説明

濡れ肌用水中油型化粧料及びその使用方法

【課題】保湿感が高く、べたつきが少なく、かつ肌なじみが良好で塗布しやすい、入浴後等の濡れた肌に適用する濡れ肌用化粧料を提供する。
【解決手段】下記(A1)、(A2)及び(A3)からなる(A)油性成分と、
(A1)フィトステロールと下記一般式(1)で表される炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
(A2)25℃でペースト状の炭化水素
(A3)25℃で液状の油(但し、上記(A1)成分を除く)
(B)非イオン性界面活性剤とを含有する濡れ肌用水中油型化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水で濡れた肌(以下、「濡れ肌」という)に塗布して使用する化粧料及びその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、顔や身体等の肌を対象とした保湿や肌荒れ防止を目的とした種々のスキンケア化粧料が使用されている。特に、身体を対象とした全身用スキンケア化粧料には、優れた保湿効果に加えて、広い塗布面積に対する塗布のし易さが求められている。スキンケア化粧料には、日常や入浴後等の乾いた肌に塗布するもの、また、入浴時等の濡れた肌に塗布するものが使用されており、全身用として簡便性、衣類への汚染の懸念のなさから入浴時の濡れた肌に使用するスキンケア化粧料が提案されている。入浴時の濡れた肌に用いるスキンケア化粧料としては、上がり湯に希釈して身体にかけて使用するセラミド等を含有した上がり湯用保湿組成物(例えば、特許文献1参照)、濡れた肌に塗布した後にすすぎ流して使用する油成分等を含有したリンス可能な皮膚コンディショニング組成物(例えば、特許文献2参照)、シャワー水に同伴して用いるシャワー用剤(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
【0003】
しかしながら、従来からある濡れ肌に用いる化粧料は、使用時に大量の水で希釈する、又は塗布後にシャワー等で洗い流して使用するため、有効成分である油成分や保湿剤の皮膚への残存量が少なく、十分なスキンケア効果が得られ難かった。また、油性成分や保湿剤の残存量を高めようと、その配合量を高める等を行うと、べたつき感が生じ、また肌上での化粧料の伸びが悪化し塗布し難いという問題が生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−354541号公報
【特許文献2】特表2005−526118号公報
【特許文献3】特開2004−231518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、保湿感が高く、べたつきが少なく、かつ肌なじみが良好で塗布しやすい、入浴後等の濡れた肌に適用する濡れ肌用化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の(A1)フィトステロール脂肪酸エステルと、(A2)25℃でペースト状の炭化水素と、(A3)25℃で液状の油(但し、上記(A1)成分を除く)とを組み合わせた(A)油性成分と、(B)非イオン性界面活性剤とを含有する水中油型化粧料を、入浴後等の濡れた肌に使用すると、肌なじみが良好で塗布しやすく、その後の肌が、しっとりして保湿感が高いと共にべたつきがないことを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は、下記濡れ肌用水中油型化粧料及びその使用方法を提供する。
[1].下記(A1)、(A2)及び(A3)からなる(A)油性成分と、
(A1)フィトステロールと下記一般式(1)で表される炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
(A2)25℃でペースト状の炭化水素
(A3)25℃で液状の油(但し、上記(A1)成分を除く)
(B)非イオン性界面活性剤とを含有する濡れ肌用水中油型化粧料。
[2].上記(A2)成分がワセリンである[1]記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
[3].(A1)/(A2)で表される(A1)成分と(A2)成分との質量比が、2/5〜5/2である[1]又は[2]記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
[4].さらに、(C)膨潤力が20mL/2g以上であるカチオン化されていない水膨潤性粘土鉱物を含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
[5].さらに、(D)グリセリンを含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
[6].[1]〜[4]のいずれかに記載の濡れ肌用水中油型化粧料を、水で濡れた肌に塗布した後、タオルドライすることを特徴とする濡れ肌用水中油型化粧料の使用方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、入浴後等の濡れた肌に使用すると、肌なじみが良好で塗布しやすく、その後の肌が、しっとりして保湿感が高いと共にべたつきがない化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の化粧料は、下記(A1)、(A2)及び(A3)からなる(A)油性成分と、
