説明

溶接方法

【課題】逆歪みを与えたり或いは歪み取りを行うことなしに、熱による母材の変形、すなわち溶接による歪みそのものの発生を抑制する溶接方法を提供する。
【解決手段】アルミルーフ9とスチールボディサイドルーフレール10を重ねた溶接部位11に供給する金属ワイヤをレーザで溶かしながらこれらワーク同士を溶接する溶接方法において、溶接部位11全長を少なくとも3つ以上の溶接部位に分割し、その分割した各溶接部位W1〜W7の溶接方向を同一方向とし、且つ各溶接部位の溶接終了点から次の溶接部位の溶接開始点へ戻り、その溶接終了点を前の溶接部位の溶接開始点として溶接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接方法に関し、詳細には、溶接によってワークに生じる歪みそのものの発生を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車の分野においては、車体の軽量化を目的として、車体パネルの一部に鋼板よりも重量の軽いアルミニウム系金属板が使用されつつある。鋼板とアルミニウム系金属板の異種金属同士の結合には、リベットやメカニカルクリンチによるかしめ工法に代えて、溶接部位に供給した金属ワイヤをレーザで溶かしてろう付けするブレージング工法の採用が検討されている。
【0003】
ブレージング工法は、溶接部位を一端から他端に向けて連続して溶接するいわゆる連続接合により、充分な強度と剛性を得ることができ、また構造そのものによる制約が少ないことから鉄系金属とアルミニウム系金属との接合工法として好適であるとされている。
【0004】
一方、アルミニウム系金属は、鉄に比べて熱による変形量が大きいため、鉄系金属と同じような接合条件や治具の採用だけでは変形(歪み)を充分に抑制することはできない。
【0005】
そこで、このような溶接による歪み対策として、例えば特許文献1に記載されているように、いわゆる逆歪みを与える方法や、特許文献2に記載されているように、アルミニウム系金属板の摩擦溶接直後に歪み取り機で歪み取りを行う方法が提案されている。
【特許文献1】特開2001−71130号公報
【特許文献2】特開平10−305372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、設備が大型で高価且つ複雑である。また、特許文献1に記載の技術では、フラットな板材の場合はともかく、自動車の車体パネルのような剛性の高い部品に予め溶接歪みを見込んだ逆歪みを与えることは困難である。
【0007】
特許文献2に記載の技術では、フラットな板材の場合は溶接後に歪みを除去することが可能であっても、特許文献1の技術と同様、自動車の車体パネルのような剛性の高い部品では溶接後にその歪みを除去することは困難である。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するために提案されたものであり、逆歪みを与えたり或いは歪み取りを行うことなしに、熱による母材の変形、すなわち溶接による歪みそのものの発生を抑制する溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の溶接方法では、2つのワークを重ねた溶接部位に供給する金属ワイヤをレーザで溶かしながらワーク同士を溶接する。溶接に際しては、溶接部位全長を少なくとも3つ以上の溶接部位に分割する。そして、その分割した各溶接部位の溶接方向を同一方向とし、且つ各溶接部位の溶接終了点から次の溶接部位の溶接開始点へ戻り、前記次の溶接部位の溶接終了点を前の溶接部位の溶接開始点として溶接することを繰り返す。
【発明の効果】
【0010】
2つのワークを重ねた溶接部位を一端側から他端側に向けて供給される金属ワイヤをレーザで溶かしながら連続して一気に溶接すると、加工終端部に熱変形が集中し、溶接部位長さが長ければ長い程、残留歪みによりワーク自体が大きく変形する。しかしながら、本発明の溶接方法によれば、溶接部位全長を分割してその分割した各溶接部位の溶接方向を同一方向とし、各溶接部位の溶接終了点を前の溶接部位の溶接開始点として溶接することで、前の溶接部位の溶接開始点が既に接合されていることから、この接合された固定部に向かって溶接することになるため、各溶接部位における熱変形を分散させることができる。その結果、溶接加工中の過度による変形と溶接加工後の残留歪みによるワーク自体の変形を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
