説明

溶液から活性成分を揮発させる方法と装置

本発明は、液溜め(2)に貯えられた溶液から低揮発性活性物質または成分を揮発させる方法と装置に関する。本装置は、少なくとも一個の液保持体とディスペンサ手段(14)とを備える。ディスペンサ手段(14)は、好適な距離・位置でケーシング(1)に配置され、プッシュボタン(6)で前記液保持体に前記溶液の用量をディスペンスする。本装置は、さらに、選択された時間間隔で前記ディスペンサ手段の操作を可能とするように適応されたタイマーを備える。前記時間間隔は、溶剤と活性成分の大部分を液保持体から揮発するに必要な時間より長時間である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液から低揮発性活性物質または成分を揮発させる方法と装置に関する。本発明は、好ましくは殺虫剤物質を低温度または室温で揮発させるのに使用される。
【0002】
特に、本発明の目的の一つは、空気中に活性成分を制御された方法で分散することから成り、液体の揮発の効果的な時間を考慮しながら活性成分の効果の効力を制御し、可能な限り長時間にわたって活性成分の有用な効果がユーザに得られるようにする。
【0003】
本発明の適用分野は、揮発性製品を揮発させる装置を専門とする産業部門である。揮発性製品の例としては、芳香剤、防臭剤、臭気・タバコ煙中和剤、殺菌剤、防虫剤、および一般に室内に用いられる空気清浄剤が挙げられる。
【背景技術】
【0004】
室内の空気に芳香を与えたり、これを清浄化したりするために揮発性物質を散布する場合、多くの状況が存在する。例えば、比較的長い時間インターバルで製品の一用量分または複数用量分を散布し、後は次ぎの時間に至るまで製品の散布を停止することが望ましい、あるいは必要な場合がある。これは、例えば、浴室で空気清浄剤を使用するケースであり、このケースでは少用量を数回放出するが、ユーザが浴室中で再び必要とするまでは製品をそれ以上消費しないのが望ましい。同じことは、防虫剤でも生じ、防虫剤は一日のある時間には使用されるが連続的ではなく、他の時間には必要とされないのである。
【0005】
薬液化合物の所望の活性成分を手動でまたはタイマー使用による自動で拡散することが可能な多くの装置が現在知られている。薬液は、ユーザが選択したある瞬間だけ個々の用量でスプレーされる。ユーザは、自身がスプレーを作動したり、あるいはユーザが行わずに、タイマーを前もってプログラムしておいて製品のスプレー噴射を定期的に起動させたりするからである。
【0006】
しかし、これらのエアロゾール装置は、効果性が完全ではなく、安価でもない。活性成分の効果は、スプレー噴射が始まり、次いで急速に減少する瞬間に集中して生じるからである。従って、便利なのは、薬液が空中に直接分散されることでなく、保持体に向けて分散されることである。そうすれば、前記活性成分が徐々に揮発し、従って活性成分のより連続的供給が可能となる。
【0007】
これまで、揮発性物質を含有する多孔質材料で製造された吸収体を備える既知の揮発装置は、使い捨て装置であって、前記吸収体には、工場で製品製造工程の際に含浸処理がなされており、ユーザは、活性成分だけが含浸された吸収体を手にする。溶剤はその前に自然に揮発するからである。活性成分の一部も、製品貯蔵期間に揮発してしまう可能性もある。活性成分の大部分が揮発してしまったら、その装置は有効性を失うので、新しいものと交換しなければならない。
【0008】
低揮発性の活性成分、例えば、防虫剤を拡散するタイプの幾つかは、既知であり、ソケットに差し込んで用い得る電気式装置を例示し得る。そのような装置は、溶剤と少量の活性成分とから成る溶液を含有するボトルとボトル内に部分的に浸された芯とを備え、前記薬液はこの芯の上部に毛細管作用で揚がり得るようになっている。この芯を高温にすると、溶剤と活性成分双方の揮発が起こる。120〜150℃の温度が一般に必要で、そうすれば十分な揮発速度とハエやカを殺すのに好適な生物学的効率が達成される。この温度は、同じ揮発技法を使用する空気清浄剤や芳香剤の装置に使われる温度(約70℃)よりもはるかに高いが、殺虫剤活性成分を揮発するには必須なのである。
【0009】
さらに、電気式ポータブル装置も既知であり、この装置では揮発性物質が固体の形状で、多孔質液保持体上に固定されている。前記液保持体の製造工程では、ある量の溶液が液保持体に吐出され、前記液保持体は、溶剤と活性成分とから成る前記溶液で含浸される。溶剤はその後に揮発し、液保持体が市場に出たときは、液保持体は活性成分だけで含浸されている。これらの装置では、溶剤が揮発し尽くすと、液体または固体の状態の活性成分だけが液保持体に残存するので、活性成分は低い温度または室温でも揮発可能である。所要エネルギー消費量が少ないので、これらのタイプの装置は、電池方式で製造・販売できる。これらの装置の大きな欠点は、揮発される物質の残存量、従って残りの持続時間や殺虫剤散布装置の場合カに対するユーザの保護時間が表示されないことである。
【0010】