(A1)フィトステロールと下記一般式(1)で表される炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
(A2)25℃でペースト状の炭化水素
(A3)25℃で液状の油(但し、上記(A1)成分を除く)
(B)非イオン性界面活性剤とを含有する、入浴後等の濡れた肌に使用する濡れ肌用水中油型化粧料である。
【0010】
本発明の化粧料は、濡れた肌に用いることにより、優れたしっとり感、べたつきのなさ、肌なじみを発揮する。このメカニズムは明らかではないが、例えば下記のように推定される。本発明の特定の(A1)フィトステロール脂肪酸エステルは、抱水性の油成分であり、組成中では、他の油成分と共に乳化されミセル(液滴)として存在しているが、肌に塗布された時にミセルが崩壊し、フィトステロール脂肪酸エステルを含む油成分が肌に付着する。付着したフィトステロール脂肪酸エステルは、濡れた肌の上の水を抱水して、抱水ベールをつくるものと考えられる。この抱水ベールが皮膚からの水分の蒸散を抑制すると共に、皮膚へ水を補給する働きをし、保湿効果を発現し、肌がしっとりと感じる。さらに、抱水しているので、肌とのなじみがよく、塗布時ののびも良好となる。
【0011】
本発明の(A)油性成分は、下記(A1)、(A2)及び(A3)からなるものである。
(A1)フィトステロールと下記一般式(1)で表される炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
上記(A1)フィトステロールと、特定の酸である炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル(以下、フィトステロール脂肪酸エステル)を用いることにより、濡れた肌に使用した際に、肌なじみが良好で塗布しやすく、その後の肌が、しっとりして保湿感が高いと共にべたつきがないという効果を得ることができる。本発明の(A1)フィトステロール脂肪酸エステルは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、フィトステロール脂肪酸エステルのフィトステロールと一価脂肪酸とは、それぞれ1種でも2種以上でもよく、これらの組み合わせによりフィトステロール脂肪酸エステルが構成される。本発明においては、(A1)フィトステロール脂肪酸エステルが、フィトステロールと一価脂肪酸とのエステルとのエステルであることが重要であり、フィトステロール誘導体とグルタミン酸誘導体とのエステルを用いた場合、例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル)は抱水能を持つが、これを配合した化粧料は、塗布後のしっとり感が満足のいくものではない。
【0012】
(A1)フィトステロール脂肪酸エステルのフィトステロール部としては、植物油脂から得られるステロール化合物であり、主としてβ−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール等が挙げられ、植物ステロールと総称されている。フィトステロールは1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよく、混合物を用いてもよい。中でも、(A1)成分中の割合が、β−シトステロール25〜75質量%、スチグマステロール2〜45質量%、カンペステロール12〜45質量%の割合が、しっとり感の点で好ましい。
【0013】
(A1)フィトステロール脂肪酸エステルの炭素数8〜22の一価脂肪酸は、下記一般式(1)で表される。一価脂肪酸は1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
Rは炭素数7〜21、好適には8〜18の一価炭化水素であって、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。
【0014】
(A1)フィトステロール脂肪酸エステルとしては、2−エチルヘキサン酸フィトステリル、パルミチン酸フィトステリル、パルミトオレイン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、リノール酸オレイン酸フィトステリル、マカダミアナッツ脂肪酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、オクチルデカン酸ジヒドロ酸フィトステリル等が挙げられる。中でも、オレイン酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、マカダミアナッツ脂肪酸フィトステリル等がより好ましい。フィトステロール脂肪酸エステルとしては市販品を用いることができ、例えば、フィトステリルイソステアレート(タマ生化学社製)等を用いることができる。
【0015】
