濃淡燃焼バーナ
【課題】濃淡燃焼バーナの体積を有効に小型化して、家庭用ガスコンロまたはガス給湯器に応用し、気体排出の汚れを低減させ燃焼を安定させる。
【解決手段】濃い火格子20及び希薄火格子30をそれぞれ上下に配置して、濃淡炎孔211,311をジグザグ状に排列して、濃い火格子ガス管22,希薄火格子ガス管32からの混合ガスを、それぞれ、給気管21,31を通して供給して濃淡燃焼を形成することで、両互いに隣接した炎孔211,311の濃淡燃焼の燃焼状態を構成する。
【解決手段】濃い火格子20及び希薄火格子30をそれぞれ上下に配置して、濃淡炎孔211,311をジグザグ状に排列して、濃い火格子ガス管22,希薄火格子ガス管32からの混合ガスを、それぞれ、給気管21,31を通して供給して濃淡燃焼を形成することで、両互いに隣接した炎孔211,311の濃淡燃焼の燃焼状態を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナに関し、小型燃焼システム、例えば家庭用ガスコンロ、給湯器などに応用され、特に小型化された燃焼システムに応用される濃淡燃焼バーナに関する。
【背景技術】
【0002】
濃淡燃焼の設計により一酸化窒素(NO)及び一酸化炭素(CO)の排出率を効果的に低減させるので、最も環境に良い燃焼方式とも言える。学術によく用いられる濃淡バーナは、米国のイリノイ大学(University of Illinois)のShuらに採用される濃淡バーナ(Wolfhard-Parker slot burner)は、主な燃焼モールドが一部予混火炎(partially premixed
flame)燃焼を主に行い、この部分の予混火炎が二つの予混火炎燃焼域(premixed reaction zone)を有し、その一つは淡燃料(fuel-lean)の燃焼域で、他の一つは高混合燃料(fuel-rich)のの燃焼域により、非予混(non-premixed)燃焼(または拡散火炎、diffusion flameと称する)域を形成することができる。この三つの域は三重点(triple point)で接し
ているので、三重火炎(triple flame)と称する。その内、非予混火炎燃焼域は濃い燃料の流動域からの過剰燃料と、高混合率及び低混合率燃焼域の酸素混合により理論混合割合(stoichiometric mixing)の割合において拡散火炎の燃焼を行い、三重火炎が燃焼理論にお
いては、例えば火炎の安定性(stabilization)(言い換えれば、安定燃焼範囲を増加する
)、リフトオフ火炎(liftoff flame)の回避、乱流混合(turbulent mixture)の増加および熱釈放(heat release)などの現象に極めて重要な役割を演じている。また熱釈放が燃焼ガスの流動拡散仕組み(flow dilatation)及び浮力効果(buoyancy effect)を影響し、かつ三重火炎はバーナ域の内部が局部的消火(local extinction)の場合、再着火(reignition)する特点がある。単にメタンガスの濃淡燃焼を考慮すると、濃い燃料の燃焼域がCOおよびH2を発生する。低混合率の燃焼域はメタンガスを消耗する主な場所で、後端の拡散燃焼域は主に中間産出物、例えばC OおよびH2で酸化してCO2およびH2Oを形成する場所である。
【0003】
しかし、前記濃淡燃焼バーナは全体的に濃い燃料用混合管および希薄燃料用混合管を必要とし、その濃淡状態は複数のハニカム型小炎孔を利用して濃い燃料の混合状態または希薄燃料の混合状態を形成する。したがって、その燃料を供給するパイプラインの配置空間または燃料空気割合の制御機構など、小型の民生用バーナ、例えばガスコンロ、給湯器などの応用に困難である。今まで商業化されている家庭用ガス給湯器の設計は、図10を参照するように、よく見られる設計であり、強制的送風方式を利用して混合気体(空気+燃焼ガス)を混合気体の入口71から入る。さらに、図11を参照するように、濃淡燃焼の様態で、混合気体が希薄火格子混合気体および濃い火格子混合気体に分けられ、それぞれ希薄火格子混合気体の入口72と濃い火格子混合気体の入口73から入り、頂面により排出して燃焼する。以上の設計は希薄火格子が条状に排列され、希薄火格子の間隙が濃い火格子の混合気体の排出に提供して、所謂濃淡燃焼を形成するためのものである。しかし、実務では理想的な状態のように、常に濃淡燃焼の状態に維持することができないため、実用的にはならない。