「実施形態1」
図1は実施形態1の溶接方法によりアルミルーフとスチールボディサイドルーフレールを溶接装置で溶接している状態を示す斜視図、図2(A)は図1の溶接部位を示す要部拡大斜視図、図2(B)は図1の溶接部位を示す要部拡大断面図、図3は図1の溶接部位を加工する順序を示す図である。
【0013】
溶接装置1は、図1に示すように、溶接エリアに設置されたロボットのアーム2に取り付けられている。かかる溶接装置1は、溶接部位に金属ワイヤ3を供給するワイヤ供給ノズル4と、溶接部位にレーザ5を照射するレーザ照射機6と、溶接後の加工部位に冷却ガス7を吹き付ける冷却ガス供給機8と、を有している。この溶接装置1では、溶接部位に金属ワイヤ3を供給し、その金属ワイヤ3をレーザ5で溶かしてワーク同士を接合する、いわゆるブレージング溶接装置である。ここでの溶接加工は、ブレージング溶接の他に、はんだ付け等のいわゆるろう接加工も含むものとする。
【0014】
実施形態1では、前記溶接装置1を使用して、第1ワークであるアルミルーフ9と、第2ワークであるスチールボディサイドルーフレール10とを溶接する。アルミルーフ9とスチールボディサイドルーフレール10の溶接部位11を、図2(A),(B)に示す。アルミルーフ9は、車両前後方向における図1の矢印12で示す車両前方端9aと矢印13で示す車両後方端9bとがそれぞれボディー(図示は省略する)にリベット及び接着剤で固定されている。
【0015】
前記アルミルーフ9とスチールボディサイドルーフレール10の溶接部位11を溶接するには、溶接部位全長を少なくもと3つ以上の溶接部位に分割して、各溶接部位を断続的に溶接する。溶接部位全長を2つに分割した場合は、溶接終了端部に延びたアルミが集中して歪みが生じワークが変形するが、分割数をそれ以上増やして溶接長さを短くすることで歪みを分散させることができる。例えば、アルミルーフ9の全長が約1400mmのときには、分割数を7分割以上とすることが好ましい。実施形態1は、分割数を7つとした。
【0016】
前記溶接部位11の溶接加工順序は、図3に示すように、7つに分割した各溶接部位W1〜W7の溶接方向を車両後方端9bから車両前方端9aに向かって全て同一方向とし、且つ各溶接部位W1〜W7の溶接終了点から次の溶接部位の溶接開始点へと戻り、前記次の溶接部位の溶接終了点を前の溶接部位の溶接開始点として溶接することを繰り返す。車両前方端9aから車両後方端9bに向かって第1溶接部位W1、第2溶接部位W2、第3溶接部位W3、・・・第7溶接部位W7とする。加工順序は、矢印に順番を付してA1、A2、A3、・・・A7として表す。また、加工方向は、矢印A1〜A7の向きで表し、矢印の基端を溶接開始点とし、矢印の先端を溶接終了点とする。
【0017】
第1溶接部位W1は、一方の全溶接部位端部、すなわちこの例では車両前方端9aを溶接終了点としている。最終溶接部位である第7溶接部位W7は、他方の全溶接部位端部、すなわちこの例では車両後方端9bを溶接開始点としている。
【0018】
前記溶接部位11を溶接するには、先ず、第1溶接部位W1を溶接する。第1溶接部位W1を溶接するに際しては、車両前方端9a位置から反対側の車両後方端9b側へ溶接装置1をロボットにて移動させる。そして、第1溶接部位W1の溶接開始点に金属ワイヤ3を供給しながらレーザ5を照射し、該金属ワイヤ3を溶かしてこの第1溶接部位W1を溶接する。溶接装置1は、溶接開始点から車両前方端9aの溶接終了点へ向けて移動させ、前記第1溶接部位W1を連続して溶接する。また、溶接加工中は、溶接後の加工部位に冷却ガス7を吹き付ける。冷却ガス7は、溶接後の加工部位に低温ガスを吹き付けることにより加工部の熱を奪い歪みを低減する作用をする。溶接開始点から溶接終了点まで第1溶接部位W1を溶接し終えたら、次は、その溶接方向上流側隣の第2溶接部位W2を溶接する。
【0019】