(A1)フィトステロール脂肪酸エステルとしては、皮膚上に抱水したベールを形成し、しっとり感を発現させる点から、抱水率100%以上のものが好ましく、200%以上のものがより好ましい。具体的な抱水率は、イソステアリン酸フィトステリル(抱水率270%)、マカダミアナッツ脂肪酸フィトステリル(抱水率300%)である。なお、本発明における抱水率は、下記試験方法で得られた値である。
【0016】
(抱水率試験方法)
50℃に加熱した試料10gを200mLビーカーに秤り取り、デスパミキサーにて3000rpmで攪拌しながら50℃の水を徐々に、水が試料から排液してくるまで添加し、水が排液しない最大量(質量)を測定し、この数値を試料10gで除し、100倍して抱水力(%)とする。この抱水力が、100%以上であると自重と等量以上の質量の水を抱水することができる。
抱水力=(添加した水量)/(試料量)×100
【0017】
(A2)25℃でペースト状の炭化水素
25℃でペースト状である炭化水素であればいずれのものも使用することができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(A2)成分の配合により、特にべたつきが低減される。(A2)成分が液状の場合はべたつきを低減できず、固体の場合は、肌なじみが悪く、のびも悪い。本発明においては、25℃でペースト状とは稠度100〜220のものをいう。なお、本発明の「稠度」は、JIS K2235「石油ワックス」に準拠して測定し、試料を82℃に加熱溶融して、恒温水浴中で25℃に保った後、この試料中に質量の合計が150gとなる円錐を垂直に5秒浸入させたときの円錐の浸入した深さを0.1mmまで測定し、これを10倍した数値とする。
【0018】
中でも、稠度130〜220のものが好ましく、190〜210のものがより好ましい。稠度130以上のものを用いることにより、肌なじみのよさをより得ることができ、稠度220以下のものを用いることにより、べたつき低減効果をより得ることができる。融点は、化粧料の経時安定性とのびの良さの点から、融点30〜60℃のものが好ましく、40〜60℃のものがより好ましく、45〜60℃のものがさらに好ましい。融点が40℃以上のものを用いることにより、分離する等の経時安定性を防ぎ、べたつき低減効果をより得ることができ、融点が60℃以下のものを用いることにより、肌なじみをより向上させることができる。なお、本発明の「融点」は、第15改定日本薬局処方 一般試験法、融点測定法第3法により測定して得る値である。
【0019】
(A2)成分としては、例えば、パラフィン、ワセリン(精製度の低い黄色ワセリン、脱色・精製した白色ワセリンを含む)等が挙げられる。これらの中でも、塗布時ののびのよさ、べたつきの低減効果の点でワセリンが好ましく、化粧料の重要な品質であるにおいのよさ、皮膚刺激性のなさの点で、白色ワセリンが好ましい。(A2)成分としては市販品を用いることができ、例えば、白色ワセリンとしては、サンホワイトP−200(日興リカ社製)、サンホワイトS−200(日興リカ社製)、ペレンスノー(ペレンコ社製)等が挙げられる。
【0020】
本発明の(A2)は、25℃でペースト状であれば、数種類の炭化水素の混合物でもよく、液状である流動パラフィンとワセリンを混合して25℃でペースト状としてもよい。例えば、稠度156のワセリンに流動パラフィンを90/10(質量比)で混合し、稠度176として、(A2)成分として用いることができるが、べたつき低減効果と経時安定性の点から、ワセリン単体で用いることが好ましい。
【0021】
(A3)25℃で液状の油
25℃で液状の油であればいずれのものも使用できるが、上記(A1)成分は含まれない。(A3)成分は(A1)及び(A2)成分の溶剤であり、のびの良さの向上させることができる。本発明でいう「液状の油」とは、25℃における粘度が200mPa・s以下のものをいう。なお、本発明における液状油の粘度は、25℃においてB型粘度計でローターNo.2を用い、60rpm(500mPa・s未満)により測定した値である。
【0022】
(A3)成分は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素、ヒマシ油、マカデミアンナッツ油、オリーブ油、アボカド油、サフラワー油、サンフラワー油、ホホバ油、ミンク油等の油脂類、酢酸ラノリン等のラノリン類、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸イソセチル、ペンタエリトリット脂肪酸エステル、ジカプリン酸プロピレングリコール等のエステル類、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリカプリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロデカン等のフッ素系油等が挙げられる。これらの中でも、肌にツヤ感やなじみやすさを付与する点から、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、2−エチルヘキサン酸セチル、ジカプリン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルが好ましく、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、2−エチルヘキサン酸セチルがより好ましい。