【0004】
本発明は、主に効果的に小型化され小型の民生用バーナ、例えばガスコンロ、給湯器などに応用可能で、かつ環境に良い要求を符合できる濃淡燃焼バーナを提供する目的とする。
【0005】
本発明が開示する濃淡燃焼バーナは、希薄火格子および濃い火格子を備え、濃い火格子は、複数本の互いに平行した混合気体の給気管からなり、また各給気管の何れも複数の炎孔が開設され、希薄火格子は、同じく複数本の互いに平行した混合気体の給気管からなり、また各給気管の何れも複数の炎孔が開設されるとともに、給気量(即ち、燃焼ガス)が
濃い火格子の給気量より大きく形成される。そして、希薄火格子の炎孔および濃い火格子の炎孔はマトリックス方式で互いにジグザグ状に排列され(囲碁状排列)、両互いに隣接した炎孔を構成して濃淡燃焼の燃焼状態にならしめる。このようにして、小型の民生用バーナ、例えばガスコンロ、給湯器などに応用すれば、一酸化窒素(NO)及び一酸化炭素(CO)を効果的に低減させることで、一般家庭用ガスコンロ、給湯器をより環境の保護に必要な条件に符合することができる。
【0006】
以下、本発明の詳しい内容および技術について図面を合わせて説明する。
【発明の開示】
【0007】
本発明が開示する濃淡燃焼バーナは、図1を参照するように、主に濃い火炎の炎孔11と希薄火炎の炎孔12をマトリックス方式で互いにジグザグ状に排列して両互いに隣接した炎孔を構成して濃淡燃焼の燃焼状態に形成することで、全体的濃淡燃焼バーナの小型化を達成できる目的とすることによって、小型の民生用バーナ、例えばガスコンロ、給湯器などにも応用することができる。
【0008】
各独立する炎孔の濃淡燃焼の目的を達成すために、図2のように、まず家庭用ガスコンロの実施様態を参照する。濃い火格子20は、小さい断面を持った側方向の上方給気通路に設計してガス管の入口に合わせて先細通路の近傍で少ない一次空気量を取り入れより濃いガス量を構成することができる。それに複数本の互いに平行した混合気体の給気管21からなり、また各給気管21の何れも複数の炎孔211が設けられる。そして、希薄火格子30は図3に示すように、大きい断面を持った側方向の下方給気通路に設計して先細通路の近傍で多くの一次空気量からなる希薄のガス量を取り入れ、同じく複数本の互いに平行した混合気体の給気管31から構成され、また各給気管31の何れも複数の炎孔311が設けられる。濃い火格子20の上方向の給気通路と希薄火格子30の下方向の給気通路とはジグザグ状に設計されるので、図5に示すように、ジグザグ状に排列するマトリックス方式の濃淡燃焼炎孔を構成することができる。前記濃い火格子20は、前記希薄火格子30の上方に位置される。
【0009】
前記のように、濃い火格子20の濃い燃料混合状態はより大きい断面積を有する通路、または混合管前端の先細管およびガス管の末端にノズルを設計することで、ベンチュリ管効果により多くの空気量を取り入れて濃い燃焼に必要な燃料と空気の混合量に達成することができ、このような燃焼状態は一部予混火炎(partially premixed flame)である。また常用される先細管の前縁入口の一次空気のストッパーを合わせて一次空気量を調整することにより空気燃料割合の制御を達成できる。
【0010】
希薄火格子30の希薄燃料混合状態は、断面の小さい通路、または混合管前端の先細管およびガス管の末端にノズルを設計することで、ベンチュリ管効果により少ない空気量を取り入れて濃い燃焼に必要な燃料と空気の混合量に達成することができ、また常用される先細管の前縁入口の一次空気のストッパーを合わせて一次空気量を調整することにより空気燃料割合の制御に達成できる。またガス管を利用して濃い火格子先細い入口に直接に接合して、濃い火格子混合管内にガス燃料により完全に充満させ、燃料が濃い火格子のノズルの外側で外部の空気と混合してから燃焼を行い、このような燃焼状態は拡散火炎(diffusion flame)を称する。
【0011】
図4に示すように、濃い火格子20(または希薄火格子30)に設計された濃い火格子ガス管22(または希薄火格子ガス管32)入口は、何れも同一側に設計され、そして対向する他側に固定サポートを設計することができる。さらに、図5Bに示すように、濃い火格子20と希薄火格子30とのジグザグ排列方式はガスコンロパイプラインの内部パイプラインの排列に簡略化可能で、ガスコンロの内部に配置される一次空気の入る空間が配