次に、ロボットは、第1溶接部位W1の溶接終了点から第2溶接部位W2の溶接開始点に溶接装置1を移動させる(戻す)。そして、この溶接装置1は、第2溶接部位W2を第1溶接部位W1の溶接方向と同一方向として溶接開始点から、前記第1溶接部位W1の溶接開始点を溶接終了点として溶接を行う。第2溶接部位W2の溶接は、第1溶接部位W1を溶接した要領で行う。第2溶接部位W2では、第1溶接部位W1の溶接開始点の上に溶接終了点を重ねるように溶接を行う。溶接開始点から溶接終了点まで第2溶接部位W2を溶接し終えたら、次は、その溶接方向上流側隣の第3溶接部位W3を溶接する。
【0020】
第3溶接部位W3以降は、第2溶接部位W2と同様に溶接することを繰り返し、最終溶接部位である第7溶接部位W7をその前方の第6溶接部位W6の溶接開始点を溶接終了点として溶接する。溶接作業は、第7溶接部位W7を溶接し終えた時点で終了する。
【0021】
アルミルーフ9とスチールボディサイドルーフレール10は、熱膨張係数が異なる異種金属であるため、両者を溶接すると冷却後に残留歪みが生じる。図4(A)は片側を拘束したアルミ板と鉄板の溶接前状態を示す図、図4(B)は溶接加工状態を示す図、図4(C)は溶接終了後の冷却後状態を示す図である。図5(A)は両側を拘束したアルミ板と鉄板の溶接前状態を示す図、図5(B)は溶接加工状態を示す図、図5(C)は溶接終了後の冷却後状態を示す図である。
【0022】
アルミ板14は、鉄板15よりも熱により元の位置16から更に延びるが、冷却時には鉄板15に対して2倍縮もうとする。そのため、これらアルミ板14と鉄板15との間には、残留歪みが残り変形が発生する。両側を拘束したアルミ板14と鉄板15の方が、片側を拘束したものに比べてその変形量が少ないが、それでも残留歪みにより変形が残る。
【0023】
アルミルーフ9の車両高さ方向の変形量に関しては、次の通りである。図6(A1)は溶接部位を一端側から他端側に向けて連続して溶接する加工順序を示す図、図6(A2)は溶接部位全長を4つに分けて各溶接部位を同一方向に一端側から他端側に向けて断続的に溶接する加工順序を示す図、図6(B)は溶接部位全長を2つに分けて各溶接部位を同一方向に溶接すると共に第1溶接部位の溶接終了後に上流に戻って第2溶接部位を溶接する加工順序を示す図、図6(C)は実施形態1の溶接方法により溶接する加工順序を示す図である。図7(A)は図6(A1,A2)の加工順序で溶接したときのルーフの変形状態を示す図、図7(B)は図6(B)の加工順序で溶接したときのルーフの変形状態を示す図、図7(C)は図6(C)の加工順序で溶接したときのルーフの変形状態を示す図である。
【0024】
図6(A1)のように溶接部位11を車両後方端9bから車両前方端9aに向けて連続して一気に溶接した場合と図6(A2)のように溶接部位11を4つの部位に分けて車両後方端9bから車両前方端9aに向けて断続的に溶接した何れの場合も、図7(A)に示すように、車両前方部分に大きな残留歪みが残ることによりアルミルーフ9が変形する。この例の加工順序では、最終的に溶接終了点に熱変形して延びたアルミルが集中するため、車両前方端9aに大きな歪みが残ってしまう。
【0025】
図6(B)のように2分割した溶接部位を同一方向に溶接すると共に第1溶接部位の溶接終了後に上流に戻って第2溶接部位を溶接した場合は、図7(B)に示すように、分割した境界近傍部に残留歪みが残りアルミルーフ9が変形する。この例の加工順序では、溶接部位の分割数が少ない、つまり各溶接部位の溶接長さが長いため、溶接終了点に残留歪みが残ってしまう。
【0026】
図6(C)の実施形態1の加工順序では、図7(C)に示すように、車両後方端9bから車両前方端9aに向けて殆ど残留歪みが残らず変形量も極めて僅かなものになっている。これは、溶接部位全長を分割してその分割した各溶接部位の長さを短くすることで、溶接終了点に残留歪みが残るのを抑制させているためである。
【0027】