幾つかの装置では、これらの欠点を解決する試みが行われている。例えば、米国特許第6,484,438号に開示の装置では、活性は有しないが揮発性の製品を含有する第二の液溜めが追加されている。しかし、このタイプの溶液は信頼性に欠けている。二つの物質の物性を調節した後に、両物質が同じ時間で揮発するようにしても、これは、製品を規定する際にノーマルと考えられていたある種の環境温度と湿度においてのみ生じるからである。実際には、製品は、相異なる場所と年の相異なる季節で使用し得るのであり、環境条件は、ノーマルと規定されたものとは相当程度に相異なり得るので、指示剤となる液の揮発と活性成分の揮発との間には遅れが生じることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,484,438号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記技術的欠点を添付の独立クレームに記載の発明内容によって解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の態様の一つは、本装置を使用するに当たって需要者またはユーザが行う3ステップ揮発法である。本方法は、次のフェーズから成る。すなわち、
1)溶剤と少なくとも一つのタイプの活性成分とから成る溶液を液保持体に吐出するステップと、
2)前記溶剤を揮発するステップと、
3)前記活性成分を揮発するステップとから成る。
【0014】
本発明は、溶剤の揮発が終了していない限り、活性成分は、高温度のインプットなしには揮発し得ないということを考慮するものである。高温度インプットは、ポータブル電池駆動装置を実装する場合は相容れない。従って本発明は、このステップ2を特に必須と考えるものであるから、溶液の新しい用量をディスペンス(配剤;dispense)するに当たってはその前に、溶剤が液保持体から完全に揮発していることが確実にチエックされる。
【0015】
本発明の目的の方法は、溶液の用量の定期的吐出に基づく。吐出は、ユーザによる起動手段か、あるいは自動サイクル機能による起動手段によって起動される。用量のディスペンスは、起動手段によって行われる。いずれのケースでも、前の用量の溶剤が大部分揮発し尽くさない場合は新たな用量のディスペンスを防止する手段が備えられる。
【0016】
従って、本発明の第一の態様は、溶液から活性成分を揮発させる方法に関する。この方法は、前記溶液の用量を液保持体に時間間隔を制御してディスペンスする。先ず前記液保持体から溶剤を揮発させ、活性成分のみが液保持体に残るようにする。次いで、溶剤がなくなっているので、活性成分のみが揮発可能になり、活性成分は、溶剤の大部分が揮発した後に液保持体から揮発する。
【0017】
溶剤と活性成分の揮発は、自発的に起こさせ得るし、プロセスを加速して制御もし得る。例えば、ステップ2の持続時間を短くするため溶剤の揮発の際にも、あるいはステップ3の際にも、液保持体に空気の流れを適用したり熱を加えたりして制御し得る。溶剤および/または活性成分は、揮発に際して低い温度に、例えば、100℃未満、70℃未満の温度に加熱し得るし、または室温にもし得る。
【0018】
用量間の時間間隔は、本方法では制御され、溶液の各用量は、前の用量の活性成分が液保持体から大部分揮発し終わった後の瞬間の時間に前記液保持体にディスペンスされる。このようにして、前の用量から残存している活性成分がまだ揮発し尽くされていない時には、液保持体に新たな用量がディスペンスされるのが防止される。
【0019】
用量間の時間間隔は、タイマー装置で、好ましくは電子機械手段に関連している電子式タイマー装置で制御され、用量間の設定時間後に溶液の用量をディスペンスすることが可能となる。溶剤を揮発するに必要な時間と活性成分の揮発に必要な時間とは、使用物質と本発明の各実装に対する揮発条件とに基づいて製造業者が、以下のように決定する。すなわち、電子式タイマーの場合ではプログラムにより、あるいは機械式タイマーのケースでは設計により、溶剤と活性成分の大部分が揮発するのに必要な時間と同じか長い時間間隔でタイマーが起動される。この時間後にタイマーは、電子および/または機械手段を起動し、溶液の新しい用量をディスペンス可能にする。つまり、タイマーが起動されていない時間間隔では、液のディスペンサ手段はブロックされ、用量をディスペンスし得ないようにしている。
【0020】
タイマーを起動し、次いでディスペンサ手段を使用可能とした後、溶液の用量は、ユーザが新しい用量をディスペンスする必要があると考えるとき、ユーザによる起動動作によってディスペンスし得る。別法としては、溶液の用量は、自動的にもディスペンスし得る。この目的のためには、用量間に設定された時間間隔後にディスペンサ手段に作動する電子回路で制御された機械手段が設けられる。
【0021】
別の一つの態様では、本発明は、空気通過可能の開口を有するケーシングと前記溶液を含有する液溜めを備えることを特徴とする、溶液から活性成分を揮発させる装置から成る。同装置は、少なくとも一個の液保持体と前記液保持体に前記溶液の用量をディスペンスするため距離および好適な位置に配置されたディスペンサ手段とを備える。同装置は、選択された時間間隔で前記ディスペンサ手段の操作を可能とするように適応されたタイマーをさらに備える。前記時間間隔は、溶剤と活性成分の大部分を液保持体から揮発させるのに必要な時間より長くなっている。
【0022】
本発明のタイマー装置は、時間間隔が二つの連続した用量の吐出間の時間に相当するようにプログラムされている。前記時間間隔は、液保持体から溶剤を、次いで活性成分を揮発させるのに必要な時間とほぼ同じである。
【0023】