置しやすくなる。さらに、全ての炎孔211、311は、その位置の何れもバーナの頂部のハニカム型炎孔の出口隔離板40(図5Aに示す)から避けられる。複数の交差網状を備えた隔離板40は、濃淡火格子の互いの位置を固定して各炎孔11、12が濃淡燃焼の状態を向上させることができる。設計された各濃淡火格子の炎孔11、12の何れも網状隔離板40の網状中央に位置されている。
【0012】
図6A、6B、6C、6D、6E、6Fを参照するように、濃い火格子20と希薄火格子30は大きさの異なる先細口212、312を利用し、かつ濃い火格子20の混合気体通路が希薄火格子30より狭く設計され、濃い火格子20の燃料、即ちガス量は希薄火格子30より少なく、または濃い火格子20の混合気体量(一次空気量が少ない)が希薄火格子30の混合気体(一次空気量が多い)より少ないため、濃い火格子20の断面積は希薄火格子30より小さい。なお、ガスコンロの底部が二次空気の取り入れ空間を考慮しなければならないので、濃い火格子20と希薄火格子30の広さの設計は同じである。しかし、濃い火格子20の厚さが希薄火格子30より小さく、二次空気の取り入れ空間を大きくするとともに、二次空気を通過させるため、より多くの通路を提供する。即ち、濃い火格子20と希薄火格子30は二次空気の取り入れを阻止する領域をできるだけ少なくする。
【0013】
さらに、濃い火格子20と希薄火格子30がジグザグに排列され、濃い火格子20の小さい混合気体通路を合わせて濃い火格子20の上部の部分に設計し、また希薄火格子30の大きい混合気体通路が希薄火格子30の下部の部分に設計されることによって、濃い火格子20と希薄火格子30の混合気体通路を効果的にずらす。一方、前記実施様態の他、炎孔211、311の分布位置も家庭用ガスコンロの様態により変化することができ、図7を参照するように、言い換えれば、本発明によりマトリックス方式を利用して濃、淡炎孔の設計を提出し、濃淡バーナの小型化を実現して家庭用バーナに応用可能で、かつその炎孔の分布が制限されないものである。
【0014】
図8を参照するように、前記の実施様態は、自然給気型の濃い火格子20及び希薄火格子30に属しているので、ベンチュリ管効果を利用して一次空気を取り入れる場合、その一次空気量は、理論的または実務上では理論混合割合の燃焼空気量に達成することができない。従って、濃い火格子20または希薄火格子30のいずれかが自然給気の状況においてガスと空気の混合された管内は、その空気量が燃焼の状態まで至らず、即ち濃い燃料で燃焼する状態になる。そのために、自然給気の状況では単に濃い火格子20の空気量を希薄火格子30の空気量より小さく制御し、または達成させるが、濃い火格子20であろか希薄火格子30であろか、その空燃比(空気と燃料の割合)いずれの空気は不十分であるため、周り環境の二次空気を補足しなければ、燃焼を行うことができないので、それに合わせてファン50を増設して一次空気量の不足を補足して強制的送風方式により希薄火格子30の燃焼気体の空気量を理論混合割合の燃焼条件まで達し得る上で、希薄燃料の燃焼状態まで制御することができる。
【0015】
図8に示すように、ファン50が濃い火格子20と希薄火格子30の一次空気を提供できる他、さらにバーナのその他の域を充満させる二次空気量を提供することができる。しかし、濃い火格子20および希薄火格子30はジグザグ状に排列されているので、ファン50は、側方向の給気方式により濃い火格子20および希薄火格子30に混合管の空気を直接に提供でき、他の阻止部材が存在しない。
【0016】
一方、家庭用給湯器に応用される例は、図9を参照するように、従来の給湯器のバーナ空間の配置は矩形状で、円いガスコンロと異なっているため、全体燃焼域を矩形状に設計する他、バーナの底部の濃い火格子20と希薄火格子30とをジグザグ状に排列して各濃い燃焼炎孔211と希薄燃焼炎孔311と両互いに隣接するように構成し、さらに、バー
ナの上部の炎孔は、例えばハニカム型で排列された出口の隔離板40に両互いに隣接した出口が濃淡燃焼の燃焼状態に実現することができる。濃い火格子20と希薄火格子30の配置、細部構造は、実現された濃淡燃焼の濃い火格子20または希薄火格子30と取り入れた一次空気の具体的手段と前記給湯器とは同一であるため、重ねて説明することはない。そして、その内、給湯器の配置に妨げられているため、ファンを増設する場合、底部から送風することが理想である。