【0023】
(A3)成分としては、特に50℃において(A1)成分及び(A2)成分を溶解できることが好ましい。(A2)50℃付近に転送温度をもつ乳化組成物は、保存期間中に分離し難い等安定性が良好であり、そのような乳化物を調製するには、油性成分である(A1)及び(A2)成分が50℃で(A3)成分に溶解する必要があるからである。
【0024】
(A)成分の配合量は化粧料全体に対して13〜40質量%が好ましく、保湿効果とべたつき低減の点から、17〜30質量%がより好ましく、17〜25質量%がさらに好ましい。なお、本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に用いられる(A)油性成分以外の油性成分、例えば、(A2)、(A3)成分の性質を有しない油脂類、ロウ類、炭化水素類、シリコーン油類、エステル類、高級脂肪酸類、高級アルコール、環状アルコール等を配合してもよいが、その場合、(A)成分を含めて油性成分全体として化粧料全体に対して15〜45質量%が好ましく、保湿効果とべたつき低減の点から、20〜35質量%が好ましい。
【0025】
(A1)成分の配合量は、化粧料全体に対して1〜10質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。1質量%以上配合することで、より十分なしっとり感を付与することができ、配合量を10質量%以下にすることにより、べたつき低減、肌なじみ、塗布時ののびがより向上する。
【0026】
(A2)成分の配合量は、化粧料全体に対して1〜10質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。1質量%以上配合することで、より十分なべたつき低減効果を付与することができ、配合量を10質量%以下にすることにより、肌なじみ、塗布時ののびがより向上する。
【0027】
(A1)成分と(A2)成分との合計配合量は、化粧料全体に対して4〜20質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。さらに、(A1)/(A2)で表される(A1)成分と(A2)成分との質量比は、2/5〜5/2が好ましく、1/2〜2/1がより好ましい。2/5〜5/2という比率とすることで、肌なじみを向上させ、しっとり感とべたつき感のない使用感を両立させ、相乗的に向上させることができる。上記比率が2/5未満では、しっとり感が不十分となるおそれがあり、5/2を超えるとべたつき低減効果が不十分となるおそれがある。
【0028】
(A3)成分の配合量は、化粧料全体に対して5〜30質量%が好ましく、10〜20%がより好ましい。5質量%以上配合することで、肌なじみ、塗布時ののびがより向上し、配合量を30質量%以下にすることにより、より十分なべたつき低減効果を付与することができる。
【0029】
(A3)/[(A1)+(A2)]で表される質量比は、0.8〜3が好ましい。0.8以上とすることで肌なじみがより向上し、3以下とすることでべたつき低減効果がより向上する。
【0030】
(B)非イオン性界面活性剤
本発明に用いる非イオン性界面活性剤は(A)油性成分の乳化剤であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリルのアルキレンオキサイド付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加物、ポリオキシアルキレングリセリルの脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0031】
(B)成分は、肌なじみやべたつき低減の点からHLB10以上のものが好ましく、使用感が良好で安定性の良好な乳化物を得るためにHLB10〜18が好ましく、炭素数12〜18のアルキル基を2つ以上持つ多鎖型非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。また、(B)非イオン性界面活性剤中に占める多鎖型非イオン性界面活性剤の割合は、40〜80質量%がよい。40質量%未満だと肌なじみが低下し、80質量%を超えるとべたつきを生じる場合がある。HLB10以上の多鎖型非イオン性界面活性剤の具体的な例は、ポリオキシアルキレングリセリルの脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレントリメチロールプロパンの脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油の脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンプロピレングリコールの脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0032】