本発明は、揮発性製品の性能上の最重要ポイント二つに関して主として改良する。一つには、溶液を工場で多孔質材に含浸する必要性をなくすことである。ユーザは、溶液をその場で揮発液保持体に移すという機能を使用できる。ディスペンスされた活性成分はすべて使用し尽くされる。溶液のディスペンス時から製品包装に至るまで、製品貯蔵期間中に、または製造中でさえなにものも失われないからである。
【0024】
本発明の装置は、単純かつ安価な方法で製造し、ポータブルで容易に取り扱える装置を形成し得る。溶液の液溜めへの再充填機能を導入して再使用し得る可能性もある。
【0025】
記載の説明を補足し、好ましい実施の形態に基づく本発明の機能を、よりよく理解するのを助けるため、前記説明の全体の一部として一組の図面を添付する。以下は、説明のためであり、非限定的性格を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】溶液のディスペンスされた用量に対応して、本発明の揮発方法の三つのフェーズの継続時間を示す図であって、垂直のy軸は、製品の揮発量を示し、水平のx軸は時間に対応する図である。
【図2A】ケーシングの上半分部分は取り除いて示してあるが、内部に収められたコンポーネントを示し、プッシュボタンとスプレー間の接続を説明するための、本発明の装置の好ましい実施の形態の斜視図である。
【図2B】図2Aに示される装置の後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の方法は、吐出が不連続的に行われることに基づく。本発明では、溶液の吐出は、技術に既知の技法、例えば、滴下による手段、スプレーまたはエアゾールによる手段、または溶液を含有するカプセルまたはマイクロカプセルを破壊する手段で行い得る。他に任意選択として、揮発手段、例えば、低エネルギー消費ヒータ、すなわち、低温度ヒータ、ファンまたはヒータとファンの組み合わせも使用される。これらの揮発手段は、連続的にも、不連続的にも作動し得る。例えば、用量のディスペンスと同時にも起動し得る。
【0028】
本発明の装置は、液を毛細管現象で吸収する吸収手段、例えば、多孔質の芯を備えた既知の装置でも差し支えない。この場合、毛細管による液移動速度は十分に遅いので、揮発手段が起動されたとき揮発域への液の供給が乱される恐れがある。揮発される溶剤の量が次から次へと送られて来ないならば、芯にある活性成分のみが揮発する。
【0029】
図1は、三つのステップまたはフェーズから成る揮発サイクルを示す。フェーズ1は、ある量の液の吐出を示し、時間t1の箇所でほとんど瞬時に起こる。フェーズ2は、短い時間間隔t1〜t2間で起こる溶剤の高揮発速度に対応する。最後にフェーズ3は、時間間隔t2〜t3間で起こる活性成分の低揮発速度に対して示される。溶液の次の用量は、時間t3の後にのみディスペンスされる。
【0030】
実際には、揮発プロセスは、相異なる揮発条件にあるので、理論的には揮発表面全体に均一に生じることはない。揮発表面のある領域はフェーズ2にあり、他の領域はフェーズ3にあるということも可能である。
【0031】
フェーズ2の継続時間は、出来るだけ急速になるように特に設計される。溶剤が揮発し尽くすまでは、活性成分で起こされる活性は、極めて低く、あるいはほぼゼロであるので、製品の効率がほとんどゼロである。フェーズ2が終了するのは、溶剤の大部分が揮発し尽くしたとき、すなわち、揮発領域の大部分に存在する溶剤の量が非常に少なくなり、ようやく活性成分が効果的に揮発し得るときと考え得る。
【0032】
フェーズ3では、溶剤がなくなっている揮発域に存在する活性成分が揮発するが、この活性成分の量は、例えば、殺虫に必要な生物学的効果が確実に生じるには十分ではない量にまで低下する。各フェーズ間の遷移は当然のことながら瞬時には起こらない。むしろ具体的な揮発条件に依存する緩やかな遷移プロセスである。従って、フェーズ3の継続時間は、活性成分の揮発が、ある効果的な量で始まり、揮発域に存在する活性成分の量が、生物学的効果を確実に生じるにはもはや十分ではないときに終了すると考え得る。
【0033】
二回の連続する用量の吐出間の継続時間は制御され、用量の吐出は、その前の用量のフェーズ3が終了しない限りは行われないようにされる。次の用量の吐出が、その前の用量のフェーズ3の前に行われてしまうと、活性成分は実質的に未揮発の状態になる。他方、次の用量の吐出が、その前の用量のフェーズ3終了後長時間が経って、すなわち、活性成分が揮発した後長時間経って行われると、装置の効果は長時間ほぼゼロになり、その間ユーザは、例えば、カに対して保護を受けなくなる。
【0034】
本発明は、フェーズ2の中断が時期尚早に起こる場合を防止する手段を備える。例えば、ユーザが、効力を増す意図で、装置を二回起動し、溶液をさらに一分量ディスペンスしようとするケースである。そのようなケースでは、効果は所望と反対になってしまう。すなわち、フェーズ2が継続している際に再び吐出を起動すると、活性成分のみが単独で吐出されることはなく、従ってこれのみが揮発されることはなくなる。さらに、この新しいフェーズ2は、決められた時間よりも長時間になる。より多い溶剤、つまり、第一の吐出からすでに存在する溶剤の量と第二の吐出で得られる溶剤の量とが揮発されねばならないからである。
【0035】
この状況を防止するため、本発明は、時期尚早の吐出を防止する手段を備える。これらの手段は以下のように例示し得る。電子的手段としては、最小の時間間隔を得るように吐出手段を切断またはブロックする電子式タイマーがある。機械的手段としては、起動ボタンを一度押してしまうと最初の位置を回復するのに長時間かかる起動ボタンがある。