以上のように、実施形態1によれば、溶接部位11全長を分割してその分割した各溶接部位W1〜W7の溶接方向を同一方向とし、各溶接部位W1〜W7の溶接終了点を前の溶接部位の溶接開始点として溶接することで、前の溶接部位の溶接開始点が既に接合されていることから、この接合された固定部に向かって溶接することになるため、各溶接部位における熱変形を分散させることができる。その結果、溶接加工中の過度による変形と溶接加工後の残留歪みによるワーク自体の変形を抑制できる。なお、第1溶接部位W1の溶接終了点は、ボディに結合されているため、固定点となっている。
【0028】
また、実施形態1によれば、溶接部位11全長を3つ以上の溶接部位に分割しているため、その分割した各溶接部位の長さが短くなることから、熱応力が少なくなり残留歪みを減少させることができる。
【0029】
また、実施形態1によれば、全溶接部位両端部(車両前方端9a及び車両後方端9b)を除く各溶接部位W1〜W7の溶接開始点の上にその隣の溶接部位の溶接終了点を重ねて溶接しているので、断続的溶接でありながら連続した溶接とすることができ、接合強度を充分に確保できる。
【0030】
また、実施形態1によれば、溶接後の加工部位に冷却ガス7を吹き付けているので、加工部の熱を奪い歪みを低減させることができる。
【0031】
また、実施形態1によれば、2つのワークの何れか一方をアルミニウム系金属板(アルミルーフ9)で他方が鋼板(スチールボディサイドルーフレール10)とする異種金属板同士の溶接でも、本発明方法で溶接することで残留歪み量を極めて少なくすることができ、ワーク自体の変形を抑えることができる。
【0032】
なお、実施形態1では、最初の溶接箇所である第1溶接部位W1を車両前方端9aに向かって溶接したが、この第1溶接部位W1はこれとは逆に車両前方端9aから車両後方端9bへ向かって溶接しても同様の効果が得られる。なお、この場合の第2溶接部位W2以降の溶接手順は、実施形態1と同様とする。
【0033】
また、各溶接部位W1〜W7の長さは、同一長さでもよく、或いは異なる長さであってもよい。
【0034】
「実施形態2」
図8は実施形態2の溶接方法により溶接部位を加工する順序を示す図である。実施形態2では、溶接部位11の溶接加工順序を次のようにしている。
【0035】
始めに、図8に示すように、溶接部位全長を6つの溶接部位に分割し、その分割した半分の3つの第1溶接部位W1〜第3溶接部位W3を第1領域S1とし、残り半分の3つの第4溶接部位W4〜第6溶接部位W6を第2領域S2とする。
【0036】
第1領域S1では、第1溶接部位W1を車両前方端9aとは反対側の位置から前記端9aに向かって第1溶接部位W1を溶接した後、第2溶接部位W2を第1溶接部位W1の溶接方向と同一方向として前記第1溶接部位W1の溶接開始点を溶接終了点として溶接を行い、第3溶接部位W3を第2溶接部位W2と同様に溶接する。
【0037】
第2領域S2では、第1領域S1と逆向きの溶接方向として各溶接部位W4〜W6を同様に溶接する。すなわち、第4溶接部位W4を車両後方端9bとは反対側の位置から前記端9bに向かって第4溶接部位W4を溶接した後、第5溶接部位W5を第4溶接部位W4の溶接方向と同一方向として前記第4溶接部位W4の溶接開始点を溶接終了点として溶接を行い、第6溶接部位W6を第5溶接部位W5と同様に溶接する。
【0038】
このように、第1領域S1と第2領域S2では、分割した各溶接部位の溶接方向を反対方向としているが、各領域S1,S2で見ると実施形態1と同様であるので、前記実施形態1と同じ効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は実施形態1の溶接方法によりアルミルーフとスチールボディサイドルーフレールを溶接装置で溶接している状態を示す斜視図である。
【図2】図2(A)は図1の溶接部位を示す要部拡大斜視図、図2(B)は図1の溶接部位を示す要部拡大断面図である。
【図3】図3は図1の溶接部位を加工する順序を示す図である。
【図4】図4(A)は片側を拘束したアルミ板と鉄板の溶接前状態を示す図、図4(B)は溶接加工状態を示す図、図4(C)は溶接終了後の冷却後状態を示す図である。
【図5】図5(A)は両側を拘束したアルミ板と鉄板の溶接前状態を示す図、図5(B)は溶接加工状態を示す図、図5(C)は溶接終了後の冷却後状態を示す図である。