【0017】
本発明は、以上のように、前記のより好ましい実施例を開示している。しかし、これは、本発明を限定するものでなく、如何なる当該技術分野の者が本発明の精神、または範囲内から離脱しない前提で成された変更または潤飾など、本発明の技術範疇とする。したがって、本発明の保護範囲は後記の特許請求の範囲で限定するものを準ずる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の濃淡燃焼バーナの平面図。
【図2】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子の平面図。
【図3】本発明の濃淡燃焼バーナの希薄火格子の平面図。
【図4】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の平面図。
【図5A】本発明の濃淡バーナの隔離板の平面図。
【図5B】本発明の濃淡燃焼バーナの家庭用ガスコンロの平面図。
【図6A】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図6B】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図6C】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図6D】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図6E】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図6F】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図7】本発明の濃淡燃焼バーナの家庭用ガスコンロの他の実施様態の見取図。
【図8】本発明の濃淡燃焼バーナの家庭用ガスコンロがファンを結合する見取図。
【図9】本発明の濃淡燃焼バーナの給湯器の見取図。
【図10】従来のガス給湯器の見取図。
【図11】同じく従来のガス給湯器の見取図。
【符号の説明】
【0019】
11…濃い火炎、12…希薄火炎、20…濃い火格子、21…給気管、211…炎孔、212…先細口、22…濃い火格子ガス管、30…希薄火格子、31…給気管、311 炎孔、312 先細口、32…希薄火格子ガス管、40…隔離板、50…ファン、71…混合気体入口、72…希薄火格子混合気体入口、73…濃い火格子混合気体入口。
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナに関し、小型燃焼システム、例えば家庭用ガスコンロ、給湯器などに応用され、特に小型化された燃焼システムに応用される濃淡燃焼バーナに関する。
【背景技術】
【0002】
濃淡燃焼の設計により一酸化窒素(NO)及び一酸化炭素(CO)の排出率を効果的に低減させるので、最も環境に良い燃焼方式とも言える。学術によく用いられる濃淡バーナは、米国のイリノイ大学(University of Illinois)のShuらに採用される濃淡バーナ(Wolfhard-Parker slot burner)は、主な燃焼モールドが一部予混火炎(partially premixed
flame)燃焼を主に行い、この部分の予混火炎が二つの予混火炎燃焼域(premixed reaction zone)を有し、その一つは淡燃料(fuel-lean)の燃焼域で、他の一つは高混合燃料(fuel-rich)のの燃焼域により、非予混(non-premixed)燃焼(または拡散火炎、diffusion flameと称する)域を形成することができる。この三つの域は三重点(triple point)で接し
ているので、三重火炎(triple flame)と称する。その内、非予混火炎燃焼域は濃い燃料の流動域からの過剰燃料と、高混合率及び低混合率燃焼域の酸素混合により理論混合割合(stoichiometric mixing)の割合において拡散火炎の燃焼を行い、三重火炎が燃焼理論にお
いては、例えば火炎の安定性(stabilization)(言い換えれば、安定燃焼範囲を増加する