ポリオキシアルキレングリセリルの脂肪酸エステルとしては、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等が挙げられる。ポリオキシアルキレントリメチロールプロパンの脂肪酸エステルとしては、トリミリスチン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン等が挙げられる。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレンポリグリセリル等が挙げられる。ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油の脂肪酸エステルとしては、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。中でも、ポリアルキレングリセリルの脂肪酸エステルが好ましく、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステルを併用してもよい。
【0033】
特に、HLB10〜18のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、ジイソステアリン酸デカグリセリルが好ましく、特に、HLB10〜18のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルが好ましい。
【0034】
なお、本発明におけるHLB値は、以下に示す「川上の式」により求められるHLB値を示す。
HLB=7+11.7log(MW/MO
W:界面活性剤の親水部の分子量
O:界面活性剤の親油部の分子量
【0035】
(B)成分の配合量は、化粧料全体に対して1〜10質量%が好ましい。安定な乳化物を得る点から1質量%以上が好ましく、10質量%を超えるとべたつきを生じるおそれがある。また、(B)/[(A1)+(A2)+(A3)]で表される質量比は、0.07〜0.3が好ましい。0.07以上とすることで、乳化物の安定性、肌なじみがより向上し、0.3以下とすることで、肌なじみやべたつき低減効果がより向上する。
【0036】
なお、本発明には本発明の効果を損なわない範囲で、(B)成分以外の非イオン性界面活性剤を用いることもできる。
【0037】
(C)膨潤力が20mL/2g以上であるカチオン化されていない水膨潤性粘土鉱物
本発明の化粧料には、べたつき低減、肌なじみ、保湿効果の点から、上記(C)水膨潤性粘土鉱物を配合することが好ましい。本発明の(C)水膨潤性粘土鉱物の上記効果付与のメカニズムは不明であるが、本発明の(C)水膨潤性粘土鉱物は、抱水性が良好であり、且つ延展性に富むので、濡れた肌の上で、フィトステロール脂肪酸エステル(A1)ともに抱水ベールを形成し、皮膚からの水分の蒸散を抑制するとともに、皮膚へ水を補給する働きをし、保湿効果を向上させると推定される。また、べたつきを低減し、肌なじみのよさとのびもよく、使用感を向上させる。さらに、本発明の(C)水膨潤性粘土鉱物は、自身の肌付着性が高いだけでなく、油成分等の保湿に有効な成分の肌への付着性が高めるので、タオルドライで拭き取った後の、有効成分の肌残存率が向上し、保湿効果を向上させると推定される。
【0038】
本発明の「膨潤力」は、第15改定 日本薬局方に定められたベントナイトの試験方法を準用し、粘土鉱物2gの膨潤体積(mL)で表される。膨潤力が20mL/2g未満の水膨潤性粘土鉱物を用いた場合、水中油型化粧料中での分散性が悪くなり塗布時にざらつきを感じたり、のびが悪くなり、しっとり感が悪くなるおそれがある。その理由は不明であるが、膨潤力20mL/2g未満の水膨潤性粘土鉱物は保湿効果に寄与する抱水性が低いためと、さらに肌付着性が低いため、(A)成分と形成する抱水ベールの肌への付着性も低くなり、タオルドライで拭き取った後の抱水ベールの肌残存率が低いことが推察される。
【0039】
本発明の(C)水膨潤性粘土鉱物としては、膨潤力が20mL/2g以上でカチオン化されていないものであれば特に限定されるものではなく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(C)成分としては、例えば、天然物、天然物の精製品、天然の膨潤性を改質したもの又は合成されたもの等が挙げられる。具体的には、上記膨潤力を有する天然又は合成されたモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ヘクトライト、スチブンサイト等のスメクタイト族の粘土鉱物や、バーミキュライト、膨潤性合成フッ素雲母(Na型、Li型合成マイカ)等を用いることができる。また、上記粘土鉱物のイオン交換反応を行った、膨潤性を向上させた高金属イオン置換粘土鉱物等も用いることができる。本発明に用いる上記膨潤力を有する水膨潤性粘土鉱物は、層間に水分子を水和して取り込む交換性のイオンを含有しており、膨潤性、吸着性、結合性、懸濁性、増粘性等の性質を有し、他の粘土鉱物とは異なった性質を示すものである。上記水膨潤性粘土鉱物の中では、スメクタイト族、スメクタイト族のモンモリロナイトを主成分とするベントナイト等が好ましい。
【0040】
本発明に用いる上記膨潤力を有する水膨潤性粘土鉱物は、ポーラゲル(アメリカンコロイド社製)、ラポナイト(日本シリカ工業社製)、ベンゲル(豊順鉱業社製)、ルーセンタイト(コープケミカル社製)、クニピア(クニミネ工業社製)、ベンクレイ(水澤化学工業社製)、ビーガム(バンダービルト社製)等の商品名で市販されているものを使用することができる。
