吸引口
106 試薬保持部
107 第1の測定セル部材
108 第2の測定セル部材
109 第3の測定セル部材
110 電極
111 カバー
112 遮光部
121,521 第1の壁
122,522 第2の壁
123,523 第3の壁
124,524 第4の壁
201 測定セル取付け部
202 試料供給ボタン
203 試料排出ボタン
205 光源
206 受光器
207 表示部
208 モーター
209 プランジャー
210 シリンダ
211 測定セル着脱口
212 プランジャージョイント
213 Oリング
214 電源ボタン
215 レーザ光
301 尿
401 CPU
402 メモリ
403 吸引部
404 計時部
405 記録部
406 送信部
407 受信部
510a 中空四角柱部分
510b 中空四角錐部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの壁を有する中空の基体と、
前記基体の内部に設けられ、被検物質を含む試料を保持するための試料保持部と、
前記基体に設けられ、前記試料保持部に連通する試料供給口と、
前記4つの壁のうち第1の壁に設けられ、前記試料保持部の外部から前記試料保持部の内部に入射光を入射させるための光入射部と、
前記第1の壁と隣り合う第2の壁に設けられ、前記試料保持部の内部から前記試料保持部の外部に出射光を出射させるための光出射部と、
前記第2の壁と対向する第3の壁の外表面に設けられた電極と、
前記第1の壁において、前記基体の端部と前記光入射部との間に設けられた遮光部とを備える測定セル。
【請求項2】
請求項1に記載の測定セルを取付けるための測定セル取付け部と、
前記光入射部の外部から内部に入射する入射光を出射するための光源と、
前記光出射部の内部から外部に出射した出射光を受光するための受光器と、
前記受光器における受光量の変化に基づき、前記測定セル取付け部において前記測定セルが正しく取付けられたことを判定する判定部と、
前記受光器における前記受光量に基づき、前記試料中に含まれる前記被検物質を検出または定量するための演算部とを備える測定装置。
【請求項3】
前記測定セル取付け部に取付けられた前記測定セルの前記試料保持部に前記試料を吸引により供給するための吸引部をさらに備える、
請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の測定セルと、
請求項2に記載の測定装置とを用い、
(A)前記測定セル取付け部に前記測定セルを取付ける前より前記光源から光を出射する工程と、
(B)前記測定セル取付け部に前記測定セルを取付ける前に前記受光器における第1の受光量を検出する工程と、
(C)前記測定セル取付け部に前記測定セルを取付けた後に前記受光器における第2の受光量を検出する工程と、
(D)前記測定セルの取付け前後における前記受光量の変化に基づき、前記測定セル取付け部に前記測定セルが正しく取付けられたことを判定する工程とを含む、測定セル取付け判定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2008−58071(P2008−58071A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−233586(P2006−233586)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】