)、リフトオフ火炎(liftoff flame)の回避、乱流混合(turbulent mixture)の増加および熱釈放(heat release)などの現象に極めて重要な役割を演じている。また熱釈放が燃焼ガスの流動拡散仕組み(flow dilatation)及び浮力効果(buoyancy effect)を影響し、かつ三重火炎はバーナ域の内部が局部的消火(local extinction)の場合、再着火(reignition)する特点がある。単にメタンガスの濃淡燃焼を考慮すると、濃い燃料の燃焼域がCOおよびH2を発生する。低混合率の燃焼域はメタンガスを消耗する主な場所で、後端の拡散燃焼域は主に中間産出物、例えばC OおよびH2で酸化してCO2およびH2Oを形成する場所である。
【0003】
しかし、前記濃淡燃焼バーナは全体的に濃い燃料用混合管および希薄燃料用混合管を必要とし、その濃淡状態は複数のハニカム型小炎孔を利用して濃い燃料の混合状態または希薄燃料の混合状態を形成する。したがって、その燃料を供給するパイプラインの配置空間または燃料空気割合の制御機構など、小型の民生用バーナ、例えばガスコンロ、給湯器などの応用に困難である。今まで商業化されている家庭用ガス給湯器の設計は、図10を参照するように、よく見られる設計であり、強制的送風方式を利用して混合気体(空気+燃焼ガス)を混合気体の入口71から入る。さらに、図11を参照するように、濃淡燃焼の様態で、混合気体が希薄火格子混合気体および濃い火格子混合気体に分けられ、それぞれ希薄火格子混合気体の入口72と濃い火格子混合気体の入口73から入り、頂面により排出して燃焼する。以上の設計は希薄火格子が条状に排列され、希薄火格子の間隙が濃い火格子の混合気体の排出に提供して、所謂濃淡燃焼を形成するためのものである。しかし、実務では理想的な状態のように、常に濃淡燃焼の状態に維持することができないため、実用的にはならない。
【0004】
本発明は、主に効果的に小型化され小型の民生用バーナ、例えばガスコンロ、給湯器などに応用可能で、かつ環境に良い要求を符合できる濃淡燃焼バーナを提供する目的とする。
【0005】
本発明が開示する濃淡燃焼バーナは、希薄火格子および濃い火格子を備え、濃い火格子は、複数本の互いに平行した混合気体の給気管からなり、また各給気管の何れも複数の炎孔が開設され、希薄火格子は、同じく複数本の互いに平行した混合気体の給気管からなり、また各給気管の何れも複数の炎孔が開設されるとともに、給気量(即ち、燃焼ガス)が
濃い火格子の給気量より大きく形成される。そして、希薄火格子の炎孔および濃い火格子の炎孔はマトリックス方式で互いにジグザグ状に排列され(囲碁状排列)、両互いに隣接した炎孔を構成して濃淡燃焼の燃焼状態にならしめる。このようにして、小型の民生用バーナ、例えばガスコンロ、給湯器などに応用すれば、一酸化窒素(NO)及び一酸化炭素(CO)を効果的に低減させることで、一般家庭用ガスコンロ、給湯器をより環境の保護に必要な条件に符合することができる。
【0006】
以下、本発明の詳しい内容および技術について図面を合わせて説明する。
【発明の開示】
【0007】
本発明が開示する濃淡燃焼バーナは、図1を参照するように、主に濃い火炎の炎孔11と希薄火炎の炎孔12をマトリックス方式で互いにジグザグ状に排列して両互いに隣接した炎孔を構成して濃淡燃焼の燃焼状態に形成することで、全体的濃淡燃焼バーナの小型化を達成できる目的とすることによって、小型の民生用バーナ、例えばガスコンロ、給湯器などにも応用することができる。
【0008】
各独立する炎孔の濃淡燃焼の目的を達成すために、図2のように、まず家庭用ガスコンロの実施様態を参照する。濃い火格子20は、小さい断面を持った側方向の上方給気通路に設計してガス管の入口に合わせて先細通路の近傍で少ない一次空気量を取り入れより濃いガス量を構成することができる。それに複数本の互いに平行した混合気体の給気管21からなり、また各給気管21の何れも複数の炎孔211が設けられる。そして、希薄火格子30は図3に示すように、大きい断面を持った側方向の下方給気通路に設計して先細通路の近傍で多くの一次空気量からなる希薄のガス量を取り入れ、同じく複数本の互いに平行した混合気体の給気管31から構成され、また各給気管31の何れも複数の炎孔311が設けられる。濃い火格子20の上方向の給気通路と希薄火格子30の下方向の給気通路とはジグザグ状に設計されるので、図5に示すように、ジグザグ状に排列するマトリックス方式の濃淡燃焼炎孔を構成することができる。前記濃い火格子20は、前記希薄火格子30の上方に位置される。