【0036】
本発明は、フェーズ2は可能な限り短時間となるようにしている。フェーズ2の際には装置の効力はゼロに近いからである。フェーズ2の継続時間は、高揮発性溶剤を使用して短縮し得る。本発明に基づけば、高揮発性溶剤は、室温での蒸気圧で0.08mmHg以上を有するように選択された溶剤または溶剤の混合物から成り得る。
【0037】
別の一つの好ましい実施の形態では、フェーズ2の継続時間は、溶液中の活性成分の濃度を上げることによって短縮できる。溶剤が少なければ少ないほど溶剤を揮発させるのに必要な時間が短くなるからである。見出されたことによると、最適組成は、活性成分5〜70重量%、好ましくは20〜65重量%の範囲で得ることができる。
【0038】
別の一つの好ましい実施の形態では、フェーズ2の継続時間は、液に対する揮発表面を増加することによって短縮される。具体的には、例えば、次の諸手段で達成し得る。すなわち、
小さな液滴を吐出すること、
広い面積の液保持体に吐出すること、
高い粗面度を有する液保持体に吐出すること、
液の吐出方向に関して液保持体を斜めに配置し、過剰な液がその斜め表面に沿って下向きに流れるようにするここと、
表面張力が低い溶剤を使い、液滴形成の傾向を少なくすることで達成し得る。液滴が少ないということは、単位容積当たりの表面が小さいということを意味する。本発明では、低表面張力溶剤とは、25℃で26mM/m以下の表面張力を達成するように選択された溶剤または溶剤混合物として理解しなければならない。
【0039】
別の一つの好ましい実施の形態では、フェーズ2の継続時間は、液保持体の吸収能力を減少することによって、すなわち、液保持体が溶剤の液溜めとして作用することを防止し、後者の溶剤がより多く曝露されるようにすることによって短縮される。例えば、本発明では、見出されたことによると、所望の効果を得るための液保持体の最適な多孔質度は、1g/cm未満、好ましくは0.1g/cm未満の液吸収能力を有する材料で得られる。
【0040】
別の一つの好ましい実施の形態では、フェーズ2の継続時間は、三相エマルションを使用することによって短縮される。例えば、前記エマルションは、溶解されている活性成分と相溶性がある溶剤Aにプラスして活性成分に可溶性のない溶剤Bで形成し得る。両溶剤とも、一緒に混合し得る。溶剤Aに好適な溶剤の例を幾つか挙げると、例えば、イソパラフィン、プロピレングリコールエーテル、脱芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素、およびアセトンである。溶剤Bに対する例を幾つか挙げると、例えば、水と、例えばエタノールとメタノールなどの低分子量アルコールである。溶剤Aの量は、30重量%未満が好ましい。
【0041】
他の例では、従来の界面活性剤または表面活性剤が使用され、例として、アニオン系海面活性剤、イオン系海面活性剤、両性界面活性剤、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0042】
別の一つの好ましい実施の形態では、フェーズ2の継続時間は、活性成分が可溶でない溶剤を使用することによって短縮され、固相の活性成分が溶剤に懸濁して使用されると、溶剤と活性成分との分離プロセスが、より速くなる。この機能のために好適な溶剤を幾つか挙げると、例えば、水と、例えばエタノールとメタノールなどの低分子量アルコール、およびこれらの混合物である。例えば、従来の界面活性剤も、アニオン系界面活性剤、イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、およびこれらの組み合わせを含んで使用し得る。
【0043】
それにもかかわらず、フェーズ2の継続時間を短縮しても、このフェーズは、短時間であり、その間はほとんどゼロの効果しか得られないにしても、依然として存在する。実際の、高い効果が是非にも要求される適用のケースでは、フェーズ2の存在自体が許容されないことがある。極めて短時間の継続であってさえもである。
【0044】
これらのタイプの適用に対しては、本発明は、揮発領域を少なくとも二つ備える装置を提供する。この装置では、溶液の用量は、相異なる時に相異なる二つの液保持体にディスペンスされるように調整されており、溶剤を含まない活性成分が、前記液保持体の少なくとも一つに常に利用可能となっている。すなわち、三相揮発が交互に起こるようになっている。この装置では、サイクルの始まりは、溶液を第一の揮発表面に吐出するステップ(フェーズ1)に対応し、活性成分は第二の揮発表面から自発的に揮発する(フェーズ3)。従って、活性成分が第二揮発表面にあるとき(フェーズ3の終わり)、第一表面のフェーズ2はすでに終わっていたことになり、この揮発表面は新しいフェーズ3となる準備が整っていることになる。自動・タイミング機能のケースでは、新しいサイクルは、第二表面に吐出することおよび第一表面から揮発することからスタートする。
【0045】