【0041】
本発明の(C)水膨潤性粘土鉱物の平均粒径は、1〜5000nmが好ましく、1〜1000nmがより好ましく、1〜700nmがさらに好ましい。平均粒径が5000nmを超えると、粘土鉱物単位質量当たりの表面積が小さくなり、皮膚接触面積が小さくなるために肌への付着性が低下するおそれがあり、しっとり感、べたつき低減効果をより発揮するためには、5000nm以下のものを用いるとよい。なお、本発明の平均粒径は、動的光散乱法により測定し、メディアン径(積算粒子量が50体積%になる粒子径)であり、測定機器:島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2200で測定した値である。
【0042】
(C)成分の配合量は、化粧料全体に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。0.01質量%以上とすることで、しっとり感、肌なじみ、べたつき低減効果をより得ることができ、5質量%以下とすることで、肌の上での被膜感が少なくなり、しっとり感、塗布時ののびがより向上する。
【0043】
(D)グリセリン
本発明の化粧料には、しっとり感付与の点から、グリセリンを配合することが好ましい。グリセリンのしっとり感付与のメカニズムは不明であるが、(A1)フィトステロール脂肪酸エステルのつくるベールを強固にし、自身の保湿作用でベールの抱水性を向上させるとともに、抱水ベールから角質層に浸透することでタオルドライ後も、保湿効果を高めていると考えられる。
【0044】
化粧料全体に対するグリセリンの配合量は、しっとり感付与の点から5質量%以上が好ましく、べたつき低減や肌なじみの点から、30質量%以下が好ましく、8〜15質量%がより好ましい。本発明の化粧料は、濡れ肌に直接塗布して使用する性質上、濡れ肌への塗布時ののびとべたつき性、さらにタオルドライ後のしっとり感とべたつきのなさが重要であり、(A)油性成分と(D)グリセリンとの合計配合量が、化粧料全体に対して50%質量以下であることが好ましく、15〜40質量%がさらに好ましい。
【0045】
本発明に用いる水としては、精製水、イオン交換水等を用いることができる。化粧料全体に対する水の配合量は、べたつき低減と肌なじみの点から30質量%以上が好ましく、しっとり感の点から80質量%以下が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
【0046】
本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて、適量を配合することができる。任意成分としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤等の界面活性剤、無機粉体、有機粉体等の水不溶性粉体、高分子化合物、保湿剤、ビタミン類、アミノ酸類、抗炎症剤、紫外線吸収剤、冷感付与剤、酸化防止剤、着色剤、香料、制汗剤、殺菌剤、消臭剤、防腐剤、包接化合物、水等の溶剤、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。
【0047】
本発明の化粧料は、水相中に油性成分が分散状態で存在する水中油型エマルションの形態を有するものであり、その製造方法は特に限定されないが、例えば、水に水溶性成分を加温溶解したものに、あらかじめ(A)成分と(B)成分を加温溶解したものを徐々に添加し、ホモミキサー等の攪拌機しながら冷却して水中油型化粧料を得ることができる。
【0048】
本発明の化粧料の粘度(25℃)は、液垂れしにくさの点、全身等広範囲へ塗布し易さの点で、500〜20000mPa・sの範囲が好ましく、1000〜10000mPa・sがより好ましく、1000〜5000mPa・sがさらに好ましく、1500〜5000mPa・sが特に好ましい。粘度が、500mPa・s未満であると、塗布時に液垂れして塗りにくく、20000mPa・sを超えると、全身等の広範囲への塗布がしにくくなる。なお、粘度測定は、BH型粘度計(医薬部外品原料規格、粘度測定法、第2法等に規定)を用い、25℃、20rpm、1分後の値を測定する。ローターは、6号ローターを用いる。具体的なBH型粘度計としては、東京計器BH型粘度計等が挙げられる。
【0049】
本発明の濡れ肌用水中油型化粧料は濡れた肌に適用するものであり、濡れた肌としては、一般消費者の日常生活における水で濡れた肌や、職業従事者の水で濡れた肌等が例示できる。本発明の皮膚化粧料は、水で濡れた肌を生じる全ての場合に広く用いることができる。具体的な日常生活における水で濡れた肌への使用場面としては、風呂上がりやシャワーを浴びた後のボディケア、手洗い後のハンドケア、洗顔後のフェイスケア、足浴後のフットケア、台所での食器洗いや洗濯等の後のハンドケア等が挙げられる。具体的な職業従事者の水で濡れた肌への使用場面としては、老人の入浴介助、美容院における顧客の洗髪、洗車や散水作業等の場合のスキンケア等が挙げられる。水で濡れた肌に存在する水の量は限定されるものではないが、通常、水1〜4mg/cm2の範囲である。
【0050】