【0009】
前記のように、濃い火格子20の濃い燃料混合状態はより大きい断面積を有する通路、または混合管前端の先細管およびガス管の末端にノズルを設計することで、ベンチュリ管効果により多くの空気量を取り入れて濃い燃焼に必要な燃料と空気の混合量に達成することができ、このような燃焼状態は一部予混火炎(partially premixed flame)である。また常用される先細管の前縁入口の一次空気のストッパーを合わせて一次空気量を調整することにより空気燃料割合の制御を達成できる。
【0010】
希薄火格子30の希薄燃料混合状態は、断面の小さい通路、または混合管前端の先細管およびガス管の末端にノズルを設計することで、ベンチュリ管効果により少ない空気量を取り入れて濃い燃焼に必要な燃料と空気の混合量に達成することができ、また常用される先細管の前縁入口の一次空気のストッパーを合わせて一次空気量を調整することにより空気燃料割合の制御に達成できる。またガス管を利用して濃い火格子先細い入口に直接に接合して、濃い火格子混合管内にガス燃料により完全に充満させ、燃料が濃い火格子のノズルの外側で外部の空気と混合してから燃焼を行い、このような燃焼状態は拡散火炎(diffusion flame)を称する。
【0011】
図4に示すように、濃い火格子20(または希薄火格子30)に設計された濃い火格子ガス管22(または希薄火格子ガス管32)入口は、何れも同一側に設計され、そして対向する他側に固定サポートを設計することができる。さらに、図5Bに示すように、濃い火格子20と希薄火格子30とのジグザグ排列方式はガスコンロパイプラインの内部パイプラインの排列に簡略化可能で、ガスコンロの内部に配置される一次空気の入る空間が配
置しやすくなる。さらに、全ての炎孔211、311は、その位置の何れもバーナの頂部のハニカム型炎孔の出口隔離板40(図5Aに示す)から避けられる。複数の交差網状を備えた隔離板40は、濃淡火格子の互いの位置を固定して各炎孔11、12が濃淡燃焼の状態を向上させることができる。設計された各濃淡火格子の炎孔11、12の何れも網状隔離板40の網状中央に位置されている。
【0012】
図6A、6B、6C、6D、6E、6Fを参照するように、濃い火格子20と希薄火格子30は大きさの異なる先細口212、312を利用し、かつ濃い火格子20の混合気体通路が希薄火格子30より狭く設計され、濃い火格子20の燃料、即ちガス量は希薄火格子30より少なく、または濃い火格子20の混合気体量(一次空気量が少ない)が希薄火格子30の混合気体(一次空気量が多い)より少ないため、濃い火格子20の断面積は希薄火格子30より小さい。なお、ガスコンロの底部が二次空気の取り入れ空間を考慮しなければならないので、濃い火格子20と希薄火格子30の広さの設計は同じである。しかし、濃い火格子20の厚さが希薄火格子30より小さく、二次空気の取り入れ空間を大きくするとともに、二次空気を通過させるため、より多くの通路を提供する。即ち、濃い火格子20と希薄火格子30は二次空気の取り入れを阻止する領域をできるだけ少なくする。
【0013】
さらに、濃い火格子20と希薄火格子30がジグザグに排列され、濃い火格子20の小さい混合気体通路を合わせて濃い火格子20の上部の部分に設計し、また希薄火格子30の大きい混合気体通路が希薄火格子30の下部の部分に設計されることによって、濃い火格子20と希薄火格子30の混合気体通路を効果的にずらす。一方、前記実施様態の他、炎孔211、311の分布位置も家庭用ガスコンロの様態により変化することができ、図7を参照するように、言い換えれば、本発明によりマトリックス方式を利用して濃、淡炎孔の設計を提出し、濃淡バーナの小型化を実現して家庭用バーナに応用可能で、かつその炎孔の分布が制限されないものである。
【0014】