図2は、溶液に含まれる活性成分を拡散するためのポータブル装置から成る本発明の実際の実施の形態を示す。本装置は、この場合では上半分と下半分から形成されるケーシング(1)で構成される。ケーシング(1)には、空気を通過させるための少なくとも一個の開口(11)と、溶剤と少なくとも一つのタイプの活性成分とから成る前記溶液を貯える液溜め(2)が備えられる。本装置は、少なくとの一個の液保持体(図示せず)を有する。液保持体は、紙、ボール紙、布、不織布、セラミック、カーボンファイバ、または熱可塑性プラスチックのような材料から製造し得るし、機能を実現するのに好適と考えられるどのような形状も採用し得る。図2Aには、液保持体支持構造(12)が示されており、この上に、例えば、織物または紙の形の液保持体がアセンブリされている。
【0046】
液保持体は、1g/cm未満、好ましくは0.1g/cm未満の液吸収能力を有する多孔質材料で製造し得る。
【0047】
別法としては、液保持体は、例えば、熱可塑性プラスチックのような非多孔質材料からも製造し得る。この場合、おそらく構造化処理が行われる。すなわち、粗面からなる表面としたり、あるいは、例えば、ラインや溝のような盛り上がった構造のものを設計したりして、吐出されたとき液が床に落ちてしまうのを防止する。
【0048】
本装置は、この実施の形態では、液溜め(2)にアセンブリされた従来のスプレー装置のようなディスペンサ手段(14)をさらに備える。これは、既知のオーデコロン噴射スプレーのようなものである。これらのディスペンサ手段(14)は、ケーシング(1)の好適な位置に配置され、前記液保持体に溶液の用量は、この場合スプレー装置が押されると、ディスペンスされる。
【0049】
別法としては、ディスペンサ手段は、溶液の液滴をディスペンスできる滴下手段であるし、あるいはディスペンサ手段は、前記溶液を含有するカプセルまたはマイクロカプセルを破ることによって溶液の用量を吐出し得るものでもある。
【0050】
ケーシング(1)は、液溜め(2)が外から見えるようにし得る窓(16)を備える。液溜めは、透明または半透明にし得る。すると、ユーザは、液溜めに残っている溶液の量をチエックできるので、液がなくなったときが分かり、液溜めを新しい液で入れ替えることができる。
【0051】
ケーシング内に収められた液保持体は、空気出口(11)とディスペンサ手段(14)との間に配置される。
【0052】
本装置は、前記ケーシングの好適な位置に配置され、前記液保持体に空気の流れを送り、溶剤および/または活性成分の揮発を加速し、これらを出口(11)から外側に推進するという目的を果たすファン(17)をさらに備える。ファンは、小さな直流モータ(4)と空気推進エレメント(3)とで形成され、このケースではリス籠のような形でモータ軸上にアセンブリされている。
【0053】
別の好ましい実施の形態では、本装置は、ケーシングの好適な位置に配置され、液保持体で保持された溶液の諸成分を低い温度にて加熱する従来の加熱手段(図示せず)を備える。
【0054】
本装置は、ケーシング(1)に固定された円筒シャフト(18)に旋回自在にアセンブリされたプッシュボタン(6)を備える。このプッシュボタン(6)の一部は、外からアクセス可能となっているので、ユーザが起動動作するのに使用可能である。その内部では、プッシュボタン(6)は、図2Aに見られるように、スプレー装置(14)を押すように寸法と位置が決められたアーム(19)を備える。このスプレー装置は、ユーザがプッシュボタン(6)をケーシング(1)の内側に向けて押すと、一回分の用量を液保持体に放出する。
【0055】
本装置には、当業者に既知のタイプの電子式タイマーを含む電子回路(5)が備えられる。タイマーは、溶剤の揮発と活性成分のその後の揮発に必要な時間より長い時間にプログラムされる。これら揮発時間は前もって知られている。
【0056】
さらに、回転アームまたは揺れアーム(7)がある。これは、ケーシングと一体のシャフト(15)に対して自在に回転する能力を備えてアセンブリされたアームから成る。揺れアーム(7)は、アーム(19)の自由端近くに適切に位置した第一端(8)を有し、プッシュボタン(6)をケーシングの内側に向けて押すと、前記アーム(19)は、揺れアームのこの第一端(8)を下方に移動させる。すると揺れアームは回転し、その第二端(9)が上方に移動する。第二端(9)は、電子回路(5)のプッシュボタンまたはスイッチ(図示せず)に近接して位置しているので、上方に移動するとき、前記第二端(9)は、前記プッシュボタンを押し、タイマーのカウントが始まる。
【0057】
アーム(19)の自由端は、揺れアーム(7)の第一端(8)と接触するような形状、好ましくは楔形の形状を備え、プッシュボタン(6)が押されると、ケーシング(1)の内部に収められたその端部が、揺れアーム(7)の第一端(8)の接触面に達し、その結果、プッシュボタン(6)の動きを前記揺れアーム(7)の各端(8,9)の反対方向への動きに変える。
【0058】
別法として、前記プッシュボタンの作動は、ファン(17)および/または加熱手段の運転、さらにLEDのような発光指示灯を始動させる。発光指示灯は、前のエレメントが何時にオンまたはオフになったかをユーザに示す指示器として作用する。LEDは、タイマーに記憶してある時間の間はオンとなっており、この時間が終わると、LEDはオフとなり、活性成分の大部分が揮発し尽くし、もはや用量の効果は終了したことをユーザに示す。従って、ユーザは、所望のときにプッシュボタンを押し、すべての電気コンポーネントを同時に始動し、以下に説明されるように、プロセスを再びスタートできる。
i)スプレー装置のボタンを押し、液の一回分の用量を放出すると、液保持体が直ちに液で含浸される。