【図6】図6(A1)は溶接部位を一端側から他端側に向けて連続して溶接する加工順序を示す図、図6(A2)は溶接部位全長を4つに分けて各溶接部位を同一方向に一端側から他端側に向けて断続的に溶接する加工順序を示す図、図6(B)は溶接部位全長を2つに分けて各溶接部位を同一方向に溶接すると共に第1溶接部位の溶接終了後に上流に戻って第2溶接部位を溶接する加工順序を示す図、図6(C)は実施形態1の溶接方法により溶接する加工順序を示す図である。
【図7】図7(A)は図6(A1,A2)の加工順序で溶接したときのルーフの変形状態を示す図、図7(B)は図6(B)の加工順序で溶接したときのルーフの変形状態を示す図、図7(C)は図6(C)の加工順序で溶接したときのルーフの変形状態を示す図である。
【図8】図8は実施形態2の溶接方法により溶接部位を加工する順序を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1…溶接装置
3…金属ワイヤ
5…レーザ
7…冷却ガス
9…アルミルーフ(第1ワーク)
9a…車両前方端(一方の全溶接部位端部)
9b…車両後方端(他方の全溶接部位端部)
10…スチールボディサイドルーフレール(第2ワーク)
11…溶接部位
W1〜W7…第1溶接部位〜第7溶接部位
A1〜A7…加工方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ワークと第2ワークを重ねた溶接部位に供給する金属ワイヤをレーザで溶かしながらこれらワーク同士を溶接する際に、溶接部位全長を少なくとも3つ以上の部位に分割し、その分割した各溶接部位の溶接方向を同一方向とし、且つ各溶接部位の溶接終了点から次の溶接部位の溶接開始点へ戻り、前記次の溶接部位の溶接終了点を前の溶接部位の溶接開始点として溶接することを繰り返すことを特徴とする溶接方法。
【請求項2】
第1ワークと第2ワークを重ねた溶接部位に供給する金属ワイヤをレーザで溶かしながらこれらワーク同士を溶接する際に、溶接部位全長を少なくとも3つ以上の部位に分割し、一方の全溶接部位端部を含む第1溶接部位を前記一方の全溶接部位端部とは反対側の位置から前記端部に向かって第1溶接部位を溶接した後、第2溶接部位を第1溶接部位の溶接方向と同一方向として前記第1溶接部位の溶接開始点を溶接終了点として溶接を行い、第3溶接部位以降を第2溶接部位と同様に溶接することを繰り返して、他方の全溶接部位端部を含む最終溶接部位をその前方の溶接部位の溶接開始点を溶接終了点として溶接することを特徴とする溶接方法。
【請求項3】
第1ワークと第2ワークを重ねた溶接部位に供給する金属ワイヤをレーザで溶かしながらこれらワーク同士を溶接する際に、溶接部位全長を少なくとも3つ以上の部位に分割し、その分割した幾つかの溶接部位を一方の全溶接部位端部を含む第1領域と他方の全溶接部位端部を含む第2領域とに分け、
第1領域では、第1溶接部位を前記一方の全溶接部位端部とは反対側の位置から前記端部に向かって第1溶接部位を溶接した後、第2溶接部位を第1溶接部位の溶接方向と同一方向として前記第1溶接部位の溶接開始点を溶接終了点として溶接を行い、第3溶接部位以降を第2溶接部位と同様に溶接することを繰り返し、第2領域では、第1領域と逆向きの溶接方向として各溶接部位を同様に溶接することを特徴とする溶接方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の溶接方法であって、
全溶接部位両端部を除く各溶接部位の溶接開始点の上にその隣の溶接部位の溶接終了点を重ねて溶接することを特徴とする溶接方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の溶接方法であって、
前記溶接後の加工部位に冷却ガスを吹き付けることを特徴とする溶接方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の溶接方法であって、
前記第1ワークと第2ワークの何れか一方がアルミニウム系金属板で他方が鋼板であることを特徴とする溶接方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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