図8を参照するように、前記の実施様態は、自然給気型の濃い火格子20及び希薄火格子30に属しているので、ベンチュリ管効果を利用して一次空気を取り入れる場合、その一次空気量は、理論的または実務上では理論混合割合の燃焼空気量に達成することができない。従って、濃い火格子20または希薄火格子30のいずれかが自然給気の状況においてガスと空気の混合された管内は、その空気量が燃焼の状態まで至らず、即ち濃い燃料で燃焼する状態になる。そのために、自然給気の状況では単に濃い火格子20の空気量を希薄火格子30の空気量より小さく制御し、または達成させるが、濃い火格子20であろか希薄火格子30であろか、その空燃比(空気と燃料の割合)いずれの空気は不十分であるため、周り環境の二次空気を補足しなければ、燃焼を行うことができないので、それに合わせてファン50を増設して一次空気量の不足を補足して強制的送風方式により希薄火格子30の燃焼気体の空気量を理論混合割合の燃焼条件まで達し得る上で、希薄燃料の燃焼状態まで制御することができる。
【0015】
図8に示すように、ファン50が濃い火格子20と希薄火格子30の一次空気を提供できる他、さらにバーナのその他の域を充満させる二次空気量を提供することができる。しかし、濃い火格子20および希薄火格子30はジグザグ状に排列されているので、ファン50は、側方向の給気方式により濃い火格子20および希薄火格子30に混合管の空気を直接に提供でき、他の阻止部材が存在しない。
【0016】
一方、家庭用給湯器に応用される例は、図9を参照するように、従来の給湯器のバーナ空間の配置は矩形状で、円いガスコンロと異なっているため、全体燃焼域を矩形状に設計する他、バーナの底部の濃い火格子20と希薄火格子30とをジグザグ状に排列して各濃い燃焼炎孔211と希薄燃焼炎孔311と両互いに隣接するように構成し、さらに、バー
ナの上部の炎孔は、例えばハニカム型で排列された出口の隔離板40に両互いに隣接した出口が濃淡燃焼の燃焼状態に実現することができる。濃い火格子20と希薄火格子30の配置、細部構造は、実現された濃淡燃焼の濃い火格子20または希薄火格子30と取り入れた一次空気の具体的手段と前記給湯器とは同一であるため、重ねて説明することはない。そして、その内、給湯器の配置に妨げられているため、ファンを増設する場合、底部から送風することが理想である。
【0017】
本発明は、以上のように、前記のより好ましい実施例を開示している。しかし、これは、本発明を限定するものでなく、如何なる当該技術分野の者が本発明の精神、または範囲内から離脱しない前提で成された変更または潤飾など、本発明の技術範疇とする。したがって、本発明の保護範囲は後記の特許請求の範囲で限定するものを準ずる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の濃淡燃焼バーナの平面図。
【図2】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子の平面図。
【図3】本発明の濃淡燃焼バーナの希薄火格子の平面図。
【図4】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の平面図。
【図5A】本発明の濃淡バーナの隔離板の平面図。
【図5B】本発明の濃淡燃焼バーナの家庭用ガスコンロの平面図。
【図6A】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図6B】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図6C】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図6D】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図6E】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図6F】本発明の濃淡燃焼バーナの濃い火格子、希薄火格子の細部見取図。
【図7】本発明の濃淡燃焼バーナの家庭用ガスコンロの他の実施様態の見取図。
【図8】本発明の濃淡燃焼バーナの家庭用ガスコンロがファンを結合する見取図。
【図9】本発明の濃淡燃焼バーナの給湯器の見取図。
【図10】従来のガス給湯器の見取図。
【図11】同じく従来のガス給湯器の見取図。
【符号の説明】
【0019】