ii)電気回路を始動し、ファンの運転をスタートし、空気を液保持体に向けて吹き付けると、前記保持体に吸収されていた液の揮発が有効に行われ、活性成分がケーシングに設けられた出口から空気中に放出される。
iii)同時に、電気回路のタイマーのカウントが再スタートされる。このタイマーは、溶液が完全に揮発するにかかる時間と、規定の用量に含まれている活性成分が拡散するのに必要な時間とを考慮して工場でプログラムされている。
iv)シグナル手段が備えられている場合は、タイマーとファンとが作動すると同時に、または両方が終了したとき、前記シグナル手段が始動して(例えば、指示灯がオンになったり、タイマーの運転時間とファンが終了するときアラームが鳴ったりして)、ユーザが装置を運転し続けたいならば、再び全プロセス:スプレー噴射−揮発−時間設定のプロセスを再スタートできることをユーザに通知する。
【0059】
任意選択として、本発明のプロセスは、装置自体のプッシュボタンを作動させる作動手段を備えることによって、あるいは遠隔制御によって自動的にスタートし得る。
【0060】
好ましい実施の形態では、本装置は、スプレー装置の操作をブロックする手段を備える。前記手段はタイマーで制御され、液の用量が液保持体にディスペンスされると、タイマーのカウントがスタートし、前記ブロック手段が作動し、タイマーが依然カウントしている間はスプレー装置の再起動を防止する。タイマーは、溶剤と活性成分の大部分が液保持体から揮発するに必要な時間と同じ時間またはこれより長い時間になるようにプログラムされているので、活性成分が依然液保持体に十分に効果的な量で存在している間は、ユーザが新しい分量の液をディスペンスすることがないようにされている。この時間間隔では、スプレー装置はブロックされているからである。
【0061】
別法として、スプレー装置の起動は自動とし得る。その目的のため本装置は前記起動を生じさせるスプレー起動手段(図示せず)を備える。この手段は、また、タイマーで制御され、タイマーがそのタイムカウントを終了すると、スプレーは規定の時間間隔の後に自動的に起動される。時間間隔は、例えば、ユーザが調節可能である。前記起動手段に関しては、例えば、モータ(4)自体を使用し、プッシュボタン(6)を好適に動かせば、スプレー装置(14)を起動し得る。
【0062】
本装置はポータブルであり、電池(13)で作動する。
【0063】
実際の実施の形態では、ユーザは手動操作または自動操作のいずれをも選択可能であり、自動操作内では多岐にわたる既定にプログラムされた吐出の時間間隔をユーザの好みまたはニーズに基づいて選択できる。
【0064】
本発明の別の一つの実施の形態では、本装置は、タイマー制御も、三つの揮発フェーズの再生もなく、単に活性成分を吐出するだけであるが、既述の諸要素、すなわち、ケーシング、液保持体、ディスペンサ、プッシュボタン、ファンおよびヒータをすべて備えるものである。
【0065】
本装置は、任意選択で人または動物の身体に固定する結び付け手段、例えば、ストラップやクリップなどを備え得る。
【0066】
本発明の実施の形態にかかわる幾つかの可能性については、以下に記載の従属クレームに記載される。
【0067】
以上、記載の説明と図面に鑑みれば、当業者は、記載の本発明の実施の形態を本発明の目的内で多くのやり方で組み合わせ得ることが理解できることと思われる。本発明は、好ましい実施の形態に基づいて記載されたが、当業者には多くの部分的修正が、クレームされた本発明の目的を超えることなく、前記好ましい実施の形態に導入可能であることが明らかであろう。
【符号の説明】
【0068】
1 ケーシング、2 液溜め、3 空気推進エレメント、4 モータ、5 電子回路、6 プッシュボタン、7 揺れアーム、8,9 端部、11 出口、12 液保持体支持構造、13 電池、14 ディスペンサ手段、15,18 シャフト、16 窓、17 ファン、19 アーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶剤と少なくとも一つのタイプの活性成分とから成る溶液から活性成分を揮発させる方法において、制御された時間間隔で前記溶液の用量を液保持体にディスペンスするステップを含み、溶剤が前記液保持体から揮発され、活性成分のみが液保持体に残ること、および活性成分は溶剤の大部分が揮発し尽くした後に液保持体から揮発されることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、用量間の時間間隔が制御され、溶液の用量が前の用量の活性成分の大部分が液保持体から揮発した後の時間に前記液保持体にディスペンスされることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の方法において、二つの連続した用量の間の時間間隔が、溶剤と活性成分を液保持体から揮発させるのに必要な時間より長時間であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、二つの連続した用量の間の時間間隔が、溶剤と活性成分を液保持体から揮発させるのに必要な時間と実質的に同じであることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法において、二つの用量の間の時間間隔が、電子機械式手段に関連の電子式タイマーで制御され、用量間に設定された時間間隔後に溶液の用量がディスペンスされることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