本発明の皮膚化粧料の肌への適用量や用法は特に制限されず、水(例えば、冷水、お湯等)で濡れた肌であれば、手、足、顔、腕、全身等、部位に関わらず適量を塗布し、塗り伸ばして用いることができる。その塗布量は限定されるものではないが、肌に対して0.2〜2.0mg/cm2するとよい。
【0051】
本発明の化粧料は、入浴後、シャワー後等の濡れた肌に適量を塗布して使用される。塗布後は、シャワー等ですすぎ流した後、タオルドライしてもよいが、すすぎ流さずに塗布後はそのままタオルドライすることが保湿効果を高める点で好ましい。
【実施例】
【0052】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において組成の「%」は「質量%」を表わし、実施例記載の成分量は純分換算である。
【0053】
表1〜5に示す組成の濡れ肌用水中油型化粧料を下記方法で調製した。
(i).水と1,3−ブチレングリコールと、配合する場合は(D)成分とを添加し、65℃に加熱した。(C)成分を配合する場合は、水を攪拌しながらこれに(C)成分を徐々に添加し、均一な分散液を調製した後、1,3−ブチレングリコールと、配合する場合は(D)成分とを添加し、65℃に加熱した。
(ii).(A)成分に、(B)成分とセトステアリルアルコールとを65℃で加熱溶解した。比較例の場合、(A)成分に、(B)成分とセトステアリルアルコール、還元ラノリン、モノイソステアリン酸硬化ヒマシ油又はマイクロクリスタリンワックス等を65℃で加熱溶解した。
(iii).(i)に(ii)を徐々に添加し、ホモミキサーにて乳化した。
(iv).攪拌しながら30℃まで冷却して皮膚化粧料を得た。
得られた濡れ肌用水中油型化粧料について、下記評価を行った。結果を表中に併記する。また、実施例の化粧料について、BH型粘度計(東京計器BH型粘度計)を用い、ローター:6号ローター、25℃、20rpm、1分後の値(粘度)を測定したところ、1000〜5000mPa・sの範囲であった。
【0054】
[使用感評価方法]
被験者20名に対し、石鹸で洗浄した前腕を40℃の湯に5分間浸漬した後に、濡れた状態の前腕内側部全体に試料0.4gを手で塗り伸ばし、タオルで拭いてタオルドライしてもらった。塗り伸ばした時の「塗布時の肌なじみのよさ」、タオルドライ直後の前腕内側部の「べたつきのなさ」と「しっとり感」とを評価した。また、「タオルドライ30分後のしっとり感」についても評価した。下記評価点に基づき官能評価を行い、結果を被験者20名の官能評価平均点に基づいて、下記使用感基準に基づき示す。
〈塗布時の肌なじみのよさの評価点〉
5点:非常に肌なじみがよい。
4点:肌なじみがよい。
3点:やや肌なじみがよい。
2点:肌なじみが悪い。
1点:非常に肌なじみが悪い。
〈タオルドライ直後のべたつきのなさの評価点〉
5点:べたつかない。
4点:あまりべたつかない。
3点:ややべたつく。
2点:べたつく。
1点:非常にべたつく。
〈タオルドライ直後又は30分後のしっとり感の評価点〉
5点:非常にしっとりする。
4点:しっとりする。
3点:ややしっとりする。
2点:あまりしっとりしない。
1点:しっとりしない。
〈使用感基準〉
A:被験者20名の平均点が4.5点以上5点以下
B:被験者20名の平均点が4.0点以上4.5点未満
C:被験者20名の平均点が3.0点以上4.0点未満
D:被験者20名の平均点が2.0点以上3.0点未満
E:被験者20名の平均点が1.0点以上2.0点未満
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

【0059】
【表5】

【0060】
表中の注1〜4を下記に示す。
注1:フィトステリルイソステアレート(タマ生化学)
注2:フィトステリルイソステアレート(タマ生化学)
注3:クニピアF(クニミネ工業)
注4:エルデュウPS306(味の素)
【0061】
[角層水分量の評価方法]
実施例26の化粧料を塗布した場合と、無塗布の場合について、下記水分量と相関のある皮表コンダクタンス測定により角層水分量を測定した。皮表コンダクタンスは、市販の機器(例えば、Skicon−200等)を用いて測定した。前腕を40℃の湯を用いて石鹸で洗浄し、タオルドライし、試験環境(室温20℃、湿度40%RH)で30分間馴化した後に、皮表コンダクタンス(入浴前の皮表コンダクタンス)を測定した。その後、前腕を40℃の湯に5分間浸漬した後に、濡れた状態の前腕内側部全体に試料0.4gを塗布し、タオルドライした後に、同様に経時の皮表コンダクタンス(試料処理後の皮表コンダクタンス)を測定した。下記式による角層水分量による結果を表6に示す。
角層水分量=試料処理後の皮表コンダクタンス−入浴前の皮表コンダクタンス
【0062】
【表6】

【0063】
[実施例28] 乳液
下記の組成に従い、乳液を常法により調製した。
組成 %
イソステアリン酸フィトステリル *5 3.0
白色ワセリン *6 3.0
流動パラフィン(粘度140mPa・s) *7 8.0
イソステアリン酸 *8 5.0
ミリスチン酸イソプロピル(粘度10mPa・s) 2.0
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(EO40)*9 1.5