11…濃い火炎、12…希薄火炎、20…濃い火格子、21…給気管、211…炎孔、212…先細口、22…濃い火格子ガス管、30…希薄火格子、31…給気管、311 炎孔、312 先細口、32…希薄火格子ガス管、40…隔離板、50…ファン、71…混合気体入口、72…希薄火格子混合気体入口、73…濃い火格子混合気体入口。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用ガスコンロ、給湯器に応用される濃淡燃焼バーナにおいて、
複数の炎孔を備えた濃い火格子と、
複数の炎孔を備え、その給気量は、前記濃い火格子の給気量より多い希薄火格子と、を含み、
前記希薄火格子の炎孔と前記濃い火格子の炎孔とは、マトリックス方式で互いにジグザグ状に排列され、両互いに隣接した前記炎孔の濃淡燃焼の燃焼状態を構成することを特徴とする濃淡燃焼バーナ。
【請求項2】
前記濃い火格子は、複数の互いに平行した混合気体給気管からなり、各給気管の何れも複数の炎孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の濃淡燃焼バーナ。
【請求項3】
前記濃い火格子は、さらに濃い火格子のガス管を備え、前記給気管に連通してバーナの供給に用いられることを特徴とする請求項2記載の濃淡燃焼バーナ。
【請求項4】
前記希薄火格子は、複数の互いに平行した混合気体給気管からなり、各給気管の何れも複数の炎孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の濃淡燃焼バーナ。
【請求項5】
前記希薄火格子は、さらに濃い火格子のガス管を備え、前記給気管に連通してバーナの供給に用いられることを特徴とする請求項4記載の濃淡燃焼バーナ。
【請求項6】
前記濃い火格子は、前記希薄火格子の上方に位置されることを特徴とする請求項1記載の濃淡燃焼バーナ。
【請求項7】
さらに、前記バーナの空気給気量を向上させるためのファンを備えていることを特徴とする請求項1記載の濃淡燃焼バーナ。
【請求項1】
家庭用ガスコンロ、給湯器に応用される濃淡燃焼バーナにおいて、
複数の炎孔を備えた濃い火格子と、
複数の炎孔を備え、その給気量は、前記濃い火格子の給気量より多い希薄火格子と、を含み、
前記希薄火格子の炎孔と前記濃い火格子の炎孔とは、マトリックス方式で互いにジグザグ状に排列され、両互いに隣接した前記炎孔の濃淡燃焼の燃焼状態を構成することを特徴とする濃淡燃焼バーナ。
【請求項2】
前記濃い火格子は、複数の互いに平行した混合気体給気管からなり、各給気管の何れも複数の炎孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の濃淡燃焼バーナ。
【請求項3】
前記濃い火格子は、さらに濃い火格子のガス管を備え、前記給気管に連通してバーナの供給に用いられることを特徴とする請求項2記載の濃淡燃焼バーナ。
【請求項4】
前記希薄火格子は、複数の互いに平行した混合気体給気管からなり、各給気管の何れも複数の炎孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の濃淡燃焼バーナ。
【請求項5】
前記希薄火格子は、さらに濃い火格子のガス管を備え、前記給気管に連通してバーナの供給に用いられることを特徴とする請求項4記載の濃淡燃焼バーナ。
【請求項6】
前記濃い火格子は、前記希薄火格子の上方に位置されることを特徴とする請求項1記載の濃淡燃焼バーナ。
【請求項7】
さらに、前記バーナの空気給気量を向上させるためのファンを備えていることを特徴とする請求項1記載の濃淡燃焼バーナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−170809(P2007−170809A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334637(P2006−334637)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(598132657)インダストリアル テクノロジー リサーチ インスティチュート (26)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(598132657)インダストリアル テクノロジー リサーチ インスティチュート (26)
【Fターム(参考)】
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