5いずれか1項に記載の方法において、溶液の用量が、ユーザの動作による起動でディスペンスされることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法において、溶液の用量が、予め設定された時間間隔で自動的にディスペンスされることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法において、溶剤および/または活性成分が、揮発に際して100℃未満の温度、好ましくは70℃未満の温度に加熱されることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法において、溶剤および活性成分が、室温にて揮発されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法において、空気の流れが、液保持体に保持された溶剤および/または活性成分に適用されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法において、溶液の用量が、液の液溜めからディスペンスされることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法において、溶液の用量が、相異なる時間において相異なる二つの液保持体にディスペンスされるように調整され、溶剤を含まない活性成分が、前記液保持体の少なくとも一つには常に利用可能となっていることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法において、活性成分が、殺虫剤および/または芳香剤であることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法において、溶液の用量が、滴下でディスペンスされることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法において、溶液の用量が、スプレーまたはエアゾールでディスペンスされることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法において、溶液の用量が、溶液含有のカプセルを壊すことによってディスペンスされることを特徴とする方法。
【請求項17】
溶液から活性成分を揮発させる装置であって、空気通過のための少なくとも一つの開口(11)を有するケーシング(1)と、溶剤と少なくとも一つのタイプの活性成分から成る溶液を含有する液溜め(2)とを備える装置において、ケーシングに少なくとも一つの液保持体とディスペンサ手段とを備え、前記溶液の用量が前記液保持体にディスペンスされ得るようになっており、選択された時間間隔で前記ディスペンサ手段の操作が可能となるように適応されたタイマーをさらに備え、前記時間間隔が、溶剤と活性成分の大部分を液保持体から揮発させるのに必要な時間より長時間であるように前記タイマー装置が適応されていることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項17に基づく装置において、タイマー装置が、二つの連続した用量の吐出間の時間に相当する時間間隔で作動するようにプログラムされ、前記時間間隔が、液保持体から溶剤を揮発させ、次いで活性成分を揮発させるのに必要な時間と同じであることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項17または請求項18に記載の装置において、液保持体が、ケーシング内で空気出口とディスペンサ手段との間に収められていることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項17から請求項19のいずれか1項に記載の装置が、前記ケーシングに配置されたファンを備え、前記液保持体に空気の流れを送ることができるようになっていることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置において、前記ファンが、前記タイマーで起動し得ることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項17から請求項21のいずれか1項に記載の装置において、液溜めが、ケーシングの外側から見え、透明または半透明の材料で製作されていることを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項17から請求項22のいずれか1項に記載の装置が、ケーシング(1)内にアセンブリされたプッシュボタン(6)と揺れアーム(7)とを備え、揺れアーム(7)は、プッシュボタン(6)の内側端とは第一端(8)で接触し、電気回路(5)に起動用に設けられた電気接点とは反対側の端(9)で接触するようになっていることを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項17から請求項23のいずれか1項に記載の装置が、タイマーの動作で起動し得る発光信号灯を備えることを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項17から請求項24のいずれか1項に記載の装置が、ケーシング内に配置された加熱手段を備え、液保持体によって保持された溶液の成分を加熱できるようになっていることを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項17から請求項25のいずれか1項に記載の装置が、電池駆動のポータブル装置であることを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項17から請求項26のいずれか1項に記載の装置において、前記液保持体が、紙、ボール紙、布、不織布、セラミック、カーボンファイバ、または熱可塑性プラスチックから選択される材料から製造されることを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置において、液保持体が、1g/cm未満の液吸収能力を有する多孔質材料で製造されることを特徴とする装置。
【請求項29】
請求項28に記載の装置において、液吸収能力が、0.1g/cm未満であることを特徴とする装置。
【請求項30】
請求項17から請求項29のいずれか1項に記載の装置において、溶剤製品が、室温で0.08mmHg以上の蒸気圧を示すように選択されることを特徴とする装置。
【請求項31】
請求項17から請求項30のいずれか1項に記載の装置において、溶剤が、25℃で26mM/m以下の表面張力を達成するように選択された溶剤または溶剤混合物であることを特徴とする装置。
【請求項32】
請求項17から請求項31のいずれか1項に記載の装置において、溶液中の活性成分の濃度が、活性成分5〜70重量%であることを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置において、溶液中の活性成分の濃度が、活性成分20〜65重量%であることを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項17から請求項33のいずれか1項に記載の装置において、活性成分が、溶剤に可溶でないことを特徴とする装置。
【請求項35】
請求項17から請求項34のいずれか1項に記載の装置において、溶剤が、水、低分子量アルコール、エタノール、メタノール、界面活性剤、アニオン系界面活性剤、イオン系界面活性剤、両性用面活性剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする装置。
【請求項36】
請求項17から請求項34のいずれか1項に記載の装置において、溶剤が、活性成分が可溶である第一溶剤と活性成分が可溶でない第二溶剤とから成る溶剤組成物であり、両溶剤とも一緒に混合されることを特徴とする装置。
【請求項37】
請求項36に記載の装置において、第一溶剤が、有機溶剤、イソパラフィン、プロピレングリコールエーテル、脱芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素、およびアセトンから選択されることを特徴とする装置。
【請求項38】
請求項36または請求項37に記載の装置において、第二溶剤が、水と低分子量アルコール、エタノールとメタノールから選択されることを特徴とする装置。
【請求項39】
請求項36から請求項38のいずれか1項に記載の装置において、第一溶剤の量が、溶剤組成物の30重量%未満であることを特徴とする装置。
【請求項40】
請求項17から請求項39のいずれか1項に記載の装置において、ディスペンサ手段が、溶液の液滴をディスペンスできる滴下手段であることを特徴とする装置。
【請求項41】
請求項17から請求項39のいずれか1項に記載の装置において、ディスペンサ手段が、溶液を含有する液溜めに接続されたエアゾールまたはスプレー装置であることを特徴とする装置。
【請求項42】
請求項17から請求項39のいずれか1項に記載の装置において、ディスペンサ手段が、前記溶液を含有するカプセルまたはマイクロカプセルを壊すことによって溶液の用量を吐出するように適応されていることを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項17から請求項42のいずれか1項に記載の装置において、第一と第二の液保持体を備え、ディスペンサ手段が、前記液保持体の各々に溶液の用量をディスペンスするように適応され、ディスペンサ手段が、タイマーで制御され、溶液の用量が相異なる時において液保持体の各々にディスペンスされるように調整され、固形状の活性成分が、少なくとも一つの液保持体に常に存在することを特徴とする装置。
【請求項44】
請求項17から請求項43のいずれか1項に記載の装置において、人または動物の身体に固定する結び付け手段を備えることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【公表番号】特表2010−517715(P2010−517715A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549400(P2009−549400)
【出願日】平成20年2月11日(2008.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051627
【国際公開番号】WO2008/098908
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(506076732)ツォベーレ ホールディング ソシエタ ペル アチオニ (9)
【Fターム(参考)】