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EO40) *10 1.5
セトステアリルアルコール *11 1.5
ビタミンE *12 0.1
ベントナイト(膨潤力70mL/2g) *13 0.3
キサンタンガム *14 0.5
濃グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
エタノール 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
クエン酸 0.015
香料 0.2
精製水 残部
合計 100.0
pH:5.2
粘度:2800(mPa・s)
*5:フィトステリルイソステアレート(タマ生化学)
*6:サンホワイトP−200(日興リカ)
*7:流動パラフィン350−S(三光化学工業)
*8:イソステアリン酸EX(高級アルコール工業)
*9:GWIS−340EX(日本エマルジョン)
*10:MYS−40V(日光サーファクタント工業)
*11:コノール30CK(新日本理化)
*12:理研Eオイル800(理研ビタミン)
*13:クニピアF(クニミネ工業)
*14:エコーガムT(大日本住友製薬)
【0064】
[実施例29] クリーム
下記の組成に従い、クリーを常法により調製した。
組成 %
イソステアリン酸フィトステリル *15 3.0
白色ワセリン *16 4.0
流動パラフィン(粘度140mPa・s) *17 6.0
スクワラン(粘度35mPa・s) *18 1.0
イソステアリン酸 *19 3.0
ジメチルシリコン30cs *20 0.5
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(EO40)*9 1.0
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EO40) *21 1.0
モノステアリン酸グリセリル *22 1.0
セトステアリルアルコール *23 2.0
ビタミンE *24 0.1
ベントナイト(膨潤力70mL/2g) *25 0.25
ベントナイト(膨潤力35mL/2g) *26 0.05
キサンタンガム *27 0.3
濃グリセリン 9.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
エタノール 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1
クエン酸 0.015
カミツレエキス *27 0.001
香料 0.3
精製水 残部
合計 100.0
pH:5.3
粘度:10000(mPa・s)
*15:フィトステリルイソステアレート(タマ生化学)
*16:サンホワイトP−200(日興リカ)
*17:流動パラフィン350−S(三光化学工業)
*18:ヒトデルム(COGNIS IBERIA)
*19:イソステアリン酸EX(高級アルコール工業)
*20:SH200 30cs(東レダウコーニング)
*21:MYS−40V(日光サーファクタント工業)
*22:MGS−BV2(日光サーファクタント工業社)
*23:コノール30CK(新日本理化)
*24:理研Eオイル800(理研ビタミン)
*25:ベンゲルFW(豊順鉱業社)
*26:エコーガムT(大日本住友製薬)
*27:カミツレリキッド(一丸ファルコス)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A1)、(A2)及び(A3)からなる(A)油性成分と、
(A1)フィトステロールと下記一般式(1)で表される炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
(A2)25℃でペースト状の炭化水素
(A3)25℃で液状の油(但し、上記(A1)成分を除く)
(B)非イオン性界面活性剤とを含有する濡れ肌用水中油型化粧料。
【請求項2】
上記(A2)成分がワセリンである請求項1記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
【請求項3】
(A1)/(A2)で表される(A1)成分と(A2)成分との質量比が、2/5〜5/2である請求項1又は2記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
【請求項4】
さらに、(C)膨潤力が20mL/2g以上であるカチオン化されていない水膨潤性粘土鉱物を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
【請求項5】
さらに、(D)グリセリンを含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の濡れ肌用水中油型化粧料を、水で濡れた肌に塗布した後、タオルドライすることを特徴とする濡れ肌用水中油型化粧料の使用方法。

【公開番号】特開2011−98914(P2011−98914A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255002(P2009−255002)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】